JP2020116927A - マーブル調成形品の製造方法および成形材料 - Google Patents

マーブル調成形品の製造方法および成形材料 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、簡易な方法でありながら、天然大理石に近い自然なマーブル調を実現できるマーブル調成形品の製造方法および成形材料を提供すること。【解決手段】小片状を有する第1樹脂材料と、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状または小片状を有する第2樹脂材料とを準備し、第1樹脂材料と第2樹脂材料とを混合して樹脂混合物を調製した後、樹脂混合物を成形する。【選択図】図1

Description

本発明は、マーブル調成形品の製造方法および成形材料に関する。
近年、意匠性の向上を図るべく、樹脂成形品にマーブル調(大理石調)の模様を付与することが検討されている。
例えば、複数のシートモールディングコンパウンド(以下、SMCとする。)の表面にSMCとは異なる色調の熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、複数のSMCを重ねて金型に配置して加熱加圧するSMC成形品の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
そのようなSMC成形品の製造方法では、重ねられた複数のSMCが加熱加圧されるときに、SMCの樹脂コンパウンドが流動するとともに、熱硬化性樹脂組成物が流動して、SMC成形品にマーブル調の模様が形成される。
特開2015−229277号公報
しかし、特許文献1に記載のSMC成形品の製造方法では、実際には、天然大理石に近い自然なマーブル調を実現するには至っていない。
本発明は、簡易な方法でありながら、天然大理石に近い自然なマーブル調を実現できるマーブル調成形品の製造方法および成形材料を提供する。
本発明[1]は、小片状を有する第1樹脂材料を準備する工程と、前記第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状または小片状を有する第2樹脂材料を準備する工程と、前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とを混合して、樹脂混合物を調製する工程と、前記樹脂混合物を成形する工程と、を含む、マーブル調成形品の製造方法を含む。
本発明[2]は、前記第1樹脂材料を準備する工程は、前記第1樹脂材料からなる第1樹脂モールディングコンパウンドを準備する工程と、前記第1樹脂モールディングコンパウンドから、小片状を有する前記第1樹脂材料を切り出す工程と、を含む、上記[1]に記載のマーブル調成形品の製造方法を含む。
本発明[3]は、前記第2樹脂材料は、液体状を有する、上記[1]または[2]に記載のマーブル調成形品の製造方法を含む。
本発明[4]は、前記第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、小片状を有する第3樹脂材料を準備する工程をさらに含み、前記樹脂混合物を調製する工程において、前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料と前記第3樹脂材料とを混合する、上記[3]に記載のマーブル調成形品の製造方法を含む。
本発明[5]は、前記第1樹脂材料と前記第3樹脂材料とは、互いにサイズが異なる、上記[4]に記載のマーブル調成形品の製造方法を含む。
本発明[6]は、前記第2樹脂材料は、小片状を有する、上記[1]または[2]に記載のマーブル調成形品の製造方法を含む。
本発明[7]は、前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とは、互いにサイズが異なる、上記[6]に記載のマーブル調成形品の製造方法を含む。
本発明[8]は、小片状を有する第1樹脂材料と、前記第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状または小片状を有する第2樹脂材料と、を備える、成形材料を含む。
本発明のマーブル調成形品の製造方法では、小片状を有する第1樹脂材料と、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状または小片状を有する第2樹脂材料とを混合した後、それらの樹脂混合物を成形する。
そのため、樹脂混合物を成形するときに、小片状を有する第1樹脂材料と、液体状または小片状を有する第2樹脂材料とが、自然なマーブル調を形成するように互いに混ざり合う。その結果、簡易な方法でありながら、成形品において、天然大理石に近い自然なマーブル調を実現できる。
本発明の成形材料は、小片状を有する第1樹脂材料と、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状または小片状を有する第2樹脂材料とを備えているので、上記したマーブル調成形品の製造方法に好適に利用され、天然大理石に近い自然なマーブル調を有する成形品を円滑に製造することができる。
図1は、実施例1の平板成形品の平面視における写真を示す。 図2は、実施例2の平板成形品の平面視における写真を示す。
本発明のマーブル調成形品の製造方法は、小片状を有する第1樹脂材料を準備する工程と、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状または小片状を有する第2樹脂材料を準備する工程と、第1樹脂材料と第2樹脂材料とを混合して、樹脂混合物を調製する工程と、樹脂混合物を成形する工程とを含む。なお、色調とは、色彩の強弱・濃淡の調子、柄材(例えば、鱗片状材、ラメ材、パール材など)の有無による色彩の調子を意味する。
<第1実施形態>
以下、本発明のマーブル調成形品の製造方法の第1実施形態について説明する。第1実施形態では、第2樹脂材料が液体状を有する。
1−1.第1樹脂材料の準備工程
第1実施形態では、まず、小片状を有する第1樹脂材料を準備する(第1準備工程)。
小片状を有する第1樹脂材料を準備するには、例えば、第1樹脂材料からなる第1樹脂モールディングコンパウンドを準備した後、第1樹脂モールディングコンパウンドから小片状を有する第1樹脂材料を切り出す。つまり、第1樹脂材料を準備する工程は、第1樹脂材料からなる第1樹脂モールディングコンパウンドを準備する工程(モールディングコンパウンド準備工程)と、第1樹脂モールディングコンパウンドから小片状を有する第1樹脂材料を切り出す工程(切出工程)と、を含む。
第1樹脂モールディングコンパウンドは、例えば、熱硬化性樹脂組成物と、熱硬化性樹脂組成物が含浸される強化繊維とを含む。
熱硬化性樹脂組成物は、例えば、第1熱硬化性樹脂と、第1着色剤とを含む。
第1熱硬化性樹脂は、樹脂ベースと、エチレン性不飽和単量体とを含んでおり、後述する第2熱硬化性樹脂よりもエチレン性不飽和単量体の含有割合が小さい。
具体的には、第1熱硬化性樹脂におけるエチレン性不飽和単量体の含有割合は、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
第1熱硬化性樹脂として、具体的には、第1不飽和ポリエステル樹脂、第1ビニルエステル樹脂、第1アクリルシラップなどが挙げられる。第1熱硬化性樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
つまり、第1熱硬化性樹脂は、例えば、第1不飽和ポリエステル樹脂、第1ビニルエステル樹脂および第1アクリルシラップからなる群から選択される少なくとも1種を含む。
第1不飽和ポリエステル樹脂は、樹脂ベースとしての不飽和ポリエステルと、エチレン性不飽和単量体とを含む。
不飽和ポリエステルは、多塩基酸と多価アルコールとの重合生成物(重合体)である。
多塩基酸は、エチレン性不飽和二重結合を有する多塩基酸(以下、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸とする。)を少なくとも含み、好ましくは、エチレン性不飽和二重結合を有しない多塩基酸(以下、エチレン性不飽和結合不含多塩基酸とする。)をさらに含む。
