以下に、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
実施形態では、充電装置を備える画像形成装置を一例として説明する。また、実施形態の説明において、「動作モード」という用語を用いる場合があるが、この「動作モード」は、「画像形成装置の動作状態」の一例である。
<実施形態に係る画像形成装置の構成>
図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を説明する図である。
画像形成装置100は、コピー機能、FAX機能、プリント機能、スキャナ機能、また、入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿や、プリンタ機能あるいはFAX機能により入力された画像)を保存や配信する機能等を複合して有するいわゆるMFP(Multi Functional Periphearl/Printer)と称される複合機である。
また、画像形成装置100は、PC(Personal Computer)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。なお、実施形態において、画像形成装置100で処理される「画像」には画像データだけでなく、画像データが含まれていないデータ、つまりテキスト情報のみのデータも含むものとする。
画像形成装置100は、帯電された感光体表面が選択的に露光されることにより書き込まれた静電潜像に、トナーを付着させ、付着させたトナーを用紙等の記録媒体に転写する、いわゆる電子写真方式の画像形成装置である。
画像形成装置100は、図1に示されているように、操作パネル1と、起動スイッチ2と、操作パネル1の操作入力等に基づいて画像形成装置100を制御するコントローラ3と、原稿を読み取る読取部4と、読取部4の読取結果に基づき制御信号を生成するエンジン制御部5と、用紙等の記録媒体上に画像を形成する画像形成部としてのプリンタユニット6と、記録媒体を収納する給紙カセット7A,7Bと、給紙搬送部としての搬送ユニット8とを有する。
操作部である操作パネル1は、利用者の操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報(例えば受け付けた操作を示す情報、画像形成装置100の動作状況を示す情報、画像形成装置100の設定状態を示す情報など)を表示する。操作パネル1は、一例としてタッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD:Liquid Cristal Display)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro-Luminescence)表示装置で構成されてもよい。さらに、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示部を設けることもできる。
起動スイッチ2は、画像形成装置100の電源がオフの状態でユーザによって押圧されると、画像形成装置100を起動する。また画像形成装置100が起動した状態、つまり電源がオンの状態でユーザによって押下されると、画像形成装置をオフ状態とする。このように起動スイッチ2は、ユーザが押圧することによって画像形成装置100をオン/オフしてもよいがこれに限られず、外部装置から受信した指示に基づき画像形成装置100をオン/オフしてもよい。
コントローラ3は、画像形成装置100を統括的に制御する。一例として操作パネル1が受け付けた操作や情報に応じた動作を、画像形成装置100に実行させる。その他の例として、PC等の外部機器から画像形成装置100が受け付けた指示等を画像形成装置100に実行させる。さらにその他の例として、特定の条件を検知した場合、例えば起動スイッチ2の押下を検知した場合、さらにその他の例として、画像形成装置100に発生した異常を検知した場合等に、あらかじめ決められた動作を画像形成装置100に実行させる。
コントローラ3の具体例としては、画像形成装置100を統括的に制御する回路を搭載したコントローラボードである。この回路には、一例としてCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Randam Access Memory)が搭載されており、CPUが、RAMを作業領域として、ROMやHDD(Hard Disk Drive)に記憶されたプログラムを実行することによって、画像形成装置100を制御する。
読取部4は、ADF(Auto Document Feeder)41とスキャナ部42とを有する。ADF41は、ADF41上に置かれた原稿を順次し搬送し光学的に読み取り画像データを生成する。スキャナ部42は、透明な原稿台の上に原稿を固定し、固定された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。
エンジン制御部5は、読取部4により生成された画像データに基づき、プリンタユニット6や搬送ユニット8を制御する制御信号を生成する。エンジン制御部5の具体例としては、画像データに基づき制御信号を生成するための回路基板である。
画像形成部であるプリンタユニット6は、感光体としての感光体ドラム61と、感光体ドラム61の外表面を帯電させる帯電部材62と、読取部4により読み取られた画像データに基づいて、帯電された感光体ドラム61上を露光して、感光体上に静電潜像を書き込む書込みユニット63と、書き込まれた潜像をトナーで現像する現像部材64と、トナー画像を形成する記録媒体を搬送する搬送ベルト65と、記録媒体上のトナーを記録媒体に定着させる定着部66とを有し、記録媒体上にトナー画像を形成する。
給紙カセット7A、7Bは画像形成前の記録媒体を収納する。図1においては一例として二つの給紙カセットを有し、それぞれにサイズの異なる記録媒体を収納しているが、一つであっても良いし、三つ以上であってもよい。
給紙搬送部としての搬送ユニット8は、各種ローラを有し、給紙カセット7A、給紙カセット7Bに収納された記録媒体をプリンタユニット6に搬送する。
ここで、コピーモードを例として画像形成装置100での画像形成の流れを説明する。まずユーザが、操作パネル1で機能切替キー等をユーザが操作することにより、画像形成装置100のコピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択し、各機能を動作させることが可能となる。コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリ機能選択時にはファクシミリモードとなる。
コピーモードでは、読取部4により、コピーする各原稿の画像情報が読み取られ、画像データが生成される。
