JP2020109834A - 薄膜積層体、薄膜素子及び積層型基板 - Google Patents

薄膜積層体、薄膜素子及び積層型基板 Download PDF

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【課題】金属層からの薄膜の剥離が抑制される薄膜積層体の提供。【解決手段】薄膜積層体10は、金属からなる金属層3と、金属層3の表面3Sに積層された薄膜6と、を備え、第一方向D1が、金属層3の表面3Sに平行である一つの方向と定義され、第二方向D2が、金属層3の表面3Sに平行であり、且つ第一方向D1と交差する一つの方向と定義され、金属層3が、複数の第一金属粒1及び複数の第二金属粒2を含み、第一金属粒1が、金属からなり、金属層3の表面3Sにおいて第一方向D1に沿って延びており、第二金属粒2が、金属からなり、金属層3の表面3Sにおいて第二方向D2に沿って延びる。【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜積層体、薄膜素子及び積層型基板に関する。
近年、バルク状の誘電体に代わって、誘電体の薄膜を用いた誘電薄膜素子の実用化が進んでいる。(下記特許文献1〜4参照。)誘電薄膜素子の一例としては、圧電体の薄膜(圧電薄膜)を用いた圧電薄膜素子が知られている。正圧電効果を利用した圧電薄膜素子では、圧電薄膜に応力を加えて圧電薄膜を歪ませると、圧電薄膜の歪み量に比例した電圧が発生する。正圧電効果を利用した圧電薄膜素子は、例えば、ジャイロセンサ、圧力センサ、脈波センサ、ショックセンサ、マイクロフォン等である。一方、逆圧電効果を利用した圧電薄膜素子では、圧電薄膜に電圧を印加すると、電圧の大きさに比例した機械的歪みが圧電薄膜に生じる。逆圧電効果を利用した圧電薄膜素子は、例えば、アクチュエータ、ハードディスクドライブのヘッドスライダ、インクジェットプリンタのプリンタヘッド、スピーカー、ブザー、レゾネータ等である。
圧電薄膜が薄いほど、圧電薄膜素子の小型化が可能になり、圧電薄膜素子を応用できる分野が広がる。また多数の圧電薄膜素子を一括して基板上に形成することにより、圧電薄膜素子の量産性が向上する。また圧電薄膜が薄いほど、圧電薄膜素子の性能を向上させることが可能である。例えば、圧電薄膜を備えるセンサの場合、圧電薄膜が薄いほどセンサの感度が向上する。
特開2008‐305916号公報 特開2001‐88294号公報 特開2015‐25166号公報 特開2001‐313429号公報
圧電薄膜素子が備える圧電薄膜は、金属層(電極層)の表面に形成される。正圧電効果及び逆圧電効果のいずれの場合においても、圧電薄膜の歪みに伴って圧電薄膜が金属層から剥離する可能性がある。圧電薄膜が金属層から剥離することにより、圧電薄膜素子の性能(例えば耐電圧性)が損なわれてしまう。圧電薄膜の剥離の原因は、圧電薄膜の歪みに限られない。薄膜と金属層との間の格子不整合、又は薄膜と金属層との間の熱膨張係数の差に起因して、残留応力が薄膜又は金属層に作用する。この残留応力によって、薄膜が金属層から剥離する可能性がある。外力に起因する応力が薄膜及び金属層に作用することによって、薄膜が金属層から剥離する可能性もある。
上記のような金属層からの薄膜の剥離は、圧電薄膜素子に固有の問題ではない。金属層と、金属層の表面に積層された薄膜と、を備えるあらゆる薄膜積層体において、上記の理由により、薄膜が金属から剥離する可能性がある。例えば、薄膜が焦電体又は強誘電体からなる場合も、薄膜が金属層から剥離する可能性がある。NDフィルタ(Neutral Density Filter)、光スイッチ素子又は光導波路素子等の光学素子も薄膜積層体であり、これらの光学素子においても、薄膜が金属層から剥離する可能性がある。
本発明は、金属層からの薄膜の剥離が抑制される薄膜積層体、薄膜積層体を備える薄膜素子、及び薄膜積層体を備える積層型基板を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る薄膜積層体は、金属からなる金属層と、金属層の表面に積層された薄膜と、を備え、第一方向が、金属層の表面に平行である一つの方向と定義され、第二方向が、金属層の表面に平行であり、且つ第一方向と交差する一つの方向と定義され、金属層が、金属からなり、金属層の表面において第一方向に沿って延びる複数の第一金属粒(first metal grain)と、金属からなり、金属層の表面において第二方向に沿って延びる複数の第二金属粒(secоnd metal grain)と、を含む。
第一方向における第一金属粒の幅が、L1と表されてよく、金属層の表面に平行であり、且つ第一方向に垂直な方向における第一金属粒の幅が、S1と表されてよく、第二方向における第二結晶の幅が、L2と表されてよく、金属層の表面に平行であり、且つ第二方向に垂直な方向における第二結晶の幅が、S2と表されてよく、複数の第一金属粒のL1/S1の平均値が、1.5以上20以下であってよく、複数の第二結晶のL2/S2の平均値が、1.5以上20以下であってよい。
金属層が、白金、イリジウム、オスミウム、レニウム、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル、金及び銀からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。
第一金属粒が、上記金属からなる第一結晶であってよく、第二金属粒が、上記金属からなる第二結晶であってよい。
少なくとも一部の第一結晶の(100)面が、金属層の表面の法線方向において配向していてよく、少なくとも一部の第二結晶の(100)面が、金属層の表面の法線方向において配向していてよい。
薄膜が、誘電体を含んでよい。
誘電体が、常誘電体、圧電体、焦電体及び強誘電体からなる群より選ばれる一種であってよい。
誘電体が、ペロブスカイト型構造を有する金属酸化物であってよい。
薄膜が、エピタキシャル膜であってよい。
金属層が第一電極層であってよく、薄膜積層体が、薄膜の表面に積層された第二電極層を更に備えてよい。
第一方向と第二方向がなす角度が、90°であってよい。
本発明の一側面に係る薄膜積層体は、基板と、基板の表面に積層された密着層と、密着層の表面に積層された金属層と、金属層の表面に積層された薄膜と、を備えてよく、密着層が、酸化ジルコニウム及び希土類元素の酸化物を含んでよい。
本発明の一側面に係る薄膜素子は、上記の薄膜積層体を備えてよい。
本発明の一側面に係る積層型基板は、上記の薄膜積層体を備えてよく、薄膜素子の製造に用いられてよい。