エチレン性不飽和結合含有多塩基酸として、例えば、不飽和脂肪族ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など)、不飽和脂肪族ジカルボン酸から誘導される酸無水物(例えば、無水マレイン酸など)などが挙げられる。エチレン性不飽和結合含有多塩基酸は、単独使用または2種以上併用することができる。
エチレン性不飽和結合含有多塩基酸のなかでは、好ましくは、不飽和脂肪族ジカルボン酸の酸無水物が挙げられ、さらに好ましくは、無水マレイン酸が挙げられる。
エチレン性不飽和結合不含多塩基酸として、例えば、飽和脂肪族ジカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など)、芳香族ジカルボン酸(例えば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など)、飽和脂環族ジカルボン酸(例えば、ヘキサヒドロフタル酸など)、それらジカルボン酸から誘導される酸無水物などが挙げられる。エチレン性不飽和結合不含多塩基酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
エチレン性不飽和結合不含多塩基酸のなかでは、好ましくは、芳香族ジカルボン酸が挙げられ、さらに好ましくは、イソフタル酸が挙げられる。
多価アルコールとして、例えば、アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなど)、ポリオキシアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコールなどのポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのポリプロピレングリコールなど)、脂環族ジオール(例えば、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールAなど)、芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールAなどのビスフェノール)などが挙げられる。多価アルコールは、単独使用または2種以上併用することができる。
多価アルコールのなかでは、好ましくは、アルカンジオールが挙げられ、好ましくは、プロピレングリコールおよびネオペンチルグリコールが挙げられ、さらに好ましくは、プロピレングリコールおよびネオペンチルグリコールの併用が挙げられる。
このような不飽和ポリエステルは、上記した多塩基酸と上記した多価アルコールとを、公知の反応条件下において、縮合重合することにより調製される。
また、不飽和ポリエステルは、好ましくは、酸価を有する。
酸価を有する不飽和ポリエステルの調製方法として、例えば、多価アルコールに対して過剰な多塩基酸を縮合重合させる方法、多塩基酸と多価アルコールとの縮合重合反応を所望の酸価となった段階で停止する方法などが挙げられる。
エチレン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性モノマー(ビニルモノマー)である。不飽和ポリエステル樹脂において、エチレン性不飽和単量体は、上記した不飽和ポリエステルを溶解可能であり、かつ、上記した不飽和ポリエステルと重合可能(架橋可能)な反応性希釈剤である。
エチレン性不飽和単量体として、例えば、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、(メタ)アクリルは、メタクリルおよび/またはアクリルと同義である(以下同様)。エチレン性不飽和単量体は、単独使用または2種以上併用することができる。
第1不飽和ポリエステル樹脂に含まれるエチレン性不飽和単量体のなかでは、好ましくは、スチレン系モノマーが挙げられる。
スチレン系モノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどが挙げられ、好ましくは、スチレンが挙げられる。スチレン系モノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
第1不飽和ポリエステル樹脂におけるエチレン性不飽和単量体の含有割合は、不飽和ポリエステルとエチレン性不飽和単量体との総和100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上、例えば、90質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。
第1ビニルエステル樹脂は、樹脂ベースとしてのビニルエステルと、上記したエチレン性不飽和単量体とを含む。
ビニルエステルは、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との付加反応物である。
エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ノボラック型エポキシ樹脂など)、脂肪族型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
不飽和一塩基酸は、エチレン性不飽和二重結合を有する。不飽和一塩基酸として、例えば、不飽和モノ脂肪酸(例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸など)、芳香族不飽和モノカルボン酸(例えば、ケイ皮酸など)、エステル結合含有不飽和モノカルボン酸(例えば、酸無水物と不飽和アルコールとの反応物など)などが挙げられる。不飽和一塩基酸は、単独使用または2種以上併用することができる。
このようなビニルエステルは、上記したエポキシ樹脂と上記した不飽和一塩基酸とを、公知の反応条件下において、開環付加反応することにより調製される。
また、ビニルエステルには、変性されていないビニルエステル(無変性ビニルエステル)に加え、無変性ビニルエステルから誘導される酸変性ビニルエステルが含まれる。
酸変性ビニルエステルは、酸変性されたビニルエステルであり、ビニルエステルの側鎖にカルボキシル基が導入されている。酸変性ビニルエステルは、例えば、上記した無変性ビニルエステルと酸無水物との反応生成物である。
酸無水物として、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。酸無水物は、単独使用または2種以上併用することができる。
そして、酸変性ビニルエステルは、例えば、上記した無変性ビニルエステルが含有する水酸基と酸無水物の酸無水物基とを、公知の反応条件下において反応させることにより調製される。水酸基と酸無水物基との反応により、エステル結合が形成するとともに、カルボキシル基が生成する。
第1ビニルエステル樹脂において、エチレン性不飽和単量体は、上記したビニルエステルを溶解可能であり、かつ、上記したビニルエステルと重合可能(架橋可能)な反応性希釈剤である。
第1ビニルエステル樹脂に含まれるエチレン性不飽和単量体のなかでは、好ましくは、上記したスチレン系モノマーが挙げられ、さらに好ましくは、スチレンが挙げられる。
第1ビニルエステル樹脂におけるエチレン性不飽和単量体の含有割合は、ビニルエステル樹脂とエチレン性不飽和単量体との総和100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上、例えば、90質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。
第1アクリルシラップは、樹脂ベースとしてのポリ(メタ)アクリレートおよび/または酸変性ポリ(メタ)アクリレートと、上記したエチレン性不飽和単量体とを含む。
ポリ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリレートの重合生成物(重合体)である。
(メタ)アクリレートとして、例えば、1つの(メタ)アクリロイル基を有するモノ(メタ)アクリレート、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
モノ(メタ)アクリレートとして、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数12または13)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールなどが挙げられる。また、このようなモノ(メタ)アクリレートは、スチレンと共重合させてもよい。
