JP2020119999A - 電気光学装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素に入射した光によるトランジスターの光リーク電流の発生を確実に低減可能な電気光学装置を提供すること。【解決手段】電気光学装置は、チャネル領域30cと、ソースドレイン領域としてのソース領域30s及びドレイン領域30dとを含む半導体層30aを有するトランジスターと、ソース領域30sに電気的に接続された遮光性を有するソース電極31と、ドレイン領域30dに電気的に接続された遮光性を有するドレイン電極32とを備え、ソース領域30sは、チャネル領域30c側の第1領域30s1と、チャネル領域30c側とは反対側に第1領域30s1の線幅L1よりも線幅L2が狭い第2領域30s2とを有し、ソース電極31は、ソース領域30sの第2領域30s2を覆うように設けられている。ドレイン電極32もまた、ソース電極31と同様であって、ドレイン領域30dの線幅L2の第2領域30d2を覆うように設けられている。【選択図】図7
Description
本発明は、電気光学装置、及び電気光学装置を備えた電子機器に関する。
電気光学装置として、例えば、投射型表示装置であるプロジェクターの光変調手段として用いられるアクティブ駆動型の液晶装置が知られている。アクティブ駆動型の液晶装置は、画素ごとに、画素電極と、画素電極をスイッチング制御するトランジスターとを有している。
光変調手段として用いられる液晶装置は、光源から強い光が入射するため、直視型の液晶装置に比べて、画素に入射した光によってトランジスターに光リーク電流が流れて動作が不安定となるおそれがあるため、トランジスターに対して入射する光を遮光する遮光構造が採用されている。
このような遮光構造として、例えば、特許文献1には、基板上において、トランジスターの少なくともチャネル領域の周辺に1つ以上の第1の穴を設け、該第1の穴内に蓄積容量を延設して埋め込んだ遮光性を有する穴内蓄積容量部が設けられたアクティブマトリクス基板が開示されている。特許文献1によれば、トランジスターのチャネル領域に入射する光を穴内蓄積容量部で遮光できるとしている。
また、例えば、特許文献2には、チャネル領域と、データ線側ソースドレイン領域と、画素電極側ソースドレイン領域と、チャネル領域とデータ線側ソースドレイン領域の間に形成された第1の接合領域と、チャネル領域と画素電極側ソースドレイン領域との間に形成された第2の接合領域とを有する半導体層を含むトランジスターと、半導体層よりも上層側に配置され、基板上で平面的に見て第1及び第2の接合領域の少なくとも一方に沿った長手状の溝が掘られた絶縁膜と、絶縁膜上に設けられ、基板上で平面的に見て半導体層に少なくとも部分的に重なると共に、上記溝内の少なくとも一部に形成された溝内部分を有する導電性遮光膜を含んでなる蓄積容量とを備えた電気光学装置用基板が開示されている。特許文献2によれば、トランジスターの上層側から入射する光を蓄積容量で遮光できるだけでなく、半導体層における第1及び第2の接合領域の少なくとも一方に対して斜めに入射する光を蓄積容量の溝内部分によって遮光できるとしている。
また、例えば、特許文献3には、薄膜トランジスターの半導体層の少なくとも一方の端部を遮光する遮光膜を備えた電気光学装置が開示されている。該遮光膜は、半導体層の第1ソースドレイン領域及び第2ソースドレイン領域のうち少なくとも一方の端部とその側面とに接する電極である例が示されている。特許文献3によれば、半導体層の端部から入射する光によって生ずる薄膜トランジスターの光リーク電流の発生を防ぐことができるとしている。
光変調手段として用いられる液晶装置では、光源から画素に入射する光の強度が強いほど、直接または間接的にトランジスターの半導体層に向って入射する光の強度も増してくる。それゆえに、トランジスターの光リーク電流の発生を防止あるいは低減する観点から、上記特許文献1や特許文献2に示された遮光構造に加えて、上記特許文献3に示された半導体層の端部に入射する光を遮光する遮光構造を採用することが好ましいと考えられる。しかしながら、上記特許文献3に示された薄膜トランジスターの構成によれば、半導体層の端部と配線との電気的な接続を図るため、半導体層におけるチャネル領域の線幅に対して半導体層の端部の線幅を大きくしている。したがって、半導体層の端部に対して様々な方向から光が入射し易い半導体層の構成になっていることから、上記特許文献3の遮光構造を採用したとしても、十分な遮光効果が得られないおそれがあるという課題があった。
本願の電気光学装置は、チャネル領域と、ソースドレイン領域とを含む半導体層を有するトランジスターと、ソースドレイン領域に電気的に接続された遮光性を有するソースドレイン電極と、を備え、ソースドレイン領域は、チャネル領域側の第1領域と、チャネル領域側とは反対側に第1領域よりも線幅が狭い第2領域とを有し、ソースドレイン電極は、ソースドレイン領域の第2領域を覆うように設けられていることを特徴とする。
上記に記載の電気光学装置において、第2領域は、第1領域から第2領域の端部に行くほど連続的に線幅が狭くなっており、ソースドレイン電極は、第2領域の上面及び側面と接していることが好ましい。
上記に記載の電気光学装置において、基板と、基板と半導体層との間に層間絶縁層とを有し、層間絶縁層には、平面視でソースドレイン領域の第2領域に沿って溝が設けられ、ソースドレイン電極の一部は溝の内側に設けられていることが好ましい。
上記に記載の電気光学装置において、溝は、層間絶縁層を貫通し、基板の層間絶縁層側に設けられていることが好ましい。
上記に記載の電気光学装置において、半導体層は、チャネル領域とソースドレイン領域との間に設けられた低濃度不純物領域を有し、ソースドレイン電極は、低濃度不純物領域から離間して設けられていることが好ましい。
上記に記載の電気光学装置において、半導体層は、ポリシリコンからなり、ソースドレイン電極は、ソースドレイン領域の第2領域と接するバリア層と、バリア層に接する導電層とを含み、バリア層は、導電層よりもシリコンと反応し難い導電部材を含むことが好ましい。
上記に記載の電気光学装置において、バリア層はチタンを含む第1層と窒化チタンを含む第2層とを有し、導電層はタングステンを含み、バリア層の第1層がソースドレイン領域の第2領域と接し、バリア層の第1層と導電層との間にバリア層の第2層が設けられていることが好ましい。
本願の電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、説明する部分が認識可能な程度の大きさとなるように、適宜拡大または縮小して表示している。
1.第1実施形態
1−1.電気光学装置の基本的な構成
本実施形態の電気光学装置として、アクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げ、その基本的な構成について図1及び図2を参照して説明する。本実施形態の電気光学装置としてのアクティブ駆動型の液晶装置は、後述する投射型表示装置の光変調手段として用いられるマイクロディスプレイである。
1−1.電気光学装置の基本的な構成
本実施形態の電気光学装置として、アクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げ、その基本的な構成について図1及び図2を参照して説明する。本実施形態の電気光学装置としてのアクティブ駆動型の液晶装置は、後述する投射型表示装置の光変調手段として用いられるマイクロディスプレイである。
図1は第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図、図2は図1のH−H’線に沿った液晶装置の構造を示す概略断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置100は、対向配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを備えた液晶パネル110を有する。素子基板10の基材10s及び対向基板20の基材20sは、それぞれ透明な例えば石英基板やガラス基板が用いられている。素子基板10の基材10sは、本発明における基板の一例である。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板は、対向基板20の外縁に沿って配置されたシール部40を介して間隔を置いて貼り合わされている。額縁状に配置されたシール部40の内側に液晶が注入され液晶層50が構成されている。なお、上記間隔に液晶を注入する方法は、例えば、額縁状に配置されたシール部40の内側に液晶を滴下して、減圧下で素子基板10と対向基板20とを貼り合わせるODF(One Drop Fill)法が挙げられる。
シール部40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤を用いることができる。本実施形態では、紫外線硬化型のエポキシ樹脂が採用されている。シール部40には、一対の基板の上記間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール部40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤を用いることができる。本実施形態では、紫外線硬化型のエポキシ樹脂が採用されている。シール部40には、一対の基板の上記間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール部40の内側には、マトリックス状に配列した複数の画素Pを含む表示領域E1が設けられている。また、シール部40と表示領域E1との間に表示領域E1を取り囲んで遮光性の見切り部21が設けられている。見切り部21は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなる。なお、表示領域E1は表示に寄与する有効な画素P以外に、複数のダミー画素を含んでいてもよい。
対向基板20からはみ出した素子基板10の第1の辺部に沿って複数の外部接続用端子104が配列した端子部が設けられている。上記第1の辺部とシール部40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、上記第1の辺部に対向する第2の辺部に沿ったシール部40と表示領域E1との間に検査回路103が設けられている。さらに、上記第1の辺部と直交し互いに対向する第3及び第4の辺部に沿ったシール部40と表示領域E1との間に走査線駆動回路102が設けられている。上記第2の辺部のシール部40と検査回路103との間に、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線(図示省略)が設けられている。
これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線(図示省略)は、上記第1の辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子104に接続されている。なお、検査回路103の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路101と表示領域E1との間のシール部40の内側に沿った位置に設けてもよい。
以降、上記第1の辺部に沿った方向を+X方向とし、上記第3の辺部に沿った方向を+Y方向として説明する。また、+X方向及び+Y方向と直交し、素子基板10側から対向基板20側に向かう方向を+Z方向とする。また、+Z方向に対して反対方向に対向基板20から素子基板10に向って見ることを「平面視」または「平面的に」と言う。
以降、上記第1の辺部に沿った方向を+X方向とし、上記第3の辺部に沿った方向を+Y方向として説明する。また、+X方向及び+Y方向と直交し、素子基板10側から対向基板20側に向かう方向を+Z方向とする。また、+Z方向に対して反対方向に対向基板20から素子基板10に向って見ることを「平面視」または「平面的に」と言う。
図2に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極15及びスイッチング素子である薄膜トランジスター(以降、TFTと呼称する)30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。素子基板10は、基材10sと、基材10s上に形成された画素電極15、TFT30、信号配線、配向膜18を含むものである。素子基板10の詳しい構成については、後述する。
素子基板10に対向配置される対向基板20は、基材20sと、基材20s上に形成された見切り部21と、これを覆うように成膜された平坦化層22と、平坦化層22を覆い、基材20sのほぼ全面に亘って設けられ共通電極として機能する対向電極23と、対向電極23を覆う配向膜24とを含むものである。
見切り部21は、図1に示すように表示領域E1を取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路102、検査回路103と重なる位置に設けられている。これにより対向基板20側からこれらの回路に入射する光を遮蔽して、これらの回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域E1に入射しないように遮蔽して、表示領域E1の表示における高いコントラストを確保している。なお、本実施形態では紫外線硬化型のエポキシ樹脂を用いてシール部40が形成されているため、見切り部21は平面視でシール部40と重ならないように配置されている。よって、素子基板10と対向基板20との貼り合わせにおける位置精度とシール部40の紫外線硬化性とを考慮して、見切り部21とシール部40との間には、わずかではあるが隙間がある(図1参照)。
平坦化層22は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して見切り部21を覆うように設けられている。このような平坦化層22の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、平坦化層22を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106に電気的に接続されている。上下導通部106は、素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極15を覆う配向膜18及び対向電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜18,24は、例えば、ポリイミドなどの有機材料を成膜して、その表面をラビングすることにより、正の誘電異方性を有する液晶分子に対して略水平配向処理が施された有機配向膜や、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は透過型であって、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最大となるノーマリーホワイトモードや、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最小となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。素子基板10と対向基板20とを含む液晶パネル110の光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
本実施形態では、配向膜18,24として前述した無機配向膜と、負の誘電異方性を有する液晶とを用い、ノーマリーブラックモードの光学設計が適用された例について説明する。また、後述する投射型表示装置の光源から射出される光(照明光)は、液晶パネル110に対して対向基板20側から入射することを前提としている。
本実施形態では、配向膜18,24として前述した無機配向膜と、負の誘電異方性を有する液晶とを用い、ノーマリーブラックモードの光学設計が適用された例について説明する。また、後述する投射型表示装置の光源から射出される光(照明光)は、液晶パネル110に対して対向基板20側から入射することを前提としている。
1−2.液晶装置の電気的な構成
次に、液晶装置100の電気的な構成について図3を参照して説明する。図3は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
次に、液晶装置100の電気的な構成について図3を参照して説明する。図3は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図3に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置100は、少なくとも表示領域E1において互いに絶縁されて直交する信号配線としての複数の走査線3及び複数のデータ線6と、データ線6に沿って平行に配置された容量線7とを有する。走査線3が延在する方向が+X方向であり、データ線6が延在する方向が+Y方向である。なお、容量線7はデータ線6に沿って平行に配置されることに限定されず、走査線3に沿って平行に配置されるとしてもよい。あるいは、+X方向と+Y方向とに延在して容量線7を配置してもよい。
走査線3、データ線6及び容量線7と、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極15と、TFT30と、蓄積容量16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3はTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6はTFT30の一方のソースドレイン領域に電気的に接続されている。画素電極15はTFT30の他方のソースドレイン領域に電気的に接続されている。
データ線6はデータ線駆動回路101(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3は走査線駆動回路102(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを画素Pに供給する。
データ線駆動回路101からデータ線6に供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3に対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6から供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極15と液晶層50を介して対向配置された対向電極23との間で一定期間保持される。画像信号D1〜Dnの周波数は例えば60Hzである。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と対向電極23との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量16が接続されている。蓄積容量16は、TFT30のドレインと容量線7との間に設けられている。
なお、図1に示した検査回路103には、データ線6が接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図3の等価回路では図示を省略している。
本実施形態における画素回路を駆動制御する周辺回路は、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路102の他に、上記画像信号をサンプリングしてデータ線6に供給するサンプリング回路や、データ線6に所定電圧レベルのプリチャージ信号を上記画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むとしてもよい。
1−3.画素の構造
次に、本実施形態の液晶装置100の液晶パネル110における画素Pの構造について図4を参照して説明する。図4は、液晶パネルの画素の構造を示す概略断面図である。
次に、本実施形態の液晶装置100の液晶パネル110における画素Pの構造について図4を参照して説明する。図4は、液晶パネルの画素の構造を示す概略断面図である。
図4に示すように、素子基板10の基材10s上には、まず遮光性を有する走査線3が形成される。走査線3は、例えば、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)などの融点が1000℃を超える高融点金属または高融点金属のシリサイドや、リン(P)をドープすることにより導電性が付与されたポリシリコンなどが用いられる。
走査線3を覆うように第1層間絶縁層11aが形成され、第1層間絶縁層11a上に島状にTFT30の半導体層30aが形成される。本実施形態における第1層間絶縁層11aは、本発明における層間絶縁層の一例であって、具体的には酸化シリコン(SiOx)により構成されている。
