JP2020126180A - 半導体装置の製造方法および下地加工用の積層有機膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体装置の特性の向上および信頼性の向上を図る。【解決手段】次のとおり半導体装置を製造する。ブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜の第1領域を露光し、第1領域または第1領域以外の領域のフォトレジスト膜PRを除去することにより開口部を形成する。次いで、開口部から露出したブリーチング膜BLを除去し、この開口部に対応して、多結晶シリコン膜PSを除去する。そして、フォトレジスト膜PRは、感光性膜であり、ブリーチング膜BLは、露光工程において、ブリーチングする。このように、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成することで、露光時において、露光光の反射面が下方向にシフトし、反射光の干渉により感光領域が平均化され、特に、感光部PRaの側壁(エッジ)において凹凸が小さくなり、加工精度が向上する。言い換えれば、エッジラフネスを低減させることができ、加工精度が向上する。【選択図】図2
Description
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、フォトリソグラフィ工程を有する半導体装置の製造方法に好適に利用できるものである。
半導体装置の製造においては、フォトリソグラフィ技術を用いた微細パターンの形成工程が多用されている。例えば、シリコン基板上に、フォトレジストという感光性膜を形成し、i線(波長365nm)を照射することにより、光が照射された部分が変質し、例えば、アルカリ水溶液などに可溶となる。この性質を利用して、感光部または感光部以外を取り除くことにより、微細なパターンを形成する。この微細なパターンをマスクとして、下層のシリコン基板に不純物イオンを注入したり、下層のシリコン基板を選択的にエッチングしたりする。このような工程を繰り返すことにより、半導体素子(MISFET、メモリ)や配線などを形成することができる。
しかしながら、このフォトリソグラフィ工程において、ハレーションと呼ばれる、下地からの反射光によるレジスト形状の劣化が問題となる。
例えば、下記特許文献1(特開平9−211849号公報)には、染料入りレジストを用いることで、レジスト形状劣化および焦点深度の低下を引き起こすことなく、ハレーションを低減する技術が開示されている。ここでは、露光によって透過率が低下し、その透過率の低下が露光量の増加とともに増大するというレジストの性質を利用することにより、ハレーションを抑制している。
本発明者は、半導体装置の特性を左右するフォトリソグラフィ技術の研究開発に従事しており、フォトリソグラフィ技術の向上について、鋭意検討している。特に、後述するように、縮小転写露光を用いてレジストパターンを形成する場合、下地からの反射が大きいと、レジストへの入射光と下地からの反射光が干渉し、定在波が発生する。このような定在波が発生すると、それがレジストに転写し、レジストパターンの断面が波打った形状になり、そのレジストをマスクとして行う下地加工(エッチングやイオン注入)に悪影響を与える。特に、基板の表面に段差がある場合、段差部では下地反射が拡大(ハレーション)し、定在波の影響がより大きくなってしまう。
よって、このような下地からの反射光の影響を緩和することにより、フォトリソグラフィ技術を向上させることが望まれる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本願において開示される一実施の形態に示される半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上の第1層上に、第1有機化合物膜を形成する工程、(b)前記第1有機化合物膜上に、第2有機化合物膜を形成する工程、(c)前記第1有機化合物膜と前記第2有機化合物膜との積層膜の第1領域を露光する工程、を有する。そして、さらに、(d)前記第1領域または前記第1領域以外の領域の前記第2有機化合物膜を除去することにより開口部を形成する工程、(e)前記開口部から露出した前記第1有機化合物膜を除去する工程、(f)前記開口部に対応して、前記第1層を除去する工程、を有する。そして、前記第2有機化合物膜は、感光性膜であり、前記第1有機化合物膜は、前記(c)工程において、ブリーチングする。
本願において開示される一実施の形態に示される半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上に、第1有機化合物膜を形成する工程、(b)前記第1有機化合物膜上に、第2有機化合物膜を形成する工程、(c)前記第1有機化合物膜と前記第2有機化合物膜との積層膜の第1領域を露光する工程、を有する。そして、さらに、(d)前記第1領域または前記第1領域以外の領域の前記第2有機化合物膜を除去することにより開口部を形成する工程、(e)前記開口部から露出した前記第1有機化合物膜を除去する工程、(f)前記開口部に対応して、前記半導体基板中に不純物イオンを注入する工程、を有する。そして、前記第2有機化合物膜は、感光性膜であり、前記第1有機化合物膜は、前記(c)工程において、ブリーチングする。
本願において開示される一実施の形態に示される下地加工用の積層有機膜は、第1有機化合物膜と、前記第1有機化合物膜上に形成された第2有機化合物膜とを有する下地加工用の積層有機膜である。そして、前記第2有機化合物膜は、感光性膜であり、前記第1有機化合物膜は、露光光により、ブリーチングする。
本願において開示される、以下に示す代表的な実施の形態に示される半導体装置の製造方法によれば、半導体装置を構成する各部位の加工精度が向上し、半導体装置の特性の向上および信頼性の向上を図ることができる。また、本願において開示される、以下に示す代表的な実施の形態に示される下地加工用の積層有機膜を用いることにより、半導体装置を構成する各部位の加工精度が向上し、半導体装置の特性の向上および信頼性の向上を図ることができる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。
(実施の形態1)
半導体装置の製造工程においては、フォトリソグラフィ技術を用いて所望の形状のレジストパターンを形成する工程が多用される。このように所望の形状に加工されたレジストパターンを用いてその下層の層に所望の処理を施すことができる。
半導体装置の製造工程においては、フォトリソグラフィ技術を用いて所望の形状のレジストパターンを形成する工程が多用される。このように所望の形状に加工されたレジストパターンを用いてその下層の層に所望の処理を施すことができる。
例えば、第1例として、半導体基板上の導電性膜上に所望の形状のレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとして導電性膜をエッチングすることにより、所望の形状の導電性膜を形成することができる。
図1〜図3は、本実施の形態の半導体装置の製造方法に用いられるフォトレジストの形成工程および導電性膜の加工工程を示す断面図である。
図1に示すように、まず、例えば1〜18Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)SBを用意(準備)する。
次いで、半導体基板SBの表面を熱酸化することにより、絶縁膜(図示せず)を形成する。次に、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、導電性膜(被加工部)として、多結晶シリコン膜PSをCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて形成する。
次いで、多結晶シリコン膜PS上に、ブリーチング膜BLの前駆体液を200nm程度の膜厚で回転塗布する。このブリーチング膜BLは、露光光に対して表面側から順次透明になる性質(ブリーチング特性)を有する。具体的には、ブリーチング膜BLは、光を吸収して分解し、露光光に対して透明になる(ブリーチング特性を示す)感光基を持つ感光剤を有する。また、このブリーチング膜BLは、有機溶剤(シンナーなど)に対して不溶である。また、露光光が入射した際に一定の反射光を生じさせる。即ち、露光光をすべて吸収するものではなく、露光光の吸収率は50%未満である。また、ブリーチング膜BLの組成物は、後述するように有機化合物である。なお、フォトレジスト膜PRも有機化合物である。フォトレジスト膜PRは露光光によって溶解性などの物性が変化する組成物(有機化合物膜)であり、ベース樹脂と感光剤などよりなる。