感光体ドラム61の外周面は、暗中にて帯電部材62により一様に帯電された後、書込みユニット63からの照射光(図1中に点線矢印Aで示す。)により露光され、その結果、感光体ドラム61の外周面上に静電潜像が形成される。現像部材64は、この静電潜像をトナーにより可視像化する。これにより、感光体ドラム61上にトナー画像が形成される。感光体ドラム61上に形成されたトナー画像は、搬送ベルト65上の記録媒体に転写される。そして定着部66が記録媒体上のトナー画像のトナーを一例としてヒータで加熱溶融して、記録媒体にトナー画像を定着し、記録媒体を画像形成装置100から排出する。
なお、プリンタユニット6がモノクロの電子写真方式によって画像を形成する場合を説明したが、カラーの電子写真方式やインクジェット方式などであってもよく、画像形成方式はこれらに限られない。
また、上述の操作パネル1は、コントローラ3によって制御されてもよいし、コントローラ3とは別に操作パネル1を制御するための制御回路を7有し、制御されてもよい。その場合、コントローラ3の制御回路と操作パネル1の制御回路は、相互に通信可能に接続され、コントローラ3は操作パネル1を含む画像形成装置100全体を制御する。
なお、コントローラ3と、エンジン制御部5と、プリンタユニット6と、給紙カセット7A、7B、搬送ユニット8は画像形成装置100の外装内に設けられているが図1においては内部を透視して示している。
<実施形態に係る画像形成装置の電力供給のための構成>
図2は、実施形態に係る画像形成装置の電力供給のための構成の一例を説明する図である。画像形成装置100が商用電源に接続された状態を示している。
画像形成装置100は、AC(Alternating Current)制御部9と、直流電源部10とを有する。直流電源部10は、第1直流電源101と、第2直流電源102とを有する。画像形成装置100はさらに、充電装置103と、二次電池104とを有する。
AC制御部9は、商用電源から入力されたAC電圧を定着部66へ供給する。定着部66では、エンジン制御部5により、AC電圧が供給された定着ヒータのON/OFF等の制御が行われる。
直流電源部10は、商用電源から入力されたAC電圧を、第1直流電源101に変換する。第1直流電源101は、商用電源が入力されると画像形成装置100の起動スイッチ2のオン/オフに関わらず生成される電源である。第1直流電源101は、充電装置103を介して第1直流負荷の一例であるコントローラ3、及び二次電池104に接続される。
直流電源部10はさらに、商用電源から入力されたAC電圧を、第2直流電源102に変換する。第2直流電源102は、画像形成装置100の起動スイッチ2がONされると生成される電源である。第2直流電源102は、充電装置103を介して第2直流負荷の一例であるエンジン制御部5、及び二次電池104に接続される。また、第2直流電源102は、エンジン制御部5を介して読取部4、プリンタユニット6、搬送ユニット8へ供給される電源系統である。これらの第2直流負荷には、搬送ローラ等を回転駆動させるモータ等の駆動系が含まれ、第2直流電源102は、駆動系へ供給される電源系統であると換言することができる。
第1直流電源101及び第2直流電源102についてさらに述べる。
第1直流電源101は、コントローラ3へ供給される電源系統(以下5VX電源系統と呼ぶことがある)である。第1直流電源101は、充電装置103を介してコントローラ3及び二次電池104へ接続される。充電装置103は、第1直流電源101によるコントローラ3への電力供給と、第1直流電源101による二次電池104への充電を制御する。従って、充電装置103は、コントローラ3への電力供給装置としても機能している。
一方、第2直流電源102は、エンジン制御部5へ供給される電源系統(以下24VX電源系統と呼ぶことがある)である。第2直流電源102は、充電装置103を介してエンジン制御部5及び二次電池104へ接続される。充電装置103は、第2直流電源102によるエンジン制御部5への電力供給と、第2直流電源102による二次電池104への充電を制御する。従って、充電装置103は、エンジン制御部5への電力供給装置としても機能している。
図2に示される電力供給構成による画像形成装置100の動作について説明する。画像形成装置100へ商用電源等の外部電源からの電力供給が行われている時は、第1直流電源101からの電力は、コントローラ3へ供給される。ここで、コントローラ3の動作内容によって必要な電力は変わるため、コントローラ3の動作に使用されない電力である余剰電力は、二次電池104へ供給されて、この余剰電力によって二次電池104の充電が行われる。
そして災害等によって停電、つまり供給されていた外部電源からの電力供給がとまった時は、画像形成装置100の5VX電源系統である第1直流電源101等に対して二次電池104から電力供給する。つまり二次電池104は、5VX系統である第1直流電源101等の補助電源として機能する。
ここで、コントローラ3に操作パネル1の制御やファクシミリの制御機能を持たせることにより、停電時でもコントローラ3が動作し、ファクシミリデータを受信して画像形成装置100のHDD等に記憶することができる。そしてAC電源を供給可能なUPS(Unit erruptoble Power Supply)による電力供給開始時、もしくは停電からの復旧時には、記憶されたファクシミリデータを印刷出力することが可能である。
上述では、第1直流電源101が余剰電力により二次電池104の充電を行い、停電時に二次電池104が補助電源として第1直流電源101等に電力供給する例を説明したが、第2直流電源102においても同様である。つまり、第2直流電源102が余剰電力により二次電池104の充電を行い、停電時に二次電池104が補助電源として第2直流電源102等に電力供給する。
なお、第1直流電源101及び第2直流電源102を用いた二次電池104の充電については、別途詳述する。
次に、図3を用いて、二次電池への可変電流充電について説明する。図3は、充電電流と負荷電流との関係を説明する図である。図3は、縦軸が直流電源の出力電流の検出値、横軸が時間の経過を示す。
コントローラ3やエンジン制御部5等の直流負荷に供給される負荷電流の大きさは、直流負荷の動作内容によって変動する。つまり、直流負荷が電流を多く使う動作を行うときは負荷電流が大きく、電流を少なく使う動作を行うときは、負荷電流は小さい。
可変電流充電制御は、この負荷電流のレベルの変動に応じて充電電流を変化させる制御である。具体的には、コントローラ3への負荷電流が小さい場合(一例として図3中のt1)は、その分充電電流を大きく、負荷電流が大きい場合(一例として図3中のt2)は、その分充電電流を小さくする制御を行う。このようにすることで、負荷電流と充電電流の合計値を所定以内に収めることができる。
同じ直流電源からの出力を入力とする負荷電流と充電電流の場合、負荷電流と充電電流の検出値の合計値が直流電源の出力電流となる。この合計値を直流電源の最大供給可能電流以内に収まるように、充電電流を可変制御する。
