JP2010172981A - 工作機械の工具位置補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】主軸の工具取付部および工具の熱膨張による工具の引き込み量を正確に見積もることができ、高い精度で工具位置を補正することが可能で、ワークの加工精度を効率的に向上させ得る工作機械の工具位置補正方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る工具位置補正方法は、主軸のテーパ部の温度とベッドの温度とを検出し、それらの検出温度の差から主軸のテーパ部の温度上昇値を算出する第一ステップ(S1,S2)と、予め求めた主軸のテーパ部の熱膨張に起因した工具の引き込み量と主軸のテーパ部の温度上昇値との対応関係に基づいて、第一ステップにおいて算出された温度上昇値に対応した工具の引き込み量を算出する第二ステップ(S3〜S6)と、算出された工具の引き込み量だけ工具位置を補正する第三ステップ(S7)とを有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、工作機械において、主軸の工具取付部および工具の熱膨張による引き込みに起因した工具位置のズレを補正するための工具位置補正方法に関するものである。
マシニングセンタ等の工作機械の中には、主軸の先端の内側にテーパ部が設けられており、当該テーパ部によって、基端に円錐台状のテーパ部を設けた工具を把持するように構成されたものがある。かかる工作機械においては、主軸の回転数が数万min−1レベルにまで到達すると、遠心力によって主軸のテーパ部が膨張し、工具の引き込み現象(工具が主軸の内部に入り込む現象)が発生する。
図6は、主軸を所定の回転速度(12,000min−1)で回転させた場合の切削工具の引き込みの様子を示したものである。主軸の先端の内側のテーパ部には、基端にテーパ部を設けた切削工具が把持されており、主軸の回転前においては、切削工具の鍔部と主軸の先端面との間が所定の長さ(Xa)になっている(図6(a)の状態)。そして、主軸を回転させると、回転に伴う遠心力に起因して所定量(約40μm)の切削工具の引き込みが生じる(図6(b)の状態)。この切削工具の引き込みは、ワークの加工精度が悪化する原因となるため、主軸を一旦回転させて引き込ませた後に、工具長を測定して位置補正することが一般に行われる。また、個々の工作機械について工具の引き込み量と主軸の回転数との対応関係を予め求めておき、当該対応関係から、所望する主軸の回転数に対応した工具の引き込み量を算出し、その引き込み量に基づいて工具位置を補正する方法も知られている(特許文献1)。
特公平8−7614号公報
しかし、遠心力によって工具が引き込まれた状態(図6(b))から、所定時間(約1時間)に亘って主軸を回転させると、回転に伴う発熱によって主軸および切削工具の温度が上昇する(約7℃)。そして、そのように主軸および切削工具の温度が上昇すると、主軸のテーパ部と切削工具のテーパ部がともに熱膨張するが、主軸のテーパ部の熱膨張量が切削工具のテーパ部の熱膨張量を上回るために、切削工具が回転直後(図6(b)の状態)よりもさらに所定の長さ(約20μm)だけ内部へ引き込まれる(図6(c)の状態)。
一方、図7は、ワーク原点を測定するためのタッチプローブ等の測定工具の引き込みの様子を示したものであり、主軸の回転前においては、測定工具の鍔部と主軸の先端面との間が所定の長さ(Yd)になっている(図7(a)の状態)。測定工具を装着する場合には、主軸を回転させることがないため、遠心力に起因した引き込みは発生しないが、切削工具による切削加工を繰り返した後に、測定工具を主軸に装着した場合には、当該測定工具は、主軸の回転前よりも内部に引き込まれた状態で装着されることとなる。すなわち、一旦、測定工具を取り外して切削工具を装着し、所定時間(約1時間)に亘って主軸を所定の回転速度(12,000min−1)で回転させると、回転に伴う発熱によって主軸の温度が上昇して(約7℃)テーパ部が熱膨張する。そのため、切削工具を取り外して測定工具を装着した場合には、当該測定工具は、所定の長さ(約25μm)だけ引き込まれた状態で装着されることとなる(図7(b)の状態)。
上記の如く、遠心力だけではなく、主軸のテーパ部や切削工具の熱膨張によっても切削工具の引き込みは発生し、ワークの加工精度が悪化する原因となる。また、測定工具の引き込みは、ワーク原点測定時においてワーク原点位置のズレに直結し、切削工具の引き込みと同様に、ワークの加工精度を悪化させる原因となる。
本発明の目的は、上記した主軸のテーパ部や工具の熱膨張による工具の引き込みによる工具位置を補正することが可能な工作機械の工具位置補正方法を提供することにある。
