以下、本発明のサービスシステムの一形態を説明する。本形態のサービスシステムは、ユーザに対して所定のサービスを提供するネットワークシステムの一部として構成されている。以下では、まずネットワークシステムの概要について説明し、その後、サービスシステムが提供する特典サービスに関連する構成を説明する。図1に示すように、ネットワークシステム1は、サーバSVを含んでいる。サーバSVには、第1サービス端末としての第1端末装置群TD1、及び第2サービス端末としての第2端末装置群TD2がネットワークNTを介して接続される。
サーバSVは、一例として、複数のサーバユニット2A、2B…(以下、参照符号2で代表することがある。)が組み合わされた論理的なサーバシステムとして構成される。サーバユニット2はネットワークNT上の特定位置に集合的に設置されてもよいし、クラウドコンピューティングを利用してネットワークNT上で分散して設置されることにより、いわゆるクラウド型のサーバシステムを構成するように設けられてもよい。ネットワークNTは、サーバSVに対して端末装置群TD1、TD2に含まれる各種の端末装置と通信可能に接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、サーバSV及び各端末装置群TD1、TD2に含まれる各種の端末装置のそれぞれをインターネットに接続するLAN、あるいはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等を含んでよい。
各端末装置群TD1、TD2は、サーバSVとの通信を介して各種のサービスをユーザに提供するクライアントとして機能する点では互いに共通する。つまり、各端末装置群TD1、TD2は、サーバSVと通信可能な端末装置の集合である。そして、各端末装置群TD1、TD2は、いずれもサーバSVを利用しつつ各種のサービスを提供する。一方で、各端末装置群TD1、TD2は、一方のサービスの提供が他方のサービスの利用履歴に基づいて制御されるという観点(サービス提供に関する主従の観点)から区分される。具体的には、第1端末装置群TD1は、第1サービスを提供するための端末装置の集合である。一方、第2端末装置群TD2は、第1サービスとは別の第2サービスを提供するための端末装置の集合である。第2サービスは、特典サービスを含んでいる。特典サービスは、第1サービスの利用履歴に基づいて特典を付与するためのサービスである。つまり、特典サービスは、第1サービスの利用履歴に基づいて制御される。そして、第2サービスは、このような特典サービスを介して第1サービスの利用履歴を利用する。なお、各端末装置群TD1、TD2は排他的に設定されるものではない。すなわち、同一の端末装置が2以上の端末装置群のそれぞれの端末装置として機能してもよい。
図1の例では、第1端末装置群TD1として複数の自動販売機5が示されている。自動販売機5は、所定の施設に配置され、一又は複数の商品を販売する販売装置である。自動販売機5が販売する商品は、飲料、食品、新聞、雑誌、書籍、玩具といった各種の物品から適宜に設定されてよい。乗車券、入場券、チケット等の券種を販売する券売機、ユーザを撮影して印刷出力する撮影機等も自動販売機の概念に含まれる。あるいは、給油機も自動販売機の概念に含まれてよい。また、第1端末装置群TD1は、物理的な商品を取り扱う自動販売機5に限定されず、料金の支払いと引き換えに一定の役務、あるいは無形の商品を提供する装置が含まれてよい。例えば、ユーザに動画等を視聴させる装置、通貨を両替して提供する両替機、洗濯や洗車といった一定のサービスを提供する装置、ユーザが求める情報を有償で提供する装置等が第1端末装置群TD1として機能してよい。つまり、第1端末装置群TD1として各種の販売装置が機能してよい。この場合、自動販売機5を介して提供される商品の販売等が本発明の第1サービスとして機能する。
また、図1の例では、第2端末装置群TD1としてゲーム機3A、3B、3C…(以下、参照符号3で代表することがある。)が示されている。ゲーム機3はいずれもゲーム装置の一例である。ゲーム機3A、3Bはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の支払いと引き換えにユーザにゲームをプレイさせる業務用ゲーム機として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。ゲーム機3Cはユーザの個人的な使用に供される携帯型のゲーム機である。この他にも、家庭用の据置型ゲーム機等が第2端末装置群TD1におけるゲーム機3として機能してよい。また、スマートフォン等の携帯電話機又は携帯情報端末(タブレット端末、及びパーソナルコンピュータを含む)がゲーム機3の一種として第2端末装置群TD2に含まれてもよい。この場合、ゲーム機3を介して提供されるゲームが本発明の第2サービスとして機能する。ただし、第2端末装置群TD2の端末装置は、ゲーム機3に限定されない。第1端末装置群TD1が提供するサービスの利用履歴に基づくサービスを提供する限り、各種のサービスを提供する各種の端末装置が第2端末装置群として機能してよい。例えば、上述のような各種の販売装置が第2端末装置群TD2として機能してもよい。なお、第1サービス及び第2サービスの提供者は一致していても相違していてもよい。同様に、第1端末装置群TD1及び第2端末装置群TD2は同じ施設に設置されてもよい。つまり、自動販売機5は、例えばゲーム機3が設置されるアミューズメント店舗に設置されてもよい。
(第1の形態)
図2を参照して第1の形態に係るネットワークシステム1にて実現される特典サービスの概要を説明する。以下では、第1端末装置群TD1の端末装置、及び第2端末装置群TD2の端末装置が、それぞれ自動販売機5、及びゲーム機3Aであり、第1サービス及び第2サービスの提供者が相違している場合を例として説明する。ネットワークシステム1では、ゲーム機3を利用するユーザに対して適用されるべき特典が、自動販売機5におけるユーザの利用履歴と関連付けて制御される。そのような制御を実現するため、ネットワークシステム1のサーバSV上には、利用管理システム10、決算システム20、顧客管理システム30、及びコンテンツシステム40が構築される。これらのシステム10、20、30、40はサーバSVに含まれるサーバユニット2を適宜に利用して実現されるシステムである。
利用管理システム10は、例えばサーバユニット2Aを利用し、自動販売機5を利用するユーザUに対して所定のサービスを提供するシステムとして構築される。このようなサービスは、カードCDによる決算を許容するように自動販売機5にカードリーダCRが設けられている場合、カードCDを介して商品の購入代金の支払いを実現するための決算サービスを含む。カードCDには、例えば、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体が設けられ、このような不揮発性記憶媒体等を介して各ユーザUを直接的或いは間接的に識別するための識別情報が記録される。カードリーダCRは、このようなカードCDの識別情報を読取るための装置であり、例えば近距離無線通信を利用し、そのような識別情報を非接触状態で読み取る周知の装置として構成される。そして、利用管理システム10は、このようなカードCDを利用する決算サービスを決算システム20と連携して実現する。なお、カードCDは各種の手法で情報を記録可能なように適宜に構成されてよい。同様に、カードリーダCRは、そのような情報を読み取り可能なように適宜に構成されてよい。
決算システム20は、例えばサーバユニット2B、口座残高データベースDB1、及び消費履歴データベースDB2を利用し、カードCDを介して各種サービスに関する支払いの決算を実行するためのシステムとして構築される。口座残高データベースDB1は、サービスの決算に使用可能な仮想通貨の量(残高)をユーザU毎に設けられた仮想口座に記録するためのサーバユニット2である。消費履歴データベースDB2は、仮想通貨の消費履歴をユーザ毎に記録するためのサーバユニット2である。これらのデータベースDB1、DB2では、各ユーザを識別するためにユーザ毎にユニークなユーザIDをキーに仮想口座、及び消費履歴が管理される。決算システム20は、このような口座残高データベースDB1に基づいて各ユーザUに関連付けられる仮想口座の残高から代金の支払いを決算(減算)することにより決算サービスを実現する。そして、決算システム20は、その決算結果を消費履歴として消費履歴データベースDB2に記録する。また、例えば各ユーザUを間接的に識別する識別情報として各カードCDを識別するためにカードCD毎にユニークなカードIDがカードCDに記録されている場合、決算システム20は、このようなカードIDから各ユーザUを特定する。決算システム20は、このようなユーザIDの特定を顧客管理システム30と連携して実現する。
