JP2020112083A - 堆積量推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの間欠運転を行なう車両に搭載される堆積量推定装置において、粒子状物質の堆積量をより精度よく推定する。【解決手段】排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンの間欠運転を行なう車両に搭載されると共にフィルタに堆積した粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定装置において、エンジンの停止時間および/または始動時冷却水温を考慮して、フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量を推定する。【選択図】図2
Description
本発明は、堆積量推定装置に関し、詳しくは、エンジンの排気系に取り付けられて粒子状物質を除去するフィルタに堆積した粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定装置に関する。
従来、この種の堆積量推定装置としては、排気浄化装置の排気フィルタ(DPF)に堆積した排気微粒子(PM)を推定する際に、エンジンの運転履歴に基づいてPM堆積量を推定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述の堆積量推定装置をエンジンの間欠運転を行なう車両に搭載する場合、実際には停止時間や再始動時の状態などが再始動後のPM堆積量に影響を与えるものの、その影響をPM堆積量の推定に反映できていないため、PM堆積量を十分な精度で推定できない可能性がある。
本発明の堆積量推定装置は、エンジンの間欠運転を行なう車両に搭載される堆積量推定装置において、粒子状物質の堆積量をより精度よく推定することを主目的とする。
本発明の堆積量推定装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の堆積量推定装置は、
排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンの間欠運転を行なう車両に搭載され、前記フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定装置であって、
前記エンジンの停止時間および/または始動時冷却水温を考慮して前記堆積量を推定する、
ことを要旨とする。
排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンの間欠運転を行なう車両に搭載され、前記フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定装置であって、
前記エンジンの停止時間および/または始動時冷却水温を考慮して前記堆積量を推定する、
ことを要旨とする。
この本発明の堆積量推定装置では、排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンの間欠運転を行なう車両に搭載されると共にフィルタに堆積した粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定装置において、エンジンの停止時間および/または始動時冷却水温を考慮して、フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量を推定する。これにより、エンジンの停止時間や始動時冷却水温を考慮しないものに比して、粒子状物質の堆積量をより精度よく推定することができる。
本発明の堆積量推定装置において、前記停止時間が長いほど多くなるように前記堆積量を推定するものとしてもよい。また、前記始動時冷却水温が低いほど多くなるように前記堆積量を推定するものとしてもよい。さらに、前記エンジンの始動後の積算吸入空気量の増加につれて前記堆積量の単位時間当たりの増加量が少なくなるように前記堆積量を推定するものとしてもよい。
本発明の堆積量推定装置において、前記エンジンの負荷率、冷却水温、回転数、吸気温、大気圧のうちの少なくとも一部を更に考慮して前記堆積量を推定するものとしてもよい。この場合、前記負荷率が小さいほど少なくなるように前記堆積量を推定するものとしてもよい。前記冷却水温が高いほど少なくなるように前記堆積量を推定するものとしてもよい。前記回転数が大きいほど多くなるように前記堆積量を推定するものとしてもよい。前記吸気温が高いほど少なくなるように前記堆積量を推定するものとしてもよい。前記大気圧が低いほど多くなるように推定するものとしてもよい。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての堆積量推定装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、蓄電装置としてのバッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。ここで、実施例の「堆積量推定装置」としては、エンジンECU24が該当する。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されており、ダンパ28を介してプラネタリギヤ30のキャリヤに接続されている。図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。図示するように、エンジン22は、エアクリーナ122により清浄された空気を吸気管123に吸入してスロットルバルブ124を通過させると共に燃料噴射弁126から燃料を噴射して空気と燃料とを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室129に吸入する。そして、吸入した混合気を点火プラグ130による電気火花により爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。