JP2020125453A - インク、インクジェット記録方法及び記録メディア - Google Patents

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Abstract

【課題】水不溶性の着色剤としてカーボンブラックを含有し、且つ、着色剤の含有量が同じであっても黒色の印刷濃度、特にインク受容層を有さない記録メディアに付着させたとき、又は記録したときの黒色の印刷濃度が高い水性インクの提供。【解決手段】水、カーボンブラック、分散剤、有機溶剤、及び樹脂を含有するインクであって、上記カーボンブラックのBET比表面積が80m2/g以上であり、上記の有機溶剤が、ヒドロキシ基を0〜1個有するC8−C10グリコールエーテルであり、上記の樹脂は分散剤とは異なる化合物であり、且つ、その酸価が0mgKOH/gより大きく100mgKOH/g未満であるインクにより、上記の課題を解決できた。【選択図】なし

Description

本発明はカーボンブラックを含有するインク、そのインクを用いるインクジェット記録方法、そのインクが付着した記録メディア、そのインクを含有するインクタンク、そのインクタンクを有するインクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタを用いる記録方法(インクジェット記録方法)は、インクの小液滴を発生させ、これを種々の記録メディア(紙、フィルム、布帛等)に付着させて記録を行う方法である。近年では産業用途としてのインクジェット印刷の需要も高まっている。
ブラックインクは、文字を含む記録画像の印刷に、最も多用されるインクである。また、その記録画像には、高い印刷濃度が求められている。インクジェットインクが含有する着色剤は、水溶性の染料と、水不溶性の染料若しくは顔料に大別される。これらのうち、後者の着色剤を含有する水性インクは、着色剤がインク中に溶解せず、分散している分散インクである。ブラックインクに使用する水不溶性の着色剤としては、カーボンブラックが汎用されている。記録メディアとして紙を使用する産業用途のインクジェット印刷においてはアート紙、コート紙等の、インク受容層を有さない塗工紙のような記録メディアが、通常は使用される。インク受容層を有さない記録メディアは、インク受容層を有する記録メディアと比較して、吸収できるインクの量が少ない。この理由から、インク受容層を有さない記録メディアにおいて印刷濃度を向上することが難しく、これが大きな問題となっている。印刷濃度は、インク中の着色剤の含有量を多くすることにより、ある程度向上させることができる。しかし、水不溶性の着色剤を含有する分散インクにおいて、固形分である着色剤の含有量の増加は、インクの分散安定性を低下させる要因となる。このため、水不溶性の着色剤を含有し、且つ、着色剤の含有量が同じであっても、より高い印刷濃度を有する分散インクが強く求められている。
特許文献1〜3には、カーボンブラックを含有するインクが開示されている。
特開2011−184540号公報 特開2010−065131号公報 特開2005−263971号公報
水不溶性の着色剤としてカーボンブラックを含有し、且つ、着色剤の含有量が同じであっても黒色の印刷濃度、特にインク受容層を有さない記録メディアに付着させたとき、又は記録したときの黒色の印刷濃度が高い水性インクの提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を行った。その結果、下記1)〜7)に記載のインク、インクジェット記録方法及び記録メディアにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の1)〜7)に関する。
1)
水、カーボンブラック、分散剤、有機溶剤、及び樹脂を含有するインクであって、
上記カーボンブラックのBET比表面積が80m/g以上であり、
上記の有機溶剤が、ヒドロキシ基を0〜1個有するC8−C10グリコールエーテルであり、
上記の樹脂は分散剤とは異なる化合物であり、且つ、その酸価が0mgKOH/gより大きく100mgKOH/g未満であるインク。
2)
粘度調整剤をさらに含有する、上記1)に記載のインク。
3)
界面活性剤をさらに含有する、上記1)又は2)に記載のインク。
4)
上記1)〜3)のいずれか一項に記載のインクの液滴を、インクジェットプリンタから吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
5)
上記1)〜4)のいずれか一項に記載のインクが付着した、記録メディア。
6)
上記1)〜3)のいずれか一項に記載のインクを含有するインクタンク。
7)
上記6)に記載のインクタンクを有するインクジェットプリンタ。
本発明により、水不溶性の着色剤としてカーボンブラックを含有し、且つ、着色剤の含有量が同じであっても黒色の印刷濃度、特にインク受容層を有さない記録メディアに付着させたとき、又は記録したときの黒色の印刷濃度が高い水性インクを提供できた。
また、本明細書中、「%」及び「部」については、特に断りのない限り、実施例等も含めていずれも質量基準で記載する。
また、本明細書中、含有量を記載するときは、特に断りの無い限りインクの総質量に対する含有量を意味する。
[カーボンブラック]
上記カーボンブラックは、BET比表面積が通常80m/g以上、好ましくは85m/g以上、より好ましくは90m/g以上である。そのようなカーボンブラックを用いることにより、高い印刷濃度を得ることができる。そのようなカーボンブラックであれば、サーマルブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラック、及びチャンネルブラック等のいずれであっても使用できる。