多官能(メタ)アクリレートとして、例えば、アルカングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなど)、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)などが挙げられる。
このような(メタ)アクリレートは、単独使用または2種以上併用することができる。
そして、ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、上記した(メタ)アクリレートを、公知の反応条件下において重合反応させることにより調製される。
酸変性ポリ(メタ)アクリレートは、側鎖に−OCO−X−COOH(式中、Xは芳香族基、脂環族基または脂肪族基を示す)で表される側鎖成分、および/または、(メタ)アクリル酸から誘導される構成成分を含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂である。
酸変性ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、ヒドロキシ基含有ビニル単量体(例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなど)と、上記の酸無水物との付加反応によって得られる付加反応物を、上記の(メタ)アクリレートと共重合するか、あるいは、上記のヒドロキシル基含有ビニル単量体と上記の(メタ)アクリレートとの共重合体に、上記の酸無水物を付加反応することによって調製される。
第1アクリルシラップにおいて、エチレン性不飽和単量体は、上記したビニルエステルを溶解可能である一方、上記したポリ(メタ)アクリレートおよび/または酸変性ポリ(メタ)アクリレートと重合不可である。
第1アクリルシラップに含まれるエチレン性不飽和単量体のなかでは、好ましくは、上記した(メタ)アクリレートが挙げられ、さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸メチルが挙げられる。
第1アクリルシラップにおけるエチレン性不飽和単量体の含有割合は、ポリ(メタ)アクリレートと酸変性ポリ(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体との総和100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。
第1着色剤は、後述する成形品に所望の色を付与する顔料であって、成形品に要求される色および模様に応じて適宜選択される。
第1着色剤として、公知の顔料が挙げられ、具体的には、白色顔料(例えば、チタン白、硫化亜鉛、それらを有する白色トナーなど)、黒色顔料(例えば、カーボンブラック、酸化鉄、それらを有する黒色トナーなど)、青色顔料(例えば、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、それらを有する青色トナーなど)、パール顔料(例えば、二酸化チタンコーティングされた白雲母、塩基性炭酸鉛など)、特殊顔料(例えば、蛍光顔料、蓄光顔料など)などが挙げられる。第1着色剤は、単独使用または2種以上併用することができるが、成形品によって上記顔料を選択して使用してもよい。
第1着色剤を適宜選択することにより、熱硬化性樹脂組成物(後述する第1樹脂材料)を所望の色彩に調整することができる。
第1着色剤の含有割合は、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以上、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下、さらに好ましくは、10質量部以下である。
第1着色剤の含有割合を調整することにより、熱硬化性樹脂組成物(後述する第1樹脂材料)を所望の色調に調整することができる。
また、熱硬化性樹脂組成物は、その他の添加剤として、充填材、増粘剤、低収縮化剤、硬化剤、重合禁止剤、離型剤などを含有することができる。
充填材として、例えば、無機充填材が挙げられる。無機充填材として、例えば、酸化物(例えば、アルミナ、チタニアなど)、水酸化物(例えば、水酸化アルミニウムなど)、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウムなど)、硫酸塩(例えば、硫酸バリウムなど)、シリカ(例えば、結晶性シリカ、溶融シリカ、フュームドシリカ、乾式シリカ(アエロジル)など)、ガラスパウダー、中空フィラー(例えば、ガラス中空球、シリカ中空球、アルミナ中空球など)、ケイ酸塩(例えば、珪砂、珪藻土、マイカ、クレー、カオリン、タルクなど)、フッ化物(例えば、ホタル石など)、リン酸塩(例えば、リン酸カルシウムなど)、粘土鉱物(例えば、スメクタイトなど)、ミルドファイバー(例えば、ガラス長繊維を30〜300μmの長さに粉砕したもの)などが挙げられ、好ましくは、水酸化物、炭酸塩およびガラスパウダーが挙げられ、さらに好ましくは、水酸化アルミニウムおよびガラスパウダーが挙げられる。充填材は、単独使用または2種以上併用することができる。
充填材の含有割合は、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、さらに好ましくは、100質量部以上、例えば、500質量部以下、好ましくは、400質量部以下である。
増粘剤として、例えば、アルカリ土類金属酸化物(例えば、酸化マグネシウムなど)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど)、ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ポリイソシアネート、例えば、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ノルボルナンメタンジイソシアネート(NBDI)などの脂環族ポリイソシアネート、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香脂肪族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ポリイソシアネート、および、それらの変性体など)が挙げられ、好ましくは、アルカリ土類金属酸化物が挙げられ、さらに好ましくは、酸化マグネシウムが挙げられる。増粘剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
増粘剤の含有割合は、特に制限されないが、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、例えば、4質量部以下、好ましくは、2質量部以下である。
低収縮化剤として、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、セルロースエステル樹脂(例えば、セルロースアセテートブチレートなど)、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル-ポリスチレンブロックコポリマー、SBS(ゴム)、SEPS(ゴム)、飽和ポリエステル樹脂などが挙げられ、好ましくは、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル-ポリスチレンブロックコポリマーが挙げられる。低収縮化剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
低収縮化剤の含有割合は、特に制限されないが、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上、例えば、40質量部以下、好ましくは、25質量部以下である。
硬化剤(重合開始剤)として、例えば、パーオキサイドが挙げられる。パーオキサイドとして、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシアセテートなどが挙げられ、好ましくは、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネートが挙げられる。パーオキサイドは、単独使用または2種以上併用することができる。
