JP2020116546A - 竪型粉砕機及びその運転方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この異常振動は、様々な原因によって誘発されるため、その振動原因に応じた様々な対策を講じる必要がある。従来、数多くの異常振動防止対策が提案されている。
また、粉砕ローラの押付角度を制御して被粉砕物の脱気や層厚を均すことによって粉砕時の振動を防止する竪型粉砕機がある(一例として特許文献2など)。
前記補助ローラは、粉砕中に変化する前記被粉砕物の状態を検出する粉砕状態検出部を備え、
前記粉砕状態検出部の検出値に基づいて、前記補助ローラの押付角度を制御して所定の層厚及び異常振動を防止する制御部を設けたことを特徴とする竪型粉砕機を提供することにある。
上記第1の手段によれば、補助ローラの押付角度、回転トルク値、押付角度の定速度変化、回転トルク値の時間変化、振動波形から被粉砕物の状態を判断して、即時に最適な粉砕運転条件、換言すると回転テーブル上の被粉砕物を適正な層厚にして、かつ粉砕時の異常振動の発生を防止できるように調整することができる。
上記第2の手段によれば、回生力の測定値、測定値の変化状態から粉砕物の脱気状態を判断することができる。
前記補助ローラに設けた粉砕状態検出部で、粉砕中に変化する前記被粉砕物の状態を検出する工程と、
前記粉砕状態検出部の検出値に基づいて、前記補助ローラの押付角度を制御して所定の層厚及び異常振動を防止する制御を行う工程と、
を有することを特徴とする竪型粉砕機の運転方法を提供することにある。
上記第3の手段によれば、補助ローラの押付角度、回転トルク値、押付角度の定速度変化、回転トルク値の時間変化、振動波形から被粉砕物の状態を判断して、即時に最適な粉砕運転条件、換言すると回転テーブル上の被粉砕物を適正な層厚にして、かつ粉砕時の異常振動の発生を防止できるように調整することができる。
上記第4の手段によれば、発生した大きいローラ振動に対して最適な粉砕運転条件、換言すると回転テーブル上の被粉砕物を適正な層厚にして、かつ粉砕時の異常振動の発生を防止できるように調整することができる。
上記第5の手段によれば、回転テーブル上の被粉砕物の滞留量の増加に対して最適な粉砕運転条件、換言すると回転テーブル上の被粉砕物を適正な層厚にして、かつ粉砕時の異常振動の発生を防止できるように調整することができる。
[竪型粉砕機1]
図1は、本発明の竪型粉砕機の全体構造を説明する図である。図2は、粉砕ローラ、補助ローラ及び回転テーブルの配置を説明する図である。図3は、本発明の竪型粉砕機の運転方法の処理フロー図である。図4は、本実施形態の粉砕状態検出部と制御部に関するブロック図である。
また、図1に示した竪型粉砕機1は、駆動モータ2Mの駆動用電源としてインバータ電源を備えており、運転中、回転テーブル2の回転速度を任意に変更可能な可変速式の竪型粉砕機1である。
粉砕ローラ3と同様に、補助ローラ5はスイングレバー5Aに取り付けられてケーシング1Bに軸5Cを中心として回動自在に軸支されており、スイングレバー5Aのアーム5Bには第2の油圧シリンダ5Dが取り付けられている。油圧シリンダ5Dを作動させてアーム5Bを駆動することによりスイングレバー5Aを動かして補助ローラ5を所望する加圧力で回転テーブル2側に押し付ける。
補助ローラ5のスイングレバー5Aには振動センサ56を設けている。振動センサ56は、補助ローラ5で発生した上下(垂直)方向の振動を検出し、測定値を電気信号に変換して後述する制御部54へ送信可能に構成している。
