JP2020109022A - ドリップシート - Google Patents
ドリップシート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020109022A JP2020109022A JP2020031943A JP2020031943A JP2020109022A JP 2020109022 A JP2020109022 A JP 2020109022A JP 2020031943 A JP2020031943 A JP 2020031943A JP 2020031943 A JP2020031943 A JP 2020031943A JP 2020109022 A JP2020109022 A JP 2020109022A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- sheet
- drip
- generating material
- food
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【課題】本発明は、肉や魚等を保存する際に使用される、ドリップシートであって、水素を介して、食品の劣化を防止できる、ドリップシートを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の、水と接触することにより水素を発生する水素発生材を含むドリップシート1は、食品の劣化を防止することができる。このドリップシート1は、好ましくは、開孔フィルムから構成されるとともに、食品載置面29及び食品非載置面を備えている液透過性シート3と、吸収シート5とを備えており、水素発生材31が、液透過性シート3に配置されており、水素発生材31の一部が、液透過性シート3の食品載置面29に露出している。【選択図】図1
Description
本発明は、ドリップシートに関する。
水蒸気と接触して、水素ガスを発生する包装材料が知られている。
例えば、特許文献1には、金属層と、水蒸気及び水素ガスに対して透過性であるライナーと、金属層及びライナーの間に配置される、水蒸気と化学的に反応して水素を発生できる活性層と、を含む積層物であるシール材が開示されている。特許文献1に記載のシール材は、酸素と反応する物質の保存に使用することができるものとされる。
しかしながら、特許文献1に記載のシール材は、ライナーが水蒸気を透過して、金属層とライナーに挟まれた活性層で、水素ガスを発生させるものであるため、特に食品が低温で保存される条件において、液体状である水とシール材が接触しても、水素が発生しない。
よって、本発明は、肉や魚等を保存する際に使用されるドリップシートであって、水素を介して、保存される食品の劣化を防止できる、ドリップシートを提供することを目的とする。
よって、本発明は、肉や魚等を保存する際に使用されるドリップシートであって、水素を介して、保存される食品の劣化を防止できる、ドリップシートを提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、水と接触することにより水素を発生する水素発生材を含むドリップシートを提供する。
本発明のドリップシートは、食品の劣化を防止することができる。
[定義]
・「内方」及び「外方」
本明細書において、導液部に関連する「内方」及び「外方」は、それぞれ、導液部の軸線に向かう方向及び導液部の軸線から遠ざかる方向を意味する。
・「内方」及び「外方」
本明細書において、導液部に関連する「内方」及び「外方」は、それぞれ、導液部の軸線に向かう方向及び導液部の軸線から遠ざかる方向を意味する。
具体的には、本開示は以下の態様に関する。
[第1の態様]
(構成)
水と接触することにより水素を発生する水素発生材を含むドリップシート。
(構成)
水と接触することにより水素を発生する水素発生材を含むドリップシート。
(効果)
上記ドリップシートは、所定の水素発生材を含むので、食品の劣化を抑制することができる。
上記ドリップシートは、所定の水素発生材を含むので、食品の劣化を抑制することができる。
[第2の態様]
(構成)
上記ドリップシートが、布帛と、上記布帛の表面に固定された上記水素発生材とを含む、上記第1の態様のドリップシート。
(構成)
上記ドリップシートが、布帛と、上記布帛の表面に固定された上記水素発生材とを含む、上記第1の態様のドリップシート。
(効果)
上記ドリップシートは、布帛と、その表面に固定された水素発生材とを含むので、布帛が吸収したドリップに含まれる水分と、水素発生材とが効率よく反応し、継続的に水素を発生することができる。
上記ドリップシートは、布帛と、その表面に固定された水素発生材とを含むので、布帛が吸収したドリップに含まれる水分と、水素発生材とが効率よく反応し、継続的に水素を発生することができる。
[第3の態様]
(構成)
上記ドリップシートが、開孔フィルムから構成されるとともに、食品載置面及び食品非載置面を備えている液透過性シートと、吸収シートとを備えており、上記水素発生材が、上記液透過性シートに配置されており、上記水素発生材の一部が、上記液透過性シートの上記食品載置面に露出している、上記第1の態様のドリップシート。
(構成)
上記ドリップシートが、開孔フィルムから構成されるとともに、食品載置面及び食品非載置面を備えている液透過性シートと、吸収シートとを備えており、上記水素発生材が、上記液透過性シートに配置されており、上記水素発生材の一部が、上記液透過性シートの上記食品載置面に露出している、上記第1の態様のドリップシート。
(効果)
上記ドリップシートは、液透過性シートの食品載置面に露出している水素発生材を備えているため、食品に由来するドリップがドリップシートに到達した際に、液透過性シートの食品載置面に露出している水素発生材が、ドリップに含まれる水分と迅速に反応し、水素を迅速に発生させ、食品の鮮度の低下を迅速に抑制することができる。
上記ドリップシートは、液透過性シートの食品載置面に露出している水素発生材を備えているため、食品に由来するドリップがドリップシートに到達した際に、液透過性シートの食品載置面に露出している水素発生材が、ドリップに含まれる水分と迅速に反応し、水素を迅速に発生させ、食品の鮮度の低下を迅速に抑制することができる。
[第4の態様]
(構成)
上記液透過性シートが、上記食品載置面を構成する基部と、食品に由来するドリップを透過させるための複数の孔部とを備えている、上記第3の態様のドリップシート。
(構成)
上記液透過性シートが、上記食品載置面を構成する基部と、食品に由来するドリップを透過させるための複数の孔部とを備えている、上記第3の態様のドリップシート。
(効果)
上記ドリップシートは、所定の基部と、所定の複数の孔部とを備えているとともに、水素発生材の一部が、基部の食品載置面に露出している。
したがって、食品に由来するドリップが、基部の食品載置面に到達した際に、食品載置面に露出している水素発生材が、ドリップに含まれる水分と迅速に反応し、水素を迅速に発生させ、食品の鮮度の低下を迅速に抑制することができる。
上記ドリップシートは、所定の基部と、所定の複数の孔部とを備えているとともに、水素発生材の一部が、基部の食品載置面に露出している。
したがって、食品に由来するドリップが、基部の食品載置面に到達した際に、食品載置面に露出している水素発生材が、ドリップに含まれる水分と迅速に反応し、水素を迅速に発生させ、食品の鮮度の低下を迅速に抑制することができる。
[第5の態様]
(構成)
上記液透過性シートの上記基部が、上記液透過性シートの基部以外の部分と比較して、厚さが厚く、
上記液透過性シートの上記基部における厚さに対する、上記水素発生材の平均粒径の比率が、0.05以上2未満である、上記第4の態様のドリップシート。
(構成)
上記液透過性シートの上記基部が、上記液透過性シートの基部以外の部分と比較して、厚さが厚く、
上記液透過性シートの上記基部における厚さに対する、上記水素発生材の平均粒径の比率が、0.05以上2未満である、上記第4の態様のドリップシート。
(効果)
液透過性シートにおいて、厚さの最も厚い基部における厚さに対する、水素発生材の平均粒径の比率が、0.05以上2未満であることにより、水素発生材が液透過性シートの表面に十分に露出するとともに、水素発生材が液透過性シートから脱落し難い。よって、ドリップシートが効果的に水素を発生しつつ、食品に多量の水素発生材が付着することを効果的に防止できる。
液透過性シートにおいて、厚さの最も厚い基部における厚さに対する、水素発生材の平均粒径の比率が、0.05以上2未満であることにより、水素発生材が液透過性シートの表面に十分に露出するとともに、水素発生材が液透過性シートから脱落し難い。よって、ドリップシートが効果的に水素を発生しつつ、食品に多量の水素発生材が付着することを効果的に防止できる。
[第6の態様]
(構成)
上記複数の孔部のそれぞれが、上記基部と連結している第1開口部と、第2開口部と、第1開口部及び第2開口部を連結している導液部とを備えており、上記水素発生材の一部が、上記導液部の内面に露出している、上記第4又は第5の態様のドリップシート。
(構成)
上記複数の孔部のそれぞれが、上記基部と連結している第1開口部と、第2開口部と、第1開口部及び第2開口部を連結している導液部とを備えており、上記水素発生材の一部が、上記導液部の内面に露出している、上記第4又は第5の態様のドリップシート。
(効果)
上記ドリップシートでは、基部の食品載置面に到達したドリップは、導液部を通って、吸収シートに移行する。また、導液部に到達したドリップの量が少ない場合には、導液部に到達するドリップの量が所定の量に到達するまで、ドリップが、導液部の内部に滞留することもある。
上記ドリップシートでは、水素発生材の一部が導液部の内面に露出しているため、導液部を通過するドリップ、又は導液部に滞留するドリップ中の水分と反応し、水素を発生させ、食品の鮮度の低下を抑制することができる。
上記ドリップシートでは、基部の食品載置面に到達したドリップは、導液部を通って、吸収シートに移行する。また、導液部に到達したドリップの量が少ない場合には、導液部に到達するドリップの量が所定の量に到達するまで、ドリップが、導液部の内部に滞留することもある。
上記ドリップシートでは、水素発生材の一部が導液部の内面に露出しているため、導液部を通過するドリップ、又は導液部に滞留するドリップ中の水分と反応し、水素を発生させ、食品の鮮度の低下を抑制することができる。
[第7の態様]
(構成)
上記水素発生材が、上記液透過性シートの上記食品載置面及び上記食品非載置面において露出しており、
上記食品載置面における上記第1開口部の周辺に露出した上記水素発生材の平均粒径が、上記食品非載置面における上記第1開口部の周辺に露出した上記水素発生材の平均粒径と比較して大きい、上記第6の態様のドリップシート。
(構成)
上記水素発生材が、上記液透過性シートの上記食品載置面及び上記食品非載置面において露出しており、
上記食品載置面における上記第1開口部の周辺に露出した上記水素発生材の平均粒径が、上記食品非載置面における上記第1開口部の周辺に露出した上記水素発生材の平均粒径と比較して大きい、上記第6の態様のドリップシート。
(効果)
水素発生材が、液透過性シートの食品載置面に加えて、液透過性シートの食品非載置面に露出していることにより、食品から液透過性シートに移行するドリップ中の水分に加え、吸収シートに保持されるドリップ中の水分が水素発生材と反応し、水素を発生させることができる。
食品載置面における第1開口部の周辺は、食品非載置面における第1開口部の周辺と比較して、ドリップに接触する機会が多いが、食品非載置面における第1開口部の周辺に比較して、食品載置面における第1開口部の周辺において、より大きな水素発生材が露出していることにより、水素発生材が、ドリップ中の水分に接しやすくなり、水素をより効率的に発生させることができる。
水素発生材が、液透過性シートの食品載置面に加えて、液透過性シートの食品非載置面に露出していることにより、食品から液透過性シートに移行するドリップ中の水分に加え、吸収シートに保持されるドリップ中の水分が水素発生材と反応し、水素を発生させることができる。