硬化剤の含有割合は、特に制限されないが、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、0.8質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
重合禁止剤として、例えば、ハイドロキノン化合物(例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノンなど)、ベンゾキノン化合物(例えば、パラベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノンなど)、ナフトキノン化合物(例えば、ナフトキノンなど)、カテコール化合物(例えば、p−t−ブチルカテコールなど)、芳香族アミン化合物(例えば、フェノチアジンなど)、N−オキシル化合物などが挙げられ、好ましくは、ベンゾキノン化合物、N−オキシル化合物が挙げられ、さらに好ましくは、パラベンゾキノンが挙げられる。重合禁止剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
重合禁止剤の含有割合は、特に制限されないが、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、0.005質量部以上、好ましくは、0.01質量部以上、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.20質量部以下である。
離型剤(内部離型剤)として、例えば、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、ラウリン酸など)、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)、パラフィン、液体ワックス、フッ素ポリマー、シリコーン系ポリマーなどが挙げられ、好ましくは、脂肪酸、脂肪酸金属塩が挙げられ、さらに好ましくは、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛が挙げられる。離型剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
離型剤の含有割合は、特に制限されないが、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、例えば、10質量部以下である。
さらに、熱硬化性樹脂組成物は、その他の添加剤として、必要に応じて、湿潤分散剤、分離防止剤、難燃剤、導電剤、紫外線吸収剤などを適宜の割合で含有してもよい。
強化繊維として、例えば、無機繊維(例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維など)、有機繊維(例えば、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、フッ素樹脂系繊維、フェノール系繊維など)、天然繊維(例えば、麻、ケナフなど)などが挙げられ、好ましくは、無機繊維が挙げられ、さらに好ましくは、炭素繊維およびガラス繊維が挙げられ、とりわけ好ましくは、ガラス繊維が挙げられる。強化繊維は、単独使用または2種以上併用することができる。
強化繊維の形状として、例えば、ロービングクロスなどのクロス状、チョップドストランドマット、プリフォーマブルマット、コンティニュアンスストランドマット、サーフェーシングマットなどのマット状、ストランド状、チョップドストランド状、ロービング状、不織布状、ペーパー状などが挙げられ、好ましくは、ロービング状が挙げられる。
このような強化繊維の寸法および配合割合は、第1樹脂モールディングコンパウンドの態様に応じて適宜変更される。
第1樹脂モールディングコンパウンドの態様として、例えば、シートモールディングコンパウンド(以下、SMCとする。)、シックモールディングコンパウンド(以下、TMCとする。)、バルクモールディングコンパウンド(以下、BMCとする。)などが挙げられる。
SMCは、例えば、シート形状を有する。SMCは、例えば、厚み方向から見て、矩形状を有する。SMCの厚みは、例えば、0.5mm以上6.0mm以下である。SMCの厚み方向と直交する方向の寸法は、例えば、50cm以上200cm以下である。SMCの質量は、成形品の質量および厚みに適合するように適宜決定される。
また、複数のSMCを厚み方向に積層して、第1樹脂モールディングコンパウンドとすることもできる。この場合、第1樹脂モールディングコンパウンドの質量は、成形品の質量および厚みに適合するように適宜決定される。
このようなSMCは、例えば、上記の第1熱硬化性樹脂と、上記の第1着色剤と、必要に応じて、増粘剤以外の添加剤とを混合した後、その混合物に上記の増粘剤を添加し、次いで、公知のSMC含浸機により、上記の強化繊維を添加することにより調製される。
なお、第1樹脂モールディングコンパウンドがSMCである場合、強化繊維の長さは、例えば、10mm以上、好ましくは、12mm以上、例えば、60mm以下、好ましくは、30mm以下であり、強化繊維の配合割合は、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、例えば、200質量部以下、好ましくは、150質量部以下である。
TMCは、例えば、ブロック状やシート形状を有する。TMCがシート形状を有する場合、TMCは、例えば、厚み方向から見て矩形状を有する。TMCの厚みは、例えば、2.0mm以上30.0mm以下である。TMCの厚み方向と直交する方向の寸法は、例えば、50cm以上200cm以下である。TMCの質量は、成形品の質量および厚みに適合するように適宜決定される。
TMCは、例えば、上記の第1熱硬化性樹脂と、上記の第1着色剤と、必要に応じて、増粘剤以外の添加剤とを混合した後、その混合物に上記の増粘剤を添加し、次いで、公知のTMC含浸機により、上記の強化繊維を添加することにより調製される。
なお、第1樹脂モールディングコンパウンドがTMCである場合、強化繊維の長さは、例えば、3mm以上、好ましくは、5mm以上、例えば、60mm以下、好ましくは、30mm以下であり、強化繊維の配合割合は、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、例えば、200質量部以下、好ましくは、150質量部以下である。
BMCは、例えば、円筒や直方体のブロック形状を有する。BMCのブロック単位は、例えば、0.1kg以上30kg以下である。
BMCは、例えば、上記の第1熱硬化性樹脂と、上記の第1着色剤と、必要に応じて、増粘剤以外の添加剤とを混合した後、その混合物に上記の増粘剤を添加し、次いで、強化繊維を添加して、公知のBMCニーダーにより混合することにより調製される。
なお、第1樹脂モールディングコンパウンドがBMCである場合、強化繊維の長さは、例えば、1mm以上、好ましくは、2mm以上、例えば、30mm以下、好ましくは、25mm以下であり、強化繊維の配合割合は、第1熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上、例えば、100質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。
このような第1樹脂モールディングコンパウンドのなかでは、好ましくは、BMCが挙げられる。
以上によって、第1樹脂モールディングコンパウンドが準備される。なお、上記したモールディングコンパウンドの製造方法は、本発明を制約するものではない。
次いで、第1樹脂モールディングコンパウンドから、小片状を有する第1樹脂材料を、公知の切断方法により切り出す。例えば、押出機と切断機とを組み合わせ、所定の形状(例えば、円柱状、角柱状など)で押し出された第1樹脂モールディングコンパウンドを所定の長さに切断機を用いて切断する。そのため、小片状を有する第1樹脂材料は、上記した第1熱硬化性樹脂組成物と、上記した強化繊維とを含有する。
以上によって、小片状を有する第1樹脂材料が準備される。なお、上記したモールディングコンパウンドの切断方法は、本発明を制約するものではない。
各第1樹脂材料の形状は、小片状であって、より具体的には、立方体状(サイコロ状)、直方体状、円柱状、角柱状、球状、ランダム形状などが挙げられ、好ましくは、立方体状(サイコロ状)、直方体状、円柱状が挙げられる。