次いで、ブリーチング膜BLに熱処理を施す。例えば、180℃で60秒の熱処理の後、次いで、300℃で60秒の熱処理(ベーク)を施す。ここで、ブリーチング膜BLは、架橋剤による架橋反応(重合化)により熱硬化し、有機溶剤(シンナーなど)に対して不溶となるため、ブリーチング膜BL上にフォトレジスト膜PRを塗布することが可能となる。
次いで、ブリーチング膜BL上にフォトレジスト膜PRを形成する。フォトレジスト膜PRとして、例えば、i線用のポジ型フォトレジストを400nmの膜厚で回転塗布する。i線用のポジ型フォトレジストとしては、例えば、東京応化工業製のTHMR−iP5680を用いることができる。ポジ型フォトレジストとしては、感光体としてナフトキノンジアジドを用い、これにノボラック樹脂が結合したものを用いることができる。この場合、露光光が照射されると窒素が脱離してケトン構造となる。この構造物に対し、アルカリ水溶液を接触させると、水溶性のインデンカルボン酸が生じ、除去される(現像工程)。即ち、露光光が照射されなかったところが像として残ることとなる。
次いで、フォトレジスト膜PRに熱処理を施す。例えば、90℃で90秒の熱処理(ベーク)を施す。この際、フォトレジスト膜PRは溶媒の揮発により硬化する。
次いで、図2に示すように、露光(光照射)を行う。露光装置としては、例えば、ニコン製NSR−2205i10Dを使用することができる。また、露光用のマスク(レチクル)REとしては、例えば、ウェハ換算で400nm角の開口部(パターン)を有するBinaryマスクを用いることができる。図示するように、開口部以外の領域には、マスクMKが形成されている。露光条件としては、例えば、i線を用い、NAは0.57、σは0.6とすることができる。
この露光により、フォトレジスト膜PRに感光部PRaが形成される。また、ブリーチング膜BLの表面からブリーチングが進行し、透明層BLaが形成される。
このように、本実施の形態においては、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成したので、露光時において、露光光の反射面が下方向にシフトし、反射光の干渉により感光領域が平均化され、特に、感光部PRaの側壁(エッジ)において凹凸が小さくなり、加工精度が向上する。言い換えれば、エッジラフネスを低減させることができ、加工精度が向上する。また、エッジ位置の重ね合わせ裕度が広くなり、半導体装置を製造し易くすることができる。
次いで、露光後の熱処理を施す。例えば、110℃で90秒の熱処理を施す。次いで、現像処理を行う。例えば、アルカリ現像液として、濃度2.38%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用い、現像を行う。この際、前述したように、感光領域が平均化されているため、感光部PRaの側壁がフラットな開口部をフォトレジスト膜PRに形成することができる。別の言い方をすれば、良好な形状にフォトレジスト膜PRを加工することができる。
次いで、フォトレジスト膜PRをマスクとして下層のブリーチング膜BLをエッチングする。例えば、エッチングガスとしてCF4を用いて、フォトレジスト膜PRから露出したブリーチング膜BLをエッチングする。
次いで、フォトレジスト膜PRとブリーチング膜BLとの積層膜をマスクとして、多結晶シリコン膜PSを、例えば、エッチングガスとしてCF4を用いてエッチングする。その後、フォトレジスト膜PRおよびブリーチング膜BLをアッシングなどにより除去する。
以上の工程により、多結晶シリコン膜PSをパターニングすることができる。別の言い方をすれば、所望の形状に多結晶シリコン膜(導電性膜)PSを加工することができる(図3)。
ここで、本実施の形態によれば、前述したように、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成したので、露光時において、露光光の反射面が下方向にシフトし、反射光の干渉により感光領域が平均化され、エッジラフネスを低減させることができる。
図4は、露光光EXLの反射面RF(reflecting surface)のシフトを示す図である。図4に示すように、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成することにより、露光中(時刻t0〜t3)に、ブリーチング膜BLの透明層BLaが拡大することにより反射面RFの位置が下側にシフトする。
図5は、入射光、反射光および定在波を示す図である。例えば、図5(a)に示すように、露光開始時(時刻t0)においては、入射光(実線)La、反射光(破線)Lbが生じ、これらにより、“W”で示す定在波が形成される。ここで、反射面(RF)は、フォトレジスト膜PRとブリーチング膜BLとの境界面となる。また、図5(b)に示すように、露光が進むと(時刻t3)、ブリーチング膜BLの透明層BLaが拡大し反射面RFの位置が下側にシフトする。ここでも、入射光(実線)La、反射光(破線)Lbが生じ、これらにより、“W”で示す定在波が形成される。しかしながら、反射面RFの位置が下側にシフト、ここでは、定在波Wの半波長分だけシフトしているため、時刻t0の定在波Wと、時刻t3の定在波Wとの節と腹が一致し、フォトレジスト膜PR中の感光領域が平均化し、エッジラフネスを低減させることができる。
図6は、ブリーチング深さが0nm〜60nmとなる場合の、基板反射を考慮したレジスト中の光強度分布のシミュレーション結果である。図6に示すように、ブリーチング深さが深くなるにしたがって、レジスト中の光強度分布が下方向にシフトしていることが分かる。図7は、ブリーチング深さが0nm〜60nmまで連続的に変化することにより平均化されたレジスト中の光強度分布のシミュレーション結果である。ブリーチングがない場合(a)と比較し、ブリーチング深さを0nmから60nmに徐々に変化させた場合(b)は、エッジラフネスがかなり低減していることが分かる。
このように、本実施の形態によれば、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成したので、フォトレジスト膜PRの感光部PRaのエッジラフネスが低減し、このフォトレジスト膜PRをマスクとして加工される被加工部(ここでは、導電性膜)の加工精度(エッチング精度)を向上させることができる。
図1〜図3を用いて説明した上記工程においては、上記フォトレジスト膜PRを導電性膜(多結晶シリコン膜PS)のエッチングに利用したが、イオン打ち込み用のマスクとして利用してもよい。
図8は、本実施の形態のイオン注入工程を示す断面図である。図8に示すように、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成し、フォトレジスト膜PRの感光部(PRa)の側壁がフラットな開口部をフォトレジスト膜PRに形成する。次いで、フォトレジスト膜PRをマスクとして下層のブリーチング膜BLをエッチングする。次いで、フォトレジスト膜PRとブリーチング膜BLとの積層膜をマスクとして、半導体基板SBに、n型の不純物イオンをイオン注入することにより、n型の半導体領域NRを形成することができる。この場合においては、イオン注入精度が向上し、例えば、n型の半導体領域NRの端部において、フォトレジスト膜PRのエッジラフネスの影響を受け、所望の濃度の不純物イオンを注入することができないなどの不都合を回避することができる。
このように、本実施の形態のフォトレジスト膜PRをマスクとすることで、下地層の加工精度(エッチング精度やイオン注入精度)を向上させることができる。
図9は、比較例の半導体装置の製造工程を示す断面図である。この比較例においては、フォトレジスト膜PRの下層に有機反射防止膜ARを設けている。このように、有機反射防止膜ARを利用することで、反射光を小さくし、定在波の影響を少なくすることが可能である。しかしながら、図9に示すように、下地層ULが凹凸を有する場合、段差部においてハレーションが生じ、基板反射が大きくなる上に、段差部において有機反射防止膜ARの膜厚(Ta、Tb)が変動し、有機反射防止膜ARの効果が低減してしまう。
