JP2020122378A - 建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分に隙間が生じた場合でも、この隙間から屋内に水が入り込むことを抑制することができる建具を提供する。【解決手段】枠体2は、上枠と、下枠22と、上枠の端部および下枠22の端部と連結される第1縦枠および第2縦枠(一対の縦枠)と、を有し、框35は、上框と、下框32と、上框の端部および下框32の端部と連結される戸先框および吊元框(一対の縦框)と、を有し、下框32には、枠体2側に突出し、第1縦枠気密材(第1縦枠に設けられた気密材)と下枠気密材42(下枠に設けられた気密材)との下側戸先接続部分45(接続部分)よりも屋外11側となる位置に配置され、少なくとも下端部52dが下側戸先接続部分45よりも下側となる位置に配置される水切り部材5が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、建具に関する。
従来、開口部に設けられる縦すべり出し窓や横すべり出し窓などの建具では、障子が開口部を閉鎖する際に、枠体の屋外側の面に設けられた気密材(パッキン)に、障子の框における屋内側の面が屋外側から当接し、枠体と框との隙間が塞がれるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
気密材は、枠体の縦枠および横枠(上枠、下枠)それぞれの長さ方向の全体にわたって設けられていて、縦枠に設けられた気密材と横枠に設けられた気密材とは、それぞれの端部が隙間なく接続されるように付き合わされている。
特開2012−154147号公報
しかしながら、気密材に物や人が引っかかり負荷がかかったり、気密材が経年劣化したりすると、縦枠に設けられた気密材と横枠に設けられた気密材との接続部分に隙間が生じる虞がある。縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分に隙間が生じた状態で暴風雨が生じ、屋外の気圧が屋内の気圧よりも高くなると、下枠と下框との間に水が入り込んだ水が縦枠に設けられた気密材の下端部と下枠に設けられた気密材との接続部分に生じた隙間から屋内に入り込み、水しぶきが生じる虞がある。
そこで、本発明は、縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分に隙間が生じた場合でも、この隙間から屋内に水が入り込むことを抑制することができる建具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、開口部に沿って設けられた枠体と、前記枠体に支持された回動軸回りに回動して前記開口部を開閉する障子と、前記枠体に前記開口部の全周を囲むように取り付けられ、前記枠体と前記障子の框と隙間を閉塞する気密材と、を有する建具において、前記枠体は、前記開口部の上縁部に沿って設けられる上枠と、前記開口部の下縁部に沿って設けられる下枠と、上枠の端部および下枠の端部と連結され前記開口部の側縁部に沿って設けられる一対の縦枠と、を有し、前記框は、前記障子の上縁部に沿って設けられる上框と、前記障子の下縁部に沿って設けられる下框と、上框の端部および下框の端部と連結され前記障子の側縁部に沿って設けられる一対の縦框と、を有し、前記下框には、前記枠体側に突出し、前記縦枠に設けられた前記気密材と前記下枠に設けられた前記気密材との接続部分よりも屋外側となる位置に配置され、少なくとも下端部が前記接続部分よりも下側となる位置に配置される水切り部材が設けられていることを特徴とする。
本発明では、下框には、枠体側に突出し、縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分よりも屋外側となる位置に配置され、少なくとも下端部が接続部分よりも下側となる位置に配置される水切り部材が設けられていることにより、下枠と下框との間に屋外から水が入り込むことを抑制することができる。
縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分に隙間が生じた状態で、暴風雨が生じて屋外の気圧が屋内の気圧よりも高くなると、縦枠に設けられた気密材の下端部と下枠に設けられた気密材との接続部分に生じた隙間から下枠と下框との間に入り込んだ水が屋内に入り込むことがある。本発明では、下枠と下框との間に水が入り込むことを抑制することができるため、縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分に隙間が生じた場合でも、この隙間から屋内に水が入り込むことを抑制することができる。
また、本発明に係る建具では、前記障子は、前記回動軸が上下方向に延び、前記回動軸よりも一対の縦框のうちの一方の戸先框が設けられている側が屋外側に移動して前記開口部を開閉するように構成され、前記水切り部材は、前記縦枠に設けられた前記気密材と前記下枠に設けられた前記気密材との接続部分のうちの少なくとも前記戸先框側の前記縦枠に設けられた前記気密材と前記下枠に設けられた前記気密材との接続部分近傍の屋外側となる位置に設けられていてもよい。
一対の縦框のうちの他方となる吊元框側の縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分近傍の室外側には、回動軸の部品が設けられ、この部品によって下枠と下框との間における吊元框側に屋外から水が入り込むことを抑制できることがある。このため、吊元框側の縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分に隙間が生じた状態で、暴風雨が生じて屋外の気圧が屋内の気圧よりも高くなっても、吊元框側の縦枠に設けられた気密材の下端部と下枠に設けられた気密材との接続部分に生じた隙間から屋内に水が入り込むことを抑制することができる。
このような場合に、水切り部材が少なくとも戸先框側の縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分近傍の屋外側となる位置に設けられることにより、下枠と下框との間における吊元側および戸先框側のそれぞれに屋外から水が入り込むことを抑制することができる。その結果、縦枠(戸先框および吊元框)に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分に隙間が生じてしまった場合でも、この隙間から屋内に水が入り込むことを抑制することができる。
「戸先框側の縦枠」とは、障子が開口部を閉鎖した際に戸先框が対向する縦枠を示し、「吊元框側の縦枠」とは、障子が開口部を閉鎖した際に吊元框が対向する縦枠を示している。
本発明によれば、縦枠に設けられた気密材と下枠に設けられた気密材との接続部分に隙間が生じた場合でも、この隙間から屋内に水が入り込むことを抑制することができる。
本発明の実施形態による建具(すべり出し窓)の一例を示す正面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 水切り部材の斜視図である。
以下、本発明の実施形態による建具について、図1−図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による建具は、すべり出し窓1であり、屋外11(図2参照)と屋内12(図2参照)とを仕切る壁部13に形成された開口部14に設けられた枠体2と、枠体2の内部に設けられた障子3と、を有している。本実施形態によるすべり出し窓1は、障子3が上下方向に延びる回動軸25回りに回動するとなっている。
以下では、屋外11と屋内12とを結ぶ水平方向(図1の紙面に直交する方向)を屋内外方向とし、屋内外方向に直交する水平方向(壁部13に沿った水平方向、図1の左右方向)を左右方向とする。図1は、すべり出し窓1を屋内12側から見た正面図である。
また、障子3が開口部14を開放している状態を開放状態とし、障子3が開口部14を閉塞している状態と閉塞状態とする。障子3の説明では、障子3が閉塞状態であるものとする。
枠体2は、開口部14の上縁部に沿って左右方向に延びる上枠21と、開口部14の下縁部に沿って左右方向に延びる下枠22と、開口部14の左右方向の一方側の縁部に沿って上下方向に延び、上枠21および下枠22の左右方向の一方側の端部と連結される第1縦枠23と、開口部14の左右方向の他方側の縁部に沿って上下方向に延び、上枠21および下枠22の左右方向の他方側の端部と連結される第2縦枠24とを有している。
