JP2021188594A - エンジン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】間欠停止されるエンジンの暖機完了をより適正に判定する。【解決手段】エンジンを間欠停止した際に間欠停止後の吸入空気量の積算値が間欠停止時間が長いほど大きくなる傾向に閾値を設定する閾値設定用関係を用いて得られる閾値以上に至ったときにエンジンの暖機完了を判定する。間欠停止後の吸入空気量の積算値によってエンジンの暖機完了が判定されるにエンジンを間欠停止したときには、前回の間欠停止後のエンジンの暖機完了の判定の際に用いた閾値から前回の間欠停止から今回の間欠停止までの吸入空気量の積算値を減じた値と、今回の間欠停止時間に対して閾値設定用関係により得られる閾値と、のうち大きい方の値を閾値として用いてエンジンの暖機完了を判定する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、エンジンの始動時の冷却水の温度とエンジンを始動してからの吸入空気量の積算値とに基づいてエンジンの温度状態を推定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、推定したエンジンの温度状態に応じてより正確な空燃比フィードバック制御を開始している。
特開平7−71304号公報
ハイブリッド自動車やアイドルストップを行なう自動車に搭載されたエンジン装置では、エンジンの暖機が完了する前にエンジンの間欠停止が行なわれる場合がある。この場合、間欠停止後のエンジンの吸入空気量の積算値が間欠停止時間が長いほど大きくなる閾値以上に至ったときにエンジンの暖機完了を判定することも行なわれている。しかし、エンジンの暖機を完了する前にエンジンを間欠停止したときにはエンジンの暖機完了を適正に判定することができない場合が生じる。例えば、比較的長い時間に亘ってエンジンを間欠停止した後に短時間のうちに短い間欠停止を行なったときには、短い間欠停止時間に応じた閾値を用いてエンジンの暖機完了が判定されるため、実際には暖機が完了していないのに暖機完了と判定されてしまう。
本発明のエンジン装置は、間欠停止されるエンジンの暖機完了をより適正に判定することを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
エンジンと、前記エンジンを間欠停止した際に間欠停止後の吸入空気量の積算値が間欠停止時間が長いほど大きくなる傾向に閾値を設定する閾値設定用関係を用いて得られる閾値以上に至ったときに前記エンジンの暖機完了を判定する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、間欠停止後の吸入空気量の積算値によって前記エンジンの暖機完了が判定される前に前記エンジンを間欠停止したときには、前回の間欠停止後の前記エンジンの暖機完了の判定の際に用いた閾値から前回の間欠停止から今回の間欠停止までの吸入空気量の積算値を減じた値と、今回の間欠停止時間に対して前記閾値設定用関係により得られる閾値と、のうち大きい方の値を閾値として用いて前記エンジンの暖機完了を判定する、
ことを特徴とする。
本発明のエンジン装置では、エンジンを間欠停止した際に間欠停止後の吸入空気量の積算値が閾値設定用関係を用いて得られる閾値以上に至ったときにエンジンの暖機完了を判定する。閾値設定用関係は、間欠停止時間が長いほど大きくなる傾向に閾値を設定する関係である。そして、間欠停止後の吸入空気量の積算値によってエンジンの暖機完了が判定される前にエンジンを間欠停止したときには、前回の間欠停止後のエンジンの暖機完了の判定の際に用いた閾値から前回の間欠停止から今回の間欠停止までの吸入空気量の積算値を減じた値(A)と、今回の間欠停止時間に対して閾値設定用関係により得られる閾値(B)と、のうち大きい方の値(max(A,B))を閾値として用いてエンジンの暖機完了を判定する。
比較的長い時間に亘ってエンジンを間欠停止したときには間欠停止時間が長いため、閾値設定用関係を用いると比較的大きな値の閾値(A1)が設定される。その後、短時間のうちに短い間欠停止を行なうと、前回の比較的長い間欠停止から今回の短い間欠停止までは短時間であるから小さな吸入空気量の積算値(A2)が計算される。この場合の値(A)は、前回の間欠停止後のエンジンの暖機完了の判定の際に用いた閾値(A1)から前回の間欠停止から今回の間欠停止までの吸入空気量の積算値(A2)を減じた値(A1−A2)として計算できる。一方、今回の短い間欠停止は、間欠停止時間が短いから、閾値設定用関係を用いると小さな値の閾値(B)が設定される。いまA>Bのときを考えているから、今回の短い間欠停止後の吸入空気量の積算値が閾値(A)以上に至ったときにエンジンの暖機完了が判定されることになる。これは、比較的長い時間に亘ってエンジンを間欠停止したときのエンジンの暖機完了の判定を短時間後の短い間欠停止の間だけ中断したものと同意となり、今回の短い間欠停止による閾値(B)を用いる場合に比してより適正にエンジンの暖機完了を判定することができる。即ち、比較的長い時間に亘ってエンジンを間欠停止した後に短時間のうちに短い間欠停止を行なったとき(A>Bとなったとき)でも、より適正にエンジンの暖機完了を判定することができる。