これに対し、本実施の形態においては、図10に示すように、段差部においても同様にブリーチングが進行し、透明層BLaの膜厚(Ta、Tb)が同程度となるため、段差部においても、平坦部と同様に定在波のシフトが起こり、フォトレジスト膜PR中の感光領域が平均化し、エッジラフネスを低減させることができる。図10は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
このように、本実施の形態のフォトレジスト膜PRは、段差部にエッジが位置するような場合においても、エッジラフネスを低減することができる。
ここで、本実施の形態においては、ブリーチング膜BLを200nm、フォトレジスト膜を400nmの膜厚としたが、ブリーチング膜BLとフォトレジスト膜との膜厚は、以下の関係とすることが好ましい。フォトレジスト膜の膜厚をT1、屈折率をn1、ブリーチング膜の膜厚をT2、屈折率をn2とした場合、T2は、λ/(4×n2)以上、2T1以下が好ましい。また、T2は、λ/(2×n2)以上、T1以下がより好ましい。なお、λは、光の波長である。
また、露光光としては、i線(365nm)の他、ArF(193nm)、KrF(248nm)、G線436nmなどを用いることができ、露光光の波長(λ)は、190nm〜440nm程度とすることが好ましい。また、露光後において、透明層BLaの膜厚は、T2未満とすることが好ましい。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1において説明したブリーチング膜BLについて詳細に説明する。前述したように、ブリーチング膜BLは、露光光に対して透明になる性質(ブリーチング特性)を有する。
本実施の形態においては、実施の形態1において説明したブリーチング膜BLについて詳細に説明する。前述したように、ブリーチング膜BLは、露光光に対して透明になる性質(ブリーチング特性)を有する。
このブリーチング膜BLは、例えば、塗布法により形成することができる。ブリーチング膜BLは、前駆体液を回転塗布することにより形成することができる。
前駆体液は、ベース樹脂、架橋剤および感光剤を有する。また、必要に応じて、酸、酸発生剤、界面活性剤等の添加剤を有していてもよい。これらの材料(溶質)を溶剤に溶解させることによりブリーチング膜BLの前駆体液を形成することができる。
ベース樹脂としては、露光光(例えば、i線)に対して透明性を示す有機樹脂を用いる。具体的には、例えば、ポリヒドロキシフェノールとアルデヒドとを縮合したノボラック樹脂を用いることができる。
架橋剤としては、架橋形成置換基を含有する化合物を用いることができる。架橋形成置換基は、芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を有する。架橋形成置換基としては、表1に示す化合物を用いることができる。
例えば、表1のC1に示す化合物やC2で示す構造部を繰り返し単位として有するポリマーまたはオリゴマーを用いることができる。C1中のR1およびR2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、n1は1〜4の整数であり、n2は1〜(5−n1)の整数であり、(n1+n2)は2〜5の整数である。また、C2中のR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、R4は炭素数1〜10のアルキル基であり、n3は1〜4の整数であり、n4は0〜(4−n3)であり、(n3+n4)は1〜4の整数である。オリゴマーまたはポリマーの繰り返し単位は、例えば、2〜100または2〜50の範囲である。上記材料の一例としては、旭有機材工業(株)の商品名TM−BIP−Aを用いることができる。
上記ベース樹脂は有機溶剤に溶解するが、基板上に回転塗布し、熱処理を加えると、ベース樹脂に含まれる架橋性置換基と架橋剤とが反応(架橋反応)し、ベース樹脂の分子量が増大し、有機溶剤に不溶になる。その結果、ブリーチング膜BL上に有機溶剤を含むフォトレジスト膜PRを塗布することが可能となる。
上記架橋反応を促進するための触媒として、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸等の酸性化合物、又は、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、その他有機スルホン酸アルキルエステル等の熱酸発生剤を添加してもよい。
感光剤は、光を吸収して分解し、露光光EXLに対して透明になる(ブリーチング特性を示す)感光基を有する。即ち、感光剤は、露光光に対して吸収を示し、光を吸収して光分解する。そして、分解後は露光光に対して透明性を示す有機化合物となる。感光剤としては、例えば、キノンジアジド構造を有する化合物、ニトロン化合物、ジアゾニウム塩等を用いることができる。
キノンジアジド構造を有する化合物の具体的な例としては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物が挙げられる。前者の具体的な例としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカン等が挙げられる。後者の具体的な例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが挙げられる。1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドの具体的な例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド等が挙げられる。フェノール性化合物またはアルコール性化合物と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30モル%〜85モル%、より好ましくは50モル%〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。
ニトロン化合物を具体的に例示すると、表2のN1〜N11の構造を有する化合物が挙げられる。また、他の例として、α−アセチル−N−メチルニトロン、α−アセチル−N−イソプロピルニトロン、α−プロピオニル−N−メチルニトロン、α−プロピオニル−N−イソプロピルニトロン、α−メトキシカルボニル−N−メチルニトロン、α−メトキシカルボニル−N−イソプロピルニトロン、α−エトキシカルボニル−N−メチルニトロン、α−エトキシカルボニル−N−イソプロピルニトロン、α−カルボキシ−N−メチルニトロン、α−カルボキシ−N−イソプロピルニトロン、α−ホルミル−N−メチルニトロン、α−ホルミル−N−イソプロピルニトロンなどが挙げられる。
ジアゾニウム塩(ジアゾニウム塩を有する化合物)を具体的に例示すると表3のD1〜D12の構造を有する化合物が挙げられる。
溶剤には、上記材料(溶質)を溶解することのできる有機溶剤を用いることができる。溶剤の具体的な例としては、例えば、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル等が挙げられる。
ブリーチング膜BLの前駆体液は、例えば、ベース樹脂としてポリヒドロキシフェノールとアルデヒドとを縮合したノボラック樹脂を溶剤に対して8重量パーセント、架橋剤としてTM−BIP−Aをベース樹脂に対して10質量パーセント、感光剤としてオルソナフトキノンジアジド化合物を溶剤に対して8重量パーセントを、溶剤のシクロヘキサノンに溶解させて形成することができる。この前駆体液を、半導体基板(半導体ウエハ)SB上に、例えば1cc滴下し、回転塗布する(図1)。塗布膜厚は成膜時の回転数を変化させて調整することができる。回転塗布後、180℃で60秒、次いで、300℃で60秒の熱処理を加え、ブリーチング膜BLを形成する。
実施の形態1および上記においては、光を吸収して分解し、露光光に対して透明になる(ブリーチング特性を示す)感光基を有する感光剤を用いたが、このような基をベース樹脂に組み込んでもよい。即ち、ブリーチング特性を示す感光基を側鎖に有するベース樹脂(高分子化合物)および架橋剤を溶剤に溶解させることによりブリーチング膜BLの前駆体液を形成してもよい。
(実施の形態3)
(応用例1)
実施の形態1においては、ブリーチング膜BLを単層としたが、ブリーチング膜BLを複数層としてもよい。そして、各層において、ブリーチング特性を示す感光基の濃度を変化させてもよい。
(応用例1)
実施の形態1においては、ブリーチング膜BLを単層としたが、ブリーチング膜BLを複数層としてもよい。そして、各層において、ブリーチング特性を示す感光基の濃度を変化させてもよい。
