JP2020114595A - 差厚管の製造方法及び差厚管の製造装置 - Google Patents

差厚管の製造方法及び差厚管の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】しごき率が高い場合であっても、歩留まりよく差厚管を製造することができる手段の提供を課題とする。【解決手段】この差厚管の製造方法は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する方法であって、素管Wをダイス10内に配置し、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を他端部Wbに付与しながら、素管Wの一端部Waよりプラグ20を押し込んで他端部Wbに向かってしごき加工を行うしごき加工工程を有する。【選択図】図1

Description

この発明は、差厚管の製造方法と、差厚管の製造装置と、に関する。
自動車の車体を構成する部材として、衝突等により受けた衝突エネルギーを自らが潰れることによって吸収する部分と、潰れずに車体を保護する部分とを有するものが用いられている。このような部材の一つとして、長手方向に沿って肉厚が異なる差厚管がある。
差厚管の製造方法の一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1の図1には、係止工程としごき加工工程とを有する差厚管の製造方法が開示されている。前記係止工程では、素管をダイス内に配置し、前記素管の長手方向への移動を規制した状態で、前記素管の一端部側よりプラグを押し込んで前記一端部側の外形を拡大させて前記ダイスに係止させる。続く前記しごき加工工程では、前記素管の前記規制を解く一方、前記素管の前記係止は維持したまま、前記プラグをさらに前記素管の他端部側に向かって押し込むことで、前記素管の外形を維持したまま内形を拡げるしごき加工を加えて薄肉部を形成する。
上記特許文献1に記載の製造方法によれば、差厚管を容易に製造できる。
特許第6256668号公報
一方、自動車に差厚管を幅広く適用するためには、多種多様な形状を持つ差厚管を歩留まりよく製造できることが求められる。そのため、しごき率が高くても成形可能な製造方法が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、しごき率が高い場合であっても、歩留まりよく差厚管を製造することができる、差厚管の製造方法と、差厚管の製造装置との提供を課題とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
(1)本発明の一態様に係る差厚管の製造方法は、中空筒状の素管より差厚管を製造する方法であって、前記素管をダイス内に配置し、前記素管の長手方向に沿った一端部から他端部に向かう移動に抗する反力を前記他端部に付与しながら、前記素管の前記一端部よりプラグを押し込んで前記他端部に向かってしごき加工を行うしごき加工工程を有する。
上記(1)に記載の差厚管の製造方法によれば、他端部に反力を付与して素管を支えながらしごき加工を行うので、プラグの押し込み力を増しても素管をダイス内に確実に固定できる。したがって、ダイス内での素管の滑りを防げるので、しごき率を高めることができる。
(2)上記(1)に記載の差厚管の製造方法において、以下のようにしてもよい:前記ダイス内に、前記素管の前記他端部に対向する傾斜面が設けられ;前記しごき加工工程で、前記素管の前記他端部を前記傾斜面で受けながら前記プラグの押し込みを行う。
上記(2)に記載の差厚管の製造方法の場合、素管の一端部にプラグを押し込んでしごき加工を進めていくと、素管の他端部に向かって伸びを生じる。素管の他端部は、傾斜面に摺接しながら伸びていく際、傾斜面に対して押圧力を与えるが、この押圧力が反力となって自らに戻されるので、素管の固定状態を常に維持できる。
(3)上記(2)に記載の差厚管の製造方法において、以下のようにしてもよい:前記ダイス内に、前記傾斜面に連なってかつ前記長手方向に沿う平行面が設けられ;前記しごき加工工程で前記プラグを押し込む際、前記素管の前記他端部のうちで前記傾斜面を経た部分をさらに前記平行面に沿って移動させる。
上記(3)に記載の差厚管の製造方法の場合、素管の他端部が傾斜面に摺接しながら伸びていく際、その進みと共に反力も増していく。そして、素管の他端部のうち、傾斜面を経て平行面に至った部分は高い反力を受けなくなる。よって、素管の他端部に作用する反力が不必要に高くなり過ぎるのを防げる。
(4)上記(2)または上記(3)に記載の差厚管の製造方法において、前記傾斜面が前記ダイス内に形成されていてもよい。
上記(4)に記載の差厚管の製造方法の場合、別途、治具を用いずに済むので、シンプルな方法、装置によりしごき加工が行える。
(5)上記(2)または上記(3)に記載の差厚管の製造方法において、前記傾斜面が前記ダイス内に配置された第1の治具に形成されていてもよい。
上記(5)に記載の差厚管の製造方法の場合、第1の治具をしごき加工の進行と共に移動させたり、又は傾斜面の形状が異なる他の第1の治具と交換したりすることにより、求める製品形状に合わせた柔軟なしごき加工が行える。
(6)上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の差厚管の製造方法において、前記しごき加工工程で、前記長手方向に沿った複数位置に分けて前記反力を前記素管の前記他端部に付与してもよい。
上記(6)に記載の差厚管の製造方法の場合、複数箇所に分けて反力を付与することにより、素管に対して与える反力の1カ所あたりの負荷を軽減できるので、製品歩留まりをさらに高めることができる。
(7)上記(1)に記載の差厚管の製造方法において、以下のようにしてもよい:前記ダイス内に、前記素管の前記他端部が当接する第2の治具が設けられ;前記しごき加工工程で、前記素管の前記他端部を前記第2の治具で受けつつ前記第2の治具を前記長手方向に沿って後退させながら前記プラグの押し込みを行う。
上記(7)に記載の差厚管の製造方法の場合、しごき加工に伴って生じる素管の他端部の伸びを吸収しつつ、素管の他端部に反力を与え続けることができる。
(8)上記(7)に記載の差厚管の製造方法において、前記しごき加工工程で、前記素管が前記第2の治具に加える押圧力を測定し、前記押圧力が所定範囲内に収まるように前記第2の治具の後退動作を制御してもよい。
上記(8)に記載の差厚管の製造方法の場合、押圧力が一定になるように第2の治具の後退動作(後退速度及び後退量の少なくとも一方)をフィードバック制御しながらしごき加工が行える。
(9)上記(1)〜(8)の何れか1項に記載の差厚管の製造方法において、以下のようにしてもよい:前記ダイス内の、前記素管の前記一端部に対応する位置に、前記長手方向に直交する断面形状が前記素管の前記一端部における外径よりも大きい拡径凹部が形成され;前記しごき加工工程で、前記プラグの押し込みにより前記素管の前記一端部における外径を拡大させて前記拡径凹部に係止させる。
上記(9)に記載の差厚管の製造方法の場合、プラグの押し込みによって素管の一端部を拡径させて拡径凹部に係止させることができる。この場合、素管の一端部の位置における係止めと、他端部における反力付与との両方を素管に対して行えるので、より高いしごき率のしごき加工を行える。
(10)上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の差厚管の製造方法において、前記しごき加工工程後における前記差厚管の薄肉部の減肉率を10%〜90%の範囲内にしてもよい。
上記(10)に記載の差厚管の製造方法の場合、広い減肉率範囲が設定されるため、必要とされる製品剛性に柔軟に応じることができる。
(11)上記(1)〜(10)の何れか1項に記載の差厚管の製造方法において、前記素管が、シームレス鋼管であってもよい。
上記(11)に記載の差厚管の製造方法の場合、偏肉しているシームレス鋼管であっても肉厚が均一な差厚管を成形できる。
(12)本発明の一態様に係る差厚管の製造装置は、中空筒状の素管より差厚管を製造する装置であって、前記素管が収容される収容部を有するダイスと、前記収容部内の前記素管の一端部に対して挿抜されるプラグと、前記収容部内の前記素管の他端部に対し、前記素管の長手方向に沿った前記一端部から前記他端部に向かう移動に抗する反力を付与する反力付与部と、を備える。
上記(12)に記載の差厚管の製造装置によれば、まず素管を収容部内に入れ、その他端部が反力付与部に当たるまで挿入する。続いて、素管の他端部を反力付与部に当てたまま、プラグを素管の一端部よりその内部に押し込んでいく。このときにプラグが素管に与える軸力は反力付与部で受け止められて反力を生じるため、収容部内で素管は滑らず、固定が維持される。そして、プラグの押し込みに伴って素管の内部が押し広げられてしごき加工が行われる。このように、素管の他端部に反力を付与して支えながらしごき加工を行うので、プラグの押し込み力を増しても素管をダイス内に確実に固定できる。したがって、ダイス内での素管の滑りを防げるので、しごき率の高いしごき加工を行える。