各第1樹脂材料の最大寸法は、例えば、1mm以上、好ましくは、2mm以上、例えば、150mm以下、好ましくは、50mm以下、さらに好ましくは、10mm以下である。
各第1樹脂材料の最大寸法が上記下限以上であれば、第1樹脂材料を、第1樹脂モールディングコンパウンドから、容易かつ円滑に切り出すことができる。各第1樹脂材料の最大寸法が上記下限以上であれば、後述する成形品に、より複雑なマーブル調の模様を付与することができる。
切り出された第1樹脂材料の形状および寸法は、成形品に要求される模様に応じ適宜選択される。
1−2.第2樹脂材料の準備工程
次いで、液体状を有する第2樹脂材料を準備する(第2準備工程)。
第2樹脂材料は、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、常温(23℃)において、流動性を有する液体状態である。
第2樹脂材料は、例えば、第2熱硬化性樹脂と、第2着色剤とを含む。
第2熱硬化性樹脂は、エチレン性不飽和単量体の含有割合以外は、第1熱硬化性樹脂と同様である。第2熱硬化性樹脂におけるエチレン性不飽和単量体の含有割合は、第1熱硬化性樹脂におけるエチレン性不飽和単量体の含有割合よりも大きく、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、さらに好ましくは、30質量%以上、とりわけ好ましくは、40質量%以上、特に好ましくは、65質量%以上、例えば、95質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
第2熱硬化性樹脂として、エチレン性不飽和単量体の含有割合以外は、上記した第1熱硬化性樹脂と同様の熱硬化性樹脂が挙げられ、具体的には、第2不飽和ポリエステル樹脂、第2ビニルエステル樹脂、第2アクリルシラップなどが挙げられる。第2熱硬化性樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
つまり、第2熱硬化性樹脂は、例えば、第2不飽和ポリエステル樹脂、第2ビニルエステル樹脂および第2アクリルシラップからなる群から選択される少なくとも1種を含む。
第2不飽和ポリエステル樹脂は、エチレン性不飽和単量体の含有割合以外は、上記した第1不飽和ポリエステル樹脂と同様である。
第2不飽和ポリエステル樹脂におけるエチレン性不飽和単量体の含有割合は、不飽和ポリエステルとエチレン性不飽和単量体との総和100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、さらに好ましくは、30質量部以上、とりわけ好ましくは、40質量部以上、特に好ましくは、65質量部以上、例えば、95質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。
第2ビニルエステル樹脂は、エチレン性不飽和単量体の含有割合以外は、上記した第1ビニルエステル樹脂と同様である。
第2ビニルエステル樹脂におけるエチレン性不飽和単量体の含有割合は、第1ビニルエステル樹脂におけるエチレン性不飽和単量体の含有割合よりも大きく、ビニルエステル樹脂とエチレン性不飽和単量体との総和100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、さらに好ましくは、30質量部以上、とりわけ好ましくは、40質量部以上、特に好ましくは、65質量部以上、例えば、95質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。
第2アクリルシラップは、エチレン性不飽和単量体の含有割合以外は、上記した第1アクリルシラップと同様である。
第2アクリルシラップにおけるエチレン性不飽和単量体の含有割合は、第1アクリルシラップにおけるエチレン性不飽和単量体の含有割合よりも大きく、ポリ(メタ)アクリレートと酸変性ポリ(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体との総和100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、さらに好ましくは、30質量部以上、とりわけ好ましくは、40質量部以上、例えば、95質量部以下、好ましくは、85質量部以下、さらに好ましくは、80質量部以下である。
第1熱硬化性樹脂と第2熱硬化性樹脂との組み合わせとして、好ましくは、第1不飽和ポリエステル樹脂と第2不飽和ポリエステル樹脂との組み合わせ、第1ビニルエステル樹脂と第2ビニルエステル樹脂との組み合わせ、第1アクリルシラップと第2アクリルシラップとの組み合わせが挙げられる。
第2着色剤として、例えば、上記した第1着色剤と同様の顔料が挙げられ、具体的には、上記した白色顔料、上記した黒色顔料、上記した青色顔料、上記したパール顔料、蛍光塗料、蓄光塗料などが挙げられる。第2着色剤は、単独使用または2種以上併用することができる。第2着色剤は、例えば、第1着色剤と異なる色彩を有する。
第2着色剤を適宜選択することにより、第1樹脂材料と色彩が異なるように、第2樹脂材料を所望の色彩に調整することができる。
また、第1着色剤と第2着色剤との組み合わせとして、好ましくは、黒色顔料(第1着色剤)と白色顔料(第2着色剤)との組み合わせが挙げられる。
第2着色剤の含有割合は、第2熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、3質量部以上、例えば、15質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。
第2着色剤の含有割合を調整することにより、第1樹脂材料と色調が異なるように、第2樹脂材料を所望の色調に調整することができる。なお、上記した着色剤および着色剤の含有割合は、本発明を制約するものではない。
また、第2樹脂材料は、その他の添加剤として、上記した充填材、上記した硬化剤、上記した重合禁止剤、上記した離型剤、上記した増粘剤などを含有することができる。
第2樹脂材料に含まれる充填材として、好ましくは、上記した水酸化物および上記した炭酸塩が挙げられ、さらに好ましくは、水酸化アルミニウムが挙げられる。充填材は、単独使用または2種以上併用することができる。
充填材の含有割合は、第2熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、さらに好ましくは、50質量部以上、例えば、300質量部以下、好ましくは、200質量部以下、さらに好ましくは、150質量部以下、とりわけ好ましくは、100質量部未満である。
第2樹脂材料に含まれる硬化剤として、好ましくは、上記したパーオキサイドが挙げられ、さらに好ましくは、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネートが挙げられる。硬化剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
硬化剤の含有割合は、特に制限されないが、第2熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
第2樹脂材料に含まれる重合禁止剤として、例えば、ハイドロキノン化合物(例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノンなど)、ベンゾキノン化合物(例えば、パラベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノンなど)、ナフトキノン化合物(例えば、ナフトキノンなど)、カテコール化合物(例えば、p−t−ブチルカテコールなど)、芳香族アミン化合物(例えば、フェノチアジンなど)、N−オキシル化合物などが挙げられ、好ましくは、ベンゾキノン化合物、N−オキシル化合物が挙げられ、さらに好ましくは、パラベンゾキノンが挙げられる。重合禁止剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