本発明によれば、金属層からの薄膜の剥離が抑制される薄膜積層体、薄膜積層体を備える薄膜素子、及び薄膜積層体を備える積層型基板が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る薄膜積層体(薄膜素子)の分解斜視図である。 図2は、図1に示される薄膜積層体が備える金属層の表面の模式図である。 図3は、金属層の表面に露出する第一金属粒及び第二金属粒の模式図である。 図1は、本発明の他の一実施形態に係る薄膜積層体(薄膜素子)の断面図であり、金属層の表面に垂直である断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。図面において、同等の構成要素には同等の符号を付す。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。各図に示すX,Y及びZは、互いに直交する3つの座標軸を意味する。各図中のXYZ座標軸其々が示す方向は各図に共通する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る薄膜積層体10は、金属からなる金属層3と、金属層3の表面3Sに直接積層された薄膜6、を備える。薄膜積層体10は、基板4と、基板4の表面に直接積層された密着層5と、を更に備えてよく、金属層3は密着層5の表面に直接積層されてよい。薄膜6は、金属層3の表面3Sの一部又は全体を覆っていてよい。金属層3は、密着層5の表面の一部又は全体を覆っていてよい。密着層5は、基板4の表面の一部又は全体を覆っていてよい。薄膜積層体10は、密着層5を備えていなくてよく、金属層3が基板4の表面に直接積層されていてよい。基板4、密着層5、金属層3及び薄膜6其々の形状は、薄い直方体(扁平な矩形)であってよい。ただし、基板4、密着層5、金属層3及び薄膜6其々の形状は、薄い直方体に限定されない。基板4及び密着層5其々の詳細は、後述される。
金属層3は、電極層であってよい。金属層3が第一電極層である場合、薄膜積層体10は、第二電極層を更に備えてよい。例えば、図4に示されるように、薄膜積層体10Aは、基板4と、基板4の表面に直接積層された密着層5と、密着層5の表面に直接積層された金属層3(第一電極層)と、金属層3の表面3Sに直接積層された薄膜6と、薄膜6の表面に直接積層された第二電極層7と、を備えてよい。第二電極層7は、薄膜6の表面の一部又は全体を覆っていてよい。
図1及び図2に示されるように、第一方向D1は、金属層3の表面3Sに平行である一つの方向と定義される。図1及び図2に示されるように、第二方向D2は、金属層3の表面3Sに平行であり、且つ第一方向D1と交差する一つの方向と定義される。換言すれば、第二方向D2は、金属層3の表面3Sに平行であり、且つ第一方向D1と平行でない方向と定義される。
図1及び図2に示されるように、金属層3は、複数の第一金属粒1及び複数の第二金属粒2を含む。第一金属粒1及び第二金属粒2其々は、金属層3を構成する金属からなる。各第一金属粒1は、金属層3の表面3Sにおいて第一方向D1に沿って延びる。つまり、各第一金属粒1は金属層3の表面3Sにおいて細長い形状を有し、金属層3の表面3Sにおける各第一金属粒1の長辺は第一方向D1と略平行である。各第二金属粒2は、金属層3の表面3Sにおいて第二方向D2に沿って延びる。つまり、各第二金属粒2は金属層3の表面3Sにおいて細長い形状を有し、金属層3の表面3Sにおける各第二金属粒2の長辺は第二方向D2と略平行である。複数の第一金属粒1は、金属層3の表面3Sにおいて第一方向D1に沿って配列されていてよく、複数の第二金属粒2は、金属層3の表面3Sにおいて第二方向D2に沿って配列されていてよい。第一金属粒1及び第二金属粒2は交互に配列されていてよい。
後述されるように、金属層3は気相成長法によって密着層5の表面又は基板4の表面に形成される。図3に示されるように、金属層3の形成過程の初期では、金属が密着層5の表面又は基板4の表面に蒸着して、金属から多数の結晶種が形成される。各結晶種が、後述される所定の温度条件下で加熱されることにより、各結晶種は結晶粒8(ドメイン)へ成長し、隣り合う結晶粒8同士が連結する。その結果、第一金属粒1及び第二金属粒2其々が形成される。仮に第一金属粒1及び第二金属粒2が形成されない場合、金属層3を構成する多数の結晶粒8の間には、隙間が形成され易い。つまり金属層3の表面3Sの法線方向DNに沿って延びるピンホール又は粒界が、金属層3に形成され易い。例えば、金属層3の表面3Sにおける各結晶粒8の形状が円で近似される場合、複数の円が金属層3の表面3Sにおいて緻密に配列したとしても、隣り合う円の間には、隙間が形成され得る。隣り合う結晶粒8の間に隙間が形成される結果、薄膜6と接する金属層3の表面積は、第一金属粒1及び第二金属粒2が形成される場合に比べて減少する。薄膜6と接する金属層3の表面積が小さいため、薄膜6は金属層3に密着し難く、薄膜6は金属層3から剥離し易い。薄膜6が誘電体を含む場合、薄膜6と金属層3との間の隙間は、リーク電流の経路となり易い。つまり、金属層3と薄膜6との非接触は、薄膜6におけるリーク電流の原因となる。したがって、薄膜6と接する金属層3の表面積の減少に伴って、薄膜6におけるリーク電流が発生し易い。一方、異なる方向に延びる第一金属粒1及び第二金属粒2が金属層3の表面3Sにおいて配列されることにより、隣り合う第一金属粒1間の隙間が形成され難く、隣り合う第二金属粒2間の隙間も形成され難く、隣り合う第一金属粒1及び第二金属粒2の間の隙間も形成され難い。その結果、金属層3が多数の結晶粒8から構成される場合に比べて、金属層3が緻密になり易く、薄膜6と接する金属層3の表面積が増加し易い。薄膜6と接する金属層3の表面積の増加により、薄膜6が金属層3に密着し易く、薄膜6は金属層3から剥離し難い。薄膜6が誘電体を含む場合、薄膜6と接する金属層3の表面積の増加に伴って、薄膜6におけるリーク電流が抑制され易い。
上述の通り、薄膜6と金属層3との間の格子不整合、又は薄膜6と金属層3との間の熱膨張係数の差に起因する残留応力が金属層3に作用する可能性がある。密着層5と金属層3との間の格子不整合、又は密着層5と金属層3との間の熱膨張係数の差に起因する残留応力が、金属層3に作用する可能性もある。基板4と金属層3との間の格子不整合、又は基板4と金属層3との間の熱膨張係数の差に起因する残留応力が、金属層3に作用する可能性もある。これらの応力によって、薄膜6が金属層3から剥離する可能性がある。外力に起因する応力が薄膜6及び金属層3に作用することによって、薄膜6が金属層から剥離する可能性もある。薄膜6自体の歪み若しくは変位に起因する応力が薄膜6へ作用することによって、薄膜6が金属層3から剥離する可能性もある。仮に金属層3が複数の第一金属粒1のみからなる場合、金属層3は第一方向D1において伸縮することは可能であり、金属層3は第一方向D1における応力に対して機械的な強度(耐久性)を有している。しかし、金属層3が複数の第一金属粒1のみからなる場合、第一方向D1とは異なる方向において金属層3は伸縮し難い。したがって、金属層3が複数の第一金属粒1のみからなる場合、第一方向D1とは方向が異なる応力が金属層3に作用することにより、第一金属粒1の間の界面において金属層3は破断し易い。金属層3の破断に伴って、薄膜6は金属層3から剥離し易い。一方、金属層3が複数の第二金属粒2のみからなる場合、第二方向D2とは方向が異なる応力が金属層3に作用することにより、第二金属粒2の間の界面において金属層3は破断し易い。金属層3の破断に伴って、薄膜6は金属層3から剥離し易い。しかし、異なる方向に延びる第一金属粒1及び第二金属粒2が金属層3の表面3Sにおいて配列することにより、金属層3の表面3S内におけるあらゆる方向の応力が第一方向D1及び第二方向D2において緩和され易い。その結果、金属層3の歪み及び破損が抑制され、金属層3からの薄膜6の剥離も抑制される。