(13)上記(12)に記載の差厚管の製造装置の場合、前記反力付与部が、前記素管の前記他端部に対向する傾斜面であってもよい。
上記(13)に記載の差厚管の製造装置の場合、素管の一端部にプラグを押し込んでしごき加工を進めていくと、素管の他端部に向かって伸びを生じる。素管の他端部は、傾斜面に摺接しながら伸びていく際、傾斜面に対して押圧力を与えるが、この押圧力が反力となって自らに戻されるので、素管の固定状態を常に維持できる。
(14)上記(13)に記載の差厚管の製造装置の場合、前記反力付与部が、前記傾斜面に連なって前記長手方向に沿う平行面をさらに有してもよい。
上記(14)に記載の差厚管の製造装置の場合、素管の他端部が傾斜面に摺接しながら伸びていく際、その進みと共に反力も増していく。そして、素管の他端部のうち、傾斜面を経て平行面に至った部分は高い反力を受けなくなる。よって、素管の他端部に作用する反力が不必要に高くなり過ぎるのを防げる。
(15)上記(13)または(14)に記載の差厚管の製造装置の場合、前記傾斜面が前記ダイス内に形成されていてもよい。
上記(15)に記載の差厚管の製造装置の場合、別途、治具を用いずに済むので、シンプルな装置構成とすることができる。
(16)上記(13)または(14)に記載の差厚管の製造装置の場合、以下のようにしてもよい:前記ダイス内に配置された第1の治具をさらに備え;前記傾斜面が前記第1の治具に形成されている。
上記(16)に記載の差厚管の製造装置の場合、第1の治具をしごき加工の進行と共に移動させたり、又は傾斜面の形状が異なる他の第1の治具と交換したりすることにより、求める製品形状に合わせた柔軟なしごき加工が行える。
(17)上記(12)〜(16)の何れか1項に記載の差厚管の製造装置の場合、前記反力付与部が、前記長手方向に沿って複数位置に分かれて配置されていてもよい。
上記(17)に記載の差厚管の製造装置の場合、複数箇所に分けて反力を付与することにより、素管に対して与える反力の1カ所あたりの負荷を軽減できるので、製品歩留まりをさらに高めることができる。
(18)上記(12)に記載の差厚管の製造装置の場合、前記反力付与部が、前記ダイス内に配置されて前記素管の前記他端部に対向し、前記長手方向に沿って進退自在な第2の治具と、前記第2の治具に前記反力を付与する付勢部と、を有してもよい。
上記(18)に記載の差厚管の製造装置の場合、しごき加工に伴って生じる素管の他端部の伸びを第2の治具の移動により吸収しつつ、付勢部によって素管の他端部に反力を与えながら支え続けることができる。
(19)上記(18)に記載の差厚管の製造装置の場合、前記反力付与部が、前記素管が前記第2の治具に加える押圧力を測定する測定部と、前記測定部により得られた前記押圧力が所定範囲内に収まるように前記付勢部の前記反力を制御する制御部と、をさらに有してもよい。
上記(19)に記載の差厚管の製造装置の場合、測定部で求めた押圧力が一定となるように、制御部により、第2の治具の後退動作(後退速度及び後退量の少なくとも一方)をフィードバック制御しながらしごき加工が行える。
(20)上記(12)〜(19)の何れか1項に記載の差厚管の製造装置の場合、前記収容部の、前記素管の前記一端部に対応する位置に、前記長手方向に直交する断面形状が前記素管の前記一端部の外径よりも大きい拡径凹部が形成されていてもよい。
上記(20)に記載の差厚管の製造装置の場合、プラグの押し込みによって素管の一端部を拡径させて拡径凹部に係止させることができる。この場合、素管の一端部の位置における係止めと、他端部における反力付与との両方を素管に対して行えるので、より高いしごき率のしごき加工を行える。
本発明の上記各態様によれば、ダイス内での素管の滑りを防いで適切なしごき加工が行えるので、しごき率が高い場合であっても、歩留まりよく差厚管を製造することができる。
本発明の第1実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(b)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。 同第1実施形態の変形例を示す図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。 本発明の第2実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(c)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。 本発明の第3実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(b)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。 本発明の第4実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(c)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。 本発明の第5実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(b)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。 同第5実施形態の変形例を示す図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。 本発明の第6実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(c)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。 本発明の各実施形態の変形例を示す図であって、図1のX部に相当する図である。そして、(a)が、傾斜面が凹曲面である場合を示し、(b)が、傾斜面が凸曲面である場合を示す。
本発明の各実施形態について、図面を参照しながら以下に説明を行う。
各実施形態では、中空円筒形状の素管Wをダイス内に固定し、そして素管Wの一端部Waより他端部Wbに向かってプラグを押し込むことで絞り加工を行う。以下の各実施形態での説明において、素管Wの一端部Waに向かう方向を手前側と呼び、素管Wの他端部Wbに向かう方向を奥側と呼ぶ場合がある。
各実施形態における素管Wとしては、引張強度が290MPa以上のものが好適に用いられる。例えば、素管Wとして、引張強度が440MPa又は980MPaのものを用いることができる。また、素管Wの材質としては、鋼に加えて、アルミニウム等の他の金属素材にも適用できる。素管Wは、中空筒状の金属管(鋼管を含む)を例示することができ、特に丸形鋼管が好ましい。丸形鋼管としては、シームレス鋼管、UO管、スパイラル管、電縫鋼管の何れにも適用可能である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(b)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。
まず、本実施形態に係る差厚管の製造装置(以下、「しごき加工装置」と称する)について説明する。
本実施形態のしごき加工装置は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する装置である。図1(a)に示すように、しごき加工装置は、ダイス10と、プラグ20と、プラグ駆動装置(不図示)と、反力付与部30と、を備える。
ダイス10は、収容部11とテーパー部12と小径部13とを備え、定位置に固定配置されている。
収容部11は、素管Wの外径に対応した円柱形状の空間であり、素管Wを収容する。収容部11は、素管Wの外径寸法とほぼ同じ内径寸法を有する。収容部11の軸線CLに沿った長さ寸法は、素管Wの長さ寸法よりも長いか、または同一である。収容部11の一端側は素管Wの挿入口11aであり、収容部11の他端側は素管Wの他端部Wbの加工前固定位置である挿入端11bである。
テーパー部12は、収容部11の挿入端11bに連なり、軸線CLに沿って挿入端11bから離れるに従って縮径する円錐台形状の空間である。テーパー部12は、挿入端11bと内径寸法が同じであるテーパー入口12aと、このテーパー入口12aよりも内径寸法が小さいテーパー出口12bとを有する。これらテーパー入口12a及びテーパー出口12b間は、軸線CLを含む断面において直線状の傾斜面になっている。テーパー部12の内径寸法は素管Wの外径寸法よりも小さいので、加工前における素管Wはテーパー部12内には挿入されない。そのため、収容部11内に挿入された素管Wは、その他端部Wbの端面位置が挿入端11bの位置に一致し、一時的にこの位置に固定される。
