JP2020106042A - 滑り部材、及び免震滑り支承装置 - Google Patents

滑り部材、及び免震滑り支承装置 Download PDF

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【課題】耐久性に優れた滑り部材を得る。【解決手段】滑り部材14は、表面に潤滑剤42を保持するための有底環状凹部44、及び有底円形凹部46を有し、有底環状凹部44、及び有底円形凹部46は、底部が平坦に形成され、開口縁が凸湾曲状に形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、滑り部材、及び免震滑り支承装置に関する。
下部構造体と上部構造体との間に介在させて、下部構造体で上部構造体を支障する免震滑り支承がある(例えば、特許文献1参照)。
免震滑り支承には、板状の滑り部材が設けられており、この滑り部材の滑り面には、潤滑剤を保持する凹部が形成されている。
特開2016−23672号公報
上記した特許文献1に記載の滑り部材には、断面で見たときの凹部(ディンプル)の形状が、凹円弧形状とされている。
ここで、地震等で滑り部材が滑ると、滑り部材に剪断方向の力が作用し、これにより、凹部の底部、言い換えれば、凹部の最も深い部分に歪みが集中し、場合によっては凹部付近に亀裂が生ずる場合があり、耐久性を確保するには改善の余地があった。
特に、凹部に保持する潤滑剤の量を増やすために凹部を深く形成すると、亀裂が生じやすくなる。
本発明は、耐久性に優れた滑り部材、及び免震滑り支承装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の滑り部材は、表面に潤滑剤を保持するための凹部を有し、前記凹部は、底部が平坦に形成され、開口縁が凸湾曲状に形成されている。
滑り部材は、2つの部材間に配置され、一方の面を一方の部材に固定し、他方の面を他方の部材に接触させる。
ここで、一方の部材と他方の部材とが相対移動すると、滑り部材の他方の面が他方の部材に摺動する。このとき、滑り部材には、剪断方向(滑り部材の厚さ方向と交差する面に沿った方向の変形)に力を受け、凹部の底部に応力が掛る。
この凹部は、底部が平坦に形成されているため、平坦に形成されていない場合に比較して滑り部材には、凹部の底部付近に応力が集中し難く、凹部からの亀裂の発生を抑制することができる。
また、凹部の底部を平坦にすることで、平坦にしない場合に比較して凹部の容積を広くとることができ、内部に保持する潤滑剤の量を増やすこともできる。さらに、開口縁を凸湾曲状に形成することで、滑り部材と他方の部材との間に、凹部に保持した潤滑剤を供給し易くなる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の滑り部材において、複数の前記凹部を有し、中央側に配置される前記凹部は、外周側に配置される前記凹部よりも前記底部の幅が広く形成されている。
滑り部材は、内側(中心側)ほど潤滑剤を多く供給する必要があるため、内側に近い凹部の幅を広くして容積を拡大し、多くの潤滑剤を保持するようにすることが好ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の滑り部材において、複数の前記凹部を有し、中央側に配置される前記凹部は、外周側に配置される前記凹部よりも深さが深く形成されている。
滑り部材は、内側(中心側)ほど潤滑剤を多く供給する必要があるため、内側に近い凹部の深さを深くして容積を拡大し、多くの潤滑剤を保持するようにすることが好ましい。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の滑り部材において、平面視形状が円形の前記凹部と、円形の前記凹部の径方向外側に配置され平面視形状がリング状の前記凹部と、を有している。