ここで、ブリーチング膜BLはベース樹脂と感光剤とを有する。そして、ブリーチング膜BLを構成するベース樹脂は、露光光に対して透明であり、その内部の感光剤により露光光に対して暗くしている。よって、ブリーチング膜BL中の感光剤が光子(photon)により分解されるとブリーチング膜BLがより透明になる。したがって、感光剤の数が少ない場合には、少ない光子(photon)で透明になるためブリーチング速度が速くなる。一方、感光剤の数が多いと、透明になるために多くの光子(photon)が必要となるため、ブリーチング速度が遅くなる。
図11は、本応用例の半導体装置の製造工程を示す断面図である。図11においては、ブリーチング膜BLが、ブリーチング特性を示す感光基が第1濃度のブリーチング膜BL1と、その下層に位置し、ブリーチング特性を示す感光基が第1濃度より高い第2濃度のブリーチング膜BL2とで構成されている。
このような場合、低濃度のブリーチング膜BL1においては、ブリーチング速度が速く、高濃度のブリーチング膜BL2においては、ブリーチング速度が遅くなる。このようなブリーチング特性を示す感光基の濃度の調整により、フォトレジスト膜PRのエッジラフネスを低減することができる。なお、ここでは、ブリーチング特性を示す感光基の濃度が異なる層を2層としたが、3層以上としてもよい。また、図12に示すように、上層のブリーチング膜BL1の上記感光基を高濃度とし、下層のブリーチング膜BL2の上記感光基を低濃度としてもよい。この場合、上層(高濃度)のブリーチング膜BL1においては、ブリーチング速度が遅く、下層(低濃度)のブリーチング膜BL2においては、ブリーチング速度が速くなる。この場合も、ブリーチング特性を示す感光基の濃度が異なる層を3層以上としてもよい。図12は、本応用例の半導体装置の製造工程の他の例を示す断面図である。
このように、ブリーチング膜BLにおいて、ブリーチング特性を示す感光基の濃度を調整することにより、定在波のシフトによる感光領域の平均化をより均一にすることにより、フォトレジスト膜PRのエッジラフネスをさらに低減することができる。
感光基の濃度の調整方法としては、例えば、光学シミュレーターを用いて行うことができる。以下に調整方法の一例を説明する。
まず、KLA Tencor社の光学シミュレーターPROLITH等を利用して、所望のマスクパターンを露光した場合に、ブリーチング膜のブリーチングがどのような速度で進行し、発生する定在波がどのような速度でシフトすれば、フォトレジスト膜中の感光領域がより平均化されるかを求める。
ブリーチング膜の前駆体液としては、例えば、ベース樹脂としてポリヒドロキシフェノールとアルデヒドとを縮合したノボラック樹脂を溶剤に対して8重量パーセント、架橋剤としてTM−BIP−Aをベース樹脂に対して10質量パーセント、感光剤としてオルソナフトキノンジアジド化合物を、溶剤のシクロヘキサノンに溶解させて作製する。
上記感光剤の濃度は、上記シミュレーションによって求められた速度でブリーチングが進行するように調整する。即ち、ブリーチングの進行速度が一定でなく、可変であったほうが好ましい場合は、感光剤の濃度の異なるブリーチング膜の前駆体液を複数種類用意する。シミュレーションによって求められた速度でブリーチングが進行するように、これら感光剤の濃度の異なるブリーチング膜の前駆体液を、複数回に分けて、回転塗布する。1回の塗布量は例えば1ccとする。塗布膜厚は回転数により調整することができる。次いで、180℃、60秒の熱処理後、300℃、60秒の熱処理を行う。
その結果、ブリーチング膜BLにおいて、感光剤の濃度分布が形成される。
(応用例2)
上記応用例1においては、感光剤の濃度の異なるブリーチング膜の前駆体液を、複数回に分けて、回転塗布することにより、ブリーチング膜BLにおいて、感光剤の濃度分布を形成したが、偏析現象を利用して感光剤の濃度分布(濃度勾配)を形成してもよい。
上記応用例1においては、感光剤の濃度の異なるブリーチング膜の前駆体液を、複数回に分けて、回転塗布することにより、ブリーチング膜BLにおいて、感光剤の濃度分布を形成したが、偏析現象を利用して感光剤の濃度分布(濃度勾配)を形成してもよい。
図13は、本応用例の半導体装置の製造工程を示す断面図である。図13(b)においては、ブリーチング膜BLの表面にブリーチング特性を示す感光基が偏析し、当該感光基の濃度が高くなっている。この部分を“BL(H)”と示してある。また、図13(c)においては、ブリーチング膜BLの下面にブリーチング特性を示す感光基が偏析し、当該感光基の濃度が高くなっている。この部分を“BL(H)”と示してある。なお、図13(a)は、感光剤が偏析現象を起こさない場合の状態である。
このような偏析現象としては、例えば、感光基の側鎖にフッ素を組み込むと、ブリーチング膜BLの表面に感光基が偏析するという現象を利用することができる。また、感光基に組み込む元素や基によっては、ブリーチング膜BLの下面に偏析するものがある。以下に調整方法の一例を説明する。
まず、KLA Tencor社の光学シミュレーターPROLITH等を利用して、所望のマスクパターンを露光した場合に、ブリーチング膜のブリーチングがどのような速度で進行し、発生する定在波がどのような速度でシフトすれば、フォトレジスト膜中の感光領域がより平均化されるかを求める。
ブリーチング膜の前駆体液としては、例えば、ベース樹脂としてポリヒドロキシフェノールとアルデヒドとを縮合したノボラック樹脂を溶剤に対して8重量パーセント、架橋剤としてTM−BIP−Aをベース樹脂に対して10質量パーセント、感光剤としてオルソナフトキノンジアジド化合物を、溶剤のシクロヘキサノンに溶解させて作製する。
上記感光剤の濃度は、上記シミュレーションによって求められた速度でブリーチングが進行するように調整する。即ち、ブリーチングの進行速度が一定でなく、可変であったほうが好ましい場合は、感光剤の濃度の異なるブリーチング膜の前駆体液を回転塗布する際に、偏析現象により感光剤の濃度勾配ができるように、感光剤の分子構造を調整する。より具体的には、感光剤の側鎖にフッ素を添加することにより、感光剤を上方に偏析させる(図13(b)参照)。上記前駆体液を、回転塗布する。1回の塗布量は例えば1ccとする。塗布膜厚は回転数により調整することができる。次いで、180℃、60秒の熱処理後、300℃、60秒の熱処理を行う。
その結果、ブリーチング膜BLにおいて、偏析現象により感光剤の濃度分布が形成される。
(実施の形態4)
上記実施の形態1、2で説明したブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用いて不揮発性メモリ(不揮発性半導体記憶装置、EEPROM、フラッシュメモリ、不揮発性記憶素子)を形成する場合について説明する。図14〜図31は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。なお、図14〜図31には、不揮発性メモリが形成されるメモリセル領域が示されているが、この領域の他、周辺回路領域を設けてもよい。この周辺回路領域には、例えば、nチャネル型MISFETや容量素子などが形成される。
上記実施の形態1、2で説明したブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用いて不揮発性メモリ(不揮発性半導体記憶装置、EEPROM、フラッシュメモリ、不揮発性記憶素子)を形成する場合について説明する。図14〜図31は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。なお、図14〜図31には、不揮発性メモリが形成されるメモリセル領域が示されているが、この領域の他、周辺回路領域を設けてもよい。この周辺回路領域には、例えば、nチャネル型MISFETや容量素子などが形成される。
まず、図14に示すように、半導体基板10として、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンからなるシリコン基板を準備する。次いで、半導体基板10の主面に素子分離領域(図示せず)を形成する。例えば、半導体基板10中に素子分離溝を形成し、この素子分離溝の内部に絶縁膜を埋め込むことにより、素子分離領域を形成する。図14には、素子分離領域は現れないが、電気的な分離が必要な箇所には適宜、素子分離領域が配置される。
次いで、半導体基板10にp型ウエル11aを形成する。p型ウエル11aは、p型不純物(例えばホウ素(B)など)をイオン注入することによって形成する。次いで、希釈フッ酸洗浄などによって半導体基板10(p型ウエル11a)の表面を清浄化する。