カーボンブラックは、BET比表面積が大きくなればなるほど、印刷濃度が高くなる傾向がある。このため、BET比表面積の上限は、特に制限されない。しかしながら、BET比表面積を増大させ続けても、印刷濃度は途中で頭打ちとなり、印刷濃度が永久に増加することはない。印刷濃度が頭打ちとなるときのBET比表面積は通常300m/g以下、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。このため、最適なカーボンブラックのBET比表面積の上限はその程度で十分である。
上記のカーボンブラックの具体例としては、例えば、オリオン・エンジニアドカーボンズ社製のPRINTEX 60、85、75、50L、alpha、P、55、FP、F alpha、L、HIBLACK 30、30L、40L、45LB、NEROX 505(97)、510、600、605(123)、SPECIAL BLACK 550、4、4A;三菱ケミカル株式会社製のMA77、MA7、MA8、MA100、MA100R、MA100S、MCF88、MA600、#1000、1000N、750B、650B、52、47、45、45L、44、40、BIRLA CARBON社製のRaven 2350 Ultra、2000、1300 Ultra、1255、1250、1200、1190 Ultra、1185 Ultra、1180、1170、1100 Ultra、FC1等が挙げられる。なお、括弧内の数値は、実施例で使用したカーボンブラックを抜粋し、そのBET比表面積(単位はm/g)を記載した。
なお、上記カーボンブラックは、化学的に表面を修飾したカーボンブラック、すなわち自己分散性のカーボンブラックを含まない。
[分散剤]
上記の分散剤としては特に制限されず、公知の分散剤が使用できる。分散剤は、カーボンブラックをインク中に分散する目的で使用する。分散剤としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等の、遊離の形で酸性を示す官能基を有する分散剤が好ましい。それらの中ではスチレン、(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリル酸から選択されるモノマー(好ましくは、2種類以上のモノマー、より好ましくは2〜6種類のモノマー、より好ましくは2〜4種類のモノマー、さらに好ましくは2〜3種類のモノマー)から構成される重合体が好ましい。
なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの両方を含む意味で使用し、(メタ)アクリル酸等も同様である。
(メタ)アクリレートとしてはアルキル(メタ)アクリレート、及びアリールアルキル(メタ)アクリレートから選択されるモノマーが好ましく、アルキルメタクリレート、及びアリールアルキルメタクリレートから選択されるモノマーが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしてはC1−C4アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、C1−C4アルキルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレート及びブチルメタクリレートから選択されるアルキル(メタ)アクリレートがさらに好ましく、n−ブチルメタクリレートが特に好ましい。
アリールアルキル(メタ)アクリレートとしてはC6−C10アリールC1−C4アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、C6−C10アリールC1−C4アルキルメタクリレートがより好ましく、フェニルC1−C4アルキルメタクリレートがさらに好ましく、ベンジルメタクリレートが特に好ましい。
上記の重合体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリールアルキル(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリル酸から少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーからなる重合体;及び、スチレン−(メタ)アクリル系の重合体から選択される重合体が好ましい。
上記アルキル(メタ)アクリレート、アリールアルキル(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリル酸から少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーからなる重合体としては、Aブロック及びBブロックの2つのブロックから構成されるA−Bブロックポリマーが好ましい。
Aブロックはアリールアルキル(メタ)アクリレートで構成されるのが好ましく、(メタ)アクリル酸を含むことができる。このときの(メタ)アクリル酸の含有量は、アリールアルキル(メタ)アクリレートに対して通常0〜5モル%、好ましくは0〜3モル%、より好ましくは0〜1モル%、さらに好ましくは0〜0.1モル%である。
Bブロックはアルキル(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリル酸から構成される共重合体が好ましい。
