JPH10286745A - Nc工作機械用ワーク測定方法 - Google Patents

Nc工作機械用ワーク測定方法

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JPH10286745A
JPH10286745A JP9716597A JP9716597A JPH10286745A JP H10286745 A JPH10286745 A JP H10286745A JP 9716597 A JP9716597 A JP 9716597A JP 9716597 A JP9716597 A JP 9716597A JP H10286745 A JPH10286745 A JP H10286745A
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一男 梅影
Kazuhiko Okuaki
和彦 奥秋
Toshiro Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細複雑形状のワークを短時間で高精度に測
定するのに好適なNC工作機械用ワーク測定方法を提供
する。 【解決手段】 主軸7側とテーブル側との間に電位差を
設定し、回転する測定子9とワーク11との間で測定方
向に相対移動を行い、この間の電気導通によりワーク1
1と測定子9との接触信号をNC制御装置へ伝達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NC工作機械用の
ワーク測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】NC工作機械の主軸に装着したタッチセ
ンサーにより、テーブル上に固定したワークの測定をす
る従来のNC工作機械用ワーク測定方法として、特開平
4−171161号に開示されたものがある。この方法
は、工作機械の主軸にタッチセンサーを装着し、主軸台
を適宜移動させてセンサー本体に設けた測定子の先端が
テーブル上のワークに当接したことを検出するようにし
た基準穴位置測定方法である。図面によってこの基準穴
位置測定方法を説明する。図3はこの方法によるワーク
に対するタッチセンサーの相対移動を示す説明図であ
る。
【0003】主軸台を相対移動して、テーブル上のワー
クwに形成された基準穴wa内に測定子先端を位置させ
たときの中心軸心を基準穴waの仮中心Qとする。この
とき、仮中心Qより寸法δだけ変位したa点に測定子の
先端があるとする。この状態からX軸方向に相対移動
させて内周面wcに当接させて、被測定箇所X1 を検出
させ検出信号を制御装置へ送信する。次に主軸を仮中心
Qに戻し、主軸を180度回転させ、測定子の先端をb
点に位置させる。続いてX軸に沿って被測定箇所X1 と
反対方向へ測定子の先端を移動させて、内周面wcに
当接させて被測定箇所X2 を検出し制御装置へ送信す
る。制御装置において、X軸方向の中心位置が演算式
(X1 −X2 )によって求められ、この際変位寸法δは
タッチセンサーを180度回転することで補正される。
【0004】続いて主軸を仮中心Qに戻し、90度回転
して測定子の先端をc点に位置させ、Y軸に沿って測定
子の先端を移動させて、被測定箇所Y1 を検出し制御
装置へ送信する。次に測定子を仮中心Qに戻して180
度回転させ、測定子の先端をd点に位置させる。次にY
軸に沿って被測定箇所Y1 と反対方向に測定子の先端を
移動させて被測定箇所Y2 を検出し制御装置へ送信す
る。制御装置において、Y軸方向の中心位置を演算式
(Y1 −Y2 )によって求め、前記X軸方向の中心位置
と共に基準穴waの真の中心Pを決定する。
【0005】上記方法において、測定子を180度回転
させるのは、それにより変位寸法δを補正するためであ
り、主軸の中心軸心と測定子の先端との間に変位δが生
じても基準穴の中心位置を高精度で測定できるという方
法である。
【0006】ここで用いられるような従来のタッチセン
サーは、例えばセンサー本体内部に3つの固定接点をも
ち、これらの接点に対して測定子の後端である球形の接
触子を所定の付勢力で押圧することにより、センサーの
取付軸心と測定子先端とを一致させる機構があり、この
測定子先端がワークに当接して測定圧が前記付勢力を越
えたときに、測定子軸が傾動を起こして前記接点のどれ
かが離れることによって、傾動検出スイッチが働く仕組
になっている。
【0007】図4は、基準穴とは異なる複雑形状のワー
クを測定する場合のタッチセンサーの相対移動を示す説
明図である。図4を用いて複雑形状のワークを測定する
場合の従来の測定方法について説明する。
【0008】図4において、W1 は例えば歯形穴Wh が
形成された複雑形状のワークである。Wc は歯形穴Wh
の内周面である。半径rの球体であるタッチセンサーの
先端Sは主軸の回転方向の0点(基準位置)に対して角
度α1 方向に、軸心からはεだけ変位しているとする。
P1 、P2 は先端Sが内周面Wc に当接したときの当接
点であり、h1 、h2 はそれぞれ当接点P1 、P2 にお
ける測定子先端Sの中心に向かう法線である。β1 は先
端Sの中心において主軸中心方向と法線h1 の成す角度