次にエンジンを間欠停止した後にある程度の時間が経過した後にある程度の時間の間欠停止を行なったとき(A<Bとなったとき)を考える。この場合、閾値設定用関係を用いると間欠停止時間に応じた閾値(A1)が設定され、その後、ある程度の時間が経過した後に間欠停止が行なわれると、前回の間欠停止から今回の間欠停止まではある程度の時間が経過しているからある程度の吸入空気量の積算値(A2)が計算される。この場合の値(A)は、閾値(A1)から前回の間欠停止から今回の間欠停止までの吸入空気量の積算値(A2)を減じた値(A1−A2)として計算されるから、比較的小さな値となる。一方、今回の間欠停止は、ある程度の時間であるから、閾値設定用関係を用いるとある程度の値の閾値(B)が設定される。いまA<Bのときを考えているから、今回の間欠停止後の吸入空気量の積算値が閾値(B)以上に至ったときにエンジンの暖機完了が判定されることになる。これにより、良好にエンジンの暖機完了を判定することができる。これらの結果、より適正にエンジンの暖機完了を判定することができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 エンジンECU24により実行される暖機完了判定処理の一例を示すフローチャートである。 閾値設定用マップの一例を示す説明図である。 暖機完了判定におけるエンジン回転数Neとエンジン運転状態と吸入空気量積算値Gaの時間変化の一例を示す説明図である。 暖機完了判定におけるエンジン回転数Neとエンジン運転状態と吸入空気量積算値Gaの時間変化の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、蓄電装置としてのバッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。エンジン装置としては、エンジン22およびHVECU70が該当する
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されており、ダンパ28を介してプラネタリギヤ30のキャリヤに接続されている。図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。図示するように、エンジン22は、エアクリーナ122により清浄された空気を吸気管123に吸入してスロットルバルブ124を通過させると共に燃料噴射弁126から燃料を噴射して空気と燃料とを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室129に吸入する。そして、吸入した混合気を点火プラグ130による電気火花により爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。燃焼室129から排気バルブ131を介して排気管133に排出される排気は、浄化装置134およびPMフィルタ136を介して外気に排出される。浄化装置134は、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)134aを有する。PMフィルタ136は、セラミックスやステンレスなどにより多孔質フィルタとして形成されており、排気中の煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕捉する。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Twを挙げることができる。吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ131を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカム角θci,θcoも挙げることができる。スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルポジションセンサ124aからのスロットル開度THや、吸気管123に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa、吸気管123に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Taも挙げることができる。排気管133に取り付けられた空燃比センサ135aからの空燃比AFや、排気管133に取り付けられた酸素センサ135bからの酸素信号O2も挙げることができる。
エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ124bへの制御信号や、燃料噴射弁126への制御信号、点火プラグ130への制御信号を挙げることができる。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。
エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算したり、水温センサ142からの冷却水温Twなどに基づいて浄化装置134の浄化触媒134aの温度(触媒温度)Tcを演算したりしている。また、エンジンECU24は、エンジン22の始動時からエアフローメータ148からの吸入空気量Qaの積算値Gaや、吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて負荷率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLなどを演算している。また、エンジンECU24は、エンジン22の回転数Neや負荷率KLに基づいてPMフィルタ136の温度としてのフィルタ温度Tfなども演算したりしている。
