JP2020116660A - 工作機械の熱変位補正方法及び熱変位補正装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、使用方法によってはタッチプローブの熱変形が生じて位置計測精度が悪化してしまう場合がある。例えば主軸を高速回転させて加工した直後にタッチプローブを主軸に装着して位置計測を行うと、主軸の熱がタッチプローブに伝わることによって熱変形が生じ、計測精度が悪化してしまう。同様に、主軸に基準工具を取り付け、ワークの原点位置を設定する場合においても、軸を高速回転させて加工した直後に基準工具を主軸に装着して計測を行うと、主軸の熱が基準工具に伝わることによって熱変形が生じ、計測精度が悪化してしまう場合がある。以上の問題から計測を精度良く行うには主軸が冷えた状態で行う必要があり、従来は主軸を回転させて加工した後に計測を行う場合は、主軸を停止させてから冷却されるまで待つ必要があった。
一方、工作機械で問題となる主軸発熱による熱変位を補正する技術は広く用いられている。例えば、特許文献1〜3には、主軸発熱の影響による工具の熱変位を補正する方法が示されている。
特許文献1では、工具の温度変化を、工作機械の主軸の軸受近傍の温度と熱安定性の高い部位の温度差をもとに1次遅れ式から推定する方法が示されている。さらに、工具や工具ホルダの種類によって1次遅れ式で使用するパラメータを変更して、工具毎に最適な推定が行えるとしている。
特許文献2では、工具装着後の過渡的な工具温度の変化にも対応できるようにするため、使用直前の工具温度と主軸の温度とをもとに使用中の工具温度を推定して補正する方法が示されている。さらに、この方法では、工具毎に使用履歴を記録しておき、主軸に装着されているときと、工具マガジンに格納されているときのそれぞれの工具の温度変化を推定することで、工具装着時の初期温度を正確に推定できるようにしている。
特許文献3では、装着部がテーパー状になっている工具(いわゆるBTシャンクの工具)について、工具装着時の引き込みによる変位を補正する技術が示されている。この発明では主軸の軸受近傍の温度を使用して工具装着部の温度上昇値を求め、温度上昇値からあらかじめ求めた式に基づいて工具の引き込み量を計算し、工具の引き込みによる変位を補正している。
特許文献2の発明では、使用直前の工具温度と主軸の温度とをもとに使用中の工具温度を推定することで、工具装着後の過渡状態で精度良く補正できるようにしている。しかし、温度の具体的な推定方法については十分に示されていない。また、特許文献2では、加工工具を使用する場合を前提として書かれており、タッチプローブのような位置計測センサを主軸に装着する場合は想定されていない。温度の推定方法については、実施例において「工具温度の推定は、例えば、経験的に得られた関係や、実験的に得られた関係であり、工具毎に設定された関係などに基づいて行われる」とし、例として「工具温度の推定は、簡易的には、主軸の温度変化と、これに装着された工具の温度変化とが略同様の温度上昇曲線及び温度低下曲線を示し、工具の温度が主軸の温度に対し一定時間t遅れて変化するものとして行うことができる」とあるが、単純な一定時間の遅れでは主軸を停止させて使用するタッチプローブのような位置計測センサについて、温度を精度良く推定することは困難である。
一方、例えば特許文献1と特許文献2との方法を組み合わせて、工具の使用履歴から求めた使用直前の工具温度を初期値として定義し、工作機械の主軸の軸受近傍の温度と熱安定性の高い部位の温度差を入力温度として、1次遅れの式により工具の温度変化を計算する方法が考えられる。主軸回転時の発熱により主軸温度が上昇していく場合には、この方法により精度良く工具の温度変化を推定できると考えられる。しかし、例えばタッチプローブを使用する場合のように、主軸回転停止後、冷却していく過程で工具を装着する場合においては、以下の理由により、この方法で推定することは困難であると考えられる。軸受近傍には冷却回路が設けられていることが多く、主軸回転停止後には急速に温度が低下する。そのため、測定された軸受近傍の温度からは十分冷却されたとみなされたとしても工具装着部はまだ熱が残っており、工具を装着した際に熱が伝わって工具が熱変形することが起こりうる。そのため、主軸回転停止後冷却していく過程で工具を装着する場合の変化を推定するには、工具装着部の温度変化を考慮する必要があると考えられる。ただし、工具装着部は高速で回転する軸にあるため、直接温度を測定することは困難である。そのため、多くの場合、主軸の温度センサは容易に測定可能な固定部に取り付けられる。