食品載置面における第1開口部の周辺は、食品非載置面における第1開口部の周辺と比較して、ドリップに接触する機会が多いが、食品非載置面における第1開口部の周辺に比較して、食品載置面における第1開口部の周辺において、より大きな水素発生材が露出していることにより、水素発生材が、ドリップ中の水分に接しやすくなり、水素をより効率的に発生させることができる。
[第8の態様]
(構成)
上記水素発生材が、上記液透過性シートの上記食品載置面及び上記食品非載置面において露出しており、
上記食品載置面における上記第1開口部の周辺に露出した上記水素発生材の粒子数が、上記食品非載置面における第1開口部の周辺に露出した上記水素発生材の粒子数と比較して多い、上記第6又は第7の態様のドリップシート。
(構成)
上記水素発生材が、上記液透過性シートの上記食品載置面及び上記食品非載置面において露出しており、
上記食品載置面における上記第1開口部の周辺に露出した上記水素発生材の粒子数が、上記食品非載置面における第1開口部の周辺に露出した上記水素発生材の粒子数と比較して多い、上記第6又は第7の態様のドリップシート。
(効果)
水素発生材が、液透過性シートの食品載置面に加えて、液透過性シートの食品非載置面に露出していることにより、食品から液透過性シートに移行するドリップ中の水分に加え、吸収シートに保持されるドリップ中の水分が水素発生材と反応し、水素を発生させることができる。
食品載置面における第1開口部の周辺は、食品非載置面における第1開口部の周辺と比較して、ドリップに接触する機会が多いが、食品非載置面における第1開口部の周辺に比較して、食品載置面における第1開口部の周辺において、より多くの水素発生材が露出していることにより、水素発生材が、ドリップ中の水分に接しやすくなり、水素をより効率的に発生させることができる。
水素発生材が、液透過性シートの食品載置面に加えて、液透過性シートの食品非載置面に露出していることにより、食品から液透過性シートに移行するドリップ中の水分に加え、吸収シートに保持されるドリップ中の水分が水素発生材と反応し、水素を発生させることができる。
食品載置面における第1開口部の周辺は、食品非載置面における第1開口部の周辺と比較して、ドリップに接触する機会が多いが、食品非載置面における第1開口部の周辺に比較して、食品載置面における第1開口部の周辺において、より多くの水素発生材が露出していることにより、水素発生材が、ドリップ中の水分に接しやすくなり、水素をより効率的に発生させることができる。
[第9の態様]
(構成)
上記複数の孔部のそれぞれにおいて、上記導液部が、第1開口部及び第2開口部の間に、内方に屈曲している屈曲部を備えており、上記導液部が、第1開口部及び上記屈曲部の間の第1導液部部分と、上記屈曲部及び第2開口部の間の第2導液部部分とに区画されている、上記第6から第8の態様のいずれか一の態様のドリップシート。
(構成)
上記複数の孔部のそれぞれにおいて、上記導液部が、第1開口部及び第2開口部の間に、内方に屈曲している屈曲部を備えており、上記導液部が、第1開口部及び上記屈曲部の間の第1導液部部分と、上記屈曲部及び第2開口部の間の第2導液部部分とに区画されている、上記第6から第8の態様のいずれか一の態様のドリップシート。
(効果)
液透過性シートの導液部が、第1開口部及び第2開口部の間に、内方に屈曲している屈曲部を備えていることにより、屈曲部において、ドリップが保持されやすくなるので、少なくとも第1導液部部分の内面に露出している水素発生材と、ドリップに含まれる水分とが反応して、水素を発生させ、食品の鮮度の低下を抑制することができる。
液透過性シートの導液部が、第1開口部及び第2開口部の間に、内方に屈曲している屈曲部を備えていることにより、屈曲部において、ドリップが保持されやすくなるので、少なくとも第1導液部部分の内面に露出している水素発生材と、ドリップに含まれる水分とが反応して、水素を発生させ、食品の鮮度の低下を抑制することができる。
[第10の態様]
(構成)
上記液透過性シートが、上記食品載置面を構成する第1層、及び上記第1層の上記食品非載置面側に配置される第2層を含み、上記第1層における水素発生材の含有量が、上記第2層における水素発生材の含有量よりも多い、上記第3から第9の態様のいずれか一の態様のドリップシート。
(構成)
上記液透過性シートが、上記食品載置面を構成する第1層、及び上記第1層の上記食品非載置面側に配置される第2層を含み、上記第1層における水素発生材の含有量が、上記第2層における水素発生材の含有量よりも多い、上記第3から第9の態様のいずれか一の態様のドリップシート。
(効果)
液透過性シートが第1層及び第2層を含み、少なくとも食品載置面を構成する第1層が、第1層の食品非載置面側に配置される第2層に比較して、水素発生材をより多く含有するので、液透過性シートの食品載置面に、水素発生材をより多く配置することができ、水素発生材がドリップ中の水分とより接触しやすいので、水素発生の効率を高めることができる。
液透過性シートが第1層及び第2層を含み、少なくとも食品載置面を構成する第1層が、第1層の食品非載置面側に配置される第2層に比較して、水素発生材をより多く含有するので、液透過性シートの食品載置面に、水素発生材をより多く配置することができ、水素発生材がドリップ中の水分とより接触しやすいので、水素発生の効率を高めることができる。
[第11の態様]
(構成)
上記液透過性シートが、上記第2層の上記食品非載置面側に、第3層を含み、上記第3層における水素発生材の含有量が、上記第2層における水素発生材の含有量よりも多い、第10の態様のドリップシート。
(構成)
上記液透過性シートが、上記第2層の上記食品非載置面側に、第3層を含み、上記第3層における水素発生材の含有量が、上記第2層における水素発生材の含有量よりも多い、第10の態様のドリップシート。
(効果)
液透過性シートが、さらに、第2層の食品非載置面側に配置される第3層を含み、第2層に比較して、第3層が、水素発生材をより多く含有するので、吸収シートが吸収したドリップが、液透過性シートに接触した際に、ドリップ中の水分と、第3層に含まれる水素発生材とが反応して水素を発生させることができ、持続的に水素を発生させることができる。
液透過性シートが、さらに、第2層の食品非載置面側に配置される第3層を含み、第2層に比較して、第3層が、水素発生材をより多く含有するので、吸収シートが吸収したドリップが、液透過性シートに接触した際に、ドリップ中の水分と、第3層に含まれる水素発生材とが反応して水素を発生させることができ、持続的に水素を発生させることができる。
[第12の態様]
(構成)
クレム法にしたがって測定される、上記吸水シートの吸水度が、上記吸水シートの第1方向、及び前記第1方向と直交する第2方向の両者において、5mm以上である、第3から第11の態様のいずれか一の態様のドリップシート。
(構成)
クレム法にしたがって測定される、上記吸水シートの吸水度が、上記吸水シートの第1方向、及び前記第1方向と直交する第2方向の両者において、5mm以上である、第3から第11の態様のいずれか一の態様のドリップシート。
(効果)
ドリップシートの、液透過性シートの表面に到達したドリップは、吸収シートに到達し、吸収シートにおいて平面方向に拡散するが、吸収シートに一定量のドリップが保持されると、吸収シートに保持されたドリップが、液透過性シートの食品非載置面に接触する。
吸水シートの第1方向、及び第1方向と直交する第2方向における、クレム法にしたがって測定される、吸水度が5mm以上であることにより、吸水シートが効果的にドリップを拡散するので、液透過性シートの食品非載置面側の表面のより広範な面にドリップが接触しやすくなり、水素発生材がドリップ中の水分と反応しやすくなり、水素発生の効率が高まる。
ドリップシートの、液透過性シートの表面に到達したドリップは、吸収シートに到達し、吸収シートにおいて平面方向に拡散するが、吸収シートに一定量のドリップが保持されると、吸収シートに保持されたドリップが、液透過性シートの食品非載置面に接触する。
吸水シートの第1方向、及び第1方向と直交する第2方向における、クレム法にしたがって測定される、吸水度が5mm以上であることにより、吸水シートが効果的にドリップを拡散するので、液透過性シートの食品非載置面側の表面のより広範な面にドリップが接触しやすくなり、水素発生材がドリップ中の水分と反応しやすくなり、水素発生の効率が高まる。
[第13の態様]
(構成)
上記ドリップシートが、上記吸収シートの、上記液透過性シートと反対側の面に隣接する、液不透過性シートをさらに備えている、上記第3から第12の態様のいずれか一の態様のドリップシート。
(構成)
上記ドリップシートが、上記吸収シートの、上記液透過性シートと反対側の面に隣接する、液不透過性シートをさらに備えている、上記第3から第12の態様のいずれか一の態様のドリップシート。
(効果)
ドリップシートが、吸収シートの、液透過性シートと反対側の面に隣接する、液不透過性シートを備えていることにより、ドリップがドリップシートの外部に漏出し難く、吸収シートがドリップを保持しやすいため、吸収シートに接する液透過性シートに露出する、水素発生材とドリップ中の水分とが反応して、水素を発生させ、食品の鮮度の低下を抑制することができる。
ドリップシートが、吸収シートの、液透過性シートと反対側の面に隣接する、液不透過性シートを備えていることにより、ドリップがドリップシートの外部に漏出し難く、吸収シートがドリップを保持しやすいため、吸収シートに接する液透過性シートに露出する、水素発生材とドリップ中の水分とが反応して、水素を発生させ、食品の鮮度の低下を抑制することができる。
本開示のドリップシートについて、以下、詳細に説明する。
<第1実施形態>
[ドリップシート]
図1及び図2は、本開示の実施形態の1つ(以下、「第1実施形態」と称する)にしたがうドリップシート1を説明するための図である。
具体的には、図1は、第1実施形態にしたがうドリップシート1の斜視図である。図2は、図1のII−II断面における部分断面斜視図である。
[ドリップシート]
図1及び図2は、本開示の実施形態の1つ(以下、「第1実施形態」と称する)にしたがうドリップシート1を説明するための図である。
具体的には、図1は、第1実施形態にしたがうドリップシート1の斜視図である。図2は、図1のII−II断面における部分断面斜視図である。
第1実施形態にしたがうドリップシート1は、開孔フィルムから構成される液透過性シート3と、吸収シート5と、液不透過性シート7とを、その順番で備え、そして平面方向P及び厚さ方向Tを有する。
液透過性シート3は、食品を載置するための基部9と、食品に由来するドリップを透過させるための複数の孔部11とを備えている。液透過性シート3はまた、食品を載置する食品載置面29を備えている。液透過性シート3は、水と接触することにより水素を発生する水素発生材31を含み、水素発生材31の一部が、液透過性シート3の食品載置面29に露出している。ドリップシート1が上記の構成を採用することにより、食品に由来するドリップが、基部9の食品載置面29に到達した際に、食品載置面29に露出している水素発生材31が、ドリップに含まれる水分と迅速に反応し、水素を迅速に発生させ、食品の鮮度の低下を迅速に抑制することができる。なお、ドリップシート1の表面に露出する水素発生材31は、液体状の水と反応した際にも水素を発生可能であるため、食品を低温で保持する場合にも、ドリップシート1から効果的に水素を発生させることができる。
液透過性シート3は、食品を載置するための基部9と、食品に由来するドリップを透過させるための複数の孔部11とを備えている。液透過性シート3はまた、食品を載置する食品載置面29を備えている。液透過性シート3は、水と接触することにより水素を発生する水素発生材31を含み、水素発生材31の一部が、液透過性シート3の食品載置面29に露出している。ドリップシート1が上記の構成を採用することにより、食品に由来するドリップが、基部9の食品載置面29に到達した際に、食品載置面29に露出している水素発生材31が、ドリップに含まれる水分と迅速に反応し、水素を迅速に発生させ、食品の鮮度の低下を迅速に抑制することができる。なお、ドリップシート1の表面に露出する水素発生材31は、液体状の水と反応した際にも水素を発生可能であるため、食品を低温で保持する場合にも、ドリップシート1から効果的に水素を発生させることができる。
[水素発生材]