かかる本発明の内、請求項1に記載された発明は、主軸の工具を装着する部分がテーパ状に形成された工作機械において前記工具の装着位置を補正するための方法であって、主軸の工具装着部分または工具装着部分の近傍の温度を用いて主軸の工具装着部分の温度上昇値を算出する第一ステップと、予め求めた主軸の工具装着部分および工具の熱膨張に起因した工具の引き込み量と主軸の工具装着部分の温度上昇値との対応関係に基づいて、第一ステップにおいて算出された温度上昇値に対応した工具の引き込み量を算出する第二ステップと、算出された工具の引き込み量だけ工具位置を補正する第三ステップとを有することを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、主軸を回転して使用する切削用の工具と、主軸を回転せずに使用する測定用の工具との二種類の工具について、それぞれ、前記対応関係を予め求めておき、主軸に装着した工具の種類に応じて、工具の引き込み量の算出に用いる前記対応関係の種類を切り替えることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、前記第二ステップにおいて主軸の工具装着部分の熱膨張に起因した工具の引き込み量を算出する際に、主軸の温度上昇がない状態における工具の引き込み量、および、主軸の温度上昇が安定したときの工具の引き込み量を測定し、それらの差を、主軸の工具装着部分の熱膨張に起因した工具の引き込み量を算出することを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、前記第二ステップにおいて前記対応関係に基づいて温度上昇値に対応した工具の引き込み量を算出する際に、主軸を複数の種類の回転数で回転させた各場合について、主軸の温度上昇がない状態における工具の引き込み量と、主軸の温度上昇が安定したときの工具の引き込み量との差を、主軸の工具装着部分の熱膨張に起因した工具の引き込み変位量として求め、それらの各場合における主軸の温度上昇値と工具の引き込み変位量とから、前記対応関係として、温度上昇値を変数とした引き込み変位量の近似式を求め、その近似式に基づいて温度上昇値に対応した工具の引き込み量を算出することを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、前記第一ステップにおいて、主軸の工具装着部分の温度上昇値を算出するための具体的な方法として、主軸の工具装着部分に近い主軸軸受近傍の温度上昇値より求める方法を採用したことことを特徴とするものである。
請求項1の工具位置補正方法は、主軸のテーパ部の熱膨張に起因した工具の引き込み量を正確に求めて、その引き込み量だけ工具位置を補正するものであるので、当該補正方法によれば、先端のテーパ部のみを主軸に把持させる工具においても、非常に高い精度で工具位置を補正することができる。
請求項2の工具位置補正方法は、切削工具と測定工具との二種類の工具について、それぞれ、主軸のテーパ部の熱膨張に起因した引き込み量を正確に求めて、その引き込み量だけ工具位置を補正するものであるので、当該補正方法によれば、主軸のテーパ部の熱膨張による測定工具の引き込みに起因して生じていたワークの加工前の初期設定時におけるワーク原点位置のばらつきをも低減させることができる。
請求項3の工具位置補正方法は、主軸の温度上昇がない状態における工具の引き込み量と主軸の温度上昇が安定したときの工具の引き込み量との差を、熱膨張に起因した工具の引き込み量とするものであるので、当該補正方法によれば、きわめて高い精度で工具位置を補正することができる。
請求項4の工具位置補正方法は、予め求めた温度上昇値を変数とした引き込み変位量の近似式に基づいて温度上昇値に対応した工具の引き込み量を算出するものであるので、当該補正方法によれば、実績のない運転条件で工作機械を作動させる際の工具の補正量をも正確に推定することができる。
請求項5の工具位置補正方法は、回転する主軸の工具装着部分の温度を検出しなくても工具装着部分の温度上昇値を算出することができるため、埋め込み式や接触式の温度センサといった比較的に安価な検出手段で工具位置を補正することができる。
工具位置補正装置の構成を示す説明図である。 切削工具の引き込み量の測定手順を示す説明図である。 測定工具の引き込み量の測定手順を示す説明図である。 記憶装置に記憶された主軸の温度上昇と工具の引き込み量との対応データを示す説明図である。 工具の位置補正を行う際の処理内容を示すフローチャートである。 切削工具の引き込みの様子を示す説明図である。 測定工具の引き込みの様子を示す説明図である。
以下、本発明に係る工作機械の工具位置補正方法について、立形マシニングセンタにおける工具位置の補正例を一例として、図面に基づいて詳細に説明する。
<工具位置補正装置の構成>