金属層3からの薄膜6の剥離が抑制される理由は、上記のメカニズムに限定されるもではない。本実施形態によれば、薄膜6の組成及び物性に関わらず、金属層3からの薄膜6の剥離を抑制することができる。ただし、薄膜積層体10が誘電薄膜素子である場合、金属層からの誘電薄膜の剥離が抑制され易い点において本実施形態に係る薄膜積層体10は比較的優れている。薄膜積層体10が圧電薄膜素子である場合、金属層からの圧電薄膜の剥離が抑制され易い点において、本実施形態に係る薄膜積層体10は特に優れている。
図2に示されるように、第一方向D1における第一金属粒1の幅(最大幅)は、L1と表されてよい。金属層3の表面3Sに平行であり、且つ第一方向D1に垂直な方向における第一金属粒1の幅(最大幅)は、S1と表されてよい。第二方向D2における第二金属粒2の幅(最大幅)は、L2と表されてよい。金属層3の表面3Sに平行であり、且つ第二方向D2に垂直な方向における第二金属粒2の幅(最大幅)は、S2と表されてよい。L1、S1、L2及びS2のいずれも、金属層3の表面3Sにおいて測定されてよい。複数の第一金属粒1のL1/S1の平均値は、1.5以上20以下であってよく、複数の第二金属粒2のL2/S2の平均値は、1.5以上20以下であってよい。L1/S1は、第一金属粒1のアスペクト比と言い換えられてよい。L2/S2は、第二金属粒2のアスペクト比と言い換えられてよい。L1/S1及びL2/S2其々の平均値が1.5以上である場合、上記のメカニズムによって金属層3からの薄膜6の剥離が抑制され易い。L1/S1及びL2/S2其々の平均値が20以下である場合、金属粒間の隙間(結晶間の隙間)が減少し易い。その結果、金属層3からの薄膜6の剥離が抑制され易く、薄膜6におけるリーク電流も抑制され易い。上記の理由から、L1/S1の平均値は、3.0以上20以下、5.0以上20以下、1.5以上7.0以下、3.0以上7.0以下、又は5.0以上7.0以下であってよい。L2/S2の平均値は、3.0以上20以下、5.0以上20以下、1.5以上7.0以下、3.0以上7.0以下、又は5.0以上7.0以下であってよい。
L1は、例えば、0.75μm以上2.0μm以下であってよい。S1は、例えば、0.1μm以上0.5μm以下であってよい。L2は、例えば、0.75μm以上2.0μm以下であってよい。S2は、例えば、0.1μm以上0.5μm以下であってよい。
金属層3は、第一金属粒1及び第二金属粒2のみからなっていてよい。金属層3からの薄膜6の剥離が抑制される限りにおいて、金属層3は、第一金属粒1及び第二金属粒2に加えて、他の金属粒(結晶)を含んでよい。例えば、金属層3は、金属層3の表面3Sにおいて第一方向D1及び第二方向D2とは異なる方向に延びる他の金属粒(結晶)を含んでよい。金属層3は、金属層3の表面3Sにおいて等方的な形状を有する他の金属粒(結晶)を含んでよい。各第一金属粒1の一部分又は全体が、非晶質であってよい。各第一金属粒1の一部分又は全体が、結晶質であってもよい。各第一金属粒1の一部分が非晶質であり、各第一金属粒1の他の部分が結晶質であってもよい。複数の第一金属粒1のうち一部の第一金属粒1が非晶質であり、残部の第一金属粒1が結晶質であってもよい。本発明の効果が得られ易いことから、各第一金属粒1の少なくとも一部が結晶質であることが好ましく、各第一金属粒1の全体が結晶質であることが更に好ましい。同様の理由から、複数の第一金属粒1のうち少なくとも一部の第一金属粒1が結晶質であることが好ましく、全ての第一金属粒1が結晶質であることが更に好ましい。第一金属粒1は、単結晶又は多結晶を含んでよい。第一金属粒1は、単結晶又は多結晶のみからなっていてよい。第一金属粒の一部又は全体が結晶質である場合、第一金属粒は、「第一結晶」と表記される。各第二金属粒2の一部分又は全体が、非晶質であってよい。各第二金属粒2の一部分又は全体が、結晶質であってもよい。各第二金属粒2の一部分が非晶質であり、各第二金属粒2の他の部分が結晶質であってもよい。複数の第二金属粒2のうち一部の第二金属粒2が非晶質であり、残部の第二金属粒2が結晶質であってもよい。本発明の効果が得られ易いことから、各第二金属粒2の少なくとも一部が結晶質であることが好ましく、各第二金属粒2の全体が結晶質であることが更に好ましい。同様の理由から、複数の第二金属粒2のうち少なくとも一部の第二金属粒2が結晶質であることが好ましく、全ての第二金属粒2が結晶質であることが更に好ましい。第二金属粒2は、単結晶又は多結晶を含んでよい。第二金属粒2は、単結晶又は多結晶のみからなっていてよい。第二金属粒の一部又は全体が結晶質である場合、第二金属粒は、「第二結晶」と表記される。一部又は全部の第一金属粒1は、金属層3の表面3Sの法線方向DNに沿って延びる柱状結晶であってよい。一部又は全部の第二金属粒2は、金属層3の表面3Sの法線方向DNに沿って延びる柱状結晶であってよい。一つの第一金属粒1が、金属層3の表面3Sからその裏面まで継ぎ目なく連続していてよい。一つの第二金属粒2が、金属層3の表面3Sからその裏面まで継ぎ目なく連続していてよい。第一金属粒1が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて連結された複数の結晶からなっていてよい。第二金属粒2が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて連結された複数の結晶からなっていてよい。金属層3の表面3Sにおいて、第一金属粒1の一部分が、第二金属粒2の一部分と一体化されていてよい。つまり、金属層3の表面3Sにおいて、第一金属粒1が第二金属粒2と交差していてもよい。図1に示される第一金属粒1の形状は、略直方体であるが、第一金属粒1の形状は限定されない。例えば、第一金属粒1は直方体以外の多角柱であってよい。図1に示される第二金属粒2の形状は、略直方体であるが、第二金属粒2の形状は限定されない。例えば、第二金属粒2は直方体以外の多角柱であってよい。
