JP2020107933A - 近接センサ - Google Patents
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Abstract
Description
この種の装置は近接センサを備えている。近接センサでは、装置と使用者との距離の変化に応じて出力が変化する。
このように構成される近接センサでは、検出距離が短いものの、安価に製作することができ、ドアハンドルや車両表面の一部に多少の汚れがあっても、使用者の近接又は接触を検出することができる。
しかしながら、閾値が小さく設定されると、検出電圧に乗るノイズの影響が大きくなるので、使用者が「非近接状態」であっても、ノイズが乗った検出電圧が閾値を超えてしまい、使用者が「近接状態」にあるとの誤検出を生じる恐れがあった。
本発明は、上記事実を考慮し、誤検出を効果的に抑制又は防止することができ、検出距離を長くすることができる近接センサを提供する。
図1に示されるように、本実施の形態に係る近接センサ1は、電極部2と、検出部3と、制御部4と、を含んで構成されている。
駆動電極20は制御部4のパルス電圧出力端子に接続され、制御部4から供給されるパルス電圧が駆動電極20に印加される。パルス電圧が印加されると、被検出体としての使用者の手の車両への近接又は接触の検出が開始される。駆動電極20は、第1検出電極21、第2検出電極22のそれぞれに共用の電極として形成されている。
第1検出電極21は、ロック電極として使用され、図示省略の車両のドアを施錠する又はドアを閉める際に、使用者の手の近接又は接触状態を検出する電極である。駆動電極20にパルス電圧が印加されると、第1検出電極21に誘起電圧が発生する。使用者の手の距離の変化に応じて誘起電圧が変化する。
第2検出電極22は、アンロック電極として使用され、ドアを解錠する又はドアを開ける際に、使用者の手の近接又は接触状態を検出する電極である。第1検出電極21と同様に、駆動電極20にパルス電圧が印加されると、第2検出電極22に誘起電圧が発生する。この誘起電圧は使用者の手の距離に応じて変化する。
オペアンプ311では、非反転入力が第1検出電極21に接続され、反転入力が抵抗R1を介して基準電圧Vssに接続され、更に電源電圧Vcc及び基準電圧Vssが供給されている。ここで、電源電圧Vccは、例えば回路の動作電圧、5Vである。また、基準電圧Vssは、例えば回路の接地電圧、0Vである。
オペアンプ311の出力は、ダイオード313を介して制御部4のA/D入力端子に接続され、かつ、抵抗R2を介して反転入力と抵抗R1との間に接続されている。ダイオード313は、オペアンプ311の出力と制御部4のA/D入力端子との間に順方向に挿入され、オペアンプ311への電流の流れを阻止している。また、抵抗R1及び抵抗R2はオペアンプ311の増幅率を決定している。
コンデンサ312は、ダイオード313のカソードと制御部4のA/D入力端子との間に一方の電極を接続し、基準電圧Vssに他方の電極を接続している。このコンデンサ312は、使用者の手の近接又は接触を検出する検出用コンデンサとして使用され、第1検出電極21に発生する誘起電圧により充電される。コンデンサ312に充電された充電電圧は第1検出回路31から制御部4へ出力される検出電圧とされる。
抵抗R3の一端はダイオード313のカソードと制御部4のA/D入力端子との間に接続され、抵抗R3の他端は制御部4に接続されている。コンデンサ312に充電された充電電圧は抵抗R3を介して放電される。
オペアンプ321では、非反転入力が第2検出電極22に接続され、反転入力が抵抗R4を介して基準電圧Vssに接続され、更に電源電圧Vcc及び基準電圧Vssが供給されている。
オペアンプ321の出力は、ダイオード323を介して制御部4のA/D入力端子に接続され、かつ、抵抗R5を介して反転入力と抵抗R4との間に接続されている。ダイオード323は、オペアンプ321の出力と制御部4のA/D入力端子との間に順方向に挿入され、オペアンプ321への電流の流れを阻止している。また、抵抗R4及び抵抗R5はオペアンプ321の増幅率を決定している。
