JP2011136364A - コルゲートチューブの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】寸法精度が十分に高く、且つ、製造の手間の少ないコルゲートチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】コルゲートチューブ1は、隣り合う少なくとも3つの山部11,12,13を有する中空の蛇腹部4を備え、ハイドロフォーム成形を用いて形成される。成形の際、筒状の製造中間体16の内部に加圧された流体を供給するとともに、製造中間体16をポンチ34,35によって軸方向S1に押すことで、蛇腹部4の外周面に対応する形状に形成され且つコーティング加工が施されてなる金型10の蛇腹部形成面25に製造中間体16を押し付けて、蛇腹部4を形成する。製造中間体16の外周面16aに液状の潤滑剤を塗布しておき、ポンチ34,35により製造中間体16を軸方向S1へ押す軸押し量を、実質的に3.3mm以上に設定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、コルゲートチューブの製造方法に関する。
従来より、金属管を所望の形状に形成する方法として、ハイドロフォーム成形が知られている(たとえば、特許文献1,2参照)。ハイドロフォーム成形は、金属管を金型に入れ、金属管内に液を導入して内圧をかけ、金属管の両側からポンチで軸方向に圧縮荷重を負荷して押し込みつつ、金属管を金型に押し付ける成形法である。特許文献1では、金属管の表面に潤滑剤層を形成することにより、金属管を金型に押し付けたときに擦りきずが生じることを抑制している。また、特許文献2では、金属管を加工する金型のキャビティ内面に潤滑層を形成することにより、金属管を金型に押し付けたときに金属管の表面に擦りきずが生じることを抑制している。
特開平11−290963号公報 特開2002−301521号公報
たとえば、自動車などの車両用操舵装置の中間軸には、蛇腹部を含むコルゲートチューブを備えるものがある。車両の衝突に伴って運転者がステアリングホイールに衝突したときの衝撃を、中間軸の蛇腹部が折れ曲がったり、収縮することで緩和するようになっている。中間軸の蛇腹部は、衝撃を十分に緩和することができるように、山部が3つ以上設けられていることがある。このような蛇腹部を備える中間軸を製造する方法として、ハイドロフォーム成形が考えられる。
しかしながら、本願発明者は、金属管内に液を導入して内圧をかけ、金属管の両側からポンチで軸方向に圧縮荷重を負荷して押し込みつつ、金属管を金型に押し付けるだけでは、蛇腹部を精度よく形成できないことを発見した。ハイドロフォーム成形の際、金属管に、金型のキャビティ面に密着できない部分ができてしまうことが原因と考えられる。具体的には、金属管は、ポンチによって軸方向に圧縮されることで、蛇腹部の山部となるべき部分が径方向に膨らみながら、この部分が金型のキャビティ面に押し付けられる。
このとき、金属管と金型の互いの接触面での摩擦抵抗が原因で、複数の山部のうち真中の山部となるべき部分には、ポンチの荷重が十分に作用し難い。その結果、真中の山部となるべき部分を、キャビティ面に十分に押し付けることができず、キャビティ面に張ることができない。その結果、真中の山部の寸法精度が低い傾向にある
また、ハイドロフォーミング成形は、一度の成形作業で複雑な形状を形成できることにより、成形に手間がかからないという利点がある。したがって、成形作業に手間がかからないという利点を損なわないことが好ましい。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、寸法精度が十分に高く、且つ、製造の手間の少ないコルゲートチューブの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、隣り合う少なくとも3つの山部(11,12,13)を有する中空の蛇腹部(4)を備え、ハイドロフォーム成形を用いて形成される金属製のコルゲートチューブ(1)の製造方法において、上記コルゲートチューブの筒状の製造中間体(16)の内部に加圧された流体を供給するとともに、この製造中間体をポンチ(34,35)によって軸方向(S1)に押すことで、上記蛇腹部の外周面に対応する形状に形成され且つコーティング加工を施してなる金型(10)の蛇腹部形成面(25)に上記製造中間体を押し付けて、上記蛇腹部を形成するようにされており、上記製造中間体の外周面(16a)または蛇腹部形成面に液状の潤滑剤を塗布しておき、上記ポンチにより上記製造中間体を軸方向へ押す軸押し量を、実質的に3.3mm以上に設定することを特徴とする(請求項1)。
本発明によれば、コーティング加工を施してなる蛇腹部形成面を有する金型を使用することにより、蛇腹部形成面の表面粗さを十分に小さくできる。その結果、蛇腹部形成面の摩擦係数を小さくすることができる。また、製造中間体と蛇腹部形成面との間に潤滑剤を介在させていることにより、製造中間体の外周面と蛇腹部形成面との間の摩擦抵抗をより小さくすることができる。このように、コーティング加工してなる蛇腹部形成面を用い、且つ潤滑剤を用いることにより、蛇腹部形成面と製造中間体の外周面との間の摩擦抵抗を極めて小さくすることができる。したがって、ポンチによって製造中間体を軸方向に押すことで、製造中間体のうち山部となるべき部分を径方向に膨らませ、当該蛇腹部となるべき部分を蛇腹部形成面に接触させながら、さらにポンチを軸方向に押したときに、蛇腹部となるべき部分が蛇腹部形成面で引っ掛かりを起こすことを抑制できる。その上、ポンチの軸押し量を実質的に3.3mm以上にすることで、ポンチからの荷重を、上記蛇腹部となるべき部分の全域に渡って十分に伝えることができる。これにより、蛇腹部となるべき部分の外周面の全域を、強い力で蛇腹部形成面に張り付ける(押し付ける)ことができる。したがって、蛇腹部となるべき部分の外周面の形状を、蛇腹部形成面の形状に精度よく合致させることができるので、蛇腹部を、蛇腹部形成面の形状に精度よく合致するように形成できる。しかも、蛇腹部を形成した後は、潤滑剤を洗い流すという簡単な作業で潤滑剤を蛇腹部から除去することができるので、コルゲートチューブの成形作業にかかる手間が少ない。