なお、決算サービスを実現するための決算処理は、既に実用に供されている各種の決算処理と同様でよい。例えば、カードCDには、識別情報に代えて、或いは加えて、決算時間の短縮等の目的のために仮想通貨の残高を示す残高情報が直接的に記録されていてもよい。この場合、決算システム20は、決算結果として利用管理システム10から提供される消費履歴の情報を管理してもよい。つまり、決算システム20には、口座残高データベースDB1が設けられていなくてもよい。また、仮想通貨には現実の通貨によって購入される電子的通貨(間接的な仮想通貨)、及び現実の通貨の量を示す電子的通貨(直接的な仮想通貨)の両方が含まれる。このため、カードCDとしてクレジットカード或いはデビットカードといった直接的な仮想通貨を介して決算するためのカードが利用されてもよい。間接的な仮想通貨は、スマートフォン或いはパーソナルコンピュータといったユーザ端末を介してクレジットカードその他の決算機能を通じて入金(残高の増加)が実現されてよい。このような入金を実現するための入金処理も既に実用に供されている各種の入金処理と同様でよい。結果として、決算システム20には、このようなユーザ端末が直接的、或いは間接的に接続されてよい。ユーザ端末が決算システム20に間接的に接続される場合、決算システム20に接続される入金処理専用のシステムが別途構築されてもよいし、コンテンツシステム40その他のシステムがそのようなシステムとして機能してもよい。
顧客管理システム30は、例えばサーバユニット2C、及び顧客データベースDB3を利用し、カードIDを記録するカードCDが利用される場合に、各ユーザUが所有するカードCDをユーザU毎に管理するためのシステムである。顧客管理システム30は、このような管理の一部として、上述のように決算システム20と連携してカードIDに基づくユーザIDの特定も実行する。顧客データベースDB3は、各ユーザUが所有するカードCDをユーザU毎に記録するためのサーバユニット2である。また、顧客管理システム30は、自動販売機5と同様に、カードCDによる決算を許容するようにゲーム機3AにカードリーダCRが設けられている場合、カードCDを介してゲームをプレイするための対価の支払いを実現するために、決算システム20と連携して上述のような決算サービスをコンテンツシステム40にも提供する。なお、自動販売機5における商品の購入代金、或いはゲーム機3Aにおける対価の支払は、現金によって決算されてもよい。この場合、後述の決算サービスの手順では、別途ユーザを識別するためのカードCDの使用(あるいは同様の識別情報の直接入力)に伴い、代金の決算を除く管理に必要な情報(消費額等)が同様に処理されてよい。
コンテンツシステム40は、例えばサーバユニット2D、コンテンツデータベースDB4、及び提供履歴データベースDB5を利用し、ゲーム機3Aを利用するユーザUにゲームに関連する各種のサービスを提供するシステムとして構築される。コンテンツデータベースDB4は、ゲーム毎の特典、及びその特典付与のための条件を記録するためのサーバユニット2である。提供履歴データベースDB5は、そのような特典の付与状況をユーザU毎に記録するためのサーバユニット2である。そして、コンテンツシステム40は、ゲームに関連するサービスの一部として、これらのコンテンツデータベースDB4、及び提供履歴データベースDB5を利用しつつ、顧客管理システム30と連携して特典サービスを実現する。特典サービスの詳細は更に後述する。
次に、図3及び図4を参照して、上述の決算サービス、及び特典サービスを提供するために実行される処理の概略的な手順の一例について説明する。まず図3を参照して決算サービスの詳細について説明する。図3は、利用管理システム10に決算サービスを提供するための処理の概略的な手順の一例を示す図である。図3の例は、カードCDにカードIDの情報が記録され、このカードIDの情報がカードCDによる決算時に利用される場合を示している。この場合、図3に示すように、利用管理システム10に提供される決算サービスは、6つの手順(F11〜F16)を含んでいる。そして、このような6つの手順を介して決算サービスが実現される。なお、図3及び図4のそれぞれにおいて図中の手順に直接関係しないサーバ等はグレーにて示してある。
具体的には、まず自動販売機5からカードCDによる決算に必要な決算用の情報が利用管理システム10に提供される(F11)。決算用の情報には、カードID、端末ID、及び消費額の情報が含まれる。カードIDの情報は、カードリーダCRを介してカードCDから取得される。消費額の情報は、決算対象の商品を購入するために必要な代金として消費されるべき仮想通貨の額を示す情報である。消費額の情報は、決算対象の商品に対応する代金の情報として自動販売機5によって決算時に付与される。端末IDは、各自動販売機5を識別するために自動販売機5毎にユニークな情報である。端末IDの情報は、カードCDの利用時に各自動販売機5によって決算対象の自動販売機5(自己)を示す情報として付与される。
次に、その決算用の情報が利用管理システム10から決算システム20に提供される(F12)。なお、端末IDの情報は、利用管理システム10によって付与されてもよい。この場合、自動販売機5から利用管理システム10に提供される情報には、端末IDの情報が含まれていなくてもよい。つまり、自動販売機5からカードID、及び消費額の情報が提供され、その情報に端末IDの情報を付加することにより利用管理システム10によって決算用の情報が生成されてもよい。
続いて、その決算用情報のうちカードIDの情報が決算システム20から顧客管理システム30に提供される(F13)。決算システム20からカードIDの情報が顧客管理システム30に与えられると、顧客管理システム30にてそのカードIDに対応するユーザIDが特定される。具体的には、顧客データベースDB3は、カードIDを示す“カードID”、及びユーザIDを示す“ユーザID”の情報を含んでいる。顧客管理システム30は、この顧客データベースDB3を参照し、与えられたカードIDに対応付けられるユーザIDを特定する。そして、その特定されたユーザIDの情報が顧客管理システム30から決算システム20に提供される(F14)。この場合、ユーザIDの情報は、そのユーザIDに対応するカードID(決算システム20から提供されたものと同じカードID)付きで提供されてもよい。
ユーザIDの情報が決算システム20に与えられると、そのユーザIDに基づいて決算システム20にて決算が実行される。具体的には、口座残高データベースDB1は、ユーザIDを示す“ユーザID”、及び口座残高を示す“口座残高”の情報を含んでいる。そして、決算システム20では、このような口座残高データベースDB1に基づいてそのユーザIDに対応する口座残高が特定され、口座残高から決算用の情報に含まれる消費額が減算される。また、消費履歴データベースDB2は、ユーザIDを示す“ユーザID”、端末IDを示す“端末ID”、及び消費額を示す“消費額”の情報を含んでいる。そして、決算システム20では、更にそのユーザIDに対応する消費額、及び消費した端末IDの情報が消費履歴として消費履歴データベースDB2に記録される。つまり、消費額の決算の実行に伴い、決算システム20では、そのような消費履歴の情報が消費履歴データベースDB2の更新により管理される。なお、消費履歴データベースDB2には、その他にも例えば消費日時、施設、或いは本数等の適宜の情報が消費履歴として記録されてよい。
さらに、そのような決算の後にその結果が決算システム20から利用管理システム10に提供される(F15)。具体的には、決算システム20において決算が正常に処理できた(消費額の減額が成功した)場合には決算の成功を示す情報が、決算システム20による決算が失敗した場合(例えば口座残高の不足等により消費額を減算できなかった場合、あるいは通信障害等に伴う情報の送受信不可により決算が実行できなかった場合等)には決算の失敗を示す情報が、それぞれ決算結果として利用管理システム10に提供される。この場合において、仮想通貨、及び口座残高データベースDB1に記録される“口座残高”の情報が本発明の価値、及び残高情報としてそれぞれ機能する。また、このような情報を記録することにより口座残高データベースDB1が本発明の残高保持手段として機能する。同様に、消費履歴データベースDB2の消費履歴の情報(“ユーザID”、“端末ID”、及び“消費額”等の情報)が本発明の第1サービスの利用履歴として機能する。結果として、このような消費履歴データベースDB2が設けられる決算システム20が本発明の履歴管理システムとして機能する。