さらに、図1に示した竪型粉砕機1は、回転テーブル2の下方にガスを導入するためのガス供給口33と、極端に大きな重量の原料を取り出すための下部取出口34と、を備えており、回転テーブル2上方には、ガスと共に製品を取り出すことのできる上部取出口39を備えている。
本実施形態の補助ローラ5は、第1に被粉砕物を脱気する目的と、第2に被粉砕物の状態を測定する目的で使用している。
第1の目的は、粉砕運転時に補助ローラ5を先に下げて粉砕層を圧縮する。補助ローラ5の役割は、粉砕ローラ3の粉砕を容易に行うための事前作業である。主に粉砕物中に含まれる空気を脱気して粉砕ローラ3の粉砕性能を向上させることである。そして、回転テーブル2に供給される被粉砕物の量がその都度変化する場合に、粉砕ローラ3と回転テーブル2間の間隔を粉砕量に応じて高さ調整している。
本実施形態の被粉砕物の状態とは、被粉砕物の層厚、粘性、弾性、供給量、被粉砕物内の空気量などをいう。
第2の目的を実行する補助ローラ5の粉砕状態検出部50は被粉砕物の状態を検出する検出部である。より具体的な粉砕状態検出部50の構成は、補助ローラ5の軸端部に駆動モータ52を設けている(図2(2)参照)。駆動モータ52は、一例として電動機などを適用することができ、補助ローラ5を回転できる。このような駆動モータ52により、通常の粉砕工程においては、補助ローラ5を回転テーブル2に近づけると、被粉砕物を介して回転テーブル2の回転が補助ローラ5に伝わって従動回転する。正常運転の場合、回転テーブル2上の被粉砕物を補助ローラ5によって脱気しながら従動回転する。このため、補助ローラ5の軸端部に設けた駆動モータ52に回生力が生じる。被粉砕物の層厚に対して補助ローラ5の押付量で得られる負荷、換言すると回生力の測定値、測定値の変化状態から粉砕物の脱気状態を判断することができる。
制御部54は、粉砕状態検出部50からの検出値を受信可能とし、かつ補助ローラ5及び粉砕ローラ3の各油圧源(不図示)と回転テーブル2の駆動モータ2Mとガス供給源36に制御信号を送信可能に構成している(図4参照)。制御部54は、粉砕状態検出部50の検出値に基づいて被粉砕物の状態を把握して、原則、補助ローラの押付角度を制御して、被粉砕物の脱気と、所定の層厚に調整する。また、制御部54は、運転中に小さな変動が生じた場合には、補助ローラ5の押付角度を制御して対処している。
一方、運転中に大きな変動が生じた場合には、粉砕ローラ3の押付角度又は回転テーブル2の回転速度を制御して対処している。
また、回転テーブル2上の被粉砕物の滞留量が多くなって振動が大きくなった場合は、粉砕機下部からのガス供給量を増やす制御を行い対処している。
回転テーブル2上で粉砕された原料は、前記ガスにより吹き上げられてケーシング内を上昇し、一次分級羽根14方向に流れるが、径が大きく重量の大きな原料は一次分級羽根14まで到達できずに落下して、回転テーブル2上で再度粉砕される。なお、極端に重量が大きな原料は竪型粉砕機1の下部にある下部取出口34より機外に排出される。
一次分級羽根14を通過して回転式分級機13を通過できなかった原料は、内部コーン19上に落下して回転テーブル2中央部分付近に供給され、回転テーブル2上で、再度、粉砕される。一方、回転式分級機13を通過した径の小さな原料は、上部取出口39から製品として取り出される。なお、粉砕ローラ3で粉砕された後においても、一次分級羽根14、又は回転式分級機13を通過できずに、回転テーブル2上に供給されて、再度、粉砕される原料は、循環原料と称される。
なお本実施形態の粉砕ローラ3及びその上流側の補助ローラ5は、各1台で一対のローラユニットとし(図2(1)はローラユニットが2つとなる)、1つ以上を備えた竪型粉砕機の構成を採用している。そして、ローラユニットを複数設けた場合、1つのローラユニットの補助ローラで脱気、圧縮、粉砕状態検出を行っても良いし、複数のローラユニットの補助ローラで脱気、圧縮、粉砕状態検出を行っても良い。複数のローラユニットで行う場合には、各ローラユニットでそれぞれ脱気、圧縮、粉砕状態検出を行うことによってきめ細かい粉砕運転を行うことができる。