重合禁止剤は添加せずともよいが、重合禁止剤を添加する場合、重合禁止剤の含有割合は、特に制限されないが、第2熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、0.0001質量部以上、好ましくは、0.005質量部以上、例えば、0.3質量部以下、好ましくは、0.20質量部以下、さらに好ましくは、0.030質量部以下、とりわけ好ましくは、0.010質量部以下である。
第2樹脂材料に含まれる離型剤として、好ましくは、脂肪酸、脂肪酸金属塩が挙げられ、さらに好ましくは、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛が挙げられる。離型剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
離型剤の含有割合は、特に制限されないが、第2熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、0.3質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、10質量部以下である。
第2樹脂材料に含まれる増粘剤として、好ましくは、アルカリ土類金属酸化物が挙げられ、さらに好ましくは、酸化マグネシウムが挙げられる。増粘剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
増粘剤の含有割合は、特に制限されないが、第2熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、例えば、4質量部以下、好ましくは、2質量部以下である。
さらに、第2樹脂材料は、その他の添加剤として、必要に応じて、低収縮化剤、湿潤分散剤、分離防止剤、難燃剤、導電剤、紫外線吸収剤などを適宜の割合で含有してもよい。
なお、第2樹脂材料は、好ましくは、上記した強化繊維を含有しない。そのため、第2樹脂材料の粘度を下記の範囲に安定して調整することができる。
第2樹脂材料の粘度(at 25℃)は、例えば、1mPa・s以上、好ましくは、2mPa・s以上、例えば、30000mPa・s以下、好ましくは、10000mPa・s以下である。なお、第2樹脂材料の粘度(at 25℃)は、例えば、B型粘度計により測定できる(以下同様)。
このような第2樹脂材料は、例えば、上記した第2熱硬化性樹脂と、上記した第2着色剤と、必要に応じて、その他の添加剤とを混合することにより調製される。
以上によって、液体状を有する第2樹脂材料が準備される。
1−3.第3樹脂材料の準備工程
また、第1実施形態では、好ましくは、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、小片状を有する第3樹脂材料を準備する工程(第3準備工程)をさらに含む。
小片状を有する第3樹脂材料は、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なること以外は、第1樹脂材料と同様である。
小片状を有する第3樹脂材料を準備するには、例えば、まず、上記モールディングコンパウンド準備工程と同様にして、第3樹脂モールディングコンパウンドを準備する。
第3樹脂モールディングコンパウンドは、第1樹脂モールディングコンパウンドと配合が異なっていてもよいし、色彩および/または色調以外は、第1樹脂モールディングコンパウンドと同様でも構わない。言い換えれば、第3樹脂モールディングコンパウンドは、第1着色剤が第3着色剤に変更されたこと以外は、第1樹脂モールディングコンパウンドと同様でも構わない。
第3着色剤として、例えば、上記した第1着色剤と同様の顔料が挙げられ、具体的には、上記した白色顔料、上記した黒色顔料、上記した青色顔料、上記したパール顔料などが挙げられる。第3着色剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
第3着色剤は、好ましくは、第1着色剤と異なる色彩を有する。また、第3着色剤は、第2着色剤と同一の色彩であってもよく、第2着色剤と異なる色彩を有してもよい。
また、第1着色剤と第2着色剤と第3着色剤との組み合わせとして、例えば、黒色顔料(第1着色剤)と白色顔料(第2着色剤)と白色顔料(第3着色剤)との組み合わせが挙げられる。
なお、第3着色剤の含有割合の範囲は、上記した第1着色剤の含有割合の範囲と同じである。
次いで、第3樹脂モールディングコンパウンドから、公知の切断方法により小片状を有する第3樹脂材料を切り出す。
これによって、小片状を有する第3樹脂材料が準備される。
各第3樹脂材料の形状は、小片状であって、より具体的には、立方体状(サイコロ状)、直方体状、円柱状、角柱状、球状、ランダム状などが挙げられ、好ましくは、立方体状(サイコロ状)、直方体状、円柱状が挙げられる。
第3樹脂材料のサイズは、好ましくは、第1樹脂材料のサイズと異なり、さらに好ましくは、第1樹脂材料のサイズよりも大きい。
各第3樹脂材料の最大寸法は、上記した各第1樹脂材料の最大寸法に対して、例えば、1倍以上、好ましくは、5倍以上、例えば、500倍以下、好ましくは、100倍以下、さらに好ましくは、50倍以下である。具体的には、各第3樹脂材料の最大寸法は、例えば、1mm以上、好ましくは、5mm以上、例えば、500mm以下、好ましくは、100mm以下、さらに好ましくは、50mm以下である。
切り出された第3樹脂材料の1つ当たりの質量は、例えば、0.01g以上、好ましくは、2g以上、例えば、30kg以下、好ましくは、3kg以下、さらに好ましくは、300g以下である。なお、上記した質量は、本発明を制約するものではない。
1−4.樹脂混合物の調製工程
次いで、第1樹脂材料と、第2樹脂材料と、好ましくは、第3樹脂材料とを混合して、樹脂混合物を調製する(調製工程)。
第1樹脂材料および第2樹脂材料の混合方法として、例えば、液体状を有する第2樹脂材料を、小片状を有する第1樹脂材料にスプレーする方法、小片状を有する第1樹脂材料を、液体状を有する第2樹脂材料に浸漬する方法、小片状を有する第1樹脂材料の表面に第2樹脂材料を塗布する方法などが挙げられる。
また、第3樹脂材料を混合する場合、予め、小片状を有する第1樹脂材料と小片状を有する第3樹脂材料とを乾式混合した後、それら小片状を有する樹脂材料(第1樹脂材料および第3樹脂材料)と、液体状を有する第2樹脂材料とを、上記した混合方法により混合することができる。
このような混合方法のなかでは、好ましくは、小片状を有する樹脂材料に液体状を有する第2樹脂材料をスプレーする方法が挙げられる。
第2樹脂材料の混合割合は、第1樹脂材料100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、50質量部以下、好ましくは、20質量部以下である。
第3樹脂材料の混合割合は、第1樹脂材料100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、例えば、5000質量部以下、好ましくは、1000質量部以下である。
以上によって、第1樹脂材料と、第2樹脂材料と、好ましくは、第3樹脂材料とが混合されて、樹脂混合物が調製される。
1−5.成形工程
次いで、樹脂混合物を成形する(成形工程)。
樹脂混合物の成形方法として、例えば、プレス成形、射出成形などが挙げられ、好ましくは、プレス成形が挙げられる。
詳しくは、樹脂混合物を第1金型に配置した後、第1金型に向かって第2金型を移動させて第1金型と第2金型との間に樹脂混合物を挟み込み、所定の成形条件(成形圧、温度および時間)において、樹脂混合物を硬化成形する。
成形圧は、例えば、1MPa以上、好ましくは、5MPa以上、例えば、30MPa以下、好ましくは、15MPa以下である。
第1金型の成形温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、125℃以上、例えば、200℃以下、好ましくは、135℃以下である。第2金型の成形温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、140℃以上、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下である。
成形時間は、例えば、1分以上、好ましくは、3分以上、例えば、30分以下、好ましくは、10分以下である。
