JP6311179B2 - 強誘電体セラミックス - Google Patents

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Description

本発明は、強誘電体セラミックス及びその製造方法に関する。
従来のPb(Zr,Ti)O3(以下、「PZT」という。)ペロブスカイト型強誘電体セラミックスの製造方法について説明する。
4インチSiウエハ上に膜厚300nmのSiO2膜を形成し、このSiO2膜上に膜厚5nmのTiOX膜を形成する。次に、このTiOX膜上に例えば(111)に配向した膜厚150nmのPt膜を形成し、このPt膜上にスピンコーターによってPZTゾルゲル溶液を回転塗布する。この際のスピン条件は、1500rpmの回転速度で30秒間回転させ、4000rpmの回転速度で10秒間回転させる条件である。
次に、この塗布されたPZTゾルゲル溶液を250℃のホットプレート上で30秒間加熱保持して乾燥させ、水分を除去した後、さらに500℃の高温に保持したホットプレート上で60秒間加熱保持して仮焼成を行う。これを複数回繰り返すことで膜厚150nmのPZTアモルファス膜を生成する。
次いで、このPZTアモルファス膜に加圧式ランプアニール装置(RTA: rapidly thermal anneal)を用いて700℃のアニール処理を行ってPZT結晶化を行う。このようにして結晶化されたPZT膜はペロブスカイト構造からなる(例えば特許文献1参照)。
WO2006/087777
本発明の一態様は、良好な圧電特性を有する圧電体膜を得ることを課題とする。
以下に、本発明の種々の態様について説明する。
[1](110)に配向したZrO膜と、
前記ZrO膜上に接して形成されたPt膜と、
前記Pt膜上に形成された圧電体膜と、
を具備することを特徴とする強誘電体セラミックス。
[2](110)に配向したCeO膜と、
前記CeO膜上に接して形成されたPt膜と、
前記Pt膜上に形成された圧電体膜と、
を具備することを特徴とする強誘電体セラミックス。
[3]上記[1]または[2]において、
前記Pt膜は(100)または(200)に配向していることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[4]上記[1]において、
前記ZrO膜は基板上に形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[5]上記[2]において、
前記CeO膜は基板上に形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[6]基板上に蒸着法により(110)に配向したZrO膜または(110)に配向したCeO膜を形成し、
前記ZrO膜または前記CeO膜上にエピタキシャル成長によるPt膜を接して形成し、
前記Pt膜上に圧電体膜を形成することを特徴とする強誘電体セラミックスの製造方法。
[7]積層膜と、
前記積層膜上に形成された圧電体膜と、
を具備し、
前記積層膜は、ZrO膜とAl膜が順次N回繰り返して形成されたものであり、
前記Nは1以上の整数であることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[8]積層膜と、
前記積層膜上に形成された圧電体膜と、
を具備し、
前記積層膜は、第1のZrO膜とAl膜が順次N回繰り返して形成され、前記N回繰り返して形成された膜上に第2のZrO膜が形成されたものであり、
前記Nは1以上の整数であることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[9]上記[7]または[8]において、
前記積層膜のAl濃度は下記式1(好ましくは下記式1')を満たすことを特徴とする強誘電体セラミックス。
2mol%≦Al/(Al+Zr)≦50mol% ・・・式1
5mol%≦Al/(Al+Zr)≦30mol% ・・・式1'
[10]上記[7]乃至[9]のいずれか一項において、
前記積層膜と圧電体膜との間には、体心立方格子構造を有する金属結晶の酸化物膜と当該酸化物膜上に形成されたPt膜が形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[11]上記[10]において、
前記酸化物膜と前記Pt膜との間に体心立方格子構造を有する金属結晶膜が形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[12]上記[10]または[11]おいて、