このように出力電流検出値が一定のレベルになるように充電電流を可変制御することで、そのレベルの範囲内において充電にまわせる電力を最大化して急速な充電が可能となる。なお、実施形態では図3に示されるように、最大供給可能電流に対し少し下のレベルで一定に保つように制御する。
以上説明したように、実施形態において可変電流充電とは、第1直流電源101又は第2直流電源102から直流負荷に供給される電力以外の余剰電力分を使用して二次電池104を充電する場合に、直流負荷への出力負荷に応じて充電電流を変動可能な充電である。
例えばコントローラ3の消費電流を検出し、第1直流電源101の許容する最大供給可能電流との差分値を検出し、その差分値から第1直流電源101の許容される範囲の最大充電電流を基準として二次電池104を充電する。
或いは、エンジン制御部5の消費電流を検出し、第2直流電源102の許容する最大供給可能電流との差分値を検出し、その差分値から第2直流電源102の許容される範囲の最大充電電流を基準として二次電池104を充電する。
つまり検出される出力電流が、直流電源の最大供給可能電流を基準として略一定となるように充電電流が制御されている。
その結果、第1直流電源101及び第2直流電源102の電力供給能力を最大限に使い、二次電池104の満充電までの時間を短縮できる。なお以降、可変電流充電を可変充電、可変電流充電を行う制御を、可変充電制御と呼ぶことがある。
[第1の実施形態]
次に、第1の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
<第1の実施形態に係る画像形成装置の機能構成>
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の機能構成の一例を説明するブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係る画像形成装置100は、直流電源部10と、充電装置103と、二次電池104と、第1直流負荷105と、第2直流負荷106とを有する。
直流電源部10は、上述したように、コントローラ3等の第1直流負荷105へ供給する5VX電源系統である第1直流電源101と、エンジン制御部5等の第2直流負荷106へ供給する24V電源系統である第2直流電源102とを有する。
第1直流電源101は、電気的に接続された第1直流負荷105に第1負荷電流を出力し、余剰電力を用いて、充電電流切替部109等を介して電気的に接続された二次電池104に、充電のための第1充電電流を出力する。図4で太い実線で示した矢印は、第1直流電源101から第1直流負荷105に出力される第1負荷電流を表し、太い一点鎖線で示した矢印は、第1直流電源101から二次電池104に出力される第1充電電流を表している。
第2直流電源102は、電気的に接続された第2直流負荷106に第2負荷電流を出力し、余剰電力を用いて、充電電流切替部109等を介して電気的に接続された二次電池104に、充電のための第2充電電流を出力する。図4で太い破線で示した矢印は、第2直流電源102から第2直流負荷106に出力される第2負荷電流を表し、太い二点鎖線で示した矢印は、第2直流電源102から二次電池104に出力される第2充電電流を表している。
充電装置103は、第1電流検出部107と、第2電流検出部108と、充電電流切替部109と、充電部110と、第2直流電源判定部111と、充電制御部112と、二次電池容量検出部113とを有する。
第1電流検出部107は、第1負荷電流と第1充電電流の和を示す検出信号を充電制御部112に出力する電気回路である。また、第2電流検出部は、第2負荷電流と第2充の和を示す検出信号を充電制御部112に出力する電気回路である。
充電電流切替部109は、第1直流電源101から第1充電電流を入力し、また、第2直流電源102から第2充電電流を入力して、充電制御部112からの制御信号に応じて、第1充電電流及び第2充電電流の何れか一方を充電部110に出力する電気回路である。充電電流切替部109は、制御信号に応じて出力信号を切り替えるスイッチング回路等により構成される。
充電部110は、充電電流切替部109から第1充電電流、又は第2充電電流の何れか一方を入力し、充電制御部112からの制御信号に応じた電流を、二次電池104に出力して二次電池104を充電する電気回路である。
ここで、第2直流電源判定部111、及び充電制御部112の機能について説明する。
画像形成装置100は、所定の時間、操作パネル1から操作入力がなかった時や、操作パネル1を介して移行入力がされた時に、消費電力を抑制するため、動作モードを消費電力の小さいスリープモードに移行する場合がある。スリープモードでは、第1直流電源101と比較して出力電圧が大きく消費電力が大きい第2直流電源102の電源がオフにされ、第2直流電源102は動作しなくなる。そのため、スリープモード時には、第2充電電流を用いて二次電池104を充電することができない。
一方、画像形成装置100のスリープモード時に充電が行えなくなることを避けるため、第2直流電源102を用いず第1直流電源101のみを用いて二次電池104の充電を行うようにすると、第1直流電源101の出力電圧は小さいため、充電時間が長くなる場合があった。
そこで、本実施形態では、第2直流電源判定部111は、第2直流電源102が動作しているか否かを判定し、充電制御部112は、第2直流電源判定部111による判定結果に応じて、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させることを特徴にしている。
具体的には、第2直流電源判定部111は、第2直流電源102の出力電圧を検出する電気回路等により構成され、電圧が出力されている場合に第2直流電源102は動作していると判定する。また、電圧が出力されていない場合に第2直流電源102は動作していないと判定する。そして、判定結果を示す信号を充電制御部112に出力する。
なお、電圧が出力されているか否かは、検出した電圧値が予め定められた閾値を超えているか否か等により判定することができる。但し、第2直流電源判定部111は、第2直流電源102の出力電圧を検出する電気回路に限定されるものではない。第2直流電源判定部111は、第2電流検出部108による電流の検出値を入力し、電流の検出値が予め定められた閾値以上の場合に、第2直流電源102は動作していると判定し、電流の検出値が閾値を下回る場合に、第2直流電源102は動作していないと判定しても良い。
充電制御部112は、第2直流電源判定部111からの入力信号に応じ、第2直流電源102が動作していない場合には、充電電流切替部109に第1充電電流を出力させる制御を実行する。また、第2直流電源102が動作している場合には、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させる制御を実行する。
換言すると、充電制御部112は、画像形成装置100の動作モードがスリープモードになり、第2直流電源102がオフにされて動作していない場合には、第1直流電源101からの第1充電電流により二次電池104を充電させる。そして、画像形成装置100がスリープモードでない通常の動作モードの場合は、第2直流電源102がオンにされて動作しているため、第2直流電源102からの第2充電電流により二次電池104を充電させる。