上記A−Bブロックポリマーとしては、水不溶性ポリマーが好ましい。本明細書において水不溶性ポリマーとは、25℃の水1リットルに対する溶解度が通常5g以下、好ましくは3g以下、より好ましくは1g以下、さらに好ましくは0.5g以下を意味する。溶解度の下限は0gを含む。そのようなA−Bブロックポリマーとしては、例えば、国際公開2013/115071号ガゼットが開示するリビングラジカル重合法により得られるA−Bブロックポリマーが挙げられる。
上記の分散剤は、国際公開2013/115071号ガゼットが開示するA−Bブロックポリマーと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。また、A−Bブロックポリマーの製造方法等についても同様である。
スチレン−(メタ)アクリル系の重合体としては、BASF社製のJoncrylシリース゛が好ましい。
分散剤の酸価は通常80〜140mgKOH/g、好ましくは90〜130mgKOH/g、より好ましくは100〜120mgKOH/gである。酸価をこれらの範囲にすることにより、分散性、及び保存安定性を良好にできる。
上記の分散剤は、カーボンブラックと混合した状態で使用することができる。また、カーボンブラックの表面に分散剤を被覆させた状態として使用することもできる。また、これらの両方を併用することもできる。本明細書において「被覆」とは、カーボンブラックの表面の全てを分散剤で覆った状態、及び、カーボンブラックの表面の一部を分散剤で覆った状態の両方を意味する。
分散剤を使用するとき、カーボンブラックの総質量に対する分散剤の総質量の比は通常0.1〜1.0、好ましくは0.1〜0.6、より好ましくは0.2〜0.5である。
上記の分散液が含有する粒子の平均粒子径(D50)は通常50nm〜250nm、好ましくは60nm〜150nmである。このような粒子径の範囲とすることにより、分散安定性、及び吐出安定性が優れ、記録画像の印刷濃度を高くすることができる。本明細書において、平均粒子径とは、レーザ光散乱法を用いて測定した、液中の粒子の平均粒子径を意味する。
[有機溶剤]
上記の有機溶剤は、ヒドロキシ基を0〜1個有する、総炭素数がC8−C10グリコールエーテルである。
その具体例としては、例えば、エチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、5−メチル−4,7−ジオキサウンデカン−2−オール、ジエチレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ブチルトリグリコール、メチルテトラグリコール等が挙げられる。
上記のうち、有機溶剤としてはヒドロキシ基を1個有する、総炭素数がC8−C10グリコールエーテルが好ましい。
上記インクの総質量中における、有機溶剤の総含有量は通常1%〜12%、好ましくは1.5%〜11%、より好ましくは2%〜10%程度である。
[樹脂]
上記の樹脂は、分散剤とは異なる化合物である。「分散剤とは異なる化合物」とは、例えば、分散剤が特定のモノマーからなるA−Bブロックポリマーであるとき、同じモノマーから構成されるランダムコポリマー、A−B−Aブロックポリマー等は、分散剤とは異なる化合物であることから、樹脂として使用できることを意味する。また、分散剤が特定のモノマーからなるA−Bブロックポリマーであるとき、樹脂もまたA−Bブロックポリマーであったとしても、モノマーの種類が異なるポリマー、モノマーの比率が異なるポリマー等は、やはり分散剤とは異なる化合物であり、樹脂として使用できる。すなわち、分散剤として上記した化合物であっても、分散剤として使用した化合物以外の化合物は、樹脂として使用することができる。
樹脂としてはランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のいずれの形態も使用することができる。
樹脂の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル共重合体、ポリスチレン、(メタ)アクリルアミド共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリウレタン系、ポリエチレン系、酢酸ビニル/エチレン共重合体、塩化ビニル/エチレン共重合体、ポリブタジエン系、エポキシ系、シリコーン系等から選択される樹脂;及び、これらの共重合樹脂が挙げられる。
上記の樹脂は市販品として、又は公知の方法により合成することにより得ることができる。その一例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、塩化ビニリデン等のモノマーの単独重合、又は、共重合により合成する方法が挙げられる。
上記の樹脂は酸価を有する。樹脂の酸価は通常0mgKOH/gより大きく100mgKOH/g未満、好ましくは1mgKOH/g〜90mgKOH/g、より好ましくは3mgKOH/g〜80mgKOH/g、さらに好ましくは6mgKOH/g〜70mgKOH/g、場合により好ましくは10mgKOH/g〜70mgKOH/g、特に好ましくは13mgKOH/g〜65mgKOH/gである。
上記の樹脂は水溶液、又は、水系エマルションとして使用することができる。これらの中では水系の樹脂エマルションとして使用するのが好ましい。
合成により得られる樹脂としては、例えば、国際公開2015/147192号ガゼットの調製例3〜5として開示された樹脂エマルションが挙げられる。