コンデンサ322は、ダイオード323のカソードと制御部4のA/D入力端子との間に一方の電極を接続し、基準電圧Vssに他方の電極を接続している。このコンデンサ322は、使用者の手の近接又は接触を検出する検出用コンデンサとして使用され、第2検出電極22に発生する誘起電圧により充電される。コンデンサ322に充電された充電電圧は第2検出回路32から制御部4へ出力される検出電圧とされる。
抵抗R6の一端はダイオード323のカソードと制御部4のA/D入力端子との間に接続され、抵抗R6の他端は制御部4に接続されている。コンデンサ322に充電された充電電圧は抵抗R6を介して放電される。
なお、図1に示される制御部4において、測定ユニット41等の各ユニットは専用回路の構成要素(ハードウエア)として記載されている。本実施の形態では、各ユニットのすべて又は一部が、ユニットに相当する機能を実現する、コンピュータを用いて実行されるプログラム(ソフトウエア)により構成されてもよい。
また、本実施の形態では、制御部4において、検出部3の第1検出回路31から出力される検出電圧の検出方法について説明する。第2検出回路32から出力される検出電圧の検出方法は、第1検出回路31から出力される検出電圧の検出方法と同様であるので、説明を省略する。
図2には、測定ユニット41において測定される検出電圧と検出電圧の測定時間との関係が示されている。縦軸が検出電圧[V]であり、横軸が検出電圧の測定時間である。図2に示されるように、最初に、検出電圧V1は期間T1において測定される。期間T1、すなわち本実施の形態における「所定の期間」は、制御部4から駆動電極20へパルス電圧の印加を開始した時間t11から、第1検出回路31のコンデンサ312の充電電圧の放電開始の時間t14までの期間である(図1参照)。期間T1内において、時間t11から一定の時間が経過した時間t12に、制御部4から駆動電極20へのパルス電圧の印加が停止される。このパルス電圧の停止直後であって、時間t12と時間t14との間の時間t12寄りの時間t13において、検出電圧V1が測定される。要するに、時間t13のタイミングにおいて測定された電圧が検出電圧V1とされる。
測定ユニット41では、「所定の回数」として、例えば10回測定され、検出電圧V1〜検出電圧V10が測定される。検出電圧V3〜検出電圧V10のそれぞれの測定方法は検出電圧V1の測定方法と同様である。本実施の形態では、「所定の回数」は、繰り返しの単位となる基準測定回数とされているが、「回数」自体は任意に設定可能である。
ここで、図3において、時系列に記載されている最新の時間Tnに生成された積算値が「最新の積算値Sn」とされる。時間Tnよりも一定の時間前の過去の時間Tn−1に生成された積算値は「積算値Sn−1」とされる。さらに、時間Tn−1よりも一定の時間前の過去の時間Tn−2に生成された積算値は「積算値Sn−2」とされる。以下同様に、時間Tn−3〜時間Tn−9のそれぞれに生成された積算値は、各々、「積算値Sn−3」〜「積算値Sn−9」とされる。そして、時間Tnよりも10回前の時間Tn−10に生成された積算値は「積算値Sn−10」とされる。
図3では、最新の積算値Snから10回前の過去の積算値Sn−10が示されている。近接センサ1に使用者の手(被検出体)が近接すると、積算値が下がり始めるので、積算値が下がり始める前、ここでは10回前の「積算値Sn−10」が近接又は接触を判定する「基準積算値Sr」に設定されている。「基準積算値Sr」は、基本的に「最新の積算値Sn」よりも前の積算値に設定されるが、積算値の緩やかな変化を認識するため、「最新の積算値Sn」よりも複数前の積算値(「積算値Sn−2」〜「積算値Sn−10」)を用いて設定されている。
ここでは、「所定の閾値」は下記不等式(1)により設定されている。
(基準積算値Sr−最新の積算値Sn)/基準積算値Sr>0.01 …(1)
上記不等式(1)は下記不等式(2)に書き換えることができる。
最新の積算値Sn<0.99×基準積算値Sr …(2)
すなわち、本実施の形態において「所定の閾値」は「1%」に設定され、判定ユニット44では、「最新の積算値Sn」の「基準積算値Sr」に対する変化量が「1%」を超えると、「被検出体が近接した」との判定がなされる。