上枠21、下枠22、第1縦枠23および第2縦枠24は、四方枠を構成している。
上枠21および下枠22には、すべり出し窓1の障子3を左右方向に移動可能かつ上下方向に延びる回動軸25回りに回動可能に支持するリンク機構(不図示)が設けられている。リンク機構は、すべり出し窓1を開閉させる公知の構造となっている。
障子3は、四方枠状に形成された框35と、框35の内側にはめ込まれた板面が長方形状のガラス36と、を有している。
框35は、ガラス36の上縁部に沿って左右方向に延びる上框31と、ガラス36の下縁部に沿って左右方向に延びる下框32と、ガラス36の左右方向の一方側の縁部に沿って上下方向に延び上框31および下框32の左右方向の一方側の端部と連結される戸先框33と、ガラス36の左右方向の他方側の縁部に沿って上下方向に延び上框31および下框32の左右方向の他方側の端部と連結される吊元框34と、を有している。
障子3は、閉塞状態となると、上框31が上枠21と対向し、下框32が下枠22と対向し、戸先框33が第1縦枠23と対向し、吊元框34が第2縦枠24と対向する。
吊元框34は、すべり出し窓1の回動軸25が設けられ、上端部および下端部がリンク機構に連結されている。すべり出し窓1は、障子3がリンク機構にガイドされて回動軸25よりも戸先框33側が屋外11側に移動することで開口部14を開閉するように構成されている。吊元框34は、障子3が閉鎖状態となると第2縦枠24と対向する。
戸先框33は、屋内12側にレバーハンドル331が設けられている。レバーハンドル331は、障子3の開閉時に使用者が把持可能であるとともに、すべり出し窓1の施錠機構(不図示)の施錠状態と解錠状態とを切り替えるように構成されている。戸先框33は、障子3が閉鎖状態となると第1縦枠23と対向する。
上枠21は、屋外11側を向く鉛直面となる上枠屋外側面21aを有している。上框31は、屋内12側を向く鉛直面となり、上枠屋外側面21aと対向する上框屋内側面31aを有している。
上枠屋外側面21aには、左右方向全体にわたって上枠気密材41が設けられている。上枠気密材41は、障子3が閉鎖状態となると、上框屋内側面31aと当接し、上枠21と上框31との隙間を塞ぐように構成されている。
図2に示すように、下枠22は、屋外11側を向く鉛直面となる下枠屋外側面22aを有している。下框32は、屋内12側を向く鉛直面となり、下枠屋外側面22aと対向する下框屋内側面32aを有している。
下枠屋外側面22aには、左右方向全体にわたって下枠気密材42が設けられている。下枠気密材42は、障子3が閉鎖状態となると、下框屋内側面32aと当接し、下枠22と下框32との隙間を塞ぐように構成されている。
図3に示すように、第1縦枠23は、屋外11側を向く鉛直面となる第1縦枠屋外側面23aを有している。戸先框33は、屋内12側を向く鉛直面となり、第1縦枠屋外側面23aと対向する戸先框屋内側面33aを有している。
第1縦枠屋外側面23aには、左右方向全体にわたって第1縦枠気密材43が設けられている。第1縦枠気密材43は、障子3が閉鎖状態となると、戸先框屋内側面33aと当接し、第1縦枠23と戸先框33との隙間を塞ぐように構成されている。
図3では、ガラス36および下框32のガラス押えなどを省略している。
図1に示すように、第2縦枠24は、屋外11側を向く鉛直面となる第2縦枠屋外側面24aを有している。吊元框34は、屋内12側を向く鉛直面となり、第2縦枠屋外側面24aと対向する吊元框屋内側面34aを有している。
第1縦枠屋外側面23aには、左右方向全体にわたって第2縦枠気密材44が設けられている。第2縦枠気密材44は、障子3が閉鎖状態となると、吊元框屋内側面34aと当接し、第2縦枠24と吊元框34との隙間を塞ぐように構成されている。
上枠気密材41の左右方向の一方側の端部は、第1縦枠気密材43の上端部と当接し隙間なく接続している。上枠気密材41の左右方向の他方側の端部は、第2縦枠気密材44の上端部と当接し隙間なく接続している。