半導体層30aは、例えば、多結晶シリコン(ポリシリコンとも言う)からなり、不純物イオンが選択的に注入されて、チャネル領域と、チャネル領域を挟む低濃度不純物領域と、低濃度不純物領域に接する高濃度不純物領域とを有するLDD(Lightly Doped Drain)構造が形成されている。半導体層30aの詳しい構成については、後述する。
基材10s上において、半導体層30aは、遮光性を有する走査線3の上方に設けられているため、基材10s側から半導体層30aに入射する光は走査線3によって遮光される。
半導体層30aを覆うようにゲート絶縁層11bが形成される。さらにゲート絶縁層11bを挟んで半導体層30aのチャネル領域に対向する位置にゲート電極30gが形成される。本実施形態では、走査線3に電気的に接続された配線の一部が、ゲート電極30gとして機能するものである。走査線3とゲート電極30gとの電気的な接続については後述する。
ゲート電極30gとゲート絶縁層11bとを覆うようにして第2層間絶縁層11cが形成される。第2層間絶縁層11cは、例えば酸化シリコンからなる。そして、半導体層30aやゲート電極30gが設けられた領域を覆うことによって生ずる表面の凹凸を平坦化する平坦化処理が施される。平坦化処理の方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chemical Mechanical Polishing:CMP処理)やエッチング処理、あるいはこれらの処理を組み合わせる方法などが挙げられる。
次に、半導体層30aのそれぞれの端部と重なる位置にゲート絶縁層11b、第2層間絶縁層11cを貫通し、第1層間絶縁層11aの一部を穿つように2つの貫通孔が形成される。そして、2つの貫通孔を埋めるように導電層を形成し、TFT30の半導体層30aに繋がる一方のソースドレイン電極31が形成される。同時にTFT30の半導体層30aに繋がる他方のソースドレイン電極32が形成される。これらのソースドレイン電極31,32の詳しい構成と製造方法については後述する。
次に、第2層間絶縁層11cを覆うように、例えば、アルミニウムやその合金などからなる導電層が形成され、これをパターニングすることにより、一方のソースドレイン電極31に接する第1中継層5aと、他方のソースドレイン電極32に接する第2中継層5bとが形成される。
次に、第1中継層5a及び第2中継層5bと第2層間絶縁層11cとを覆って第3層間絶縁層11dが形成される。第3層間絶縁層11dもまた例えば酸化シリコンからなる。そして、第3層間絶縁層11dを貫通して第1中継層5aと第2中継層5bとに至る2つの貫通孔が形成される。2つの貫通孔を埋めるように導電層が形成され、導電層をパターニングして、コンタクトホール35と、コンタクトホール35を介して第1中継層5aに電気的に接続されるデータ線6と、コンタクトホール36と、コンタクトホール36を介して第2中継層5bに電気的に接続される第3中継層6bとが形成される。
次に、データ線6及び第3中継層6bと第3層間絶縁層11dを覆って第4層間絶縁層12が形成される。平面的に第3中継層6bと重なる位置に第4層間絶縁層12を貫通する貫通孔が形成される。この貫通孔を埋めると共に第4層間絶縁層12を覆うように例えばAl(アルミニウム)やその合金、あるいは金属化合物などの遮光性の導電層が形成され、これをパターニングすることにより、第1容量電極16aと、コンタクトホール37と、コンタクトホール37を介して第3中継層6bに電気的に接続される第4中継層16dとが形成される。
第1容量電極16aのうち、後に形成される誘電体層16cを介して第2容量電極16bと対向する部分の外縁を覆うように保護絶縁層13aがパターニングされて形成される。また、第4中継層16dのうち後述するコンタクトホール38と重なる部分を除いた外縁を覆うように保護絶縁層13aがパターニングされて形成される。保護絶縁層13aは、この後に形成される第2容量電極16bのパターニング時に第1容量電極16aがエッチングされることを防ぐために設けられるものである。
次に、保護絶縁層13aと第1容量電極16aを覆って誘電体層16cが成膜される。誘電体層16cは、シリコン窒化物や、酸化ハフニウム(HfO2)、アルミナ(Al2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)などの単層、又はこれらの単層のうち少なくとも2種の単層を積層した多層としてもよい。平面的に第4中継層16dと重なる部分の誘電体層16cはエッチングされて除かれる。誘電体層16cを覆うように例えば窒化チタン(TiN)などの導電層が形成され、これをパターニングすることにより、第1容量電極16aに対向配置され、第4中継層16dに繋がる第2容量電極16bが形成される。誘電体層16cと、誘電体層16cを挟んで対向配置された第1容量電極16aと第2容量電極16bとにより蓄積容量16が構成される。
次に、第2容量電極16bと誘電体層16cとを覆う第5層間絶縁層13bが形成される。第5層間絶縁層13bも例えば酸化シリコンからなり、CMP処理などの平坦化処理が施される。第5層間絶縁層13bの膜厚に比べて、保護絶縁層13aや誘電体層16cの膜厚は薄い。また、保護絶縁層13a及び誘電体層16cは、必ずしも基材10sの全面に亘って形成する必要はなく、蓄積容量16の構成に係るようにパターニングしてもよい。
第2容量電極16bのうち第4中継層16dと接する部分に至るように第5層間絶縁層13bを貫通する貫通孔が形成される。この貫通孔を埋めると共に第5層間絶縁層13bを覆うように例えばAl(アルミニウム)やその合金、あるいは金属化合物などの遮光性の導電層が形成され、これをパターニングすることにより、配線8aと、コンタクトホール38と、コンタクトホール38を介して第4中継層16dに電気的に接続される第5中継層8bとが形成される。配線8aは、平面的にTFT30の半導体層30aやデータ線6及び蓄積容量16と重なるように形成され、固定電位が与えられてシールド層として機能するものである。
配線8aと第5中継層8bとを覆うように第6層間絶縁層14が形成される。第6層間絶縁層14も、例えば酸化シリコンを用いて形成することができる。第6層間絶縁層14を貫通して第5中継層8bに至る貫通孔が形成される。
この貫通孔を被覆し、第6層間絶縁層14を覆うようにITOなどの透明導電膜(電極膜)が形成される。この透明導電膜(電極膜)をパターニングして、コンタクトホール39と、コンタクトホール39を介して第5中継層8bに電気的に繋がる画素電極15とが形成される。
第5中継層8bは、コンタクトホール38、第2容量電極16b、第4中継層16d、コンタクトホール37、第3中継層6b、コンタクトホール36、第2中継層5bを介してTFT30の他方のソースドレイン電極32と電気的に接続すると共に、コンタクトホール39を介して画素電極15と電気的に接続している。つまり、他方のソースドレイン電極32は、画素電極15と、蓄積容量16の第2容量電極16bとに電気的に接続されている。
第1容量電極16aは複数の画素Pに跨るように形成され、等価回路(図3参照)における容量線7として機能している。第1容量電極16aには固定電位が与えられる。これにより、データ線6からTFT30を介して画素電極15に与えられた電位を第1容量電極16aと第2容量電極16bとの間において保持することができる。
画素電極15を覆うように配向膜18が形成され、液晶層50を介して素子基板10に対向配置される対向基板20の対向電極23を覆うように配向膜24が形成される。前述したように、配向膜18,24は無機配向膜であって、酸化シリコンなどの無機材料を所定の方向から例えば斜め蒸着して柱状に成長させた柱状体18a,24aの集合体からなる。このような配向膜18,24に対して負の誘電異方性を有する液晶分子LCは、配向膜面の法線方向に対して柱状体18a,24aの傾斜方向に3度〜5度のプレチルト角度θpを有して略垂直配向(VA;Vertical Alignment)する。画素電極15と対向電極23との間に交流電圧(駆動信号)を印加して液晶層50を駆動することによって液晶分子LCは画素電極15と対向電極23との間に生ずる電界方向に傾くように挙動する。
このように、素子基板10の基材10s上には、走査線3、TFT30、データ線6、蓄積容量16、シールド層(配線8a)、画素電極15などが配置される複数の配線層が設けられている。複数の配線層のうち、本実施形態のTFT30の遮光構造に係る配線層は、データ線6よりも下層の部分であり、データ線6を含む上層の構成は、特に限定されるものではない。
1−4.画素の構成と配置
次に、画素Pにおける主要な構成の平面的な配置について、図5を参照して説明する。図5は画素の主要な構成と開口領域及び非開口領域との関係を示す概略平面図である。
次に、画素Pにおける主要な構成の平面的な配置について、図5を参照して説明する。図5は画素の主要な構成と開口領域及び非開口領域との関係を示す概略平面図である。
図5に示すように、液晶装置100における画素Pは、例えば平面視で略正方形の開口領域を有する。開口領域は、+X方向と+Y方向とに延在し格子状に設けられた遮光性の非開口領域により囲まれている。
+X方向に延在する非開口領域には、図3及び図4に示した走査線3が設けられている。走査線3は遮光性の導電部材が用いられており、走査線3によって非開口領域の一部が構成されている。
同じく、+Y方向に延在する非開口領域には、図3及び図4に示したデータ線6や容量線7が設けられている。データ線6や容量線7もまた遮光性の導電部材が用いられており、これらによって非開口領域の一部が構成されている。
非開口領域の交差部には、図3及び図4に示したTFT30が設けられている。本実施形態では、TFT30の半導体層30aは、非開口領域の交差部において+Y方向に延在して配置されている。半導体層30aとデータ線6との接続を図る一方のソースドレイン電極31や、半導体層30aと第2中継層5bとの接続を図る他方のソースドレイン電極32もまた非開口領域に設けられている。このように遮光性を有する非開口領域の交差部にTFT30を設けることにより、開口領域における開口率を確保している。交差部にTFT30を設ける関係上、非開口領域の交差部の幅は、他の部分に比べて広くなっている。なお、非開口領域の交差部において半導体層30aは+Y方向に延在して配置されることに限定されず、+X方向に延在して配置されてもよい。したがって、非開口領域の交差部の形状は、TFT30の配置に対応したものであればよく、+X方向と+Y方向とに均等に開口領域側にはみ出していなくてもよい。