小径部13は、テーパー部12のテーパー出口12bに連なり、軸線CLに沿って内径寸法が一定である円柱状の空間である。小径部13は、テーパー出口12bと内径寸法が同じである、入口13a及び出口13bを有する。
収容部11と、テーパー部12と、小径部13とは、軸線CLを共有するよう、互いに連なって同軸配置されている。
プラグ20は、基部21と先端部22とを備えており、素管Wの一端部Waに対して挿抜される部品である。
基部21は、軸線CLに沿った各位置での外径寸法が一定である円柱形状を有している。基部21の外径寸法は、素管Wの内径寸法よりも大きく、素管Wの外径寸法よりも小さい。基部21の外径寸法は、素管Wをしごき加工する際のしごき率に応じて定められる。
先端部22は、基部21に連なり、軸線CLに沿って基端位置22aから離れるに従って縮径する円錐台形状を有している。先端部22の外径寸法は、その基端位置22aにおいて基部21の外径寸法と同じでかつ、素管Wの内径寸法よりも大きい。先端部22の外径寸法は、その先端位置22bにおいて基端位置22aの外径寸法よりも小さくかつ、素管Wの内径寸法よりも小さい。先端位置22b及び基端位置22a間は、軸線CLを含む断面において直線状の傾斜面となっている。先端部22の基端位置22aにおける形状は、軸線CLに沿って対向視した場合に円形である。先端部22の先端位置22bにおける形状も、軸線CLに沿って対向視した場合に円形である。
前記プラグ駆動装置は、プラグ20の基部21が同軸に固定された油圧シリンダーであり、プラグ20を軸線CLに沿って進退させる。前記プラグ駆動装置によるプラグ20の進退ストロークは、素管Wに対してしごき加工により形成する薄肉部の長さに応じて定められる。
反力付与部30は、前記テーパー部12の内周面12xと、前記小径部13の内周面13xと、の組み合わせにより形成される。内周面12xは、軸線CLに沿って見た場合に、素管Wの他端部Wbに対向する傾斜面であり、ダイス10の内部に形成されている。内周面13xは、内周面12xに連なってかつ、軸線CL方向に平行な平行面である。このように、反力付与部30は、内周面12x及び内周面13xの組み合わせとしてダイス10内に形成されている。反力付与部30は、その内周面12xにおいて先細りになっている。そのため、収容部11内に配置された素管Wの一端部Waをプラグ20で押圧した場合、内周面12xは、他端部Wbに対し、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を付与する。この反力は、プラグ20の押圧力に対する反作用として得られるものであるため、押圧力が大きいほど、反力も応じて大きくなる。
以上説明の構成を有するしごき加工装置による差厚管の製造方法について、以下に説明する。図1の(a)〜(b)に示すように、本実施形態に係る差厚管の製造方法は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する方法であり、しごき加工工程を有する。
このしごき加工工程では、まず、図1(a)に示すように、素管Wをダイス10の収容部11内に配置する。このとき、素管Wの他端部Wbにおける端面位置は、挿入端11bの位置に固定される。ただし、この時点ではまだ、素管Wの端面に反力は与えられていない。素管Wの一端部Waにおける端面位置は、収容部11の挿入口11aと同じか、または挿入口11aよりも奥側に位置する。また、素管Wは、収容部11と軸線CLを共有して同軸配置される。
素管Wの配置後、図1(b)に示すように、素管Wの一端部Waよりプラグ20を挿入し、さらにプラグ20を他端部Wbに向かって押し込む、しごき加工を行う。このしごき加工は、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を素管Wの他端部Wbに付与しながら行われる。このように、他端部Wbに反力を付与して素管Wを支えながらしごき加工を行うので、プラグ20の押し込み力を増しても素管Wをダイス10内に確実に固定できる。したがって、ダイス10内での素管Wの滑りを防げるので、しごき率を高めることができる。
このようにして素管Wを固定した状態でプラグ20を素管Wの内部に押し込んでいくと、素管Wの内径がプラグ20によって押し広げられ、プラグ20の基部21の外径寸法とほぼ同じになる。素管Wのうち、内径が押し広げられた部分は、加工前の状態よりも肉厚が薄い薄肉部P1となる。
しごき加工による薄肉化に伴い、素管Wの他端部Wbが伸びて収容部11からテーパー部12、そして小径部13へと押し出されていく。すなわち、まず、素管Wの他端部Wbにおける肉が、テーパー部12の傾斜面(内周面)による拘束を受けて徐々に小さくなるように絞り込まれていく。その際、素管Wの他端部Wbは、テーパー部12の傾斜面に摺接しながら伸びていくため、傾斜面に対して押圧力を与える。この押圧力は反作用による反力として素管W自らに戻されるので、素管Wの固定状態を常に維持できる。そのため、素管Wの一端部Waの位置が大きくずれることなく、薄肉部P1を形成することができる。
プラグ20の押し込みによってテーパー部12の位置を通過した他端部Wbは、さらに伸びて入口13aより小径部13内に至る。小径部13内の他端部Wbは、小径部13の平行面(内周面)に沿って移動し、プラグ20の押し込み停止により伸びが止まる。他端部Wbの端面は、小径部13の出口13bよりも手前側の位置で停止するため、ダイス10の外部にはみ出すことはない。
素管Wの他端部Wbがテーパー部12の傾斜面に摺接しながら伸びていく際、その進みと共に反力も増していくが、素管Wの他端部Wbのうち、傾斜面を経て小径部13の平行面に至った部分は、高い反力を受けなくなる。よって、素管Wの他端部Wbに作用する反力が不必要に高くなり過ぎるのを防げることができる。
以上説明の工程により、素管Wから下記差厚管Pを成形することが出来る。
差厚管Pは、一端部Wa及び他端部Wbを有する中空筒状をなし、他端部Wbよりも肉厚が薄い薄肉部P1を有する。他端部Wbには、長手方向に沿った他の部分よりも外径の小さい口絞り部P2を有する。薄肉部P1及び口絞り部P2間には、厚肉部P3を有する。厚肉部P3は、薄肉部P1と同じ外径寸法と薄肉部P1よりも小さい内径寸法とを有するので、薄肉部P1よりも肉厚が厚くなっている。厚肉部P3は、口絞り部P2よりも外径寸法及び内径寸法が大きい。厚肉部P3は、素管Wと同じ外径寸法と、素管Wとほぼ同じかまたは若干縮径した内径寸法とを有する。差厚管Pは、加工前である素管Wよりも全長が長い。
本実施形態の差厚管Pは、さらに後加工を加えて先端部に丸みを付けた製品形状とする場合がある。本実施形態では、口絞り部P2によって先端を予め細く絞っているので、丸みを付けるための後加工を容易に行える。
しごき加工工程後における差厚管Pの薄肉部P1の減肉率は、10%〜90%の範囲内である。しごき加工により薄肉部P1の強度を向上させるためには、しごき加工による素管Wの減肉率が10%以上である必要がある。一方、しごき加工による素管Wの減肉率が90%を超えると、破断や焼き付き等が生じる恐れがある。したがって、素管Wをしごき加工する際の減肉率は10〜90%の範囲内がよい。好ましくは減肉率を20〜80%の範囲内とするのがよい。なお、減肉率(%)は、素管Wのしごき加工前の肉厚をd(mm)とし、しごき加工後における薄肉部P1の肉厚をd(mm)とした時に、(d−d)/d×100(%)で表される。
ここで、しごき加工後の薄肉部P1の肉厚dが、素管Wの長手方向に沿って見て一様でなく分布がある場合には、最も減肉量が多い箇所で求めた数値を減肉率として採用する。すなわち、薄肉部P1の中で、その長手方向に沿って見た場合にdからdを差し引いた差分(相当歪み量)が最も大きい箇所で求めた値を、上述の減肉率として採用する。また、素管Wの周方向に沿って減肉量が一様ではなく分布がある場合には、その周方向分布の中で最も減肉量が多い箇所で求めた値を、上述の減肉率として採用する。
減肉率は、プラグ20の基部21の外径寸法によって調整可能である。減肉率に関する上述の適正範囲は、後述するその他の実施形態においても同様である。
以上説明のように、本実施形態に係る差厚管の差厚管の製造方法は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する方法であって、素管Wをダイス10内に配置し、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を他端部Wbに付与しながら、素管Wの一端部Waよりプラグ20を押し込んで他端部Wbに向かってしごき加工を行うしごき加工工程を有する。