下枠気密材42の左右方向の一方側の端部は、第1縦枠気密材43の下端部と当接し隙間なく接続している。下枠気密材42の左右方向の他方側の端部は、第2縦枠気密材44の下端部と当接し隙間なく接続している。
上枠気密材41、下枠気密材42、第2縦枠気密材44、第1縦枠気密材43は、開口部14の全周を囲み、長方形を描くように枠状の気密材4を構成している。
以下では、下枠気密材42の左右方向の一方側の端部と第1縦枠気密材43の下端部との接続部分を、気密材4の下側戸先接続部分45とする。図2では、気密材4の下側戸先接続部分45では、図2の断面図の切断面よりも手前側に位置している。図3では、気密材4の下側戸先接続部分45では、図3の断面図の切断面よりも奥側に位置している。
下枠22は、左右方向(長さ方向)全体にわたってほぼ同じ断面形状に形成されている。
図2に示すように、下枠22は、下側に設けられ板面が略上下方向を向く下枠下板部221と、下枠下板部221の屋内12側の端部から上側に延びる第1下枠屋内側板部222と、第1下枠屋内側板部222の上端部から屋内12側に延びる下枠上板部223と、下枠上板部223の屋内12側の端部から下側に延びる第2下枠屋内側板部224と、第1下枠屋内側板部222の上下方向の中間部から屋内12側に延びて第2下枠屋内側板部224の上下方向の中間部と接続される下枠中板部225と、下枠下板部221の屋外11側の端部から下側に延びる下枠屋外側板部226と、を有している。
下枠下板部221には、屋内外方向の中間部に、上側に突出する突出板部227が突設されている。突出板部227は、下枠下板部221から上側に延びる第1片227aと、第1片227aの上端部から屋内12側に延びる第2片227bとを有し、断面形状がL字形状に形成されている。
第1下枠屋内側板部222は、屋外11側の面222aの上端部近傍に下枠気密材42を係止する下枠気密材係止部228が設けられている。第1屋内12側板部の屋外11側の面222aは、上述した下枠屋外側面22aに相当している。
下框32は、左右方向(長さ方向)全体にわたってほぼ同じ断面形状に形成されている。下枠22は下側に設けられて板面が上下方向を向く下框下板部321と、下框下板部321の屋内12側の端部から上側に延びる第1下框屋内側板部322と、下框下板部321の屋内12側の端部から下側に延びる第2下框屋内側板部323と、第1下框屋内側板部322の上端部から屋外11側にのびる下框上板部324と、下框下板部321の屋外11側の端部から上側に延びる第1下框屋外側板部325と、下框下板部321の屋外11側の端部から下側に延びる第2下框屋外側板部326と、第1下框屋内側板部322の上下方向の中間部から屋外11側に延びて第1下框屋外側板部325の上下方向の中間部と接続される下框中板部327と、を有している。
第2下框屋内側板部323の屋内12側の面323aは、障子3が開口部14を閉鎖した際に下枠気密材42と当接するように構成されている。第2下框屋内側板部323の屋内12側の面323aは、上述した下框屋内側面32aに相当している。
図1−図3に示すように、下框32の左右方向一方側(戸先框33と接続される側)の端部近傍には、水切り部材5が取り付けられている。水切り部材5は、下框下板部321の下側に取り付けられ、下框下板部321よりも下側に突出している。
図2−図4に示すように、水切り部材5は、平板状に形成され板面が水平面となる向きで下框下板部321(図2および図3参照)に固定される固定部51と、平板状に形成され板面が屋内外方向を向く鉛直面となる向きで固定部51の屋外11側の縁部から下側に突出する水切り本体52と、を有している。
固定部51は、板面が長尺の長方形状に形成され、左右方向に長くなる向きに配置されている。固定部51には、板面を貫通するが左右方向に間隔をあけて2つ形成されている。孔部511は、固定部51を下框下板部321に固定するネジなどの固定具53(図2参照)が挿通される。
水切り本体52は、板面が長尺の長方形状に形成され、左右方向に長くなる向きに配置されている。水切り本体52は、固定部51よりも左右方向に長く形成されている。