そのため、特許文献3では、工具装着部分の温度上昇値を主軸の工具装着部分に近い主軸軸受近傍の温度上昇値より求めると記載されている。しかし、この発明では瞬間的な温度上昇値の比例関係を想定しており、工具装着部分の温度が遅れて変化することは想定されていない。主軸停止後の冷却時は主軸回転時とは異なり、軸受近傍の温度と工具装着部の温度は単純な比例関係にはならない。さらに、この発明が対象としているのは、工具を装着した瞬間に発生する工具の引き込みによる変位であり、工具装着後、時間の経過に伴って変化していく工具の熱変位を対象とはしていない。
以上に示したように特許文献1〜3に開示される方法は、主軸を回転させて使用する加工工具に対しては有効であるが、主軸を停止させて使用する基準工具やタッチプローブに対しては十分な効果を発揮できない。すなわち、主軸を高速回転させて加工した後に基準工具やタッチプローブを装着したときに、主軸の熱が基準工具やタッチプローブに伝わることによって熱変形が生じ、計測精度が悪化してしまう問題を解決できない。
前記工具または前記位置計測センサの使用履歴、前記主軸に装着する前の時点での前記工具または前記位置計測センサの温度、前記工作機械の機体温度、前記工作機械の周囲気温の何れかの情報を用いて、前記主軸に装着された時点における前記工具または前記位置計測センサの初期工具温度を設定する初期工具温度設定ステップと、
前記初期工具温度と前記主軸の温度とに基づいて、前記工具または前記位置計測センサの温度を推定する工具温度推定ステップと、
前記工具温度推定ステップで推定された温度に基づいて、予め設定された工具熱変位推定式により、前記工具または前記位置計測センサの熱変位量を推定する熱変位量推定ステップと、
推定された熱変位量に基づいて前記工作機械の送り軸を移動させて補正を行う熱変位補正ステップと、を実行する熱変位補正方法であって、
前記工具温度推定ステップでは、前記主軸の温度を前記主軸に取り付けられた温度センサにより測定すると共に、測定された前記主軸の温度と、前記主軸の回転・停止で異なる設定とされた工具装着部温度推定式とにより、前記主軸の工具装着部温度を推定し、
前記工具装着部温度と、前記工具または前記位置計測センサの前記初期工具温度と、予め設定された工具温度推定式とにより、前記工具または前記位置計測センサの温度を推定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、前記工具装着部温度推定式は、前記主軸を回転している状態から停止させた後、工具交換が行われたか否か、及び前記主軸に前記工具が装着されているか否かによりそれぞれ異なる式で設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の構成において、前記工具装着部温度推定式は、前記主軸の温度を入力とした一次遅れの式で表されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、前記工具温度推定式および前記工具熱変位推定式は、前記工具または前記位置計測センサの種類に応じた推定式を使用することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、工具装着部に工具または位置計測センサを着脱可能であり、前記工具を装着して回転可能な主軸を備えた工作機械において、
前記工具または前記位置計測センサの使用履歴、前記主軸に装着する前の時点での前記工具または前記位置計測センサの温度、前記工作機械の機体温度、前記工作機械の周囲気温の何れかの情報を用いて、前記主軸に装着された時点における前記工具または前記位置計測センサの初期工具温度を設定する初期工具温度設定手段と、
前記初期工具温度と前記主軸の温度とに基づいて、前記工具または前記位置計測センサの温度を推定する工具温度推定手段と、
前記工具温度推定手段で推定された温度に基づいて、予め設定された工具熱変位推定式により、前記工具または前記位置計測センサの熱変位量を推定する熱変位量推定手段と、