この差厚管の製造方法によれば、他端部Wbに反力を付与して素管Wを支えながらしごき加工を行うので、プラグ20の押し込み力を増しても素管Wをダイス10内に確実に固定できる。したがって、ダイス10内での素管Wの滑りを防げるので、しごき率が高い場合であっても、歩留まりよく差厚管Pを製造することができる。
上記第1実施形態では、反力をテーパー部12の1カ所のみで素管Wに与えるものとしたが、この形態のみに限らず、長手方向に沿った複数位置に分けて反力を素管Wの他端部Wbに付与してもよい。この変形例について図2を用いて説明する。図2は、上記第1実施形態の変形例を示す図であって、差厚管Pの軸線を含む断面図である。
同変形例では、テーパー部12が軸線CLに沿った2カ所(第1テーパー部12A,第2テーパー部12B)に分けて形成されたダイス10Aを用いている。そして、しごき加工に際しては、上記実施形態1と同様、収容部11内に配置された素管Wをその一端部Waよりプラグ20を押し込んでいく。すると、素管Wにしごき加工が加えられ、他端部Wbが第1テーパー部12Aによる反力を受けながら伸びていく。さらにプラグ20を押し込んでいくと、素管Wは、第1テーパー部12Aによる反力に加えて第2テーパー部12Bによる反力も受けながら伸びていく。そして、プラグ20の押し込みを停止して抜くことにより、差厚管Pの成形が完了する。
成形された差厚管Pは、その長手方向の2カ所において絞り込みが形成され、そして一端部Waに薄肉部P1が形成されている。このように2カ所に分けて反力を付与することにより、素管Wに対して与える反力の1カ所あたりの負荷を軽減できるので、歩留まりをさらに高めることが可能になる。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を、(a)〜(c)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。以下、この図3に基づいて説明を行うが、上記第1実施形態との相違点を主に説明し、その他の上記第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
図3(a)に示すように、本実施形態の差厚管の製造装置(以下、「しごき加工装置」と称する)は、収容部11の、素管Wの一端部Waに対応する位置に、長手方向に直交する断面形状が素管Wの一端部Waの外径よりも大きい拡径凹部11xを有している。
拡径凹部11xは、平行部11x1とテーパー部11x2とを有している。平行部11x1は、素管Wの外径寸法よりも大きい内径寸法を有し、軸線CLに沿った各位置で内径寸法が一定の空間である。テーパー部11x2は、平行部11x1に連なる空間であり、軸線CLに沿って平行部11x1から離れるに従って先細りになっている。テーパー部111x2の一端側が平行部11x1の内径寸法に等しく、他端側は素管Wの外径寸法にほぼ等しい。
以上説明の構成を有するしごき加工装置による差厚管の製造方法について、以下に説明する。
本実施形態のしごき加工工程では、まず、図3(a)に示すように、素管Wをダイス10Bの収容部11内に配置する。このとき、素管Wの他端部Wbにおける端面位置は、挿入端11bの位置に一時的に固定される。ただし、この時点ではまだ、他端部Wbに反力は与えられていない。素管Wの一端部Waにおける端面位置は、収容部11の挿入口11aと同じか、または挿入口よりも奥側に位置する。また、素管Wは、収容部11と軸線CLを共有して同軸配置される。そして、素管Wの一端部Waは、拡径凹部11x内に位置するため、一端部Waの周囲には環状の隙間が形成されている。
なお、次工程でプラグ20を押し込む前に、図3(a)の△印に示すように、素管Wの他端部Wbの端面にダミーパイプ(不図示)などを押し当てて、素管Wを一時的に固定してもよい。
素管Wの配置後、図3(b)に示すように、素管Wの一端部Waよりプラグ20を挿入して押し込んでいく。すると、素管Wの一端部Waにおける内径寸法及び外径寸法がプラグ20によって押し広げられる。その結果、素管Wの一端部Waが拡大(拡径)されて拡径凹部11x内に隙間無く合致し、係止される。
続いて、図3(c)に示すように、プラグ20を他端部Wbに向かってさらに押し込むことで、しごき加工を行う。このしごき加工は、上記第1実施形態と同様、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を素管Wの他端部Wbに付与しながら行われる。加えて、本実施形態では、素管Wの一端部Waが拡径凹部11xに係止されている。したがって、素管Wの一端部Waの位置における係止めと、他端部Wbの位置における反力付与との両方を行うことができる。
この状態でプラグ20を素管Wの内部に押し込んでいくと、素管Wの内径がプラグ20によって押し広げられ、プラグ20の基部21の外径寸法とほぼ同じになる。素管Wのうち、外径が収容部11の内径に拘束された状態で内径が押し広げられた部分は、加工前の状態よりも肉厚が薄い薄肉部P1となる。
しごき加工による薄肉化に伴い、素管Wの他端部Wbが伸びて収容部11からテーパー部12、そして小径部13へと押し出されていく。この間、素管Wの一端部Waの位置における係止めと、他端部Wbの位置における反力付与との両方が、継続して行われる。そのため、素管Wの一端部Waの位置が大きくずれることなく、薄肉部P1を形成することができる。
プラグ20の押し込みによってテーパー部12の位置を通過した他端部Wbは、さらに伸びて小径部13内に至る。小径部13内の他端部Wbは、小径部13の平行面(内周面)に沿って移動し、プラグ20の押し込み停止により伸びが止まる。他端部Wbの端面は、小径部13内の位置で停止するため、ダイス10Bの外部にはみ出すことはない。
以上説明の工程により、素管Wから下記差厚管Pを成形することが出来る。
差厚管Pは、一端部Wa及び他端部Wbを有する中空筒状をなし、一端部Waに、内径及び外径が拡径された拡径部P4を有する。一端部Wa及び他端部Wb間に、これら一端部Wa及び他端部Wbよりも肉厚が薄い薄肉部P1を有する。他端部Wbには、長手方向に沿った他の部分よりも外径の小さい口絞り部P2を有する。薄肉部P1及び口絞り部P2間には、厚肉部P3を有する。厚肉部P3は、薄肉部P1と同じ外径寸法と薄肉部P1よりも小さい内径寸法とを有するので、薄肉部P1よりも肉厚が厚くなっている。厚肉部P3は、口絞り部P2よりも外径寸法及び内径寸法が大きい。厚肉部P3は、素管Wと同じ外径寸法と、素管Wとほぼ同じかまたは若干縮径した内径寸法とを有する。差厚管Pは、加工前である素管Wよりも全長が長い。
以上説明の、本実施形態に係る差厚管の差厚管の製造方法によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが出来る。加えて、本実施形態によれば、拡径部P4を形成して拡径凹部11xに係止させるので、プラグ20の押し込みによって素管Wの一端部Waを拡径させて拡径凹部11xに係止させることができる。この場合、素管Wの一端部Waの位置における係止めと、他端部Wbにおける反力付与との両方を素管Wに対して行えるので、より高いしごき率のしごき加工を行える。
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(b)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。
まず、本実施形態に係る差厚管の製造装置(以下、「しごき加工装置」と称する)について説明する。
本実施形態のしごき加工装置は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する装置である。図4(a)に示すように、しごき加工装置は、ダイス110と、プラグ20と、プラグ駆動装置(不図示)と、治具(第1の治具)140と、治具駆動装置(不図示)とを備える。
ダイス110は、収容部111とテーパー部112と大径部113とを備え、定位置に固定配置されている。
収容部111は、素管Wの外径に対応した円柱形状の空間である。収容部111は、素管Wの外径寸法とほぼ同じ内径寸法を有する。収容部111の軸線CLに沿った長さ寸法は、素管Wの長さ寸法よりも長いか、または同一である。収容部111の一端側は素管Wの挿入口111aであり、収容部111の他端側は素管Wの他端部Wbの加工前固定位置である挿入端111bである。
テーパー部112は、収容部111の挿入端111bに連なり、軸線CLに沿って挿入端111bから離れるに従って拡径する円錐台形状の空間である。テーパー部112は、挿入端111bと内径寸法が同じであるテーパー入口112aと、このテーパー入口112aよりも内径寸法が大きいテーパー出口112bとを有する。これらテーパー入口112a及びテーパー出口112b間は、軸線CLを含む断面において直線状の傾斜面になっている。