以下、本実施形態の竪型粉砕機の運転方法について説明する。
竪型粉砕機1の運転中においては、竪型粉砕機1の原料投入口35に投入された原料は、原料投入シュートを介して回転テーブル2の中央付近に投入されて、渦巻き状の軌跡を描きながら、回転テーブル2の外周側に移動する。そして、回転テーブル2上に投入された原料は、後述する循環原料と回転テーブル2上で合わさって、その大部分が補助ローラ5で圧密されて脱気された後、回転テーブル2と粉砕ローラ3に噛み込まれ粉砕される。 回転テーブル2と粉砕ローラ3に噛み込まれて粉砕された原料は、回転テーブル2の外縁部に周設されたダムリング15を乗り越えて、回転テーブル2上面の外周部とケーシングとの隙間である環状通路30(環状空間部30と称することもある)へと向かう。
また、一次分級羽根14を通過して、回転式分級機13を通過できなかった原料は、落下することにより内部コーン19に捕集されて、再度、回転テーブル2上に供給され(循環原料)、粉砕される。
補助ローラ5の粉砕状態検出部50で、被粉砕物の状態を検出する。具体的には、回転テーブル2の回転時において、被粉砕物層に補助ローラ5を押し付けると、被粉砕物が押付高さに応じて脱気され、回転テーブル2の回転力が被粉砕物を介して補助ローラ5に伝達して回転し始める。そして補助ローラ5に設けた駆動モータ52に回生力が生じて、回生力(電流値)の変動状態から被粉砕物の脱気状態を判断する。また補助ローラ5を回転テーブル2上の被粉砕物に押し付ける際の速度一定で押付角度を変化と、補助ローラ5の回転トルク値の変化によって、被粉砕物の層厚や、圧縮性、換言すると空気の含有程度を推定できる。
運転開始時又は運転途中で、回転テーブル2上の被粉砕物が不均一であると、脱気のときに補助ローラ5の押付力が一定でなくなり、補助ローラ5の回転も不均一となる。そうすると粉砕層間で剪断すべり、換言すると粉砕層間で剪断されてローラ反力が脈動する。この状態が継続すると振動が次第に大きくなる。
[ステップ2]
補助ローラ5のスイングレバー5Aに設けた振動センサ56により補助ローラ5で発生した上下方向の振動を検出して、測定値を電気信号に変換し制御部54へ送信する。制御部54は振動センサ56の測定値に基づいて振動の有無を判断する。
振動が小さい場合は、以下のような処理を行う。
補助ローラ5が回転と停止を繰り返して、その繰り返し発生頻度が多く、繰り返し間隔も短くなる兆候が生じた場合には、振動が増幅するので、駆動モータ52で補助ローラ5を強制的に回転(正回転(従動)方向)させる。
振動が低減しない場合、補助ローラ5の上下動作を繰り返し行う。より具体的には、油圧源(不図示)、第2の油圧シリンダ5Dを介して補助ローラ5を上下移動させる。上下動作を行い粉砕層の表面を脱気しながら、均一に均して、自励振動発生のタイミングを乱して振動を解消する。
このような補助ローラ5による被粉砕物の脱気と層厚の調整は、粉砕ローラ3に比べて重量が軽く、かつ慣性力の小さい補助ローラ5を主体に行うことにより、小さな振動に対して即時に対応することが可能となる。
ステップ3の補助ローラ5による振動低減でも対応できないような振動が大きい場合、または当初から大きな振動が発生した場合は、重量が重く、かつ慣性力の大きい粉砕ローラ3の上下動作を繰り返し行う。より具体的には、油圧源(不図示)、第1の油圧シリンダ3Dを介して粉砕ローラ3を上下移動させる。上下動作を行いながら、粉砕層の表面を均一に均して、自励振動発生のタイミングを乱して振動を解消する。