決算結果が利用管理システム10に提供されると、利用管理システム10から自動販売機5のその決算結果が提供される(F16)。そして、その決算結果が決算成功の場合には自動販売機5にて商品が実際にユーザUに提供される。一方、その決算結果が決算失敗の場合には自動販売機5にてその結果がユーザUに提供される。一例として、このような手順により決算サービスは利用管理システム10(換言すれば利用管理システム10を介して自動販売機5のユーザU)に提供される。なお、決算結果に基づく商品提供の可否は利用管理システム10にて判別されてもよい。この場合、自動販売機5には、その提供の可否結果(提供可、或いは不可を示す情報)が利用管理システム10から提供されてもよい。つまり、決算結果に基づく商品提供の可否は、自動販売機5にて実行されてもよいし、利用管理システム10にて実行されてもよい。
次に、図4を参照して特典サービスの詳細について説明する。図4は、ゲーム機3Aに特典サービスを提供するための処理の概略的な手順の一例を示す図である。図4の例は、図3の例と同様に、カードCDにカードIDの情報が記録され、このカードIDの情報がカードCDによる決算時に利用される場合を示している。このため、図4の例は、コンテンツシステム40(換言すればコンテンツシステム40を介してゲーム機3AのユーザU)に提供される決算サービスの手順も含んでいる。この場合、図4に示すように、特典サービスは、6つの手順(F21〜F26)を含み、これらのうちF21〜F23までの手順は決算サービスとして機能する。このような決算サービスを含む6つの手順を介して特典サービスが実現される。なお、6つの手順のうち決算サービスを実現するF21〜F23までの手順を除く残りの手順が特典サービスとして機能してもよい。
具体的には、カードCDの使用に伴い、まずゲーム機3AからカードCDによる決算に必要な決算用の情報がコンテンツシステム40に提供される(F21)。決算用の情報には、カードID、及び消費額の情報が含まれる。これらの情報の付与は図3の例と同様である(ただし、自動販売機5及び利用管理システム10の役割は、ゲーム機3A及びコンテンツシステム40がそれぞれ実行する)。そして、その決算用の情報はコンテンツシステム40から顧客管理システム30に提供される(F22)。なお、決算用の情報には、図3の例と同様に、各ゲーム機3Aを識別するためにゲーム機3A毎にユニークな端末ID(自動販売機5の端末IDとは別体系のもの)が含まれていてもよい。
決算用の情報が顧客管理システム30に与えられると、顧客管理システム30にてそのカードIDに対応するユーザIDが特定され、その特定されたユーザID、及び決算用の情報に含まれる消費額の情報が顧客管理システム30から決算システム20に提供される(F23)。カードIDに基づくユーザIDの特定から決算システム20への提供までの手順は、図3の例における手順と同様のため説明を省略する。この場合において、カードIDが本発明の特定情報として機能する。
ユーザIDの情報が決算システム20に与えられると、決算システム20にて決算が実行される。決算システムにて実行される決算は、図3の例と同様のため説明は省略する。そして、その決算結果が決算システム20から顧客管理システム30に提供される(F24)。また、決算が成功した場合には、決算システム20にて、その決算対象のユーザIDに対応付けられる消費履歴の情報が特定される。この特定は、消費履歴データベースDB2に基づいて実行される。具体的には、その決算対象のユーザIDに対応付けられる“端末ID”及び“消費額”(自動販売機5における消費額)の情報が消費履歴データベースDB2に基づいて消費履歴の情報として特定される。そして、このような消費履歴の情報が顧客管理システム30に提供される決算結果に含まれる。なお、後述のとおり提供履歴データベースDB5では消費履歴の検索履歴(問い合わせ履歴)が管理されていてもよい。この場合、消費履歴の要求(決算に付随する場合は決算の要求)に検索履歴が含まれていてもよい。あるいは、このような検索履歴は消費履歴データベースDB2で管理されていてもよい。そして、このような場合、消費履歴の特定には、その検索履歴が利用されてよい。具体的には、例えば、消費履歴の特定は、検索履歴に基づいて検索済みか否か判別され、未検索の消費履歴だけが検索及び特定されてもよい。
決算結果が顧客管理システム30に与えられると、その決算結果は顧客管理システム30からコンテンツシステム40に提供される(F25)。決算成功の場合、その決算の結果には、消費履歴の情報が含まれる。このため、コンテンツシステム40に提供される決算結果にも、ユーザID、端末ID、及び消費額の情報が含まれる。なお、ゲーム機3Aでは各種の対応で対価が支払われてよい。例えば、ゲーム機3Aでは、現金、或いは決算システム10以外の他の決算システムを使用したカード(例えばクレジットカード等)が対価の支払いに使用されてもよい。このため、消費履歴は、決算の結果とは別にコンテンツシステム40に提供されてもよい。この場合、例えば決算の終了(成功)に伴い、その情報を受け取ったコンテンツシステム40から消費履歴の要求が顧客管理システム30に提供され(F22)、必要に応じて顧客管理システム30においてユーザIDが特定された後(例えばユーザIDが既に特定されている場合、あるいは消費履歴を特定するための別の情報を既にその要求が含んでいる場合は不要)にその要求が決算システム20に提供されてよい(F23)。そして、その要求に基づいて決算システム10において特定された消費履歴が顧客管理システム30を経由(F24)してコンテンツシステム40に提供されてもよい(F25)。つまり、コンテンツシステム40からの要求に応じて決算の結果とは別に消費履歴だけがコンテンツシステム40に提供されてもよい。
決算結果がコンテンツシステム40に与えられると、その決算結果がゲーム機3Aに提供される(F26)。消費履歴が特典条件を満たす場合には、この決算結果には特典内容の情報が含まれる。このため、決算結果がコンテンツシステム40に与えられると、コンテンツシステム40にて、コンテンツデータベースDB4及び提供履歴データベースDB5を参照しつつ、消費履歴の情報が特典条件を満たすか否か判別される。
具体的には、コンテンツデータベースDB4は、“ゲームID”、“特典条件”、及び“特典内容”の情報を含んでいる。“ゲームID”は、各ゲームを識別するためにゲーム毎(各ゲーム機3Aが一種類のゲームしか提供しない場合にはゲーム機3A毎)にユニークなゲームIDを示す情報である。“特典条件”は、特典付与の可否を判別するための特典条件を示す情報である。例えば特典条件が自動販売機5の商品の品番(例えば、第1端末装置群TD1にゲーム機3が含まれる場合、この情報により第1サービスがゲームであること、あるいは第1端末装置群TD1がゲーム機3であることが識別されてよい。つまり、この情報は各種の第1サービスの種類を特定する情報として機能してもよい)、商品の購入数、購入時期、購入場所(自動販売機5の設置場所)、付与履歴(既に同様の特典を付与済みか否か示す情報)を要件に含む場合、このような要件を示す情報が“特典条件”として記述される。“特典内容”は、特典条件が満たされる場合に付与される特典の内容を示す情報である。特典として、例えば、報酬(ゲーム内における各種の価値を示すポイント、又はプレイ代金の割引、若しくは免除を含む)の提供、或いはアイテムの付与が利用される場合、これらを示す情報が“特典内容”に記述される。コンテンツデータベースDB4は、これらの情報を関連付けて管理する。
なお、特典条件として、商品の品番、商品の購入数、購入時期、購入場所、或いは付与履歴等が利用される場合、消費履歴データベースDB2は、これらの情報を消費履歴として管理してよい。つまり、決算システム20は利用管理システム10から、これらの情報を取得し、消費履歴として消費履歴データベースDB2に反映してよい。さらに、消費履歴データベースDBは、その他にもいわゆるビックデータに分類される各種の消費情報を消費履歴として管理してよい。そして、このような各種の消費情報が特典条件として利用されてよい。