次いで、図15に示すように、半導体基板10の主面(p型ウエル11a)に、絶縁膜(ゲート絶縁膜)として、例えば、シリコン酸化膜13を熱酸化法により、2〜3nm程度の膜厚で形成する。次いで、半導体基板10の全面上に、導電性膜(導電体膜)としてシリコン膜14を形成する。このシリコン膜14として、例えば、多結晶シリコン膜をCVD法などを用いて、100〜200nm程度の膜厚で形成する。このシリコン膜14は、制御ゲート電極CGとなる。なお、周辺回路領域に、nチャネル型MISFETを形成する場合には、このシリコン膜14をゲート電極として用いることができる。また、周辺回路領域に、容量素子を形成する場合には、このシリコン膜14を下部電極として用いることができる。
次いで、シリコン膜14中に、n型不純物(例えばヒ素(As)またはリン(P)など)を注入する。次いで、シリコン膜14の表面を例えば6nm程度、熱酸化することにより、薄いシリコン酸化膜15を形成する。次いで、シリコン酸化膜15の上部に、CVD法などを用いて、80〜90nm程度のシリコン窒化膜(キャップ絶縁膜)16を形成する。
次いで、制御ゲート電極CGの形成予定領域に、フォトリソグラフィ法を用いてフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜をマスクとして用いて、シリコン窒化膜16、シリコン酸化膜15およびシリコン膜14をエッチングする。この後、フォトレジスト膜をアッシングなどにより除去することにより、制御ゲート電極CG(例えば、ゲート長が80nm程度)を形成する。
次いで、図16に示すように、制御ゲート電極CGの表面(上面および側面)上を含む半導体基板10上に、絶縁膜(17、18、19s)を形成する。まず、半導体基板10の主面を清浄化処理した後、制御ゲート電極CGの上面および側面上を含む半導体基板10(p型ウエル11a)上にシリコン酸化膜17を形成する。このシリコン酸化膜17は、例えば、熱酸化法(好ましくはISSG(InSitu Steam Generation)酸化)により例えば1.6nm程度の膜厚で形成する。次いで、シリコン酸化膜17上に、シリコン窒化膜18をCVD法で例えば16nm程度の膜厚で堆積する。次いで、シリコン窒化膜18上に、シリコン酸化膜19sをCVD法により例えば5nm〜10nm程度の膜厚で堆積する。
次いで、図17に示すように、シリコン酸化膜19sを異方的にエッチング(エッチバック)することにより、制御ゲート電極CGの両側の側壁部に、シリコン酸化膜17およびシリコン窒化膜18を介して、シリコン酸化膜19sよりなるサイドウォール膜を残存させることができる。シリコン酸化膜19sのゲート長方向の膜厚(最大膜厚)は、例えば、5nm〜10nm程度である。上記異方的なエッチングとしては、例えば、CF4およびCHF3の混合ガスをエッチングガスとしたプラズマドライエッチングを用いることができる。この際、シリコン酸化膜19sよりなるサイドウォール膜の上部が、シリコン窒化膜(キャップ絶縁膜)16の上部(上面)より低くなるまでエッチバックする。
次いで、図18に示すように、シリコン窒化膜18およびサイドウォール膜(19s)上に、シリコン酸化膜19dをCVD法により例えば3nm程度の膜厚で形成する。このサイドウォール膜(19s)およびシリコン酸化膜19dにより、絶縁膜(ONO膜)を構成する第3膜(上層膜)が構成される。即ち、以上の工程により、第1膜(シリコン酸化膜17)、第2膜(シリコン窒化膜18)および第3膜(サイドウォール膜(19s)およびシリコン酸化膜19d)からなる絶縁膜(ONO膜)を形成することができる。
次いで、図19に示すように、導電性膜としてシリコン膜20を形成する。このシリコン膜20として、例えば、多結晶シリコン膜をCVD法などを用いて、50〜200nm程度の膜厚で形成する。このシリコン膜20は、メモリセル領域においてメモリゲート電極MG(例えば、ゲート長が50nm程度)となる。なお、このシリコン膜20を、周辺回路領域において容量素子の上部電極として用いてもよい。
次いで、図20に示すように、シリコン膜20をエッチバックする(選択的に除去する)。このエッチバック工程では、シリコン膜20をその表面から所定の膜厚分だけ異方性のドライエッチングにより除去する。この工程により、制御ゲート電極CGの両側の側壁部に、絶縁膜(ONO膜)を介して、シリコン膜20を、サイドウォールスペーサ状に残存させることができる。
上記制御ゲート電極CGの両側のサイドウォールスペーサ状のシリコン膜20のうち、一方の側のシリコン膜20により、メモリゲート電極MGが形成される。また、他方の側のシリコン膜20により、シリコンスペーサSPが形成される。メモリゲート電極MGとシリコンスペーサSPとは、制御ゲート電極CGの互いに反対側となる側壁部に形成されており、制御ゲート電極CGを挟んでほぼ対称な構造となる。上記メモリゲート電極MGの下の絶縁膜(ONO膜)が、メモリトランジスタのゲート絶縁膜となる。
次いで、図21に示すように、制御ゲート電極CGの上部の絶縁膜(17、18、19d)をエッチングによって除去する。これにより、制御ゲート電極CGの上部のシリコン窒化膜16が露出する。
次いで、図22に示すように、フォトリソグラフィ法を用いて、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGを覆うフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜をマスクとしてエッチングを行うことにより、シリコンスペーサSP等を除去する。これにより、p型ウエル11aが露出する。
次いで、制御ゲート電極CG間に露出したp型ウエル11a中に、n型不純物(例えばヒ素(As)またはリン(P)など)をイオン注入することによってn−型半導体領域22aを形成する(図23〜図26)。この際、上記実施の形態1、2で説明したブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用いてフォトレジスト膜PRのエッジラフネスを小さくすることにより、精度良くn型不純物をイオン注入することができる。具体的に、以下に説明する。
まず、図23に示すように、半導体基板10上に、ブリーチング膜BLの前駆体液を回転塗布する。次いで、ブリーチング膜BLに熱処理を施す。次いで、ブリーチング膜BL上にフォトレジスト膜PRを形成する。フォトレジスト膜PRとして、例えば、i線用のポジ型フォトレジストを回転塗布する。次いで、フォトレジスト膜に熱処理を施す。
次いで、図24に示すように、露光・現像を行う。まず、露光により、制御ゲート電極CG間のフォトレジスト膜PRが感光部となる。この際、制御ゲート電極CG間において、ブリーチング膜BLの表面からブリーチングが進行し、透明層BLaが形成される。
このように、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成することにより、実施の形態1において詳細に説明したとおり、露光時において、露光光の反射面RFが下方向にシフトし、反射光の干渉により感光領域が平均化され、フォトレジスト膜PR(感光部)のエッジラフネスが小さくなる。また、エッジ位置の重ね合わせ裕度を広く確保することができる。特に、本実施の形態においては、ブリーチング膜BLの下層において凹凸があり、段差の近傍にフォトレジスト膜PRのエッジが位置することとなるが、前述したように、段差の影響を受け難く、フォトレジスト膜PRのエッジラフネスを低減させることができる。
次いで、露光後の熱処理を施す。例えば、110℃で90秒の熱処理を施す。次いで、現像処理を行う。例えば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用い、上記感光部を除去する(図24)。
次いで、フォトレジスト膜PRをマスクとして下層のブリーチング膜BLをエッチングする。例えば、エッチングガスとしてCF4を用いて、フォトレジスト膜PRから露出したブリーチング膜BLをエッチングする。
次いで、図25に示すように、エッジラフネスが低減したフォトレジスト膜PRをマスクとして、制御ゲート電極CG間に露出したp型ウエル11a中に、n型不純物(例えばヒ素(As)またはリン(P)など)をイオン注入することにより、n−型半導体領域22aを形成する。ここでは、イオン注入精度が向上し、例えば、n−型半導体領域22aの端部において、フォトレジスト膜PRのエッジラフネスの影響を受け、所望の濃度の不純物イオンを注入することができないなどの不都合を回避することができる。この後、フォトレジスト膜PRをアッシングなどにより除去し、さらに、その下層のブリーチング膜BLをエッチングにより除去する。