この他、駆動モータ2Mを介して回転テーブル2の回転速度を変化させて発生したローラ振動を解消する。
[ステップ5]
回転テーブル2上の被粉砕物の滞留量が多くなって振動が大きくなった場合には、ガス供給源36を介して粉砕機下部からのガス供給量を増やして被粉砕物の滞留量を低減する。これにより発生したローラ振動を解消できる。
なおステップ5は、ステップ3(小さい振動)と併用、ステップ4(大きい振動)と併用する場合もある。
[ステップ6]
被粉砕物の有無を判断し、有りの場合はステップ1からの工程を再度繰り返す。一方、無しの場合は終了する。
このような本実施形態の竪型粉砕機の運転方法によれば、補助ローラの押付角度、回転トルク値、押付角度の定速度変化、回転トルク値の時間変化、振動波形から被粉砕物の状態を判断して、最適な粉砕運転条件、換言すると回転テーブル上の被粉砕物を適正な層厚にして、かつ粉砕時の異常振動の発生を防止できるように調整することができる。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
2 回転テーブル
3 粉砕ローラ
3A スイングレバー
3B アーム
3C 軸
3D 第1の油圧シリンダ
5 補助ローラ
5A スイングレバー
5B アーム
5C 軸
5D 第2の油圧シリンダ
13 回転式分級機
14 一次分級羽根
15 ダムリング
19 内部コーン
30 環状通路
33 ガス供給口
34 下部取出口
35 原料投入口
36 ガス供給源
39 上部取出口
50 粉砕状態検出部
52 駆動モータ
54 制御部
56 振動センサ
Claims (5)
- 回転テーブル上に投入した被粉砕物を噛み込む粉砕ローラと、前記粉砕ローラの上流側に補助ローラを設けたローラユニットを1つ以上備え、前記被粉砕物を前記補助ローラで圧密してから前記粉砕ローラで粉砕する竪型粉砕機において、
前記補助ローラは、粉砕中に変化する前記被粉砕物の状態を検出する粉砕状態検出部を備え、
前記粉砕状態検出部の検出値に基づいて、前記補助ローラの押付角度を制御して所定の層厚及び異常振動を防止する制御部を設けたことを特徴とする竪型粉砕機。 - 請求項1に記載された竪型粉砕機であって、
前記粉砕状態検出部は、前記補助ローラの軸端部に設けて前記補助ローラの従動に伴う回生力を検出可能な駆動モータであることを特徴とする竪型粉砕機。 - 回転テーブル上に投入した被粉砕物を噛み込む粉砕ローラと、前記粉砕ローラの上流側に補助ローラを設けたローラユニットを1つ以上備え、前記被粉砕物を前記補助ローラで圧密してから前記粉砕ローラで粉砕する竪型粉砕機の運転方法において、
前記補助ローラに設けた粉砕状態検出部で、粉砕中に変化する前記被粉砕物の状態を検出する工程と、
前記粉砕状態検出部の検出値に基づいて、前記補助ローラの押付角度を制御して所定の層厚及び異常振動を防止する制御を行う工程と、
を有することを特徴とする竪型粉砕機の運転方法。 - 請求項3に記載の竪型粉砕機の運転方法において、
前記粉砕状態検出部の検出値に基づいて、前記粉砕ローラの押付角度又は前記回転テーブルの回転速度又は前記回転テーブルの下方からのガス供給量を制御して所定の層厚及び振動を防止する制御を行うことを特徴とする竪型粉砕機の運転方法。 - 請求項3又は4に記載の竪型粉砕機の運転方法において、
前記粉砕状態検出部の検出値に基づいて、前記回転テーブルの下方からのガス供給量を変化して所定の層厚及び振動を防止する制御を行うことを特徴とする竪型粉砕機の運転方法。
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