図1は、マシニングセンタにおいて工具位置を補正するための工具位置補正装置の構成を示す説明図であり、NC工作機械であるマシニングセンタMは、主軸へツド1、コラム2、主軸3、ベッド4、移動テーブル5等から構成されている。また、主軸3の軸受外周部には、主軸3の温度を測定するための第1温度センサ6が取り付けられており、ベッド4には、温度(基準温度)を測定するための第2温度センサ7が取り付けられている。
さらに、マシニングセンタMには、所定のタイミングで第1温度センサ6および第2温度センサ7によって主軸3およびベッド4の温度を測定するための制御装置である温度測定装置8、主軸3の温度上昇と引き込み量との関係をデータあるいは式(近似式等)で記憶する記憶装置10、主軸3およびベッド4の測定温度から補正量を演算する補正量演算装置9等が接続されている。そして、当該補正量演算装置9が、マシニングセンタMの作動を制御するNC装置11に接続された状態になっている。
また、図2、図3は、それぞれ、切削工具あるいは測定工具を装着した主軸3の作動前後の様子を示したものであり、主軸3の先端の内側(工具把持部分)にはテーパ部Tcが設けられており、基端に円錐台状のテーパ部Taを設けた切削工具13(あるいは測定工具14)を把持することができるようになっている。
<熱膨張による各工具の引き込み量の算出>
以下、主軸3の回転時の温度上昇による主軸3のテーパ部Tcの熱膨張による各工具(切削工具13あるいは測定工具14)の引き込み量の測定について説明する。
<切削工具13の引き込み量の算出>
主軸3のテーパ部Tcの熱膨張による切削工具13の引き込み量を求める場合には、まず、切削工具13を装着した後に主軸3を回転させて、主軸3のテーパ部Tcの熱膨張によって切削工具13を引き込ませた後に、主軸3を停止させる(図2(b)の状態)。
そして、主軸を停止させた直後に、切削工具13の鍔面の位置および主軸3の先端面の位置をミリメス等によって測定し、切削工具13の鍔面と主軸3の先端面との間の距離を算出する(この場合の距離をXbとする)。なお、主軸3の先端面の位置を測定する際には、測定の精度を向上させるために、一旦、切削工具13を取り外すのが好ましい。
しかる後、切削工具13を装着した状態で、主軸3を所定の回転速度(たとえば、12,000min−1)で温度が安定するまで回転させ、上記した方法と同様な方法によって、切削工具13の鍔面と主軸3の先端面との間の距離(この場合の距離をXcとする)を求め、当該距離の変化量(すなわち、Xb−Xc)を主軸3のテーパ部Tcの熱膨張による「切削工具13の引き込み量」として算出する。また、温度測定装置8による制御に基づいて、第1温度センサ6、第2温度センサ7によって、温度が安定した際の主軸3の温度およびベッド4の温度を、それぞれ測定し、それらの測定温度の差を、主軸3の温度上昇値として算出し、上記の如く算出された「切削工具13の引き込み量」と対応付けて、記憶装置10に記憶させる。
そして、主軸3を複数の回転速度で回転させて、上記の如く、主軸3のテーパ部Tcの熱膨張による「切削工具13の引き込み量」を繰り返し算出し、それらの測定工具14の引き込み量と主軸3の温度上昇値とを対応付けて記憶装置10に記憶させる。
<測定工具14の引き込み量の算出>
一方、図3(a)の如く、主軸3を回転させる前に、主軸3の先端のテーパ部Tcに測定工具14を把持させて、当該測定工具14の鍔面および主軸3の先端面の位置をミリメス等によって測定し、測定工具14の鍔面と主軸3の先端面との間の距離を算出する(この場合の距離をYdとする)。
しかる後、測定工具14を取り外した状態で、主軸3を所定の回転速度(たとえば、12,000min−1)で温度が安定するまで回転させた後に、再度、測定工具14を装着し、上記した方法と同様な方法によって、測定工具14の鍔面と主軸3の先端面との間の距離(この場合の距離をYeとする)を求め、当該距離の変化量(すなわち、Yd−Ye)を、主軸3のテーパ部Tcの熱膨張による「測定工具14の引き込み量」として算出する。また、温度測定装置8による制御に基づいて、第1温度センサ6、第2温度センサ7によって、温度が安定した際の主軸3の温度およびベッド4の温度を、それぞれ測定し、それらの測定温度の差分を、主軸3の温度上昇値として算出し、上記の如く算出された「測定工具14の引き込み量」と対応付けて、記憶装置10に記憶させる。
そして、主軸3を複数の回転速度で回転させて、上記の如く、主軸3のテーパ部Tcの熱膨張による「測定工具14の引き込み量」を繰り返し算出し、それらの「測定工具14の引き込み量」と主軸3の温度上昇値とを対応付けて記憶装置10に記憶させる。
図4は、上記の如く求められた“主軸3の温度上昇値と「切削工具13の引き込み量」との対応関係”、“主軸3の温度上昇値と「測定工具14の引き込み量」との対応関係”を示したものである。かかるデータに基づいて、補正量演算装置9によって、主軸3の温度上昇値と「切削工具13の引き込み量」との対応関係について、以下の近似式を得る。そして、かかる式1を、記憶装置10に記憶させる。