推定された熱変位量に基づいて前記工作機械の送り軸を移動させて補正を行う熱変位補正手段と、を備えた熱変位補正装置であって、
前記工具温度推定手段は、前記主軸の温度を前記主軸に取り付けられた温度センサにより測定すると共に、測定された前記主軸の温度と、前記主軸の回転・停止で異なる設定とされた工具装着部温度推定式とにより、前記主軸の工具装着部温度を推定し、
前記工具装着部温度と、前記工具または前記位置計測センサの前記初期工具温度と、予め設定された工具温度推定式とにより、前記工具または前記位置計測センサの温度を推定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加えて、さらに主軸を回転している状態から停止させた後、工具交換が行われたか否か、および主軸に工具が装着されているか否かにより異なる工具装着部温度推定式を用いる。主軸を停止させた後、工具交換を行わなかった場合には、熱くなった工具が付いたままであるので、工具装着部の温度は緩やかに低下する。一方、主軸を停止させた後、工具交換を行った場合には、冷たい工具が付くことにより工具装着部の熱が奪われ、温度は素早く低下する。この効果を工具装着部温度推定式に反映することで、どのようなタイミングで工具交換を行ったとしても精度良く工具やタッチプローブの熱変位を推定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、上記効果に加えて、工具装着部温度推定式を、主軸温度を入力とした一次遅れの簡易な推定式で表すので、パラメータの設定が容易になり計算負荷も小さくできる。
請求項4に記載の発明によれば、上記効果に加えて、工具または位置計測センサの種類に応じた工具温度推定式及び工具熱変位推定式を使用することにより、工具や位置計測センサの熱特性や寸法の違いを反映して、高い精度で温度変化と熱変位を推定することができる。
図1は、本発明を適用したマシニングセンタの主軸1を模式的に表したものである。この主軸1には、回転軸2と固定部3(ハウジング)とがあり、その間に軸受4が介在されて、この軸受4が回転軸2の回転時に発熱する。回転軸2の先には装着部としての工具装着部5があり、工具やタッチプローブが装着される。この図では位置計測センサとしてのタッチプローブ6が装着されている。
軸受4の近傍の固定部3には、冷却油を流して発熱の影響を抑えるための冷却回路7が設けられると共に、軸受4の発熱の影響による温度変化を検知する主軸温度センサ8が取り付けられている。主軸温度センサ8で取得した温度情報は、熱変位を推定し補正する際に用いられる。
ここでは補正量演算部13が本発明の初期工具温度設定手段、工具温度推定手段、熱変位量推定手段としてそれぞれ機能し、NC装置14が熱変位補正手段として機能する。
本発明では、測定した主軸1の温度と工具装着部5の温度とのズレを考慮して、工具やタッチプローブ6の温度を精度良く推定し、熱変位を補正する。ここでは工具装着部温度を推定する処理のフローチャートを図2に、ついで図2で推定した工具装着部温度から、工具やタッチプローブ6の温度と熱変位とを推定し、補正する処理のフローチャートを図3に示す。
これまで述べたように、主軸1の熱伝導特性により、工具装着部5の温度は軸受4付近の温度に対して遅れて変化する。この遅れを、例えば式1に示すような一次遅れの式で工具装着部温度推定式を表すことで、主軸温度センサ8で検出した主軸1の温度から工具装着部5の温度を推定できる。
まず、S1で主軸温度を読み込む。ここで言う主軸温度は、図1の主軸温度センサ8で測定した温度から求める。測定した温度をそのまま使用しても良いし、必要に応じてフィルタ処理等を行っても良い。また室温や主軸発熱の影響を受けない部位の機体温度を基準温度として、測定した主軸の温度と基準温度との差を主軸温度としても良い。
次に、S2で主軸1が停止中か回転中かを判定する。これは、主軸モータへの制御指令や、回転を検知するエンコーダーの信号などに基づいて行われる。
S2の判定で主軸停止中の場合は、S3で主軸停止中(工具交換前)の工具装着部温度推定式を設定する。本実施例では先の式1の工具装着部5の温度変化の遅れを表す時定数TSに、主軸停止中(工具交換前)に対応する値を設定する。
同様に、主軸回転中の場合は、S4で主軸回転中の工具装着部温度推定式を設定する。本実施例では式1の工具装着部5の温度変化の遅れを表す時定数TSに、主軸回転中に対応する値を設定する。