このような成形工程において、小片状を有する樹脂材料(第1樹脂材料および第3樹脂材料)が押しつぶされるとともに、それら小片状を有する樹脂材料の間の隙間に、液体状の第2樹脂材料が円滑に流入する。これによって、各樹脂材料(第1樹脂材料、第2樹脂材料および第3樹脂材料)がマーブル調を形成するように互いに混ざり合う。その後、各樹脂材料が硬化するので、天然大理石に近い自然なマーブル調の模様が形成される。
以上によって、自然なマーブル調を有し、所望の形状を有する成形品が調製される。
成形材料としてBMCを用いる場合、SMCまたはTMCを用いる成形品と比較して、同じ厚みでは強度が劣るため、BMCを用いる成形品の補強としてガラスマットを同時成形する方法、あるいは、成形品の裏面にガラス繊維と樹脂とを吹き付け補強する方法がある。
成形品は、上記した熱硬化性樹脂組成物の硬化物と、上記した強化繊維とを含む。
このような成形品は、種々の産業製品に好適に利用され、特に、優れた意匠性が要求される製品(高意匠製品)に好適に利用される。高意匠製品として、例えば、水廻り製品(浴槽、洗面カウンター、キッチンカウンター、キッチンシンク、浴室ユニットの洗い場、床、天井、壁、洗い場付き浴槽など)、建築部材(例えば、壁材、床材など)、自動車材料(例えば、内装部品など)などが挙げられる。
1−6.作用効果
上記のマーブル調成形品の製造方法では、小片状を有する第1樹脂材料と、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状を有する第2樹脂材料とを混合した後、それらの樹脂混合物を成形する。
そのため、樹脂混合物を成形するときに、小片状を有する第1樹脂材料と、液体状を有する第2樹脂材料とが、マーブル調を形成するように互いに混ざり合う。その結果、簡易な方法でありながら、成形品において、天然大理石に近い自然なマーブル調を実現できる。
第1樹脂材料は、第1樹脂モールディングコンパウンドから切り出されることにより調製される。そのため、所定の形状およびサイズを有する第1樹脂材料を円滑に準備できる。
第2樹脂材料は、液体状を有する。そのため、樹脂混合物を成形するときに、小片状を有する樹脂材料の間の隙間に円滑に流入する。その結果、成形品において、天然大理石に近い自然なマーブル調をより確実に実現できる。
また、樹脂混合物は、第1樹脂材料および第2樹脂材料に加えて、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、小片状を有する第3樹脂材料が混合されて調製される。そのため、成形品に、より複雑なマーブル調の模様を付与することができる。
第1樹脂材料と第3樹脂材料とは、互いにサイズが異なる。そのため、成形品に、より一層複雑なマーブル調の模様を付与することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第2樹脂材料が小片状を有する。なお、上記した第1実施形態と同様の工程については、その詳細な説明を省略する。
小片状を有する第2樹脂材料は、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なること以外は、第1樹脂材料と同様である。
小片状を有する第2樹脂材料を準備するには、例えば、まず、上記モールディングコンパウンド準備工程と同様にして、第2樹脂モールディングコンパウンドを準備する。
第2樹脂モールディングコンパウンドは、色彩および/または色調以外は、第1樹脂モールディングコンパウンドと同様である。言い換えれば、第2樹脂モールディングコンパウンドは、第1着色剤が、上記した第2着色剤に変更されたこと以外は、第1樹脂モールディングコンパウンドと同様である。
次いで、第2樹脂モールディングコンパウンドから、公知の切断方法により小片状を有する第2樹脂材料を切り出す。
これによって、小片状を有する第2樹脂材料が準備される。
各第2樹脂材料の形状は、小片状であって、より具体的には、立方体状(サイコロ状)、直方体状、円柱状、角柱状、球状、ランダム状などが挙げられ、好ましくは、立方体状(サイコロ状)、直方体状、円柱状が挙げられる。
第2樹脂材料のサイズは、第1樹脂材料のサイズと同一であってもよく異なっていてもよい。
各第2樹脂材料の最大寸法は、上記した各第1樹脂材料の最大寸法に対して、例えば、1倍以上、好ましくは、5倍以上、例えば、500倍以下、好ましくは、100倍以下、さらに好ましくは、50倍以下である。具体的には、各第2樹脂材料の最大寸法は、例えば、1mm以上、好ましくは、5mm以上、例えば、500mm以下、好ましくは、100mm以下、さらに好ましくは、50mm以下である。
切り出された第2樹脂材料の1つ当たりの質量は、例えば、0.01g以上、好ましくは、2g以上、例えば、30kg以下、好ましくは、3kg以下、さらに好ましくは、300g以下である。なお、上記した質量は、本発明を制約するものではない。
第1樹脂材料と第2樹脂材料とが互いにサイズが異なれば、成形品に、天然大理石に近いマーブル調の模様を確実に付与することができる。
第2実施形態では、小片状を有する第2樹脂材料と、上記した第1樹脂材料とを乾式混合して、樹脂混合物を調製する(調製工程)。
第2樹脂材料の混合割合は、第1樹脂材料100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、例えば、5000質量部以下、好ましくは、1000質量部以下である。
次いで、樹脂混合物を、上記した成形条件において、硬化成形する(成形工程)。
これによっても、小片状の第1樹脂材料と、小片状の第2樹脂材料とが押しつぶされながら、マーブル調を形成するように互いに混ざり合う。その後、各樹脂材料(第1樹脂材料および第2樹脂材料)が硬化するので、天然大理石に近い自然なマーブル調の模様が形成される。
以上によって、自然なマーブル調を有し、所望の形状を有する成形品が調製される。
そのため、第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<成形材料>
次に、本発明の成形材料の一実施形態について説明する。なお、成形材料の説明において、上記したマーブル調成形品の製造方法の第1実施形態および/または第2実施形態と同様の部材については、その詳細な説明を省略する。
成形材料は、上記したマーブル調成形品の製造方法に用いられる成形材料であって、上記した第1樹脂材料と、上記した第2樹脂材料とを備える。
成形材料は、上記した第1樹脂材料と上記した第2樹脂材料とが上記した混合方法により混合された樹脂混合物であってもよく、上記した第1樹脂材料と上記した第2樹脂材料とを別々に備えるキットであってもよい。
また、成形材料は、好ましくは、上記した第1樹脂材料および上記した第2樹脂材料に加えて、上記した第3樹脂材料を備える。
この場合、成形材料は、上記した第1樹脂材料〜第3樹脂材料が上記した混合方法により混合された樹脂混合物であってもよく、上記した第1樹脂材料と、上記した第2樹脂材料と、上記した第3樹脂材料とを別々に備えるキットであってもよい。
さらに、成形材料は、上記した第1樹脂材料および上記した第3樹脂材料の混合物と、上記した第2樹脂材料とを別々に備えるキットであってもよく、上記した第1樹脂材料および上記した第2樹脂材料の混合物と、上記した第3樹脂材料とを別々に備えるキットであってもよく、上記した第2樹脂材料および上記した第3樹脂材料の混合物と、上記した第1樹脂材料とを別々に備えるキットであってもよい。
これら成形材料は、小片状を有する第1樹脂材料と、第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状または小片状を有する第2樹脂材料とを少なくとも備え、好ましくは、小片状を有する第3樹脂材料をさらに備える。
そのため、上記したマーブル調成形品の製造方法に好適に利用され、天然大理石に近い自然なマーブル調を有する成形品を円滑に製造することができる。
<変形例>
上記した第1実施形態では、樹脂混合物が、小片状の第1樹脂材料と、液体状の第2樹脂材料と、小片状の第3樹脂材料とが混合されて調製されるが、樹脂混合物は、これに限定されない。
樹脂混合物は、小片状の第1樹脂材料および液体状の第2樹脂材料のみが混合されて調製されてもよく、小片状の第1樹脂材料および液体状の第2樹脂材料に加えて、液体状の樹脂材料がさらに混合されて調製されてもよい。さらに、樹脂混合物は、第1樹脂材料〜第3樹脂材料に加えて、小片状または液体状の他の樹脂材料がさらに混合されて調製されてもよい。
