JP2020121965A - 2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物及びその製造方法 - Google Patents

2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保存時の着色を抑制する。【解決手段】実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物は、ICP発光分光分析によるリン元素の含有量が0.1〜150質量ppmである。一実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の製造方法は、リン含有化合物を含む2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液から2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物を析出させる工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物及びその製造方法に関する。
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物は、光学レンズや光学フィルムに代表される光学材料の原料(例えばモノマー)として用いられている。例えば、特許文献1,2には、晶析により当該化合物の粉体を得ることが記載されている。
特開2014−227387号公報 特開2015−187098号公報
しかしながら、従来の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物は、例えば保管時や輸送時など、高温になったときに着色しやすいという問題がある。かかる原料の着色は、その後の反応生成物であるポリマーなどの着色原因になる。そのため、耐熱性を向上すること、すなわち高温での保存時における着色を抑制することが求められる。
本発明の実施形態は、保存時の着色を抑制することができる2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物は、ICP発光分光分析によるリン元素の含有量が0.1〜150質量ppmであるものである。
一実施形態に係る製造方法は、該2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物を製造する方法であって、リン含有化合物を含む2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液から2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物を析出させる工程を含む。
本発明の実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物であると、保存時の着色を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物は、ICP発光分光分析によるリン元素の含有量が0.1〜150質量ppmであることを特徴とする。このように微量のリン元素を含有することにより、保存時の耐熱性に優れ、すなわち保管時や輸送時に高温になったときでも着色が抑えられる。そのため、当該化合物を例えば光学材料の原料として用いたときに、反応生成物(ポリマーなど)の着色を抑えることができる。
ここで、ICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析は、試料にアルゴンプラズマのエネルギーを外部から与えることにより試料に含まれる成分元素(原子)を励起し、励起された原子が低いエネルギー準位に戻るときに放出される発光線(スペクトル線)を測定する方法であり、発光線の位置(波長)から成分元素の種類を判定し、その強度から各元素の含有量を求めることができる。
上記リン元素の含有量は、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の全量に対するリン元素の質量比率であり、本実施形態では0.1質量ppm以上150質量ppm以下である。リン元素の含有量は、1質量ppm以上であることが好ましく、より好ましくは5質量ppm以上であり、10質量ppm以上でもよい。また、リン元素の含有量は、130質量ppm以下であることが好ましく、100質量ppm以下でもよい。
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物中におけるリン元素の含有形態は特に限定されず、リン単体として含有してもよく、リン含有化合物として含有してもよい。リン含有化合物としては、例えば、リン酸、リン酸塩などの各種リン化合物が挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、リン酸塩としては、例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウムなどのリン酸ナトリウムなどのリン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
一実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物は、後述する晶析により得られる2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン結晶、即ち晶析物であって、その晶析物中にリン含有化合物を含んでおり、そのため、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンとリン含有化合物とを含む結晶複合体と称することができる。また、該晶析物は粉体であることから、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン粉体と称することもできる。
なお、リン元素は、晶析された段階で当該晶析物中に含まれていることが好ましいが、晶析後の洗浄、乾燥等の工程において添加又は混入されてもよい。
本実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物は、ラセミ体であることが好ましいが、いずれか一方の光学異性体が多く含まれてもよい。
本実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の純度(即ち、当該化合物の全量に対する目的物である2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの含有率であり、後述するGC測定により求められるピーク面積比。)は、特に限定されないが、90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上である。
本実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の製造方法は、特に限定されないが、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを含む溶液(以下、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液という。)を調製し、該溶液から2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン結晶を析出させることにより製造することが好ましい。