前記体心立方格子構造を有する金属結晶は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ルビジウム(Rb)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ユウロピウム(Eu)の群から選択された一の金属結晶であることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[13]上記[7]乃至[9]のいずれか一項において、
前記積層膜と前記圧電体膜との間に形成された電極膜を有することを特徴とする強誘電体セラミックス。
[14]上記[8]において、
前記積層膜と前記圧電体膜との間に形成された電極膜を有し、
前記電極膜は、前記第2のZrO膜と接することを特徴とする強誘電体セラミックス。
[15]上記[13]または[14]において、
前記電極膜は酸化物または金属からなることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[16]上記[13]または[14]において、
前記電極膜はPt膜またはIr膜であることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[17]上記[7]乃至[9]のいずれか一項において、
前記積層膜はSi基板上に形成されており、
前記Si基板と前記積層膜との間にはZrSiO膜が形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[18]上記[17]において、
前記積層膜と前記ZrSiO膜との間にはAl膜が形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
[19]上記[10]において、
前記積層膜はSi基板上に形成されており、前記Si基板、前記積層膜、前記体心立方格子構造を有する金属結晶の酸化物膜及び前記Pt膜それぞれは(100)に配向していることを特徴とする強誘電体セラミックス。
なお、上記の本発明の種々の態様において、特定のA(以下「A」という)の上(または下)に特定のB(以下「B」という)を形成する(Bが形成される)というとき、Aの上(または下)に直接Bを形成する(Bが形成される)場合に限定されず、Aの上(または下)に本発明の作用効果を阻害しない範囲で、他のものを介してBを形成する(Bが形成される)場合も含むものとする。
本発明の一態様を適用することで、良好な圧電特性を有する圧電体膜を得ることができる。
本発明の一態様に係る強誘電体セラミックスの製造方法を説明する模式的な断面図である。 ZrO(110)の結晶を模式的に示す図である。 ZrO(110)の結晶とPt(100)の結晶がうまく整合することを説明する模式図である。 CeO(110)の結晶とPt(100)の結晶がうまく整合することを説明する模式図である。 本発明の一態様に係る強誘電体セラミックスの製造方法を説明する模式的な断面図である。 本発明の一態様に係る強誘電体セラミックスの製造方法を説明する模式的な断面図である。 本発明の一態様に係る強誘電体セラミックスの製造方法を説明する模式的な断面図である。 実施例1によるサンプルのXRDチャートである。 図5に示す積層膜13の(200)のピークを示すXRDチャートである。 図5に示す膜構造:Pt/AlZrO/ZrO/SiにおけるPtの(400)及び(111)のピークを示すXRDチャートである。
以下では、本発明の実施形態及び実施例について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施形態の記載内容及び実施例に限定して解釈されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一態様に係る強誘電体セラミックスの製造方法を説明する模式的な断面図である。
基板101を準備する。この基板としては、種々の基板を用いることができ、例えばSi単結晶やサファイア単結晶などの単結晶基板、表面に金属酸化物膜が形成された単結晶基板、表面にポリシリコン膜またはシリサイド膜が形成された基板等を用いることができる。なお、本実施形態では、表面にXO膜が形成されたSi基板を用いる。XO膜は、Siと相性の良い金属酸化物膜であり、例えば希土類元素およびアルカリ土類元素の酸化物膜、酸化ジルコニウム膜、Zrの一部を希土類元素もしくはアルカリ土類元素で置換した酸化ジルコニウム膜、YSZと呼ばれるYでZrの一部を置換した酸化ジルコニウム膜、またはシリサイド(例えば、ZiSiO)膜である。
次に、基板101上に(110)に配向したZrO膜102を蒸着法により形成する。