ここで、比較例として、検出電圧に乗るノイズの影響を考慮すると、近接の判定に使用される閾値は、例えば5%の高い値に設定される。
次に、図1〜図3を参照しつつ、図4を用いて、近接センサ1における被検出体の近接又は接触の検出方法を説明する。
まず最初に、近接又は接触の検出方法では、近接センサ1の制御部4が初期化され、後述するステップS3からステップS12を行って積算値Snを生成し、判定ユニット44において積算値Snが「基準積算値Sr」に設定される(ステップS1)。
引き続き、所定の時間が経過したか否かが判定される(ステップS2)。ここでの「所定の時間」とは、基準積算値Srの設定後から次の積算値の生成を開始するまでの時間である。所定の時間が経過していないと判定されると、ステップS2へ戻る。
駆動電極20にパルス電圧が印加されると、例えば使用者の手との距離の変化に応じた大きさの誘起電圧が、電極部2の第1検出電極21に発生する。この誘起電圧の発生により、検出部3の第1検出回路31ではコンデンサ312の充電が開始される(ステップS6)。
そして、制御部4では、パルス電圧の印加が停止される(ステップS7)。このパルス電圧の印加の停止直後(図2の時間t12及び時間t13参照)に、コンデンサ312に充電された充電電圧が検出電圧V1として測定ユニット41により測定される(ステップS8)。なお、測定された検出電圧V1は、測定ユニット41内に記憶されてもよいし、積算ユニット42又は記憶ユニット43に記憶させてもよい。
そして、「基準積算値Sr」から10回目に測定され、積算された最も新しい「最新の積算値Sn」の「基準積算値Sr」に対する変化量が「所定の閾値」を超えるか否かが判定される(ステップS13)。「所定の閾値」は、前述の不等式(1)又は不等式(2)に示される例示の通り、ここでは「1%」に設定されている。
本実施の形態に係る近接センサ1は、図1に示されるように、検出部3と、制御部4とを備える。検出部3では、被検出体、例えば使用者の手との距離に応じた検出電圧が出力される。制御部4には、検出部3から出力される検出電圧が入力される。
ここで、制御部4は、測定ユニット(測定手段)41と、積算ユニット(積算手段)42と、記憶ユニット(記憶手段)43と、判定ユニット(判定手段)44とを含んで構成される。測定ユニット41では、所定の期間毎に所定の回数の検出電圧が測定される。積算ユニット42では、所定の回数の検出電圧が積算されて積算値が生成される。記憶ユニット43では、積算値が時系列に記憶される。判定ユニット44では、記憶ユニット43に記憶された積算値を基準積算値Srとし、積算ユニット41により生成された最新の積算値Snの基準積算値Srに対する変化量が所定の閾値を超えるとき、被検出体の近接が判定される(図4のステップS13)。
このため、近接センサ1では、被検出体の近接の判断に使用される「所定の閾値」が小さくなっても、誤検出を効果的に抑制又は防止することができる。加えて、近接センサ1では、上記「所定の閾値」を小さくすることができるので、検出距離を長くすることができる。
このため、最新の積算値Snはその直前の積算値(ここでは積算値Sn−1)よりも前に記憶ユニット43に記憶された基準積算値Sr(ここでは積算値Sn−10)と比較されることにより、被検出体の近接による検出電圧の緩やか変化を検出することができる。少し詳しく説明すると、図3に示されるように、最新の積算値Snとその直前の積算値とが比較される場合、変化量が小さく、被検出体の近接の判定が難しい。これに対して、最新の積算値Snと基準積算値Srとしての積算値Sn−10とが比較される場合、変化量が大きく、被検出体の近接の判定が容易になると共に、双方の間の積算値Sn−9〜積算値Sn−1が生成されるので、積算値の経時的な変化も検出することができる。
このため、近接センサ1では、最新の積算値Snの生成毎に、新たな基準積算値Srが更新されるので、温度変化、降雨等の周囲の環境変化が生じても、この環境変化に対応した基準積算値Srを設定することができる。従って、近接センサ1では、環境変化に影響を受け難く、誤検出を効果的に抑制又は防止することができ、更に検出距離を長くすることができる。