また、提供履歴データベースDB5は、ユーザIDを示す“ユーザID”、及び“提供履歴”の情報を含んでいる。“提供履歴”の情報は、自動販売機5の消費履歴に基づく特典提供の履歴を示す情報である。例えば、“提供履歴”の情報として、特典付与の有無(消費履歴の参照の有無でもよい)を示す情報、特典付与の日時を示す情報、特典付与の回数、特典を付与したゲーム機3A(若しくはゲーム)、或いは施設を示す情報等が利用されてよい。また、例えばその他にも消費履歴データベースDB2に対する消費履歴の検索条件、検索範囲、及びその結果等の検索履歴が提供履歴の情報として利用されてもよい。提供履歴データベースDB5は、これらの情報を関連付けて管理する。この場合、提供履歴データベースDB5の“提供履歴”の情報、及び提供履歴データベースDB5が、本発明の提供履歴、及び履歴保持手段としてそれぞれ機能する。なお、コンテンツデータベースDB4、及び提供履歴データベースDB5は一つのデータベースとして構築されてもよい。つまり、そのような一つのデータベースに、“ゲームID”、“特典条件”、“特典内容”、“ユーザID”、及び“提供履歴”等のコンテンツデータベースDB4、及び提供履歴データベースDB5に記述される全情報が記録されてよい。そして、その一つのデータベースがコンテンツデータベースDB4、及び提供履歴データベースDB5として機能してよい。
コンテンツシステム40では、このようなコンテンツデータベースDB4の“特典条件”に対応する特典条件を顧客管理システム30から提供された消費履歴の情報が満たすか否か判別される。特典条件が付与履歴を要件に含む場合、この判別のために提供履歴データベースDB5の“提供履歴”の情報が更に参照される。そして、特典条件が満たされる場合に、コンテンツデータベースDB4の“特典内容”に基づいて特典内容の情報がゲーム機3Aに提供される。さらに、コンテンツシステム40では、特典条件に基づいて特典が付与される場合に、提供履歴データベースDB5の“提供履歴”の情報が更新される。すなわち、今回の提供結果を反映する情報が“提供履歴”の情報として提供履歴データベースDB5に記述される。なお、コンテンツシステム40は、ゲーム毎、換言すれば第2端末装置群TD2の種類(同じアーケードゲーム機であっても種類が相違する場合は別の種類と判断されてよい)毎に設けられていてもよい。例えば、同じ運営者が管理するゲーム機3であってもゲーム機3の種類毎に担当者、或いは担当チームが相違する場合もある。このような場合、そのような担当者、或いは担当チーム毎にコンテンツシステム40が構築されている方がメンテナンス性等の観点から好ましい場合も多い。
決算結果がゲーム機3Aに与えられると、その決算結果に従ってゲーム機3Aにてゲームの提供が制御される。具体的には、決算が失敗の場合にはゲームの提供は不可とされる。つまり、ゲームが提供されないようにゲームが制御される。この場合、決算失敗を示す情報が通知されてもよい。一方、決算が成功の場合には、ゲームの提供が許可され、ゲーム機3Aにて実際にゲームがユーザUに提供される。さらに、特典条件が満たされている場合には、そのゲームに特典が付与される。つまり、ゲームのプレイが許可されるだけでなく、そのゲームに特典が付与されるようにゲームの提供が制御される。一例として、このような手順によりコンテンツシステム40、及び顧客管理システム30を介して特典サービスはゲーム機3A(換言すればユーザU)に提供される。そして、この場合、コンテンツシステム40及び顧客管理システム30の組合せによりサービスシステムが構築される。なお、決算システムは、サービスシステムの一部として機能してもよいし、サービスシステムとは別のシステムとして機能してもよい。
次に、ネットワークシステム1のうち、特典サービスに関わる制御系の要部の構成について説明する。図5は、ネットワークシステム1の制御系の要部を示す機能ブロック図である。なお、図5の構成は、図2のネットワークシステム1の構成の具体例の一つであり、図2に対応する構成要素には図2と共通の参照符号が付されている。
図5に示すように、決算システム20には、制御部21と、記憶部22とが設けられる。記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部22には、制御部21にて参照されるべきコンピュータプログラムPG1及び各種のデータ(不図示)が記憶される。制御部21は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源を利用して構成される。制御部21には、制御部21を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG1との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例では特典サービスに関連する論理的装置として、顧客特定部23、決算実行部24、及び履歴管理部25が設けられている。
顧客特定部23は、決算(仮想通貨の消費)を要求するユーザUを特定するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、利用管理システム10から仮想通貨の消費の要求としてカードIDの情報が提供される場合に、顧客管理システム30と連携してそのカードIDに対応するユーザID(換言すればユーザU)を特定するための処理を実行する。決算実行部24は、ユーザUからの要求に従って決算を実行するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、決算実行部24は、顧客特定部23が顧客管理システム30と連携して特定したユーザIDに基づいて決算を要求するユーザUの残高口座を特定し、そこから要求の消費額を減算するための処理を実行する。履歴管理部25は、消費履歴を管理するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、履歴管理部25は、決算実行部24が実行した決算結果に基づいて消費履歴データベースDB2を更新する(消費履歴の情報を消費履歴データベースDB2に反映する)処理を実行する。
顧客管理システム30には、制御部31と、記憶部32とが設けられる。記憶部32は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部32には、制御部31にて参照されるべきコンピュータプログラムPG2及び各種のデータ(不図示)が記憶される。制御部31は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源を利用して構成される。制御部31には、制御部31を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG2との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例では特典サービスに関連する論理的装置として、顧客管理部33、及び履歴取得部34が設けられている。
顧客管理部33は、各ユーザUに対応するユーザIDを管理するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、顧客管理部33は、このような管理の一つとして、ユーザIDとカードIDとを管理付けて管理する顧客データベースDB3の参照、及び更新等を実行する。具体的には、顧客管理部33は、決算システム20の顧客特定部23と連携して、利用管理システム10から提供されたカードIDに対応するユーザIDを顧客データベースDB3に基づいて特定し、その特定結果を顧客特定部23に提供する。また、顧客管理部33は、決算システム20による決算結果を取得し、コンテンツシステム40に提供する処理も行う。履歴取得部34は、決算システム20の消費履歴データベースDB2から消費履歴の情報を取得するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、履歴取得部34は、ゲーム機3Aから仮想通貨の消費が要求された場合に、その消費を要求するユーザUに対応する消費履歴の情報を決算システム20に要求し、取得する。
コンテンツシステム40には、制御部41と、記憶部42とが設けられる。記憶部42は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部42には、制御部41にて参照されるべきコンピュータプログラムPG3及び各種のデータ(不図示)が記憶される。制御部41は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源を利用して構成される。制御部41には、制御部41を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG3との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例では特典サービスに関連する論理的装置として、支払制御部43、ゲーム制御部44、及び履歴管理部45が設けられている。