次いで、メモリゲート電極MG側に露出したp型ウエル11a中に、n型不純物(例えばヒ素(As)またはリン(P)など)をイオン注入することによってn−型半導体領域22bを形成する。この場合も、ブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用いて露光・現像することにより、フォトレジスト膜PRのエッジラフネスを小さくすることにより、精度良くn型不純物をイオン注入することができる。ここでは、制御ゲート電極CG間、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGを覆うようにフォトレジスト膜を残存させ、このフォトレジスト膜をマスクにn型不純物(例えばヒ素(As)またはリン(P)など)をイオン注入し、n−型半導体領域22bを形成する(図26)。この後、フォトレジスト膜PRをアッシングなどにより除去し、さらに、その下層のブリーチング膜BLをエッチングにより除去する。
次いで、図27に示すように、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの合成体(合成パターン)の側壁部に、側壁絶縁膜23を形成する。例えば、半導体基板10の主面全面上にシリコン酸化膜などの絶縁膜を堆積し、この絶縁膜をエッチバックすることによって、上記合成体(合成パターン)の側壁部に側壁絶縁膜23を形成する。
次いで、図28に示すように、ヒ素(As)またはリン(P)などのn型不純物を、半導体基板10(p型ウエル11a)に注入することで、高不純物濃度のn+型半導体領域24a、n+型半導体領域24bを形成する。
この場合においても、ブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用い、n+型半導体領域24aの形成領域を感光させることで、フォトレジスト膜PRのエッジラフネスを小さくすることができる。そして、このフォトレジスト膜PRをマスクとして、n−型半導体領域22bの形成時と同様に、イオン注入することにより、精度良く、n+型半導体領域24aを形成することができる。
また、n+型半導体領域24bも、n+型半導体領域24aと同様にブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用いたイオン注入により形成することで、精度良く、n+型半導体領域24bを形成することができる。上記工程により、n−型半導体領域22bとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域24bとにより、メモリトランジスタのソース領域として機能するn型のソース領域MSが形成され、n−型半導体領域22aとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域24aとにより、メモリトランジスタのドレイン領域として機能するn型のドレイン領域MDが形成される。
次いで、ソース領域MS(n−型半導体領域22bおよびn+型半導体領域24b)、ドレイン領域MD(n−型半導体領域22aおよびn+型半導体領域24a)に導入された不純物を活性化するための熱処理を行う。以上の工程により、不揮発性メモリのメモリセルが形成される。
次いで、必要に応じて、例えば希フッ酸などを用いたウェットエッチングを行って、半導体基板10の主表面を清浄化する。これにより、n+型半導体領域24aの上面とn+型半導体領域24bの上面とメモリゲート電極MGの上面とが清浄化され、自然酸化膜などの不要物が除去される。次いで、図29に示すように、サリサイド技術を用いて、メモリゲート電極MG、n+型半導体領域24aおよびn+型半導体領域24bの上部に、それぞれ金属シリサイド層(金属シリサイド膜)25を形成する。この金属シリサイド層25により、拡散抵抗やコンタクト抵抗などを低抵抗化することができる。この金属シリサイド層25は、次のようにして形成することができる。例えば、半導体基板10の主面全面上に、金属膜を形成し、半導体基板10に対して熱処理を施すことによって、メモリゲート電極MG、n+型半導体領域24a、n+型半導体領域24bと上記金属膜とを反応させる。これにより、メモリゲート電極MG、n+型半導体領域24a、n+型半導体領域24bの上部に、それぞれ金属シリサイド層25が形成される。上記金属膜は、例えばコバルト(Co)膜またはニッケル(Ni)膜などからなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。ここで、前述したように、サイドウォール膜(側壁膜)19sの高さを、シリコン窒化膜(キャップ絶縁膜)16の上部(上面)より低く設定したので、サイドウォール膜(側壁膜)19sの上方にもメモリゲート電極MGが延在し、サイドウォール膜の側壁および上部がメモリゲート電極MGを形成するシリコン膜20で覆われることとなる。その結果、メモリゲート電極MGの表面の金属シリサイド層25の形成領域を、サイドウォール膜の膜厚(ゲート長方向の膜厚)に対応する分だけ、大きく確保することができる。
次いで、未反応の金属膜を除去した後、図30に示すように、半導体基板10の主面全面上に、絶縁膜(層間絶縁膜)26として、例えば、シリコン酸化膜の単体膜、あるいは、シリコン窒化膜と該シリコン窒化膜上に該シリコン窒化膜よりも厚く形成されたシリコン酸化膜との積層膜を、例えばCVD法などを用いて形成する。この絶縁膜(層間絶縁膜)26の形成後、必要に応じてCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法などを用いて絶縁膜(層間絶縁膜)26の上面を平坦化する。
次いで、n+型半導体領域24a上の絶縁膜(層間絶縁膜)26をドライエッチングすることにより、コンタクトホール(開口部、貫通孔)を形成する。次いで、コンタクトホール内を含む絶縁膜(層間絶縁膜)26上に、バリア導体膜27および主導体膜28を順次積層する。次いで、絶縁膜(層間絶縁膜)26上の不要な主導体膜28およびバリア導体膜27をCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグを形成する(図30)。このプラグは、例えば、n+型半導体領域24a上の他、n+型半導体領域24b上にも形成される。なお、バリア導体膜27としては、例えば、チタン膜、窒化チタン膜、あるいはこれらの積層膜を用いることができる。また、主導体膜28としては、タングステン膜などを用いることができる。
次いで、図31に示すように、プラグが埋め込まれた絶縁膜(層間絶縁膜)26上に第1層配線29を形成する。第1層配線29は、例えば、ダマシン技術(ここではシングルダマシン技術)を用いて形成する。まず、プラグが埋め込まれた絶縁膜(層間絶縁膜)26上に溝用絶縁膜(図示せず)を形成し、この溝用絶縁膜に、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて配線溝を形成する。次いで、配線溝の内部を含む溝用絶縁膜上にバリア導体膜を形成し、続いて、CVD法またはスパッタリング法などにより銅のシード層を形成する。次いで、電解めっき法などを用いてシード層上に銅めっき膜を形成し、銅めっき膜により配線溝の内部を埋め込む。その後、配線溝内以外の領域の銅めっき膜、シード層およびバリアメタル膜をCMP法により除去して、銅を主導電材料とする第1層配線29を形成する。なお、バリア導体膜としては、例えば、窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜などを用いることができる。
その後、デュアルダマシン法などにより2層目以降の配線を形成するが、ここではその説明を省略する。なお、各配線は、上記ダマシン技術の他、配線用の導電性膜をパターニングすることにより形成することもできる。この場合、導電性膜としては、例えばタングステンまたはアルミニウムなどを用いることができる。
以上の工程を経て形成された不揮発性メモリは、安定した不純物領域の形成が可能となり、高い歩留り(例えば、歩留り92%以上)を維持することができる。
