JP2020119922A - 半導体装置 - Google Patents

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Hiromichi Kanehara
啓道 金原
成雅 副島
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成雅 副島
泰 浦上
Yasushi Uragami
泰 浦上
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Abstract

【課題】電界集中を十分に抑制しながら、半導体基板内の結晶欠陥(二次欠陥)を抑制する。【解決手段】半導体装置は、半導体基板内に設けられている素子領域と、半導体基板内にイオン注入された不純物により構成されており、素子領域を一巡している電界緩和層を備えている。この半導体装置では、電界緩和層は、半導体基板の厚み方向と厚み方向に直交する面内の少なくとも一方において、不純物濃度のピーク位置が分離して出現している。【選択図】図1

Description

本明細書は、半導体装置に関する技術を開示する。
半導体基板内に素子領域が形成され、素子領域を電界緩和層で一巡して囲った半導体装置が特許文献1に開示されている。電界緩和層は、半導体基板に不純物をイオン注入することにより形成されている。電界緩和層を設けることにより、素子領域の終端部分、素子領域の外側の構造(例えばガードリング等)に電界が集中することを抑制している。
特開2018−98324号公報
電界緩和層の不純物濃度を高くしたり、電界緩和層のサイズ(体積)を大きくするに従って、半導体装置内における電界集中が抑制され、半導体装置の耐圧が向上する。しかしながら、上記したように、電界緩和層は、半導体基板に不純物をイオン注入することによって形成される。そのため、電界緩和層の効果(電界集中の抑制)を高くするためには、半導体基板にイオン注入する不純物量を増やすことが必要である。半導体基板にイオン注入する不純物量を増やすと、半導体基板内に結晶欠陥(イオン注入に起因する結晶欠陥)が増加し、その結晶欠陥を原因として半導体基板にひずみが生じたり、その結晶欠陥を起点として半導体基板内に新たな結晶欠陥(二次欠陥)が生じたりすることがある。そのため、従来は、電界集中の抑制と二次欠陥の抑制のバランスを考慮し、不純物のイオン注入量を調整している。本明細書は、半導体装置内における電界集中を十分に抑制しながら、半導体基板内の結晶欠陥(二次欠陥)を抑制する技術を開示する。
本明細書が開示する半導体装置は、半導体基板内に設けられている素子領域と、半導体基板内にイオン注入された不純物により構成されており、素子領域を一巡している電界緩和層を備えている。電界緩和層は、半導体基板の厚み方向とその厚み方向に直交する面内の少なくとも一方において、不純物濃度のピーク位置が分離して出現している。
電界緩和層内において不純物濃度のピーク位置を分離させる、すなわち、電界緩和層内に不純物濃度が高い領域と不純物濃度が低い領域を設けることにより、イオン注入に伴う結晶欠陥(以下、イオン注入欠陥と称する)が生じ得る領域(不純物濃度が高い領域)の各々のサイズを小さくすることができる。その結果、半導体基板内にイオン注入欠陥を起点とした新たな結晶欠陥(二次欠陥)が生じることを抑制することができる。また、不純物が高濃度に含まれる位置(ピーク位置)に生じるひずみは、その周囲の電界緩和層(不純物が低い領域)で緩和することができる。上記半導体装置は、電界緩和層にイオン注入する不純物濃度を低くしたり、電界緩和層のサイズを小さくしたりすることなく、半導体基板に結晶欠陥が生じることを抑制することができる。すなわち、上記半導体装置は、電界集中の抑制効果を十分に確保しながら、結晶欠陥(二次欠陥)を抑制することができる。