支払制御部43は、ゲーム機3Aの支払に関連する各種の処理を行う論理的装置である。例えば、支払制御部43は、ゲーム機3Aから提供されたカードIDの情報を顧客管理システム30の顧客管理部33に提供する。また、支払制御部43は、その顧客管理部33から決算結果を取得し、その決算結果に従った決算の可否(ゲーム機3Aがゲームを提供するために必要な情報)をゲーム機3Aに提供する処理も行う。ゲーム制御部44は、ゲーム機3Aが提供するゲームを自動販売機5の利用履歴(消費履歴データベースDB2で管理される消費履歴)に基づいて制御するための各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、特典条件の判別、及び特典条件に対応する特典の付与が含まれる。具体的には、ゲーム制御部44は、顧客管理システム30の履歴取得部34から消費履歴を取得し、その消費履歴がコンテンツデータベースDB4の特典条件を満たすか否か判別する。その際、ゲーム制御部44は必要に応じて提供履歴データベースDB5の“提供履歴”の情報を参照する。そして、特典条件が満たされる場合には、ゲーム制御部44はゲーム機3Aが提供するゲームに特典を付与する。例えば、この付与は、特典内容をゲーム機3Aに提供することにより実現される。つまり、ゲーム制御部44は、このような特典内容の提供を利用し、特典が付与されるようにゲーム機3Aが提供するゲームを制御する。履歴管理部45は、消費履歴に基づく特典の提供履歴を管理するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、履歴管理部45は、ゲーム制御部44がゲーム(換言すればそのゲームをプレイするユーザU)に特典を付与した場合に、その特典付与の結果に基づいて提供履歴データベースDB5を更新(提供履歴の情報を提供履歴データベースDB5に反映する)する。
次に、図6〜8を参照して、特典サービスに関連してネットワークシステム1の各部で実行される処理を説明する。図6は、自動販売機5の利用履歴を管理するために決算システム20の制御部21が実行する履歴管理処理の手順の一例を示している。自動販売機5における商品の購入に伴い、決算システム20にてその購入代金の決算が実行されると、制御部21の履歴管理部25は図6の履歴管理処理を開始し、まずその決算結果を取得する(ステップS101)。決算システム20では、カードIDを記録するカードCDが決算に使用された場合でも、そのカードIDに基づいて顧客特定部23と顧客管理システム30の顧客管理部33との連携によりユーザIDが特定される。このため、決算結果には、ユーザID、端末ID、及び消費額の情報が含まれる。履歴管理部25は、このような情報を決算結果として取得する。
続いて履歴管理部25は、消費履歴データベースDB2の消費履歴を更新する(ステップS102)。具体的には、履歴管理部25は、決算結果に含まれる端末ID及び消費額を消費履歴として、同様に決算結果に含まれるユーザIDに関連付けるように消費履歴データベースDB2を更新する。そして、履歴管理部25は、このような更新の後に今回の履歴管理処理を終了する。これにより、決算システム20による決算結果、換言すれば自動販売機5の利用履歴が消費履歴データベースDB2に反映される。そして、自動販売機5の利用履歴が、そのような消費履歴データベースDB2を介して管理される。
図7は、特典サービスに伴う特典の付与を実現するためにコンテンツシステム40の制御部41、顧客管理システム30の制御部31、及び決算システム20の制御部21が実行する特典付与処理の手順の一例を示している。なお、図7の例では、制御部41、制御部31、及び制御部21によって主として実行される処理が、コンテンツ、顧客管理、及び決算として、それぞれ示されている。
ゲーム機3Aにてゲームをプレイするための対価の支払いに伴いカードCDが使用されると、決算処理の一部として、制御部41のゲーム制御部44は図7の特典付与処理を開始し、まず消費履歴を顧客管理システム30に要求する(ステップS201)。ゲーム制御部44は、この要求を決算用の情報を顧客管理システム30に送信することにより実行する。具体的には、ゲーム制御部44は、ゲーム機3Aから取得したカードID、及び消費額の情報を決算用の情報として顧客管理システム30に送信する。この場合、これらの情報の送信が消費履歴の要求(更には決算システム20における決算処理の要求)として機能する。なお、消費履歴は、例えば現金で対価が支払われた場合等、決算処理とは別に要求されてもよい。この場合、図7の例のステップS401、及びステップS203は省略され、ステップS403及びS303では決算結果の代わりに消費履歴だけが送信されてもよい。既にユーザIDが特定されている場合はステップS301も同様に省略されてよい。そして、ステップS202では消費履歴だけが取得されてよい。
一方、ゲーム制御部44から消費履歴が要求されると、制御部31の履歴取得部34は、図7の特典付与処理を開始して、まず消費履歴の要求に対応するユーザIDを特定する(ステップS301)。消費履歴の要求は決算用の情報の送信により実現されているため、消費履歴の要求にはカードIDが含まれる。履歴取得部34は、このカードIDに基づいてユーザIDを特定する。具体的には、履歴取得部34は、顧客データベースDB3を参照し、そこでそのカードIDに対応付けられるユーザIDを特定する。続いて履歴取得部34は、決算システム20に消費履歴を要求する(ステップS302)。履歴取得部34は、この要求をステップS301おいて特定したユーザID、及び決算用の情報に含まれる消費額を決算システム20に送信することにより実行する。なお、消費履歴の要求は決算とは別に実行される場合には、消費額の情報は省略されてよい。
履歴取得部34から消費履歴が要求されると、制御部21の履歴管理部25は図7の特典付与処理を開始し、まずカードCDの使用に伴う決算が成功したか否か判別する(ステップS401)。決算が成功している場合、履歴管理部25は、消費履歴の要求に含まれるユーザIDに対応する消費履歴を特定する(ステップS402)。履歴管理部25は、消費履歴データベースDB2を参照しつつ、この特定を実行する。具体的には、履歴管理部25は、決算用の情報のユーザIDに消費履歴データベースDB2を介して対応付けられる消費履歴(端末ID、及び消費額等)を特定する。
一方、消費履歴の特定の後、あるいは決算が成功していない場合(失敗の場合)、履歴管理部25は、決算結果を顧客管理システム30に送信する(ステップS403)。決算が失敗の場合、決算結果として決算失敗を示す情報が顧客管理システム30に送信される。一方、決算が成功している場合には、決算結果には、決算成功を示す情報に加えて、ステップS402において特定された消費履歴(ユーザID、端末ID、及び消費額等)が含まれる。そして、履歴管理部25は、その送信の後に今回の特典付与処理を終了する。
一方、履歴管理部25から決算結果が送信されると、制御部31の履歴取得部34は、その消費履歴をコンテンツシステム40に送信する(ステップS303)。決算が成功している場合、決算結果には、上述のとおりユーザID等の消費履歴が含まれる。そして、履歴取得部34は、その送信の後に今回の特典付与処理を終了する。
また、履歴取得部34から決算結果が送信されると、制御部41のゲーム制御部44はまずその決算結果を取得する(ステップS202)。続いて、ゲーム制御部44は、その取得した決算結果に基づいて決算が成功しているか否か判別する(ステップS203)。この判別は、決算結果に含まれる決算成功を示す情報、或いは決算失敗を示す情報に基づいて実行される。そして、決算が失敗の場合、ゲーム制御部44は以降の処理をスキップして今回の特典付与処理を終了する。
一方、決算が成功している場合、ゲーム制御部44は、その取得した決算結果に含まれる消費履歴が特典条件を満たすか否か判別する(ステップS204)。ゲーム制御部44は、この判別をコンテンツデータベースDB4の特典条件を参照しつつ実行する。また、ゲーム制御部44は、特典条件の要件によっては提供履歴データベースDB5も参照する。具体的には、ゲーム制御部44は、特典条件が特定の施設における特定の日程を要件とする場合、消費履歴に含まれる端末ID、及び日時の情報に基づいて、特定の施設(例えば端末IDと施設とを関連付ける施設データに基づいて施設は特定されてよい。このため、このようなデータもコンテンツシステム40で管理されてよい)及び特定の日程に該当するか否か判別する。また、特典条件が、ゲーム機3A毎、或いはゲーム毎等の単位で一度限りの付与等の提供履歴を要件に含む場合、ゲーム制御部44は提供履歴データベースDB5の提供履歴を参照し、このような要件を満たすか否か判別する。そして、特典要件が満たされない場合、ゲーム制御部44は、以降の処理をスキップして今回の特典付与処理を終了する。