この後、ZrO膜102上にエピタキシャル成長によるPt膜103を形成する。ZrO膜102が(110)に配向し、かつZrO膜102と接して形成されることで、Pt膜103は(100)または(200)に配向する。Pt膜103は電極膜として機能するとよい。
なお、本実施形態では、基板101上に(110)に配向したZrO膜102を蒸着法により形成するが、ZrO膜102をCeO膜に変更してもよい。つまり、基板101上に(110)に配向したCeO膜を蒸着法により形成し、このCeO膜上にエピタキシャル成長によるPt膜103を形成しても同様の効果を得ることができる。
次に、Pt膜103上にc軸方向に配向した圧電体膜の一例であるPZT膜(図示せず)を形成する。なお、本明細書において「PZT膜」は、Pb(Zr,Ti)O3に不純物を含有するものも含み、その不純物を含有させてもPZT膜の圧電体の機能を消滅させないものであれば種々のものを含有させてもよいものとする。
以下にPZT膜の形成方法の一例について詳細に説明する。
PZT膜形成用ゾルゲル溶液としては、ブタノールを溶媒とする鉛が70%〜90%不足した量添加された、濃度10重量%濃度のE1溶液を用いた。
このゾルゲル溶液に、ジメチルアミノエタノールというアミノ基を有するアルカリ性アルコールを、体積比で、E1ゾルゲル溶液:ジメチルアミノエタノール=7:3の割合で添加したところ、pH=12と強アルカリ性を示した。
上記、本溶液を用いて、PZTアモルファス膜のスピンコート形成を行った。スピンコーターはミカサ株式会社製MS-A200を用いて行った。先ず800rpmで5秒、1500rpmで10秒回転させた後、徐々に10秒で3000rpmまで回転を上昇させた後、150℃のホットプレート(アズワン株式会社製セラミックホットプレートAHS-300)上に5min、大気中で放置した後、300℃のホットプレート(同AHS-300)上で10min、同じく大気中で放置した後、室温まで冷却した。これを5回繰り返すことで、所望の膜厚200nmのPZTアモルファス膜をPt膜103上に形成した。これを複数枚作製した。
次いで、上記のPZTアモルファス膜を、加圧酸素雰囲気で熱処理することにより、PZTアモルファス膜を結晶化したPZT膜をPt膜103上に形成する。なお、PZTの格子定数の一例は0.401nmである。
上記のようにPZT膜を形成した後に、PZT膜にポーリング処理を行ってもよい。
本実施形態によれば、Pt膜103は(100)または(200)に配向するため、そのPt膜103上に圧電体膜としてのPZT膜を形成することにより、良好な圧電特性を有する圧電体膜を得ることができる。
また、ZrO膜102またはCeO膜が(110)に配向し、ZrO膜102またはCeO膜をPt膜103と接して形成すると、Pt膜103が(100)または(200)に配向する理由は以下のように考えられる。
Ptは、立方晶であり、その格子定数aが4.086オングストロームである。ZrOは、立方晶であり、その格子定数aが5.147オングストロームである。ZrO(110)の結晶は図2に示すものである。ZrOを(110)で成長させ、最も乱雑さが大きい場合を考える。つまり、エネルギーが最小の場合は、図3に示すように、ZrO膜102のZrO(110)の結晶が4つに対してPt膜103のPt(100)の結晶4つを対応させることを考えると、Pt(100)とのミスフィットが0.4%となり、格子がうまく整合するといえる。
CeOは、立方晶であり、その格子定数aが5.411オングストロームである。CeOを(110)で成長させ、最も乱雑さが大きい場合を考える。つまり、エネルギーが最小の場合は、図4に示すように、CeO膜102aのCeO(110)の結晶が4つに対してPt膜103のPt(100)の結晶4つを対応させることを考えると、Pt(100)とのミスフィットが4.7%となり、格子がうまく整合するといえる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の一態様に係る強誘電体セラミックスの製造方法を説明する模式的な断面図である。
図5に示すように、(100)の結晶面を有するSi基板11上にZrSiO膜12を形成する。
次に、ZrSiO膜12上に積層膜13を形成する。積層膜13は、第1のZrO膜122とAl膜123が順次N回繰り返して形成されたものであり、Nは1以上の整数である。図5にはNが1の場合が示されている。
積層膜13のAl濃度は下記式1を満たすとよく、好ましくは下記式1'を満たすとよい。
2mol%≦Al/(Al+Zr)≦50mol% ・・・式1
5mol%≦Al/(Al+Zr)≦30mol% ・・・式1'
以下に積層膜13の成膜方法の一例について詳細に説明する。