第1実施形態にしたがうドリップシート1において、水素発生材31は、水と接触することにより水素を発生するものであり、液透過性シート3に配置され、水素発生材31の一部が、液透過性シート3の食品載置面29に露出している。それにより、水素発生材31が、液体である水と接触することにより、水素を発生するものであるため、食品に由来するドリップがドリップシート1に到達した際に、液透過性シート3の食品載置面29に露出している水素発生材31が、ドリップに含まれる水分と迅速に反応し、水素を迅速に発生させ、食品の鮮度の低下を迅速に抑制することができる。
第1実施形態にしたがうドリップシート1において、水素発生材31は、水と接触することにより水素を発生するものであり、液透過性シート3に配置され、水素発生材31の一部が、液透過性シート3の食品載置面29に露出している。それにより、水素発生材31が、液体である水と接触することにより、水素を発生するものであるため、食品に由来するドリップがドリップシート1に到達した際に、液透過性シート3の食品載置面29に露出している水素発生材31が、ドリップに含まれる水分と迅速に反応し、水素を迅速に発生させ、食品の鮮度の低下を迅速に抑制することができる。
水素発生材31としては、液体状である水と接触することにより水素を発生する任意の材料を使用することができる。そのような材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は13族金属の水素化物を挙げることができ、水素化リチウム、水素化マグネシウム、水素化ホウ素カリウム、水素化アルミニウムカリウム等が挙げられる。これらの中でも、保管時の安定性に優れ、食品に付着した場合の安全性に優れる、水素化マグネシウムが好ましい。
(水素発生材の粒子径)
水素発生材31として、水素化マグネシウムを使用する場合、その平均粒径は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。水素化マグネシウムの平均粒径が上記の範囲内であることにより、後述する液透過性シート3の厚さとの関係で、液透過性シート3に水素発生材31である水素化マグネシウムを配置した場合に、水素発生材31が、液透過性シート3の食品載置面29に露出しやすい。また、液透過性シート3の基部9における厚さに対する、水素発生材31の平均粒径の比率は、0.05以上2未満であることが好ましい。これにより、水素発生材31が液透過性シート3の表面に十分に露出するとともに、水素発生材31が液透過性シート3から脱落し難い。よって、ドリップシート1が効果的に水素を発生しつつ、食品に多量の水素発生材31が付着することを効果的に防止できる。なお、ここでいう平均粒径とは、液透過性シート3に配置された状態での平均粒径を意味し、液透過性シート3を、走査型電子顕微鏡を使用して撮影し、視野中の水素発生材の粒子径を所定数以上計測することにより、求められるものである。
水素発生材31として、水素化マグネシウムを使用する場合、その平均粒径は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。水素化マグネシウムの平均粒径が上記の範囲内であることにより、後述する液透過性シート3の厚さとの関係で、液透過性シート3に水素発生材31である水素化マグネシウムを配置した場合に、水素発生材31が、液透過性シート3の食品載置面29に露出しやすい。また、液透過性シート3の基部9における厚さに対する、水素発生材31の平均粒径の比率は、0.05以上2未満であることが好ましい。これにより、水素発生材31が液透過性シート3の表面に十分に露出するとともに、水素発生材31が液透過性シート3から脱落し難い。よって、ドリップシート1が効果的に水素を発生しつつ、食品に多量の水素発生材31が付着することを効果的に防止できる。なお、ここでいう平均粒径とは、液透過性シート3に配置された状態での平均粒径を意味し、液透過性シート3を、走査型電子顕微鏡を使用して撮影し、視野中の水素発生材の粒子径を所定数以上計測することにより、求められるものである。
なお、本開示において、水素発生材は、液透過性シートの食品載置面及び食品非載置面において露出しており、食品載置面における第1開口部の周辺に露出した水素発生材の平均粒径が、食品非載置面における第1開口部の周辺に露出した水素発生材の平均粒径と比較して大きく、食品載置面における第1開口部の周辺に露出した水素発生材の粒子数が、食品非載置面における第1開口部の周辺に露出した水素発生材の粒子数と比較して多いことが好ましい。水素発生材が、液透過性シートの食品載置面に加えて、液透過性シートの食品非載置面に露出していることにより、食品から液透過性シートに移行するドリップ中の水分に加え、吸収シートに保持されるドリップ中の水分が水素発生材と反応し、水素を発生させることができるが、食品載置面における第1開口部の周辺は、食品非載置面における第1開口部の周辺と比較して、ドリップに接触する機会が多い。したがって、食品非載置面における第1開口部の周辺に比較して、食品載置面における第1開口部の周辺において、より大きな水素発生材が、より多く露出していることにより、水素発生材が、ドリップ中の水分に接しやすくなり、水素をより効率的に発生させることができる。なお、本明細書において、第1開口部の周辺とは、第1開口部に外接する円と、第1開口部の重心を中心として、当該外接する円の半径よりも、20%大きな半径を有する円とに囲まれる部分を指すものとする。
第1開口部の食品載置面及び食品非載置面に露出した、水素発生材の粒子径、及び粒子数を調整する方法については、特に限定されるものではないが、例えば、液透過性シートを形成するためのシートを、含まれる水素発生材の粒子径がより大きく、粒子数がより多い表側層と、含まれる水素発生材の粒子径がより小さく、粒子数がより少ない裏側層との積層シートとし、このシートに、後述する液透過性シートの製造方法を適用して、孔部を形成すればよい。ただし、本開示の液透過性シートにおいて、食品載置面と、食品非載置面とで、露出した水素発生材の粒子径や、粒子数を調整する方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、後述するプレート215を備えるドラム207を用いた液透過性シートの製造方法において、プレート215を介した吸引の圧力を調整することによっても、食品載置面と、食品非載置面とで、露出した水素発生材の粒子径や、粒子数を調整することができる。
(水素発生材の配合量)
水素発生材31の配合量は、例えば、液透過性シート3の全質量に対して、0.5〜8質量%であることが好ましい。一般に、水素発生材31の配合量が多いほど、水素の発生量が多くなるため、鮮度保持の観点からは水素発生材31の配合量を増やすことが好ましいが、製造コスト及び食品衛生の観点からは、水素発生材31の配合量を少なく抑えることが好ましい。
水素発生材31の配合量は、例えば、液透過性シート3の全質量に対して、0.5〜8質量%であることが好ましい。一般に、水素発生材31の配合量が多いほど、水素の発生量が多くなるため、鮮度保持の観点からは水素発生材31の配合量を増やすことが好ましいが、製造コスト及び食品衛生の観点からは、水素発生材31の配合量を少なく抑えることが好ましい。
[液透過性シート]
液透過性シート3における複数の孔部11のそれぞれは、基部9と連結している第1開口部13と、吸収シート5側に配置され且つ吸収シート5と接している第2開口部15と、第1開口部13及び第2開口部15を連結している導液部17とを備えており、水素発生材31の一部が、導液部17の内面に露出している。このような構成を採用することにより、基部9の食品載置面29に到達したドリップが、導液部17を通って吸収シート5に移行するが、導液部17に到達したドリップの量が少ない場合には、導液部17に到達するドリップの量が所定の量に到達するまで、ドリップが、導液部17の内部に滞留することもある。第1実施形態にしたがうドリップシート1では、水素発生材31の一部が導液部17の内面に露出しているため、導液部17を通過するドリップ、又は導液部17に滞留するドリップ中の水分と反応し、水素を発生させ、食品の鮮度の低下を抑制することができる。なお、液透過性シート3は、基部9の厚さが、基部9以外の部分の厚さ(具体的には孔部11の厚さ)に比較して、厚いことが好ましい。孔部11には、ドリップが保持されやすいので、孔部11の厚さが基部9と比較して薄いことにより、孔部11において水素発生材31が露出しやすくなり、水素発生材31とドリップ中の水分が反応して、水素を発生しやすくなる。
液透過性シート3における複数の孔部11のそれぞれは、基部9と連結している第1開口部13と、吸収シート5側に配置され且つ吸収シート5と接している第2開口部15と、第1開口部13及び第2開口部15を連結している導液部17とを備えており、水素発生材31の一部が、導液部17の内面に露出している。このような構成を採用することにより、基部9の食品載置面29に到達したドリップが、導液部17を通って吸収シート5に移行するが、導液部17に到達したドリップの量が少ない場合には、導液部17に到達するドリップの量が所定の量に到達するまで、ドリップが、導液部17の内部に滞留することもある。第1実施形態にしたがうドリップシート1では、水素発生材31の一部が導液部17の内面に露出しているため、導液部17を通過するドリップ、又は導液部17に滞留するドリップ中の水分と反応し、水素を発生させ、食品の鮮度の低下を抑制することができる。なお、液透過性シート3は、基部9の厚さが、基部9以外の部分の厚さ(具体的には孔部11の厚さ)に比較して、厚いことが好ましい。孔部11には、ドリップが保持されやすいので、孔部11の厚さが基部9と比較して薄いことにより、孔部11において水素発生材31が露出しやすくなり、水素発生材31とドリップ中の水分が反応して、水素を発生しやすくなる。
導液部17は、第1開口部13及び第2開口部15の間に屈曲部19を備えている。屈曲部19は、内方に屈曲しており、そして厚さ方向Tの荷重が加わった場合にさらに屈曲するように構成されている。屈曲部19は、平面方向Pに延びており、具体的には、導液部17を、平面方向Pにおいて一周している。
複数の孔部11のそれぞれでは、導液部17が、第1開口部13及び屈曲部19の間の第1導液部部分21と、屈曲部19及び第2開口部15の間の第2導液部部分23とに区画される。換言すると、導液部17は、食品載置面29側から、第1導液部部分21と、屈曲部19と、第2導液部部分23とに区画される。
第1導液部部分21の第1厚さT1は、第2導液部部分23の第2厚さT2よりも厚い。これにより、第1導液部部分21に比較して、第2導液部部分23において、水素発生材31がその表面に露出しやすくなるが、ドリップシート1の食品載置面29に食品が載置された状態においては、食品の重さにより、第2導液部部分23が、ドリップを保持する吸収シート5と接しやすい状態となるので、第1導液部部分21の第1厚さT1が、第2導液部部分23の第2厚さT2よりも厚いことにより、吸収シート5に接した第2導液部部分から水素が発生しやすくなる。なお、第1厚さT1は、第1導液部部分21の、厚さ方向Tの中間点における厚さを意味し、第2厚さT2は、第2導液部部分23の、厚さ方向Tの中間点における厚さを意味する。
第1導液部部分21及び第2導液部部分23は、それぞれ、第1開口部13及び第2開口部15から、内方に向かって突出するように屈曲して、屈曲部19を形成している。よって、屈曲部19により囲まれる開口部は、第1開口部13及び第2開口部15に比較して、開口面積が狭くなっており、屈曲部19から第1開口部13にかけて、ドリップを保持しやすくなっている。上述のとおり、第1導液部部分21及び第2導液部部分23には、水素発生材31が露出しているので、屈曲部19から第1開口部13にかけて保持されるドリップに含まれる水分が、水素発生材31と接触することにより、水素を発生することができる。なお、複数の孔部11のそれぞれにおいて、第2開口部15の少なくとも一部が、吸収シート5に接合されていることが好ましい。さらに、第1導液部部分21における単位面積当たりの水素発生材31の粒子数は、第2導液部部分23における単位面積当たりの水素発生材31の粒子数に比較して多い。これにより、屈曲部19の開口面積が狭くなっていることにより、第1導液部部分21に滞留しやすくなっている、ドリップ中の水分が、第1導液部部分21において、より効果的に水素を発生することができる。