半導体装置の平面図を模式的に示す。 図1のII−II線に沿った断面図を示す。 図1のIII−III線に沿った断面図を示す。 第1形態の電界緩和層の拡大図平面図を示す。 図4のV−V線に沿った断面図を示す。 第2形態の電界緩和層の拡大図平面図を示す。 図6のVII−VII線に沿った断面図を示す。 図6のVIII−VIII線に沿った断面図を示す。 第3形態の電界緩和層の拡大図平面図を示す。 図9のX−X線に沿った断面図を示す。 図9のXI−XI線に沿った断面図を示す。 第4形態の電界緩和層の拡大図平面図を示す。 図12のXIII−XIII線に沿った断面図を示す。 図12のXIV−XIV線に沿った断面図を示す。 第5形態の電界緩和層の拡大図平面図を示す。 図15のXVI−XVI線に沿った断面図を示す。 第6形態の電界緩和層の拡大図平面図を示す。 図17のXVIII−XVIII線に沿った断面図を示す。 第7形態の電界緩和層の拡大図平面図を示す。 図19のXX−XX線に沿った断面図を示す。 第8形態の電界緩和層の拡大図平面図を示す。 図21のXXII−XXII線に沿った断面図を示す。 図21のXXIII−XXIII線に沿った断面図を示す。 第9形態の電界緩和層の拡大図平面図を示す。 図24のXXV−XXV線に沿った断面図を示す。 図24のXXVI−XXVI線に沿った断面図を示す。 第1〜第8形態の電界緩和層のまとめを示す。 電界緩和層の第1製造方法を示す。 電界緩和層の第1製造方法を示す。 電界緩和層の第1製造方法を示す。 電界緩和層の第2製造方法を示す。 電界緩和層の第2製造方法を示す。 電界緩和層の第2製造方法を示す。
以下、図面を参照し、本明細書が開示する技術が適用された半導体装置及びその製造方法を説明する。以下の説明では、実質的に共通する構成要素については共通の符号を付し、その説明を省略することがある。
図1から図3を参照し、半導体装置50について説明する。図1は、半導体装置50の平面図を示している。なお、図1では、半導体装置50のうち、半導体基板4のみを示し、半導体基板4上に配置される絶縁膜,電極等の図示を省略している。すなわち、図1は、半導体基板4の表面を示している。
図1に示すように、半導体基板4内は、半導体構造が作り込まれている素子領域8と、素子領域8の外側に設けられている終端領域12を備えている。終端領域12には、素子領域8を囲む複数のガードリング(FLR)2が設けられている。また、半導体基板4内には、素子領域8の端部に沿って、素子領域8を一巡する電界緩和層10が設けられている。電界緩和層10は、ガードリング2の内側に設けられている。なお、素子領域8とは、例えばMOSFETの場合、ドレイン領域、ソース領域、ゲート構造、ドリフト領域等、半導体装置50の機能(スイッチング機能)を発現する構造が作り込まれている領域である。図1では、これらの領域のうち、ゲート構造6のみを示し、他の構造は省略している。また、終端領域12とは、半導体装置50の耐圧を確保するために素子領域8の外側に設けられる領域である。
電界緩和層10は、半導体装置50のキャリアと逆導電型の不純物を半導体基板4にイオン注入することにより形成されている。具体的には、半導体装置50はn型半導体装置(キャリアが電子)であり、電界緩和層10は、半導体基板4にp型不純物をイオン注入することによって形成されている。半導体装置50では、半導体基板4として炭化ケイ素(SiC)が用いられている。そのため、p型不純物として、ボロン(B),アルミニウム(Al)が選択される。なお、半導体基板4として、炭化ケイ素に代えて、シリコン(Si),窒化物半導体(GaN等)を用いることができる。電界緩和層10に用いられる不純物は、半導体基板の材料に応じて選択される。また、半導体装置50がp型半導体装置(キャリアが正孔)の場合、電界緩和層10にはn型不純物がイオン注入される。