樹脂の市販品としては、例えば、BASF社製のジョンクリル PDX−7430(30)、PDX−7145(32)、PDX−7326(38)、537J(40)、780(46)、7610(50)、352J(51)、352D(51)、775(55)、PDX−7341(51)、74J(51)、7100(51)、390(54)、PDX−7511(54)、7641(60)、PDX−7700(60)、7600(60)、538J(61)、PDX−7538(62)、PDX−7643(64)、PDX−6102B(65)、PDX−6124(65)等が挙げられる。なお、括弧内の数値は酸価を示し、単位は「mgKOH/g」である。
樹脂の酸価は公知の方法、例えば滴定法により測定することができる。また、製造メーカーのカタログに酸価が記載されているときは、その数値を採用することもできる。
[粘度調整剤]
上記インクは、粘度調整剤をさらに含有することができる。産業用インクジェットプリンタは、搭載するプリンタヘッド(インクを吐出するヘッド)の仕様に基づき、通常は、吐出できるインクの粘度範囲が決まっている。このため、インクに粘度調整剤を加え、その粘度を適正な範囲に調整することができる。
粘度調整剤としては、インクの粘度を調整できる物質であれば特に制限されず、公知の物質を使用することができる。その具体例としては、例えば、水溶性有機溶剤(この中に上記「有機溶剤」は含まれない。)、糖類等が挙げられる。
その具体例としては、例えば、イソプロピルジグリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ブタンジオール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、メチルジグリコール、メチルトリグリコール、2−ピロリドン、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、青木油脂工業製のグリセレス−3、グリセレス−20等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の総含有量は通常0%〜55%、好ましくは5%〜40%、より好ましくは10%〜30%程度である。
[界面活性剤]
上記インクは、界面活性剤をさらに含有することができる。産業用インクジェットプリンタの印刷速度は、通常可変である。このため、印刷速度に基づき、インクの表面張力を適正に調整することが好ましい。インクの表面張力は、界面活性剤をインクに加えることにより、調整することができる。
界面活性剤としてはアニオン、カチオン、ノニオン、両性、シリコーン系、及びフッ素系の各界面活性剤が挙げられ、これらの中から1種類以上を選択して使用することができる。これらの中ではノニオン、及びシリコーン系から選択される界面活性剤が好ましく;ノニオン、及びシリコーン系の中からシリコーン系を少なくとも1種類以上選択するのがより好ましく;シリコーン系の中から選択される、1種類以上の界面活性剤がさらに好ましい。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学株式会社製のサーフィノール 104、105PG50、82、420、440、465、485、オルフィン STG;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergItol 15−S−7等);等が挙げられる。
これらの中では、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。その一例としては、BYK−345、BYK−348(ビックケミー社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)、BYK−347(同、ポリエーテル変性シロキサン)、BYK−349、BYK−3455等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。その一例としては、DuPont社製のZonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、Capstone FS−30、FS−31;オムノバ社製のPF−151N、PF−154N;DIC社製のF−114、F−410、F−444、EXP.TF−2066、EXP.TF−2148、EXP.TF−2149、F−430、F−477、F−552、F−553、F−554、F−555、F−556、F−557、F−558、F−559、F−561、F−562、R−40、R−41、RS−72−K、RS−75、RS−76−E、RS−76−NS、RS−77、EXP.TF−1540、EXP.TF−1760;ビックケミー社製のBYK−3440、BYK−3441等が挙げられる。
上記インクは、必要に応じて上記した以外の成分を、インク調製剤としてさらに含有することができる。インク調製剤としては、例えば、防黴剤、防腐剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、酸化防止剤等が挙げられる。インク調製剤の総含有量は通常0%〜30%、好ましくは0%〜10%、より好ましくは0%〜5%程度である。
防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン又はその塩等が挙げられる。