「実質的に3.3mm」とは、ポンチの軸押し量の制御の誤差を考慮して設定されるものである。ポンチの軸押し量が3.3mm未満であれば、ポンチから製造中間体に作用する圧縮荷重が十分でなく、蛇腹部となるべき部分を十分に蛇腹部形成面に張ることができない。その結果、蛇腹部の寸法精度を高くし難い。
また、本発明は、隣り合う少なくとも3つの山部を有する中空の蛇腹部を備え、ハイドロフォーム成形を用いて形成される金属製のコルゲートチューブの製造方法において、上記コルゲートチューブの筒状の製造中間体の内部に加圧された流体を供給するとともに、この製造中間体をポンチによって軸方向に押すことで、上記蛇腹部の外周面に対応する形状に形成され且つコーティング加工を施されてなる金型の蛇腹部形成面に上記製造中間体を押し付けて、上記蛇腹部を形成するようにされており、上記製造中間体の外周面または蛇腹部形成面に液状の潤滑剤を塗布しておき、ハイドロフォーム成形を行う前の上記製造中間体の外径(D14)に対する上記蛇腹部の外径(D10A,D20A,D30A)の比を実質的に115%以上に設定することを特徴とする(請求項2)。
本発明によれば、コーティング加工を施してなる蛇腹部形成面を有する金型を使用することにより、蛇腹部形成面の表面粗さを十分に小さくできる。その結果、蛇腹部形成面の摩擦係数を小さくすることができる。また、製造中間体と蛇腹部形成面との間に潤滑剤を介在させていることにより、製造中間体の外周面と蛇腹部形成面との間の摩擦抵抗をより小さくすることができる。このように、コーティング加工してなる蛇腹部形成面を用い、且つ潤滑剤を用いることにより、蛇腹部形成面と製造中間体の外周面との間の摩擦抵抗を極めて小さくすることができる。したがって、ポンチによって製造中間体を軸方向に押すことで、製造中間体のうち山部となるべき部分を径方向に膨らませ、当該蛇腹部となるべき部分を蛇腹部形成面に接触させながら、さらにポンチを軸方向に押したときに、蛇腹部となるべき部分が蛇腹部形成面で引っ掛かりを起こすことを抑制できる。その上、ハイドロフォーム成形を行う前の製造中間体の外径に対する蛇腹部の外径の比を実質的に115%以上にすることで、製造中間体のうち蛇腹部となるべき部分を十分に湾曲させることができる。これにより、蛇腹部となるべき部分の外周面の全域を、強い力で蛇腹部形成面に張り付ける(押し付ける)ことができる。したがって、製造中間体のうち蛇腹部となるべき部分の外周面の形状を、蛇腹部形成面の形状に精度よく合致させることができるので、蛇腹部を、蛇腹部形成面の形状に精度よく合致するように形成できる。しかも、蛇腹部を形成した後は、潤滑剤を洗い流すという簡単な作業で潤滑剤を蛇腹部から除去することができるので、コルゲートチューブの成形作業にかかる手間が少ない。
「実質的に115%」とは、製造中間体の寸法の誤差を考慮して設定されるものであり、例えば110%〜120%を含む。ハイドロフォーム成形を行う前の上記製造中間体の外径に対する上記蛇腹部の外径の比が実質的に115%未満であれば、蛇腹部となるべき部分の湾曲量が少なく、蛇腹部となるべき部分を十分に蛇腹部形成面に張ることができない。その結果、蛇腹部の寸法精度を高くし難い。
また、本発明において、上記金型の蛇腹部形成面の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.04μm以下であるか、または、十点平均粗さRzで0.25μm以下である場合がある(請求項3)。
この場合、蛇腹部形成面の表面粗さを十分に小さくできる。その結果、蛇腹部形成面の摩擦係数をより小さくすることができる。蛇腹部形成面の表面粗さが、算術平均粗さRaで0.04μmより大きく、また、十点平均粗さRzで0.25μmより大きいと、蛇腹部形成面の摩擦係数が大きくなる。したがって、製造中間体の蛇腹部となるべき部分が、ハイドロフォーミング成形のときに蛇腹部形成面上で引っ掛かりを起こしてしまうおそれがある。このような引っ掛かりがあると、ポンチで製造中間体を軸方向に押したときに、蛇腹部となるべき部分の外周面の一部を蛇腹部形成面に強く張ることができず、したがって、蛇腹部の寸法精度が低くなってしまう。
また、本発明において、上記潤滑剤は、固体潤滑剤、樹脂、レべリング剤、消泡剤および水を含む場合がある(請求項4)。
たとえば、製造中間体の外周面をサランラップ(登録商標)で巻いた状態で、ポンチで製造中間体を押して製造中間体を蛇腹部形成面に張るように膨らますことが考えられる。この場合、製造中間体と蛇腹部形成面との間の摩擦抵抗を低減することができるからである。しかしながら、この場合、ハイドロフォーム成形作業の前にサランラップ(登録商標)を巻き付ける作業が必要で、且つ、ハイドロフォーム成形作業の後にサランラップ(登録商標)を剥がすという手間のかかる作業が必要である。