大径部113は、テーパー部112のテーパー出口112bに連なり、軸線CLに沿って内径寸法が一定である円柱状の空間である。大径部113は、テーパー出口112bと内径寸法が同じである、入口113a及び出口113bを有する。
収容部111と、テーパー部112と、大径部113とは、軸線CLを共有するように互いに連なって同軸配置されている。
プラグ20及び前記プラグ駆動装置は、上記第1実施形態と同じ構成を有するので、同一符号を用いてその説明は省略する。
治具140は、ダイス110と共に軸線CLを共有し、ダイス110の奥側より素管Wの他端部Wbに対して挿抜自在に配置されている。治具140は、小径部141と基部142とテーパー部143とを有する。
小径部141は、円柱形状を有し、その外径寸法は素管Wの内径寸法よりも若干小さい。基部142は、円柱形状を有し、その外径寸法が小径部141の外径寸法よりも大きい。テーパー部143は、小径部141及び基部142間に配置され、小径部141から基部142に向かう方向に沿って拡径する円錐台形状を有する。テーパー部143の外径寸法は素管Wの内径寸法よりも大きいので、加工前における素管Wはテーパー部112内に挿入されない。そのため、収容部111内に挿入された素管Wは、その他端部Wbの端面位置が挿入端111bの位置に一致し、この位置に固定される。
テーパー部143の外周面(傾斜面)143aと、基部142の外周面(平行面)142aとの組み合わせにより、反力付与部130が形成されている。反力付与部130は、そのテーパー部143において末広がりになっている。そのため、収容部11内に配置された素管Wの一端部Waをプラグ20で押圧した場合、外周面143aは、他端部Wbに対し、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を付与する。この反力は、プラグ20の押圧力に対する反作用として得られるため、押圧力が大きいほど、反力も応じて大きくなる。
前記治具駆動装置は、治具140の基部142が同軸に固定された油圧シリンダーであり、治具140を軸線CLに沿って進退させる。
以上説明の構成を有するしごき加工装置による差厚管の製造方法について、以下に説明する。図4の(a)〜(b)に示すように、本実施形態に係る差厚管の製造方法は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する方法であり、しごき加工工程を有する。
このしごき加工工程では、まず、図4(a)に示すように、素管Wをダイス110の収容部111内に配置する。このとき、素管Wの他端部Wbにおける端面位置は、挿入端111bの位置に固定される。ただし、この時点ではまだ、他端部Wbに反力は与えられていない。素管Wの一端部Waにおける端面位置は、収容部111の挿入口111aと同じか、または挿入口111aよりも奥側に位置する。また、素管Wは、収容部111と軸線CLを共有して同軸配置される。
素管Wの配置後、図4(b)に示すように、素管Wの一端部Waよりプラグ20を挿入し、さらにプラグ20を他端部Wbに向かって押し込む、しごき加工を行う。このしごき加工は、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を素管Wの他端部Wbに付与しながら行われる。このように、他端部Wbに反力を付与して素管Wを支えながらしごき加工を行うので、プラグ20の押し込み力を増しても素管Wをダイス110内に確実に固定できる。したがって、ダイス110内での素管Wの滑りを防げるので、しごき率を高めることができる。
このようにして素管Wを固定した状態でプラグ20を素管Wの内部に押し込んでいくと、素管Wの内径がプラグ20によって押し広げられ、プラグ20の基部21の外径寸法とほぼ同じになる。素管Wのうち、内径が押し広げられた部分は、加工前の状態よりも肉厚が薄い薄肉部P1となる。
しごき加工による薄肉化に伴い、素管Wの他端部Wbが伸びて収容部111からテーパー部112、そして大径部113へと押し出されていく。すなわち、まず、素管Wの他端部Wbにおける肉が、テーパー部143の外周面(傾斜面)143aに促されて徐々に大きくなるように拡径されていく。その際、素管Wの他端部Wbは、テーパー部143の外周面143aに摺接しながら伸びていくため、外周面143aに対して押圧力を与える。この押圧力は反作用による反力として素管W自らに戻されるので、素管Wの固定状態を常に維持できる。そのため、素管Wの一端部Waの位置が大きくずれることなく、薄肉部P1を形成することができる。
プラグ20の押し込みによってテーパー部143の位置を通過した他端部Wbは、さらに伸びて基部142の外周囲に至る。基部142の外周囲に至った他端部Wbは、基部142の平行面(外周面)に沿って移動し、プラグ20の押し込み停止により伸びが止まる。他端部Wbの端面は、ダイス110の外部にはみ出すことはない。
素管Wの他端部Wbがテーパー部143の外周面143aに摺接しながら伸びていく際、その進みと共に反力も増していくが、素管Wの他端部Wbのうち、外周面143aを経て基部142の外周面142aに至った部分は、高い反力を受けなくなる。よって、素管Wの他端部Wbに作用する反力が不必要に高くなり過ぎるのを防げることができる。
以上説明の工程により、素管Wから下記差厚管Pを成形することが出来る。
差厚管Pは、一端部Wa及び他端部Wbを有する中空筒状をなし、他端部Wbよりも肉厚が薄い薄肉部P1を有する。他端部Wbには、長手方向に沿った他の部分よりも内径及び外径の大きい口拡げ部P5を有する。薄肉部P1及び口拡げ部P5間には、厚肉部P3を有する。厚肉部P3は、薄肉部P1と同じ外径寸法と薄肉部P1よりも小さい内径寸法とを有するので、薄肉部P1よりも肉厚が厚くなっている。厚肉部P3は、口拡げ部P5よりも外径寸法及び内径寸法が小さい。厚肉部P3は、素管Wと同じ外径寸法と、素管Wとほぼ同じかまたは若干縮径した内径寸法とを有する。差厚管Pは、加工前である素管Wよりも全長が長い。
以上説明のように、本実施形態に係る差厚管の差厚管の製造方法は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する方法であって、素管Wをダイス110内に配置し、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を他端部Wbに付与しながら、素管Wの一端部Waよりプラグ20を押し込んで他端部Wbに向かってしごき加工を行うしごき加工工程を有する。
この差厚管の製造方法によれば、他端部Wbに反力を付与して素管Wを支えながらしごき加工を行うので、プラグ20の押し込み力を増しても素管Wをダイス110内に確実に固定できる。したがって、ダイス110内での素管Wの滑りを防げるので、しごき率が高い場合であっても、歩留まりよく差厚管Pを製造することができる。
さらに、本実施形態では、反力付与部130を形成する傾斜面が形成された治具140を採用している。この構成によれば、互いに形状の異なる複数の治具140を交換したり、治具140の移動の仕方を変えたりすることにより、求める製品形状に合わせた柔軟なしごき加工が行える。
[第4実施形態]
図5は、本発明の第4実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(c)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。以下、この図5に基づいて説明を行うが、上記第3実施形態との相違点を主に説明し、その他の上記第3実施形態と同一構成要素には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
図5(a)に示すように、本実施形態の差厚管の製造装置(以下、「しごき加工装置」と称する)は、収容部111の、素管Wの一端部Waに対応する位置に、長手方向に直交する断面形状が素管Wの一端部Waの外径よりも大きい拡径凹部111xを有している。
拡径凹部111xは、平行部111x1とテーパー部111x2とを有している。平行部111x1は、素管Wの外径寸法よりも大きい内径寸法を有し、軸線CLに沿った各位置で内径寸法が一定の空間である。テーパー部111x2は、平行部111x1に連なる空間であり、軸線CLに沿って平行部111x1から離れるに従って先細りになっている。テーパー部111x2の一端側が平行部111x1の内径寸法に等しく、他端側は素管Wの外径寸法にほぼ等しい。
以上説明の構成を有するしごき加工装置による差厚管の製造方法について、以下に説明する。
本実施形態のしごき加工工程では、まず、図5(a)に示すように、素管Wをダイス110Aの収容部111内に配置する。素管Wの一端部Waにおける端面位置は、収容部111の挿入口111aと同じか、または挿入口111aよりも奥側に位置する。また、素管Wは、収容部111と軸線CLを共有して同軸配置される。そして、素管Wの一端部Waは、拡径凹部111x内に位置するため、一端部Waの周囲には環状の隙間が形成されている。