滑り部材の中心部に平面視で円形の凹部を配することで、滑り部材の中心付近全面に潤滑剤を供給し易くなり、円形の凹部の径方向外側に平面視でリング状の凹部を配することで、外周側全面に潤滑剤を供給し易くなり、これにより、滑り部材の全面に渡って潤滑剤を供給し易くなる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の滑り部材において、リング状の前記凹部は、断面で見たときの内周側の前記開口縁の曲率半径が、外周側の前記開口縁の曲率半径よりも大きい。
断面で見たときの開口縁の曲率半径が大きいと、滑り部材が滑った際に、曲率半径が小さい場合に比較して、凹部に保持している潤滑剤を外部に供給し易くなる。
ここで、リング状の凹部の内周側の開口縁の曲率半径を、外周側の開口縁の曲率半径よりも大きくすることで、リング状の凹部から滑り部材の外周側への潤滑剤の逃げを抑制し、滑り部材の内側へ潤滑剤を供給し易くなる。
請求項6に記載の免震滑り支承装置は、下部構造体と前記下部構造体の上方に配置される上部構造体との間に介在し、前記上部構造体及び前記下部構造体の一方に固定される滑り支承本体と、前記滑り支承本体に設けられ、前記上部構造体及び前記下部構造体の他方に対して、前記凹部を向けた請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の滑り部材と、を有する。
地震等で、下部構造体と上部構造体とが相対変位すると、滑り支承本体に設けた滑り部材が上部構造体または下部構造体に対して滑り、滑り部材に剪断力が作用するが、滑り部材に設けた凹部は、底部が平坦に形成されているため、平坦に形成されていない場合に比較して凹部の底部付近に応力が集中し難く、凹部からの亀裂の発生を抑制することができる。これにより、耐久性に優れた免震滑り支承装置が得られる。
本発明の滑り部材によれば、耐久性を向上することができる、という優れた効果を有する。
また、本発明の免震滑り支承装置によれば、耐久性を向上することができる、という優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る免震滑り支承装置を示す軸線に沿った断面図である。 滑り部材を示す下面図である。 (A)は環状有底凹部、及び円形有底凹部を示す滑り部材の縦断面図であり、(B)は環状有底凹部の側壁を示す断面図である。 実施形態に係る環状有底凹部と、第1の比較例に係る環状有底凹部とを示す滑り部材の縦断面図である。 第2の比較例に係る環状有底凹部を示す滑り部材の縦断面図である。 第2の実施形態に係る滑り部材を示す下面図である。 第3の実施形態に係る滑り部材を示す下面図である。 第4の実施形態に係る滑り部材を示す下面図である。 (A)は第5の実施形態に係る滑り部材を示す下面図であり、(B)は図9(A)の8B−8B線断面図である。 第6の実施形態に係る滑り部材を示す下面図である。 第6の実施形態に係る滑り部材の変形例を示す下面図である。 第6の実施形態に係る滑り部材の他の変形例を示す下面図である。 第7の実施形態に係る滑り部材の環状有底溝を示す断面図である。 他の実施形態に係る滑り部材の環状有底溝を示す断面図である。 他の実施形態に係る滑り部材の環状有底溝を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。図1は、本実施形態に係る免震滑り支承装置を示す断面図である。図1において、本実施形態に係る免震滑り支承装置10は、滑り支承本体12と、第1滑り部材14と、保持部材16とを有している。
滑り支承本体12は、下部構造体18と下部構造体18の上方に配置される上部構造体20との間に介在し、上部構造体20及び下部構造体18の一方、例えば上部構造体20に固定される。上部構造体20は、建物、タンク、貯水槽等の被支持体である。下部構造体18は、例えば、コンクリート等で構成された基礎部分であり、地盤(図示せず)に設置されている。