なお、特典条件にかかわらず消費履歴の全情報が決算システム20から送信されてもよいし、ゲーム制御部44からの要求に従って消費履歴の必要な情報が決算システム20から送信されもよい。ゲーム制御部44が必要な情報を要求する場合、消費履歴の要求の前に、決算対象のゲーム等を判別のうえ、特典条件を特定してよい。そして、ゲーム制御部44は、その特定した特典条件に応じた消費履歴の情報を必要な情報としてステップS201において要求してよい。また、決算失敗の場合、あるいは特典が付与されない場合、ゲーム制御部44は決算失敗、あるいは特典なしを示す情報をゲーム機3Aに送信してよい。
一方、特典条件が満たされる場合、ゲーム制御部44は、コンテンツデータベースDB4の特典内容を参照しつつ、その特典条件に応じた特典をゲームに付与する(ステップS205)。この付与は、実際にはゲーム機3Aがゲームに特典を付与する場合には、そのような特典の付与に必要な特典内容等の提供として実行されてもよい。つまり、ゲーム制御部44は、そのような情報の提供により間接的にゲームに特典を付与してもよい。あるいは、ゲームのプレイ状況をユーザU毎に管理するプレイデータが存在する場合には、ゲーム制御部44は、そのようなプレイデータに特典に関する情報を付加することにより特典を付与してもよい。この場合、このようなプレイデータをゲーム機3Aが参照することにより、ゲームに特典が付与される。同様に、ゲーム制御部44は、決算成功を示す情報をゲーム機3Aに提供してもよい。そして、ゲーム制御部44はそのような特典を付与した後に今回の特典付与処理を終了する。これにより、特典サービスに伴う特典の付与が実現される。より具体的には、自動販売機5の利用履歴に応じてゲーム機3Aが提供するゲームに特典が付与される。また、そのような特典の付与には、特典条件が提供状況を含む場合には、既に同じゲームで同様の特典が付与されているか否かといった特典の提供履歴も考慮される。
図8は、特典サービスに伴う特典の付与状況(提供履歴)を管理するためにコンテンツシステム40の制御部41が実行する付与状況管理処理の手順の一例を示している。特典サービスに基づく特典が付与されると、制御部41の履歴管理部45は図8の付与状況管理処理を開始し、まず特典の付与結果を取得する(ステップS501)。この付与結果には、特典付与の有無或いは日時等だけでなく、特典条件として提供状況が利用される場合には、特典を付与したゲーム(ゲーム機3A)、施設、或いは回数等の特典条件に応じた情報が含まれていてよい。続いて履歴管理部45は、その取得した付与結果に基づいて提供履歴データベースDB5を更新する(ステップS502)。そして、履歴管理部45は、このような更新の後に今回の付与状況管理処理を終了する。これにより、コンテンツシステム40による特典の付与状況、換言すれば特典サービスに基づく特典の提供状況が提供履歴データベースDB5に反映される。そして、そのような提供履歴データベースDB5を介して管理される。
以上に説明したように、この形態によれば、コンテンツシステム40において顧客管理システム30を介して決算システム20から自動販売機5の利用履歴が取得され、その利用履歴を使用してゲームの提供が制御される。より具体的には、その利用履歴に基づいて特典条件の具備、不具備が判別され、特典条件が満たされる場合に特典を含むようにゲームが提供される。つまり、自動販売機5の利用履歴を管理する決算システム20とは別のコンテンツシステム40において、その利用履歴の取得、及びゲームの提供への利用が実現される。このため、自動販売機5の利用履歴を管理する決算システム20ではなく、主としてそれとは別のコンテンツシステム40への変更によりゲームの提供に関する制御、つまり特典条件、或いは特典の内容等を変更することができる。これにより、自動販売機5の利用履歴に基づいてゲームの特典を制御する場合においてゲームの提供に関するメンテナンス性を向上させることができる。
同様に、決算システム20はコンテンツシステム40と別のシステムとして構築されるため、自動販売機5、或いは決算システム20の運営者と、ゲーム機3Aの運営者とが相違する場合(あるいは仮に運営者が同じでも担当者、若しくは担当チームが相違する場合)でも、ゲーム機3Aの運営者(担当者、若しくは担当チーム)によるコンテンツシステム40の構築を許容することができる。このため、ゲームの提供に関する制御内容(例えば特典の内容、或いは条件等)を変更する場合でも、主に自己(ゲーム機3Aの運営者)が運営するシステムのメンテナンスによりその制御内容を変更することができるので、ゲーム機3Aの運営者の都合に応じてゲームの提供に関する制御を変更することができる。これにより、自動販売機5の利用履歴を利用したゲームの提供の制御に関するメンテナンス性を更に向上させることができる。
また、自動販売機5の利用履歴を利用したゲームの提供に関する提供履歴を記録する提供履歴データベースDB5は、決算システム20等ではなく、コンテンツシステム40に設けられる。このため、このようなゲームの提供履歴、換言すれば自動販売機5の利用履歴の使用状況も、自動販売機5の利用履歴を管理する決算システム20とは別のシステムで管理することができる。これにより、決算システム20、利用管理システム10、或いは自動販売機5への影響を抑えつつ、自動販売機5の利用履歴を利用したゲームの提供に関する提供履歴を適宜に使用することができる。また、このような提供履歴に関するメンテナンス性を向上させることもできる。そして、例えば、このような提供履歴が特典条件の要件として利用される場合、自動販売機5の利用履歴だけでなく、ゲームの提供履歴も利用し、より詳細にゲームにおける特典の付与を制御することができる。具体的には、自動販売機5において商品を一つ購入する毎にゲーム(複数のゲームのいずれか一つでもよい)において一つ等の所定回数の特典を付与することができる。これにより、特典の価値、あるいは自動販売機5の利用履歴の価値等を調整することができる。
また、自動販売機5の利用履歴を管理する決算システム20は自動販売機5に所定のサービスを提供する利用管理システム10とは別のシステムとして構築されている。このため、自動販売機5に直接的に影響を与える利用管理システム10とは別のシステムにおいて自動販売機5の利用履歴を管理することができる。これにより、自動販売機5の利用履歴に関するメンテナンス性を向上させることもできる。さらに、そのような自動販売機5の利用履歴を管理するシステムとして決算システム20が使用されている。決算システム20は、自動販売機5における決算にも使用されるため、自動販売機5の利用と関連性が高い。このような自動販売機5の利用と関連性が高い決算システム20においてその利用履歴を管理することができるため、自動販売機5の利用履歴を効率的に管理することができる。
以上の形態では、コンテンツシステム40のゲーム制御部44が図7の処理を実行することにより本発明の履歴取得手段、及びサービス制御手段として機能する。より具体的には、ゲーム制御部44が図7のステップS202の処理を実行することにより履歴取得手段として、図7のステップS205の処理を実行することによりサービス制御手段として、それぞれ機能する。さらに、コンテンツシステム40の履歴管理部45が図8のステップS502を実行することにより本発明の履歴更新手段として機能する。また、これらのゲーム制御部44及び履歴管理部45が設けられることによりコンテンツシステム40が本発明のサービス提供システムとして機能する。
(第2の形態)
次に、図9を参照して第2の形態に係るネットワークシステム1にて実現される特典サービスを説明する。以下では、第1の形態と共通の構成には、図9に同一の符号を付して説明を省略する。図9は、第2の形態に係るネットワークシステム1におけるサービスシステムの概要を示す図である。図9に示すように、第2の形態に係るネットワークシステム1では、自動販売機5が設置される施設SA1とは別の施設SA2に二種類のゲーム機3(以下、一方を第1ゲーム機3A、他方を第2ゲーム機3Bと呼ぶ場合がある)が設置されている。そして、これらの自動販売機5と二種類のゲーム機3とは別々の提供者(第1サービス提供者、及び第2サービス提供者)によって運営されている。また、二種類のゲーム機3には、それぞれ別々のコンテンツシステム40(以下、第1ゲーム機3Aに対応する方を第1コンテンツシステム40A、第2ゲーム機3Bに対応する方を第2コンテンツシステム40Bと呼ぶ場合がある)が設けられている。そして、第2の形態に係るネットワークシステム1には、第1の形態に係るネットワークシステム1に比べて、これらのコンテンツシステム40において特典の付与(換言すればゲームの提供の制御)を連動させるための特典連動システム50が追加されている。