このようにすることで、出力電圧が大きい第2直流電源102を充電に用いることができるため、第1直流電源101のみを用いて充電する場合と比較して、充電時間を短縮することが可能となる。
なお、上述した例では、第2直流電源102がオフにされる動作モードとしてスリープモードを説明したが、これに限定されるものではない。第2直流電源102がオフにされ、動作しないものであれば、他の動作モードであっても良い。
上述した「第2直流電源判定部111が動作しているか否か」は、「第1直流電源及び第2直流電源の状態」の一例であり、「第2直流電源判定部111が動作している」という条件は、「所定の条件」の一例である。
一方、充電制御部112は、電流制御部114と、停止制御部115とを有する。
電流制御部114は、充電電流切替部109が充電部110に第1充電電流を出力する場合には、第1電流検出部107による検出値に基づき、上述した可変充電制御を実行する。また、充電電流切替部109が充電部110に第2充電電流を出力する場合には、第2電流検出部108による検出値に基づき、可変充電制御を実行することができる。
停止制御部115は、第1電流検出部107により検出された第1負荷電流と第1充電電流の和が、第1直流電源101の最大供給可能電流を超えた場合に、第1直流電源101及び充電部110の少なくとも一方を停止させる。また、停止制御部115は、第2電流検出部108により検出された第2負荷電流と第2充電電流の和が、第2直流電源102の最大供給可能電流を超えた場合に、第2直流電源102及び充電部110の少なくとも一方を停止させることができる。
ここで、電気回路のショート等によって、画像形成装置100や充電装置103、二次電池104等が異常状態となり、過剰な電流が流れると、画像形成装置100を故障させる場合がある。停止制御部115は、このような場合に、第1充電電流で充電している時には第1直流電源101及び充電装置103の少なくとも一方を停止させる。また、第2充電電流で充電している時には第2直流電源102及び充電装置103の少なくとも一方を停止させる。これにより、画像形成装置100の故障を防ぎ、画像形成装置100を保護することができる。
以上説明した充電制御部112の機能は、CPUがRAMを作業領域としてROMやHDD(Hard Disk Drive)に記憶されたプログラムを実行することで実現される。但し、これに限定されるものではなく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の電子回路により実現されても良い。
二次電池容量検出部113は、二次電池104に蓄積された電気容量を検出し、充電制御部112に出力する電気回路である。二次電池容量検出部113の出力に応じて、充電制御部112は、充電を行うか否かを判定することができる。
<第1の実施形態に係る画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置100の動作について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS51において、充電制御部112は、二次電池容量検出部113による検出値に基づき、二次電池104の電気容量が100%であるか否かを判定する。
ステップS51において、二次電池104の電気容量が100%であると判定された場合は(ステップS51、Yes)、画像形成装置100は処理を終了する。一方、二次電池104の電気容量が100%でないと判定された場合は(ステップS51、No)、ステップS52に移行する。
ステップS52において、充電制御部112は充電電流切替部109に第1充電電流を出力させ、充電部110は第1充電電流により二次電池104を充電する。
続いて、ステップS53において、第2直流電源判定部111は、第2直流電源102が動作しているか否かを判定する。
ステップS53で、第2直流電源102が動作していないと判定された場合は(ステップS53、No)、ステップS51に戻り、ステップS51以降の処理が再度実行される。一方、第2直流電源102が動作していると判定された場合は(ステップS53、Yes)、ステップS54に移行し、充電制御部112は、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させ、充電部110は第2充電電流により二次電池104を充電する。
続いて、ステップS55において、充電制御部112は、二次電池容量検出部113による検出値に基づき、二次電池104の電気容量が100%であるか否かを判定する。
ステップS55において、二次電池104の電気容量が100%でないと判定された場合は(ステップS55、No)、ステップS53に戻り、ステップS53以降の処理が再度実行される。一方、二次電池104の電気容量が100%であると判定された場合は(ステップS55、Yes)、画像形成装置100は処理を終了する。
このようにして、画像形成装置100は、二次電池104を充電する処理を実行することができる。
<第1の実施形態に係る画像形成装置の作用効果>
次に、本実施形態に係る画像形成装置の作用効果について説明する。
先ず、作用効果の説明に先立ち、比較例に係る画像形成装置について、図6を参照して説明する。図6は、比較例に係る画像形成装置の機能構成を説明する図である。なお、本実施形態に係る画像形成装置100と同一の機能を備える構成には同一の部品番号を付し、説明を省略する。
画像形成装置200は充電装置203を備え、充電装置203は、電流検出部207と、充電部208と、充電制御部209とを有する。電流検出部207は、第1直流電源101から出力された第1負荷電流と第1充電電流の和を検出し、充電制御部209は、電流検出部207の検出結果に応じて、可変充電制御を実行する。
つまり、比較例に係る画像形成装置200は、第1直流電源101からの第1充電電流のみを用いて二次電池104への充電を行うものである。
次に、図7は、本実施形態に係る画像形成装置による作用効果の一例を説明する図である。図7(a)は負荷電力の時間変化を示す図、図7(b)は充電電流の時間変化を示す図、図7(c)は二次電池の電気容量の時間変化を示す図である。
図7に示されているグラフの横軸は何れも時間の経過を示している。図7(a)では、縦軸は直流負荷の負荷電力を示し、図7(b)では、縦軸は二次電池104に入力される充電電流を示し、図7(c)では、縦軸は二次電池104の蓄積される電気容量を示している。
図7(a)において、太い破線で示したグラフ71は、第1直流負荷105の負荷電力を示し、太い実線で示したグラフ72は、第2直流負荷106の負荷電力を示している。また、二点鎖線で示したグラフ73は、第1直流電源101の許容電力値を示し、一点鎖線で示したグラフ74は、第2直流電源102の許容電力値を示している。ここで、許容電力値とは、各電源の出力が最大供給可能電流時に供給される電力値である。