第1のZrO膜122は、その膜厚が例えば3〜15nmであり、反応性蒸着法により形成される。この際の成膜条件は表1に示すとおりである。
次いで、第1のZrO膜122上に膜厚が例えば3〜15nmのAl膜123を反応性蒸着法により形成する。この際の成膜条件は表1に示すとおりである。
次いで、Al膜123上に、上記の第1のZrO膜122とAl膜123の成膜をN回繰り返す(N:1以上の整数)。このようにして第1のZrO膜122とAl膜123が積層される。積層膜13は、第1のZrO膜122とAl膜123が熱拡散によってAlZrO膜となってもよい。また、ZrOとAlは相性が良いため、第1のZrO膜122とAl膜123との接合状態は良好である。
また、積層膜13はSi基板11の(100)の結晶面と同様に(100)に配向する。この積層膜13は、その膜厚が100nm以下(好ましくは10nm〜50nm)であるとよく、単結晶性が極めて高い膜である。また、積層膜13は、ジルコニアとアルミナを複合化させた材料であり、極めて高強度である。
その後、積層膜13上にエピタキシャル成長によるPt膜15を形成する。積層膜13が(100)に配向しているため、Pt膜15は(200)に配向する。Pt膜15は電極膜として機能するとよい。なお、Pt膜15は、Pt以外の電極膜であってもよい。この電極膜は、例えば酸化物または金属からなる電極膜でもよいし、Pt膜またはIr膜でもよい。
次に、(200)に配向したPt膜15上にc軸方向に配向した圧電体膜の一例であるPZT膜(図示せず)を形成する。このPZT膜の形成方法は、第1の実施形態と同様である。
この後、PZT膜にポーリング処理を行ってもよい。
本実施形態によれば、積層膜13が(100)に配向するため、その積層膜12上に圧電体膜としてのPZT膜を形成することにより、良好な圧電特性を有する圧電体膜を得ることができる。
また、Si基板11上にZrSiO膜12を接して形成する理由は、ZrSiOとSiは相性が良いため、接合状態が良好となるからである。
なお、本実施形態では、Si基板11上にZrSiO膜12を形成しているが、これは必須ではなく、Si基板11上にZrSiO膜12を形成しない場合も実施可能である。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の一態様に係る強誘電体セラミックスの製造方法を説明する模式的な断面図であり、図5と同一部分には同一符号を付す。
(100)の結晶面を有するSi基板11上に第2の実施形態と同様の方法でZrSiO膜12を形成する。
次いで、ZrSiO膜12上に積層膜14を形成する。積層膜14は、第1のZrO膜122とAl膜123が順次N回繰り返して形成され、前記N回繰り返して形成された膜上に第2のZrO膜124が形成されたものであり、Nは1以上の整数である。図6にはNが1の場合が示されている。
積層膜14のAl濃度は下記式1を満たすとよく、好ましくは下記式1'を満たすとよい。
2mol%≦Al/(Al+Zr)≦50mol% ・・・式1
5mol%≦Al/(Al+Zr)≦30mol% ・・・式1'
以下に積層膜14の成膜方法の一例について詳細に説明する。
第1のZrO膜122及びAl膜123は、第2の実施形態と同様の方法で成膜される。
次いで、Al膜123上に、上記の第1のZrO膜122とAl膜123の成膜をN回繰り返す(N:1以上の整数)。次いで、Al膜123上に膜厚が例えば3〜15nmの第2のZrO膜124を反応性蒸着法により形成する。この際の成膜条件は第1のZrO膜122の成膜条件と同様である。このようにして第1のZrO膜122とAl膜123が積層され、かつAl膜123をZrO膜が上下で挟む上下対称のサンドイッチ構造とした積層膜14が形成される。積層膜13は、第1のZrO膜122とAl膜123と第2のZrO膜124が熱拡散によってAlZrO膜となってもよい。
また、積層膜14はSi基板11の(100)の結晶面と同様に(100)に配向する。この積層膜14は、その膜厚が100nm以下(好ましくは10nm〜50nm)であるとよく、単結晶性が極めて高い膜である。
その後、積層膜14上に第2の実施形態と同様の方法でエピタキシャル成長によるPt膜15を形成する。
次に、Pt膜15上にc軸方向に配向した圧電体膜の一例であるPZT膜(図示せず)を第2の実施形態と同様の方法で形成する。
本実施形態においても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の一態様に係る強誘電体セラミックスの製造方法を説明する模式的な断面図であり、図6と同一部分には同一符号を付す。