図2及び図3に示すように、電界緩和層10は、素子領域8の端部において、半導体基板4の表面から深部に向けて伸びている。また、電界緩和層10は、半導体構造の一部、具体的には、半導体構造の端部に位置するゲート構造6と重複して素子領域8の周りを一巡している(図1も参照)。ゲート構造6は、トレンチゲートであり、トレンチの内壁に設けられた絶縁膜28と、絶縁膜28の内側に配置されたゲート電極26を備えている。ゲート構造6は、半導体基板4の表面側(ドリフト領域20の表面)に設けられたp型のボディ領域22を貫通し、ドリフト領域20に達している。また、ゲート構造6の底部には、p型領域30が設けられている。p型領域30は、ゲート構造6の底部に加わる電界を緩和する。p型領域30は、ボディ領域22から分離している。電界緩和層10は、p型領域30の一部にも重複している。なお、ボディ領域22は、ソース領域(図示省略)とドリフト領域20を分離する領域である。また、半導体基板4の表面は、酸化膜24で被覆されている。
半導体装置50では、電界緩和層10の導電型はp型であるが、その不純物濃度は均一でない。具体的には、電界緩和層10内に、p型不純物の濃度が高い領域(以下、高濃度領域と称する)と、p型不純物の濃度が低い領域(以下、低濃度領域と称する)が存在する。換言すると、電界緩和層10内に高濃度領域が分離して存在しており、電界緩和層10内でp型不純物濃度のピーク位置が分離して出現している。なお、高濃度領域は、電界緩和層10の厚み方向において分離していてもよいし、厚み方向に直交する面内において分離していてもよいし、厚み方向とそれに直交する面内の両方で分離していてもよい。また、高濃度領域は、p型不純物濃度のピーク位置を含む周囲の領域であり、半導体基板に結晶欠陥が生じ得る濃度の不純物がイオン注入された領域である。一方、低濃度領域は、半導体基板に結晶欠陥が生じ得ない濃度の不純物がイオン注入された領域である。
上記したように、半導体装置50では、電界緩和層10内において高濃度領域が分離して存在している。そのため、電界緩和層10内に生じる結晶欠陥の位置が分散し、ひずみ等に起因する二次欠陥(例えば、pn接合部分を貫通する欠陥)の発生を抑制することができる。また、電界緩和層10は、電界緩和層全体のp型不純物濃度を低くして二次欠陥の発生を抑制する形態と比較して、電界緩和効果を向上させることができる。なお、電界緩和層10は、p型領域のみで構成されている。具体的には、低濃度領域が、高濃度領域を囲っており、各高濃度領域を繋いでいる。
(電界緩和層の形態)
図4から図26を参照し、電界緩和層10内において高濃度領域が分離している(p型不純物ピークが分離して出現している)形態を幾つか説明する。なお、図4から図26は、図1の領域40の拡大平面図、あるいは、領域40の拡大断面図に相当する。また、以下に説明する形態は、高濃度領域が分離している形態の一例であり、電界緩和層10内においてp型不純物ピークが分離して出現していれば、高濃度領域は種々の形態を取り得る。
(第1形態)
図4に示すように、電界緩和層10aは、素子領域8の中心から端部に向かう方向(D1方向)において、高濃度領域(p型不純物濃度が高い領域)9と低濃度領域(p型不純物濃度が低い領域)11が交互に出現している。すなわち、複数の高濃度領域9が、電界緩和層10a内に分離して出現している。なお、電界緩和層10aでは、各高濃度領域9は、半導体基板4の厚み方向(D3方向)に直交する面内(D1-D2面内)において、素子領域8の端部を一巡している。換言すると、各高濃度領域9は、素子領域8を囲う周方向(D2方向)に連続して伸びている。また、図5に示すように、高濃度領域9は、半導体基板4の表面から半導体基板4の深部に向けて、D3方向に連続して伸びている。各高濃度領域9の側面及び底面(半導体基板4の表層以外の部分)は、低濃度領域11によって囲われている。電界緩和層10aは、高濃度領域9がD2方向に一巡しているので、電界緩和層10aにおける高濃度領域9の体積(合計体積)を大きく確保することができ、良好な電界緩和効果が得られる。
(第2形態)