ドリップシート1では、複数の孔部11のそれぞれにおいて、第1開口部13が、略円形の形状を有し、複数の孔部11が、平面方向Pにおいて、千鳥状、具体的には60°千鳥に配置されている。それにより、液透過性シート3において、位置による剛性、性能等の差が小なくできるとともに、食品載置面29に到達したドリップが導液部17に到達しやすくなるため、導液部17の内面に露出している水素発生材31とドリップ中の水分が接触することにより、水素が発生しやすくなる。
第1実施形態にしたがうドリップシート1では、第1開口部13及び第2開口部15のそれぞれの形状が円形であり、屈曲部19の厚さ方向Tと直交する方向の断面形状が円形であったが、本開示のドリップシートでは、液透過性シートの第1開口部及び第2開口部の形状、並びに屈曲部の、液透過性シートの厚さ方向Tと直交する方向の断面形状は、特に制限されず、例えば、楕円形(例えば、長径及び短径を有する楕円形、長径及び短径を有しない円形)、多角形(例えば、四角形、五角形、六角形等)、角丸の多角形(例えば、角丸の矩形)等であってもよい。液透過性シートが、ドリップを一定程度保持しやすくする観点からは、第1開口部及び第2開口部の形状、並びに屈曲部の断面形状は、楕円形又は角丸の多角形であることが好ましい。
本開示に係る液透過性シートでは、第1開口部及び第2開口部は、それぞれ、食品から滲出するドリップを透過させる導液部の、ドリップ侵入口及びドリップ排出口の役割を有する。
第2開口部は、第1開口部よりも基部から遠い位置に配置され、そして第1開口部よりも吸収シートに近い位置に配置される。
第2開口部は、第1開口部よりも基部から遠い位置に配置され、そして第1開口部よりも吸収シートに近い位置に配置される。
第1実施形態にしたがうドリップシート1では、複数の孔部11が、平面方向Pにおいて、千鳥状に配置されていたが、本開示のドリップシートでは、複数の孔部は、平面方向において、任意の配列で配置されうる。本開示のドリップシートでは、複数の孔部は、平面方向において、例えば、千鳥型(例えば、60°千鳥、角千鳥等)、並列型等に配置されうる。
本開示に係る液透過性シートでは、基部と、複数の孔部とは、液透過性シートの厚さ方向の高さ位置により区画される。
具体的には、液透過性シートを、食品載置面を上に向けて配置し、液透過性シートの中で最も高い位置に存在する部分の下面を基準とし、上記下面と同一の高さ又はそれより高い部分を基部と区画し、上記下面より低い部分を孔部と区画する。
具体的には、液透過性シートを、食品載置面を上に向けて配置し、液透過性シートの中で最も高い位置に存在する部分の下面を基準とし、上記下面と同一の高さ又はそれより高い部分を基部と区画し、上記下面より低い部分を孔部と区画する。
本開示に係る液透過性シートは、複数の層からなる積層シートであってもよい。例えば、食品載置面から食品非載置面に向かって、水素発生材を含む層A/水素発生材を含まない層Bが積層された2層構造であってもよいし、食品載置面から食品非載置面に向かって、水素発生材を含む層A’/水素発生材を含まない層B’/水素発生材を含む層C’が積層された3層構造であってもよいし、食品載置面から食品非載置面に向かって、全ての層が水素発生材を含む層A’’/層B’’/層C’’が積層された3層構造であってもよい。この場合、層B、層B’、及び層B’’に比較して、層A、層A’、及び層A’’の水素発生材の配合量は、それぞれ多いことが好ましく、層B’、及び層B’’に比較して、層C’、及び層C’’の水素発生材の配合量は、それぞれ多いことが好ましい。液透過性シートの食品載置面に露出する層A、層A’、及び層A’’が、層B、層B’、及び層B’’に比較して、それぞれ、水素発生材をより多く含有することにより、液透過性シートの食品載置面に、水素発生材をより多く配置することができ、ドリップ中の水分とより接触しやすいので、水素発生の効率を高めることができる。また、層B’、及び層B’’に比較して、液透過性シートの食品非載置面に露出する層C’、及び層C’’が、それぞれ、水素発生材をより多く含有することにより、液透過性シートの食品非載置面に、水素発生材をより多く配置することができ、吸収シートが吸収したドリップが、液透過性シートに接触した際に、ドリップ中の水分と、層C’、及び層C’’に含まれる水素発生材とが反応して水素を発生させることができ、持続的に水素を発生させることができる。
水素発生材を含む層A’及び層A’’における水素発生材の配合量は、水素発生材を含む層C’及び層C’’における水素発生材の配合量と比較して、それぞれ、多くても、少なくても、同じであってもよいが、食品載置面における水素の発生効率を高める観点から、層C’及び層C’’に比較して、層A’及び層A’’への水素発生材の配合量を多くすることが好ましい。なお、液透過性シートが複数の層からなるものとし、少なくとも食品載置面に露出する層と、食品非載置面に露出する層とに、水素発生材を配合することにより、水素発生材の使用量を増やさなくても、液透過性シートの食品載置面及び食品非載置面に露出する水素発生材の量を増大させることができるので、水素発生の効率を高めることができる。
本開示に係る液透過性シートでは、上述のとおり、複数の孔部のそれぞれにおいて屈曲部を備えていてもよいが、この屈曲部が設けられている場合には、ドリップシートに食品を載置していない状態において、すなわち、荷重の加わっていない状態において、屈曲部が内方に屈曲していることが好ましい。また、上記屈曲部は、ドリップシートの厚さ方向の荷重が加わった場合に、ドリップシートの厚さ方向にさらに屈曲するように構成されていることが好ましい。そうすることにより、食品載置面に到達したドリップを、導液部において、一定程度保持しやすくすることができ、導液部の内面に露出した水素発生材と、ドリップ中の水分とが接触することにより、水素を発生しやすくすることができる。
さらに、上記屈曲部は、所定の荷重が加わった後、所定の荷重が取り除かれると、その形状が復元することが好ましい。ドリップシートの耐久性を向上させる観点からである。
本開示に係る液透過性シートでは、複数の孔部のそれぞれの導液部が、上記屈曲部の変形に合わせて、所定の荷重に応じて、ドリップシートの厚さ方向に変形することが好ましい。
本開示に係る液透過性シートでは、複数の孔部のそれぞれの導液部が、上記屈曲部の変形に合わせて、所定の荷重に応じて、ドリップシートの厚さ方向に変形することが好ましい。
本開示に係る液透過性シートでは、上記屈曲部が設けられている場合には、複数の孔部のそれぞれにおける屈曲部は、平面方向において、好ましくは導液部を間欠的又は連続的に一周している。なお、屈曲部は、概ね平面方向に延びていれば、平面方向と平行に延びていなくともよい。
なお、複数の孔部のそれぞれにおける屈曲部が、導液部を連続的に一周していない場合には、導液部の第1導液部部分と、第2導液部部分とは、屈曲部の仮想延長線により区画される。
なお、複数の孔部のそれぞれにおける屈曲部が、導液部を連続的に一周していない場合には、導液部の第1導液部部分と、第2導液部部分とは、屈曲部の仮想延長線により区画される。
本開示に係る液透過性シートでは、複数の孔部のそれぞれにおいて、第1導液部部分の厚さと、第2導液部部分の厚さとは任意であるが、第1導液部部分の厚さが、第2導液部部分の厚さよりも厚いことが好ましい。上述の厚さの関係は、孔部を、導液部の軸線を通り且つドリップシートの厚さ方向に延びる平面でカットした、1つの孔部断面において、第1導液部部分の、第1開口部及び屈曲部の中間点(具体的には、ドリップシートの厚さ方向における、第1導液部部分の中間点)と、第2導液部部分の、屈曲部及び第2開口部の中間点(具体的には、ドリップシートの厚さ方向における、第2導液部部分の中間点)との間で満たすことが好ましく、そして第1導液部部分の任意の点と、第2導液部部分の任意の点との間で満たすことが好ましい。第1導液部部分21の厚さが、第2導液部部分23の厚さよりも厚いことにより、厚さのより薄い第2導液部部分23において、水素発生材31が導液部17の内面に露出しやすくなるが、第2導液部部分23は、ドリップシート1に食品が載置された際に、食品の荷重により、液透過性シート3の下層に位置し、ドリップを保持する吸収シート5と接しやすいので、第2導液部部分23から水素が発生しやすくなる。
なお、上述の厚さの関係は、複数の孔部断面において満たすことが好ましく、そして任意の孔部断面において満たすことがより好ましい。
なお、上述の厚さの関係は、複数の孔部断面において満たすことが好ましく、そして任意の孔部断面において満たすことがより好ましい。
本開示に係る液透過性シートでは、複数の孔部のそれぞれにおいて、第1導液部部分の、液透過性シートの厚さ方向の長さと、第2導液部部分の、液透過性シートの厚さ方向の長さとは任意であるが、第1導液部部分の、液透過性シートの厚さ方向の長さが、第2導液部部分の、液透過性シートの厚さ方向の長さよりも長いことが好ましい。上述の長さの関係は、孔部を、導液部の軸線を通り且つドリップシートの厚さ方向に延びる平面でカットした、1つの孔部断面において満たすことが好ましく、複数の孔部断面において満たすことがより好ましく、そして任意の孔部断面において満たすことがさらに好ましい。所定の荷重が加えられた場合に、食品と、吸収シートとを離間させることができ、吸収シートに吸収されたドリップが食品に戻りにくく、食品が劣化しにくくなるからである。
本開示に係る液透過性シートでは、複数の孔部のそれぞれにおいて、第2導液部部分が、内方及び外方に湾曲していなくともよく、そして内方又は外方に突出するように湾曲していてもよいが、内方に突出するように湾曲していることが好ましい。第2導液部部分が内方に突出していることにより、屈曲部及び第1導液部部分でドリップを保持しやすくなり、第1導液部部分の内面に露出している水素発生材がドリップ中の水分と接触することにより、水素を発生しやすくなる。
本開示に係る液透過性シートでは、複数の孔部のそれぞれにおいて、第1導液部部分が、内方及び外方に湾曲していなくともよく、そして内方又は外方に突出するように湾曲していてもよいが、内方に突出するように湾曲していることが好ましい。第1導液部部分が内方に突出していることにより、屈曲部及び第1導液部部分でドリップを保持しやすくなり、第1導液部部分の内面に露出している水素発生材がドリップ中の水分と接触することにより、水素を発生しやすくなる。
本開示のドリップシートでは、液透過性シートが、複数の孔部を、平面方向において、好ましくは200〜400個/cm2、より好ましくは250〜350個/cm2、そしてさらに好ましくは270〜330個/cm2の個数密度で有する。食品から滲出した少量のドリップを、確実に吸収シートに移行させることができ、食品とドリップとの接触を最小限に抑えることができるので、食品の鮮度を保持しやすい。
本開示に係る液透過性シートでは、上記屈曲部が設けられている場合には、複数の孔部のそれぞれの屈曲部が、好ましくは0.01〜0.10mm2/個、より好ましくは0.02〜0.08mm2/個、そしてさらに好ましくは0.03〜0.07mm2/個の面積を有する。そうすることにより、食品から滲出したドリップが、液透過性シートに滞留せず、吸収シートに移行しやすくなるので、食品とドリップとの接触を最小限に抑えることができ、食品の鮮度を保持しやすい。一方、導液部17には、少量のドリップが保持されやすくなるので、導液部17の内面に露出した水素発生材31と、ドリップ中の水分との接触により、水素が発生しやすくなる。
本発明のドリップシートでは、液透過性シートが、上記屈曲部を備える場合には、好ましくは12〜23%、より好ましくは15〜20%、そしてさらに好ましくは16〜19%の、複数の孔部の屈曲部開口率を有する。食品から滲出した少量のドリップを、確実に吸収シートに移行させる一方で、導液部に一定量のドリップを保持しやすくして、導液部の内面に露出する水素発生材が、ドリップ中の水分と接触して、水素を発生しやすくなる。
なお、屈曲部開口率は、「測定領域における屈曲部の総面積」を、「測定領域における液透過性シートの面積」で除すことにより算出される。
なお、屈曲部開口率は、「測定領域における屈曲部の総面積」を、「測定領域における液透過性シートの面積」で除すことにより算出される。
屈曲部の面積、並びに屈曲部開口率は、以下の通り測定される。
(1)キーエンス社製のマイクロスコープ VHX−2000を準備する。