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液に用いる有機溶媒としては、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを溶解し得るものを用いることができ、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒などが挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、芳香族炭化水素溶媒が好ましく、より好ましくはトルエン及び/又はキシレンである。
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液の調製方法としては、例えば、1,1’−ビ−2−ナフトールとエチレンカーボネートとを反応させる方法、1,1’−ビ−2−ナフトールにエチレンオキシドを付加する方法、などが挙げられる。
目的とする2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは、1モルの1,1’−ビ−2−ナフトールに2モルのエチレンカーボネート又はエチレンオキシドが反応した化合物であるが、この他に副反応物として、1モルの1,1’−ビ−2−ナフトールに1モルのエチレンカーボネート又はエチレンオキシドが反応した化合物(1モル付加体)、1モルの1,1’−ビ−2−ナフトールに3モルのエチレンカーボネート又はエチレンオキシドが反応した化合物(3モル付加体)、1モルの1,1’−ビ−2−ナフトールに4モル以上のエチレンカーボネート又はエチレンオキシドが反応した化合物(4モル以上付加体)、目的物が炭酸エステル結合で2モル以上重合した化合物(重合体)などが生成することがある。そのため、本実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物には、これらの副反応物が含まれてもよい。
1,1’−ビ−2−ナフトールとエチレンカーボネートとを反応させる方法としては、例えば、1,1’−ビ−2−ナフトール、エチレンカーボネート、反応触媒、及び有機溶媒を混合し、反応温度70〜130℃で1〜30時間反応させる方法が挙げられる。エチレンカーボネートの使用量は、収率を高める観点から、1,1’−ビ−2−ナフトール1モルに対して1.8〜10モルであることが好ましく、2〜5モルであることがより好ましく、2.1〜3モルであることが更に好ましい。
1,1’−ビ−2−ナフトールにエチレンオキシドを付加する方法としては、例えば、1,1’−ビ−2−ナフトールを有機溶媒に溶解し、反応触媒の存在下、反応温度60〜150℃で、反応容器の内圧が0.01〜1MPaとなるようにエチレンオキシドを導入する方法が挙げられる。エチレンオキシドの使用量は、収率を高める観点から、1,1’−ビ−2−ナフトール1モルに対して1.8〜10モルであることが好ましく、2〜5モルであることがより好ましく、2.1〜3モルであることが更に好ましい。
これらの方法において、反応触媒としては、アルカリ触媒が好ましく、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどをいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、有機溶媒としては、上述した2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液に用いられるものが挙げられる。
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの合成後、反応溶液に有機溶媒を加えて、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液を調製してもよい。また、得られた反応溶液をアルカリで洗浄し、中性になるまで水洗してもよい。
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液から2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン結晶を析出させる方法としては、その溶解度を低下させる方法として、例えば、冷却、溶解度の低い溶媒の添加、などが挙げられる。好ましくは冷却する方法である。なお、結晶を析出させる際には、種結晶を加えてもよい。
この結晶を析出させる晶析工程において、リン含有化合物を含む2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液を用いて、当該溶液から2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン結晶を析出させてもよい。このようにリン含有化合物の存在下で析出させることにより、リン元素を含有する2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン晶析物を得ることができる。
なお、リン含有化合物を含む溶液は、上述の方法により調製した2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液に対して、リン含有化合物を別途添加することにより調製してもよく、あるいはまた、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液の調製時(反応時、洗浄時、水洗時など)に使用した各原料等にリン含有化合物が例えば不純物等として含まれることにより、当該溶液中にリン含有化合物が混入したものでもよい。
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液中のリン含有化合物の量は、特に限定されず、例えば、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物100質量部に対してリン含有化合物を0.001〜5質量部含有してもよく、0.01〜2質量部含有してもよく、0.05〜1.5質量部含有してもよい。
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液における2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の濃度は特に限定されず、例えば、5〜50質量%でもよく、10〜40質量%でもよい。
冷却による結晶化方法としては、例えば、70〜130℃の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液を、60℃以下、好ましくは30℃以下に冷却する方法が挙げられる。冷却速度は、特に限定されず、例えば0.1〜10℃/分としてもよく、0.2〜1.0℃/分でもよい。
析出した2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン結晶は、遠心分離、ろ過などにより取り出すことができる。取り出した結晶は、洗浄、乾燥等を行うことができる。これにより、実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の粉体を得ることができる。
本実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の50%体積粒子径(D50)は、特に限定されず、例えば30〜150μmでもよく、50〜100μmでもよい。
以下、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例及び比較例における各種測定は以下の方法で実施した。
[収率]
出発原料として使用した(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトールから算出した理論収量を100質量%とした場合における、収量の割合(質量%)を算出した。
[純度]