燃焼室129から排気バルブ131を介して排気管133に排出される排気は、浄化装置134およびPMフィルタ136を介して外気に排出される。浄化装置134は、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)134aを有する。PMフィルタ136は、セラミックスやステンレスなどにより多孔質フィルタとして形成されており、排気中の煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕捉する。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Twを挙げることができる。吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ131を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカム角θci,θcoも挙げることができる。スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルポジションセンサ124aからのスロットル開度THや、吸気管123に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa、吸気管123に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Taも挙げることができる。排気管133に取り付けられた空燃比センサ135aからの空燃比AFや、排気管133に取り付けられた酸素センサ135bからの酸素信号O2も挙げることができる。
エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ124bへの制御信号や、燃料噴射弁126への制御信号、点火プラグ130への制御信号を挙げることができる。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。
エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算したり、水温センサ142からの冷却水温Twなどに基づいて浄化装置134の浄化触媒134aの温度(触媒温度)Tcを演算したりしている。また、エンジンECU24は、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて、負荷率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算している。さらに、エンジンECU24は、エンジン22の回転数Neや負荷率KLに基づいて、PMフィルタ136の温度としてのフィルタ温度Tfを演算したりしている。
図1に示すように、プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されており、サンギヤと、リングギヤと、それぞれサンギヤおよびリングギヤに噛合する複数のピニオンギヤと、複数のピニオンギヤを自転(回転)かつ公転自在に支持するキャリヤとを有する。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、上述したように、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。したがって、モータMG1、エンジン22、駆動軸36は、プラネタリギヤ30の共線図においてこの順に並ぶようにプラネタリギヤ30の3つの回転要素としてのサンギヤ、キャリヤ、リングギヤに接続されていると言える。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2の駆動に用いられると共に電力ライン54を介してバッテリ50に接続されている。電力ライン54には、平滑用のコンデンサ57が取り付けられている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によってインバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサ45u,45v,46u,46vからの相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の電気角θe1,θe2や角速度ωm1,ωm2,回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン54に接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52により管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に取り付けられた電圧センサ51aからのバッテリ50の電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ib、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力量の割合である。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速Vも挙げることができる。大気圧センサ89からの大気圧Poutも挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の回転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)や、エンジン22の回転停止を伴って走行する電動走行モード(EV走行モード)を切り替えながら(エンジン22を間欠運転しながら)走行する。