これに対し、本発明では、液状の潤滑剤を用いている。したがって、成形作業の前に、潤滑剤を塗布し、蛇腹部を形成した後のコルゲートチューブの潤滑剤を、洗浄剤を用いて除去するという、手間のかからない作業だけで、潤滑剤を扱うことができる。また、レベリング剤によって潤滑剤全体が平滑にされることにより、製造中間体と蛇腹部形成面との間に隙間無く潤滑剤を介在させることができる。さらに、消泡剤を用いることにより、製造中間体と蛇腹部形成面との間の気泡を除去することができるので、製造中間体と蛇腹部形成面との間に、より一層隙間無く潤滑剤を介在させることができる。したがって、潤滑剤による、製造中間体と蛇腹部形成面との間の摩擦低減効果を可及的に大きくすることができる。このような潤滑剤として、金属加工油剤、たとえば、ユシロンフォーマーFR65(ユシロ化学工業社製)を例示することができる。
また、本発明において、上記ポンチを移動させることで上記製造中間体を軸方向に押しているときの上記流体の圧力(P1)を95MPa以上とし、上記ポンチを移動し終えた後に上記流体の圧力をさらに上昇することで上記流体の圧力(P2)を195MPa以上とする場合がある(請求項5)。
製造中間体を軸方向に押しながらポンチを移動させているときの流体の圧力が、95MPa未満であると、ポンチの圧縮荷重によって、製造中間体が座屈し易くなってしまう。また、ポンチを移動し終えた後の上記流体の圧力が195MPa未満であると、製造中間体の蛇腹部となるべき部分の全域を、蛇腹部形成面に強い力で張ることができない。したがって蛇腹部の寸法精度を高くすることができない。また、製造中間体を軸方向に押しながらポンチを移動させているときの流体の圧力を、ポンチを移動し終えた後の流体の圧力と同じにすると、ポンチが製造中間体を押しつつ移動しているときに、製造中間体を蛇腹部形成面に押し付ける力が大きくなり過ぎる。その結果、製造中間体が蛇腹部形成面に引っ掛かってしまい、蛇腹部となるべき部分の外周面を満遍なく蛇腹部形成面に張ることができなくなってしまう。
したがって、蛇腹部を精度よく形成するためには、製造中間体を軸方向に押しながらポンチを移動させているときの流体の圧力を95MPa以上とし、且つポンチを移動し終えた後に流体の圧力をさらに上昇することで195MPa以上とすることが好ましい。
なお、製造中間体を軸方向に押しながらポンチを移動させているときの流体の圧力は、100MPa以上であってもよいし、105MPa以上であってもよい。
また、ポンチを移動し終えた後の流体の圧力は、200MPa以上であってもよいし、205MPa以上であってもよい。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の一実施形態に係る製造方法を用いて形成されたコルゲートチューブの一部を断面で示す側面図である。 コルゲートチューブの拡大図である。 コルゲートチューブを成形するための成形装置の概略構成図である。 コルゲートチューブの製造について説明するための断面図である。 潤滑剤の除去について説明する図である。 比較例および実施例の寸法について説明するための図である。 比較例1〜7の測定結果を示す図である。 比較例8〜11の測定結果を示す図である。 比較例12,13および実施例1〜5の測定結果を示す図である。 実施例6の測定結果を示す図である。 実施例7〜12の測定結果を示す図である。 実施例13の測定結果を示す図である。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法を用いて形成されたコルゲートチューブ1の一部を断面で示す側面図である。コルゲートチューブ1は、たとえば、自動車などの車両用操舵装置の中間軸として用いられる。
コルゲートチューブ1が車両用操舵装置の中間軸として用いられる場合には、車両の衝突に伴って運転者がステアリングホイールに衝突したときの衝撃を、コルゲートチューブ1が折れ曲がったり、収縮することで緩和するようになっている。
コルゲートチューブ1は、ステンレス鋼(たとえば、SUS430)などの金属材料を用いて中空の筒状に形成された一体成形品である。コルゲートチューブ1は、金属板を丸めて溶接により筒状にしたものを材料として形成されていてもよいし、継ぎ目無し管を材料として形成されていてもよい。
コルゲートチューブ1は、円筒状の一対の端部としての第1端部2および第2端部3と、これらの端部2,3の間に配置される蛇腹部4とを含んでいる。
蛇腹部4は、コルゲートチューブ1の軸方向S1に並ぶ少なくとも3つ(本実施形態において、3つ)の山部としての第1山部11、第2山部12および第3山部13と、軸方向S1に隣り合う山部11,12,13の間に配置される谷部14とを含んでいる。
第1山部11および第3山部13は、それぞれ、軸方向S1に関して端部2,3に最も近い山部であり、第2山部12は、第1山部11および第3山部13に挟まれた山部である。
各山部11,12,13は、互いに同じ形状に形成されており、端部2,3に対してコルゲートチューブ1の径方向B1の外側に膨らむ環状に形成されている。図2の拡大図に示すように、各山部11,12,13の断面形状は、径方向B1の外側に向かって凸となる山形形状に形成されている。
第1山部11の頂部の外周面におけるコルゲートチューブ1の直径としての山外径D10Aと、第2山部12の頂部の外周面におけるコルゲートチューブ1の直径としての山外径D20Aと、第3山部13の頂部の外周面におけるコルゲートチューブ1の直径としての山外径D30Aとは、互いに略同じとされている。
また、コルゲートチューブ1の中心軸線F1を含む断面において、第1山部11の頂部の外周面の曲率半径は、曲率半径R2Aとされ、第2山部12の頂部の外周面の曲率半径は、曲率半径R4Aとされ、第3山部13の頂部の外周面の曲率半径は、曲率半径R6Aとされている。曲率半径R2A,R4A,R6Aは、略同じ値とされている。
また、中心軸線F1を含む断面において、第1山部11の外周面のうち第1端部2側の基端部11aは、端部2の外周面と滑らかに連なっている。中心軸線F1を含む断面において、第3山部13の外周面のうち第2端部3側の基端部13aは、端部3の外周面に滑らかに連なっている。