(2)上記マイクロスコープを用いて、ドリップシートの液透過性シートの食品載置面の画像を、厚さ方向から撮影する。
(3)付属のソフトウェアにて、個々の屈曲部の面積を計100箇所測定し、その平均値を屈曲部の面積として採用する。
(4)「測定領域における屈曲部の総面積」を、「測定領域における液透過性シートの面積」で除すことにより、屈曲部開口率を算出する。
(1)キーエンス社製のマイクロスコープ VHX−2000を準備する。
(2)上記マイクロスコープを用いて、ドリップシートの液透過性シートの食品載置面の画像を、厚さ方向から撮影する。
(3)付属のソフトウェアにて、個々の屈曲部の面積を計100箇所測定し、その平均値を屈曲部の面積として採用する。
(4)「測定領域における屈曲部の総面積」を、「測定領域における液透過性シートの面積」で除すことにより、屈曲部開口率を算出する。
(液透過性シートの素材)
本開示に係る液透過性シートの素材は、当技術分野で液透過性シートとして用いられている素材、例えば、熱可塑性樹脂を特に制限なく採用することができ、例えば、上記素材としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエチレンテレフタラート、エチレン・酢酸ビニルコポリマー等が挙げられる。
上記素材としては、ポリオレフィンであることが好ましく、そしてポリエチレンであることがより好ましい。
本開示に係る液透過性シートの素材は、当技術分野で液透過性シートとして用いられている素材、例えば、熱可塑性樹脂を特に制限なく採用することができ、例えば、上記素材としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエチレンテレフタラート、エチレン・酢酸ビニルコポリマー等が挙げられる。
上記素材としては、ポリオレフィンであることが好ましく、そしてポリエチレンであることがより好ましい。
上記素材としてのポリエチレンとしては、高密度ポリエチレンを含むことが好ましく、そして高密度ポリエチレンを、好ましくは50〜100質量%、そしてより好ましくは70〜100質量%含む。
上記素材が、ポリエチレンのみから構成される場合には、上記素材は、高密度ポリエチレンのみから構成されるか、又は高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの混合物から構成されることができる。また、上記素材が、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの混合物から構成される場合には、上記素材は、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンを、それぞれ、好ましくは50質量%以上且つ100質量%未満及び0質量%超且つ〜50質量%以下含み、そしてより好ましくは70質量%以上且つ100質量%未満及び0質量%超且つ〜30質量%以下含むことができる。
上記素材が高密度ポリエチレンを含むことにより、上記素材が低密度ポリエチレンのみを含む場合と比較して、導液部の、第1開口部及び屈曲部の間の部分(第1導液部部分)と、屈曲部との剛性に優れ、そして屈曲部と、導液部の、屈曲部及び第2開口部の間の部分(第2導液部部分)との復元力に優れる。
上記素材が高密度ポリエチレンを含むことにより、上記素材が低密度ポリエチレンのみを含む場合と比較して、導液部の、第1開口部及び屈曲部の間の部分(第1導液部部分)と、屈曲部との剛性に優れ、そして屈曲部と、導液部の、屈曲部及び第2開口部の間の部分(第2導液部部分)との復元力に優れる。
本開示に係る液透過性シートは、好ましくは19〜34g/m2、そしてより好ましくは22〜29g/m2の坪量を有する。
本開示において、坪量は、以下の通り測定される。
100mm×100mmのサイズの試料を10枚採取し、各試料の質量を測定し、次いで、各試料の質量(g)を、各試料の面積(m2)で除することにより、各試料の坪量を算出する。計10個の試料の坪量の平均値を算出し、当該平均値を坪量として採用する。
本開示において、坪量は、以下の通り測定される。
100mm×100mmのサイズの試料を10枚採取し、各試料の質量を測定し、次いで、各試料の質量(g)を、各試料の面積(m2)で除することにより、各試料の坪量を算出する。計10個の試料の坪量の平均値を算出し、当該平均値を坪量として採用する。
本開示に係る液透過性シートは、好ましくは0.10〜0.50mm、そしてより好ましくは0.20〜0.40mmのみかけ厚さを有する。上記みかけ厚さは、大栄科学精器製作所製の厚さ測定器、FS−60DS(プレッサーフートの直径:50.5mm,測定圧:0.3KPa)を用いて測定される。
[吸収シート]
本開示のドリップシートでは、吸収シートは、当技術分野で通常用いられているものを採用することができ、天然繊維及び合成繊維を含むことができる。ドリップシートが、水を多く含む場合には、吸収シートは、例えば、エアレイドパルプ、ウェットクレープ紙、ティッシュペーパー、親水化処理された合成繊維及びパルプを含む不織布、親水化処理された合成繊維から成る不織布(例えば、エアスルー不織布)等であることができる。また、ドリップが油脂を多く含む場合には、吸収シートは、疎水性であることが好ましく、例えば、親水化処理されていない合成繊維の不織布(例えば、エアスルー不織布)であることができる。なお、吸収シートには、パルプ繊維に親水性又は疎水性の樹脂を併用したエアレイドパルプや、クレープ紙のような樹脂成分を併用せずに、パルプ繊維のみからなるシートを用いることもできるが、水分の多いドリップの液拡散性を高める上では、パルプ繊維に親水性の樹脂を併用したエアレイドパルプ、又は樹脂を併用しない、パルプ繊維のみからなるシートを用いることが好ましく、樹脂を併用しない、パルプ繊維のみかなるシートを用いることが最も好ましい。
本開示のドリップシートでは、吸収シートは、当技術分野で通常用いられているものを採用することができ、天然繊維及び合成繊維を含むことができる。ドリップシートが、水を多く含む場合には、吸収シートは、例えば、エアレイドパルプ、ウェットクレープ紙、ティッシュペーパー、親水化処理された合成繊維及びパルプを含む不織布、親水化処理された合成繊維から成る不織布(例えば、エアスルー不織布)等であることができる。また、ドリップが油脂を多く含む場合には、吸収シートは、疎水性であることが好ましく、例えば、親水化処理されていない合成繊維の不織布(例えば、エアスルー不織布)であることができる。なお、吸収シートには、パルプ繊維に親水性又は疎水性の樹脂を併用したエアレイドパルプや、クレープ紙のような樹脂成分を併用せずに、パルプ繊維のみからなるシートを用いることもできるが、水分の多いドリップの液拡散性を高める上では、パルプ繊維に親水性の樹脂を併用したエアレイドパルプ、又は樹脂を併用しない、パルプ繊維のみからなるシートを用いることが好ましく、樹脂を併用しない、パルプ繊維のみかなるシートを用いることが最も好ましい。
本開示のドリップシートにおいて用いられる吸収シートは、クレム法にしたがって測定される吸水度が、吸水シートの第1方向、及び第1方向と直交する第2方向において、それぞれ、5mm以上であることが好ましく、30mm以上100mm以下であることがより好ましく、50mm以上90mm以下であることが最も好ましい。ドリップシートの、液透過性シートの表面に到達したドリップは、吸収シートに到達し、吸収シートにおいて平面方向に拡散するが、吸収シートに一定量のドリップが保持されると、吸収シートに保持されたドリップが、液透過性シートの食品非載置面に接触する。吸収シートがクレム法による上記の吸水度を有するものとすることにより、吸水シートが効果的にドリップを拡散するので、液透過性シートの食品非載置面側の表面のより広範な面に、ドリップが接触しやすくなるので、水素発生材がドリップ中の水分と反応しやすくなり、水素発生の効率が高まる。ここで、第1方向とは、例えばMD方向であり、第2方向とは、MD方向と直交するCD方向であることが好ましいが、第1方向がCD方向であり、第2方向がMD方向であってもよい。なお、吸水シートのMD方向の吸水度と、CD方向の吸水度との差は、両者のうち大きいほうの吸水度に対して、±30%以下であることが好ましく、±25%以下であることがより好ましい。
[液不透過性シート]
ドリップシート1は、吸収シート5の、液透過性シート3と反対側の面に隣接して、液不透過性シート7をさらに備える。ドリップシート1が、液不透過性シート7を備えていることにより、ドリップがドリップシート1の外部に漏出し難く、吸収シート5がドリップを保持しやすいため、ドリップシート1に食品が載置された際に、第2導液部部分23の内面に露出する水素発生材31が、吸収シート5に保持されるドリップ中の水分に接触しやすくなり、水素を発生しやすくなる。これにより、食品の鮮度の低下を抑制することができる。
ドリップシート1は、吸収シート5の、液透過性シート3と反対側の面に隣接して、液不透過性シート7をさらに備える。ドリップシート1が、液不透過性シート7を備えていることにより、ドリップがドリップシート1の外部に漏出し難く、吸収シート5がドリップを保持しやすいため、ドリップシート1に食品が載置された際に、第2導液部部分23の内面に露出する水素発生材31が、吸収シート5に保持されるドリップ中の水分に接触しやすくなり、水素を発生しやすくなる。これにより、食品の鮮度の低下を抑制することができる。
(液不透過性シートの素材)
液不透過性シート7としては、液透過性シート3と同様に、熱可塑性樹脂からなるシートを特に制限なく採用することができ、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエチレンテレフタラート、エチレン・酢酸ビニルコポリマー等が挙げられる。
液不透過性シート7としては、液透過性シート3と同様に、熱可塑性樹脂からなるシートを特に制限なく採用することができ、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエチレンテレフタラート、エチレン・酢酸ビニルコポリマー等が挙げられる。
本開示のドリップシートの層構成は、液透過性シートと、吸収シートとを含むものであれば、特に制限されず、例えば、液透過性シート/吸収シート、液透過性シート/吸収シート/液不透過性シート、液透過性シート/吸収シート/液透過性シート(食品の複数段積み用)等が挙げられる。
[ドリップシート用の液透過性シートの製造方法]
本開示のドリップシート用の液透過性シートの製造方法(以下、単に「製造方法」と称する場合がある)は、以下のステップを含む。
・熱可塑性樹脂のペレット(ベースレジン)と、水素発生材を含むマスターバッチを混練して、水素発生材を含む樹脂組成物を得るステップ(以下、「原料準備ステップ」と称する)
・樹脂組成物を、射出成型して、フィルム材料を形成するステップ(以下、「フィルム材料準備ステップ」と称する)
・ドリップシート用の液透過性シートを製造するためのプレートを準備するステップ(以下、「プレート準備ステップ」と称する)
・上記プレートに、液透過性シートを形成すべきフィルムを載せ、上記複数の貫通孔部のそれぞれを減圧し、複数の孔部を有する液透過性シートを形成するステップ(以下、「液透過性シート形成ステップ」と称する)
なお、本開示のドリップシート用の液透過性シートを製造するためのプレート(以下、単に「プレート」と称する場合がある)は、上記製造方法とともに説明する。
本開示のドリップシート用の液透過性シートの製造方法(以下、単に「製造方法」と称する場合がある)は、以下のステップを含む。
・熱可塑性樹脂のペレット(ベースレジン)と、水素発生材を含むマスターバッチを混練して、水素発生材を含む樹脂組成物を得るステップ(以下、「原料準備ステップ」と称する)
・樹脂組成物を、射出成型して、フィルム材料を形成するステップ(以下、「フィルム材料準備ステップ」と称する)
・ドリップシート用の液透過性シートを製造するためのプレートを準備するステップ(以下、「プレート準備ステップ」と称する)
・上記プレートに、液透過性シートを形成すべきフィルムを載せ、上記複数の貫通孔部のそれぞれを減圧し、複数の孔部を有する液透過性シートを形成するステップ(以下、「液透過性シート形成ステップ」と称する)
なお、本開示のドリップシート用の液透過性シートを製造するためのプレート(以下、単に「プレート」と称する場合がある)は、上記製造方法とともに説明する。