図7(b)において、斜線ハッチングで示したグラフ75は、第1直流電源101からの第1充電電流を示し、梨地ハッチングで示したグラフ76は、第2直流電源102からの第2充電電流を示している。
図7(c)において、太い黒色の実線で示したグラフ77は、本実施形態に係る画像形成装置100における二次電池104の電気容量の時間変化を示し、太い灰色の実線で示したグラフ78は、比較例に係る二次電池の電気容量の時間変化を示している。なお、比較例に係るグラフ78は、図6を用いて説明したように、第2直流電源102を充電のために用いず、第1直流電源101のみを充電のために用いる充電装置203を備えた画像形成装置200によるものである。
図7において、期間M1は、画像形成装置100がスリープしている期間、期間M2は画像形成装置100がコピー処理を実行している期間、期間M3は画像形成装置100が待機している期間である。また、期間M4は、画像形成装置100がスリープしている期間、期間M5は、画像形成装置100がコピー処理を実行している期間である。
期間T1及びT3では、画像形成装置100がスリープしているため、第2直流電源102はオフにされている。この場合、第2直流電源判定部111は、第2直流電源102が動作していないと判定し、充電制御部112は、判定結果に応じて充電電流切替部109に第1充電電流を出力させる。また、期間T2及びT4では、画像形成装置100がコピー処理を実行するか、或いは待機しているため、第2直流電源102はオンにされている。この場合、第2直流電源判定部111は、第2直流電源102が動作していると判定し、充電制御部112は、判定結果に応じて充電電流切替部109に第2充電電流を出力させる。図7(b)において、期間T2及びT4では、第1直流電源101より出力電圧が大きい第2直流電源102から第2充電電流が二次電池104に入力されるため、期間T1及びT3に対して、充電電流が大きくなっている。
また、図7(c)において、比較例に係る画像形成装置200では、期間T2及びT4においても第1直流電源101からの第1充電電流により充電を行う。期間T2及びT4では負荷電力が大きいため、第1充電電流は小さくなり、その結果、グラフ78に示すように、二次電池104の電気容量はほとんど増加していない。
これに対し、本実施形態に係る画像形成装置100では、期間T2及びT4において、第2直流電源102からの第2充電電流により充電を行う。また、図7(b)に示したように大きい充電電流により充電を行うため、図7(c)に示すように、二次電池104の電気容量が大きく増加している。
以上説明したように、画像形成装置100では、第2直流電源判定部111は第2直流電源102が動作しているか否かを判定し、第2直流電源102が動作している場合に、充電制御部112は充電電流切替部109に第2充電電流を出力させる。これにより、第1直流電源101より出力電圧の大きい第2直流電源102からの第2充電電流を用いて充電を行うことができ、第1直流電源101のみを充電に用いる比較例に対して、二次電池104に蓄積される電気容量を大きくすることができる。
また、画像形成装置100がスリープモード等で第2直流電源102が動作しておらず、第2直流電源102を充電に使用できない場合は、第2直流電源判定部111による判定結果に応じて、充電制御部112は充電電流切替部109に第1充電電流を出力させる。これにより、第2直流電源102が動作していない場合にも充電を行うことができる。
このようにして、第1直流電源101及び第2直流電源102からの電力の供給能力を最大限に活用することができ、充電の効率を上げることで、二次電池104が満充電になるまでの充電期間を、比較例に対して短縮することが可能となる。
また、本実施形態では、充電制御部112が可変充電制御を実行することで、第1直流電源101及び第2直流電源102の電力供給能力を最大限に使い、二次電池104の満充電までの時間を短縮することができる。
さらに、本実施形態では、停止制御部115は、第1電流検出部107により検出された第1負荷電流と第1充電電流の和が、第1直流電源101の最大供給可能電流を超えた場合に、第1直流電源101及び充電部110の少なくとも一方を停止させる。また、停止制御部115は、第2電流検出部108により検出された第2負荷電流と第2充電電流の和が、第2直流電源102の最大供給可能電流を超えた場合に、第2直流電源102及び充電部110の少なくとも一方を停止させる。このようにすることで、電気回路のショート等によって、画像形成装置100や充電装置103、二次電池104等が異常状態となり、過剰な電流が流れた場合にも、画像形成装置100の故障を防ぎ、画像形成装置100を保護することができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る画像形成装置を説明する。なお、既に説明した実施形態と同一の構成部についての説明は省略する。
<第2の実施形態に係る画像形成装置の機能構成>
図8は、本実施形態に係る画像形成装置の機能構成の一例を説明するブロック図である。画像形成装置100aは充電装置103aを有し、充電装置103aは充電制御部112aを有する。また、充電制御部112aは、余剰電力比較部116を有する。
余剰電力比較部116は、第1電流検出部107による検出結果に第1直流電源101の出力電圧を乗じて得られる負荷電力を、第1直流電源101の許容電力値から差し引くことで、第1直流電源101の余剰電力を取得する。また、余剰電力比較部116は、第2電流検出部108による検出結果に第2直流電源102の出力電圧を乗じて得られる負荷電力を、第2直流電源102の許容電力値から差し引くことで、第2直流電源102の余剰電力を取得する。そして、余剰電力比較部116は、第1直流電源101の余剰電力と、第2直流電源102の余剰電力とを比較する処理を実行する。
充電制御部112aは、余剰電力比較部116による比較処理の結果、第2直流電源102の余剰電力が第1直流電源101の余剰電力より大きい場合に、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させる機能を有する。
ここで、第1直流電源101及び第2直流電源102の余剰電力は、「第1直流電源及び第2直流電源の状態」の一例であり、「第2直流電源102の余剰電力が第1直流電源101の余剰電力より大きい」という条件は、「所定の条件」の一例である。
<第2の実施形態に係る画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置100aの動作について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS91において、充電制御部112aは、二次電池容量検出部113による検出値に基づき、二次電池104の電気容量が100%であるか否かを判定する。