(100)の結晶面を有するSi基板11上に第3の実施形態と同様の方法でZrSiO膜12及び積層膜14を順に形成する。
次に、第2のZrO膜124上に、体心立方格子構造を有する金属結晶の酸化物膜の一例としてアナターゼ型のTiO膜25を低温で形成する。この際の成膜条件は以下のとおりである。
成膜方法 :スパッタリング
成膜圧力 :4Pa
成膜基板温度:200℃
成膜時のガス:O2/Ar
Ar流量 :1/9(O2/Ar)sccm
RF出力 :200W(13.56MHz電源)
成膜時間 :3分(膜厚20nm)
ターゲット :TiO焼結体
なお、体心立方格子構造を有する金属結晶は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ルビジウム(Rb)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ユウロピウム(Eu)の群から選択された一の金属結晶であるとよい。
次に、TiO膜25上にTi膜26を形成する。この際の成膜条件は以下のとおりである。
成膜方法 :スパッタリング
成膜圧力 :2Pa
成膜基板温度:200℃
成膜時のガス:Ar
Ar流量 :10sccm
RF出力 :200W(13.56MHz電源)
成膜時間 :0.5 分(膜厚20nm)
ターゲット :Ti金属バルク体
次に、Ti膜26上に第2の実施形態と同様の方法でエピタキシャル成長によるPt膜15を形成する。
次に、Pt膜15上にc軸方向に配向した圧電体膜の一例であるPZT膜を第2の実施形態と同様の方法で形成する。
第2のZrO膜124上にTiO膜25を接して形成する理由は、低温で成膜したアナターゼ型のTiO膜のヤング率が205GPaで、ZrOのヤング率が200GPaであるため、両者の硬さがほぼ一致しており、且つ、TiとZrは相性の良い金属同士であるため、接合状態が良好となるからである。
また、TiO膜25上にTi膜26を接して形成する理由は、金属とその金属と同一金属の酸化物とは密着性が良好であるからである。
また、Ti膜26上にPt膜15を接して形成する理由は、TiとPtは良好な合金を作り、且つ密着性が良好であり、且つTi膜26は体心立方格子構造であるため、その上のPt膜13が(100)配向し易い効果を持つからである。
本実施形態においても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、Pt膜15とTiO膜25との間にTi膜26を形成しているが、TiO膜25とPt膜15は密着性が良いため、Ti膜26を形成せずに、TiO膜25上にPt膜15を形成する構成としてもよい。つまり、体心立方格子構造を有する金属結晶の酸化物膜上にPt膜15を形成する構成としてよい。また、体心立方格子構造を有する金属結晶の酸化物膜上に体心立方格子構造を有する金属結晶膜を形成し、その金属結晶膜上にPt膜15を形成する構成としてよい。
なお、上述した第1乃至第4の実施形態を適宜組合せて実施してもよい。
また、第2乃至第4の実施形態では、Al膜123とZrSiO膜12との間に第1のZrO膜122を配置する構成としているが、AlとZrSiOは相性が良いため、ZrSiO膜12上の第1のZrO膜122を形成せずに、ZrSiO膜12上にAl膜123を接して形成してもよい。
図8は、実施例1によるサンプルのXRD(X-Ray Diffraction)チャートである。このサンプルは以下のように作製した。
(100)の結晶面を有するSiウエハの上に蒸着法によりZrO膜を成膜した。この際の蒸着条件は表2に示すとおりである。このZrO膜は(110)に配向した。
次に続けて、ZrO膜上にスパッタリングにより厚さ100nmのPt膜を成膜した。この際の成膜条件は表3に示すとおりである。このPt膜は(100)に配向した。
次に続けて、Pt膜上にスパッタリングにより厚さ2.5μmのPZT膜を成膜した。この際の成膜条件は表3に示すとおりである。このようにしてサンプルを作製した。
図8に示すXRDパターンから本実施例のサンプルの膜構造はPZT(001)/Pt(100)/ZrO(110)/Siであることがわかった。従って、ZrO膜が(110)に配向し、かつPt膜がZrO膜と接して形成されることで、Pt膜が(100)に配向することが確認され、Pt膜が(100)に配向することで、PZT膜が結晶性よく(001)に配向することが確認された。
図9は、図5に示す積層膜13の(200)のピークを示すXRDチャートである。つまり、図9は、積層膜13において第1のZrO膜122とAl膜123が熱拡散によってAlZrO膜となり、膜構造がAlZrO/ZrO/SiとなったものについてのXRD回折結果を示している。