一方、工具取り外しを行った場合には、S7において、別の工具を主軸1に取り付けたかどうかを判定する。別の工具を取り付けず、主軸1に工具が装着されていない状態のままの場合は、主軸停止中(工具なし)の工具装着部温度推定式のままであるが、別の工具を取り付けた場合には、S8において、主軸停止中(工具交換後)の工具装着部温度推定式に切り替える。本実施例では式1の工具装着部5の温度変化の遅れを表す時定数TSに、主軸停止中(工具交換後)に対応する値を設定する。
最後にS9において、S1で読み込んだ主軸温度と、S2〜S8で決定した主軸1の状態に応じた工具装着部温度推定式を用いて、工具装着部温度を推定する。
また、停止中(工具交換前)、停止中(工具なし)、停止中(工具交換後)、回転中の4つの条件で4通りの式を切り替えているが、回転中と停止中の2通り、回転中、停止中(工具交換前)、停止中(工具交換後)の3通りで切り替えても良い。
次に、図2で推定した工具装着部温度から、工具やタッチプローブの温度と熱変位とを推定し、熱変位補正を行う。この方法を図3のフローチャートに従って説明する。
次に、S12で、工具またはタッチプローブの装着時の初期工具温度を設定する(初期工具温度設定ステップ)。例えば工具交換が行われた時に、それまで計算していた工具の推定温度をリセットして、工具の推定温度を初期工具温度に設定する。初期工具温度の設定方法は例えば、工具マガジン内に温度センサを設けておき、その温度を初期工具温度とする方法が考えられる。また、特許文献1に書かれているように、工具(またはタッチプローブ)の使用履歴に基づいて初期工具温度を計算しても良い。工作機械の機体温度や周囲気温を用いて初期工具温度を計算してもよい。
次に、S14で、読み込まれたパラメータと工具装着部温度推定式とに基づいて、主軸温度から工具装着部温度を推定する。すなわち、図2のフローチャートに従って、主軸1の回転・停止、工具交換実施の有無によって異なる工具装着部温度推定式を設定し、工具装着部温度を推定する。
次に、S15で、S14で推定した工具装着部温度を入力温度として設定する。すなわち、式1で求めた工具装着部温度θpを入力温度として設定する。工具が装着された時点から、工具装着部温度θpは入力温度として有効になる。つまり、主軸1が発熱し、工具装着部温度θpが高い状態で工具が装着されれば、工具への入力温度が高くなる。逆に主軸1が十分冷却され、工具装着部温度θpが常温に戻った状態で工具が装着されれば、工具への入力温度が低くなる。
次に、S16で、工具温度推定式に基づいて、図2のS1で読み込まれた主軸温度から工具またはタッチプローブの温度を計算する(S13〜S16:工具温度推定ステップ)。
すなわち、S14で推定した工具装着部温度θpが、接触面を通して工具またはタッチプローブに伝わっていき、工具またはタッチプローブの温度が変化する。この温度変化を工具温度推定式により表す。推定式の例として、式1と同様の一次遅れの以下の式2が考えられる。
すなわち、S16で推定した工具またはタッチプローブの温度に基づいて、工具またはタッチプローブの熱変位を計算する。工具熱変位推定式は例えば以下の式3のように、温度に比例係数を掛けた式で表される。
次に、S18で、推定した熱変位により補正する(熱変位補正ステップ)。すなわち、S7で推定した熱変位分だけ送り軸を移動させ工具刃先またはタッチプローブの測定点を補正する。
次に、S19で、工具またはタッチプローブが取り外されたか否かを判定する。ここで取り外された場合は処理を終了する。装着されている場合は、時間間隔ΔtでS4からS8の処理を繰り返す。
図3のフローにより、温度および熱変位を推定、補正した例を図4と図5のグラフで説明する。いずれも主軸1を120分回転させて発熱させた後、タッチプローブ6に交換して、所定の位置を繰り返し測定した時の位置の変化を表している。図4は主軸1の停止直後にタッチプローブ6を装着した場合、図5は主軸1を停止し20分置いた後にタッチプローブ6を装着した場合である。
主軸1の停止直後に装着した場合は、工具装着部5の温度が高く、タッチプローブ6に流入する熱量が多くなるため、熱変位は大きくなる。一方、20分置いた後に装着した場合、直後に装着した場合と比べて熱変位は減少しているが、依然として残っている。熱変位補正を行わない場合、熱変位の影響をなくすには、主軸1の停止から長時間待たなければならないことが分かる。