このコルゲートチューブ1の厚み(肉厚)tは、たとえば、t=1.2mm〜1.5mm程度とされている。また、端部2,3の外径は、約31.8mmである。また、山外径D10A,D20A,D30Aは、それぞれ、約37mm(例えば、36.8mm)である。端部2,3の外径D14に対する山外径D10A,D20A,D30Aの比は、約116%であり、実質的に115%以上にされている。また、隣り合う山部間の配置ピッチは、約14mmである。
図3は、コルゲートチューブ1を成形するための成形装置15の概略構成を示す図である。図3を参照して、成形装置15は、円筒状の金属管、すなわちコルゲートチューブ1の製造中間体16にハイドロフォーム成形を施すことにより、コルゲートチューブ1が形成されている。
成形装置15は、上型18および下型19を有する金型10を含んでいる。上型18と下型19との間には、キャビティ面20によって、製造中間体16を収容するキャビティ21が区画されている。キャビティ面20は、製造中間体16の端部2,3に対向し、これらの端部2,3を保持する保持面22,23と、保持面22,23の間に配置され、製造中間体16の中間部24を取り囲む蛇腹部形成面25と、を含んでいる。
製造中間体16の中間部24は、蛇腹部4(図1参照)が形成されるべき部分である。保持面22,23は、製造中間体16の端部2,3の外周面に略合致する形状に形成されている。
蛇腹部形成面25は、蛇腹部4(図1参照)の外周面に略合致する形状に形成された環状の面であり、中心軸線D1を有している。
図3を参照して、蛇腹部形成面25は、第1山部11を形成するための環状の窪みからなる第1山部形成面31と、第2山部12を形成するための環状の窪みからなる第2山部形成面32と、第3山部13を形成するための環状の窪みからなる第3山部形成面33とを含んでいる。
第1山部形成面31の底部の内径(第1山部形成面31の内径)、第2山部形成面32の底部の内径(第2山部形成面32の内径)および第3山部形成面33の底部の内径(第3山部形成面33の内径)は、互いに同じ値としての第1内径D11とされている。
また、キャビティ21の中心軸線D1を含む断面で見たとき、第1山部形成面31の曲率半径、第2山部形成面32の曲率半径、および第3山部形成面33の曲率半径は、互いに同じ値としての第2半径R12とされている。
また、保持面22,23の内径は、互いに同じ値としての第3内径D13とされている。この第3内径D13は、製造中間体16の外径D14と略同じである。保持面22,23の第3内径D13に対する各山部形成面31,32,33の第1内径D11の比は、115%以上に設定されている。
すなわち、製造中間体16の外径D14に対する、蛇腹部4の山部11〜13の山外径D10A,D20A,D30Aの比は、実質的に115%以上に設定されている。
製造中間体16の外径D14に対する、蛇腹部11〜13の外径D10A,D20A,D30Aの比が、実質的に115%未満であると、ハイドロフォーム成形時の製造中間体16の中間部24の湾曲量が少なく、この中間部24を十分に蛇腹部形成面25に張ることができない。その結果、蛇腹部4の寸法精度を高くし難い。
成形装置15は、製造中間体16を軸方向S1に沿って押すための一対のポンチ34,35をさらに備えている。各ポンチ34,35の先端部は、製造中間体16内に挿通されている。また、各ポンチ34,35には、環状の段部36,37が形成されており、対応する端部2,3と当接している。また、左側のポンチ34,35には、油圧シリンダ装置(図示せず)が接続されている。左側のポンチ34を右側のポンチ35に近づくように変位させることで、製造中間体16を軸方向S1に押して、製造中間体16を圧縮することができるようになっている。
各ポンチ34,35には、流体供給路としての水供給路38が形成されている。水供給路38は、ポンチ34,35を貫通して形成されており、図示しない水供給装置に接続されている。水供給装置からは、加圧された水が供給されるようになっている。加圧された水は、製造中間体16内に供給される。各ポンチ34,35の先端の外周には、Oリング等の封止部材が取付けられており、各ポンチ34,35の先端の外周面と製造中間体16の対応する端部2,3の内周面との間が液密的に封止されている。
製造中間体16の外周面16aには、予め潤滑剤が塗布されている。この潤滑剤は、たとえば、固体潤滑剤、樹脂、レべリング剤、消泡剤および水を含む液状の潤滑剤である。このような潤滑剤として、金属加工油剤、たとえば、ユシロンフォーマーFR65(ユシロ化学工業社製)を例示することができる。
また、蛇腹部形成面25は、金型10の材料の切削加工およびラッピング加工(研磨加工)の後に、コーティング加工が施されてなり、表面粗さが小さくされている。コーティング加工として、トーヨーエイテック社が提供する窒化+低温TiC+Tコートを例示することができる。
蛇腹部形成面25の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.04μm以下であるか、または、十点平均粗さRzで0.25μm以下に設定されている。
蛇腹部形成面25の表面粗さが、算術平均粗さRaで0.04μmより大きく、また、十点平均粗さRzで0.25μmより大きいと、蛇腹部形成面25の摩擦係数が大きくなる。したがって、ハイドロフォーム成形の際、製造中間体16の中間部24が、蛇腹部形成面25上で引っ掛かりを起こしてしまうおそれがある。このような引っ掛かりがあると、ポンチ34,35で製造中間体16を軸押しする(軸方向S1に押す)ときに、中間部24における外周面16aの一部を蛇腹部形成面25に十分に張ることができず、したがって、蛇腹部4の寸法精度が低くなってしまう。なお、蛇腹部形成面25の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.04μm以下であり、且つ、十点平均粗さRzで0.25μm以下であることが好ましい。