画素Pごとに画素電極15が設けられている。画素電極15は平面視で略正方形であり、画素電極15の外縁が非開口領域と重なるようにして開口領域に設けられている。なお、図5には図示していないが、図4に示した蓄積容量16や配線8aなども非開口領域に配置されている。
本実施形態の液晶装置100は、透過型であって、対向基板20側から光が入射することを前提としている。対向基板20側から画素Pに入射した光は、液晶層50を透過し、素子基板10の基材10s上に設けられた上述した配線などにより一部が反射して、TFT30の半導体層30aに向って進行するおそれがある。また、素子基板10を透過した光は、光の射出側に配置された偏光素子などの構造物によって反射して、再び素子基板10に入射する迷光となり、TFT30の半導体層30aに向って進行するおそれがある。本実施形態の素子基板10には、画素PのTFT30の半導体層30aに入射する光を遮光する遮光構造が取り入れられている。以降、素子基板10におけるTFT30の遮光構造について詳しく説明する。
1−5.薄膜トランジスターの遮光構造
本実施形態の素子基板10におけるTFT30の遮光構造について、図6〜図9を参照して説明する。図6は素子基板における薄膜トランジスター及び信号配線の配置を示す概略平面図、図7は半導体層及びソースドレイン電極の配置を示す拡大平面図である。図8は図6のA−A’線に沿った薄膜トランジスターの遮光構造を示す概略断面図、図9は図6のB−B’線に沿った薄膜トランジスターの遮光構造を示す概略断面図である。なお、図6のA−A’線はTFT30の半導体層30aをY方向に横断する線分であり、図6のB−B’線は半導体層30aのチャネル領域30cをX方向に横断する線分である。
本実施形態の素子基板10におけるTFT30の遮光構造について、図6〜図9を参照して説明する。図6は素子基板における薄膜トランジスター及び信号配線の配置を示す概略平面図、図7は半導体層及びソースドレイン電極の配置を示す拡大平面図である。図8は図6のA−A’線に沿った薄膜トランジスターの遮光構造を示す概略断面図、図9は図6のB−B’線に沿った薄膜トランジスターの遮光構造を示す概略断面図である。なお、図6のA−A’線はTFT30の半導体層30aをY方向に横断する線分であり、図6のB−B’線は半導体層30aのチャネル領域30cをX方向に横断する線分である。
図6に示すように、走査線3は、+X方向に配列する複数の画素Pに跨って、同じく+X方向に延在する本線部3aと、本線部3aに対してY方向の+側及び−側に幅が拡張された拡張部3bとを有している。また、走査線3は、拡張部3bから+Y方向に突出する突出部3cと、拡張部3bから−Y方向に突出する突出部3dとを有している。拡張部3bは、図5に示した非開口領域の交差部に対応して形成されている。
TFT30の半導体層30aは、平面視で走査線3の拡張部3b及び2つの突出部3c,3dに重なるように+Y方向に沿って配置されている。
本実施形態の半導体層30aは、例えば、所定の膜厚で形成されたポリシリコン膜に不純物イオンを選択的に注入することによって形成されたLDD構造となっている。具体的には、半導体層30aは、チャネル領域30cと、チャネル領域30cを挟む低濃度不純物領域30e,30fと、一方の低濃度不純物領域30eに接して設けられた高濃度不純物領域30sと、他方の低濃度不純物領域30fに接して設けられた高濃度不純物領域30dと、を有している。高濃度不純物領域30d,30sのほうが低濃度不純物領域30e,30fよりも不純物イオンの注入量が多く、導電性が高まっている。一方の高濃度不純物領域30sの端部に第1中継層5a(図4参照)と電気的に接続されるソースドレイン電極31が設けられている。他方の高濃度不純物領域30dの端部に第2中継層5b(図4参照)と電気的に接続されるソースドレイン電極32が設けられている。高濃度不純物領域30s,30dは、本発明のトランジスターの半導体層におけるソースドレイン領域に相当するものである。したがって、以降、構成をわかりやすく説明するため、データ線6が電気的に接続されるソースドレイン電極31が設けられる高濃度不純物領域30sをソース領域30sと呼ぶ。また、画素電極15や蓄積容量16が電気的に接続されるソースドレイン電極32が設けられる高濃度不純物領域30dをドレイン領域30dと呼ぶ。そして、低濃度不純物領域30e,30fをLDD領域30e,30fと呼ぶ。また、データ線6が電気的に接続されるソースドレイン電極31は、電気的にTFT30のソースとして機能するため簡略化してソース電極31と呼ぶ。画素電極15や蓄積容量16が電気的に接続されるソースドレイン電極32は、電気的にTFT30のドレインとして機能するため簡略化してドレイン電極32と呼ぶこととする。
半導体層30aは、平面視で、チャネル領域30cが走査線3の拡張部3b(言い換えれば、非開口領域の交差部)のほぼ中心に位置するように配置されている。このような走査線3及び半導体層30aに対して、平面視で重なるように配線4が配置されている。具体的には、配線4は、平面視において、走査線3の本線部3aと重なるように+X方向に延在する本線部4aと、半導体層30aに沿って両側に配置され、本線部4aよりも幅が拡張された2つの拡張部4bと、2つの拡張部4bの間に配置され、半導体層30aのチャネル領域30cと重なるように本線部4aよりも幅が狭められた狭小部4cとを有している。
走査線3の拡張部3bには、走査線3と配線4とを電気的に接続させるために2つのコンタクトホール33,34が設けられている。コンタクトホール33,34は、平面視で半導体層30aを挟んで両側に設けられている。配線4のうち平面視で半導体層30aのチャネル領域30cと重なる狭小部4cは、TFT30におけるゲートとして機能するゲート電極30gの一部である。コンタクトホール33,34によって配線4にも走査線3と同様に走査信号が供給されることから、以降、半導体層30aよりも下層に位置する走査線3を第1走査線3と呼び、半導体層30aよりも上層に位置する配線4を第2走査線4と呼ぶ。すなわち、2つのコンタクトホール33,34は第1走査線3と第2走査線4とを電気的に接続させるものである。なお、2つのコンタクトホール33,34のうちいずれか一方のコンタクトホールのみを設けて第1走査線3と第2走査線4とを電気的に接続させてもよい。また、第2走査線4は、走査信号を供給する電気的な配線系統を強化するために設けられたものであるが、これに限定されず、平面視で、コンタクトホール33,34とチャネル領域30cとに重なるように、画素Pごとにゲート電極30gを配置する構成としてもよい。本実施形態の第1走査線3、及び第1走査線3に接するコンタクトホール33,34は、遮光性の導電部材を用いて形成されている。
図7に示すように、半導体層30aのソース領域30sは、チャネル領域30c側の第1領域30s1と、チャネル領域30c側とは反対側に第1領域30s1の線幅L1よりも線幅L2が狭い第2領域30s2とを有している。同様に、半導体層30aのドレイン領域30dは、チャネル領域30c側の第1領域30d1と、チャネル領域30c側とは反対側に第1領域30d1の線幅L1よりも線幅L2が狭い第2領域30d2とを有している。すなわち、Y方向に延在する半導体層30aの両端部の平面形状は、それぞれ凸状となっている。本実施形態における線幅L1は、例えば0.5μm(マイクロメートル)であり、線幅L2は、例えば0.3μmである。
ソース領域30sの第2領域30s2に沿って溝31tが設けられ、溝31tを埋めるようにソース電極31が設けられている。したがって、ソース電極31は、平面視で凸状の第2領域30s2の上面と側面とを覆うように設けられている。同様に、ドレイン領域30dの第2領域30d2に沿って溝32tが設けられ、溝32tを埋めるようにドレイン電極32が設けられている。したがって、ドレイン電極32は、平面視で凸状の第2領域30d2の上面と側面とを覆うように設けられている。
また、ソース電極31の一部は第1領域30s1に重なっているが、チャネル領域30c側のLDD領域30eから離間して設けられている。同様に、ドレイン電極32の一部は第1領域30d1に重なっているが、チャネル領域30c側のLDD領域30fから離間して設けられている。したがって、ソース電極31の電位がLDD領域30eに影響を及ぼさず、ドレイン電極32の電位がLDD領域30fに影響を及ぼさないため、TFT30における安定した動作が実現されるソース電極31及びドレイン電極32の配置となっている。
本実施形態では、ソース電極31及びドレイン電極32の平面形状は、溝31t,32tの外周に沿った四角形であるが、これに限定されるものではない。ソース電極31及びドレイン電極32の一部が溝31t,32tの内側に設けられた状態であれば、ソース電極31及びドレイン電極32の平面形状は、例えば、四角以上の多角形や円形、楕円形であってもよい。
図8に示すように、ソース電極31は、ゲート絶縁層11bと第2層間絶縁層11cとを貫通してソース領域30sの上面に至る貫通孔31hと、ソース領域30sの端部に沿ってゲート絶縁層11bを貫通し第1層間絶縁層11aの一部を穿って設けられた溝31tとを埋めるように設けられている。同様に、ドレイン電極32は、ゲート絶縁層11bと第2層間絶縁層11cとを貫通してドレイン領域30dの上面に至る貫通孔32hと、ドレイン領域30dの端部に沿ってゲート絶縁層11bを貫通し第1層間絶縁層11aの一部を穿って設けられた溝32tとを埋めるように設けられている。
ソース電極31は、貫通孔31hの内壁及び溝31tを覆うバリア層と、貫通孔31hを埋める導電層31cとを有している。バリア層は、半導体層30aの端部である第2領域30s2に接する第1層31aと、第1層31aと導電層31cとの間に設けられた第2層31bとからなる。同様に、ドレイン電極32は、貫通孔32hの内壁及び溝32tを覆うバリア層と、貫通孔32hを埋める導電層32cとを有している。バリア層は、半導体層30aの端部である第2領域30d2に接する第1層32aと、第1層32aと導電層32cとの間に設けられた第2層32bとからなる。本実施形態において、バリア層のうち第1層31a,32aは、チタン(Ti)を含み、バリア層のうち第2層31b,32bは窒化チタン(TiN)を含んで構成されている。導電層31c,32cはタングステン(W)を含んで構成されている。タングステン(W)よりもシリコンと反応し難い導電部材として、チタン(Ti)や窒化チタン(TiN)が選ばれている。