図6は、第1実施形態にしたがうドリップシート1の液透過性シート3を製造するための装置201の概略図である。図7は、成形ドラム207の斜視図であり、プレート215の貫通孔部221を拡大して示している。図8は、図7のVIII−VIII断面における、プレート215の断面図である。
図6に示されるように、装置201は、押出機203と、Tダイ205と、吸引ゾーン209を備える成形ドラム207と、クーリングロール211と、巻き取りロール213とを備えている。成形ドラム207は、その軸線が、搬送方向MDと直交する直交方向CDに延びる略円筒形のプレート215と、吸引機(図示せず)とを備え、プレート215は、外面としての第1面217と、内面としての第2面219とを有し、プレート215は、第1面217から第2面219に貫通している、複数の貫通孔部221を備えている。
複数の貫通孔部221のそれぞれは、プレート215の周面方向CSにおける断面形状が円形であり、複数の貫通孔部221が、プレート215の周面方向CSに、千鳥状、具体的には60°千鳥で配置されている。なお、図7では、複数の貫通孔部221の一部のみが、拡大された状態で示されている。
プレート215の複数の貫通孔部221は、第1実施形態にしたがうドリップシート1の液透過性シート3の複数の孔部11に対応する位置に配置されている。
プレート215の複数の貫通孔部221は、第1実施形態にしたがうドリップシート1の液透過性シート3の複数の孔部11に対応する位置に配置されている。
複数の貫通孔部221のそれぞれは、第1面217に配置された第1面側開口部225と、第2面219に配置された第2面側開口部227とを備え、そして複数の貫通孔部221のそれぞれが、第1面側開口部225及び第2面側開口部227を連結するように配置されている。複数の貫通孔部221のそれぞれはまた、第1面側開口部225及び第2面側開口部227の間に、第1面側開口部225及び第2面側開口部227のそれぞれの径よりも小さな径を有するくびれ部223を備えている。
第1面側開口部225、第2面側開口部227及びくびれ部223のそれぞれは、プレート215の周面方向CSの断面形状が円形であり、そして第1面側開口部225、第2面側開口部227及びくびれ部223の中心は、貫通孔部221の軸線上に存在している、すなわち、第1面側開口部225、第2面側開口部227及びくびれ部223の中心が、プレート215の厚さ方向TDに平行な1本の直線上に配置されている。
図6及び図7に示されるように、液透過性シート3を構成する熱可塑性樹脂のペレットと、平均粒径が20μmから100μmの水素発生材31を含むマスターバッチとを、混練機(図示しない)を用いて混練し、熱可塑性樹脂と水素発生材とが略均一に混合された樹脂組成物を得た後、これを押出機203に投入すると、樹脂組成物が、押出機203内で再度、溶融し、溶融したペレットが、Tダイ205から射出され、液透過性シートを形成すべきフィルム229が形成される。フィルム229は、成形ドラム207のプレート215に接触しながら、プレート215とともに回転し、搬送方向MDに搬送される。なお、水素発生材31を含むマスターバッチとして、平均粒径が20μmから100μmの水素発生材31を含むマスターバッチを用いることにより、混練・押出・射出成型後に、平均粒径が5μmから40μmの水素発生材31を含む液透過性シート3が得られる。なお、熱可塑性樹脂のペレットと、マスターバッチとを混練する際の条件については、当技術分野で行われているものと同等の条件を採用することができる。
成形ドラム207の吸引ゾーン209において、複数の貫通孔部221のそれぞれを減圧すると、フィルム229の、複数の貫通孔部221に接している部分が、貫通孔部221内に引き込まれ、フィルム229に、複数の孔部11が形成される。次いで、複数の孔部11を備えるフィルム229を、クーリングロール211で冷却することにより、複数の孔部11を備える液透過性シート3が形成され、液透過性シート3が、巻き取りロール213に巻き取られる。
具体的には、複数の貫通孔部221において、第1面側開口部225及びくびれ部223の間では、フィルム229の引き込まれた部分が、その形状に沿って変形し、液透過性シート3の第1導液部部分21が形成される。また、くびれ部223及び第2面側開口部227の間では、フィルム229の引き込まれた部分が、その形状に沿って破裂し、くびれ部223に、液透過性シート3の屈曲部19が形成され、そしてくびれ部223及び第2面側開口部227の間に、液透過性シート3の第2導液部部分23が形成される。
第1導液部部分21は、フィルム229が、その径が順次小さくなる、プレート215の第1面側開口部225及びくびれ部223の間の部分に押さえつけられながら形成したため、第2導液部部分23と比較して、その厚さが厚くなり、剛性が高くなる傾向がある。また、第2導液部部分23は、フィルム229が、その径が順次大きくなる、くびれ部223及び第2面側開口部227の間において、拡がりながら破裂することにより形成されたため、第1導液部部分21と比較して、その厚さが薄くなり、剛性が低くなる傾向がある。
製造される液透過性シート3において、複数の孔部11のそれぞれの第1開口部13の形状及び径は、プレート215の複数の貫通孔部221の第1面側開口部225の形状及び径によって概ね決定される。
また、製造された液透過性シート3において、複数の孔部11のそれぞれの屈曲部19の形状及び径は、フィルム229の剛性にもよるが、プレート215の複数の貫通孔部221のくびれ部223の形状及び径によって概ね決定される。
また、製造された液透過性シート3において、複数の孔部11のそれぞれの屈曲部19の形状及び径は、フィルム229の剛性にもよるが、プレート215の複数の貫通孔部221のくびれ部223の形状及び径によって概ね決定される。
さらに、製造された液透過性シート3において、複数の孔部11のそれぞれの第2開口部15の形状及び径は、フィルム229の剛性にもよるが、プレート215の複数の貫通孔部221の第2面側開口部227の形状及び径によって概ね決定される。
本開示の製造方法では、液透過性シートを形成すべきフィルムは、ドリップシートの液透過性シートと同様の坪量を有することが好ましい。
本開示の製造方法では、液透過性シートを形成すべきフィルムの厚さは、上記坪量の要件を満たすものであれば特に制限されないが、例えば、20〜35μmが挙げられる。
上記フィルムの厚さは、大栄科学精器製作所製の厚さ測定器、FS−60DS(プレッサーフートの直径:50.5mm,測定圧:0.3KPa)を用いて測定される。
なお、特定の部分についてフィルムの厚さを決定する場合、同一の又は対応した形態を有する部分から、任意の5点の厚さを測定し、それらの平均を当該部分の厚さとすることが好ましい。
本開示の製造方法では、液透過性シートを形成すべきフィルムの厚さは、上記坪量の要件を満たすものであれば特に制限されないが、例えば、20〜35μmが挙げられる。
上記フィルムの厚さは、大栄科学精器製作所製の厚さ測定器、FS−60DS(プレッサーフートの直径:50.5mm,測定圧:0.3KPa)を用いて測定される。
なお、特定の部分についてフィルムの厚さを決定する場合、同一の又は対応した形態を有する部分から、任意の5点の厚さを測定し、それらの平均を当該部分の厚さとすることが好ましい。
また、本開示の製造方法では、液透過性シートを形成すべきフィルムに、複数の孔部を形成する際の、温度、減圧等の条件は、当技術分野で行われているものと同等の条件であるため、説明を省略する。
本開示のプレートでは、複数の貫通孔部は、ドリップシートの液透過性シートの複数の孔部に対応する位置に配置される。換言すると、複数の貫通孔部は、ドリップシートの複数の孔部の所望の配置に合わせて、プレートに配置することができる。
また、本開示のプレートにおいて、複数の貫通孔部の中心を通る、プレートの厚さ方向の断面形状は、プレートの平面方向(プレートがドラム状の場合には周面方向)の幅が、くびれ部を最狭部とするものであることが好ましく、そしてくびれ部を最狭部として屈曲していてもよく、くびれ部を最狭部として湾曲していてもよい。液透過性シートに屈曲部を形成する観点からである。
なお、液透過性シートを、プレートから遠ざける際に、液透過性シートの複数の孔部を保護する観点からは、上記プレートは、くびれ部を最狭部として湾曲していることが好ましい。
なお、液透過性シートを、プレートから遠ざける際に、液透過性シートの複数の孔部を保護する観点からは、上記プレートは、くびれ部を最狭部として湾曲していることが好ましい。
本開示のプレートの複数の貫通孔部のそれぞれにおいて、第1面側開口部の幅に対するくびれ部の幅の比率は、好ましくは0.30〜0.70、より好ましくは0.40〜0.60、そしてさらに好ましくは0.45〜0.55である。液透過性シートの複数の孔部に、屈曲部を形成する観点からである。
また、第2面側開口部の幅に対するくびれ部の幅の比率は、同様の理由により、好ましくは0.30〜0.70、より好ましくは0.40〜0.60、そしてさらに好ましくは0.45〜0.55である。
また、第2面側開口部の幅に対するくびれ部の幅の比率は、同様の理由により、好ましくは0.30〜0.70、より好ましくは0.40〜0.60、そしてさらに好ましくは0.45〜0.55である。
本開示のプレートでは、複数の貫通孔部の個数密度、第1面側開口部の面積(プレートの平面方向の面積)、くびれ部の面積(プレートの平面方向の面積)、くびれ部開口率(第1面側開口部の総面積/プレートの面積)、第2面側開口部の面積(プレートの平面方向の面積)等は、形成すべき液透過性シートによって変化しうる。
上述の複数の貫通孔部の個数密度、くびれ部の面積及びくびれ部開口率は、形成される液透過性シートにおいて、複数の孔部が、プレートの貫通孔部の内側に形成されることを考慮した上で、それぞれ、液透過性シートにおける複数の孔部の個数密度、屈曲部の面積及び屈曲部開口率と同一又は類似の範囲を有することが好ましい。
上述の複数の貫通孔部の個数密度、くびれ部の面積及びくびれ部開口率は、形成される液透過性シートにおいて、複数の孔部が、プレートの貫通孔部の内側に形成されることを考慮した上で、それぞれ、液透過性シートにおける複数の孔部の個数密度、屈曲部の面積及び屈曲部開口率と同一又は類似の範囲を有することが好ましい。
すなわち、本開示のプレートは、複数の貫通孔部を、好ましくは200〜400個/cm2、より好ましくは250〜350個/cm2、そしてさらに好ましくは270〜330個/cm2の個数密度で有する。また、本開示のプレートでは、複数の貫通孔部のそれぞれが、好ましくは0.01〜0.12mm2、より好ましくは0.02〜0.10mm2、そしてさらに好ましくは0.03〜0.09mm2のくびれ部の面積を有する。さらに、本開示のプレートは、好ましくは12〜25%、より好ましくは15〜22%、そしてさらに好ましくは16〜21%のくびれ部開口率を有する。
<第2実施形態>
[ドリップシート]
以下、第2実施形態のドリップシートについて説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と重複する部分については、その説明を省略することがある。
[ドリップシート]
以下、第2実施形態のドリップシートについて説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と重複する部分については、その説明を省略することがある。
第2実施形態のドリップシートは、布帛である、吸収シートを備え、必要に応じて、一方面に液透過性シートを、他方面に液不透過性シートを備えている。第1実施形態のドリップシート1においては、液透過性シート3が水素発生材31を具備していたが、第2実施形態のドリップシートでは、布帛である、吸収シートに水素発生材を備えている。ドリップを保持する吸収シートが水素発生材を備えることにより、ドリップに含まれる水分と、水素発生材とが効率よく反応し、継続的に水素を発生することができる。