次に、成形装置15を用いた製造中間体16の成形作業について説明する。
まず、外周面16aに潤滑剤が塗布された製造中間体16を、金型10のキャビティ21内にセットし、上型18に、図示しない油圧シリンダによって下向きの荷重(型締め力)を付与し、さらに、一対のポンチ34,35で製造中間体16を挟み込む。
次いで、水供給路38から製造中間体16内に加圧された水を供給する。次に、図4に示すように、軸方向S1に沿って、左側のポンチ34を右側のポンチ35に近づける方向に移動させることにより、製造中間体16に圧縮荷重を付与する。このときの製造中間体16内の水圧としての初圧P1は、95MPa以上である。初圧P1が95MPa未満であると、ポンチ34,35の圧縮荷重によって、製造中間体16の第1端部2と中間部24との境界部24a、および製造中間体16の第2端部3と中間部24との境界部24bが座屈するおそれがある。ただし、初圧P1は、80MPa以上でもよい。
初圧P1は、100MPa以上が好ましく、105MPa以上であることがより好ましい。これにより、製造中間体16を軸方向S1に押しながらポンチ34,35を移動させているときに、製造中間体16が座屈することをより確実に抑制することができる。
初圧P1の上限は、たとえば、140MPaである。初圧P1がこの上限を超えると、ポンチ34,35が製造中間体16を押しつつ移動しているときに、製造中間体16を蛇腹部形成面25に押し付ける力が大きくなり過ぎる。その結果、製造中間体16が蛇腹部形成面25に引っ掛かってしまい、中間部24における製造中間体16の外周面16aを満遍なく蛇腹部形成面25に張ることができなくなってしまう。
一対のポンチ34,35によって製造中間体16が軸方向S1に押される量(軸方向S1における収縮量)としての軸押し量は、実質的に約3.3mm以上とされている。ポンチ34,35の軸押し量が3.3mm未満であれば、ポンチ34,35から製造中間体16に作用する圧縮荷重が十分でなく、中間部24を十分に蛇腹部形成面25に張ることができない。その結果、蛇腹部4の寸法精度を高くし難い。軸押し量は、好ましくは4mm以上に設定される。
軸押し量の上限は、たとえば、5.5mmである。軸押し量がこの上限を超えると、製造中間体16の座屈を抑制することが困難になる。
ポンチ34を軸方向S1に移動し終えた後、水圧Pをさらに上昇させ、成形圧P2(P=P2)とする。成形圧P2を195MPa以上にすることで、製造中間体16の中間部24を、蛇腹部形成面25により一層強く押し付ける。成形圧P2が195MPa未満であると、中間部24における製造中間体16の外周面16aの全域を、蛇腹部形成面25に強い力で張ることができない。したがって蛇腹部4の寸法精度を高くすることができない。
なお、成形圧P2は、200MPa以上であってもよいし、205MPa以上であってもよい。
成形圧P2の上限は、たとえば、220MPaである。成形圧P2がこの上限を超えると、成形装置15が大型化してしまい、その結果、製造コストが高くなってしまう。
また、ポンチ34を移動させているときの初圧P1を、ポンチ34を移動し終えた後の成形圧P2と同じにすると、ポンチ34が製造中間体16を押しつつ移動しているときに、製造中間体16を蛇腹部形成面25に押し付ける力が大きくなり過ぎる。その結果、製造中間体16が蛇腹部形成面25に引っ掛かってしまい、中間部24における製造中間体16の外周面16aを満遍なく蛇腹部形成面25に張ることができなくなってしまう。したがって、初圧P1<成形圧P2としている。
以上の作業により、製造中間体16の中間部24が蛇腹部4となり、コルゲートチューブ1が完成する。
コルゲートチューブ1は、金型10から取り外された後、図5に示すように、洗浄液W1によって、洗浄され、潤滑剤が除去される。このときの洗浄液として、アルカリ性の洗浄剤を例示することができる。
本実施形態によれば、コーティング加工を施してなる蛇腹部形成面25を有する金型10を使用することにより、蛇腹部形成面25の表面粗さを十分に小さくできる。その結果、蛇腹部形成面25の摩擦係数を小さくすることができる。
また、製造中間体16と蛇腹部形成面25との間に潤滑剤を介在させていることにより、製造中間体16の外周面16aと蛇腹部形成面25との間の摩擦抵抗をより小さくすることができる。このように、コーティング加工してなる蛇腹部形成面25を用い、且つ潤滑剤を用いることにより、蛇腹部形成面25と製造中間体16の外周面16aとの間の摩擦抵抗を極めて小さくすることができる。
したがって、ポンチ34,35によって製造中間体16を軸方向S1に押すことで、製造中間体16のうち山部11,12,13となるべき部分を径方向Rに膨らませ、当該部分を蛇腹部形成面25に接触させながら、さらにポンチ34を軸方向S1に押したときに、製造中間体16が蛇腹部形成面25上で引っ掛かりを起こすことを抑制できる。
その上、ポンチ34,35の軸押し量を実質的に3.3mm以上にすることで、ポンチ34,35からの荷重を、製造中間体16の中間部24の全域に渡って十分に伝えることができる。これにより、中間部24における製造中間体16の外周面16aの全域を、強い力で蛇腹部形成面25に張り付ける(押し付ける)ことができる。