固定部51と水切り本体52とは、それぞれの左右方向の他方側の端部51a,52aが左右方向に同じ位置となるように配置され、固定部51の屋外11側の縁部51bと水切り本体52の上縁部52bとが接続されている。水切り本体52は、固定部51よりも左右方向の一方側に突出している。
図3に示すように、水切り部材5は、固定部51が下框32の左右方向の中間部に固定され、水切り本体52の左右方向の一方側の端部52cが下框32の左右方向の一方側の端部の下側に位置し、戸先框33側に突出しないように配置されている。
図2に示すように、水切り本体52は、下框32の下框下板部321の屋内外方向の中間部の下側に位置し、下枠22の突出板部227の第1片227aの鉛直方向上側に隙間をあけて配置されている。水切り本体52の下端部52dは、第2下框屋外側板部326の下端部326aよりも上側に配置されている。
水切り本体52(水切り部材5)の左右方向の寸法は、すべり出し窓1の左右方向の寸法の10〜20%の値に設定することが好ましい。例えば、すべり出し窓1の左右方向の寸法が1000mmの場合は、水切り本体52の左右方向の寸法を100〜200mmとし、すべり出し窓1の左右方向の寸法が500mmの場合は、水切り本体52の左右方向の寸法を50〜100mmとする。
図1および図3に示すように、水切り本体52は、左右方向の一方側の端部52c(戸先框33側の端部)が気密材4の下側戸先接続部分45よりも左右方向の一方側に配置され、左右方向の他方側の端部52a(固定部51側の端部)が、気密材4の下側戸先接続部分45よりも左右方向の他方側に配置される。図1および図2に示すように、水切り本体52は、下端部52dが気密材4の下側戸先接続部分45よりも下側に配置されている。
本実施形態では、下枠気密材42と吊元側の第2縦枠気密材44との接続部分近傍の屋外11側には、回動軸25の部品が設けられている。
次に、上述した本実施形態によるすべり出し窓(建具)の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態によるすべり出し窓1は、下框32には、下枠22側に突出し、気密材4の下側戸先接続部分45よりも屋外11側となる位置に配置され、水切り本体52の下端部52dが気密材4の下側戸先接続部分45よりも下側となる位置に配置される水切り部材5が設けられていることにより、下枠22と下框32との間における戸先框側(左右方向の一方側)に屋外11から水が入り込むことを抑制することができる。
気密材4の下側戸先接続部分45に隙間が生じた状態で、暴風雨が生じて屋外11の気圧が屋内12の気圧よりも高くなると、下側戸先接続部分45の隙間から下枠22と下框32との間に入り込んだ水が屋内12に水が入り込むことがある。本実施形態では、下枠22と下框32との間に水が入り込むことを抑制することができるため、気密材4の下側戸先接続部分45に隙間が生じた場合でも、この隙間から屋内12に水が入り込むことを抑制することができる。
なお、下枠気密材42と吊元側の第2縦枠気密材44との接続部分近傍の屋外11側には、回動軸25の部品が設けられているため、この部品によって下枠22と下框32との間における吊元框34側に屋外11から水が入り込むことを抑制できる。このため、下枠気密材42と第2縦枠気密材44との接続部分に隙間が生じた状態で、暴風雨が生じて屋外11の気圧が屋内12の気圧よりも高くなっても、この隙間から屋内12に水が入り込むことを抑制することができる。
以上、本発明によるすべり出し窓(建具)の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、すべり出し窓1は、縦すべり出し窓であるが、横すべり出し窓であってもよい。このような場合は、一対の縦枠のうちの一方の縦枠に設けられた気密材4と下枠22に設けられた気密材4との接続部分の屋外11側となる位置、および他方の縦枠に設けられた気密材4と下枠22に設けられた気密材4との接続部分の屋外11側となる位置の両方に水切り部材5が設けられていることが好ましい。