なお、本実施の形態においては、ブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜をイオン注入用のマスクとして用いたが、この他、シリコン膜(制御ゲート電極CG)14のエッチング用のマスクとして用いてもよい。また、本実施の形態においては、ブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜をマスクとして用いたが、積層膜の内上層のフォトレジスト膜PRを除去し、ブリーチング膜BLのみをマスクとしてもよい。
(実施の形態5)
上記実施の形態1、2で説明したブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用いてボンディングパッドを形成する場合について説明する。図32〜図41は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
上記実施の形態1、2で説明したブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用いてボンディングパッドを形成する場合について説明する。図32〜図41は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図32には、層間絶縁膜30中に形成された最上層配線31が示されている。最上層配線31は、多層配線のうち、最上層に位置する配線であり、例えば、埋め込み配線である。この最上層配線31の上部は、絶縁膜で覆われ、最上層配線31の一部上にボンディングパッドが形成される。
図33に示すように、最上層配線31および層間絶縁膜30上に、例えばCVDにより絶縁膜(パッド層層間絶縁膜)32を形成する。次いで、フォトリソグラフィ法を用いてフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜をマスクとして用いて、絶縁膜32をエッチングすることにより、開口部を形成する。
次いで、図34に示すように、上記開口部を含む絶縁膜32上に、例えば、反応性スパッタリング法により、TiN膜を形成し、次いで、例えば、スパッタリング法により、アルミニウム系メタル膜(アルミニウムを主成分とするメタル膜)を形成する。TiN膜とアルミニウム系メタル膜との複合膜を“33”で示す。
この複合膜33を上記実施の形態1、2で説明したブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用いてフォトレジスト膜PRのエッジラフネスを小さくすることにより、精度良く加工する。具体的に、以下に説明する。
まず、図35に示すように、複合膜33上に、ブリーチング膜BLの前駆体液を回転塗布する。次いで、ブリーチング膜BLに熱処理を施す。次いで、ブリーチング膜BL上にフォトレジスト膜PRを形成する。フォトレジスト膜PRとして、例えば、i線用のポジ型フォトレジストを回転塗布する。次いで、フォトレジスト膜PRに熱処理を施す。
次いで、図36に示すように、露光・現像を行う。まず、露光により、ボンディングパッド形成領域以外のフォトレジスト膜PRが感光部となる。この際、ボンディングパッド形成領域以外の領域において、ブリーチング膜BLの表面からブリーチングが進行し、透明層BLaが形成される。
このように、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成することにより、実施の形態1において詳細に説明したとおり、露光時において、露光光の反射面が下方向にシフトし、反射光の干渉により感光領域が平均化され、フォトレジスト膜PR(感光部)のエッジラフネスが小さくなる。また、エッジ位置の重ね合わせ裕度を広く確保することができる。特に、本実施の形態においては、ブリーチング膜BLの下層において凹凸があり、段差の近傍にフォトレジスト膜PRのエッジが位置することとなるが、前述したように、段差の影響を受け難く、フォトレジスト膜PRのエッジラフネスを低減させることができる。
次いで、露光後の熱処理を施す。例えば、110℃で90秒の熱処理を施す。次いで、現像処理を行う。例えば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用い、上記感光部を除去する(図36)。
次いで、フォトレジスト膜PRをマスクとして下層のブリーチング膜BLをエッチングする。例えば、エッチングガスとしてCF4を用いて、フォトレジスト膜PRから露出したブリーチング膜BLをエッチングする。
次いで、図37に示すように、エッジラフネスが低減したフォトレジスト膜PRをマスクとして、複合膜33をドライエッチングする。これにより、複合膜33よりなるボンディングパッド34を精度良く形成することができる。
次いで、図38に示すように、ボンディングパッド34上を含む絶縁膜32上に、例えば、CVD法を用いてファイナルパッシベーション膜35を形成する。
このファイナルパッシベーション膜35を上記実施の形態1、2で説明したブリーチング膜BLとフォトレジスト膜PRとの積層膜を用いてフォトレジスト膜PRのエッジラフネスを小さくすることにより、精度良く加工する。具体的に、以下に説明する。
まず、図39に示すように、ファイナルパッシベーション膜35上に、ブリーチング膜BLの前駆体液を回転塗布する。次いで、ブリーチング膜BLに熱処理を施す。次いで、ブリーチング膜BL上にフォトレジスト膜PRを形成する。フォトレジスト膜PRとして、例えば、i線用のポジ型フォトレジストを回転塗布する。次いで、フォトレジスト膜PRに熱処理を施す。
次いで、図40に示すように、露光・現像を行う。まず、露光により、ボンディングパッド形成領域のフォトレジスト膜PRが感光部となる。この際、ボンディングパッド形成領域において、ブリーチング膜BLの表面からブリーチングが進行し、透明層BLaが形成される。
このように、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成することにより、実施の形態1において詳細に説明したとおり、露光時において、露光光の反射面が下方向にシフトし、反射光の干渉により感光領域が平均化され、フォトレジスト膜PR(感光部)のエッジラフネスが小さくなる。また、エッジ位置の重ね合わせ裕度を広く確保することができる。特に、本実施の形態においては、ブリーチング膜BLの下層において凹凸があり、段差の近傍にフォトレジスト膜PRのエッジが位置することとなるが、前述したように、段差の影響を受け難く、フォトレジスト膜PRのエッジラフネスを低減させることができる。
次いで、露光後の熱処理を施す。例えば、110℃で90秒の熱処理を施す。次いで、現像処理を行う。例えば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用い、上記感光部を除去する(図40)。
次いで、フォトレジスト膜PRをマスクとして下層のブリーチング膜BLをエッチングする。例えば、エッチングガスとしてCF4を用いて、フォトレジスト膜PRから露出したブリーチング膜BLをエッチングする。
次いで、フォトレジスト膜PRとブリーチング膜BLとの積層膜をマスクとして、ファイナルパッシベーション膜35を、例えば、エッチングガスとしてCF4を用いてエッチングする。その後、フォトレジスト膜PRおよびブリーチング膜BLをアッシングなどにより除去する。
以上の工程により、ファイナルパッシベーション膜35をパターニングし、ボンディングパッド34の表面を露出させることができる。
次いで、ウェハコートポリイミド膜をコーティングし、半導体デバイスの表面を保護する。そして、ボンディングパッド34上のポリイミド膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、開口部を形成する。
ここで、本実施の形態によれば、前述したように、フォトレジスト膜PRの下層にブリーチング膜BLを形成したので、安定した形状で、ボンディングパッド形成、パッド開口を行うことが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施の形態4、5において、ブリーチング膜BLのブリーチング特性を示す感光基の濃度を変化させてもよい。また、ポリイミド膜を感光性膜とし、その下層にブリーチング膜を残存させてもよい。また、実施の形態1等においては、ポジ型のフォトレジスト膜を例に説明したが、ネガ型のフォトレジスト膜を用いてもよい。
10 半導体基板
11a p型ウエル
13 シリコン酸化膜
14 シリコン膜