第一方向D1と第二方向D2がなす角度は、90°であってよい。第一方向D1と第二方向D2がなす角度が90°であることにより、金属層3が緻密になり易く、薄膜6と接する金属層3の表面積が増加し易い。第一方向D1と第二方向D2がなす角度が90°であることにより、金属層3の表面3S内におけるあらゆる方向の力が第一方向D1及び第二方向D2において緩和され易い。第一方向D1と第二方向D2がなす角度は90°以外の角度であってもよい。金属層3が、六方晶の結晶構造を有する場合、第一方向D1と第二方向D2がなす角度は、60°又は120°であってもよい。例えば、ルテニウムからなる金属層3は、六方晶の結晶構造(六方密充填構造)を有する。
金属層3は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)及びクロム(Cr)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。金属層3は、金属単体又は合金であってよい。第一結晶1及び第二結晶2其々の結晶構造が損なわれない限りにおいて、金属層3は、金属以外の元素(例えば不可避的な不純物)を含んでよい。金属層3は、面心立方格子構造、体心立方格子構造、単純立方格子構造及び六方細密充填構造からなる群より選ばれる一種の結晶構造を有してよい。金属層3が、面心立方格子構造を有する金属(特にPt)からなる場合、金属層3は、面心立方格子構造の[010]に沿って延びる複数の第一結晶1と、面心立方格子構造の[001]に沿って延びる複数の第二結晶2と、を備え易い。つまり、面心立方格子構造の[010]は第一方向D1と平行であってよく、面心立方格子構造の[001]は第二方向D2と平行であってよい。または、金属層3が、面心立方格子構造を有する金属(特にPt)からなる場合、金属層3は、面心立方格子構造の[001]に沿って延びる複数の第一結晶1と、面心立方格子構造の[010]に沿って延びる複数の第二結晶2と、を備え易い。つまり、面心立方格子構造の[001]は第一方向D1と平行であってよく、面心立方格子構造の[010]は第二方向D2と平行であってよい。[010]及び[001]其々は、結晶方位を意味する。金属層3がPt、Ir、Os、Pd、Ru及びRhからなる群より選ばれる少なくとも一種の白金族元素を含む場合、金属層3は、高い電気伝導率と共に耐蝕性を有することができる。
第二電極層7が導電性を有する限り、第二電極層7の組成は限定されない。例えば、第二電極層7の組成は、金属層3の組成と同じであってよい。
第一結晶1及び第二結晶2其々が、面心立方格子構造、体心立方格子構造及び単純立方格子構造からなる群より選ばれる一種の結晶構造を有してよく、少なくとも一部の第一結晶1の(100)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向していてよく、少なくとも一部の第二結晶2の(100)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向していてよい。換言すれば、少なくとも一部の第一結晶1の(100)面が、金属層3の表面3Sと平行であってよく、少なくとも一部の第二結晶2の(100)面が、金属層3の表面3Sと平行であってよい。つまり、少なくとも一部の第一結晶1の結晶構造の[100]が、金属層3の表面3Sの法線方向DNと平行であってよく、少なくとも一部の第二結晶2の結晶構造の[100]が、金属層3の表面3Sの法線方向DNと平行であってよい。全部の第一結晶1の(100)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向していてよく、全部の第二結晶2の(100)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向していてよい。第一結晶1及び第二結晶2其々の(100)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向する場合、誘電体からなるエピタキシャル膜、又は誘電体の単結晶膜が、薄膜6として金属層3の表面3Sに形成され易い。その結果、薄膜6が優れた物性(例えば常誘電性、圧電性、焦電性又は強誘電性)を有し易い。特に、誘電体がペロブスカイト型構造を有する場合、第一結晶1及び第二結晶2其々の(100)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向することにより、誘電体からなるエピタキシャル膜、又は誘電体の単結晶が金属層3の表面3Sに形成され易い。
薄膜6が金属層3の表面3Sに積層された後においても、金属層3の表面3Sの構造は変化し難く、第一金属粒1及び第二金属粒2其々の組成、結晶性及び寸法も変化し難い。
薄膜6は、誘電体を含んでよい。誘電体は、常誘電体、圧電体、焦電体及び強誘電体からなる群より選ばれる一種であってよい。例えば、誘電体(常誘電体、圧電体、焦電体、又は強誘電体)は、下記の化合物1〜19からなる群より選ばれる一種であってよい。薄膜6は、誘電体のみからなっていてよい。薄膜6は、誘電体に加えて、誘電体を構成する元素以外の他の元素を更に含んでよい。
BaTiO (1)
1−xNaNbO(0<x<1) (2)
LiNbO (3)
PbTiO (4)
PbZrTi1−x(0<x<1) (5)
Pb(1−x)LaTi1−x/4(0<x<1) (6)
Pb1−xLa(Zr1−yTi1−x/4(0<x<1,0<y<1) (7)
(NaBi1−y1−xBaTiO(0<x<1,0<y<1) (8)
(BiBaFeTi(xy>0、x+y=1、mは約1である。) (9)(BiBaSrFeTi(y+z)(xyz>0、x+y+z=1、mは約1である。) (10)
(Bi(x+z)BaFeTiAl(xyz>0、x+y+z=1、mは約1である。) (11)
AlN (12)
ZnO (13)
CdS (14)
HfO (15)
TiO (16)
Ta (17)
Al (18)
SiO (19)
薄膜6は、エピタキシャル膜であってよい。つまり、薄膜6は、エピタキシャル成長によって形成されてよい。薄膜6は、単結晶であってよい。薄膜6が、誘電体からなるエピタキシャル膜、又は誘電体の単結晶である場合、薄膜6が優れた物性(例えば常誘電性、圧電性、焦電性又は強誘電性)を有し易い。薄膜6は、多結晶であってよい。薄膜6が、複数の層を含んでよい。
薄膜6に含まれる誘電体は、ペロブスカイト型構造を有する金属酸化物であってよい。ペロブスカイト型構造を有する金属酸化物は、上記化合物1〜11からなる群より選ばれる一種であってよい。薄膜6に含まれる誘電体が、ペロブスカイト型構造を有する金属酸化物である場合、誘電体からなるエピタキシャル膜、又は誘電体の単結晶が金属層3の表面3Sに形成され易い。その結果、薄膜6が優れた物性(例えば常誘電性、圧電性、焦電性又は強誘電性)を有し易い。