なお、次工程でプラグ20を押し込む前に、図5(a)の△印に示すように、素管Wの他端部Wbの端面にダミーパイプ(不図示)などを押し当てて、素管Wを一時的に固定する。
素管Wの配置後、図5(b)に示すように、素管Wの一端部Waよりプラグ20を挿入して押し込んでいく。すると、素管Wの一端部Waにおける内径寸法及び外径寸法がプラグ20によって押し広げられる。その結果、素管Wの一端部Waが拡径されて拡径凹部111x内に隙間無く合致し、係止される。そして、この係止状態でプラグ20の押し込みを一端停止させる。続いて、前記ダミーパイプを取り除き、代わりに、前記治具駆動装置を駆動させて治具140を図5(c)の位置に配置する。
治具140の設置後、プラグ20を他端部Wbに向かって再び押し込むことで、しごき加工を行う。このしごき加工は、上記第3実施形態と同様、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を素管Wの他端部Wbに付与しながら行われる。加えて、本実施形態では、素管Wの一端部Waが拡径凹部111xに係止されている。したがって、素管Wの一端部Waの位置における係止めと、他端部Wbの位置における反力付与との両方を行うことができる。
この状態でプラグ20を素管Wの内部に押し込んでいくと、素管Wの内径がプラグ20によって押し広げられ、プラグ20の基部21の外径寸法とほぼ同じになる。素管Wのうち、外径が収容部111の内径に拘束された状態で内径が押し広げられた部分は、加工前の状態よりも肉厚が薄い薄肉部P1となる。
しごき加工による薄肉化に伴い、素管Wの他端部Wbが伸びて収容部111からテーパー部112、そして大径部113へと押し出されていく。この間、素管Wの一端部Waの位置における係止めと、他端部Wbの位置における反力付与との両方が、継続して行われる。そのため、素管Wの一端部Waの位置が大きくずれることなく、薄肉部P1を形成することができる。
プラグ20の押し込みによってテーパー部143の位置を通過した他端部Wbは、さらに伸びて基部142の周囲に至る。基部142周囲の他端部Wbは、基部142の外周面(平行面)142aに沿って移動し、プラグ20の押し込み停止により伸びが止まる。他端部Wbの端面は、ダイス110Aの外部にはみ出すことはない。
そして、プラグ20及び治具140を素管Wから引き抜く。その後、ダイス110Aを、その軸線CLを含む断面で2つに分離することにより、差厚管Pを取り出す。
以上説明の工程により、素管Wから下記差厚管Pを成形することが出来る。
差厚管Pは、一端部Wa及び他端部Wbを有する中空筒状をなし、一端部Waに、内径及び外径が拡径された拡径部P4を有する。一端部Wa及び他端部Wb間に、これら一端部Wa及び他端部Wbよりも肉厚が薄い薄肉部P1を有する。他端部Wbには、内径及び外径が拡径された口拡げ部P5を有する。薄肉部P1及び口拡げ部P5間には、厚肉部P3を有する。厚肉部P3は、薄肉部P1と同じ外径寸法と薄肉部P1よりも小さい内径寸法とを有するので、薄肉部P1よりも肉厚が厚くなっている。厚肉部P3は、口拡げ部P5よりも外径寸法及び内径寸法が小さい。厚肉部P3は、素管Wと同じ外径寸法と、素管Wとほぼ同じかまたは若干縮径した内径寸法とを有する。差厚管Pは、加工前である素管Wよりも全長が長い。
以上説明の、本実施形態に係る差厚管の差厚管の製造方法によれば、上記第3実施形態と同様の効果を得ることが出来る。加えて、本実施形態によれば、拡径部P4を形成して拡径凹部111xに係止させるので、プラグ20の押し込みによって素管Wの一端部を拡径させて拡径凹部111xに係止させることができる。この場合、素管Wの一端部Waの位置における係止めと、他端部Wbにおける反力付与との両方を素管Wに対して行えるので、より高いしごき率のしごき加工を行える。
[第5実施形態]
図6は、本発明の第5実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(b)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。
まず、本実施形態に係る差厚管の製造装置(以下、「しごき加工装置」と称する)について説明する。
本実施形態のしごき加工装置は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する装置である。図6(a)に示すように、しごき加工装置は、ダイス210と、プラグ20と、プラグ駆動装置(不図示)と、反力付与部230と、を備える。
ダイス210は、軸線CLを有する収容部211を備え、定位置に固定配置されている。
収容部211は、素管Wの外径に対応した円柱形状の空間である。収容部211は、素管Wの外径寸法とほぼ同じ内径寸法を有する。収容部211の軸線CLに沿った長さ寸法は、素管Wの長さ寸法よりも長い。収容部211の一端側は素管Wの挿入口211aであり、収容部211の他端側は反力付与部230の挿入口211bである。
プラグ20及び前記プラグ駆動装置は、上記第1実施形態と同じ構成を有するので、同一符号を用いてその説明は省略する。
反力付与部230は、治具231と、シャフト232と、油圧駆動装置(不図示)と、制御装置(不図示。制御部)と、を備える。
治具(第2の治具)231は、収容部211の内径寸法とほぼ同じ外径寸法を有する円柱部品であり、収容部211内に進退自在に配置されている。
シャフト232は、その一端が治具231の裏面側に固定されている。シャフト232、治具231、収容部211は、軸線CLを共有する。
前記油圧駆動装置(付勢部)は、シャフト232の他端に取り付けられており、油圧によりシャフト232を軸線CLに沿って進退させる。前記油圧駆動装置は、油圧を測定する油圧センサー(不図示。測定部)を備える。
前記制御装置は、前記油圧センサーが測定した油圧を取得し、その測定値に応じて前記油圧駆動装置の動作を制御する。より具体的には、素管Wの他端部Wbより治具231が受ける押圧力を油圧の上昇により求め、油圧が一定範囲内を維持するように油を抜く制御を行う。これにより、収容部211内の素管Wの他端部Wbに対し、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力が一定範囲内となるように付与できる。
以上説明の構成を有するしごき加工装置による差厚管の製造方法について、以下に説明する。図6の(a)〜(b)に示すように、本実施形態に係る差厚管の製造方法は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する方法であり、しごき加工工程を有する。
このしごき加工工程では、まず、図6(a)に示すように、素管Wをダイス210の収容部211内に配置する。このとき、素管Wの他端部Wbにおける端面を治具231の表面に当接させるように配置する。この時点ではまだ、素管Wの端面に反力が与えられていない。素管Wの一端部Waにおける端面位置は、収容部211の挿入口211aと同じか、または挿入口211aよりも奥側に位置する。また、素管Wは、収容部211と軸線CLを共有して同軸配置される。
素管Wの配置後、図6(b)に示すように、素管Wの一端部Waよりプラグ20を挿入し、さらにプラグ20を他端部Wbに向かって押し込む、しごき加工を行う。このしごき加工は、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を素管Wの他端部Wbに付与しながら行われる。具体的に言うと、プラグ20が素管Wに加える軸力を、治具231及びシャフト232を介して前記油圧駆動装置で受け止める。前記油圧センサーは油圧を測定し、測定結果を前記制御装置に送る。前記制御装置は、測定された油圧が所定範囲よりも高い場合に、油圧シリンダーから抜く油の流量を上げることで治具231の後退速度を上げる。一方、測定された油圧が所定範囲よりも低い場合は、油圧シリンダーから抜く油の流量を下げることで治具231の後退速度を下げる。このフィードバック制御により、素管Wが常に一定の反力を他端部Wbで受けるように治具231を後退させることができる。よって、他端部Wbに一定の反力を付与して素管Wを支えながらしごき加工を行うので、プラグ20の押し込み力を増しても素管Wをダイス210内に確実に固定できる。したがって、ダイス210内での素管Wの滑りを防げるので、しごき率を高めることができる。
素管Wを固定した状態でプラグ20を素管Wの内部に押し込んでいくと、素管Wの内径がプラグ20によって押し広げられ、プラグ20の基部21の外径寸法とほぼ同じになる。素管Wのうち、内径が押し広げられた部分は、加工前の状態よりも肉厚が薄い薄肉部P1となる。