さらに、ハイドロフォーム成形を行う前の製造中間体16の外径D14に対する蛇腹部4の山部11〜13の外径D10A,D20A,D30Aの比を実質的に115%以上にすることで、蛇腹部4となるべき中間部24を十分に湾曲させることができる。これにより、中間部24における製造中間体16の外周面16aの全域を、強い力で蛇腹部形成面25に張り付ける(押し付ける)ことができる。
したがって、中間部24における製造中間体16の外周面16aの形状を、蛇腹部形成面25の形状に精度よく合致させることができるので、蛇腹部4を、蛇腹部形成面25の形状に精度よく合致するように形成することができる。しかも、蛇腹部4を形成した後は、潤滑剤を洗い流すという簡単な作業で潤滑剤をコルゲートチューブ1から除去することができるので、コルゲートチューブ1の成形作業にかかる手間は少ない。
また、金型10の蛇腹部形成面25の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.04μm以下であるか、または、十点平均粗さRzで0.25μm以下とされている。これにより、蛇腹部形成面25の表面粗さを十分に小さくできる。その結果、蛇腹部形成面25の摩擦係数をより小さくすることができる。
たとえば、製造中間体16の外周面16aをサランラップ(登録商標)で巻いた状態で、ポンチ34,35で製造中間体16を押して製造中間体16を蛇腹部形成面25に張るように膨らますことが考えられる。この場合、製造中間体16と蛇腹部形成面25との間の摩擦抵抗を低減することができる。
しかしながら、この場合、ハイドロフォーム成形作業の前にサランラップ(登録商標)を巻き付ける作業が必要で、且つ、ハイドロフォーム成形作業の後にサランラップ(登録商標)を剥がすという手間のかかる作業が必要である。
これに対し、本実施形態では、液状の潤滑剤を用いている。したがって、成形作業の前に、潤滑剤を塗布し、蛇腹部4を形成した後のコルゲートチューブ1の潤滑剤を、洗浄剤を用いて除去するという、手間のかからない作業だけで、潤滑剤を扱うことができる。
また、レベリング剤によって潤滑剤全体が平滑にされることにより、製造中間体16と蛇腹部形成面25との間に隙間無く潤滑剤を介在させることができる。さらに、消泡剤を用いることにより、製造中間体16と蛇腹部形成面25との間の気泡を除去することができるので、製造中間体16と蛇腹部形成面25との間に、より一層隙間無く潤滑剤を介在させることができる。したがって、潤滑剤による、製造中間体16と蛇腹部形成面25との間の摩擦低減効果を可及的に大きくすることができる。
さらに、初圧P1を95MPa以上とし、成形圧P2を195MPa以上としており、ポンチ34を移動しているときの初圧P1と比べてポンチ34を移動し終えた後の成形圧P2を高くしている。これにより、寸法精度の高い蛇腹部4を形成することができる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、蛇腹部4の山部の数は、4つ以上でもよい。また、左右一対のポンチ34,35の両方を油圧シリンダ装置で駆動させることにより、製造中間体16を軸方向S1に押して圧縮してもよい。また、蛇腹部形成面25を含むキャビティ面20に潤滑剤を塗布してもよい。
・潤滑剤についての評価
長さ約132mm、直径約31.8mm、肉厚1.2mmのSUS430の筒状の製造中間体16を用いて、本発明のコルゲートチューブに関する比較例1〜7を作製した。なお、本実施例の項において、コルゲートチューブの各部の名称は、前述のコルゲートチューブ1の各部の名称と同様である。
比較例1:製造中間体16の外周面16aに、潤滑剤として、潤滑油である、ユシロンフォーマーEW25(ユシロ化学工業社製)を塗布したものを、成形装置15を用いてハイドロフォーム成形により作製した。ユシロンフォーマーEW25は、鉱油、油性剤、界面活性剤、固体潤滑剤、非鉄金属防食剤、防腐剤および水を含んでいる。
比較例2:製造中間体16の外周面16aに、潤滑剤として、潤滑油である、ユシロンフォーマーEW373(ユシロ化学工業社製)を塗布したものを、成形装置15を用いてハイドロフォーム成形により作製した。ユシロンフォーマーEW373は、鉱油、油脂類、アニオン系界面活性剤、硫黄系極圧添加剤、消泡剤、防腐剤および水を含んでいる。
比較例3:製造中間体16の外周面16aに、潤滑剤として、潤滑油である、ユシロンフォーマーEW600(ユシロ化学工業社製)を塗布したものを、成形装置15を用いてハイドロフォーム成形により作製した。ユシロンフォーマーEW600は、硫黄および油脂を含んでいる。
比較例4:製造中間体16の外周面16aに、潤滑剤として、潤滑油である、ユシロンフォーマーFR65(ユシロ化学工業社製)を塗布したものを、成形装置15を用いてハイドロフォーム成形により作製した。ユシロンフォーマーFR65は、固体潤滑剤、樹脂、レべリング剤、消泡剤および水を含んでいる。
比較例5:製造中間体16の外周面16aに、潤滑剤として、潤滑油である、ユシロンフォーマーFR340(ユシロ化学工業社製)を塗布したものを、成形装置15を用いてハイドロフォーム成形により作製した。ユシロンフォーマーFR340は、固体潤滑剤、活性剤(分散剤)および水を含んでいる。
比較例6:製造中間体16の外周面16aに、潤滑剤として、サランラップ(登録商標)を巻いたものを、成形装置15を用いてハイドロフォーム成形により作製した。
比較例7:製造中間体16の外周面16aに潤滑剤が与えられていないものを、成形装置15を用いてハイドロフォーム成形により作製した。
なお、成形装置15による成形の条件は、下記のとおりである。
成形圧P2:200MPa
初圧P1:80MPa
軸押し量:3mm
第1内径D11:36.9mm
第2半径R12:4.2mm