15 シリコン酸化膜
16 シリコン窒化膜(キャップ絶縁膜)
17 このシリコン酸化膜(絶縁膜)
18 シリコン窒化膜(絶縁膜)
19d シリコン酸化膜(絶縁膜)
19s シリコン酸化膜(サイドウォール膜)
20 シリコン膜
22a n−型半導体領域
22b n−型半導体領域
23 側壁絶縁膜
24a n+型半導体領域
24b n+型半導体領域
25 金属シリサイド層
26 絶縁膜(層間絶縁膜)
27 バリア導体膜
28 主導体膜
29 第1層配線
30 層間絶縁膜
31 最上層配線
32 絶縁膜(パッド層層間絶縁膜)
33 複合膜
34 ボンディングパッド
35 ファイナルパッシベーション膜
AR 反射防止膜
BL ブリーチング膜
BL1 ブリーチング膜
BL2 ブリーチング膜
BLa 透明層
CG 制御ゲート電極
EXL 露光光
La 入射光
Lb 反射光
MD ドレイン領域
MG メモリゲート電極
MK マスク
MS ソース領域
NR n型の半導体領域
PR フォトレジスト膜
PRa 感光部
PS 多結晶シリコン膜
RE 露光用のマスク(レチクル)
RF 反射面
SB 半導体基板(半導体ウエハ)
SP シリコンスペーサ
UL 下地層
W 定在波
11a p型ウエル
13 シリコン酸化膜
14 シリコン膜
15 シリコン酸化膜
16 シリコン窒化膜(キャップ絶縁膜)
17 このシリコン酸化膜(絶縁膜)
18 シリコン窒化膜(絶縁膜)
19d シリコン酸化膜(絶縁膜)
19s シリコン酸化膜(サイドウォール膜)
20 シリコン膜
22a n−型半導体領域
22b n−型半導体領域
23 側壁絶縁膜
24a n+型半導体領域
24b n+型半導体領域
25 金属シリサイド層
26 絶縁膜(層間絶縁膜)
27 バリア導体膜
28 主導体膜
29 第1層配線
30 層間絶縁膜
31 最上層配線
32 絶縁膜(パッド層層間絶縁膜)
33 複合膜
34 ボンディングパッド
35 ファイナルパッシベーション膜
AR 反射防止膜
BL ブリーチング膜
BL1 ブリーチング膜
BL2 ブリーチング膜
BLa 透明層
CG 制御ゲート電極
EXL 露光光
La 入射光
Lb 反射光
MD ドレイン領域
MG メモリゲート電極
MK マスク
MS ソース領域
NR n型の半導体領域
PR フォトレジスト膜
PRa 感光部
PS 多結晶シリコン膜
RE 露光用のマスク(レチクル)
RF 反射面
SB 半導体基板(半導体ウエハ)
SP シリコンスペーサ
UL 下地層
W 定在波
Claims (20)
- (a)半導体基板上の第1層上に、第1有機化合物膜を形成する工程、
(b)前記第1有機化合物膜上に、第2有機化合物膜を形成する工程、
(c)前記第1有機化合物膜と前記第2有機化合物膜との積層膜の第1領域を露光する工程、
(d)前記第1領域または前記第1領域以外の領域の前記第2有機化合物膜を除去することにより開口部を形成する工程、
(e)前記開口部から露出した前記第1有機化合物膜を除去する工程、
(f)前記開口部に対応して、前記第1層を除去する工程、
を有し、
前記第2有機化合物膜は、感光性膜であり、
前記第1有機化合物膜は、前記(c)工程において、ブリーチングする、半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程において、前記第1有機化合物膜は、前駆体液を塗布することにより形成され、
前記前駆体液は、ベース樹脂と架橋剤と感光剤とを有する、半導体装置の製造方法。 - 請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記ベース樹脂は、ポリヒドロキシフェノールとアルデヒドとを縮合したノボラック樹脂である、半導体装置の製造方法。 - 請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記架橋剤は、芳香族環を有する置換基を含有する化合物である、半導体装置の製造方法。 - 請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記感光剤は、キノンジアジド構造を有する化合物、ニトロン化合物またはジアゾニウム塩を有する化合物である、半導体装置の製造方法。 - 請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記前駆体液は、触媒を有する、半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程において、前記第1有機化合物膜は、前駆体液を塗布することにより形成され、
前記前駆体液は、ベース樹脂と架橋剤とを有し、
前記ベース樹脂は高分子化合物であり、側鎖に感光基を有する、半導体装置の製造方法。 - (a)半導体基板上に、第1有機化合物膜を形成する工程、
(b)前記第1有機化合物膜上に、第2有機化合物膜を形成する工程、
(c)前記第1有機化合物膜と前記第2有機化合物膜との積層膜の第1領域を露光する工程、
(d)前記第1領域または前記第1領域以外の領域の前記第2有機化合物膜を除去することにより開口部を形成する工程、
(e)前記開口部から露出した前記第1有機化合物膜を除去する工程、
(f)前記開口部に対応して、前記半導体基板中に不純物イオンを注入する工程、
を有し、
前記第2有機化合物膜は、感光性膜であり、
前記第1有機化合物膜は、前記(c)工程において、ブリーチングする、半導体装置の製造方法。 - 請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程において、前記第1有機化合物膜は、前駆体液を塗布することにより形成され、
前記前駆体液は、ベース樹脂と架橋剤と感光剤とを有する、半導体装置の製造方法。 - 請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
前記ベース樹脂は、ポリヒドロキシフェノールとアルデヒドとを縮合したノボラック樹脂である、半導体装置の製造方法。 - 請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
前記架橋剤は、芳香族環を有する置換基を含有する化合物である、半導体装置の製造方法。 - 請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
前記感光剤は、キノンジアジド構造を有する化合物、ニトロン化合物またはジアゾニウム塩を有する化合物である、半導体装置の製造方法。 - 請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
前記前駆体液は、触媒を有する、半導体装置の製造方法。 - 請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程において、前記第1有機化合物膜は、前駆体液を塗布することにより形成され、
前記第1有機化合物膜は、感光剤の濃度勾配を有する、半導体装置の製造方法。 - 請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1有機化合物膜は、前記感光剤の濃度が異なる複数の膜よりなる、半導体装置の製造方法。 - 請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1有機化合物膜は、前記感光剤の偏析により感光剤の濃度が高い部分を有する、半導体装置の製造方法。 - 第1有機化合物膜と、前記第1有機化合物膜上に形成された第2有機化合物膜とを有する下地加工用の積層有機膜であって、
前記第2有機化合物膜は、感光性膜であり、
前記第1有機化合物膜は、露光光により、ブリーチングする、下地加工用の積層有機膜。 - 請求項17記載の下地加工用の積層有機膜において、
前記第1有機化合物膜は、ベース樹脂と架橋剤と感光剤とを有する、下地加工用の積層有機膜。 - 請求項18記載の下地加工用の積層有機膜において、
前記感光剤は、キノンジアジド構造を有する化合物、ニトロン化合物またはジアゾニウム塩を有する化合物である、下地加工用の積層有機膜。 - 請求項17記載の下地加工用の積層有機膜において、
前記第1有機化合物膜は、前駆体液を塗布することにより形成され、
前記前駆体液は、ベース樹脂と架橋剤とを有し、
前記ベース樹脂は高分子化合物であり、側鎖に感光基を有する、下地加工用の積層有機膜。
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