ステップS91において、二次電池104の電気容量が100%であると判定された場合は(ステップS91、Yes)、画像形成装置100aは処理を終了する。一方、二次電池104の電気容量が100%でないと判定された場合は(ステップS91、No)、ステップS92に移行する。
ステップS92において、充電制御部112aは充電電流切替部109に第1充電電流を出力させ、充電部110は第1充電電流により二次電池104を充電する。
続いて、ステップS93において、充電制御部112aは、第2電流検出部108の出力に基づき、第2直流電源102の出力電流があるか否かを判定する。
ステップS93で、第2直流電源102の出力電流がないと判定された場合は(ステップS93、No)、ステップS91に戻り、ステップS91以降の処理が再度実行される。一方、第2直流電源102の出力電流があると判定された場合は(ステップS93、Yes)、ステップS94に移行し、充電制御部112aは、第1充電電流による充電を停止させる。
続いて、ステップS95において、余剰電力比較部116は、第1直流電源101の余剰電力を取得する。
続いて、ステップS96において、充電制御部112aは、第1電流検出部107から入力した第1負荷電流と第1充電電流の和の電流値を記憶部に出力し、記憶させる。ここで、記憶された電流値を第1記憶値とする。なお、記憶部は、画像形成装置100aの備えるHDD等で構成することができる。
続いて、ステップS97において、余剰電力比較部116は、第2直流電源102の余剰電力を取得する。
続いて、ステップS98において、充電制御部112aは、第2電流検出部108から入力した第2負荷電流と第2充電電流の和の電流値を記憶部に出力し、記憶させる。ここで、記憶された電流値を第2記憶値とする。
なお、ステップS96〜S98の処理の順番は、適宜変更されてもよく、また、並行して実行されてもよい。
続いて、ステップS99において、余剰電力比較部116は、第2直流電源102の余剰電力は第1直流電源101の余剰電力より大きいか否かを判定する。
ステップS99で、第2直流電源102の余剰電力は第1直流電源101の余剰電力より大きいと判定された場合は(ステップS99、Yes)、ステップS100に移行する。
ステップS100において、充電制御部112aは、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させ、充電部110は第2充電電流により二次電池104を充電する。
続いて、ステップS101において、充電制御部112aは、第1電流検出部107が検出した第1負荷電流と第1充電電流の和を示す検出値を入力する。この検出値を第1検出値とする。
続いて、ステップS102において、充電制御部112aは、記憶部に記憶させた第1記憶値が第1検出値より大きいか否かを判定する。
ステップS102で、第1記憶値が第1検出値より大きくないと判定された場合は(ステップS102、No)、ステップS103において、充電制御部112aは、充電部110に第2充電電流による二次電池104の充電を停止させる。そして、ステップS95に戻り、ステップS95以降の処理が再度実行される。
一方、第1記憶値が第1検出値より大きいと判定された場合は(ステップS102、Yes)、ステップS104に移行する。
ステップS104において、充電制御部112aは、二次電池容量検出部113による検出値に基づき、二次電池104の電気容量が100%であるか否かを判定する。
ステップS104において、二次電池104の電気容量が100%でないと判定された場合は(ステップS104、No)、ステップS100に戻り、ステップS100以降の処理が再度実行される。一方、二次電池104の電気容量が100%であると判定された場合は(ステップS104、Yes)、画像形成装置100aは処理を終了する。
ここで、ステップS99に戻り、ステップS99で、第2直流電源102の余剰電力は第1直流電源101の余剰電力より大きくないと判定された場合(ステップS99、No)を説明する。
この場合は、ステップS105に移行し、充電制御部112aは、充電電流切替部109に第1充電電流を出力させ、充電部110は第1充電電流により二次電池104を充電する。
続いて、ステップS106において、充電制御部112aは、第2電流検出部108が検出した第2負荷電流と第2充電電流の和を示す検出値を入力する。この検出値を第2検出値とする。
続いて、ステップS107において、充電制御部112aは、記憶部に記憶させた第2記憶値が第2検出値より大きいか否かを判定する。
ステップS107で、第2記憶値が第2検出値より大きくないと判定された場合は(ステップS107、No)、ステップS94に戻り、ステップS94以降の処理が再度実行される。一方、第2記憶値が第2検出値より大きいと判定された場合は(ステップS107、Yes)、ステップS108に移行する。
ステップS108において、充電制御部112aは、二次電池容量検出部113による検出値に基づき、二次電池104の電気容量が100%であるか否かを判定する。
ステップS108において、二次電池104の電気容量が100%でないと判定された場合は(ステップS108、No)、ステップS105に戻り、ステップS105以降の処理が再度実行される。一方、二次電池104の電気容量が100%であると判定された場合は(ステップS108、Yes)、画像形成装置100aは処理を終了する。
このようにして、画像形成装置100aは、二次電池104を充電する処理を実行することができる。
ここで、ステップS102及びS107において、負荷電流と充電電流の和の記憶値と検出値を比較する処理は、常時、第1直流電源101の余剰電力と第2直流電源102の余剰電力を比較し、余剰電力が大きい直流電源を用いて二次電池104への充電を行うためのものである。余剰電力が大きい直流電源を常時用いることで、第1直流電源101及び第2直流電源102の電力供給能力を最大限に使い、二次電池104の満充電までの時間を短縮することができる。
より詳しくは、余剰電力を比較する時は充電を停止させる必要があるため、常時余剰電力を比較しようとすると、充電停止処理と余剰電力比較処理を常に繰り返すことになり、効率的な充電ができない場合がある。
記憶値と現状値の比較制御を入れることで、各電源の余剰電力の大小に逆転の可能性があるタイミングで余剰電力の比較処理(充電停止処理)を実行することができ、充電を効率的に行うことができる。
<第2の実施形態に係る画像形成装置の作用効果>
本実施形態に係る画像形成装置100aの作用効果を説明する。図10は、本実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を説明する図である。図10(a)は負荷電力の時間変化を示す図、図10(b)は充電電流の時間変化を示す図、図10(c)は二次電池の電気容量の時間変化を示す図である。