密着層5は、金属層3を基板4に密着させる機能を有している。密着層5は、酸化ジルコニウム及び希土類元素の酸化物を含んでよい。密着層5が、酸化ジルコニウム及び希土類元素の酸化物を含むことにより、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)を含む金属層3を密着層5の表面に容易に形成することができる。希土類元素は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。図1に示されるように、密着層5は、希土類元素の酸化物が添加された酸化ジルコニウムからなる一つの層であってあってよい。密着層5が、イットリア安定化ジルコニア(Yが添加されたZrO)からなる場合、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)を含む金属層3が、密着層5の表面に形成され易い。図4に示されるように、密着層5は、基板4の表面に直接積層された第一密着層5Aと、第一密着層5Aの表面に直接積層された第二密着層5Bと、を有してよい。金属層3は、第二密着層5Bの表面に直接積層されてよい。第一密着層5Aが、酸化ジルコニウム(ZrO)からなっていてよく、第二密着層5Bが、酸化イットリウム(Y)からなっていてよい。第一密着層5AがZrOからなり、第二密着層5BがYからなる場合、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)を含む金属層3が、第二密着層5Bの表面に形成され易い。
基板4の厚みは、例えば、50μm以上1000μm以下であってよい。密着層5の厚みは、例えば、5nm以上1000nm以下であってよい。金属層3(第一電極層)の厚みは、例えば、5nm以上500nm以下であってよい。薄膜6の厚みは、例えば、0.5μm以上10μm以下であってよい。第二電極層7の厚みは、例えば、5nm以上500nm以下であってよい。
基板4は、例えば、シリコン(Si)の単結晶からなる基板、又はガリウムヒ素(GaAs)等の化合物半導体の単結晶からなる基板であってよい。基板4は、MgO等の酸化物の単結晶からなる基板であってもよい。基板4は、KTaO3等のペロブスカイト型酸化物の単結晶からなる基板であってもよい。基板4がSiの単結晶からなり、金属層3を向く基板4の表面が、Siの(100)面であってよい。基板4がSiの単結晶からなり、金属層3へ向く基板4の表面が、Siの(100)面である場合、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)を含む金属層3が、密着層5又は基板4の表面に形成され易い。
本実施形態に係る薄膜素子は、上記の薄膜積層体を備えてよい。薄膜素子とは、薄膜6の組成に起因する特定の機能を有する素子である。薄膜素子の積層構造は、薄膜積層体の積層構造(例えば、薄膜積層体10又は10Aの積層構造)と同じであってよい。薄膜積層体そのもの(例えば、薄膜積層体10又は10A)が、薄膜素子であってよい。後述される薄膜素子の具体例のいずれも、薄膜積層体10又は10Aを備えていてよい。後述される薄膜素子の具体例のいずれも、微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems;MEMS)の一部に応用されてよい。
薄膜6が誘電体を含む場合、薄膜素子は薄膜コンデンサであってよい。
薄膜6が圧電体を含む場合、薄膜素子は圧電薄膜素子であってよい。圧電体は、上記の化合物2〜15からなる群より選ばれる一種であってよい。圧電薄膜素子の用途は、多岐にわたる。圧電薄膜素子は、例えば、圧電アクチュエータに適用されてよい。圧電アクチュエータは、例えば、ヘッドスライダ(ヘッドアセンブリ)、ヘッドスタックアセンブリ、又はハードディスクドライブに用いられてもよい。圧電アクチュエータは、例えば、プリンタヘッド、又はインクジェットプリンタのプリンタヘッドに用いられてもよい。圧電アクチュエータは、MEMSミラーを駆動し、且つミラーの向きを制御するミラーアクチュエータであってよい。MEMSミラーは、例えば、レーザー走査型映像モジュール用の光スキャナに適用される。レーザー走査型映像モジュールは、例えば、ヘッドアップディスプレイ等のレーザー走査型画像ディスプレイに適用される。
圧電薄膜素子は、例えば、圧電センサに適用されてよい。圧電センサは、例えば、ジャイロセンサ、圧力センサ、脈波センサ、又はショックセンサであってよい。
圧電薄膜素子は、例えば、マイクロフォン、スピーカー、ブザー又はレゾネータへ適用されてもよい。
薄膜6が焦電体又は強誘電体を含む場合、薄膜素子は焦電薄膜素子であってよい。焦電体又は強誘電体は、上記の化合物4〜8及び15からなる群より選ばれる一種であってよい。焦電薄膜素子は、例えば、赤外線検出器(赤外線センサー)に適用されてよい。
薄膜素子は光学素子であってよい。例えば、光学素子は、NDフィルタ、光スイッチ素子又は光導波路素子であってよい。薄膜6が誘電体を含む場合、薄膜素子は、NDフィルタ(中性濃度フィルタ)に適用されてよい。薄膜素子がNDフィルタである場合、金属層3とは別の金属層と、誘電体からなる別の薄膜とが、薄膜6の表面において交互に積層されていてもよい。薄膜素子がNDフィルタである場合、薄膜6に含まれる誘電体は、上記の化合物16〜19からなる群より選ばれる一種であってよい。薄膜素子がNDフィルタである場合、薄膜素子が備える基板は、透明な樹脂からなっていてよい。NDフィルタは、例えば、デジタルカメラに用いられる。薄膜6がLiNbO又はPb1−xLa(Zr1−yTi1−x/4(上記の化合物3又は7)を含む場合、薄膜6は、電気光学効果を有する。つまり、薄膜6に電界が印加されることにより、薄膜6の屈折率が変化する。したがって、薄膜6がLiNbO又はPb1−xLa(Zr1−yTi1−x/4を含む場合、薄膜素子は、光スイッチ素子又は光導波路素子に適用されてよい。光スイッチ素子又は光導波路素子は、例えば、光通信装置、光計測装置、又は光情報処理装置に用いられる。
本実施形態に係る積層型基板は、上記の薄膜積層体を備えてよい。積層型基板の積層構造は、薄膜積層体の積層構造(例えば、薄膜積層体10又は10Aの積層構造)と同じであってよい。積層型基板とは、上記の薄膜素子の製造に用いられる基板であってよい。つまり、積層型基板の加工によって、薄膜素子が製造されてよい。積積層型基板の加工により、複数の薄膜素子を備える基板が製造されてもよい。積積層型基板の加工により、薄膜素子に加えて、薄膜素子とは異なる別の素子を更に備える基板が製造されてもよい。例えば、積層型基板の加工により、薄膜素子を備えるMEMSが製造されてもよい。積層型基板の加工とは、例えば、蒸着、アニーリング、ダイシング、フォトリソグラフィー(エッチングによるパターニング)等の工法を含意する。