また、工具装着部温度推定式を、主軸温度を入力とした一次遅れの簡易な推定式で表すので、パラメータの設定が容易になり計算負荷も小さくできる。
さらに、S16の工具温度推定ステップでは、工具温度推定式を、工具装着部温度を入力とした一次遅れの簡易な推定式で表すので、パラメータの設定が容易になり計算負荷も小さくできる。
Claims (5)
- 工具装着部に工具または位置計測センサを着脱可能であり、前記工具を装着して回転可能な主軸を備えた工作機械において、
前記工具または前記位置計測センサの使用履歴、前記主軸に装着する前の時点での前記工具または前記位置計測センサの温度、前記工作機械の機体温度、前記工作機械の周囲気温の何れかの情報を用いて、前記主軸に装着された時点における前記工具または前記位置計測センサの初期工具温度を設定する初期工具温度設定ステップと、
前記初期工具温度と前記主軸の温度とに基づいて、前記工具または前記位置計測センサの温度を推定する工具温度推定ステップと、
前記工具温度推定ステップで推定された温度に基づいて、予め設定された工具熱変位推定式により、前記工具または前記位置計測センサの熱変位量を推定する熱変位量推定ステップと、
推定された熱変位量に基づいて前記工作機械の送り軸を移動させて補正を行う熱変位補正ステップと、を実行する熱変位補正方法であって、
前記工具温度推定ステップでは、前記主軸の温度を前記主軸に取り付けられた温度センサにより測定すると共に、測定された前記主軸の温度と、前記主軸の回転・停止で異なる設定とされた工具装着部温度推定式とにより、前記主軸の工具装着部温度を推定し、
前記工具装着部温度と、前記工具または前記位置計測センサの前記初期工具温度と、予め設定された工具温度推定式とにより、前記工具または前記位置計測センサの温度を推定することを特徴とする工作機械の熱変位補正方法。 - 前記工具装着部温度推定式は、前記主軸を回転している状態から停止させた後、工具交換が行われたか否か、及び前記主軸に前記工具が装着されているか否かによりそれぞれ異なる式で設定されていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械の熱変位補正方法。
- 前記工具装着部温度推定式は、前記主軸の温度を入力とした一次遅れの式で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械の熱変位補正方法。
- 前記工具温度推定式および前記工具熱変位推定式は、前記工具または前記位置計測センサの種類に応じた推定式を使用することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の工作機械の熱変位補正方法。
- 工具装着部に工具または位置計測センサを着脱可能であり、前記工具を装着して回転可能な主軸を備えた工作機械において、
前記工具または前記位置計測センサの使用履歴、前記主軸に装着する前の時点での前記工具または前記位置計測センサの温度、前記工作機械の機体温度、前記工作機械の周囲気温の何れかの情報を用いて、前記主軸に装着された時点における前記工具または前記位置計測センサの初期工具温度を設定する初期工具温度設定手段と、
前記初期工具温度と前記主軸の温度とに基づいて、前記工具または前記位置計測センサの温度を推定する工具温度推定手段と、
前記工具温度推定手段で推定された温度に基づいて、予め設定された工具熱変位推定式により、前記工具または前記位置計測センサの熱変位量を推定する熱変位量推定手段と、
推定された熱変位量に基づいて前記工作機械の送り軸を移動させて補正を行う熱変位補正手段と、を備えた熱変位補正装置であって、
前記工具温度推定手段は、前記主軸の温度を前記主軸に取り付けられた温度センサにより測定すると共に、測定された前記主軸の温度と、前記主軸の回転・停止で異なる設定とされた工具装着部温度推定式とにより、前記主軸の工具装着部温度を推定し、
前記工具装着部温度と、前記工具または前記位置計測センサの前記初期工具温度と、予め設定された工具温度推定式とにより、前記工具または前記位置計測センサの温度を推定することを特徴とする工作機械の熱変位補正装置。
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