図6に示すように、電界緩和層10bは、D2方向において高濃度領域9と低濃度領域11が交互に出現している。また、図6及び図7に示すように、高濃度領域9は、D1方向及びD3方向に連続して伸びている。なお、図7及び図8から明らかなように、各高濃度領域9の側面及び底面は、低濃度領域11によって囲われている。電界緩和層10bは、隣り合う高濃度領域9の間隔を調整することにより、電界緩和層10bにおける高濃度領域9の体積(合計体積)を容易に調整することができる。また、電界緩和層10bは、高濃度領域9がD2方向に一巡していない(高濃度領域9と低濃度領域11が交互に出現している)ので、各高濃度領域9の体積が大きくなることを抑制することができる。電界緩和層10bは、良好な電界緩和効果を得ながら、半導体基板4にイオン注入欠陥に起因する二次欠陥の発生を抑制することもできる。
(第3形態)
図9に示すように、電界緩和層10cは、D1方向及びD2方向の双方において、高濃度領域9と低濃度領域11が交互に出現している。各高濃度領域9は長方形であり、長辺がD1方向に沿って伸びている。また、図10及び図11から明らかなように、高濃度領域9は、半導体基板4の表面から深部に向けて、D3方向に連続して伸びている。各高濃度領域9の側面及び底面は、低濃度領域11によって囲われている。なお、各高濃度領域9の形状(D1-D2面に現れる形状)は、正方形であってよく、その場合、対角線がD1方向に沿って伸びていてよい。電界緩和層10cは、高濃度領域9がD1方向とD2方向の双方において分離している。そのため、各高濃度領域9の体積が小さくなり、電界緩和層10c内においてイオン注入欠陥が生じている領域の体積を小さく抑制することができる。そのため、イオン注入欠陥に起因する二次欠陥の発生を抑制することができる。また、D3方向において、高濃度領域9は半導体基板4の表層から深部まで連続している。そのため、電界緩和層10c内における高濃度領域9の合計体積も十分に確保することができる。
(第4形態)
図12に示すように、電界緩和層10dは、電界緩和層10c(図9も参照)と同様に、D1方向及びD2方向の双方において、高濃度領域9と低濃度領域11が交互に出現している。D1-D2面において、各高濃度領域9は正方形である。なお、電界緩和層10dでは、各高濃度領域9の辺が、D1方向及びD2方向に沿っていない。具体的には、各高濃度領域9の頂点が、D1方向に沿った直線上に位置している。また、図13及び図14から明らかなように、各高濃度領域9の側面及び底面は、低濃度領域11によって囲われている。電界緩和層10dは、電界緩和層10cと同様に、各高濃度領域9の体積を小さくすることができ、電界緩和層10d内のイオン注入欠陥に起因する二次欠陥の発生を抑制することができる。また、D3方向において、高濃度領域9は半導体基板4の表層から深部まで連続している。そのため、高濃度領域9の合計体積も十分に確保することができる。さらに、図12から明らかなように、D1方向において、高濃度領域9が存在しない範囲を小さくすることができる。
上記した電界緩和層10a〜10dは、高濃度領域9が厚み方向(D3方向)に直交する面内(D1-D2面内)においてのみ分離しており、高濃度領域9がD3方向に連続している形態の一例である。なお、各高濃度領域9の形状(D1-D2面内における形状)は、正方形または長方形に限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、三角形、菱形、多角形(五角形以上)、あるいは、不規則な曲線で囲まれた形状であってもよい。
(第5形態)