であり、γは法線h1 と法線h2 とが成す角度である。
【0009】加工済みのワーク形状を図面形状(基準
値)と比較するために、歯形穴Wh の所定の箇所の測定
を行なうのだが、この場合にはまず、主軸の回転を固定
したままでタッチセンサーの先端Sを歯形穴Wh 内に移
動し、更にワーク平面方向に相対移動させて歯形穴Wh
の内周面Wc に当接させ、所望の測定箇所である当接点
P1 の座標(X1 ,Y1 )を主軸の軸心p1の座標とし
て制御装置に読み取ることになる。この場合、当接点P
1 の座標(X1 ,Y1 )は主軸軸心p1 の座標(x1 ,
y1 )にα1,β1,ε,rの関数である所定の補正値を
加算したものに相当する。
【0010】次の任意の当接点P2 についても同様に座
標を読み取るのだが、その際に主軸の回転方向を固定し
たままで測定した場合には、主軸は軸心p1’ に平行移
動したことになるので、その座標 (x1’,y1’)に当
接点P1 における前記補正値と同じ補正値を加算したと
すると、それは当接点P1 の平行移動した点P1’ の座
標(X1’,Y1’)となる。したがって、当接点P2 の
座標(X2,Y2 )を主軸座標で読み取るためには、主軸
をさらに法線h1 と法線h2 との間の角度γだけ回転さ
せた時の軸心p2 の座標(x2 ,y2)を読み取る必要が
ある。さらに、P2 の座標(X2 ,Y2)を求めるには、
p2 の座標(x2 ,y2)に対してα2,β2,ε,rに基
づく新たな補正値が必要になる。このようにして測定面
の傾斜に応じてその都度主軸の角度を制御し、その都度
予め補正値を設定することで、測定点の座標が求められ
る。そしてこの方法によれば、測定子S上のワークとの
当接箇所は常に一定にすることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複雑形
状のワークを測定するような場合には、測定子の先端が
当接する測定面が任意の角度をもつことになるため、測
定面の傾斜に合わせて測定子を装着した主軸の回転方向
をその都度変更する必要があり、当接面の傾斜が異なる
毎に補正値を設定しておく必要が生じる。そのための作
業は極めて煩雑で時間を要するために、測定時間が長く
なってしまうという問題がある。
【0012】また、タッチセンサーを働かせるには、前
記付勢力に坑する測定圧が必要であるから、微細複雑形
状のワークを測定する場合に用いられる微小(例えば先
端半径0.25mm)な測定端子を装着すると、タッチ
センサーが働く前に測定端子が折損してしまう。したが
って測定子軸径や先端の大きさを小さくすることができ
ないので微細な形状(例えば半径0.3mmの凹凸部)
を測定できないという問題がある。
【0013】そこで、本発明の目的は、以上の問題点を
解決して、微細複雑形状のワークを短時間で高精度に測
定するのに好適なNC工作機械用ワーク測定方法を提供
することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1記載の発明は、NC工作機
械の主軸に装着したタッチセンサーにより、テーブル上
に固定したワークの測定をするNC工作機械用ワーク測
定方法において、前記ワークに前記タッチセンサーを当
接させて前記主軸の座標を読み取る際に、前記タッチセ
ンサーを回転させながら行なうことを特徴としたもので
ある。
【0015】また請求項2記載の発明は、請求項1に記
載の発明のうち、前記タッチセンサーは電気導通式タッ
チセンサーであることを特徴としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態を詳述する。図1は本発明の実施の形態であるNC
工作機械用ワーク測定方法を説明するためのタッチセン
サーの動作を示す斜視図である。図2は、タッチセンサ
ーの相対移動を示す平面図である。これらの図の中で測
定子の主軸中心に対するずれは極端に表現してある。
【0017】図1において、3はNC制御装置付きの工
作機械であるマシニングセンターのテーブル、7はマシ
ニングセンターの主軸である。8は電気導通式のタッチ
センサーであり、このタッチセンサーは主軸7に装着さ
れて主軸7と共に回転する。9はタッチセンサーに組み
込まれた測定子で半径rの球状の先端9aをもってい
る。11はテーブル3上に固定された金属の加工物であ
り被測定物でもあるワークである。そして、NC工作機
械の主軸7とテーブル3との間には電位差が設定してあ
り、主軸からタッチセンサー8の先端9aまで電気導通
しており、先端9aがワークに接触すると測定子9の傾
動を待たずに電気的に接触を検出し、図示しないNC制
御装置がそのときの主軸の座標を読み取るようになって
いる。
【0018】(1)測定の準備工程 まず、測定子先端9a及びワーク11の測定面を含
め、周辺の汚れ、油、切り粉等の異物を取り除き、きれ
いに清掃する。 測定子の振れをできるだけ調整して0に近付けてお
く。調整しきれない振れ量ρを測定して補正値としてN
C制御装置に記憶させる。 NC制御装置の指令により、主軸7を移動させてタッ
チセンサー8の測定子9の先端9aをワーク11の測定
位置の側方に配置する。
【0019】(2)測定 主軸7を回転あるいは非回転状態でタッチセンサー8
の先端9aをワーク11に近づけて行き、導通が取れた