切削工具13の引き込み量(μm)=a×主軸温度上昇値(℃)・・・式1
なお、主軸3の温度上昇値と「切削工具13の引き込み量」との対応関係が図4の通りである場合には、a=2.84となる。
また、主軸3の温度上昇値と「測定工具14の引き込み量」との対応関係について、以下の近似式を得る。そして、かかる式2を、記憶装置10に記憶させる。
測定工具14の引き込み量(μm)=a×主軸温度上昇値(℃)・・・式2
なお、主軸3の温度上昇値と「測定工具14の引き込み量」との対応関係が図4の通りである場合には、a=3.58となる。
そして、マシニングセンタMにおいて切削工具13の位置を補正する場合には、測定される主軸3の温度上昇値から、記憶装置10内に記憶された式1によって、切削工具13の「引き込み量」が算出され、当該「引き込み量」に基づいて、切削工具13の位置補正が行われる。また、測定工具14の位置を補正する場合には、測定される主軸3の温度上昇値から、記憶装置10内に記憶された式2によって、測定工具14の「引き込み量」が算出され、当該「引き込み量」に基づいて、測定工具14の位置補正が行われる。
<マシニングセンタMにおける工具の位置補正>
以下、上記した近似式(式1あるいは式2)を用いてマシニングセンタMにおいて切削工具13(あるいは測定工具14)の位置補正を行う際の処理内容について、図5のフローチャートに基づいて説明する。当該位置補正処理においては、まず、ステップ(以下、単にSで示す)1で、温度測定装置8による制御に基づいて、第1温度センサ6、第2温度センサ7が、それぞれ、主軸3およびベッド4の温度を測定する。しかる後、S2で、温度測定装置8によって、測定された各温度(アナログ信号)がデジタル化されて数値化され、それらの数値に基づいて、主軸3の温度上昇値が算出される。
続くS3では、主軸3に装着されている工具が切削工具13であるか否かを、補正量演算装置9がNC装置11から情報を入手することによって判断する。そして、“YES”と判断された場合(すなわち、主軸3に切削工具13が装着されていると判断された場合)には、S4で、工具の引き込み量を算出するための近似式として、記憶装置10内から上記式1が呼び出される。一方、“NO”と判断された場合(すなわち、主軸3に測定工具14が装着されていると判断された場合)には、S5で、工具の引き込み量を算出するための近似式として、記憶装置10内から上記式2が呼び出される。
しかる後、S6で、上記S4あるいはS5において記憶装置10内から呼び出された近似式を用いて、補正量演算装置9によって、工具の引き込み量を算出する。かかる引き込み量の算出値が、切削工具の位置を補正するための補正量として利用される。そして、続くS7で、NC装置11によって、算出された補正量(すなわち、工具の引き込み量)だけ工具の位置が補正される。さらに、必要に応じて、上記した工具位置の補正(S1〜S7)が繰り返し実行される(S8)。
<実施形態の工具位置補正方法による効果>
上記実施形態の工具位置補正方法は、主軸3の回転に伴うテーパ部Tcの熱膨張に起因した切削工具13(あるいは測定工具14)の引き込み量Xb−Xc(あるいはYd−Ye)を正確に求めて、その引き込み量だけ工具位置を補正するものであるので、当該補正方法によれば、先端のテーパ部Taのみを主軸3に把持させる切削工具13(あるいは測定工具14)においても、非常に高い精度で工具位置を補正することができる。
また、上記実施形態の工具位置補正方法は、切削工具13と測定工具14との二種類の工具について、それぞれ、主軸3のテーパ部Tcの熱膨張に起因した引き込み量(Xb−XcおよびYd−Ye)を正確に求めて、その引き込み量だけ工具位置を補正するものであるので、当該補正方法によれば、主軸3のテーパ部Tcの熱膨張による測定工具14の引き込みに起因して生じていたワークの加工前の初期設定時におけるワーク原点位置のばらつきをも低減させることができる。
さらに、上記実施形態の工具位置補正方法は、主軸3の温度上昇がない状態における切削工具13の引き込み量Xa−Xbと主軸3の温度上昇が安定したときの切削工具13の引き込み量Xa−Xcとの差|Xb−Xc|を、熱膨張に起因した工具の引き込み量とするものであるので、当該補正方法によれば、きわめて高い精度で工具位置を補正することができる。
加えて、上記実施形態の工具位置補正方法は、予め求めた温度上昇値を変数とした引き込み変位量の近似式(式1あるいは式2)に基づいて温度上昇値に対応した工具(切削工具13あるいは測定工具14)の引き込み量を算出するものであるので、当該補正方法によれば、実績のない運転条件でマシニングセンタM(主軸3)を作動させる際の工具(切削工具13あるいは測定工具14)の補正量をも正確に推定することができる。