図9によれば、XRD回折結果によってAlZrO(200)のピークが得られたので、図5に示す積層膜13は(200)に配向することが確認された。従って、積層膜13上に形成されたPZT膜は良好な圧電特性を有するといえる。
図10は、図5に示すSi基板11、積層膜13、Pt膜15を順に成膜したもの(膜構造:Pt/AlZrO/ZrO/Si)におけるPtの(400)及び(111)のピークを示すXRDチャートである。
図10によれば、XRD回折結果によってPt(400)のピークが得られたので、図5に示すPt膜15は(400)に配向することが確認された。従って、Pt膜15上に形成されたPZT膜は良好な圧電特性を有するといえる。
11 Si基板
12 ZrSiO
13,14 積層膜
15 Pt膜
25 TiO
26 Ti膜
101 基板
102 ZrO
102a CeO
103 Pt膜
122 第1のZrO
123 Al
124 第2のZrO

Claims (13)

  1. 積層膜と、
    前記積層膜上に形成された圧電体膜と、
    を具備し、
    前記積層膜は、ZrO膜とAl膜が順次N回繰り返して形成されたものであり、
    前記Nは1以上の整数であり、
    前記積層膜のAl濃度は下記式1を満たすことを特徴とする強誘電体セラミックス。
    2mol%≦Al/(Al+Zr)≦50mol% ・・・式1
  2. Si基板と、
    前記Si基板上に形成されたZrSiO 膜と、
    前記ZrSiO 膜上に形成された積層膜と、
    前記積層膜上に形成された圧電体膜と、
    を具備し、
    前記積層膜は、ZrO膜とAl膜が順次N回繰り返して形成されたものであり、
    前記Nは1以上の整数であることを特徴とする強誘電体セラミックス。
  3. 積層膜と、
    前記積層膜上に形成された圧電体膜と、
    を具備し、
    前記積層膜は、第1のZrO膜とAl膜が順次N回繰り返して形成され、前記N回繰り返して形成された膜上に第2のZrO膜が形成されたものであり、
    前記Nは1以上の整数であることを特徴とする強誘電体セラミックス。
  4. 請求項において、
    前記積層膜のAl濃度は下記式1を満たすことを特徴とする強誘電体セラミックス。
    2mol%≦Al/(Al+Zr)≦50mol% ・・・式1
  5. 請求項1、3及び4のいずれか一項において、
    前記積層膜と圧電体膜との間には、体心立方格子構造を有する金属結晶の酸化物膜と当該酸化物膜上に形成されたPt膜が形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
  6. 請求項において、
    前記酸化物膜と前記Pt膜との間に体心立方格子構造を有する金属結晶膜が形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
  7. 請求項またはにおいて、
    前記体心立方格子構造を有する金属結晶は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ルビジウム(Rb)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ユウロピウム(Eu)の群から選択された一の金属結晶であることを特徴とする強誘電体セラミックス。
  8. 請求項1、3及び4のいずれか一項において、
    前記積層膜と前記圧電体膜との間に形成された電極膜を有することを特徴とする強誘電体セラミックス。
  9. 請求項おいて、
    前記積層膜と前記圧電体膜との間に形成された電極膜を有し、
    前記電極膜は、前記第2のZrO膜と接することを特徴とする強誘電体セラミックス。
  10. 請求項またはにおいて、
    前記電極膜は酸化物または金属からなることを特徴とする強誘電体セラミックス。
  11. 請求項またはにおいて、
    前記電極膜はPt膜またはIr膜であることを特徴とする強誘電体セラミックス。
  12. 請求項1、3及び4のいずれか一項において、
    前記積層膜はSi基板上に形成されており、
    前記Si基板と前記積層膜との間にはZrSiO膜が形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
  13. 請求項12において、
    前記積層膜と前記ZrSiO膜との間にはAl膜が形成されていることを特徴とする強誘電体セラミックス。
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