半導体層30aのソース領域30sと接するソース電極31と、半導体層30aのドレイン領域30dと接するドレイン電極32とは、上述したように貫通孔31h,32hを埋めるように設けられていることから、プラグ構造となっている。半導体層30aがポリシリコンからなることから、タングステンを含むプラグを形成後に高温の熱処理が施されると、ポリシリコンとタングステンとが反応してタングステンシリサイドが形成され、タングステンを含むプラグの導電性が低下するおそれがある。これに対して、本実施形態では、半導体層30aのソース領域30sと導電層31cとの間及びドレイン領域30dと導電層32cとの間に、バリア層が設けられているため、タングステンを含むプラグである導電層31c,32cがシリサイド化し難い構造となっている。なお、バリア層のうち窒化チタンを含む第2層31b,32bは、タングステンのシリサイド化を阻むだけでなく、チタンを含む第1層31a,32aとタングステンを含む導電層31c,32cとの密着性を向上させる機能を有している。このような第2層31b,32bを構成する導電部材としては、窒化チタンだけでなく、窒化タングステンを用いてもよい。
図9に示すように、第1走査線3と第2走査線4とは、コンタクトホール33,34によって電気的に接続されている。コンタクトホール33,34は、第1層間絶縁層11a及びゲート絶縁層11bを貫通し、X方向に半導体層30aを挟んで設けられた2つの貫通孔を、ゲート絶縁層11bを覆う第2走査線4で被覆して形成される。第2走査線4は、遮光性を有する例えば導電性のポリシリコンからなる。第2走査線4のうちゲート絶縁層11bを挟んで半導体層30aのチャネル領域30cと対向する狭小部4cがTFT30のゲート電極30gとして機能する。
1−6.ソースドレイン電極の形成方法
次に、ソースドレイン電極としてのソース電極31及びドレイン電極32の形成方法について、図10〜図15を参照して説明する。図10〜図15は、ソースドレイン電極の形成方法を示す概略断面図である。詳しくは、図10〜図15は、図8に対応した概略断面図である。
次に、ソースドレイン電極としてのソース電極31及びドレイン電極32の形成方法について、図10〜図15を参照して説明する。図10〜図15は、ソースドレイン電極の形成方法を示す概略断面図である。詳しくは、図10〜図15は、図8に対応した概略断面図である。
本実施形態におけるソース電極31及びドレイン電極32の形成方法は、図10に示すように、まず、ゲート電極30gとゲート絶縁層11bとを覆うように第2層間絶縁層11cを形成する。第2層間絶縁層11cの形成方法としては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)を含む反応ガスを用いたプラズマCVD法が挙げられる。第2層間絶縁層11cには表面の凹凸を緩和するために平坦化処理が施される。平坦化処理後の第2層間絶縁層11cの平均膜厚は例えば300nm(ナノメートル)程度である。
次に、図11に示すように、平面視でソース領域30sの第2領域30s2と重なる領域に、第2層間絶縁層11c及びゲート絶縁層11bを貫通する貫通孔31hと、貫通孔31hに連通し第2領域30s2に沿って第1層間絶縁層11aの一部を穿つ溝31tとを形成する。同様にして、平面視でドレイン領域30dの第2領域30d2と重なる領域に、第2層間絶縁層11c及びゲート絶縁層11bを貫通する貫通孔32hと、貫通孔32hに連通し第2領域30d2に沿って第1層間絶縁層11aの一部を穿つ溝32tとを形成する。このような貫通孔31h,32h及び溝31t,32tの形成方法としては、四フッ化炭素(CF4)などの含フッ素系反応ガスを用いるドライエッチングが挙げられる。
本実施形態において、第1層間絶縁層11a、ゲート絶縁層11b、第2層間絶縁層11cは、いずれも酸化シリコンを含んで構成され、半導体層30aはポリシリコンからなるため、上述したドライエッチングでは、半導体層30aはエッチングされず、貫通孔31h,32h及び溝31t,32tを形成することができる。また、ドライエッチングは、基材10s上において、第1層間絶縁層11a、ゲート絶縁層11b、第2層間絶縁層11cのそれぞれを厚み方向に選択的にエッチングすることから、ソース領域30sの第2領域30s2の外周に沿った溝31tやドレイン領域30dの第2領域30d2の外周に沿った溝32tを形成できる。なお、本実施形態における溝31t,32tの外形は、図7に示したように四角形であるが、これに限定されるものではなく、ドライエッチング時に第2層間絶縁層11c上に形成されるエッチングレジストパターンによって規定することができる。例えば、溝31t,32tの外形は、半導体層30aの両端部の外形に沿った凸状であってもよい。
次に、図12に示すように、貫通孔31h,32hの内壁及び溝31t,32t並びに第2層間絶縁層11cを覆うように、例えば、スパッタ法によりチタンを成膜して第1導電層61を形成する。第1導電層61の膜厚は例えば4nm〜60nmである。続いて、第1導電層61を覆うように、例えば、プラズマCVD法により窒化チタンを成膜して第2導電層62を形成する。第2導電層62の膜厚は例えば10nm〜60nmである。さらに、図13に示すように、第2導電層62を覆うように、例えば、プラズマCVD法によりタングステンを成膜して第3導電層63を形成する。第3導電層63の膜厚は例えば150nm〜400nmである。
次に、図14に示すように、第2層間絶縁層11cの表面が露出するまで、第3導電層63が形成された表面に平坦化処理を施す。これにより、チタンを含む第1層31aと、窒化チタンを含む第2層31bと、タングステンを含む導電層31cとにより構成されたプラグ状のソース電極31ができあがる。同様に、チタンを含む第1層32aと、窒化チタンを含む第2層32bと、タングステンを含む導電層32cとにより構成されたプラグ状のドレイン電極32ができあがる。
そして、ソース電極31及びドレイン電極32が形成された第2層間絶縁層11cを覆うように、例えばスパッタ法によりアルミニウムやその合金を成膜して、パターニングすることにより、図15に示すように、ソース電極31に電気的に接続された第1中継層5aと、ドレイン電極32に電気的に接続された第2中継層5bとを形成する。
上記第1実施形態の液晶装置100によれば、以下の効果が得られる。
(1)液晶パネル110の対向基板20側から画素Pに入射した光が、液晶層50を透過し、素子基板10に設けられた配線や電極などによって反射して、TFT30の半導体層30aに向って入射しても、半導体層30aの上方に配置されたデータ線6や、半導体層30aに沿って両側に配置され、第1走査線3と第2走査線4とを電気的に接続させるコンタクトホール33,34により遮光される。素子基板10を透過して射出された光が、射出側に配置された偏光素子などの構造物で反射して再び素子基板10の半導体層30aに向って入射しても、第1走査線3によって遮光される。また、半導体層30aのソース領域30sの端部である第2領域30s2を覆うようにソース電極31が設けられ、半導体層30aのドレイン領域30dの端部である第2領域30d2を覆うようにドレイン電極32が設けられている。第2領域30s2,30d2の線幅L2は、チャネル領域30c側の第1領域30s1,30d1の線幅L1よりも狭い。したがって、半導体層30aの両端部に入射する光の入射範囲が限定されることから、半導体層30aの両端部に入射する光をソース電極31及びドレイン電極32で確実に遮光することができる。すなわち、TFT30の半導体層30aに対して直接あるいは間接的に入射する光を遮光可能な遮光構造となっていることから、TFT30に入射した光による光リーク電流の発生を低減することができる。
(1)液晶パネル110の対向基板20側から画素Pに入射した光が、液晶層50を透過し、素子基板10に設けられた配線や電極などによって反射して、TFT30の半導体層30aに向って入射しても、半導体層30aの上方に配置されたデータ線6や、半導体層30aに沿って両側に配置され、第1走査線3と第2走査線4とを電気的に接続させるコンタクトホール33,34により遮光される。素子基板10を透過して射出された光が、射出側に配置された偏光素子などの構造物で反射して再び素子基板10の半導体層30aに向って入射しても、第1走査線3によって遮光される。また、半導体層30aのソース領域30sの端部である第2領域30s2を覆うようにソース電極31が設けられ、半導体層30aのドレイン領域30dの端部である第2領域30d2を覆うようにドレイン電極32が設けられている。第2領域30s2,30d2の線幅L2は、チャネル領域30c側の第1領域30s1,30d1の線幅L1よりも狭い。したがって、半導体層30aの両端部に入射する光の入射範囲が限定されることから、半導体層30aの両端部に入射する光をソース電極31及びドレイン電極32で確実に遮光することができる。すなわち、TFT30の半導体層30aに対して直接あるいは間接的に入射する光を遮光可能な遮光構造となっていることから、TFT30に入射した光による光リーク電流の発生を低減することができる。
(2)ソース電極31は、第2層間絶縁層11c、ゲート絶縁層11bを貫通して第2領域30s2に至る貫通孔31hと、第2領域30s2に沿うと共に第1層間絶縁層11aの一部を穿つ溝31tとを埋めて形成されている。ドレイン電極32は、第2層間絶縁層11c、ゲート絶縁層11bを貫通して第2領域30d2に至る貫通孔32hと、第2領域30d2に沿うと共に第1層間絶縁層11aの一部を穿つ溝32tとを埋めて形成されている。つまり、ソース電極31及びドレイン電極32は、第2領域30s2,30d2の上面と側面とに接して設けられていることから、上面だけに接して設けられている場合に比べて、透光性の第1層間絶縁層11a及びゲート絶縁層11bを透過して第2領域30s2,30d2に対して入射する光を確実に遮光できる。
(3)半導体層30aはポリシリコンからなり、ソース電極31は、チタンを含む第1層31aと窒化チタンを含む第2層31bとからなるバリア層と、タングステンを含む導電層31cとによりプラグ状に構成されている。したがって、ソース電極31が形成された後に高温の熱処理が施されても、導電層31cがタングステンシリサイドとなって導電性が低下することを防ぐことができる。また、第1層31aと導電層31cとの間に窒化チタンを含む第2層31bが設けられていることから、チタンを含む第1層31aとタングステンを含む導電層31cとの密着性を向上させることができる。なお、ドレイン電極32の構成はソース電極31の構成とは同じであり、チタンを含む第1層32aと窒化チタンを含む第2層32bとからなるバリア層と、タングステンを含む導電層32cとによりプラグ状に構成されている。つまり、半導体層30aのソース領域30sとソース電極31との電気的な接続及びドレイン領域30dとドレイン電極32との電気的な接続において高い信頼性を実現できる。