HV走行モードのときには、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される(駆動軸36に要求される)走行用トルクTd*を設定し、設定した走行用トルクTd*に駆動軸36の回転数Nd(モータMG2の回転数Nm2)を乗じて走行に要求される走行用パワーPd*を計算する。続いて、走行用パワーPd*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22の目標パワーPe*を演算し、演算した目標パワーPe*がエンジン22から出力されると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるようにエンジン22の運転制御(吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御など)を行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
EV走行モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行用トルクTd*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40によるインバータ41,42の制御については上述した。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、HV走行モードで、PMフィルタ136を再生するためのフィルタ再生条件が成立しているときに、アクセルオフされてエンジン22の燃料カット(およびモータMG1によるエンジン22のモータリング)を行なうと、PMフィルタ136に空気(酸素)が供給されてPMフィルタ136に堆積した粒子状物質が燃焼し、PMフィルタ136の再生が行なわれる。ここで、フィルタ再生条件としては、PMフィルタ136に堆積した粒子状物質の堆積量としてのPM堆積量Qpmが閾値Qpmref以上で且つPMフィルタ136のフィルタ温度Tfが閾値Tfref以上である条件が用いられる。ここで、PM堆積量Qpmは、エンジンECU24により推定される。PM堆積量Qpmの推定処理については後述する。閾値Qpmrefは、PMフィルタ136の再生が必要であるか否かを判断するための閾値であり、例えば、1.5g/Lや2g/L、2.5g/Lなどが用いられる。閾値Tfrefは、フィルタ温度TfがPMフィルタ136の再生に適した再生可能温度に至っているか否かを判断するための閾値であり、例えば、580℃や600℃、620℃などが用いられる。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、PM堆積量Qpmの推定処理について説明する。図3は、エンジンECU24により実行されるPM堆積量推定ルーチンの一例を示す説明図である。このルーチンは、エンジン22の運転中に繰り返し実行される。
PM堆積量推定ルーチンが実行されると、エンジンECU24は、最初に、PMフィルタ136の再生中か否かを判定し(ステップS100)、PMフィルタ136の再生中でないと判定したときには、大気圧Poutや、エンジン22の回転数Ne、負荷率KL、吸気温Ta、冷却水温Tw、始動時冷却水温Twst、停止時間Tsp、始動後積算吸入空気量Qasumなどのデータを入力する(ステップS110)。
ここで、大気圧Poutは、大気圧センサ89により検出された値を入力するものとした。エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに基づいて演算した値を入力するものとした。負荷率KLは、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて演算した値を入力するものとした。冷却水温Twは、水温センサ142により検出された値を入力するものとした。始動時冷却水温Twは、エンジン22を始動する直前の冷却水温Twを入力するものとした。停止時間Tspは、エンジン22を前回に始動してから今回に始動するまでの時間として図示しないタイマにより計時した値を入力するものとした。始動後積算吸入空気量Qasumは、エンジン22を今回に始動してから現在までのエアフローメータ148からの吸入空気量Qaの積算値として演算した値を入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、エンジン22の負荷率KLおよび冷却水温Twに基づいて、PM堆積量Qpmの単位時間(本ルーチンの実行間隔)当たりの増加量としてのPM堆積量増加量ΔQpmupの基本値ΔQpmupbsを推定する(ステップS120)。ここで、基本値ΔQpmupbsは、実施例では、エンジン22の負荷率KLおよび冷却水温Twと基本値ΔQpmupbsとの関係を実験や解析により予め定めて図示しないROMに記憶しておき、エンジン22の負荷率KLおよび冷却水温Twが与えられると、この関係から対応する基本値ΔQpmupbsを導出して設定するものとした。図4は、エンジン22の負荷率KLおよび冷却水温Twと基本値ΔQpmupbsとの関係の一例を示す説明図である。図示するように、基本値ΔQpmupbsは、エンジン22の負荷率KLが小さいほど少なくなり、且つ、エンジン22の冷却水温Twが高いほど少なくなるように設定される。これは、エンジン22の負荷率KLが小さいほど、且つ、冷却水温Twが高い(吸気管123や燃焼室129の温度が高い)ほど、燃料噴射弁126から噴射された燃料が気化しやすく、排気中の粒子状物質が少なくなりやすいためである。
続いて、エンジン22の回転数Neに基づいて補正係数k1を設定し(ステップS130)、エンジン22の吸気温Taに基づいて補正係数k2を設定し(ステップS140)、大気圧Paに基づいて補正係数k3を設定し(ステップS150)、エンジン22の始動時冷却水温Twstと停止時間Tspと始動後積算吸入空気量Qasumとに基づいて補正係数k4を設定する(ステップS160)。そして、基本値ΔQpmupbsに補正係数k1,k2,k3,k4を乗じた値をPM堆積量増加量ΔQpmupに設定し(ステップS170)、設定したPM堆積量増加量ΔQpmupを前回のPM堆積量(前回Qpm)に加えた値をPM堆積量Qpmに設定して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。以下、補正係数k1,k2,k3,k4について順に説明する。