滑り支承本体12は、積層体22の上端に上取付け板26を固着し、下端に連結板28を固着して構成されている。積層体22は、複数枚の円板状の金属板30と、複数枚の円板状のゴム34とをその厚さ方向に交互に積層して円柱状に構成され、上取付け板26の中央に配置されている。金属板30は、例えば鋼板である。金属板30とゴム34とは、加硫接着により強固に一体化されている。これにより、鉛直方向(矢印V方向)の荷重に対しては所定の剛性を有し、水平方向(矢印H方向)の荷重に対しては、ばね機能を発揮すると共に所定の変形量を確保することが可能になっている。
上取付け板26及び連結板28は、夫々肉厚の円板状の鋼板で構成されている。上取付け板26の外径は、滑り支承本体12の外径よりも大径であり、上部構造体20に対して例えばボルト締結されている(図示せず)。連結板28の外径は、金属板30の外径と同等に設定されており、積層体22及び連結板28の外周には、被覆ゴム36が円筒状に配置されている。この被覆ゴム36によって金属板30の外縁が覆われているため、金属板30及び連結板28が外部へ露出せず、その劣化が防止されるようになっている。
図1において、滑り支承本体12は、上部構造体20からの荷重を受けており、ゴム34が僅かに圧縮変形して、無負荷状態よりも鉛直方向の長さが短くなっている。この状態で、上部構造体20が下部構造体18に対して水平方向に相対移動すると、この相対移動の振動エネルギーが、滑り支承本体12のせん断変形によって一部吸収されるようになっている。
第1滑り部材14は、滑り支承本体12に設けられ、上部構造体20及び下部構造体18の他方に対する滑り面14Bを有する低摩擦部材である。第1滑り部材14の材質は、例えば四フッ化エチレン樹脂を主成分とする低摩擦性樹脂である。第1滑り部材14は、保持部材16を介して滑り支承本体12の例えば下端側に設けられている。
第1滑り部材14の材質は、例えば次の(1)〜(5)の何れかである。これらは、第1滑り部材14の摩擦係数の低減及び機械的強度を共に改善できる配合である。
(1)芳香族ポリエステル又はポリイミドを含有する四フッ化エチレン樹脂組成物。
(2)芳香族ポリエステルを5〜30wt%含有する四フッ化エチレン樹脂組成物。
(3)ポリイミドを5〜30wt%含有する四フッ化エチレン樹脂組成物。
(4)上記1)〜3)の何れかにおいて、更に炭素繊維、グラファイト、グラスファイバー、二硫化モリブデン、チタン酸カリウム、ブロンズのうち1種類以上を含有するもの。
(5)上記1)〜3)の何れかにおいて、更に炭素繊維、グラファイト、グラスファイバー、二硫化モリブデン、チタン酸カリウム、ブロンズのうち1種類以上を、0を超え5〜20wt%以下含有するもの。
なお、上記(4)、(5)においては、グラファイト、二硫化モリブデンが、摩擦特性の観点から他の材料より好ましい。
面圧20MPaのときの第1滑り部材14の摩擦係数は、例えば0.01以下であり、0.008以下がより好ましい。面圧80MPaのときの第1滑り部材14の圧縮歪量は、例えば40%以下である。
第1滑り部材14は、例えば、前述した低摩擦材料等からなる一定厚さの板材により、円板状に形成されたものであり、保持部材16の凹部16Aに嵌め込まれている。また、凹部16Aは、第1滑り部材14の厚さよりも浅く形成されている。これにより、第1滑り部材14は、保持部材16の下方に突出している。第1滑り部材14は、保持部材16に、例えば接着により固定されている。
保持部材16は、滑り支承本体12と第1滑り部材14との間に介在し、第1滑り部材14を保持している。保持部材16は、例えばステンレス鋼等の金属製であり、円板状に形成されている。保持部材16の下端(第1滑り部材14側の端部)には、第1滑り部材14が嵌め込まれる円形の凹部16Aが形成されている。保持部材16は、連結板28に対して、ボルト等(図示せず)により締結されている。また保持部材16は、円板状に限られず、例えば角形状も考えられる。
(有底凹部)
図1、及び図2に示すように、第1滑り部材14の滑り面14B、言い換えれば、後述する第2滑り部材24と接する面には、本発明の凹部の一例として、第1滑り部材14と同心状に形成された環状の溝とされた有底環状凹部44と、第1滑り部材14の中心に形成された平面視で円形の有底円形凹部46とが形成されている。