図10(a)において、余剰電力91は、期間T4における第2直流電源102の余剰電力である。余剰電力比較部116が、第2電流検出部108による検出結果に第2直流電源102の出力電圧を乗じて得られる負荷電力を、第2直流電源102の許容電力値から差し引くことで、余剰電力91は取得される。
一方、余剰電力92は、期間T4における第1直流電源101の余剰電力である。余剰電力比較部116が、第1電流検出部107による検出結果に第2直流電源102の出力電圧を乗じて得られる負荷電力を、第2直流電源102の許容電力値から差し引くことで、余剰電力92は取得される。
余剰電力比較部116は、余剰電力91及び92を比較し、第2直流電源102の余剰電力91が第1直流電源101の余剰電力92より大きいという比較結果を示す信号を、充電制御部112aに出力する。充電制御部112aは、余剰電力比較部116から入力した信号に応じ、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させる。
また、余剰電力93は、期間T3における第1直流電源101の余剰電力である。期間T3では、画像形成装置100aの動作モードはスリープモードであるため、第2直流電源102は動作していない。そのため、期間T3における第1直流電源101の余剰電力はゼロである。
従って、余剰電力比較部116は、期間T3では、第1直流電源101の余剰電力93が第2直流電源102の余剰電力より大きいという比較結果を示す信号を充電制御部112aに出力する。充電制御部112aは、余剰電力比較部116から入力した信号に応じ、充電電流切替部109に第1充電電流を出力させる。
図10(b)において、期間T3では第1充電電流により充電が行われ、期間T4では、第1充電電流より大きい第2充電電流により充電が行われる。期間T1及びT2でも同様の処理が行われる。その結果、図10(c)に示すように、比較例に対して、二次電池104の電気容量を大きく増加させることができる。
以上説明したように、画像形成装置100aでは、余剰電力比較部116は、第1直流電源101の余剰電力と、第2直流電源102の余剰電力を比較し、充電制御部112は、第2直流電源102の余剰電力が大きい場合に、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させる。これにより、第1直流電源101より出力電圧の大きい第2直流電源102からの第2充電電流を用いて充電を行うことができ、第1直流電源101のみを充電に用いる比較例に対して、二次電池104に蓄積される電気容量を大きくすることができる。
上述した以外の効果は第1の実施形態で説明したものと同様である。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る画像形成装置を説明する。
<第3の実施形態に係る画像形成装置の機能構成>
図11は、本実施形態に係る画像形成装置の機能構成の一例を説明するブロック図である。画像形成装置100bは充電装置103bを有し、充電装置103bは充電制御部112bと、充電電力検出部117とを有する。
充電電力検出部117は、二次電池104に供給される充電電力を検出し、充電電力の検出値を示す信号を充電制御部112bに出力する電気回路である。
充電制御部112bは、余剰電力比較部116bを有する。余剰電力比較部116bは、第1電流検出部107による検出結果に第1直流電源101の出力電圧を乗じて得られる負荷電力と充電電力との合計値(第1電力値)から、充電電力検出部117から入力した充電電力の検出値を差し引くことで、画像形成装置100bの負荷電力を求める。そして、第1直流電源101の許容電力値から画像形成装置100bの負荷電力を差し引くことで、第1直流電源101の余剰電力を取得することができる。
同様に、余剰電力比較部116bは、第2電流検出部108による検出結果に第2直流電源102の出力電圧を乗じて得られる負荷電力と充電電力との合計値(第2電力値)から、充電電力検出部117から入力した充電電力の検出値を差し引くことで、画像形成装置100bの負荷電力を求める。そして、第2直流電源102の許容電力値から画像形成装置100bの負荷電力を差し引くことで、第2直流電源102の余剰電力を取得することができる。
余剰電力比較部116bは、第1直流電源101の余剰電力と、第2直流電源102の余剰電力とを比較する処理を実行する。
充電制御部112bは、余剰電力比較部116bによる比較処理の結果、第2直流電源102の余剰電力が第1直流電源101の余剰電力より大きい場合に、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させる。
<第3の実施形態に係る画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置100bの動作について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS121において、充電制御部112bは、二次電池容量検出部113による検出値に基づき、二次電池104の電気容量が100%であるか否かを判定する。
ステップS121において、二次電池104の電気容量が100%であると判定された場合は(ステップS121、Yes)、画像形成装置100bは処理を終了する。一方、二次電池104の電気容量が100%でないと判定された場合は(ステップS121、No)、ステップS92に移行する。
ステップS122において、余剰電力比較部116bは、第1電流検出部107の検出値に基づき、第1電力値を取得する。第1電力値は、上述したように、第1電流検出部107による検出結果に第1直流電源101の出力電圧を乗じて得られる負荷電力と充電電力との合計値である。
続いて、ステップS123において、余剰電力比較部116bは、第2電流検出部108の検出値に基づき、第2電力値を取得する。第2電力値は、上述したように、第2電流検出部108による検出結果に第2直流電源102の出力電圧を乗じて得られる負荷電力と充電電力との合計値である。
なお、ステップS122〜S123の処理の順番は適宜変更されてもよく、また、並行して実行されてもよい。
続いて、ステップS124において、充電電力検出部117は、二次電池104に供給される充電電力を検出し、充電電力の検出値を示す信号を充電制御部112bに出力する。
続いて、ステップS125において、余剰電力比較部116bは、第1電力値から充電電力の検出値を差し引き、第1直流電源101の余剰電力を示す第1差分値を取得する。
続いて、ステップS126において、余剰電力比較部116bは、第2電力値から充電電力の検出値を差し引き、第2直流電源102の余剰電力を示す第2差分値を取得する。
なお、ステップS125〜S126の処理の順番は適宜変更されてもよく、また、並行して実行されてもよい。