特典連動システム50は、自動販売機5の利用履歴に基づく特典の付与を第1ゲーム機3A、及び第2ゲーム機3Bとの間で連動するためのシステムとして構築される。具体的には、特典連動システム50には、コンテンツシステム40の代わりに、上述の提供履歴データベースDB5が設けられる。このため、提供履歴の管理は特典連動システム50によって実行される。同様に、自動販売機5の利用履歴は、顧客管理システム30から特典連動システム50を経由して第1コンテンツシステム40A及び第2コンテンツシステム40Bに提供される。この形態によれば、複数のゲーム間における特典の提供状況の管理を効率的に実現することができる。なお、図9の例において、ユーザIDを特定するためのカードIDの提供、及び決算の要求も第1コンテンツシステム40A及び第2コンテンツシステム40Bから特典連動システム50を経由して実現されてもよい。つまり、このようなカードIDの提供等も顧客管理システム30ではなく特典連動システム50を経由して実行されてよい。結果として、第1コンテンツシステム40A及び第2コンテンツシステム40Bと、顧客管理システム30との間の情報の送受信は全て特典連動システム50に集約されてもよい。
(第3の形態)
次に、図10を参照して第3の形態に係るネットワークシステム1にて実現される特典サービスを説明する。以下では、第1の形態、或いは第2の形態と共通の構成には、図9に同一の符号を付して説明を省略する。図10は、第3の形態に係るネットワークシステム1におけるサービスシステムの概要を示す図である。図10に示すように、第3の形態に係るネットワークシステム1では、第1ゲーム機3Aと第2ゲーム機3Bとが別々の施設SA2、SA3に設置され、別々の運営者(第2サービス提供者、及び第3サービス提供者)によって提供されている。この場合、第1ゲーム機3Aと第2ゲーム機3Bとでは、使用されるカードCDが異なり、そこに記録されるカードIDの体系も相違する場合が多い。このため、第3の形態に係るネットワークシステム1には、これらの別々の運営者が運営するゲーム機3を統合するための顧客連動システム60が追加されている。
顧客連動システム60は、異なる体系のカードIDを共通のユーザIDに関連付けるためのシステムである。このため、顧客連動システム60には、複数のカードIDと統一カードID(ユーザIDでもよく、この場合、顧客管理システム30は省略されてもよい)とを関連付けるための顧客連動データベース(不図示)が設けられる。この場合、利用管理システム10も含め、第1コンテンツシステム40A及び第2コンテンツシステム40Bのいずれも、まず顧客連動システム60にカードIDを提供する。続いて、そのカードIDから特定された統一カードIDが顧客管理システム30に提供され、その統一カードに基づいて顧客管理システム30にて口座残高に関連付けられるユーザIDが特定される。そして、そのユーザIDが決算システム20に提供され、決算等が実行される。また、そのユーザIDに基づいて消費履歴も特定される。その後、消費履歴を含む決算結果が顧客連動システム60を経由して利用管理システム10、第1コンテンツシステム40A及び第2コンテンツシステム40Bに提供される。
なお、上述の例とは反対に、異なる体系のカードIDではなく、統一カードID(第2サービス提供者及び第3サービス提供者、換言すれば異なる運営者間で統一されたカードID)を記録するカードCDが使用されてもよい。この場合、顧客連動データベースは、そのような統一カードIDをユーザID(決算システム20が利用される場合は決算システム20用のユーザIDでよく、決算システム20が利用されない場合は消費履歴データベースDB2で消費履歴の管理に使用されるユーザIDでよい。決算システム20が利用されない場合のユーザIDは提供者毎に異なる体系のものでもよい。)と関連付けて管理していてもよい。具体的には、例えば、顧客連動データベースには、そのような統一カードID、その統一カードIDの提供元を示す提供者ID(各提供者を識別するために提供者毎にユニークなID。このIDは、例えばゲーム機3A等、あるいは第1コンテンツシステム40A等で付与されてよい。)、及びユーザIDの情報が互いに関連付けられるように記述されていてもよい。そして、顧客連動システム60において、このようなユーザIDが統一カードIDに基づいて特定されてよい。この場合、顧客管理システム30は省略されてもよい。
この形態によれば、複数の運営者が提供する複数のゲーム機3の提供を連動的に制御することができる。また、複数の運営者が別々に提供履歴を管理したり消費履歴を取得したりするコンテンツシステム40を設けることができるので、各運営者の都合による消費履歴の使用を許容することができる。これにより、自動販売機5の消費履歴を使用したゲームの提供に関するメンテナンス性をより向上させることができる。
本発明は上述した形態に限定されることなく、各種の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、決算システム20に消費履歴データベースDB2が設けられている。つまり、決算システム20が決算及び消費履歴の管理を兼務している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、消費履歴データベースDB2は利用管理システム10等の他のシステムに設けられていてもよい。例えば、自動販売機5では、互いに異なる決算処理(決算システム)に対応する複数種類のカードが使用される可能性がある。つまり、決算システム20以外のシステムにおいて決算処理が実行される(現金決算の場合を含む)可能性がある。このような場合、効率性、或いは汎用性等の観点から利用管理システム10等の他のシステムにおいて自動販売機5の消費履歴が管理されてよい。あるいは、消費履歴データベースDB2は、消費履歴を管理する専用のシステムに構築されてもよい。つまり、これらの利用管理システム10等、或いは専用のシステムが本発明の履歴管理システムとして機能してよい。同様に、上述の形態では、コンテンツシステム40に提供履歴データベースDB5が構築されている。つまり、コンテンツシステム40が特典の付与(ゲームの制御)、及びその提供履歴(消費履歴を使用したもの)の管理を兼務している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、提供履歴データベースDB5は、顧客管理システム30等の他のシステムに設けられてもよいし、提供履歴を管理する専用のシステムに構築されてもよい。
また、上述の形態では、自動販売機5の消費履歴、換言すれば消費履歴データベースDB2はユーザIDをキーに管理されている。このため、カードIDを記録するカードCDが使用された場合にカードIDからユーザIDが特定されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。消費履歴データベースDB2の消費履歴は、カードIDをキーに管理されてもよい。口座残高データベースDB1も同様である。このような場合、カードIDに基づくユーザIDの特定は省略されてもよい。つまり、カードIDが直接的な識別情報として機能してもよい。さらに、この場合、顧客管理システム30は省略されてもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のサービスシステムは、所定の識別情報に基づいて識別される各ユーザ(U)に第1サービス端末(5)を介して提供される第1サービスの利用履歴を管理するためのシステムとして構築される履歴管理システム(20)とネットワーク(NT)を介して接続され、第2サービス端末(3A)を介して提供される前記第1サービスとは別の第2サービスを提供するシステムとして前記履歴管理システムとは別に構築されるサービス提供システム(40)を備えるサービスシステム(1)であって、前記サービス提供システムには、前記第2サービスが前記第2サービス端末を介して各ユーザの前記識別情報を特定するための特定情報を取得しつつ各ユーザに提供される場合に、各ユーザに対応する前記第1サービスの利用履歴を前記特定情報に基づいて前記履歴管理システムから取得する履歴取得手段(44)と、各ユーザへの前記第2サービスの提供を各ユーザに対応する前記第1サービスの利用履歴に基づいて制御するサービス制御手段(44)と、が設けられているものである。