図3は、第1滑り部材14の拡大断面図である。
先ず最初に、有底環状凹部44の断面形状について説明する。
図3(A)の断面図で示すように、有底環状凹部44は、第1滑り部材14の上面14A、言い換えれば、有底環状凹部44の開口している側とは反対側の面であって、保持部材16と接する面に対して平行とされた平坦な底部44aを備えている。
ここで、底部44aの幅をW1、第1滑り部材14の厚みをtとしたときに、t×0.3≦W1を満たすように、底部44aの幅W1を決めることが好ましい。また、有底環状凹部44の深さをd1としたときに、深さd1の上限は、厚みtの60%以下に抑えることが好ましい。
有底環状凹部44は、底部44aから開口部に向けて幅が漸増しており、図3(B)に示すように、側壁面44bは、底部44aから開口部へ向けて、第1滑り部材14の厚み方向(矢印A方向)に対する角度θが漸増している。側壁面44bの断面形状は、曲率半径R1とされた凸円弧形状であり、開口部分においては、側壁面44bと第1滑り部材14の滑り面14Bとが滑らかに接続されている。
図3(A)の断面図で示すように、有底円形凹部46も、第1滑り部材14の上面14Aに対して平行とされた平坦な底部46aを備えている。
ここで、底部46aの径をD1としたときに、t×0.3≦D1を満たすように、底部46aの径D1を決めることが好ましい。また、有底円形凹部46の深さをd2としたときに、深さd2の上限は、厚みtの60%以下に抑えることが好ましい。
有底円形凹部46は、底部46aから開口部に向けて幅が漸増しており、側壁面46bは、底部46aから開口部へ向けて、第1滑り部材14の厚み方向(矢印A方向)に対する角度θ(図示省略。有底環状凹部44と同様)が漸増している。側壁面46bの断面形状は、曲率半径R2とされた凸円弧形状であり、開口部分においては、側壁面46bと第1滑り部材14の滑り面14Bとが滑らかに接続されている。
本実施形態では、d1=d2、R1=R2とされ、D1>W1とされている。
上部構造体20及び下部構造体18の他方には、第1滑り部材14に対する滑り面24Aを有する第2滑り部材24が設けられている。第2滑り部材24の材質は、例えば第1滑り部材14と同様であるが、ステンレス鋼等を用いることもできる。
図3に示されるように、第1滑り部材14の有底環状凹部44、及び有底円形凹部46の内部には、グリス状の潤滑剤42が保持されており、また、第1滑り部材14の滑り面14Bと第2滑り部材24の滑り面24Aとの間にも潤滑剤42が膜状に介在している。
(作用、効果)
本実施形態の免震滑り支承装置10は、上記のように構成されており、以下その作用、及び効果について説明する。
図1において、本実施形態に係る免震滑り支承装置10を、上部構造体20及び下部構造体18の一方、例えば上部構造体20に固定し、該上部構造体20と下部構造体18との間に介在させる。すると、上部構造体20から滑り支承本体12を介して下部構造体18に荷重が作用し、保持部材16に保持された第1滑り部材14が圧縮荷重を受ける。
なお、第1滑り部材14の外縁は、保持部材16の凹部16Aに嵌合しているので、第1滑り部材14が、凹部16Aの外側に広がることが抑制される。
本実施形態では、第1滑り部材14に形成される有底環状凹部44、及び有底円形凹部46と、第1滑り部材14の滑り面14Bと第2滑り部材24の滑り面24Aとの間に、潤滑剤42が介在しているので、第1滑り部材14と第2滑り部材24との間の低摩擦性を長期にわたって維持することができる。
地震等の作用により上部構造体20が動いた際には、第1滑り部材14が第2滑り部材24に対して滑ることにより、上部構造体20に作用する水平方向の加速度を低減することができる。この際、有底環状凹部44、及び有底円形凹部46の中の潤滑剤42が、第1滑り部材14の滑り面14Bと第2滑り部材24の滑り面24Aとの間に供給される。第1滑り部材14が第2滑り部材24に対して滑ることにより、上部構造体20に作用する水平方向の加速度を低減することができる。