上記第1実施形態では、半導体層30aの端部である、ソース領域30sの第2領域30s2、及びドレイン領域30dの第2領域30d2の平面形状を凸状であるとしたが、これに限定されるものではない。図16は、変形例の半導体層とソースドレイン電極との配置を示す概略平面図である。図16に示すように、第2領域30s2,30d2は、第1領域30s1,30d1から第2領域30s2,30d2の端部に行くほど連続的に線幅L2が狭くなる構成としてもよい。これによれば、破線で示した第2領域30s2,30d2の周長が凸状である場合に比べて短くなり、第2領域30s2,30d2に入射する光の入射経路が限定されることから、ソース電極31及びドレイン電極32によってより確実に遮光することができる。言い換えれば、半導体層30aの両端部に入射した光によるTFT30の光リーク電流の発生をより低減することができる。
上記第1実施形態では、ソース電極31及びドレイン電極32をプラグ構造とすべく、第2層間絶縁層11c及びゲート絶縁層11b並びに第1層間絶縁層11aの一部をドライエッチングして貫通孔31h,32h及び溝31t,32tを形成したが、溝31t,32tの形成方法はドライエッチングに限定されない。図17は変形例のソース電極及びドレイン電極の構造を示す概略断面図、図18〜図20は変形例のソース電極及びドレイン電極の形成方法を示す概略断面図である。なお、図17〜図20は、図6に示したように、半導体層30aをY方向に横断するA−A’線に沿った概略断面図を示すものである。
図17に示すように、変形例の素子基板10Bでは、ソース電極31は、第2層間絶縁層11cとゲート絶縁層11bとを貫通してソース領域30sの第2領域30s2に至る貫通孔31hと、第2領域30s2に沿うと共に第2領域30s2の下面に廻り込むように第1層間絶縁層11aに形成された溝31dとを埋めてプラグ状に形成されている。同様に、ドレイン電極32は、第2層間絶縁層11cとゲート絶縁層11bとを貫通してドレイン領域30dの第2領域30d2に至る貫通孔32hと、第2領域30d2に沿うと共に第2領域30d2の下面に廻り込むように第1層間絶縁層11aに形成された溝32dとを埋めてプラグ状に形成されている。
このような変形例のソース電極31及びドレイン電極32の形成方法は、図18に示すように、第2層間絶縁層11c及びゲート絶縁層11bを貫通して、ソース領域30sの第2領域30s2の上面に至ると共に、第2領域30s2の側面に沿って第1層間絶縁層11aに至る貫通孔31hをドライエッチングにより形成する。同時に、第2層間絶縁層11c及びゲート絶縁層11bを貫通して、ドレイン領域30dの第2領域30d2の上面に至ると共に、第2領域30d2の側面に沿って第1層間絶縁層11aに至る貫通孔32hをドライエッチングにより形成する。
次に、図19に示すように、貫通孔31h,32hの底部に露出した第1層間絶縁層11aに対して、フッ酸の水溶液を用いたウェットエッチングを施すことにより、貫通孔31h,32hに連通する溝31d,32dを形成する。このようなウェットエッチングでは、ポリシリコンにより構成される半導体層30aはエッチングされず、酸化シリコンにより構成される第1層間絶縁層11aは等方エッチングされる。したがって、溝31d,32dは、第2領域30s2,30d2の下面に廻り込むように形成される。
次に、図20に示すように、貫通孔31h,32hの内壁及び溝31d,32d並びに第2層間絶縁層11cを覆うように、例えば、スパッタ法によりチタンを成膜して第1導電層61を形成する。続いて、第1導電層61を覆うように、例えば、プラズマCVD法により窒化チタンを成膜して第2導電層62を形成する。さらに、第2導電層62を覆うように、例えば、プラズマCVD法によりタングステンを成膜して第3導電層63を形成する。そして、先に図14を用いて説明したように、第2層間絶縁層11cの表面が露出するまで、第3導電層63が形成された表面に平坦化処理を施す。これにより、チタンを含む第1層31aと、窒化チタンを含む第2層31bと、タングステンを含む導電層31cとにより構成されたプラグ状のソース電極31ができあがる。同様に、チタンを含む第1層32aと、窒化チタンを含む第2層32bと、タングステンを含む導電層32cとにより構成されたプラグ状のドレイン電極32ができあがる。さらに、図15を用いて説明したように、ソース電極31及びドレイン電極32が形成された第2層間絶縁層11cを覆うように、例えばスパッタ法によりアルミニウムやその合金を成膜して、パターニングすることにより、ソース電極31に電気的に接続された第1中継層5aと、ドレイン電極32に電気的に接続された第2中継層5bとを形成する。
このような変形例のソース電極31及びドレイン電極32の形成方法によれば、ソース電極31及びドレイン電極32は、第2領域30s2,30d2の下面に廻り込むように第1層間絶縁層11aに形成された溝31d,32dを埋めてプラグ状に形成される。したがって、第2領域30s2,30d2の下面側から入射する光をソース電極31及びドレイン電極32によって遮光することができるため、第2領域30s2,30d2に対するソース電極31及びドレイン電極32の遮光性がさらに向上する。
2.第2実施形態
2−1.電気光学装置と薄膜トランジスターの遮光構造
次に、第2実施形態の電気光学装置について、上記第1実施形態と同様にアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。第2実施形態の電気光学装置としての液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、溝31t,32tの形態と、第1走査線3の配置とを異ならせたものである。したがって、上記第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図21は、第2実施形態の液晶装置の素子基板における薄膜トランジスター及び信号配線の配置を示す概略平面図、図22は図21のC−C’線に沿った薄膜トランジスターの遮光構造を示す概略断面図である。なお、C−C’線は、Y方向に延在する半導体層30aをY方向に横断する線分である。
2−1.電気光学装置と薄膜トランジスターの遮光構造
次に、第2実施形態の電気光学装置について、上記第1実施形態と同様にアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。第2実施形態の電気光学装置としての液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、溝31t,32tの形態と、第1走査線3の配置とを異ならせたものである。したがって、上記第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図21は、第2実施形態の液晶装置の素子基板における薄膜トランジスター及び信号配線の配置を示す概略平面図、図22は図21のC−C’線に沿った薄膜トランジスターの遮光構造を示す概略断面図である。なお、C−C’線は、Y方向に延在する半導体層30aをY方向に横断する線分である。
図21に示すように、本実施形態の液晶装置の素子基板210において、第1走査線3は、+X方向に配列する複数の画素Pに跨って、同じく+X方向に延在する本線部3aと、本線部3aに対してY方向の+側及び−側に幅が拡張された拡張部3bとを有している。また、第1走査線3は、拡張部3bから+Y方向に突出する突出部3eと、拡張部3bから−Y方向に突出する突出部3fとを有している。拡張部3bは、図5に示した非開口領域の交差部に対応して形成されている。
TFT30の半導体層30aは、平面視で第1走査線3の拡張部3b及び2つの突出部3e,3fに重なるように+Y方向に沿って配置されている。また、平面視で第1走査線3の突出部3eはソース電極31と重ならないように配置されている。同様に平面視で第1走査線3の突出部3fはドレイン電極32と重ならないように配置されている。
半導体層30aは、平面視で、チャネル領域30cが第1走査線3の拡張部3b(言い換えれば、非開口領域の交差部)のほぼ中心に位置するように配置されている。このような第1走査線3及び半導体層30aに対して、平面視で重なるように第2走査線4が配置されている。具体的には、第2走査線4は、平面視において、第1走査線3の本線部3aと重なるように+X方向に延在する本線部4aと、半導体層30aに沿って両側に配置され、本線部4aよりも幅が拡張された2つの拡張部4bと、2つの拡張部4bの間に配置され、半導体層30aのチャネル領域30cと重なるように本線部4aよりも幅が狭められた狭小部4cとを有している。
第1走査線3の拡張部3bには、第1走査線3と第2走査線4とを電気的に接続させるために2つのコンタクトホール33,34が設けられている。コンタクトホール33,34は、平面視で半導体層30aを挟んで両側に設けられている。第2走査線4のうち平面視で半導体層30aのチャネル領域30cと重なる狭小部4cは、TFT30におけるゲートとして機能するゲート電極30gの一部である。なお、2つのコンタクトホール33,34のうちいずれか一方のコンタクトホールのみを設けて第1走査線3と第2走査線4とを電気的に接続させてもよい。また、第2走査線4は、走査信号を供給する電気的な配線系統を強化するために設けられたものであるが、これに限定されず、平面視で、コンタクトホール33,34とチャネル領域30cとに重なるように、画素Pごとにゲート電極30gを配置する構成としてもよい。第1走査線3及び第2走査線4並びにコンタクトホール33,34は、遮光性の導電部材を用いて形成されている。
図22に示すように、素子基板210の基材10s上には、第1走査線3が設けられている。第1走査線3は、第1層間絶縁層11aを挟んで、半導体層30aのうち、ソース領域30sの第1領域30s1、LDD領域30e、チャネル領域30c、LDD領域30f、ドレイン領域30dの第1領域30d1、と対向するように配置されている。言い換えれば、第1走査線3は、第1層間絶縁層11aを挟んで、半導体層30aのうち、ソース領域30sの第2領域30s2、及びドレイン領域30dの第2領域30d2に対向しないように配置されている。なお、平面視における第2領域30s2,30d2の線幅は、第1領域30s1,30d1の線幅よりも狭い。