吸収シートは、当技術分野で通常用いられているものを採用することができ、天然繊維及び合成繊維を含むことができる。ドリップシートが、水を多く含む場合には、吸収シートは、例えば、エアレイドパルプ、ウェットクレープ紙、ティッシュペーパー、親水化処理された合成繊維及びパルプを含む不織布、親水化処理された合成繊維から成る不織布(例えば、エアスルー不織布)等であることができる。また、ドリップが油脂を多く含む場合には、吸収シートは、疎水性であることが好ましく、例えば、親水化処理されていない合成繊維の不織布(例えば、エアスルー不織布)であることができる。本実施形態のドリップシートにおいて、吸収シートに水素発生材を保持させる手段については、特に限定されず、例えば、水素発生材を接着剤に混練し、吸収シートを構成する繊維に、略均一に塗布する方法等を採用することができる。
以下、例を挙げて本開示を説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
[製造例1]
図6に示される装置201を用いて、第1実施形態にしたがうドリップシート1を製造した。具体的には、平均粒径50μmの水素化マグネシウム、高密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンが、それぞれ、1質量%、49.5質量%、及び49.5質量%となるように、原料を投入して、除湿乾燥を行いながら、均一になるまで混練して樹脂組成物を形成し、これを、図6に示される装置201の押出機203に投入して、水素化マグネシウム粒子、高密度ポリエチレン(HDPE)、及び低密度ポリエチレン(LDPE)含むフィルムNo.1を製造した。フィルムNo.1は、水素化マグネシウム粒子、高密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンに加えて、顔料、添加剤等を含む。フィルムNo.1の性状を測定したところ、基部において厚さ25μmを有しており、フィルムNo.1の目付は24g/m2であった。
図6に示される装置201を用いて、第1実施形態にしたがうドリップシート1を製造した。具体的には、平均粒径50μmの水素化マグネシウム、高密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンが、それぞれ、1質量%、49.5質量%、及び49.5質量%となるように、原料を投入して、除湿乾燥を行いながら、均一になるまで混練して樹脂組成物を形成し、これを、図6に示される装置201の押出機203に投入して、水素化マグネシウム粒子、高密度ポリエチレン(HDPE)、及び低密度ポリエチレン(LDPE)含むフィルムNo.1を製造した。フィルムNo.1は、水素化マグネシウム粒子、高密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンに加えて、顔料、添加剤等を含む。フィルムNo.1の性状を測定したところ、基部において厚さ25μmを有しており、フィルムNo.1の目付は24g/m2であった。
フィルムNo.1を、成形ドラム207に通し、液透過性シートNo.1を製造した。成形ドラム207のプレート215において、第1面側開口部225、くびれ部223及び第2面側開口部227のそれぞれは、円形の断面形状を有し、それらの周面方向の面積は、それぞれ、0.19mm2、0.05mm2及び0.09mm2であった。また、プレート215の厚さは、0.36mmであった。
図3から図5に示すように、液透過性シートNo.1の表面及び断面を、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、「FlexSEM1000 走査電子顕微鏡」)で撮影したところ、水素化マグネシウム粒子(例えば、図3から図5において矢頭で示す粒子)は、液透過性シートの食品載置面、及び導液部の内面に露出しており、その平均粒径は20μmであった。基部の厚さに対する、水素化マグネシウム粒子の平均粒径の比率は、0.8であった。
下層である吸収シートとして、50cm×50cmにカットされたエアレイドパルプ(90%のNBKPにバインダーとして10%の親水性樹脂を用いたもの、坪量:52g/m2)を用意し、これに、ホットメルト接着剤を坪量2g/m2で繊維状にスプレー塗工し、その上に、上層として、50cm×50cmにカットされた液透過性シートNo.1を積み重ねて、積層物を形成し、積層物に0.02kg/cm2の圧力を加えて、ドリップシートNo.1を製造した。
[製造例2]
高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンに対して、3質量%となるように水素化マグネシウムを配合した点以外は、製造例1と同様にして、液透過性シートNo.2を製造し、この液透過性シートNo.2から、製造例1と同様にして、ドリップシートNo.2を製造した。
高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンに対して、3質量%となるように水素化マグネシウムを配合した点以外は、製造例1と同様にして、液透過性シートNo.2を製造し、この液透過性シートNo.2から、製造例1と同様にして、ドリップシートNo.2を製造した。
[製造例3]
高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンに対して、5質量%となるように水素化マグネシウムを配合した点以外は、製造例1と同様にして、液透過性シートNo.3を製造し、この液透過性シートNo.3から、製造例1と同様にして、ドリップシートNo.3を製造した。
高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンに対して、5質量%となるように水素化マグネシウムを配合した点以外は、製造例1と同様にして、液透過性シートNo.3を製造し、この液透過性シートNo.3から、製造例1と同様にして、ドリップシートNo.3を製造した。
[製造例4]
高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンに対して、0.8質量%となるように水素化マグネシウムを配合した点以外は、製造例1と同様にして、液透過性シートNo.3を製造し、この液透過性シートNo.3から、製造例1と同様にして、ドリップシートNo.3を製造した。
高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンに対して、0.8質量%となるように水素化マグネシウムを配合した点以外は、製造例1と同様にして、液透過性シートNo.3を製造し、この液透過性シートNo.3から、製造例1と同様にして、ドリップシートNo.3を製造した。
[製造例5]
上層として液透過性シートNo.2を用い、下層である吸収シートとして、90%のNBKPにバインダーとして10%の親水性樹脂を用いたエアレイドパルプに代えて、90%のNBKPにバインダーとして10%の疎水性樹脂を用いたエアレイドパルプを用いた点以外は、製造例2と同様にして、ドリップシートNo.5を製造した。
上層として液透過性シートNo.2を用い、下層である吸収シートとして、90%のNBKPにバインダーとして10%の親水性樹脂を用いたエアレイドパルプに代えて、90%のNBKPにバインダーとして10%の疎水性樹脂を用いたエアレイドパルプを用いた点以外は、製造例2と同様にして、ドリップシートNo.5を製造した。
[製造例6]
下層である吸収シートとして、100%のNBKPから構成されたクレープ紙を用いた点以外は、製造例2と同様にして、ドリップシートNo.6を製造した。
下層である吸収シートとして、100%のNBKPから構成されたクレープ紙を用いた点以外は、製造例2と同様にして、ドリップシートNo.6を製造した。
[比較製造例1]
原料ペレットに対して、水素化マグネシウム粒子を混練しなかった点を除き、製造例1と同等の方法により、液透過性シートNo.7を製造し、これに、製造例1と同等のエアレイドパルプを積み重ねて、ドリップシートNo.7を製造した。
原料ペレットに対して、水素化マグネシウム粒子を混練しなかった点を除き、製造例1と同等の方法により、液透過性シートNo.7を製造し、これに、製造例1と同等のエアレイドパルプを積み重ねて、ドリップシートNo.7を製造した。
[評価]
ドリップシートNo.1からNo.7について、下記の方法にしたがって溶存水素発生量、鮮度k値、クレム法による吸水度(MD方向、CD方向)、下層拡散性を測定することにより、各ドリップシートを評価した。
ドリップシートNo.1からNo.7について、下記の方法にしたがって溶存水素発生量、鮮度k値、クレム法による吸水度(MD方向、CD方向)、下層拡散性を測定することにより、各ドリップシートを評価した。
(溶存水素発生量)
ドリップシートNo.1からNo.7(寸法90mm×100mm)各2枚を、イオン交換水300mLに接触させ、24時間放置した後、UNISENSE社製のミニ水素センサー「H2−500」を用い、400<Φ<600の条件で溶存水素発生量を測定した。
ドリップシートNo.1からNo.7(寸法90mm×100mm)各2枚を、イオン交換水300mLに接触させ、24時間放置した後、UNISENSE社製のミニ水素センサー「H2−500」を用い、400<Φ<600の条件で溶存水素発生量を測定した。
(鮮度k値の測定)
鮮度k値の測定に用いる食材として、生でできるだけ鮮度のよいマグロ30gを用いた。ドリップシートNo.1からNo.7に、マグロ30gを載置して、タッパ容器の中に入れた。5℃の冷蔵庫で24時間保持した後、鮮度k値測定装置(「鮮度チェッカー」、QS−solution社製)を用い、各試料の保存開始0時間と保存開始24時間のk値を測定して、k値の変化量(24時間鮮度k値―0時間鮮度k値)を算出した。鮮度k値が12%以下のものを合格とした。
(1)食材を200mg程度にカットし試験管に入れる。
(2)鮮度チェッカー用抽出試薬600μLを試験管に追加する。
(3)ハサミで食材を細かく切断する。
(4)水酸化アルミニウムでpHを中性に調整する。
(5)鮮度チェッカー用測定濾紙に電気泳動液を吹きかけ、(4)の上澄み液を濾紙中央に滴下して300秒間電気泳動する。
(6)濾紙を固定枠ごと取り出して、ドライヤーで乾燥させる。
(7)濾紙に紫外線を照射し、浮かび上がったスポットを撮影して、鮮度チェッカー用解析ソフトを用いて分析する。
鮮度k値の測定に用いる食材として、生でできるだけ鮮度のよいマグロ30gを用いた。ドリップシートNo.1からNo.7に、マグロ30gを載置して、タッパ容器の中に入れた。5℃の冷蔵庫で24時間保持した後、鮮度k値測定装置(「鮮度チェッカー」、QS−solution社製)を用い、各試料の保存開始0時間と保存開始24時間のk値を測定して、k値の変化量(24時間鮮度k値―0時間鮮度k値)を算出した。鮮度k値が12%以下のものを合格とした。
(1)食材を200mg程度にカットし試験管に入れる。
(2)鮮度チェッカー用抽出試薬600μLを試験管に追加する。
(3)ハサミで食材を細かく切断する。
(4)水酸化アルミニウムでpHを中性に調整する。
(5)鮮度チェッカー用測定濾紙に電気泳動液を吹きかけ、(4)の上澄み液を濾紙中央に滴下して300秒間電気泳動する。
(6)濾紙を固定枠ごと取り出して、ドライヤーで乾燥させる。
(7)濾紙に紫外線を照射し、浮かび上がったスポットを撮影して、鮮度チェッカー用解析ソフトを用いて分析する。
(クレム法による吸水度)
下層として用いた各吸収シートについて、MD方向及びCD方向のクレム法による吸水度を測定した。クレム法における吸水度試験は、JIS P 8141:2004のクレム法による吸水度試験方法に準拠して測定し、その具体的な手順は、以下のとおりである。
(1)試料を150mm×25mm(クレム吸水度(MD)はMD方向×CD方向、クレム吸水度(CD)はCD方向×MD方向)のサイズにカットする。
(2)170mm×90mm×40mm(縦×横×深さ)の直方体の浸漬容器に、0.9質量%生理食塩水を、高さ35mmまで充填する。
(3)試料をつり下げ具に固定し、長さ方向の下端:10mmを生理食塩水に浸漬し、5分後水面から吸収した上部との距離(mm)を測定する。
(4)上記実験を5回繰返し、その平均値を採用する。
下層として用いた各吸収シートについて、MD方向及びCD方向のクレム法による吸水度を測定した。クレム法における吸水度試験は、JIS P 8141:2004のクレム法による吸水度試験方法に準拠して測定し、その具体的な手順は、以下のとおりである。