上記した第1実施形態および第2実施形態では、小片状を有する樹脂材料(第1実施形態における第1樹脂材料および第3樹脂材料、第2実施形態における第1樹脂材料および第2樹脂材料)が、樹脂モールディングコンパウンドから切り出されることにより調製されるが、小片状を有する樹脂材料の準備工程は、これに限定されない。
例えば、上記した熱硬化性樹脂組成物と上記した強化繊維とを、公知の混練機に供給し、その混練機から、小片状を有する樹脂材料を直接吐出させてもよい。
上記した第1実施形態および第2実施形態では、樹脂混合物のみが成形されているが、成形工程は、これに限定されない。例えば、樹脂混合物をSMC上に配置し、樹脂混合物とSMCとを一括してプレス成形してもよい。
これら変形例によっても、上記した第1実施形態および第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
実施例1
<第1樹脂材料の準備>
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および攪拌機を備えたフラスコを反応器とした。この反応器に、イソフタル酸2.0mol、プロピレングリコール5.5mol、ネオペンチルグリコール5.0molを仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら200〜210℃の温度で重縮合反応させた。酸価が10mgKOH/gになった時点で150℃まで冷却し、無水マレイン酸8.0molを仕込み、再び210〜220℃において、酸価が27.0mgKOH/gとなるまで反応させて、不飽和ポリエステルを調製した。
次いで、不飽和ポリエステル40質量部と、スチレン40質量部とを混合して、第1不飽和ポリエステル樹脂を調製した。
次いで、第1不飽和ポリエステル樹脂80質量部と、架橋ポリスチレン(低収縮化剤)15質量部と、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(硬化剤)1.0質量部と、パラベンゾキノン(重合禁止剤)0.05質量部と、水酸化アルミニウム(充填材)250質量部と、ステアリン酸亜鉛(離型剤)5質量部と、黒色トナー(第1着色剤、カーボンブラックを有するポリエステルトナー)5質量部とを混合して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
次いで、熱硬化性樹脂組成物に、酸化マグネシウム(増粘剤)1.0質量部を添加後、ガラス繊維のロービングを連続的に3mmに切断したチョップドガラス40質量部を添加して、公知のBMCニーダーにより混合して、ブロック単位5kgのBMC(成形材料)を調製した。
次いで、BMCから、小片状を有する第1樹脂材料を複数切り出した。第1樹脂材料は、立方体状(サイコロ状)を有し、その一辺は、5mmであった。
<第2樹脂材料の準備>
上記と同様に調製した不飽和ポリエステル40質量部と、スチレン120質量部とを混合して、第2不飽和ポリエステル樹脂を調製した。
次いで、第2不飽和ポリエステル樹脂160質量部と、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(硬化剤)1.0質量部と、ハイドロキノン(重合禁止剤)0.008質量部と、水酸化アルミニウム(充填材)100質量部と、ステアリン酸亜鉛(離型剤)5質量部と、白色トナー(第2着色剤、チタン白を有するポリエステルトナー)5質量部とを混合して、液体状を有する第2樹脂材料を調製した。
<第3樹脂材料の準備>
黒色トナー(第1着色剤)を白色トナー(第3着色剤)に変更したこと以外は、上記した第1樹脂材料の準備と同様にして、小片状を有する第3樹脂材料を調製した。
第3樹脂材料は、立方体状(サイコロ状)を有し、その一辺は、25mmであった。
<樹脂混合物の調製>
次いで、小片状を有する第1樹脂材料100質量部と、小片状を有する第3樹脂材料700質量部とを乾式混合し、混合された第1樹脂材料および第3樹脂材料に、液体状を有する第2樹脂材料15質量部をスプレーした。これによって、第2樹脂材料が第1樹脂材料および第3樹脂材料の表面に塗布された。以上によって、樹脂混合物を調製した。
<成形品の調製>
次いで、樹脂混合物を第1平板金型(下型、300mm□)上に配置した後、第1平板金型に向かって第2平板金型(上型、300mm□)を移動させて、第1平板金型と第2平板金型との間に樹脂混合物を挟み込み、成形温度 上型/下型=145℃/130℃、成形圧 面圧10MPa、成形時間6分間にて、樹脂混合物を硬化成形した。
以上によって、300mm□平板成形品を調製した。
平板成形品は、天然大理石に近い自然なマーブル調の模様を有していた。平板成形品の平面視における写真を図1に示す。
実施例2
<第1樹脂材料の準備>
上記と同様にして、第1樹脂材料を調製した。第1樹脂材料は、立方体状(サイコロ状)を有し、その一辺は、25mmであった。
<第2樹脂材料の準備>
黒色トナー(第1着色剤)を白色トナー(第2着色剤)に変更したこと以外は、上記した第1樹脂材料の準備と同様にして、小片状を有する第2樹脂材料を調製した。
第2樹脂材料は、立方体状(サイコロ状)を有し、その一辺は、25mmであった。
<樹脂混合物の調製>
次いで、小片状を有する第1樹脂材料400質量部と、小片状を有する第2樹脂材料400質量部とを乾式混合して、樹脂混合物を調製した。
<成形品の調製>
次いで、上記した成形品の調製と同様にして、樹脂混合物を硬化成形して、300mm□平板成形品を調製した。
平板成形品は、天然大理石に近い自然なマーブル調の模様を有していた。平板成形品の平面視における写真を図2に示す。

Claims (8)

  1. 小片状を有する第1樹脂材料を準備する工程と、
    前記第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状または小片状を有する第2樹脂材料を準備する工程と、
    前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とを混合して、樹脂混合物を調製する工程と、
    前記樹脂混合物を成形する工程と、を含むことを特徴とする、マーブル調成形品の製造方法。
  2. 前記第1樹脂材料を準備する工程は、
    前記第1樹脂材料からなる第1樹脂モールディングコンパウンドを準備する工程と、
    前記第1樹脂モールディングコンパウンドから、小片状を有する前記第1樹脂材料を切り出す工程と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマーブル調成形品の製造方法。
  3. 前記第2樹脂材料は、液体状を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のマーブル調成形品の製造方法。
  4. 前記第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、小片状を有する第3樹脂材料を準備する工程をさらに含み、
    前記樹脂混合物を調製する工程において、前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料と前記第3樹脂材料とを混合することを特徴とする、請求項3に記載のマーブル調成形品の製造方法。
  5. 前記第1樹脂材料と前記第3樹脂材料とは、互いにサイズが異なることを特徴とする、請求項4に記載のマーブル調成形品の製造方法。
  6. 前記第2樹脂材料は、小片状を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のマーブル調成形品の製造方法。
  7. 前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とは、互いにサイズが異なることを特徴とする、請求項6に記載のマーブル調成形品の製造方法。
  8. 小片状を有する第1樹脂材料と、
    前記第1樹脂材料と色彩および/または色調が異なり、液体状または小片状を有する第2樹脂材料と、を備えることを特徴とする、成形材料。
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