半導体層30aのチャネル領域30cに対してゲート絶縁層11bを挟んで対向する位置にゲート電極30gが設けられている。そして、ゲート電極30gとゲート絶縁層11bとを覆うように第2層間絶縁層11cが設けられている。
第2層間絶縁層11cとゲート絶縁層11bとを貫通してソース領域30sの第2領域30s2の上面に至る貫通孔31hと、第2領域30s2に沿ってゲート絶縁層11b及び第1層間絶縁層11aを貫通し、基材10sの第1層間絶縁層11a側の面を穿って設けられた溝31vとを埋めるようにソース電極31が設けられている。同様に、第2層間絶縁層11cとゲート絶縁層11bとを貫通してドレイン領域30dの第2領域30d2の上面に至る貫通孔32hと、第2領域30d2に沿ってゲート絶縁層11b及び第1層間絶縁層11aを貫通し、基材10sの第1層間絶縁層11a側の面を穿って設けられた溝32vとを埋めるようにドレイン電極32が設けられている。このような貫通孔31h,32h及び溝31v,32vは、第2層間絶縁層11c、ゲート絶縁層11b、第1層間絶縁層11a、基材10sを一括してドライエッチングすることにより形成されている。
ソース電極31は、貫通孔31hの内壁及び溝31vを覆うバリア層と、貫通孔31hを埋める導電層31cとを有している。バリア層は、半導体層30aの端部である第2領域30s2に接する第1層31aと、第1層31aと導電層31cとの間に設けられた第2層31bとからなる。同様に、ドレイン電極32は、貫通孔32hの内壁及び溝32vを覆うバリア層と、貫通孔32hを埋める導電層32cとを有している。バリア層は、半導体層30aの端部である第2領域30d2に接する第1層32aと、第1層32aと導電層32cとの間に設けられた第2層32bとからなる。バリア層のうち第1層31a,32aは、チタン(Ti)を含み、バリア層のうち第2層31b,32bは窒化チタン(TiN)を含んで構成されている。導電層31c,32cはタングステン(W)を含んで構成されている。チタン(Ti)及び窒化チタン(TiN)は、タングステン(W)よりもシリサイド化し難い導電部材である。
半導体層30aのソース領域30sと接するソース電極31と、半導体層30aのドレイン領域30dと接するドレイン電極32とは、上述したように貫通孔31h,32hを埋めるように設けられていることから、プラグ構造となっている。
第2層間絶縁層11c上には、ソース電極31と接する第1中継層5aと、ドレイン電極32と接する第2中継層5bとが設けられている。
第1中継層5a及び第2中継層5b、第2層間絶縁層11cを覆うように第3層間絶縁層11dが設けられている。
第3層間絶縁層11d上には、データ線6と、第3中継層6bとが設けられている。データ線6は、第3層間絶縁層11dを貫通するコンタクトホール35によって第1中継層5aと電気的に接続されている。第3中継層6bは、第3層間絶縁層11dを貫通するコンタクトホール36によって第2中継層5bに電気的に接続されている。
素子基板210において、データ線6よりも上層における配線層の構成は、上記第1実施形態の液晶装置100における素子基板10の配線層の構成と同じである。
上記第2実施形態の液晶装置におけるTFT30の遮光構造によれば、上記第1実施形態の効果(1)及び(3)に加えて、以下の効果が得られる。
(4)ソース電極31は、第2層間絶縁層11c及びゲート絶縁層11bを貫通して第2領域30s2に至る貫通孔31hと、第2領域30s2に沿ってゲート絶縁層11b及び第1層間絶縁層11aを貫通し、基材10sの第1層間絶縁層11a側の面を穿つ溝31vとを埋めて形成されている。ドレイン電極32は、第2層間絶縁層11c及びゲート絶縁層11bを貫通して第2領域30d2に至る貫通孔32hと、第2領域30d2に沿ってゲート絶縁層11b及び第1層間絶縁層11aを貫通し、基材10sの第1層間絶縁層11a側の面を穿つ溝32vとを埋めて形成されている。つまり、ソース電極31及びドレイン電極32は、第2領域30s2,30d2の上面と側面とに接して設けられているだけでなく、透光性の第1層間絶縁層11aを貫通して設けられている。したがって、第1層間絶縁層11aを透過して第2領域30s2,30d2に対して入射する光をより確実に遮光できる。
(5)第1走査線3は、第1層間絶縁層11aを挟んで半導体層30aの下層に設けられ、且つ平面視でソース電極31及びドレイン電極32と重ならないように配置されている。したがって、ソース電極31及びドレイン電極32を形成する際に、第1走査線3が邪魔にならない。言い換えれば、上記第1実施形態では、第2層間絶縁層11c、ゲート絶縁層11b、第1層間絶縁層11aの一部をドライエッチングして、貫通孔31h,32h及び溝31t,32tを形成する際に、溝31t,32tが第1走査線3に至らないように、ドライエッチングにおける溝31t,32tの深さを規定するエッチング時間を精度よく管理する必要がある。これに対して、本実施形態では、第1走査線3は、平面視で溝31v,32vと重ならないように配置されているので、エッチング時間を厳密に管理しなくても、上記第1実施形態の溝31t,32tよりも深さが深く、基材10sの第1層間絶縁層11a側の面を穿つ溝31v,32vを容易に形成することができる。
3.第3実施形態
3−1.電子機器
次に、本実施形態の電子機器として、投射型表示装置を例に挙げて説明する。図23は第3実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
3−1.電子機器
次に、本実施形態の電子機器として、投射型表示装置を例に挙げて説明する。図23は第3実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図23に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸1100aに沿って配置された、偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、を備えている。また、リレーレンズ1203,1204,1205を通過するシステム光軸1100aに沿って配置された、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯などの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した第1実施形態の液晶装置100が適用されたものである。液晶パネル110の色光の入射側と射出側とにクロスニコルに配置された一対の偏光素子が隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記液晶装置100が用いられているので、画素Pに強い色光が入射したとしてもTFT30における光リーク電流の発生が低減されているため、明るい表示が可能であると共に、安定した表示状態を実現可能な投射型表示装置1000を提供することができる。液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記第2実施形態の液晶装置を用いても同様な効果が得られる。
なお、本実施形態の投射型表示装置1000では、超高圧水銀灯などの白色光源を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)のそれぞれに対応した例えばレーザー光源やLEDなどの固体光源を用いてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上記実施形態における薄膜トランジスターの遮光構造を適用可能な電気光学装置は、透過型の液晶装置に限定されない。例えば、画素に有機EL素子などの発光素子を備えた表示装置において、発光素子からの光による薄膜トランジスターの光リーク電流の発生を抑制する遮光構造としても適用することができる。
(変形例2)上記実施形態の液晶装置が適用される電子機器は、上記第3実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、液晶装置として画素に着色層を有するカラーフィルターを備える構成とすることで、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
以下に、上記実施形態から導き出される内容を記載する。
本願の電気光学装置は、チャネル領域と、ソースドレイン領域とを含む半導体層を有するトランジスターと、ソースドレイン領域に電気的に接続された遮光性を有するソースドレイン電極と、を備え、ソースドレイン領域は、チャネル領域側の第1領域と、チャネル領域側とは反対側に第1領域よりも線幅が狭い第2領域とを有し、ソースドレイン電極は、ソースドレイン領域の第2領域を覆うように設けられていることを特徴とする。
本願の構成によれば、半導体層のソースドレイン領域にソースドレイン電極が接続されてトランジスターのソースまたはドレインとして機能する。ソースドレイン電極は、ソースドレイン領域のチャネル領域側の第1領域よりも線幅が狭い第2領域を覆うように設けられている。したがって、ソースドレイン領域の端部となる第2領域に入射する光を遮光性のソースドレイン電極によって遮光することができる。また、第2領域は第1領域に比べて線幅が狭く、ソースドレイン領域の端部に入射する光の入射範囲が限定されることから、ソースドレイン領域の端部に入射する光をソースドレイン電極によって確実に遮光することができる。すなわち、半導体層のソースドレイン領域の端部である第2領域に入射した光によるトランジスターの光リーク電流の発生を低減可能な電気光学装置を提供することができる。
上記に記載の電気光学装置において、第2領域は、第1領域から第2領域の端部に行くほど連続的に線幅が狭くなっており、ソースドレイン電極は、第2領域の上面及び側面と接していることが好ましい。
この構成によれば、ソースドレイン領域の端部となる第2領域に入射する光の入射範囲がより限定されるので、ソースドレイン領域の端部に対するソースドレイン電極の遮光性が向上する。
この構成によれば、ソースドレイン領域の端部となる第2領域に入射する光の入射範囲がより限定されるので、ソースドレイン領域の端部に対するソースドレイン電極の遮光性が向上する。