密着層5、金属層3(第一電極層)、薄膜6及び第二電極層7其々は、この積層順に基板4の上に形成されてよい。
各層及び薄膜6は、真空チャンバー内で形成されてよい。各層又は薄膜6の組成に一致するように、原料が選定されてよく、複数の原料が組み合せられてよい。各層又は薄膜6の原料は、例えば、金属単体、合金、又は酸化物その他の化合物であってよい。真空チャンバー内の雰囲気が、各層又は薄膜6を構成する元素(例えば、酸素)を含んでいてよい。金属層3又は第二電極層7が形成される場合、真空装置内の雰囲気は、非酸化的雰囲気であってよい。非酸化的雰囲気は、希ガス(例えばアルゴン)のみ、又は希ガス及び窒素の混合ガスであってよい。密着層5、金属層3(第一電極層)、薄膜6及び第二電極層7其々の形成方法は、気相成長法によってあってよい。気相成長法は、物理蒸着(PVD)法又は化学蒸着(CVD)法であってよい。物理蒸着法は、例えば、スパッタリング、電子ビーム蒸着法、又はパルスレーザー堆積(Pulsed laser deposition)法であってよい。スパッタリングは、例えば、RFマグネトロンスパッタリングであってよい。電子ビーム蒸着法は、真空中で電子銃から発生する電子ビームを原料へ照射することにより、原料を高温に加熱して蒸発させ、原料に対向する基板の表面へ原料を蒸着させる手法である。電子ビーム蒸着法によれば、各層又は薄膜6の結晶性及び厚みが原子層レベルで制御され易い。金属層3は、電子ビーム蒸着法によって形成されることが好ましい。金属層3が、電子ビーム蒸着法によって形成されることにより、第一結晶1及び第二結晶2が形成され易く、第一結晶1及び第二結晶2其々の(100)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向し易い。
気相成長法に基づく金属層3の形成方法は、真空チャンバー内の雰囲気の温度を第一温度T1に維持しながら、金属を密着層5の表面に蒸着させる第一加熱工程と、第一工程後、真空チャンバー内の雰囲気の温度を第一温度T1から第二温度T2へ上げる昇温工程と、昇温工程後、真空チャンバー内の雰囲気の温度を第二温度T2に維持しながら、金属を密着層5の表面に蒸着させる第二加熱工程と、を備えることが好ましい。昇温工程においても、金属が密着層5の表面に蒸着し続けてよい。図3に示されるように、第一加熱工程では、密着層5の表面に蒸着された金属から多数の結晶種が形成され、各結晶種が結晶粒8へ成長する。しかし、第一加熱工程だけでは、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)は形成され難い。第一加熱工程に続いて昇温工程及び第二加熱工程が実施されることにより、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)が形成され易い。第一温度T1は、密着層5の表面に蒸着された金属から多数の結晶種が形成され、各結晶種が結晶粒8へ成長する温度である。第一温度T1が高過ぎる場合、結晶粒8が過度に成長してしまい、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)が形成され難く、金属層3の表面粗さが過度に大きくなる。第二温度T2は、密着層5の表面に形成された複数の結晶粒8が互いに連結して、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)其々が成長する温度である。第二温度T2が高過ぎる場合、結晶粒8が過度に成長してしまい、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)が形成され難く、金属層3の表面粗さが過度に大きくなる。第一加熱工程、昇温工程及び第二加熱工程によれば、第一金属粒1(第一結晶)及び第二金属粒2(第二結晶)が形成され易く、第一結晶1及び第二結晶2其々の(100)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向し易く、第一結晶1及び第二結晶2其々の(111)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向し難い。第一加熱工程、昇温工程及び第二加熱工程において、金属層が酸化されない程度の微量の酸素ガスが真空チャンバー内へ供給されてよい。酸素ガスの供給により、第一結晶1及び第二結晶2其々の(100)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向し易く、第一結晶1及び第二結晶2其々の(111)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向し難い。
第一温度T1及び第二温度T2のいずれも、金属層3の組成に依るので、限定されない。第一温度T1及び第二温度T2のいずれも、実験によって特定されてよい。例えば、金属層3がPtからなる場合、第一温度T1は約600℃であってよく、第二温度T2は610℃以上650℃以下であってよい。昇温工程の所要時間は、例えば、1分以上5分以下であってよい。第一温度T1は、第一加熱工程における基板4の温度であってよい。第二温度T2は、第二加熱工程における基板4の温度であってよい。
密着層5、金属層3(第一電極層)、薄膜6及び第二電極層7其々の結晶構造は、X線回折(XRD)法によって特定されてよい。金属層3の表面3Sに露出する第一金属粒1及び第二金属粒2は、原子間力顕微鏡(AFM)によって観察されてよい。第一金属粒1及び第二金属粒2其々の寸法は、AFMによって測定されてよい。各層及び薄膜6其々の組成は、蛍光X線分析法(XRF法)、エネルギー分散型X線分析法(EDX)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA−ICP−MS)、及び電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いた分析法、のうち少なくともいずれか一つの分析方法にとって特定されてよい。
以下では実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
Siの単結晶基板が薄膜積層体の作製に用いられた。単結晶基板の表面は、Siの(100)面であった。単結晶基板は、直径が3インチ(76.2mm)の円盤であった。単結晶基板の厚みは、400μmであった。
真空チャンバー内で、ZrOからなる第一密着層を単結晶基板の表面全体に形成した。第一密着層は、電子ビーム蒸着法により形成された。第一密着層の形成過程では、基板の温度が870℃に維持された。第一密着層の形成過程では、真空チャンバーへ供給される酸素ガスの流量が、10sccmに調整された。ZrOの成長速度(第一密着層の厚みの増加速度)は、0.6〜0.67Å/秒に調整された。第一密着層の厚みは、約20nmであった。