しごき加工による薄肉化に伴い、素管Wの他端部Wbが収容部211内で伸びていく。その際、素管Wの他端部Wbが反力付与部230によって支えられ続けるので、素管Wの固定状態を常に維持できる。そのため、素管Wの一端部Waの位置が大きくずれることなく、薄肉部P1を形成することができる。そして、プラグ20の押し込みを停止することにより他端部Wbの伸びが止まる。他端部Wbの端面は、ダイス210の外部にはみ出すことはない。
以上説明の工程により、素管Wから下記差厚管Pを成形することが出来る。
差厚管Pは、一端部Wa及び他端部Wbを有する中空筒状をなし、一端部Wa側に、他端部Wbよりも肉厚が薄い薄肉部P1を有する。逆に言うと、他端部Wb側に、薄肉部P1よりも肉厚が厚い、厚肉部P3を有する。厚肉部P3は、薄肉部P1と同じ外径寸法と薄肉部P1よりも小さい内径寸法とを有するので、薄肉部P1よりも肉厚が厚くなっている。厚肉部P3は、素管Wと同じ外径寸法と、素管Wとほぼ同じかまたは若干縮径した内径寸法とを有する。差厚管Pは、加工前である素管Wよりも全長が長い。
以上説明のように、本実施形態に係る差厚管の差厚管の製造方法は、中空筒状の素管Wより差厚管Pを製造する方法であって、素管Wをダイス210内に配置し、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を他端部Wbに付与しながら、素管Wの一端部Waよりプラグ20を押し込んで他端部Wbに向かってしごき加工を行うしごき加工工程を有する。
この差厚管の製造方法によれば、他端部Wbに反力を付与して素管Wを支えながらしごき加工を行うので、プラグ20の押し込み力を増しても素管Wをダイス210内に確実に固定できる。したがって、ダイス210内での素管Wの滑りを防げるので、しごき率が高い場合であっても、歩留まりよく差厚管Pを製造することができる。
さらに、本実施形態の反力付与部230は、素管Wが治具231に加える押圧力を測定する前記油圧センサーと、前記油圧センサーにより得られた押圧力が所定範囲内に収まるように前記油圧駆動装置の反力を制御する前記制御装置と、を備える。この構成によれば、前記油圧センサーで求めた押圧力が一定となるように、前記制御装置により、治具231の後退動作(後退速度及び後退量の少なくとも一方)をフィードバック制御しながらしごき加工が行える。
上記第5実施形態では、反力を油圧により付与する構成としたが、この構成のみに限らず、図7に示す変形例を採用してもよい。図7は、差厚管Pの軸線CLを含む断面図である。
同変形例では、反力を油圧に代わりバネ等の弾性部材233により付与している。しごき加工に際しては、上記第5実施形態と同様、収容部211内に配置された素管Wの一端部Waにプラグ20を押し込んでいく。すると、素管Wにしごき加工が加えられ、他端部Wbが弾性部材233による反力を受けながら伸びていく。そして、プラグ20の押し込みを停止して抜くことにより、差厚管Pの成形が完了する。成形された差厚管Pは、図6(b)に示した差厚管Pと同一形状を有する。
[第6実施形態]
図8は、本発明の第6実施形態に係る差厚管の製造方法の各工程を(a)〜(c)の順に説明する図であって、差厚管の製造装置をその軸線を含む断面で見た断面図である。
以下、この図8に基づいて説明を行うが、上記第5実施形態との相違点を主に説明し、その他の上記第5実施形態と同一構成要素には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
図8(a)に示すように、本実施形態の差厚管の製造装置(以下、「しごき加工装置」と称する)は、収容部311の、素管Wの一端部Waに対応する位置に、長手方向に直交する断面形状が素管Wの一端部Waの外径よりも大きい拡径凹部311xを有している。
拡径凹部311xは、平行部311x1とテーパー部311x2とを有する。平行部311x1は、素管Wの外径寸法よりも大きい内径寸法を有し、軸線CLに沿った各位置で内径寸法が一定の空間である。テーパー部311x2は、平行部311x1に連なる空間であり、軸線CLに沿って平行部311x1から離れるに従って先細りになっている。テーパー部311x2の一端側が平行部311x1の内径寸法に等しく、他端側は素管Wの外径寸法にほぼ等しい。
以上説明の構成を有するしごき加工装置による差厚管の製造方法について、以下に説明する。
本実施形態のしごき加工工程では、まず、図8(a)に示すように、素管Wをダイス310の収容部311内に配置する。このとき、素管Wの他端部Wbにおける端面を治具231の表面に当接させるように配置する。素管Wの一端部Waにおける端面位置は、収容部311の挿入口311aと同じか、または挿入口311aよりも奥側に位置する。また、素管Wは、収容部311と軸線CLを共有して同軸配置される。そして、素管Wの一端部Waは、拡径凹部311x内に位置するため、一端部Waの周囲には環状の隙間が形成されている。
素管Wの配置後、図8(b)に示すように、素管Wの一端部Waよりプラグ20を挿入して押し込んでいく。すると、素管Wの一端部Waにおける内径寸法及び外径寸法がプラグ20によって押し広げられる。その結果、素管Wの一端部Waが拡径されて拡径凹部311x内に隙間無く合致し、係止される。
続いて、図8(c)に示すように、プラグ20を他端部Wbに向かってさらに押し込むことで、しごき加工を行う。このしごき加工は、上記第5実施形態と同様、素管Wの長手方向に沿った一端部Waから他端部Wbに向かう移動に抗する反力を素管Wの他端部Wbに付与しながら行われる。加えて、本実施形態では、素管Wの一端部Waが拡径凹部311xに係止されている。したがって、素管Wの一端部Waの位置における係止めと、他端部Wbの位置における反力付与との両方を行うことができる。
この状態でプラグ20を素管Wの内部に押し込んでいくと、素管Wの内径がプラグ20によって押し広げられ、プラグ20の基部21の外径寸法とほぼ同じになる。素管Wのうち、外径が収容部311の内径に拘束された状態で内径が押し広げられた部分は、加工前の状態よりも肉厚が薄い薄肉部P1となる。
しごき加工による薄肉化に伴い、素管Wの他端部Wbが収容部311内で伸びていく。この伸びは、治具231の後退により吸収される。その際、素管Wの他端部Wbが反力付与部230によって支えられ続けるので、素管Wの固定状態を常に維持できる。そのため、素管Wの一端部Waの位置が大きくずれることなく、薄肉部P1を形成することができる。そして、プラグ20の押し込みを停止することにより他端部Wbの伸びが止まる。他端部Wbの端面は、ダイス310の外部にはみ出すことはない。
以上説明の工程により、素管Wから下記差厚管Pを成形することが出来る。
差厚管Pは、一端部Wa及び他端部Wbを有する中空筒状をなし、一端部Waに、内径及び外径が拡径された拡径部P4を有する。一端部Wa及び他端部Wb間に、これら一端部Wa及び他端部Wbよりも肉厚が薄い薄肉部P1を有する。他端部Wbには、厚肉部P3を有する。厚肉部P3は、薄肉部P1と同じ外径寸法と薄肉部P1よりも小さい内径寸法とを有するので、薄肉部P1よりも肉厚が厚くなっている。厚肉部P3は、素管Wと同じ外径寸法と、素管Wとほぼ同じかまたは若干縮径した内径寸法とを有する。差厚管Pは、加工前である素管Wよりも全長が長い。
以上説明の、本実施形態に係る差厚管の差厚管の製造方法によれば、上記第5実施形態と同様の効果を得ることが出来る。加えて、本実施形態によれば、拡径部P4を形成して拡径凹部311xに係止させるので、プラグ20の押し込みによって素管Wの一端部Waを拡径させ、拡径凹部311xに係止させることができる。この場合、素管Wの一端部Waの位置における係止めと、他端部Wbにおける反力付与との両方を素管Wに対して行えるので、より高いしごき率のしごき加工を行える。
以上説明の第1〜第6実施形態の製造方法により製造された差厚管Pの適用例としては、自動車部品ではクロスメンバー、サスペンションメンバー、サスペンションアームなどのフレーム部材、およびペリメーターやサイドインパクトバーなどの衝突対応部品、またはドライブシャフトなどの駆動系パイプ部品が挙げられる。
クロスメンバー、サスペンションアーム、サスペンションメンバーなどのフレーム部材では、他部品の取り付け部分に特に肉厚が要求されるケースが多い為、本発明の各実施形態における差厚管を用いれば、必要な箇所のみを厚肉化した軽量な構造を採用することができる。また、これらの部品において、その厚肉部を所定の形状に成形する後加工の際に、プレス加工や曲げ加工が施される場合がある。この場合、加工が施される部分が厚肉かつ低強度であると加工しやすいため、本発明の各実施形態における差厚管を好適に用いることができる。
サイドインパクトバーは、ドアパネル内に設置され、衝突の際の衝突エネルギーをドアの両サイドに伝達する部材であり、衝突時に折損しないことが望まれる。そのため、本発明の各実施形態における差厚管を用いて中央部を厚肉化すれば、軽量な構造とすることができる。