比較例1〜7をそれぞれ5つ作製した。そして、図6に示す第1山部の山外径D10、第2山部の山外径D20および第3山部の山外径D30、および曲率半径R2,R4,R6を比較例ごとにそれぞれ測定し、上限値、下限値および平均値を算出した。
結果を図7に示す。図7に示すように、比較例1〜7の何れも、山外径D20、曲率半径R4の対応する第1内径D11および第2半径R12からのずれが大きく、寸法精度は低い。但し、曲率半径R2に関して、第2半径R12からのずれ量は、比較例2、比較例4および比較例6が比較的小さい。
また、曲率半径R4に関して、第2半径R12からのずれ量は、比較例4、比較例5および比較例6が比較的小さい。
したがって、比較例1〜7の中では、比較例4および比較例6の寸法の精度が高いことが確認された。
但し、比較例6については、ラップを巻き回す作業と、剥がす作業が必要であり、潤滑剤の取り扱いに手間がかかる。一方、比較例4は、液状の潤滑剤を塗布し、洗浄液で洗い流すという簡易な作業で、潤滑剤を取り扱うことができるので、取り扱いに手間がかからない。
したがって、比較例4の作製に用いられる潤滑剤、すなわち、固体潤滑剤、樹脂、レべリング剤、消泡剤および水を含む潤滑剤が、潤滑剤として適していることが実証された。
・蛇腹部形成面の表面粗さについての評価
比較例1〜7の作製に用いたのと同様の製造中間体16を用いて、本発明のコルゲートチューブに関する比較例8〜11を作製した。
比較例8:蛇腹部形成面を含むキャビティ面を切削加工のみで形成した点以外は成形装置15と同様の成形装置を用いて作製した。キャビティ面の算術平均粗さRaは、0.36μm、十点平均粗さRzは、1.46μmである。また、製造中間体16には、潤滑剤を与えなかった。
比較例9:蛇腹部形成面を含むキャビティ面を切削加工+ラッピング加工により形成した点以外は成形装置15と同様の成形装置を用いて作製した。キャビティ面の算術平均粗さRaは、0.071μm、十点平均粗さRzは、0.357μmである。また、製造中間体16には、潤滑剤を与えなかった。
比較例10:成形装置15を用いて作製した。すなわち、蛇腹部形成面を含むキャビティ面は、切削加工+ラッピング加工+コーティング加工により形成されてなる。なお、キャビティ面20の算術平均粗さRaは、0.026μm、十点平均粗さRzは、0.15μmである。また、製造中間体16には、潤滑剤を与えなかった。
比較例11:成形装置15を用いて作製した。また、製造中間体16には、潤滑剤として、潤滑油である、ユシロンフォーマーFR65(ユシロ化学工業社製)を塗布した。
なお、比較例8〜11の成形の条件は、下記のとおりである。
成形圧P2:200MPa
初圧P1:80MPa
軸押し量:3mm
比較例8〜11をそれぞれ5つ作製した。そして、比較例8〜11のそれぞれの山外径D10,D20,D30、および曲率半径R2,R4,R6を測定し、平均値を算出した。
結果を図8に示す。図8に示すように、比較例8〜11の何れも、山外径D20、曲率半径R4の対応する第1内径D11および第2半径R12からのずれが大きく、寸法精度は低い。但し、山外径D10,D20,D30に関しては、金型の蛇腹部形成面の表面粗さが小さいほど、第1内径D11との差が小さい傾向にあることが確認できる。換言すれば、蛇腹部形成面の摩擦係数が小さいほど、第1内径D11との差が小さいことが確認できる。曲率半径R2,R4,R6に関しても、概ね、蛇腹部形成面の摩擦係数が小さいほど、第2半径R12との差が小さい傾向にあることが実証された。
比較例11から分かるように、蛇腹部形成面25の表面粗さを十分に小さくすることに加え、製造中間体16の外周面16aに、固体潤滑剤、樹脂、レべリング剤、消泡剤および水を含む潤滑剤を塗布し、ハイドロフォーミング成形を行うことにより、対応する第1内径D11および第2半径R12からのずれ量をより小さくできることが実証された。
・軸押し量についての評価
次いで、製造中間体16の外周面16aにユシロンフォーマーFR65を塗布したものを、成形装置15を用いてハイドロフォーム成形することで、比較例12〜16および実施例1,2を作製した。
なお、成形装置15による成形の条件は、下記のとおりである。
成形圧P2:200MPa
初圧P1:80MPa
なお、比較例12〜16および実施例1,2の作製の際の軸押し量の違いは、以下のとおりである。
比較例12:軸押し量=3.0mm
比較例13:軸押し量=3.2mm
実施例 1:軸押し量=3.4mm
実施例 2:軸押し量=3.6mm
実施例 3:軸押し量=3.8mm
実施例 4:軸押し量=4.0mm
実施例 5:軸押し量=4.2mm
比較例12,13および実施例1〜5をそれぞれ5つ作製した。そして、比較例12,13および実施例1〜5のそれぞれの山外径D10,D20,D30、および曲率半径R2,R4,R6を測定し、上限値、下限値および平均値を算出した。
結果を図9に示す。図9に示すように、比較例12,13では、山外径D10,D20の第1内径D11に対する差が全体的に大きい。
これに対して、実施例1〜5では、山外径D10,D20,D30の第1内径D11に対する差が全体的に小さく、且つ、曲率半径R2,R4,R6の第2半径R12に対する差が全体的に小さい。特に、軸押し量が4mm以上である実施例4,5では、山外径D10,D20,D30の第1内径D11に対する差が全体的に小さく、且つ、曲率半径R2,R4,R6の第2半径R12に対する差が全体的に小さい。したがって、実施例1〜5では、十分な寸法精度が確保されていることが実証された。
また、実施例1では、蛇腹部が形成されていない部分の外径、すなわち、製造中間体16の外径D4に対する山外径D10の比が略115%である。また、製造中間体16の外径D4に対する山外径D20の比が略115%である。さらに、製造中間体16の外径D4に対する山外径D30の比が略116%である。また、実施例2〜5では、製造中間体16の外径D4に対する各山外径D10,D20,D30の比が115%以上である。