上記に記載の電気光学装置において、基板と、基板と半導体層との間に層間絶縁層とを有し、層間絶縁層には、平面視でソースドレイン領域の第2領域に沿って溝が設けられ、ソースドレイン電極の一部は溝の内側に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、層間絶縁層を伝播して半導体層のソースドレイン領域の第2領域に入射する光を溝の内側に設けられたソースドレイン電極の一部によって遮光することができる。つまり、ソースドレイン領域の端部に対するソースドレイン電極の遮光性がより向上する。
この構成によれば、層間絶縁層を伝播して半導体層のソースドレイン領域の第2領域に入射する光を溝の内側に設けられたソースドレイン電極の一部によって遮光することができる。つまり、ソースドレイン領域の端部に対するソースドレイン電極の遮光性がより向上する。
上記に記載の電気光学装置において、溝は、層間絶縁層を貫通し、基板の層間絶縁層側に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、基板や層間絶縁層を伝播して半導体層のソースドレイン領域の第2領域に入射する光を溝の内側に設けられたソースドレイン電極の一部によって遮光することができる。つまり、ソースドレイン領域の端部に対するソースドレイン電極の遮光性がさらに向上する。
この構成によれば、基板や層間絶縁層を伝播して半導体層のソースドレイン領域の第2領域に入射する光を溝の内側に設けられたソースドレイン電極の一部によって遮光することができる。つまり、ソースドレイン領域の端部に対するソースドレイン電極の遮光性がさらに向上する。
上記に記載の電気光学装置において、半導体層は、チャネル領域とソースドレイン領域との間に設けられた低濃度不純物領域を有し、ソースドレイン電極は、低濃度不純物領域から離間して設けられていることが好ましい。
この構成によれば、ソースドレイン電極に与えられる電位が半導体層の低濃度不純物領域に影響を及ぼし難いので、ソースドレイン電極による遮光性を確保しつつ、安定した動作状態が得られるトランジスターを備えた電気光学装置を提供することができる。
この構成によれば、ソースドレイン電極に与えられる電位が半導体層の低濃度不純物領域に影響を及ぼし難いので、ソースドレイン電極による遮光性を確保しつつ、安定した動作状態が得られるトランジスターを備えた電気光学装置を提供することができる。
上記に記載の電気光学装置において、半導体層は、ポリシリコンからなり、ソースドレイン電極は、ソースドレイン領域の第2領域と接するバリア層と、バリア層に接する導電層とを含み、バリア層は、導電層よりもシリコンと反応し難い導電部材を含むことが好ましい。
この構成によれば、ポリシリコンからなるソースドレイン領域とソースドレイン電極を構成する導電層との間にバリア層が設けられているので、ポリシリコンと導電層とが反応してソースドレイン電極の電気的な性質が劣化することを防止できる。つまり、ソースドレイン領域とソースドレイン電極との電気的な接続を安定化させることができる。
この構成によれば、ポリシリコンからなるソースドレイン領域とソースドレイン電極を構成する導電層との間にバリア層が設けられているので、ポリシリコンと導電層とが反応してソースドレイン電極の電気的な性質が劣化することを防止できる。つまり、ソースドレイン領域とソースドレイン電極との電気的な接続を安定化させることができる。
上記に記載の電気光学装置において、バリア層はチタンを含む第1層と窒化チタンを含む第2層とを有し、導電層はタングステンを含み、バリア層の第1層がソースドレイン領域の第2領域と接し、バリア層の第1層と導電層との間にバリア層の第2層が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、バリア層のチタンを含む第1層とタングステンを含む導電層との間に、窒化チタンを含む第2層が設けられている。チタンは窒化チタンよりも導電性に優れ、窒化チタンはチタンよりもシリサイド化し難いことから、半導体層を構成するポリシリコンにより導電層に含まれるタングステンがシリサイド化することを確実に防止することができる。つまり、ソースドレイン領域とソースドレイン電極との電気的な接続をより安定化させることができる。
この構成によれば、バリア層のチタンを含む第1層とタングステンを含む導電層との間に、窒化チタンを含む第2層が設けられている。チタンは窒化チタンよりも導電性に優れ、窒化チタンはチタンよりもシリサイド化し難いことから、半導体層を構成するポリシリコンにより導電層に含まれるタングステンがシリサイド化することを確実に防止することができる。つまり、ソースドレイン領域とソースドレイン電極との電気的な接続をより安定化させることができる。
本願の電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本願の構成によれば、半導体層のソースドレイン領域の端部である第2領域に入射した光によるトランジスターの光リーク電流の発生を確実に低減可能な電気光学装置を備えていることから、電気光学装置に強い光が入射しても安定した動作状態を実現可能な電子機器を提供することができる。
本願の構成によれば、半導体層のソースドレイン領域の端部である第2領域に入射した光によるトランジスターの光リーク電流の発生を確実に低減可能な電気光学装置を備えていることから、電気光学装置に強い光が入射しても安定した動作状態を実現可能な電子機器を提供することができる。
10…素子基板、10s…基板としての基材、11a…層間絶縁層としての第1層間絶縁層、30…薄膜トランジスター(TFT)、30a…半導体層、30c…チャネル領域、30d…ソースドレイン領域としてのドレイン領域、30d1…ドレイン領域の第1領域、30d2…ドレイン領域の第2領域、30e,30f…低濃度不純物領域(LDD領域)、30g…ゲート電極、30s…ソースドレイン領域としてのソース領域、30s1…ソース領域の第1領域、30s2…ソース領域の第2領域、31…ソースドレイン電極としてのソース電極、31a…バリア層の第1層、31b…バリア層の第2層、31c…導電層、31d,31t,31v…溝、32…ソースドレイン電極としてのドレイン電極、32a…バリア層の第1層、32b…バリア層の第2層、32c…導電層、32d,32t,32v…溝、100…電気光学装置としての液晶装置、1000…電子機器としての投射型表示装置。
Claims (8)
- チャネル領域と、ソースドレイン領域とを含む半導体層を有するトランジスターと、
前記ソースドレイン領域に電気的に接続された遮光性を有するソースドレイン電極と、を備え、
前記ソースドレイン領域は、前記チャネル領域側の第1領域と、前記チャネル領域側とは反対側に前記第1領域よりも線幅が狭い第2領域とを有し、
前記ソースドレイン電極は、前記ソースドレイン領域の前記第2領域を覆うように設けられている、電気光学装置。 - 前記第2領域は、前記第1領域から前記第2領域の端部に行くほど連続的に線幅が狭くなっており、
前記ソースドレイン電極は、前記第2領域の上面及び側面と接している、請求項1に記載の電気光学装置。 - 基板と、前記基板と前記半導体層との間に層間絶縁層とを有し、
前記層間絶縁層には、平面視で前記ソースドレイン領域の前記第2領域に沿って溝が設けられ、前記ソースドレイン電極の一部は前記溝の内側に設けられている、請求項1または2に記載の電気光学装置。 - 前記溝は、前記層間絶縁層を貫通し、前記基板の前記層間絶縁層側に設けられている、請求項3に記載の電気光学装置。
- 前記半導体層は、前記チャネル領域と前記ソースドレイン領域との間に設けられた低濃度不純物領域を有し、
前記ソースドレイン電極は、前記低濃度不純物領域から離間して設けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記半導体層は、ポリシリコンからなり、
前記ソースドレイン電極は、前記ソースドレイン領域の前記第2領域と接するバリア層と、前記バリア層に接する導電層とを含み、前記バリア層は、前記導電層よりもシリコンと反応し難い導電部材を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記バリア層はチタンを含む第1層と窒化チタンを含む第2層とを有し、
前記導電層はタングステンを含み、
前記バリア層の前記第1層が前記ソースドレイン領域の前記第2領域と接し、
前記バリア層の前記第1層と前記導電層との間に前記バリア層の前記第2層が設けられている、請求項6に記載の電気光学装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019009993A JP2020119999A (ja) | 2019-01-24 | 2019-01-24 | 電気光学装置、電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019009993A JP2020119999A (ja) | 2019-01-24 | 2019-01-24 | 電気光学装置、電子機器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2020119999A true JP2020119999A (ja) | 2020-08-06 |
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ID=71891213
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JP2019009993A Pending JP2020119999A (ja) | 2019-01-24 | 2019-01-24 | 電気光学装置、電子機器 |
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JP (1) | JP2020119999A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022264633A1 (ja) * | 2021-06-14 | 2022-12-22 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 画像表示装置及び電子機器 |
-
2019
- 2019-01-24 JP JP2019009993A patent/JP2020119999A/ja active Pending
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