図1に示すように、プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されており、サンギヤ31と、リングギヤ32と、それぞれサンギヤ31およびリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転(回転)かつ公転自在に支持するキャリヤ34とを有する。プラネタリギヤ30のサンギヤ31には、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤ32には、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤ34には、上述したように、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。したがって、モータMG1、エンジン22、駆動軸36は、プラネタリギヤ30の共線図においてこの順に並ぶようにプラネタリギヤ30の3つの回転要素としてのサンギヤ31、キャリヤ34、リングギヤ32に接続されていると言える。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤ31に接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2の駆動に用いられると共に電力ライン54を介してバッテリ50に接続されている。電力ライン54には、平滑用のコンデンサ57が取り付けられている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によってインバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサ45u,45v,46u,46vからの相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の電気角θe1,θe2や角速度ωm1,ωm2,回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン54に接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52により管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に取り付けられた電圧センサ51aからのバッテリ50の電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ib、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力量の割合である。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成
されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速Vも挙げることができる。大気圧センサ89からの大気圧Poutも挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の回転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)や、エンジン22の回転停止を伴って走行する電動走行モード(EV走行モード)を切り替えながら(エンジン22を間欠運転しながら)走行する。
HV走行モードのときには、基本的には、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される(駆動軸36に要求される)走行用トルクTd*を設定し、設定した走行用トルクTd*に駆動軸36の回転数Nd(モータMG2の回転数Nm2)を乗じて走行に要求される走行用パワーPd*を計算する。続いて、走行用パワーPd*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22の目標パワーPe*を演算し、演算した目標パワーPe*がエンジン22から出力されると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるようにエンジン22の運転制御を行なう。エンジン22の運転制御としては、スロットルバルブ124の開度を制御する吸入空気量制御や、燃料噴射弁126からの燃料噴射量を制御する燃料噴射制御、点火プラグ130の点火時期を制御する点火制御などを行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
EV走行モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行用トルクTd*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40によるインバータ41,42の制御については上述した。
次に、こうして構成された実施例のエンジン装置を搭載するハイブリッド自動車の動作、特にエンジン22の暖機完了の判定の際の動作について説明する。図3は、エンジンECU24により実行される暖機完了判定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、エンジン22の間欠停止が終了したとき、即ち間欠停止後にエンジン22を始動するときに実行される。