ところで一定量後退させ導通しない位置まで移動させ
る。測定時のタッチセンサー8の回転速度は一定であ
り、方向は加工時と同方向あるいは逆方向でもよい。こ
こで、ワーク11に対する接近速度は主軸7の回転速度
に依存するが、振れ量ρをできるだけ0にすることによ
り、接近速度を上げることができる。 次にタッチセンサー8を回転させたまま、ワーク11
に向けて、マシニングセンターの最小分解能の間隔で1
ステップ移動させた後、タッチセンサー8を1回転以上
させるに十分な時間停止させ、その時のタッチ信号の有
無を確認し、信号が無い場合にはさらにワーク11に近
づくように1ステップ移動させる。 の動作を繰り返しタッチ信号が検出されたら、その
時点における主軸7の座標をNC制御装置に記憶する。
【0020】図2に示すように、この方法で図4のもの
と同様のワーク11を測定した場合には、主軸7の軸心
p(p1,p2 )は常に先端9aのワーク11に対する当
接点P(P1,P2 )の法線h(h1,h2 )上にある。つ
まり、先端9aの見掛け上の半径が振れ量ρの分だけ大
きくなり、かつ主軸7の軸心pに対する振れが無くなっ
た状態に相当する。すなわち、ワーク11に当接する測
定子先端9aは常に同一箇所で測定することとなり、測
定子9の測定方向による感度差や先端9aのいびつによ
る誤差分も排除できることになる。
【0021】したがって、この測定方法によると振れの
全く無い測定子で測定することと同等になり、常に測定
子の同一面で測定することになるので、測定の際に測定
面の傾斜毎に、主軸の角度制御をしたり補正値を持つ必
要がなく、高精度な測定が短時間でできる。
【0022】また、タッチセンサーの検出を電気導通に
より行っているので、測定子に大きな測定圧をかける必
要がなく、微小な先端(例えば半径0.25mm)の測
定子を採用することができる。したがってそれだけ微細
複雑なワークの測定ができることになる。
【0023】上記ワーク測定方法では、マシニングセン
ターの最小分解能(例えば1μm)の間隔のステップ移
動により測定を行なうので、ワーク形状を高精度に測定
することができる。
【0024】なお、従来の測定法によって電気導通方式
のタッチセンサーを用いたとしたら、測定子先端面やワ
ークの測定面に加工油等の油膜や切り粉等が付着してい
た場合には電気導通が起きにくく、測定値のサンプリン
グ数も1測定当たり1回であるため、測定誤差を生じ易
いが、本発明の方法ではタッチセンサーを回転させなが
らワークに近接させるので、測定回数を複数回にするこ
ともでき、ワーク表面の異物等を排除してその影響を受
けずに精度良く測定できる。
【0025】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものでなく、準備工程における最小分解能の間隔での主
軸移動は必要に応じて省略してもよい。また、このよう
な主軸移動のかわりに、初め一定速度F1 で移動させ、
タッチ信号が検出されたら移動方向を反転させてF1 よ
り遅い速度F2 でタッチ信号が出なくなるまで移動さ
せ、タッチ信号が出なくなった時点で移動方向を最初に
戻し、速度F2 より更に遅い速度F3 でタッチ信号が検
出されるまで移動するという相対移動など種々のものが
考えられる。
【0026】
【発明の効果】上記の如く本発明によれば、NC工作機
械の主軸に装着したタッチセンサーをテーブル上のワー
クに当接させて前記主軸の座標を読み取る際に、前記タ
ッチセンサーを回転させながら行なうようにしたので、
任意の角度の面を測定する場合でも測定子の振れ量の補
正をする必要がなく、高精度な測定が迅速に行なえる。
【0027】また、前記タッチセンサーは電気導通式タ
ッチセンサーとしたので、測定圧を微小にすることがで
き、微小な先端の測定子を使用できるので、それだけ微
細なワー形状を測定できることになった。また、タッチ
センサーを回転させながらタッチ信号を得るので測定面
の汚れの影響を受けずに高精度な測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である測定方法を示す説明
図である。
【図2】本発明の実施の形態を説明する平面図である。
【図3】従来の基準穴の測定方法を示す説明図である。
【図4】従来の複雑形状のワークを測定する方法を説明
する説明図である。
【符号の説明】
3 テーブル 7 主軸 8 タッチセンサー 9 測定子 9a 先端 11 ワーク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NC工作機械の主軸に装着したタッチセ
    ンサーにより、テーブル上に固定したワークの測定をす
    るNC工作機械用ワーク測定方法において、 前記ワークに前記タッチセンサーを当接させて前記主軸
    の座標を読み取る際に、前記タッチセンサーを回転させ
    ながら行なうことを特徴とするNC工作機械用ワーク測
    定方法。
  2. 【請求項2】 前記タッチセンサーは電気導通式タッチ
    センサーであることを特徴とする請求項1記載のNC工
    作機械用ワーク測定方法。
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