得られた結晶の0.2質量%トルエン溶液を調製し、下記条件によるガスクロマトグラフィー(GC)測定を行い、目的物である(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンと、副反応物とのピーク面積の合計を100とした場合における、(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンのピーク面積の割合を純度(%)として算出した。ここで、(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンのピークは保持時間24.6分付近に検出される。
(GC測定条件)
・測定装置:Agilent Technologies 7820A(Agilent Technologies社製)
・カラム:DB-1 125-1011(島津ジーエルシー社製)
・注入量:1μL
・注入法:スプリット法(スプリット比1:10)
・注入口温度:300℃
・昇温条件:初期温度40℃5分保持、10℃/分の速度で昇温、最終300℃で5分保持
・キャリアガス:ヘリウム(5.8mL/分)
・検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)
[リン元素含有量]
試料中のリン元素含量は、アジレントテクノロジー社製のICP発光分光分析装置(Agilent5100)を用いて測定した。試料は硫酸を用いて灰化処理を行った後、融剤として炭酸ナトリウムを用いてアルカリ融解したものを検液とし、濃度既知の標準試料を用いて作成した検量線から定量を行った。
[D50]
レーザー回折散乱法による体積基準の乾式粒度分布測定により頻度分布(ヒストグラム)を得て、該頻度分布から、50%体積粒子径(D50)を求めた。測定条件は以下のとおりである。
・測定装置:マイクロトラックMT3000II(マイクロトラック・ベル社製)
・測定範囲:0.243〜2000μm
・光源:半導体レーザー780nm×3本
・分散溶媒:空気(屈折率1.00)
・粒子屈折率:1.81
・測定チャンネル数:104
[耐熱性:耐熱試験]
得られた結晶10gをそれぞれ80℃、100℃の恒温器へ入れ、1週間経過後(耐熱試験後)の結晶についてYI値(黄変度)の測定を行った。耐熱試験前の結晶についてもYI値を測定した。YI値の測定は10w/w%のメタノール溶液を用いて、JIS K2580に準じて測定した。
・測定装置:OME−2000(日本電色工業社製)
・セル:ガラス製セル
・光路長:33mm
[実施例1]
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール286g(1モル)、エチレンカーボネート194g(2.2モル)、炭酸カリウム15gおよびトルエン450gを仕込み、110℃で10時間反応した。この反応溶液にトルエン540gを加えて希釈した後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液290gを加えて有機溶媒層を洗浄した。続いて、水500gを用いて洗浄後の水が中性になるまで水洗を繰り返した。水洗後、有機溶媒層へリン酸三ナトリウム・12水和物を1.6g加え30分間攪拌を行った。その後、80℃から30℃まで0.5℃/分の速度で冷却し、減圧ろ過(50kPa)および乾燥することにより、(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶317g(収率:84.5質量%、純度:99.6%、D50:58μm)を得た。得られた結晶中のリン元素含有量は47質量ppmであった。
[実施例2]
水洗後に有機溶媒層へ加えるリン酸三ナトリウム・12水和物の量を400mgとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶308g(収率:82.1質量%、純度:99.5%、D50:61μm)を得た。得られた結晶中のリン元素含有量は11質量ppmであった。
[実施例3]
水洗後に有機溶媒層へ加えるリン酸三ナトリウム・12水和物の量を5gとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶305g(収率:81.3質量%、純度:99.3%、D50:54μm)を得た。得られた結晶中のリン元素含有量は122質量ppmであった。
[実施例4]
水洗後、有機溶媒層へリン酸三ナトリウム・12水和物の代わりに85%リン酸水溶液500mgを添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶309g(収率:82.4質量%、純度:99.4%、D50:57μm)を得た。得られた結晶中のリン元素含有量は54質量ppmであった。
[比較例1]
水洗後の有機溶媒層へリン酸三ナトリウム・12水和物を加えなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶311g(収率:82.9質量%、純度:99.6%、D50:52μm)を得た。得られた結晶中のリン元素含有量は0質量ppmであった。
[比較例2]
水洗後に有機溶媒層へ加えるリン酸三ナトリウム・12水和物の量を10gとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶303g(収率:80.8質量%、純度:99.3%、D50:54μm)を得た。得られた結晶中のリン元素含有量は270質量ppmであった。
得られた(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の結晶を用いて、耐熱性の評価試験を行った。結果を下記表1に示す。
Figure 2020121965
表1に示すように、リンを含まない比較例1及びリン含有量が多すぎる比較例2では、耐熱試験後のYI値が大きく、黄変していた。これに対し、実施例1〜4であると、結晶中に微量のリンが含まれることにより耐熱試験後のYI値の変化が小さく、黄変が抑えられており、保存時の耐熱性に優れていた。
本発明の実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物は、例えば光学材料用樹脂の原料として好適に用いることができる。
本発明の実施形態に係る2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン粉体は、リン酸およびリン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含み、ICP発光分光分析によるリン元素の含有量が0.1〜150質量ppmであるものである。
一実施形態に係る製造方法は、ICP発光分光分析によるリン元素の含有量が0.1〜150質量ppmである2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン粉体を製造する方法であって、リン酸およびリン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液から2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを析出させる工程を含む。

Claims (2)

  1. ICP発光分光分析によるリン元素の含有量が0.1〜150質量ppmである、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物。
  2. 請求項1に記載の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物を製造する方法であって、リン含有化合物を含む2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン溶液から2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物を析出させる工程を含む、製造方法。
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