なお、本発明に係る工具位置補正方法の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で必要に応じて適宜変更することができる。また、本発明に係る工具位置補正方法を用いる工作機械も、上記実施形態の態様に何ら限定されず、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、本発明に係る工具位置補正方法は、上記実施形態の如く、ベッドに設けた温度センサによって基準温度を測定するものに限定されず、ベッド以外の部位に設けた温度センサによって基準温度を測定するものでも良い。加えて、主軸に設けた温度センサの測定温度と予め設定された基準温度との差を温度上昇値として、熱膨張に起因した工具の引き込み量を算出するものでも良い。
また、本発明に係る工具位置補正方法は、上記実施形態の如く、測定された主軸の温度上昇値から常に近似式を用いて工具の引き込み量を求めるものに限定されず、主軸の温度上昇値が記憶装置に記憶されている「温度上昇値と引き込み量との対応データ」における温度上昇値と同一の場合には、当該データにおける「引き込み量」をそのまま用いて位置補正を行うものに変更することも可能である。
本発明に係る工具位置補正方法は、上記の如く優れた効果を奏するものであるから、各種の工作機械において、主軸テーパ部の熱膨張による引き込みに起因した工具位置のずれを補正するための方法として好適に用いることができる。
3・・主軸
4・・ベッド
6・・第一温度センサ
7・・第二温度センサ
9・・補正量演算装置
10・・記憶装置
11・・NC装置
12・・主軸先端部
13・・切削工具
14・・測定工具
M・・マシニングセンタ
Tc・・テーパ部(主軸)
Ta・・テーパ部(工具)

Claims (5)

  1. 主軸の工具を装着する部分がテーパ状に形成された工作機械において前記工具の装着位置を補正するための方法であって、
    主軸の工具装着部分または工具装着部分の近傍の温度を用いて主軸の工具装着部分の温度上昇値を算出する第一ステップと、
    予め求めた主軸の工具装着部分および工具の熱膨張に起因した工具の引き込み量と主軸の工具装着部分の温度上昇値との対応関係に基づいて、第一ステップにおいて算出された温度上昇値に対応した工具の引き込み量を算出する第二ステップと、
    算出された工具の引き込み量だけ工具位置を補正する第三ステップとを有することを特徴とする工作機械の工具位置補正方法。
  2. 主軸を回転して使用する切削用の工具と、主軸を回転せずに使用する測定用の工具との二種類の工具について、それぞれ、前記対応関係を予め求めておき、
    主軸に装着した工具の種類に応じて、工具の引き込み量の算出に用いる前記対応関係の種類を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の工作機械の工具位置補正方法。
  3. 前記第二ステップにおいて主軸の工具装着部分の熱膨張に起因した工具の引き込み量を算出する際に、
    主軸の温度上昇がない状態における工具の引き込み量、および、主軸の温度上昇が安定したときの工具の引き込み量を測定し、それらの差を、主軸の工具装着部分の熱膨張に起因した工具の引き込み量を算出することを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の工作機械の工具位置補正方法。
  4. 前記第二ステップにおいて前記対応関係に基づいて温度上昇値に対応した工具の引き込み量を算出する際に、
    主軸を複数の種類の回転数で回転させた各場合について、主軸の温度上昇がない状態における工具の引き込み量と、主軸の温度上昇が安定したときの工具の引き込み量との差を、主軸の工具装着部分の熱膨張に起因した工具の引き込み変位量として求め、
    それらの各場合における主軸の温度上昇値と工具の引き込み変位量とから、前記対応関係として、温度上昇値を変数とした引き込み変位量の近似式を求め、その近似式に基づいて温度上昇値に対応した工具の引き込み量を算出することを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の工作機械の工具位置補正方法。
  5. 前記第一ステップにおいて、主軸の工具装着部分の温度上昇値は、主軸の工具装着部分に近い主軸軸受近傍の温度上昇値より求めることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の工作機械の工具位置補正方法。
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