防腐剤の例としては、例えば有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系又は無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤の具体例として、無水酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム、アーチケミカル社製のプロキセル GXL(S)、及びプロキセル XL−2(S)等が挙げられる。
pH調整剤としては、調製されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを例えば5〜11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例としては、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;リン酸二ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
キレート試薬の具体例としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム又はウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤の具体例としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール又はジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばスルホ化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物又はトリアジン系化合物が挙げられる。
水溶性高分子化合物の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン又はポリイミン等が挙げられる。
酸化防止剤の例としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。上記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類又は複素環類等が挙げられる。
上記インクは、公知の方法により調製することができる。
その一例としてはカーボンブラックの分散液を調製し、その分散液に有機溶剤、及び必要に応じて各種のインク調製剤を加えて混和する方法が挙げられる。
分散液の調製方法としては、例えば、2−ブタノン等の有機溶剤に分散剤を溶解し、中和剤の水溶液を加えて乳化液を調製する。得られた乳化液にカーボンブラックを加えて分散処理を行い、液を得る。このようにして得られた液から有機溶剤と、一部の水を減圧留去することにより、カーボンブラックを含有する分散液を得ることができる。
分散処理は、例えば、上記の分散剤の溶液若しくは乳化液と、カーボンブラックとをサンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等に入れて、分散を行う。サンドミルを用いるときは、粒子径が0.01mm〜3mm程度のビーズを使用することができる。ビーズの充填率、分散時間、及びカーボンブラックの含有量等を調整することにより、分散処理の効率を調整することができる。
上記のようにして得られた分散液は、濾過及び/又は遠心分離をすることにより、含有する粒子の粒子径の大きさを、一定の範囲に揃えることができる。
上記インクをインクジェット記録に用いるときは、インクが含有する金属陽イオンの塩化物(例えば塩化ナトリウム)、硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム)等の無機不純物の含有量の少ないものを用いるのが好ましい。無機不純物の含有量の目安は、おおよそカーボンブラックの総質量に対して1%以下程度であり、下限は分析機器の検出限界以下、すなわち0%とすることができる。無機不純物の少ないインクを得る方法としては、例えば、インクを逆浸透膜で精製する方法;カーボンブラックをメタノール等のC1−C4アルコール及び水の混合溶媒中等で懸濁精製する方法;及び、イオン交換樹脂を用いて、インク中の無機不純物を交換吸着する方法等が挙げられる。
上記インクのpHは、保存安定性を向上させる目的で通常pH5〜pH11、好ましくはpH7〜pH10である。インクの表面張力は通常10〜50mN/m、好ましくは20〜40mN/mである。インクの粘度は通常30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下、下限は0.1mPa・s程度である。
上記インクは、各種の分野において使用することができる。その一例としては、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録インク、繊維の捺染等が挙げられる。また、インクジェット記録が行える分野においては、インクジェットインクとして用いるのが好ましい。
上記インクジェット記録方法は、上記インクの液滴を記録信号に応じて吐出させ、記録メディアに付着させることにより記録を行う方法である。記録の際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。
記録方式は特に制限されず、公知の方式を使用できる。その一例としては、例えば、電荷制御方式;ドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);音響インクジェット方式;サーマルインクジェット方式等が挙げられる。