本発明によれば、サービス提供システムにおいて第1サービスの利用履歴が取得され、その利用履歴を使用した第2サービスの提供の制御が実行される。つまり、第1サービスの利用履歴を管理する履歴管理システムとは別のサービス提供システムにおいて、その利用履歴の取得、及び第2サービスの提供への利用が実現される。このため、第1サービスの利用履歴を管理する利用履歴システムではなく、主としてそれとは別のサービス提供システムへの変更により第2サービスの提供に関する制御を変更することができる。これにより、第1サービスの利用履歴に基づいて第2サービスの提供を制御する場合において第2サービスの提供の制御に関するメンテナンス性を向上させることができる。また、サービス提供システムは履歴管理システムと別のシステムとして構築されるため、第1サービスの運営者と第2サービスの運営者とが相違する場合でも、第2サービスの運営者(履歴管理システムの運営者と別の運営者)によるサービス提供システムの構築を許容することができる。このため、第2サービスの提供に関する制御内容を変更する場合でも、主に自己が運営するシステムへのメンテナンスにより第2サービスの提供に関する制御内容を変更することができるので、第2サービスの運営者の都合により第2サービスの提供に関する制御を変更することができる。これらにより、第2サービスの提供の制御に関するメンテナンス性を更に向上させることができる。
第1サービスの利用履歴に基づいて第2サービスが提供された後において、その提供履歴は管理されていても、されていなくてもよい。また、提供履歴が管理される場合において、その提供履歴は、サービス提供システムで管理されてもよいし、それとは別のシステムで管理されてもよい。例えば、本発明のサービスシステムの一態様において、前記サービス提供システムには、前記第1サービスの利用履歴に基づく前記第2サービスの提供履歴をユーザ毎に保持する履歴保持手段(DB5)と、前記第1サービスの利用履歴に基づいて前記第2サービスが提供された場合に前記履歴保持手段が保持する前記提供履歴を更新する履歴更新手段(45)と、が更に設けられていてもよい。この場合、第1サービスの利用履歴に基づく第2サービスの提供履歴、換言すれば第1サービスの利用履歴の使用状況も、履歴管理システムとは別のシステムで管理することができる。これにより、履歴管理システムへの影響を抑えつつ、第2サービスの提供履歴を適宜に使用することができる。また、このような提供履歴に関するメンテナンス性も向上させることができる。
第1サービスの利用履歴に基づく第2サービスの制御は適宜に実行されてよい。第2サービスの提供の制御には、第1サービスの利用履歴以外の情報が利用されてもよいし、利用されなくてもよい。例えば、第2サービスの提供履歴が管理される場合において、このような第1サービスの利用履歴以外の情報としてその提供履歴が利用されてもよい。具体的には、例えば、同じ第1サービスの利用履歴に基づいて1回目に提供される第2サービスの内容と、2回目に提供される第2サービスの内容とは相違していてもよい。このため、例えば、本発明のサービスシステムの一態様において前記サービス制御手段は、前記提供履歴を更に前記第2サービスの提供の制御に使用してもよい。この場合、第1サービスの利用履歴だけでなく、第2サービスの提供履歴も利用し、より詳細に第2サービスの提供を制御することができる。
サービス提供システムは、適宜に構成されてよい。例えば、サービス提供システムは、一つのシステムとして構成されてもよいし、複数のシステムを含んでいてもよい。同様に、履歴管理システムも適宜に構成されてよい。例えば、履歴管理システムは、サービスシステムの一部として機能してもよいし、サービスシステムとは別のシステムとして機能してもよい。具体的には、例えば、本発明のサービスシステムの一態様において、前記履歴管理システムは、前記第1サービス端末を利用する各ユーザに所定のサービスを提供するために前記第1サービス端末とネットワーク(NT)を介して接続される利用管理システム(10)が前記サービスシステムとは別のシステムとして構築される場合に、当該利用管理システムとネットワーク(NT)を介して接続されるシステムとして当該利用管理システムとは別に構築され、前記サービスシステムの一部として機能してもよい。この場合、第1サービスの提供を制御するシステムとは別のシステムにおいて第1サービスの利用履歴を管理することができる。これにより、第1サービスの利用履歴のメンテナンス性を向上させることができる。
また、履歴管理システムは、第1サービスの利用履歴を管理する専用のシステムとして構成されてもよいし、他の役割を兼務するシステムとして構成されてもよい。例えば、履歴管理システムがサービスシステムの一部として機能する態様において、前記履歴管理システムは、前記第1サービスの代金の支払に使用される価値の残高情報をユーザ毎に前記識別情報を介して保持する残高保持手段(DB1)を備え、前記識別情報及び前記残高情報に基づいて前記第1サービスの代金の支払を決算する決算システムとして機能してもよい。この場合、第1サービスの利用と関連性の高い決算システムにおいて第1サービスの利用履歴を管理することができる。これにより、第1サービスの利用履歴を効率的に管理することができる。
特定情報は、識別情報を特定できる限り、識別情報と一致していてもよいし、異なっていてもよい。例えば、特定情報及び識別情報として別々の体系に対応する別々のカードID(換言すればカード)が利用されてもよい。あるいは、識別情報としてカードIDが、特定情報としてそのようなカードIDに対応するユーザIDが、それぞれ利用されてもよいし、その反対であってもよい。もしくは、特定情報及び識別情報として、互いに同じカードID、或いはユーザIDが使用されてもよい。例えば、本発明のサービスシステムの一態様において、前記履歴取得手段は、前記第2サービス端末を介して前記特定情報として前記識別情報が取得される場合に、前記特定情報として前記識別情報を利用し、前記第1サービスの利用履歴を前記識別情報に基づいて前記履歴管理システムから取得してもよい。
第2サービスは、第1サービスの利用履歴に基づいて適宜に制御されてよい。例えば、第1サービスの利用履歴に基づいて第2サービスの提供の可否自体が制御されてもよいし、第2サービスの範囲等の内容が制御されてもよい。例えば、このような内容の制御として、特典の付与が利用されてもよい。具体的には、例えば、本発明のサービスシステムの一態様において、前記サービス制御手段は、前記第1サービスの利用履歴が特典条件を満たす場合に、当該第1サービスの利用履歴に対応するユーザの前記第2サービスに特典が付与されるように前記第2サービスの提供を制御してもよい。
履歴取得手段は、各種の手法で第1サービスの利用履歴を履歴管理システムから取得してよい。例えば、履歴取得手段は、履歴管理システムに第1サービスの利用履歴を要求することにより取得してもよい。あるいは、履歴取得手段は、例えば決算処理等の別の処理に付随して履歴管理システムから送信される利用履歴を取得してもよい。具体的には、本発明のサービスシステムの一態様において、前記履歴取得手段は、各ユーザに対応する前記第1サービスの利用履歴を前記履歴管理システムに要求することにより取得してもよい。
第1サービス及び第2サービスとして各種のサービスが利用されてよい。同様に、第1サービス端末及び第2サービス端末として、これらのサービスを提供する各種のサービス端末が利用されてよい。例えば、本発明のサービスシステムの一態様において、前記第1サービスとして商品又は役務の提供が、前記第2サービスとしてゲームが、それぞれ利用され、前記第1サービス端末として料金の支払いと引き換えに各ユーザに前記商品又は役務を提供する販売装置(5)が、前記第2サービス端末として前記ゲームを提供するゲーム機(3A)がそれぞれ利用されていてもよい。
本発明のコンピュータプログラムは、所定の識別情報に基づいて識別される各ユーザに第1サービス端末(5)を介して提供される第1サービスの利用履歴を管理するためのシステムとして構築される履歴管理システム(20)とネットワーク(NT)を介して接続され、第2サービス端末(3A)を介して提供される前記第1サービスとは別の第2サービスを提供するシステムとして前記履歴管理システムとは別に構築されるサービス提供システム(40)を備えるサービスシステム(1)の前記サービス提供システムに組み込まれるコンピュータ(41)を、前記第2サービスが前記第2サービス端末を介して各ユーザの前記識別情報を特定するための特定情報を取得しつつ各ユーザに提供される場合に、各ユーザに対応する前記第1サービスの利用履歴を前記特定情報に基づいて前記履歴管理システムから取得する履歴取得手段(44)、及び各ユーザへの前記第2サービスの提供を各ユーザに対応する前記第1サービスの利用履歴に基づいて制御するサービス制御手段(44)として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のサービスシステムを実現することができる。