真空チャンバー内で、Yからなる第二密着層を第一密着層の表面全体に形成した。第二密着層は、電子ビーム蒸着法により形成された。第二密着層の形成過程では、基板の温度が870℃に維持された。第二密着層の形成過程では、真空チャンバーへ供給される酸素ガスの流量が、14sccmに調整された。Yの成長速度(第二密着層の厚みの増加速度)は、0.65Å/秒に調整された。第二密着層の厚みは、約45nmであった。
第一加熱工程、昇温工程及び第二加熱工程からなる電子ビーム蒸着法により、Ptからなる金属層が第二密着層の表面全体に形成された。
第一加熱工程では、真空チャンバー内の雰囲気の温度を第一温度T1に維持しながら、Ptを第二密着層の表面に蒸着させた。第一温度T1は、下記表1に示される。第一加熱工程は、10分継続された。
第一加熱工程に続く昇温工程では、真空チャンバー内の雰囲気の温度を第一温度T1から第二温度T2へ上げた。第二温度T2は、下記表1に示される。昇温工程の所要時間は、3分であった。昇温工程においても、Ptが第二密着層の表面に蒸着し続けた。
昇温工程に続く第二加熱工程では、真空チャンバー内の雰囲気の温度を第二温度T2に維持しながら、Ptを密着層5の表面に蒸着させた。第二温度T2は、下記表1に示される。第二加熱工程は、20分継続された。
金属層の形成過程では、真空チャンバーへ供給される酸素ガスの流量が、5sccmに調整された。金属層の成長速度(金属層の厚みの増加速度)は、0.5〜0.8Å/秒に調整された。
以上の方法に、Ptからなる金属層が形成された。金属層の厚みは、約50nmであった。金属層の表面の一部が、AFMで観察された。AFMで観察された金属層の表面の領域の寸法は、5μm×5μmであった。AFMにより、図2に示されるような金属層3の表面3Sが観察された。つまり、金属層3は複数の第一結晶1(第一金属粒)及び複数の第二結晶2(第二金属粒)を含んでいた。第一方向D1と第二方向D2とがなす角度は、90°であった。金属層3の表面3Sに露出する10個の第一結晶1が無作為に選出され、10個の第一結晶1其々のL1及びS1が金属層の表面において測定された。L1は、約0.9μm以上2.2μm以下であった。S1は、約0.15μm以上0.3μm以下であった。金属層3の表面3Sに露出する10個の第二結晶2が無作為に選出され、10個の第二結晶2其々のL2及びS2が金属層の表面において測定された。L2は、約1.0μm以上2.3μm以下であった。S2は、約0.15μm以上0.4μm以下であった。10個の第一結晶1其々のL1/S1が算出され、これらの値からL1/S1の平均値が算出された。L1/S1の平均値は、下記表1に示される。10個の第二結晶2其々のL2/S2が算出され、これらの値からL2/S2の平均値が算出された。L2/S2の平均値は、下記表1に示される。L1/S1及びL2/S2其々の平均値は、1.5以上であることが好ましい。
XRD法により、金属層の結晶構造が分析された。その結果、Ptの面心立方格子構造の(100)面が、金属層の表面に平行であることを示す回折X線が検出された。つまり、第一結晶及び第二結晶其々の(100)面が、金属層の表面の法線方向において配向していることが示唆された。
真空チャンバー内で、(K0.5Na0.5)NbOからなる薄膜(KNN膜)を金属層の表面全体に形成した。KNN膜は、スパッタリング法により形成した。スパッタリングターゲットとしては、(K0.5Na0.5)NbOを用いた。真空チャンバー内の雰囲気の温度は、550℃に維持した。真空チャンバー内の雰囲気は、Ar及びOの混合ガスであった。KNN膜の厚みは、2000nmに調整した。
XRD法により、KNN膜の結晶構造が分析された。その結果、KNN膜の表面は、ペロブスカイト型構造の(110)面であることを示す回折X線が検出された。つまり、KNN膜のペロブスカイト型構造の(110)面が、金属層3の表面3Sの法線方向DNにおいて配向していることが示唆された。
以上の方法により、実施例1の薄膜積層体が作製された。薄膜積層体は、基板と、基板の表面に直接積層された第一密着層と、第一密着層の表面に直接積層された第二密着層と、第二密着層の表面に直接積層された金属層と、金属層の表面に直接積層された薄膜(KNN膜)とを備えていた。下記の剥離率の算出のために、10個の実施例1の薄膜積層体が作製された。
[剥離率]
実施例1の10個の薄膜積層体を用いて、KNN膜の剥離率Rp(単位:%)が算出された。KNN膜の剥離率Rpは、以下のクロスハッチテストによって測定された。クロスハッチテストは、日本工業規格のK 5600‐5‐6:1999(ISO 2409:1992)に準拠する方法である。クロスハッチテストでは、互いに直交する複数の切込み(crоss hatch cuts)をKNN膜の表面に形成することにより、KNN膜を100個の格子(正方形)に分けた。切込みの間隔は1mmであった。格子の形成後、粘着テープがKNN膜の表面全体に貼り付けられた。KNN膜の表面からの粘着テープの剥離に伴い、金属層の表面からKNN膜の少なくとも一部が剥離した格子の個数Nが数えられた。Nは剥離率Rpそのものである。剥離率Rpは、A、B、C及びDの4つのランクに分類される。Aは、剥離率Rpが0%以上10%未満であることを意味する。Bは、剥離率Rpが10%以上20%未満あることを意味する。Cは、剥離率Rpが20%以上50%未満であることを意味する。Dは、剥離率Rpが50%以上100%以下であることを意味する。剥離率Rpのランクは、A又はBであることが好ましく、剥離率RpのランクはAであることが最も好ましい。実施例1の剥離率Rpのランクは、下記表1に示される。
実施例1のKNN膜の耐電圧(単位:V/μm)が測定された。測定装置としては、株式会社アドバンテスト製のエレクトロメーター(R8340)が用いられた。測定では、薄膜積層体が備える金属層の対極として、第二電極層がKNN膜の表面に形成された。KNN膜に印加される電圧を0Vから5V刻みで上昇させ、KNN膜の絶縁が破壊される時点における電圧が、耐電圧Vbdとして測定された。耐電圧Vbdは50V/μm以上であることが好ましい。耐電圧Vbdは、下記表1に示される。
(実施例2〜7及び比較例1〜3)
実施例2〜7及び比較例1其々の第二温度T2は、下記表1に示される温度に調整された。
実施例5の場合、Ptからなる金属層の代わりに、Irからなる金属層が形成された。
実施例6の場合、Ptからなる金属層の代わりに、Pdからなる金属層が形成された。
実施例7の場合、Ptからなる金属層の代わりに、Ag及びPdからなる金属層が形成された。
比較例2の金属層の形成過程では、真空チャンバー内の温度が一貫して700℃に維持された。つまり、比較例2の金属層の形成過程では、昇温工程が実施されなかった。