上記の記録メディアは、上記インクにより着色され得る物質であれば、物質に特に制限はない。その一例としては、例えば、紙、フィルム、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、及びカラーフィルター用基材等が挙げられる。
記録メディアは、インク受容層を有する記録メディアと、インク受容層を有さない記録メディアに大別される。その一例としては、繊維;インク受容層を有する紙;及び、インク受容層を有さないインク難吸収性若しくはインク非吸収性の記録メディア等が挙げられる。
インク受容層を有する紙としては、インクジェット専用紙が挙げられる。
インク難吸収性の記録メディアとしては、例えば普通紙;グラビア印刷やオフセット印刷等に用いられる記録メディア;微塗工紙、アート紙、コート紙、マット紙、キャスト紙等の塗工紙が挙げられる。
インク非吸収性の記録メディアとしては塩化ビニルシート、高分子シート、ガラス、ゴム等が挙げられる。
これらの中では、インク受容層を有さないインク難吸収性の記録メディアが好ましい。
インク受容層は、例えば、記録メディアにカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工する方法;又は多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等のインク中の色素を吸収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工する方法等により設けることができる。
記録メディアが繊維のときは、ポリエステル、セルロース、ポリアミド、及び天然繊維よりなる群から選択される繊維、及びこれらの繊維を含有する混紡繊維が挙げられる。これらの繊維は、インク受容層を有することができる。インク受容層は、公知の方法で繊維に設けることができる。また、インク受容層を有する繊維は、例えば、布帛等の形で市販されている。
ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維が挙げられる。
セルロース繊維としては、綿、木綿、レーヨン、トリアセテート、ジアセテート等の繊維が挙げられる。
ポリアミド繊維としては、ナイロン繊維等が挙げられる。
天然繊維としては、絹、羊毛等が挙げられる。
上記インクジェット記録方法で記録メディアに記録を行うときは、上記インクを含有するインクタンクをインクジェットプリンタの所定の位置に装填し、上記の記録方法で記録する。
上記インクを含有するインクタンク、及び、当該インクタンクを含有するインクジェットプリンタも、本発明の範囲に含まれる。
上記インクジェット記録方法は、必要に応じてイエロー、ブルー、レッド、グリーン、バイオレット、及びオレンジの各顔料、若しくは染料から選択される着色剤を含有するインクと併用し、フルカラー記録をすることもできる。
産業用インクジェットプリンタは、印刷速度を高速にする目的で、ラインヘッド型のインクジェットプリンタの構成で、シングルパスでの印刷も好ましく行われる。上記インクにより、そのような印刷条件においても、着色剤の含有量が同じであっても黒色の印刷濃度、特にインク受容層を有さない記録メディアに付着させたとき、又は記録したときの黒色の印刷濃度が高い印刷画像を得ることができる。
上記した全ての成分は、そのうちの1種類を単独で含有することができるし、2種類以上を併用することもできる。
また、上記した全ての事項等について、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいものとの組み合わせ、及び、より好ましいものとさらに好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
上記のインクで記録することにより、微小な液滴を形成することができ、吐出性が良好である。また、インクが乾燥したときであっても再分散性が良好で、記録メディアに対する濡れ性も良好なインクを得ることができる。
また、インクの保存安定性と共に、分散液中のカーボンブラック微粒子の分散状態を安定化することができる。
また、上記のインクで記録された画像はモットリング現象を生じることがなく、ベタ埋まりが良好である。
また、上記のインクで記録された画像はにじみがなく、耐擦過性も優れる。
本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。また、各合成反応及び晶析等の操作は、特に断りのない限り、いずれも攪拌下に行った。
顔料固形分の測定が必要なときは、株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS−70を用いて、乾燥重量法により求めた。なお、実施例中の顔料固形分とは、乾燥重量法により求めた測定値から、顔料固形分のみの含有量を算出した換算値である。
[合成例1]:分散剤の合成。
国際公開2013/115071号ガゼットの「[合成例3]ブロック共重合体Aの合成」に従い、重量平均分子量が24,300、PDIが1.49の分散剤138gを得た。得られた分散剤は、A−Bブロックポリマーであり、Aブロックを構成するモノマーはベンジルメタクリレート、Bブロックを構成するモノマーはメタクリル酸、及びブチルメタクリレートの2種類である。
[合成例2]:樹脂エマルションの合成。
国際公開2015/147192号ガゼットの「[調製例3]ポリマーエマルション2の調製」に従い、酸価が13mgKOH/g、固形分が25%の樹脂エマルションを得た。得られた樹脂エマルションを、樹脂1とする。
[実施例1]:インクの調製。