図15及び図16に示すように、電界緩和層10eは、D3方向において、高濃度領域9と低濃度領域11が交互に出現している。なお、各高濃度領域9は、D1方向及びD2方向の双方に連続して伸びている。すなわち、電界緩和層10eでは、D1-D2面内に、1個の高濃度領域9が設けられている。なお、電界緩和層10eでは、半導体基板4の表層に露出する高濃度領域9を除き、高濃度領域9の全体が低濃度領域11に囲われている。電界緩和層10eは、D3方向において隣り合う高濃度領域9の間隔を調整することにより、電界緩和層10eおける高濃度領域9の合計体積を容易に調整することができる。また、D1-D2面内における高濃度領域9が1個なので、高濃度領域9を形成する(p型不純物を半導体基板4にイオン注入する)ためのマスク層を簡単にすることができる。電界緩和層10eは、高濃度領域9が厚み方向(D3方向)においてのみ分離している形態の一例である。
(第6形態)
図17及び図18に示すように、電界緩和層10fは、D1方向及びD3方向において、高濃度領域9と低濃度領域11が交互に出現している。各高濃度領域9は、D2方向に連続して伸びている。電界緩和層10fは、電界緩和層10a及び10eの変形例であり、両者の特徴を備えている(図4〜5、図15〜16を参照)。電界緩和層10fは、2方向(D1,D3方向)において、高濃度領域9が分離している。そのため、電界緩和層10fは、高濃度領域9がD2方向に一巡しているにも関わらず、各高濃度領域9の体積が大きくなることを抑制することができる。また、電界緩和層10fでは、各高濃度領域9間の距離を調整することにより、電界緩和層10f内における高濃度領域9の合計体積を容易に調整することができる。すなわち、電界緩和層10fは、イオン注入欠陥の体積と、電界緩和層10fの機能(電界緩和効果)を容易に調整することができる。
(第7形態)
図19及び図20に示すように、電界緩和層10gは、電界緩和層10fと同様に、D1方向及びD3方向において、高濃度領域9と低濃度領域11が交互に出現している。但し、図20に示すように、電界緩和層10gは、D3方向において、D3方向で隣り合う高濃度領域9が異なる位置に出現するように形成されている。電界緩和層10gは、深さの異なる複数の高濃度領域9が形成されているにも関わらず、同じ位置に繰り返しイオン注入を行うことが抑制され、半導体基板4内に結晶欠陥が生じることを抑制することができる。なお、電界緩和層10gは、電界緩和層10fと同様に、イオン注入欠陥の体積と、電界緩和層10gの機能を容易に調整することができる。
(第8形態)
図21から図23に示すように、電界緩和層10hは、D1,D2,D3方向の3方向において、高濃度領域9と低濃度領域11が交互に出現している。そのため、電界緩和層10hは、各高濃度領域9の体積を小さくすることができる。なお、電界緩和層10hは、電界緩和層10gと同様に、D3方向において、D3方向で隣り合う高濃度領域9が異なる位置に出現するように形成されている。電界緩和層10hは、各高濃度領域9の体積が小さく、さらに、D3方向で隣り合う高濃度領域9が異なる位置に出現するように形成されているので、結晶欠陥(二次欠陥)の発生をさらに抑制することができる。
(第9形態)
図24から図26に示すように、電界緩和層10iは、電界緩和層10hと同様に、D1,D2,D3方向の3方向において、高濃度領域9と低濃度領域11が交互に出現している(図21〜23も参照)。また、電界緩和層10iは、電界緩和層10dと同様に、各高濃度領域9の辺がD1方向及びD2方向に沿っておらず、各高濃度領域9の頂点がD1方向に沿った直線上に位置している(図12も参照)。すなわち、電界緩和層10iは、電界緩和層10hと電界緩和層10dの特徴を併せ持っている。電界緩和層10iも、電界緩和効果を維持しながら、結晶欠陥(二次欠陥)の発生を抑制することができる。
(第1〜第9形態のまとめ)
図27は、上記した第1〜第9形態について、半導体基板4内における結晶欠陥(二次欠陥)発生の抑制効果、及び、電界緩和効果の得られやすさについてのまとめを示す。図27では、従来の電界緩和層(電界緩和層内の不純物濃度が均一)のものに対し、良好な改善効果が得られる形態に「〇」、特に顕著な改善効果が得られる形態に「◎」、改善効果が僅かな形態に「△」を記している。