暖機完了判定処理が実行されると、エンジンECU24は、先ず、エンジン22を間欠停止していた間欠停止時間Tstopと繰り越し閾値Aとを入力する処理を実行する(ステップS100)。繰り越し閾値Aは、前回この暖機完了判定処理が実行されたときに後述するステップS160およびS170で計算されて記憶されたり、ステップS190で値0にクリアされるものであり、暖機完了を判定するための実行用閾値Grefから間欠停止後の始動時から次の間欠停止が行なわれるまでのエンジン22の吸入空気量Qaの積算値Gaを減じることにより計算される。なお、システム起動したときの繰り越し閾値Aの初期値は値0である。繰り越し閾値Aの意義については後述する。
続いて、間欠停止時間Tstopに基づいて今回閾値Bを設定し(ステップS110)、繰り越し閾値Aと今回閾値Bとのうち大きい方を実行用閾値Grefとして設定する(ステップS120)。実施例では、今回閾値Bは、間欠停止時間Tstopと閾値との関係を実験などにより予め定めて閾値設定用マップとして記憶しておき、間欠停止時間Tstopが与えられるとマップから対応する閾値を導出することにより設定されるものとした。閾値設定用マップの一例を図4に示す。図示するように、間欠停止時間Tstopが大きくなるほど閾値が大きくなるように設定される。これは間欠停止時間Tstopが大きいほどエンジン22の温度が低下することに基づく。
次に、間欠停止後のエンジン22の始動からの吸入空気量Qaの積算値(以下、吸入空気量積算値という)Gaを入力し(ステップS130)、この吸入空気量積算値Gaが実行用閾値Gref以上であるか否かを判定する(ステップS140)。吸入空気量積算値Gaが実行用閾値Gref未満であると判定したときには、エンジン22が間欠停止されたか否かを判定し(ステップS150)、エンジン22が間欠停止されていないと判定したときには、ステップS130の吸入空気量積算値Gaを入力する処理に戻る。したがって、エンジン22が間欠停止されていない状態が継続しているときには、吸入空気量積算値Gaが実行用閾値Gref以上に至るまで吸入空気量積算値Gaを入力する処理と吸入空気量積算値Gaが実行用閾値Gref以上であるか否かを判定する処理とを繰り返すことになる。
ステップS140で吸入空気量積算値Gaが実行用閾値Gref以上に至ったと判定したときには、エンジン22の暖機が完了したと判断し(ステップS180)、繰り越し閾値Aを値0にクリアして(ステップS190)、暖機完了判定処理を終了する。
一方、吸入空気量積算値Gaが実行用閾値Gref以上に至る前にエンジン22が間欠停止されると、ステップS150で肯定的判定がなされ、実行用閾値Grefから吸入空気量積算値Ga(前回の間欠停止後の始動時からステップS150における間欠停止が行なわれるまでのエンジン22の吸入空気量Qaの積算値Ga)を減じることにより繰り越し閾値Aを計算し(ステップS160)、計算した繰り越し閾値Aを記憶して(ステップS170)、暖機完了判定処理を終了する。
図5は、暖機完了判定において繰り越し閾値Aが今回閾値Bより大きいときのエンジン回転数Neとエンジン運転状態と吸入空気量積算値Gaの時間変化の一例を示す説明図であり、図6は、暖機完了判定において繰り越し閾値Aが今回閾値Bより小さいときのエンジン回転数Neとエンジン運転状態と吸入空気量積算値Gaの時間変化の一例を示す説明図である。図5および図6では、時間T11,T21に比較的長い時間に亘るエンジン22の間欠停止が行なわれ、時間T12,T22でエンジン22が始動される。このとき、実行用閾値Grefとしては間欠停止時間に応じた値A1が用いられる。時間T12,T22からはエンジン22の運転に伴って吸入空気量積算値Gaが大きくなる。図5では、時間T12から比較的短時間だけ経過した時間T13にエンジン22が再び間欠停止されると、判定用閾値Gref(値A1)から吸入空気量積算値Gaを減じて繰り越し閾値A(A=A1−Ga)が計算される。比較的短い時間の間欠停止が終了した時間T14にエンジン22が再び始動されると、比較的短い時間の間欠停止時間に応じた今回閾値Bが設定され、繰り越し閾値Aと今回閾値Bとのうち大きい方の繰り越し閾値Aが実行用閾値Grefとして設定される。このため、吸入空気量積算値Gaが今回閾値Bに至った時間T15ではエンジン22の暖機完了は判定されず、吸入空気量積算値Gaが実行用閾値Gref(値A)に至った時間T16でエンジン22の暖機完了が判定される。こうした処理は、時間T11〜T12の間欠停止後のエンジン22の暖機完了の判定を時間T13〜T14の間欠停止の間だけ中断した場合の処理と同意となる。これにより、比較的長い時間に亘ってエンジン22を間欠停止した後に短時間のうちに短い間欠停止を行なったとき(A>Bとなったとき)でも、より適正にエンジン22の暖機完了を判定することができる。