ペリメーターは、車体前部のフレーム部材であり、前面衝突時の荷重伝達経路となる部材であるが、衝突時に屈曲し易い曲がり形状部などを厚肉部とすることで、より軽量化できる。また、厚肉部を曲げ加工する際には、この厚肉部が低強度であると加工しやすいため、本発明の各実施形態における差厚管を好適に用いることができる。
ドライブシャフトは、管端の差厚部にスプライン加工を行う場合があり、この部分が厚肉かつ低強度であると加工がしやすいため、本発明の各実施形態における差厚管を好適に用いることができる。
なお、素管Wの他端部Wbに反力を付与する形態として、反力付与部30,130,230を例示したが、これらの形態のみに限らない。例えば、図1の形態では、先細りとなるテーパー形状の内周面12xにより反力を付与したが、代わりに、収容部11をそのまま奥側に向かって延長し、その延長部分の内周面に複数の凸部(不図示)を軸線CL回りに等角度間隔で配置してもよい。この場合、プラグ20を素管Wに押し込んだ際に、前記各凸部に素管Wの他端部Wbが擦れながら伸びていくことで、素管Wに反力を付与することができる。
また、上記各実施形態において、しごき加工される素管Wをダイス内に一時的に固定させるために、例えばテーパー部12等、断面が軸線CLを含む断面で直線状の傾斜面をダイスまたは治具に設けた。しかし、素管Wに反力を付与する傾斜面としては、直線状のみに限られない。例えば図9(a)の変形例に示すように、傾斜面としては、軸線CLを含む断面で見た場合に凹む曲線状(凹曲面)であってもよい。逆に、例えば図9(b)の変形例に示すように、傾斜面としては、軸線CLを含む断面で見た場合に膨らむ曲線状(凸曲面)であってもよい。同様のことが、拡径凹部11x等の各拡径凹部にも言える。
より具体的に言うと、図1(a)の内周面12x、図2の第1テーパー部12A及び第2テーパー部12B、図3(a)の内周面12x及びテーパー部11x2、図4(a)の外周面143a、図5(a)のテーパー部111x2、図5(c)の外周面143a、図8(a)のテーパー部311x2のそれぞれを、凹曲面又は凸曲面としてもよい。すなわち、本発明で言う傾斜面には、直線状に加えて、凹曲線状及び凸曲線状も含まれる。
10,10A,10B,110,110A,210,310 ダイス
11x,111x,311x 拡径凹部
12x 内周面(傾斜面)
13x 内周面(平行面)
20 プラグ
30,130,230 反力付与部
140 治具(第1の治具)
142a 外周面(平行面)
143a 外周面(傾斜面)
231 治具(第2の治具)
233 弾性部材(付勢部)
P 差厚管
P1 薄肉部
P2 口絞り部
W 素管
Wa 一端部
Wb 他端部

Claims (20)

  1. 中空筒状の素管より差厚管を製造する方法であって、
    前記素管をダイス内に配置し、前記素管の長手方向に沿った一端部から他端部に向かう移動に抗する反力を前記他端部に付与しながら、前記素管の前記一端部よりプラグを押し込んで前記他端部に向かってしごき加工を行うしごき加工工程を有する
    ことを特徴とする、差厚管の製造方法。
  2. 前記ダイス内に、前記素管の前記他端部に対向する傾斜面が設けられ、
    前記しごき加工工程で、前記素管の前記他端部を前記傾斜面で受けながら前記プラグの押し込みを行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の、差厚管の製造方法。
  3. 前記ダイス内に、前記傾斜面に連なってかつ前記長手方向に沿う平行面が設けられ、
    前記しごき加工工程で前記プラグを押し込む際、前記素管の前記他端部のうちで前記傾斜面を経た部分をさらに前記平行面に沿って移動させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の、差厚管の製造方法。
  4. 前記傾斜面が前記ダイス内に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の、差厚管の製造方法。
  5. 前記傾斜面が前記ダイス内に配置された第1の治具に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の、差厚管の製造方法。
  6. 前記しごき加工工程で、前記長手方向に沿った複数位置に分けて前記反力を前記素管の前記他端部に付与することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の、差厚管の製造方法。
  7. 前記ダイス内に、前記素管の前記他端部が当接する第2の治具が設けられ、
    前記しごき加工工程で、前記素管の前記他端部を前記第2の治具で受けつつ前記第2の治具を前記長手方向に沿って後退させながら前記プラグの押し込みを行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の、差厚管の製造方法。
  8. 前記しごき加工工程で、前記素管が前記第2の治具に加える押圧力を測定し、前記押圧力が所定範囲内に収まるように前記第2の治具の後退動作を制御する
    ことを特徴とする請求項7に記載の、差厚管の製造方法。
  9. 前記ダイス内の、前記素管の前記一端部に対応する位置に、前記長手方向に直交する断面形状が前記素管の前記一端部における外径よりも大きい拡径凹部が形成され、
    前記しごき加工工程で、前記プラグの押し込みにより前記素管の前記一端部における外径を拡大させて前記拡径凹部に係止させる
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の、差厚管の製造方法。
  10. 前記しごき加工工程後における前記差厚管の薄肉部の減肉率を10%〜90%の範囲内にすることを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の、差厚管の製造方法。
  11. 前記素管が、シームレス鋼管であることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の、差厚管の製造方法。
  12. 中空筒状の素管より差厚管を製造する装置であって、
    前記素管が収容される収容部を有するダイスと、
    前記収容部内の前記素管の一端部に対して挿抜されるプラグと、
    前記収容部内の前記素管の他端部に対し、前記素管の長手方向に沿った前記一端部から前記他端部に向かう移動に抗する反力を付与する反力付与部と、
    を備える
    ことを特徴とする、差厚管の製造装置。
  13. 前記反力付与部が、前記素管の前記他端部に対向する傾斜面である
    ことを特徴とする請求項12に記載の、差厚管の製造装置。
  14. 前記反力付与部が、前記傾斜面に連なって前記長手方向に沿う平行面をさらに有する
    ことを特徴とする請求項13に記載の、差厚管の製造装置。
  15. 前記傾斜面が前記ダイス内に形成されている
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の、差厚管の製造装置。
  16. 前記ダイス内に配置された第1の治具をさらに備え、
    前記傾斜面が前記第1の治具に形成されている
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の、差厚管の製造装置。
  17. 前記反力付与部が、前記長手方向に沿って複数位置に分かれて配置されている
    ことを特徴とする請求項12〜16の何れか1項に記載の、差厚管の製造装置。
  18. 前記反力付与部が、
    前記ダイス内に配置されて前記素管の前記他端部に対向し、前記長手方向に沿って進退自在な第2の治具と、
    前記第2の治具に前記反力を付与する付勢部と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項12に記載の、差厚管の製造装置。
  19. 前記反力付与部が、
    前記素管が前記第2の治具に加える押圧力を測定する測定部と、
    前記測定部により得られた前記押圧力が所定範囲内に収まるように前記付勢部の前記反力を制御する制御部と、
    をさらに有する
    ことを特徴とする請求項18に記載の、差厚管の製造装置。
  20. 前記収容部の、前記素管の前記一端部に対応する位置に、前記長手方向に直交する断面形状が前記素管の前記一端部の外径よりも大きい拡径凹部が形成されている
    ことを特徴とする請求項12〜19の何れか1項に記載の、差厚管の製造装置。
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