合成例1で得た分散剤(6部)を、2−ブタノン(15部)に溶解し、液を得た。この液に0.45部の水酸化ナトリウムをイオン交換水(60部)に溶解させた液を加え、1時間攪拌することにより乳化液を調製した。この乳化液、及びNEROX 605(20部)をサンドグラインダーに入れ、1500rpmで10時間分散処理を行って液を得た。得られた液にイオン交換水(100部)を滴下した後、ADVANTEC社製のガラスファイバーフィルター GA−100で濾過することにより、濾液を得た。得られた濾液をエバポレータに入れ、2−ブタノン、及び水の一部を減圧留去し、顔料濃度が12重量%になるようにイオン交換水を添加して分散液を得た。得られた分散液に1,2−ヘキサンジオール(5部)、AE609(3部)、プロピレングリコール(20部)、BYK−349(0.5部)、トリエタノールアミン(0.5部)、プロキセル GXL(s)、及び水を加えて総量100部とした液をおおよそ1時間撹拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、実施例1のインクを得た。インクの調製は、インク中のカーボンブラックの含有量が5%となるように行った。
[実施例2〜5、比較例1〜3]
下記表1に示す組成に代える以外は実施例1と同様にして各実施例、及び各比較例のインクを調製した。各インク中のカーボンブラックの含有量は、いずれも同じ5%となるように調整した。
下記表1及び表2中の略号等は、以下の意味を有する。また、各表中の数値は含有量を意味し、単位は「部」である。
N305:NEROX 305(BET比表面積78m/gのカーボンブラック)。
N505:NEROX 505。
N605:NEROX 605。
#1000:(BET比表面積180m/gのカーボンブラック)。
Dp1:合成例1で得た分散剤1。
BDG:ブチルジグリコール。
BTG:ブチルトリグリコール。
TPGME:トリプロピレングリコールメチルエーテル。
IPDG:イソプロピルジグリコール。
樹脂1:上記の合成例2で得た樹脂エマルション。
PDX−7538:ジョンクリル PDX−7538。
PDX−7611:ジョンクリル PDX−7611(酸価145mgKOH/g)。
PG:プロピレングリコール。
BYK:BYK−349。
TEA:トリエタノールアミン。
GXL(s):プロキセル GXL(s)。
水:イオン交換水。
Figure 2020125453
上記のようにして得た実施例、及び比較例のインクについて、以下の[印刷濃度試験]を実施した。
[印刷濃度試験]
インクジェットプリンタ(EPSON株式会社製、商品名PX−205)を使用して、OKトップコート(王子製紙株式会社製)に実施例、及び比較例の各インクの100%Duty画像をベタ印刷した。得られた画像を室温で24時間乾燥することにより、試験片を得た。得られた試験片のベタ画像をX−rite社製の濃度計、eXact Advanceにて測色した。測色条件は、濃度基準にISOステータスT、視野角2°、光源D50である。印刷濃度の測色値を、上記表1に示す。印刷濃度は数値が大きい方が、印刷濃度がより高いことを意味する。
表1から明らかなように、各実施例は、比較例に対して測色値が明らかに大きく、黒色の印刷濃度が高いことが分かった。
これらの結果から、本発明の特定の構成とすることにより、カーボンブラックの含有量が同じであっても、黒色の印刷濃度が高い画像が得られることが確認された。
下記表2に示す組成に代える以外は実施例1と同様にして各比較例のインクを調製した。各インク中のカーボンブラックの含有量は、いずれも同じ5%となるように調整した。
下記表2において追加された略号等は、以下の意味を有する。また、各表中の数値は含有量を意味し、単位は「部」である。
DBDG:ジブチルジグリコール(ジエチレングリコールジブチルエーテル、C12グリコールエーテル)。
Figure 2020125453
表2から明らかなように、比較例4の測色値は1.56と小さく、各実施例と比較して黒色の印刷濃度が劣ることが分かった。
本発明のインクは、黒色の印刷濃度が高い記録画像を得ることができる。このため、各種の記録用インク、特にインク受容層を有さない紙用途のインクジェット記録用インクとして極めて有用である。

Claims (7)

  1. 水、カーボンブラック、分散剤、有機溶剤、及び樹脂を含有するインクであって、
    上記カーボンブラックのBET比表面積が80m/g以上であり、
    上記の有機溶剤が、ヒドロキシ基を0〜1個有するC8−C10グリコールエーテルであり、
    上記の樹脂は分散剤とは異なる化合物であり、且つ、その酸価が0mgKOH/gより大きく100mgKOH/g未満であるインク。
  2. 粘度調整剤をさらに含有する、請求項1に記載のインク。
  3. 界面活性剤をさらに含有する、請求項1又は2に記載のインク。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクの液滴を、インクジェットプリンタから吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクが付着した、記録メディア。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクを含有するインクタンク。
  7. 請求項6に記載のインクタンクを有するインクジェットプリンタ。
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