補正係数k1は、実施例では、エンジン22の回転数Neと補正係数k1との関係を実験や解析により予め定めて図示しないROMに記憶しておき、エンジン22の回転数Neが与えられると、この関係から対応する補正係数k1を導出して設定するものとした。図5は、エンジン22の回転数Neと補正係数k1との関係の一例を示す説明図である。図示するように、補正係数k1は、エンジン22の回転数Neが大きいほど大きくなるように設定される。これは、エンジン22の回転数Neが大きいほど、燃料噴射弁126からの単位時間(例えば、1秒など)当たりの燃料噴射量が多くなり、排気中の粒子状物質が多くなりやすいためである。
補正係数k2は、実施例では、エンジン22の吸気温Taと補正係数k2との関係を実験や解析により予め定めて図示しないROMに記憶しておき、エンジン22の吸気温Taが与えられると、この関係から対応する補正係数k2を導出して設定するものとした。図6は、エンジン22の吸気温Taと補正係数k2との関係の一例を示す説明図である。図示するように、補正係数k2は、エンジン22の吸気温Taが高いほど値1から小さくなるように設定される。これは、エンジン22の吸気温Taが高い(吸気管123や燃焼室129の温度が高い)ほど、燃料噴射弁126から噴射された燃料が気化しやすく、排気中の粒子状物質が少なくなりやすいためである。
補正係数k3は、実施例では、大気圧Poutと補正係数k1との関係を実験や解析により予め定めて図示しないROMに記憶しておき、大気圧Poutが与えられると、この関係から対応する補正係数k3を導出して設定するものとした。図7は、大気圧Poutと補正係数k3との関係の一例を示す説明図である。図示するように、補正係数k3は、大気圧Poutが1気圧から低くなるほど値1から大きくなるように設定される。これは、大気圧Poutが低いほど、燃料噴射弁126から噴射された燃料が気化しにくく、排気中の粒子状物質が多くなりやすいためである。
補正係数k4は、実施例では、停止時間Tspおよび始動時冷却水温Twstに基づく値1よりも大きい初期値k4stから始動後積算吸入空気量Qasumの増加につれて値1に近づいて値1で保持されるように設定するものとした。
初期値k4stは、始動後積算吸入空気量Qasumが値0のときの補正係数k4を意味する。この初期値k4stは、実施例では、停止時間Tspおよび始動時冷却水温Twstと初期値k4stとの関係を実験や解析により予め定めて図示しないROMに記憶しておき、停止時間Tspおよび始動時冷却水温Twstが与えられると、この関係から対応する初期値k4stを導出して設定するものとした。図8は、停止時間Tspおよび始動時冷却水温Twstと初期値k4stとの関係の一例を示す説明図である。初期値k4stは、図示するように、停止時間Tspが長いほど大きくなるように、且つ、始動時冷却水温Twstが低いほど大きくなるように設定される。これは、停止時間Tspが長いほど、且つ、始動時冷却水温Twstが低いほど、エンジン22の停止中にエンジン22の吸気管123や燃焼室129の温度が低下しており、その後のエンジン22の運転開始時(燃料噴射制御や点火制御の開始時)に、燃料噴射弁126から噴射された燃料が気化しにくく、排気中の粒子状物質が多くなりやすいためである。
図9は、始動後積算吸入空気量Qasumと補正係数k4との関係の一例を示す説明図である。図中、各実線における、始動後積算吸入空気量Qasumが値0のときの補正係数k4は、上述の初期値k4stに相当する。実施例では、実験や解析の結果を踏まえて、補正係数k4は、始動後積算吸入空気量Qasumが値0から増加するにつれて初期値k4stから徐々に低下し、始動後積算吸入空気量Qasumが所定値Q1に至るときに値1に至り、その後は値1が保持されるように設定するものとした。これは、始動後積算吸入空気量Qasumが増加するにつれて、停止時間Tspや始動時冷却水温TwstがPM堆積量Qpmに与える影響が小さくなるためである。
このように、実施例では、停止時間Tspと始動時冷却水温Twstと始動後積算吸入空気量Qasumとに基づく補正係数k4を用いてPM堆積量増加量ΔQpmupを設定し、設定したPM堆積量増加量ΔQpmupを前回のPM堆積量(前回Qpm)に加えた値をPM堆積量Qpmに設定する。これにより、エンジン22の運転開始直後のエンジン22の状態をPM堆積量Qpmの推定に反映させることができる。これにより、PM堆積量Qpmをより適切に推定することができる。
ステップS100でフィルタ136の再生中であると判定したときには、単位時間(本ルーチンの実行間隔)当たりの減少量としてのPM堆積量減少量ΔQpmdnを前回のPM堆積量(前回Qpm)から減じた値をPM堆積量Qpmに設定して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。ここで、PM堆積量減少量ΔQpmdnは、PMフィルタ136に供給される空気量(酸素量)に依存するから、エンジン22の負荷率KLや冷却水温Tw、回転数Ne、吸気温Ta、大気圧Poutなどのうちの少なくとも一部を考慮して設定するのが好ましい。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20に搭載されるエンジンECU24では、エンジン22の負荷率KLや冷却水温Tw、回転数Ne、吸気温Ta、大気圧Poutを考慮してPM堆積量増加量ΔQpmupに加えて、停止時間Tspや始動時冷却水温Twst、始動後積算吸入空気量Qasumも考慮してPM堆積量Qpmを推定する。したがって、停止時間Tspや始動時冷却水温Twst、始動後積算吸入空気量Qasumを考慮しないものに比してPM堆積量Qpmをより精度よく推定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20に搭載されるエンジンECU24では、停止時間Tspおよび始動時冷却水温Twstを考慮して補正係数k4を設定するものとした。しかし、停止時間Tspおよび始動時冷却水温Twstのうちの何れか一方だけを考慮して補正係数k4を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20に搭載されるエンジンECU24では、停止時間Tspや始動時冷却水温Twst、始動後積算吸入空気量Qasumの他に、エンジン22の負荷率KLや冷却水温Tw、回転数Ne、吸気温Ta、大気圧Poutを考慮してPM堆積量増加量ΔQpmupを設定するものとした。しかし、エンジン22の負荷率KLや冷却水温Tw、回転数Ne、吸気温Ta、大気圧Poutの一部を考慮せずにPM堆積量増加量ΔQpmupを設定するものとしてもよい。