加えて、近接センサ1の検出部3は、第1検出回路31にコンデンサ312、第2検出回路32にコンデンサ322を有する。コンデンサ312、コンデンサ322のそれぞれは誘起電圧の発生により充電される。そして、検出電圧は、コンデンサ312、コンデンサ322のそれぞれに充電された充電電圧とされる。
つまり、近接センサ1における近接又は接触の検出方法は、まず電極部2の駆動電極20にパルス電圧を印加する。このパルス電圧の印加により、駆動電極20と検出電極21又は検出電極22との間に電界が発生する。この電界の発生により、検出電極21又は検出電極22に誘起電圧が発生する。誘起電圧は被検出体の近接によって変化する。この誘起電圧の変化に応じて、検出部3のコンデンサ312又はコンデンサ322が充電される。この充電電圧は検出電圧として測定される。
このような検出方法を採用する近接センサ1によれば、降雨等の液体の付着による影響を受け難いので、検出精度を更に向上させることができる。
このため、検出電圧V1〜検出電圧V10のそれぞれは、毎回、パルス電圧が印加されて、コンデンサ312が十分に充電された状態において測定されるので、検出電圧V1〜検出電圧V10のそれぞれの測定のばらつきを効果的に抑制することができる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、上記近接センサは、車両のキーレスエントリー装置やドア開閉装置の構築に限定されるものではなく、建造物のキーレスエントリー装置やドア開閉装置を構築してもよい。
2 電極部
20 駆動電極
21 第1検出電極(検出電極)
22 第2検出電極(検出電極)
3 検出部
31 第1検出回路
312、322 コンデンサ
32 第2検出回路
4 制御部
41 測定ユニット(測定手段)
42 積算ユニット(積算手段)
43 記憶ユニット(記憶手段)
44 判定ユニット(判定手段)
Claims (6)
- 被検出体との距離に応じた検出電圧を出力する検出部と、
前記検出電圧が入力される制御部と、を備え、
前記制御部は、
所定の期間毎に所定の回数の前記検出電圧を測定する測定手段と、
前記所定の回数の前記検出電圧を積算して積算値を生成する積算手段と、
前記積算値を時系列に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記積算値を基準積算値とし、前記積算手段により生成された最新の積算値の前記基準積算値に対する変化量が所定の閾値を超えるとき、前記被検出体が近接したと判定する判定手段と、
を備えている近接センサ。 - 前記記憶手段は、前記積算値を時系列に複数記憶し、
前記判定手段は、前記最新の積算値よりも複数前に前記記憶手段に記憶された前記積算値を前記基準積算値として、前記被検出体の近接を判定する
請求項1に記載の近接センサ。 - 前記制御部は、前記最新の積算値が前記積算値として前記記憶手段に記憶されると、前記基準積算値より後に記憶された前記積算値を新たな基準積算値として更新する
請求項2に記載の近接センサ。 - 前記制御部は、前記最新の積算値の前記基準積算値に対する変化量が前記所定の閾値を超えるとき、前記新たな基準積算値を更新しない
請求項3に記載の近接センサ。 - 前記制御部からパルス電圧が印加される駆動電極と、
前記パルス電圧の印加により誘起電圧が発生する検出電極と、を含んで構成される電極部を更に備え、
前記検出部は、前記誘起電圧の発生により充電されるコンデンサを有し、
前記検出電圧は、前記コンデンサに充電された充電電圧とされる
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の近接センサ。 - 前記所定の期間は、前記パルス電圧の印加の開始から、前記コンデンサの前記充電電圧の放電開始までの期間である
請求項5に記載の近接センサ。
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- 2018-12-26 JP JP2018242075A patent/JP7299697B2/ja active Active
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