なお、一対の縦枠のうちの一方の縦枠に設けられた気密材4と下枠22に設けられた気密材4との接続部分の屋外11側となる位置に設けられる水切り部材5と、他方の縦枠に設けられる気密材4と下枠22に設けられた気密材4との接続部分の屋外11側となる位置に設けられる水切り部材5とは、一体に設けられていてもよいし、別体で設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、水切り部材5は、気密材4の下側戸先接続部分45の屋外11側となる位置のみに設けられ、下枠気密材42と吊元側の第2縦枠気密材44との接続部分の屋外11側には、この接続部分をカバーするように回動軸25の部品が設けられている。これに対し、下枠気密材42と第2縦枠気密材44との接続部分の屋外11側に回動軸25の部品が設けられていない場合は、下枠気密材42と第2縦枠気密材44との接続部分の屋外11側となる位置に水切り部材5が設けられていてもよい。
この場合も、気密材4の下側戸先接続部分45の屋外11側となる位置に設けられる水切り部材5と、下枠気密材42と第2縦枠気密材44との接続部分の屋外11側となる位置に設けられる水切り部材5とは、一体に設けられていてもよいし、別体で設けられていてもよい。
水切り部材5が設けられる位置は、下枠気密材42と第1縦枠気密材43または第2縦枠気密材44との接続部分よりも屋外11側となる位置に配置され、少なくとも下端部が接続部分よりも下側となる位置に配置されていれば、下框32に対する左右方向の位置は適宜設定されてよい。また、水切り部材5の左右方向の先端部が下框32の左右方向の一方側および他方側に突出し、戸先框33や吊元框34の下側に位置するように設けられていてもよい。
また、水切り部材5の下框32への固定方法は上記以外であってもよく、固定部51の形態も上記以外であってもよい。
また、上記の実施形態では、すべり出し窓1の回動軸25が吊元框34に設けられているが、吊元框34よりも戸先框33に向かった位置に設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、水切り部材5が設けられる建具はすべり出し窓1であるが、障子が枠体に支持された回動軸回りに回動して開口部を開閉する建具であれば、開き窓や開き戸などであってもよい。
1 すべり出し窓(建具)
2 枠体
3 障子
4 気密材
5 水切り部材
14 開口部
21 上枠
22 下枠
23 第1縦枠(縦枠、戸先框側の縦枠)
24 第2縦枠(縦枠)
25 回動軸
31 上框
32 下框
33 戸先框(縦框)
34 吊元框(縦框)
35 框
42 下枠気密材(気密材)
43 第1縦枠気密材(気密材)
44 第2縦枠気密材(気密材)
45 下側戸先接続部分(接続部分)

Claims (2)

  1. 開口部に沿って設けられた枠体と、
    前記枠体に支持された回動軸回りに回動して前記開口部を開閉する障子と、
    前記枠体に前記開口部の全周を囲むように取り付けられ、前記枠体と前記障子の框と隙間を閉塞する気密材と、を有する建具において、
    前記枠体は、前記開口部の上縁部に沿って設けられる上枠と、前記開口部の下縁部に沿って設けられる下枠と、上枠の端部および下枠の端部と連結され前記開口部の側縁部に沿って設けられる一対の縦枠と、を有し、
    前記框は、前記障子の上縁部に沿って設けられる上框と、前記障子の下縁部に沿って設けられる下框と、上框の端部および下框の端部と連結され前記障子の側縁部に沿って設けられる一対の縦框と、を有し、
    前記下框には、前記枠体側に突出し、前記縦枠に設けられた前記気密材と前記下枠に設けられた前記気密材との接続部分よりも屋外側となる位置に配置され、少なくとも下端部が前記接続部分よりも下側となる位置に配置される水切り部材が設けられていることを特徴とする建具。
  2. 前記障子は、前記回動軸が上下方向に延び、前記回動軸よりも一対の縦框のうちの一方の戸先框が設けられている側が屋外側に移動して前記開口部を開閉するように構成され、
    前記水切り部材は、前記縦枠に設けられた前記気密材と前記下枠に設けられた前記気密材との接続部分のうちの少なくとも前記戸先框側の前記縦枠に設けられた前記気密材と前記下枠に設けられた前記気密材との接続部分近傍の屋外側となる位置に設けられている請求項1に記載の建具。
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