(1)試料を150mm×25mm(クレム吸水度(MD)はMD方向×CD方向、クレム吸水度(CD)はCD方向×MD方向)のサイズにカットする。
(2)170mm×90mm×40mm(縦×横×深さ)の直方体の浸漬容器に、0.9質量%生理食塩水を、高さ35mmまで充填する。
(3)試料をつり下げ具に固定し、長さ方向の下端:10mmを生理食塩水に浸漬し、5分後水面から吸収した上部との距離(mm)を測定する。
(4)上記実験を5回繰返し、その平均値を採用する。
(下層拡散性の測定)
ドリップシートNo.1からNo.7に、デジタルピペットで生理食塩水(0.9質量%NaCl)を1ml試料に滴下し、1分後に拡散した縦横の寸法を測定した。
ドリップシートNo.1からNo.7に、デジタルピペットで生理食塩水(0.9質量%NaCl)を1ml試料に滴下し、1分後に拡散した縦横の寸法を測定した。
以上の結果を表1に示す。
表1から明らかなように、ドリップシートNo.1からドリップシートNo.6では、液透過性シートに相当する上層へ水素発生材を配合したことにより、ドリップ中の水分と水素発生材が反応して水素が発生しており、食品の鮮度がより良好に維持された。食品の鮮度は、水素発生材の配合量が多いほうが、より良好なものとなった。
さらに、ドリップシートNo.2とドリップシートNo.5の比較から明らかなように、吸収シートに相当する下層の液拡散性が高いほど、食品の鮮度が良好に維持される結果となった。
さらに、ドリップシートNo.2とドリップシートNo.5の比較から明らかなように、吸収シートに相当する下層の液拡散性が高いほど、食品の鮮度が良好に維持される結果となった。
[製造例7]
高密度ポリエチレン(HDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)を1:1の比率で含む組成物Aと、この組成物Aに対して、水素発生材が5質量%となるように配合した組成物Bとを用意し、組成物Bに由来する層が最上層及び最下層となり、組成物Aに由来する層が中間層となるように、3層構造の積層フィルムNo.8を製造した。この積層フィルムに対して、熱針を貫通させ、一定のパターンで開孔が形成された液透過性シートNo.8を作製した。この液透過性シートNo.8を用いた点以外は、製造例1と同様にして、ドリップシートNo.8を作製した。
高密度ポリエチレン(HDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)を1:1の比率で含む組成物Aと、この組成物Aに対して、水素発生材が5質量%となるように配合した組成物Bとを用意し、組成物Bに由来する層が最上層及び最下層となり、組成物Aに由来する層が中間層となるように、3層構造の積層フィルムNo.8を製造した。この積層フィルムに対して、熱針を貫通させ、一定のパターンで開孔が形成された液透過性シートNo.8を作製した。この液透過性シートNo.8を用いた点以外は、製造例1と同様にして、ドリップシートNo.8を作製した。
[評価]
ドリップシートNo.8について、溶存水素発生量、下層である吸収シートの拡散性、クレム吸水度、鮮度k値を評価したところ、ドリップシートNo.1からNo.4と同等の性能が得られたことが確認された。
ドリップシートNo.8について、溶存水素発生量、下層である吸収シートの拡散性、クレム吸水度、鮮度k値を評価したところ、ドリップシートNo.1からNo.4と同等の性能が得られたことが確認された。
1 ドリップシート
3 液透過性シート
5 吸収シート
7 液不透過性シート
9 基部
11 孔部
13 第1開口部
15 第2開口部
17 導液部
19 屈曲部
21 第1導液部部分
23 第2導液部部分
25 基部部分
27 部分
29 食品載置面
31 水素発生材
3 液透過性シート
5 吸収シート
7 液不透過性シート
9 基部
11 孔部
13 第1開口部
15 第2開口部
17 導液部
19 屈曲部
21 第1導液部部分
23 第2導液部部分
25 基部部分
27 部分
29 食品載置面
31 水素発生材
Claims (13)
- 水と接触することにより水素を発生する水素発生材を含むドリップシート。
- 前記ドリップシートが、布帛と、前記布帛の表面に固定された前記水素発生材とを含む、請求項1に記載のドリップシート。
- 前記ドリップシートが、開孔フィルムから構成されるとともに、食品載置面及び食品非載置面を備えている液透過性シートと、吸収シートとを備えており、前記水素発生材が、前記液透過性シートに配置されており、前記水素発生材の一部が、前記液透過性シートの前記食品載置面に露出している、請求項1に記載のドリップシート。
- 前記液透過性シートが、前記食品載置面を構成する基部と、食品に由来するドリップを透過させるための複数の孔部とを備えている、請求項3に記載のドリップシート。
- 前記液透過性シートの前記基部が、前記液透過性シートの基部以外の部分と比較して、厚さが厚く、
前記液透過性シートの前記基部における厚さに対する、前記水素発生材の平均粒径の比率が、0.05以上2.0以下である、請求項4に記載のドリップシート。 - 前記複数の孔部のそれぞれが、前記基部と連結している第1開口部と、第2開口部と、第1開口部及び第2開口部を連結している導液部とを備えており、前記水素発生材の一部が、前記導液部の内面に露出している、請求項4又は5に記載のドリップシート。
- 前記水素発生材が、前記液透過性シートの前記食品載置面及び前記食品非載置面において露出しており、
前記食品載置面における前記第1開口部の周辺に露出した前記水素発生材の平均粒径が、前記食品非載置面における前記第1開口部の周辺に露出した前記水素発生材の平均粒径と比較して大きい、請求項6に記載のドリップシート。 - 前記水素発生材が、前記液透過性シートの前記食品載置面及び前記食品非載置面において露出しており、
前記食品載置面における前記第1開口部の周辺に露出した前記水素発生材の粒子数が、前記食品非載置面における第1開口部の周辺に露出した前記水素発生材の粒子数と比較して多い、請求項6又は7に記載のドリップシート。 - 前記複数の孔部のそれぞれにおいて、前記導液部が、第1開口部及び第2開口部の間に、内方に屈曲している屈曲部を備えており、前記導液部が、第1開口部及び前記屈曲部の間の第1導液部部分と、前記屈曲部及び第2開口部の間の第2導液部部分とに区画されている、請求項6〜8のいずれか一項に記載のドリップシート。
- 前記液透過性シートが、前記食品載置面を構成する第1層、及び前記第1層の前記食品非載置面側に配置される第2層を含み、前記第1層における水素発生材の含有量が、前記第2層における水素発生材の含有量よりも多い、請求項3〜9のいずれか一項に記載のドリップシート。
- 前記液透過性シートが、前記第2層の前記食品非載置面側に、第3層を含み、前記第3層における水素発生材の含有量が、前記第2層における水素発生材の含有量よりも多い、請求項10に記載のドリップシート。
- クレム法にしたがって測定される、前記吸水シートの吸水度が、前記吸水シートの第1方向、及び前記第1方向と直交する第2方向の両者において、5mm以上である、請求項3〜11のいずれか一項に記載のドリップシート。
- 前記ドリップシートが、前記吸収シートの、前記液透過性シートと反対側の面に隣接する、液不透過性シートをさらに備えている、請求項3〜12のいずれか一項に記載のドリップシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020031943A JP2020109022A (ja) | 2020-02-27 | 2020-02-27 | ドリップシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020031943A JP2020109022A (ja) | 2020-02-27 | 2020-02-27 | ドリップシート |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018248600A Division JP6671454B1 (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | ドリップシート |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021003961U Continuation JP3236679U (ja) | 2021-10-13 | 2021-10-13 | ドリップシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020109022A true JP2020109022A (ja) | 2020-07-16 |
Family
ID=71570247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020031943A Pending JP2020109022A (ja) | 2020-02-27 | 2020-02-27 | ドリップシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020109022A (ja) |
-
2020
- 2020-02-27 JP JP2020031943A patent/JP2020109022A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8414997B2 (en) | Absorbent insert for foodstuff packaging | |
EP1448375B1 (en) | Unitary absorbent multilayered core | |
CA2208409C (en) | Absorbent composite for use in absorbant disposable products | |
TWI488660B (zh) | Absorbent sheet structure | |
JP4841654B2 (ja) | 吸収性物品 | |
WO2011086843A1 (ja) | 吸水シート構成体 | |
JPWO2011086841A1 (ja) | 吸水シート構成体 | |
WO2012132548A1 (ja) | 吸収体および吸収性物品 | |
JP2011156351A (ja) | 吸収性物品のための移動層 | |
NZ270458A (en) | A food liquid absorbent sheet; parts of an outer surface of the sheet is a liquid-permeable film and a liquid-semipermeable film with pores of a certain diameter | |
JPS62234544A (ja) | シ−ト状脱酸素剤 | |
JP4684998B2 (ja) | 吸収構造体を含む吸収物品 | |
JP2020109022A (ja) | ドリップシート | |
WO2020137316A1 (ja) | ドリップシート | |
JP3236679U (ja) | ドリップシート | |
JP6195721B2 (ja) | 食品容器 | |
JP6887269B2 (ja) | ドリップシート、ドリップシート用の液透過性シートを製造するためのプレート、並びにドリップシート用の液透過性シートの製造方法 | |
JP7325242B2 (ja) | 食品用容器 | |
JP6320613B1 (ja) | ドリップシート、ドリップシート用の液透過性シートを製造するためのプレート、並びにドリップシート用の液透過性シートの製造方法 | |
JP2005248383A (ja) | 透水性不織布 | |
JPH0568693A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2006006964A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2004161306A (ja) | 生鮮食品用積層体 | |
JPH0260542A (ja) | 食品の液を吸収するための吸収構造 | |
JP5739142B2 (ja) | ウェットシート収容体 |