続いて、ステップS127において、余剰電力比較部116bは、第2差分値は第1差分値より大きいか否かを判定する。ステップS127で、第2差分値は第1差分値より大きいと判定された場合は(ステップS127、Yes)、ステップS128に移行し、充電制御部112bは充電電流切替部109に第2充電電流を出力させ、充電部110は第2充電電流により二次電池104を充電する。その後、ステップS130に移行する。
一方、ステップS127で、第2差分値は第1差分値より大きくないと判定された場合は(ステップS127、No)、ステップS129に移行し、充電制御部112bは充電電流切替部109に第1充電電流を出力させ、充電部110は第1充電電流により二次電池104を充電する。その後、ステップS130に移行する。
続いて、ステップS130において、充電制御部112bは、二次電池容量検出部113による検出値に基づき、二次電池104の電気容量が100%であるか否かを判定する。
ステップS130において、二次電池104の電気容量が100%でないと判定された場合は(ステップS130、No)、ステップS122に戻り、ステップS122以降の処理が再度実行される。一方、二次電池104の電気容量が100%であると判定された場合は(ステップS130、Yes)、画像形成装置100bは処理を終了する。
このようにして、画像形成装置100bは、二次電池104を充電する処理を実行することができる。
<第3の実施形態に係る画像形成装置の作用効果>
上述した第2の実施形態に係る画像形成装置100aでは、第1直流電源101と第2直流電源102の余剰電力を比較する際に、第1電流検出部107、又は第2電流検出部108による検出値に基づく電力値から充電電力を取り除いて正確に負荷電力を取得するために、充電を一旦停止させる必要がある。
これに対し、本実施形態では、充電電力検出部117により検出した充電電力値を、第1電流検出部107、又は第2電流検出部108による検出値に基づく電力値から差し引く。このようにすることで、充電を一旦停止させることなく、第1電流検出部107、又は第2電流検出部108による検出値に基づく電力値から充電電力を取り除いて正確に負荷電力を取得することができる。そして、充電を一旦停止させないため、充電装置103bによる制御処理を簡易化することができる。
なお、これ以外の効果は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態に係る画像形成装置を説明する。
<第4の実施形態に係る画像形成装置の機能構成>
図13は、本実施形態に係る画像形成装置の機能構成の一例を説明するブロック図である。画像形成装置100cは充電装置103cを有し、充電装置103cは充電制御部112cを有する。また、充電制御部112cは、余剰電力判定部118を有する。
余剰電力判定部118は、画像形成装置100cを制御するコントローラ3から入力した画像形成装置100cの動作モード情報に基づき、第2直流電源102の余剰電力が第1直流電源の余剰電力より大きいか否かを判定する機能を有する。ここで、コントローラ3は、「画像形成制御部」の一例である。
余剰電力判定部118による判定方法について、さらに述べる。一例として、画像形成装置100cの動作モードと、第1直流電源101及び第2直流電源102のうちの余剰電力が大きいものとの対応関係を示すテーブルが、画像形成装置100cの備えるHDD等の記憶部に記憶されている。
具体的には、図14に例示したように、動作モードがスリープモードである時は、第1直流電源101が大きく、動作モードがコピーモード、或いは待機モードである時は、第2直流電源102が大きいことを示すテーブル119が記憶部に記憶されている。テーブル119は、動作モード毎での余剰電力を予め実験で取得する等して作成することができる。
余剰電力判定部118は、コントローラ3から入力した画像形成装置100cの動作モード情報に基づき、上述した対応関係を示すテーブルを参照して、第1直流電源101及び第2直流電源102の何れの余剰電力が大きいかを判定することができる。
図13に戻り、充電制御部112cは、余剰電力判定部118による判定処理の結果、第2直流電源102の余剰電力が第1直流電源101の余剰電力より大きい場合に、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させる。
<第4の実施形態に係る画像形成装置の作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、コントローラ3から取得した画像形成装置100cの動作モード情報に基づき、第2直流電源102の余剰電力が第1直流電源101の余剰電力より大きいかを判定する。そして、第2直流電源102の余剰電力が第1直流電源101の余剰電力より大きい場合に、充電電流切替部109に第2充電電流を出力させる。
このようにすることで、第1電流検出部107や第2電流検出部108、充電電力検出部117等を用いずに、第2直流電源102の余剰電力が第1直流電源101の余剰電力より大きいか否かを判定することができる。そして、画像形成装置100cの構成を簡易化し、また、制御処理を簡易化することができる。
なお、上述した例では、画像形成装置100cの動作モードと、第1直流電源101及び第2直流電源102のうちの余剰電力が大きいものとの対応関係を示すテーブルを用いる場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置100cの動作モードと、第1直流電源101及び第2直流電源102のうちの余剰電力の予測値との対応関係を示すテーブルを用いても良い。このようなテーブルは、動作モード毎での余剰電力を予め実験で取得する等して作成することができる。
余剰電力判定部118は、コントローラ3から入力した画像形成装置100cの動作モード情報に基づき、上述した対応関係を示すテーブルを参照して、第1直流電源101及び第2直流電源102の余剰電力の予測値を取得し、余剰電力の予測値を比較することで、何れの余剰電力が大きいかを判定することができる。
上述したもの以外の効果は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
以上、実施形態を説明したが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
また、実施形態は、充電方法も含む。例えば、充電方法は、第1直流電源から入力した第1充電電流、及び前記第1直流電源より出力電圧が高い第2直流電源から入力した第2充電電流の何れか一方を出力する充電電流切替工程と、前記充電電流切替工程で出力された前記第1充電電流、及び前記第2充電電流の何れか一方により、二次電池を充電する充電工程と、前記第1直流電源及び前記第2直流電源の状態が所定の条件を満たす場合に、前記充電電流切替工程で前記第2充電電流を出力させる充電制御工程と、を含む。このような充電方法により、上述した充電装置と同様の効果を得ることができる。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。