なお、実施例4,5では、僅かな値ではあるが、第1山部11のうち、第1端部2側の基端部11aと、第3山部13のうち、第2端部3側の基端部13aのそれぞれに、座屈が生じた。
そこで、初圧P1を80MPaから100MPaに変更した以外は実施例1と同じ条件で、実施例3を30個作製し、山外径D10,D20,D30、および曲率半径R2,R4,R6のそれぞれの上限値、下限値および平均値を算出した。
実施例6では、図10に示すように、山外径D10,D20,D30、および曲率半径R2,R4,R6の何れも、対応する第1内径D11および第2半径R12の公差範囲内の値となっており、且つ、座屈も生じないことが実証された。
次いで、肉厚が1.5mmである点以外は実施例1の製造中間体16と同様の製造中間体16を用いて、成形装置15によってハイドロフォーム成形することにより、本発明に関する実施例7〜12を作製した。
成形装置15の成形条件は、初圧P1が120MPa、成形圧P2が200MPaである。また、実施例7〜12のそれぞれの作製の際の軸押し量は、下記の通りである。
実施例 7:軸押し量=3.4mm
実施例 8:軸押し量=3.8mm
実施例10:軸押し量=4.0mm
実施例11:軸押し量=4.4mm
実施例12:軸押し量=4.8mm
実施例13:軸押し量=5.2mm
実施例7〜12をそれぞれ5個作製し、山外径D10,D20,D30、および曲率半径R2,R4,R6のそれぞれの上限値、下限値および平均値を算出した。
結果を図11に示す。図11に示すように、実施例7〜12では、十分な寸法精度が確保されていることが実証された。実施例9〜12では、より十分な寸法精度が確保されていることが実証された。
特に、実施例11から分かるように、軸押し量を4.8mmとすることで、より高い寸法精度が確保されていることが実証された。
なお、実施例12では、僅かな値ではあるが、第1山部11のうち、第1端部2側の基端部11aと、第3山部13のうち、第2端部3側の基端部13aのそれぞれに、座屈が生じた。
そこで、初圧P1を100MPaから120MPaに変更した以外は実施例10と同じ条件で、実施例13を30個作製し、山外径D10,D20,D30、および曲率半径R2,R4,R6のそれぞれの上限値、下限値および平均値を算出した。
実施例13では、図12に示すように、山外径D10,D20,D30、および曲率半径R2,R4,R6の何れも、対応する第1内径D11および第2半径R12の公差範囲内に収まっており、且つ、座屈も生じないことが実証された。
1…コルゲートチューブ、4…蛇腹部、10…金型、11,12,13…山部、16…製造中間体、16a…外周面、25…蛇腹部形成面、34,35…ポンチ、D14…製造中間体の外径、D10A,D20A,D30A…山部の外径(蛇腹部の外径)、P1,P2…圧力、S1…軸方向。

Claims (5)

  1. 隣り合う少なくとも3つの山部を有する中空の蛇腹部を備え、ハイドロフォーム成形を用いて形成される金属製のコルゲートチューブの製造方法において、
    上記コルゲートチューブの筒状の製造中間体の内部に加圧された流体を供給するとともに、この製造中間体をポンチによって軸方向に押すことで、上記蛇腹部の外周面に対応する形状に形成され且つコーティング加工を施されてなる金型の蛇腹部形成面に上記製造中間体を押し付けて、上記蛇腹部を形成するようにされており、
    上記製造中間体の外周面または蛇腹部形成面に液状の潤滑剤を塗布しておき、
    上記ポンチにより上記製造中間体を軸方向へ押す軸押し量を、実質的に3.3mm以上に設定することを特徴とするコルゲートチューブの製造方法。
  2. 隣り合う少なくとも3つの山部を有する中空の蛇腹部を備え、ハイドロフォーム成形を用いて形成される金属製のコルゲートチューブの製造方法において、
    上記コルゲートチューブの筒状の製造中間体の内部に加圧された流体を供給するとともに、この製造中間体をポンチによって軸方向に押すことで、上記蛇腹部の外周面に対応する形状に形成され且つコーティング加工を施されてなる金型の蛇腹部形成面に上記製造中間体を押し付けて、上記蛇腹部を形成するようにされており、
    上記製造中間体の外周面または蛇腹部形成面に液状の潤滑剤を塗布しておき、
    ハイドロフォーム成形を行う前の上記製造中間体の外径に対する上記蛇腹部の外径の比を実質的に115%以上に設定することを特徴とするコルゲートチューブの製造方法。
  3. 請求項1または2において、上記金型の蛇腹部形成面の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.04μm以下であるか、または、十点平均粗さRzで0.25μm以下であることを特徴とするコルゲートチューブの製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、上記潤滑剤は、固体潤滑剤、樹脂、レべリング剤、消泡剤および水を含むことを特徴とするコルゲートチューブの製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項において、上記ポンチを移動させることで上記製造中間体を軸方向に押しているときの上記流体の圧力を95MPa以上とし、上記ポンチを移動し終えた後に上記流体の圧力をさらに上昇することで上記流体の圧力を195MPa以上とすることを特徴とするコルゲートチューブの製造方法。
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