図27に示すように、高濃度領域がD1方向とD2方向の2方向で分離している形態(形態3,4,8,9)は、結晶欠陥の発生が顕著に改善される(形態8,9は、D1,D2,D3の3方向に分離している)。但し、高濃度領域がD1方向とD3方向の2方向に分離している形態(形態6,7)は、形態3,4,8,9と比較すると、結晶欠陥発生の抑制効果が低い。形態6,7は、高濃度領域が素子領域を一巡しており(高濃度領域がD2方向で分離していないので)、形態3,4,8,9と比較すると、各高濃度領域の体積が小さくなりにくい。また、高濃度領域が1方向で分離している形態(形態1,2,5)は、他の形態と比較して、結晶欠陥発生の抑制効果が低い。しかしながら、形態2は、形態1,5と比較すると、良好な結晶欠陥発生抑制効果が得られている。形態2は、高濃度領域がD2方向で分離しており、形態1,5と比較すると、各高濃度領域の体積が小さくなりやすい。これらの結果は、各高濃度領域の体積が小さい程、結晶欠陥(イオン注入欠陥に起因する二次欠陥)が発生しにくくなることを示している。
電界緩和効果については、すべての形態において良好な結果を示したが、分離方向数が少ない形態1,2,5は、他の形態よりも高い電界緩和効果が得られる。これは、分離方向数が少ない程、電界緩和層内に占める高濃度領域の体積を大きく確保しやすいことに起因する。
なお、形態4は、高濃度領域が2方向に分離しているが、上記したように、各高濃度領域の辺がD1方向及びD2方向に沿っておらず、D1方向において電界緩和層が存在しない範囲を小さくすることができる。そのため、形態4は、高い結晶欠陥抑制効果を得ながら、高い電界緩和効果を得ることができる。
なお、形態1〜9のいずれも、従来の電界緩和層と比較して、結晶欠陥抑制効果、及び/又は、電界緩和効果の改善がみられる。すなわち、半導体基板の厚み方向(D3方向)と厚み方向に直交する面内(D1−D2面内)の少なくとも一方において、不純物濃度のピーク位置(高濃度領域)が分離して出現していれば、従来よりも電界集中の抑制効果(電界緩和効果)を十分に確保しながら、結晶欠陥(二次欠陥)の発生を抑制することができる。
(第1製造方法)
図28から図30を参照し、電界緩和層10の第1製造方法を説明する。図28〜31は、半導体基板4のうち、電界緩和層10が形成される領域についてのみ示し、素子領域8及びガードリング2が形成される領域(図1を参照)については図示を省略している。なお、本製造方法では、上記した第8形態(図21〜図23)の電界緩和層10hの製造方法について説明する。
まず、図28に示すように、半導体基板4の表面に、電界緩和層10に対応する位置に開口60aを有するマスク層60を形成する。なお、マスク層60の材料は任意であり、例えば、酸化膜、レジスト膜等を用いることができる。その後、半導体基板4の表面からp型不純物(B,Al等)をイオン注入し、半導体基板4内にp型不純物を低濃度に含む低濃度p型領域80を形成する。低濃度p型領域80を形成する際、形成する電界緩和層10の深さに応じて、注入深さを変えてp型不純物を複数回イオン注入する。このときに、注入したp型不純物同士が繋がるように、イオン注入の深さ及びイオン注入回数を調整する。
次に、図29に示すように、マスク層60を除去した後、半導体基板4の表面に、開口62aを有するマスク層64を形成する。なお、マスク層62は、図22に示す位置の高濃度領域9を形成するために用いられる。マスク層62を形成した後、注入深さを変えてp型不純物を複数回イオン注入し、低濃度p型領域80内に高濃度領域9を形成する。このときに、注入したp型不純物同士(高濃度領域9同士)が繋がらないように、イオン注入の深さ及びイオン注入回数を調整する。