比較例3の金属層の形成過程では、真空チャンバー内の温度が一貫して630℃に維持された。つまり、比較例3の金属層の形成過程では、昇温工程が実施されなかった。
以上の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜3其々の薄膜積層体が個別に作製された。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜3其々の金属層が、AFMで観察された。実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜3其々の金属層の結晶構造が分析された。
実施例2〜7のいずれの場合も、金属層は複数の第一結晶及び複数の第二結晶を含んでいた。第一方向D1と第二方向D2とがなす角度は、90°であった。実施例2〜7其々のL1、S1、L2及びS2が測定された。実施例2〜7其々のL1/S1の平均値は、下記表1に示される。実施例2〜7其々のL2/S2の平均値は、下記表1に示される。
実施例2〜7のいずれの場合も、金属層の面心立方格子構造の(100)面が、金属層の表面に平行であることを示す回折X線が検出された。つまり、第一結晶及び第二結晶其々の(100)面が、金属層の表面の法線方向DNにおいて配向していることが示唆された。
比較例1〜3其々の金属層は、第一結晶及び第二結晶のいずれも含んでいなかった。比較例1〜3其々の金属層の表面における結晶粒のアスペクト比は、約1.0であった。比較例1の金属層の表面における結晶粒の粒径には斑があった。比較例2及び3其々の金属層の表面では、粗大な結晶粒が観察された。比較例2及び3の場合、金属層の形成過程の初期において粗大な結晶粒が形成されたことが推察される。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜3其々の剥離率Rpが算出された。実施例2〜7及び比較例1〜3其々の剥離率Rpのランクは、下記表1に示される。実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜3其々の耐電圧Vbdが測定された。実施例2〜7及び比較例1〜3其々の耐電圧Vbdは、下記表1に示される。
Figure 2020109834
本発明に係る薄膜積層体は、例えば、圧電薄膜素子、焦電薄膜素子又は強誘電薄膜素子として用いられる。
1…第一金属粒(第一結晶)、2…第二金属粒(第二結晶)、3…金属層、3S…金属層の表面、4…基板、5…密着層、5A…第一密着層、5B…第二密着層、6…薄膜、7…第二電極層、8…結晶粒、10,10A…薄膜積層体(薄膜素子、積層型基板)、D1…第一方向、D2…第二方向、DN…法線方向。

Claims (14)

  1. 金属からなる金属層と、前記金属層の表面に積層された薄膜と、を備え、
    第一方向が、前記金属層の表面に平行である一つの方向と定義され、
    第二方向が、前記金属層の表面に平行であり、且つ前記第一方向と交差する一つの方向と定義され、
    前記金属層が、
    前記金属からなり、前記金属層の表面において前記第一方向に沿って延びる複数の第一金属粒と、
    前記金属からなり、前記金属層の表面において前記第二方向に沿って延びる複数の第二金属粒と、
    を含む、
    薄膜積層体。
  2. 前記第一方向における前記第一金属粒の幅が、L1と表され、
    前記金属層の表面に平行であり、且つ前記第一方向に垂直な方向における前記第一金属粒の幅が、S1と表され、
    前記第二方向における前記第二金属粒の幅が、L2と表され、
    前記金属層の表面に平行であり、且つ前記第二方向に垂直な方向における前記第二金属粒の幅が、S2と表され、
    複数の前記第一金属粒のL1/S1の平均値が、1.5以上20以下であり、
    複数の前記第二金属粒のL2/S2の平均値が、1.5以上20以下である、
    請求項1に記載の薄膜積層体。
  3. 前記金属層が、白金、イリジウム、オスミウム、レニウム、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル、金及び銀からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、
    請求項1又は2に記載の薄膜積層体。
  4. 前記第一金属粒が、前記金属からなる第一結晶であり、
    前記第二金属粒が、前記金属からなる第二結晶である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  5. 少なくとも一部の前記第一結晶の(100)面が、前記金属層の表面の法線方向において配向しており、
    少なくとも一部の前記第二結晶の(100)面が、前記金属層の表面の法線方向において配向している、
    請求項4に記載の薄膜積層体。
  6. 前記薄膜が、誘電体を含む、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  7. 前記誘電体が、常誘電体、圧電体、焦電体及び強誘電体からなる群より選ばれる一種である、
    請求項6に記載の薄膜積層体。
  8. 前記誘電体が、ペロブスカイト型構造を有する金属酸化物である、
    請求項6又は7に記載の薄膜積層体。
  9. 前記薄膜が、エピタキシャル膜である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  10. 前記金属層が、第一電極層であり、
    前記薄膜積層体が、前記薄膜の表面に積層された第二電極層を更に備える、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  11. 前記第一方向と前記第二方向がなす角度が、90°である、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  12. 基板と、
    前記基板の表面に積層された密着層と、
    前記密着層の表面に積層された前記金属層と、
    前記金属層の表面に積層された前記薄膜と、
    を備え、
    前記密着層が、酸化ジルコニウム及び希土類元素の酸化物を含む、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の薄膜積層体を備える、
    薄膜素子。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の薄膜積層体を備え、
    薄膜素子の製造に用いられる積層型基板。

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