一方、図6では、時間T22から図5の場合より若干長い時間だけ経過した時間T23にエンジン22が再び間欠停止されると、判定用閾値Gref(値A1)から吸入空気量積算値Gaを減じて繰り越し閾値A(A=A1−Ga)が計算される。この間欠停止が終了した時間T24にエンジン22が再び始動されると、この間欠停止時間に応じた今回閾値Bが設定され、繰り越し閾値Aと今回閾値Bとのうち大きい方の今回閾値Bが実行用閾値Grefとして設定される。このため、吸入空気量積算値Gaが繰り越し閾値Aに至った時間T25ではエンジン22の暖機完了は判定されず、吸入空気量積算値Gaが実行用閾値Gref(今回閾値B)に至った時間T26でエンジン22の暖機完了が判定される。この処理は、時間T21〜T22の間欠停止後のエンジン22の暖機完了の判定を時間T23〜T24の間欠停止の間だけ中断した場合の処理とするより、時間T23〜T24の間欠停止後のエンジン22の暖機完了の判定の処理としたものとなる。これにより、良好にエンジン22の暖機完了を判定することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20に搭載されたエンジン装置では、エンジン22の間欠停止が終了した後に、エンジン22の暖機完了が判定される前にエンジン22が間欠停止されると、前回の間欠停止後のエンジン22の暖機完了の判定に用いた実行用閾値Grefから前回の間欠停止後の始動時から今回の間欠停止が行なわれるまでのエンジン22の吸入空気量Qaの積算値Gaを減じることにより繰り越し閾値Aを計算する。そして、エンジン22の間欠停止が終了したときに、繰り越し閾値Aと今回の間欠停止時間Tstopに基づく今回閾値Bとのうち大きい方を実行用閾値Grefとして設定し、間欠停止後のエンジン22の始動からの吸入空気量Qaの積算値Gaが実行用閾値Gref以上に至ったときにエンジン22の暖機完了を判定する。これにより、比較的長い時間に亘ってエンジン22を間欠停止した後に短時間のうちに短い間欠停止を行なったとき(A>Bとなったとき)には、繰り越し閾値Aが実行用閾値Grefとして用いられるから、比較的長い時間に亘ってエンジン22を間欠停止したときのエンジン22の暖機完了の判定を短時間後の短い間欠停止の間だけ中断したものと同意となり、より適正にエンジン22の暖機完了を判定することができる。また、A≦Bになる場合には、今回のエンジン22の間欠停止後のエンジン22の暖機完了の判定となるから、より良好にエンジン22の暖機完了を判定することができる。これらの結果、間欠停止されるエンジン22の暖機完了をより適正に判定することができる。
実施例では、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36にプラネタリギヤ30を介してエンジン22およびモータMG1を接続すると共に駆動軸36にモータMG2を接続するハイブリッド自動車20に搭載されるエンジン装置として構成とした。しかし、駆動軸に変速機を介してモータを接続すると共にモータにクラッチを介してエンジンを接続するハイブリッド自動車に搭載されるエンジン装置として構成としてもよい。また、走行用の動力を出力するモータを搭載せず、いわゆるアイドルストップを行なう自動車に搭載されるエンジン装置の構成としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、エンジンECU24が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジンECU、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータECU、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45u,45v,46u,46v 電流センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリECU、54 電力ライン、57 コンデンサ、70 HVECU、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 大気圧センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、124a スロットルポジションセンサ、123 吸気管、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、131 排気バルブ、132 ピストン、133 排気管、134 浄化装置、134a
浄化触媒、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 PMフィルタ、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. エンジンと、前記エンジンを間欠停止した際に間欠停止後の吸入空気量の積算値が間欠停止時間が長いほど大きくなる傾向に閾値を設定する閾値設定用関係を用いて得られる閾値以上に至ったときに前記エンジンの暖機完了を判定する制御装置と、
    を備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、間欠停止後の吸入空気量の積算値によって前記エンジンの暖機完了が判定される前に前記エンジンを間欠停止したときには、前回の間欠停止後の前記エンジンの暖機完了の判定の際に用いた閾値から前回の間欠停止から今回の間欠停止までの吸入空気量の積算値を減じた値と、今回の間欠停止時間に対して前記閾値設定用関係により得られる閾値と、のうち大きい方の値を閾値として用いて前記エンジンの暖機完了を判定する、
    ことを特徴とするエンジン装置。
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