次に、図30に示すように、マスク層62を除去した後、半導体基板4の表面に、開口64aを有するマスク層64を形成する。マスク層64は、図23に示す位置の高濃度領域9形成するために用いられる。マスク層64は、開口64aの位置がマスク層62の開口62aの位置と異なる。具体的には、開口64aは、開口62aに対してD2方向にずれている。マスク層64を形成した後、注入深さを変えてp型不純物を複数回イオン注入し、低濃度p型領域80内に高濃度領域9を形成する。イオン注入の際、p型不純物同士(高濃度領域9同士)が繋がらないように、イオン注入の深さ及びイオン注入回数を調整する。これにより、図21〜23に示す電界緩和層10h(第8形態)が完成する。
(第2製造方法)
図31から図33を参照し、電界緩和層10の第2製造方法を説明する。なお、本製造方法においても、図面には電界緩和層10が形成される領域についてのみ示し、他の領域については図示を省略している。また、本製造方法においても、上記した第8形態の電界緩和層10hの製造方法について説明する。
まず、図31に示すように、半導体基板4の表面に、開口68aを有するマスク層68を形成する。マスク層68は、図22に示す位置の高濃度領域9を形成するために用いられる。マスク層68を形成した後、注入深さを変えてp型不純物を複数回イオン注入し、半導体基板4内に高濃度領域9を形成する。このときに、注入したp型不純物同士(高濃度領域9同士)が繋がらないように、イオン注入の深さ及びイオン注入回数を調整する。なお、マスク層68は、第1製造方法で説明したマスク層62と同じ形状である。
次に、図32に示すように、マスク層68を除去した後、半導体基板4の表面に、開口70aを有するマスク層70を形成する。マスク層70は、図23に示す位置の高濃度領域9形成するために用いられる。マスク層70は、第1製造方法で説明したマスク層64と同じ形状である。マスク層70を形成した後、注入深さを変えてp型不純物を複数回イオン注入し、半導体基板4内に高濃度領域9を形成する。イオン注入の際、p型不純物同士(高濃度領域9同士)が繋がらないように、イオン注入の深さ及びイオン注入回数を調整する。
次に、図33に示すように、半導体基板4を熱処理し、高濃度領域9に含まれる不純物を周囲に拡散させる。このときに、各高濃度領域9が拡散した不純物で繋がるように、熱処理温度及び熱処理時間を調整する。なお、必要に応じて、半導体基板4の表面全体をマスク層(図示省略)で被覆する。高濃度領域9から拡散した不純物によって低濃度領域11が形成され、図21〜23に示す電界緩和層10h(第8形態)が完成する。
上記実施例では、トレンチゲートを備えたMOSFETにおいて電界緩和層10を設ける例について説明したが、本明細書で開示する技術は、他の構造の半導体装置に適用することもできる。例えば、本明細書で開示する技術は、プレーナゲート型のMOSFET,トレンチゲート型のIGBT等に適用することもできる。
また、第1、第2製造方法では、電界緩和層10h(第8形態)の製造方法についてのみ説明した。他の形態の電界緩和層についても、実質的に第1又は第2製造方法と同じ製造方法を用いて製造することができる。また、上記した電界緩和層(第1〜第9形態)は、電界緩和層10内に高濃度領域9を分離して形成することができる製造方法であれば、上記した第1,第2製造方法とは異なる製造方法で製造してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
4:半導体基板
8:素子領域
9:高濃度領域(不純物濃度のピーク)
10:電界緩和層
11:低濃度領域
50:半導体装置
D1:厚み方向
D2:周方向(厚み方向に直交する面内)
D3:横方向(厚み方向に直交する面内)

Claims (1)

  1. 半導体基板内に設けられている素子領域と、
    前記半導体基板内にイオン注入された不純物により構成されており、前記素子領域を一巡している電界緩和層と、を備え、
    前記電界緩和層は、前記半導体基板の厚み方向と前記厚み方向に直交する面内の少なくとも一方において、不純物濃度のピーク位置が分離して出現している半導体装置。
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