実施例では、堆積量推定装置は、図1に示したようなハイブリッド自動車20に搭載されるものとしたが、エンジンの間欠運転を行なう車両に搭載されるものであればよい。例えば、図10に示すようなハイブリッド自動車220に搭載されるものとしたり、図11に示すようなハイブリッド自動車320に搭載されるものとしたり、図12に示すような一般的な自動車420に搭載されるものとしてもよい。図10のハイブリッド自動車220は、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36に変速機230を介してモータMGが接続されると共にモータMGにクラッチ229を介してエンジン22が接続され、モータMGに電力ラインを介してバッテリ50が接続される。図11のハイブリッド自動車320は、シリーズタイプのハイブリッド自動車として構成されており、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36にモータMG2が接続されると共にエンジン22にモータMG1が接続され、モータMG1,MG2に電力ラインを介してバッテリ50が接続される。図12の自動車420は、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36に変速機430を介してエンジン22が接続され、エンジン22をクランキングするためのスタータ424を更に備え、アイドルストップおよびその解除を実行可能となっている。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、堆積量推定装置の製造産業などに利用可能である。
20,220,320 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジンECU、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータECU、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45u,45v,46u,46v 電流センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリECU、54 電力ライン、57 コンデンサ、70 HVECU、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 大気圧センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、124a スロットルポジションセンサ、123 吸気管、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、131 排気バルブ、132 ピストン、133 排気管、134 浄化装置、134a 浄化触媒、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 PMフィルタ、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、229 クラッチ、230,430 変速機、420 自動車、424 スタータ、MG,MG1,MG2 モータ。
Claims (1)
- 排気系に粒子状物質を除去するフィルタが取り付けられたエンジンの間欠運転を行なう車両に搭載され、前記フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定装置であって、
前記エンジンの停止時間および/または始動時冷却水温を考慮して前記堆積量を推定する、
堆積量推定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019003092A JP2020112083A (ja) | 2019-01-11 | 2019-01-11 | 堆積量推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019003092A JP2020112083A (ja) | 2019-01-11 | 2019-01-11 | 堆積量推定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020112083A true JP2020112083A (ja) | 2020-07-27 |
Family
ID=71666798
Family Applications (1)
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JP2019003092A Pending JP2020112083A (ja) | 2019-01-11 | 2019-01-11 | 堆積量推定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020112083A (ja) |
-
2019
- 2019-01-11 JP JP2019003092A patent/JP2020112083A/ja active Pending
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