図3に示されるように、有底環状凹部44の底部44a、及び有底円形凹部46の底部46aは、第1滑り部材14の上面14Aと平行とされた平坦部とされているので、平坦部でない場合、言い換えれば尖っている場合に比較して、底部付近に歪みが集中することが抑制され、底部44aと第1滑り部材14の上面14Aとの間、及び底部46aと第1滑り部材14の上面14Aとの間で亀裂が生じ難くなる。
なお、有底環状凹部44の底部44aに生ずる歪みを抑制するには、t×0.3≦W1を満たすように、底部44aの幅W1を決めること、言い換えれば、底部44aの幅W1を第1滑り部材14の厚みtの30%以上とすることが好ましい。
同様に、有底円形凹部46の底部46aに生ずる歪みを抑制するには、t×0.3≦D1を満たすように、底部46aの径D1を決めること、言い換えれば、底部46aの径D1を第1滑り部材14の厚みtの30%以上とすることが好ましい。
さらに、有底環状凹部44の開口部分の面積と有底円形凹部46の開口部分の面積とを足した面積の最大値は、第1滑り部材14の面積の25%以下に抑えることが好ましい。
ここで、図4には、開口部の幅、及び深さが、本実施例の有底環状凹部44と同一寸法とされ、底部が凹円弧形状に形成された第1の比較例に係る有底環状凹部48の断面輪郭線が点線で示されおり、本実施形態の有底環状凹部44の断面輪郭線が実線で記載されている。
図4の記載から、本実施形態の有底環状凹部44は、第1の比較例に係る有底環状凹部48に比較して、実線と点線との間の斜線で示す部分だけ、容積を拡大することができ、これにより、内部に保持される潤滑剤42を増量することができる。
地震等により第1滑り部材14が第2滑り部材24に対して滑ると、有底環状凹部44、及び有底円形凹部46から、第1滑り部材14の滑り面14Bと第2滑り部材24の滑り面24Aとの間に潤滑剤42が供給されるが、本実施形態の有底環状凹部44、及び有底円形凹部46では、内部に保持される潤滑剤42の量が多くなるので、第1の比較例に比較して滑り面に多くの潤滑剤42を供給でき、潤滑剤42切れ、言い換えれば潤滑剤42の枯渇を抑制することができる。
また、本実施形態の有底環状凹部44、及び有底円形凹部46は、開口部分が滑らかな凸円弧形状とされているので、第1滑り部材14が第2滑り部材24に対して滑った場合において、図5に示すような開口部分が湾曲しておらず、角張っている第2の比較例に係る有底凹部50に比較して、第1滑り部材14の滑り面14Bと第2滑り部材24の上面との間に潤滑剤42が進入し易い、言い換えれば、第1滑り部材14の滑り面14Bと第2滑り部材24の上面との間に潤滑剤42を供給し易くなる。
[第2の実施形態]
図6にしたがって、本発明の第2の実施形態に係る免震滑り支承装置10を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の免震滑り支承装置10の第1滑り部材14は、幅及び深さが同じで、径の異なる2つの有底環状凹部44A,44Bが形成されているものである。これにより、第1の実施形態に比較して、第1滑り部材14に保持される潤滑剤42の量が増え、潤滑剤切れをより抑制することができる。
なお、本実施形態の免震滑り支承装置10のその他の作用、効果は、第1の実施形態と同様である。
[第3の実施形態]
図7にしたがって、本発明の第3の実施形態に係る免震滑り支承装置10を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態の第1滑り部材14は、第2の実施形態の第1滑り部材14の変形例であり、内側の有底環状凹部44Aが、外側の有底環状凹部44Bよりも幅広に形成されている。
免震滑り支承装置10においては、第1滑り部材14の内側(中心側)ほど、潤滑剤42を多く供給することが好ましい。そのため、内側の有底環状凹部44Aを外側の有底環状凹部44Bよりも幅広とすることで、有底環状凹部44Aにおける潤滑剤42の保持量を増やし、第1滑り部材14の内側へ潤滑剤42を供給し易くなる。
[第4の実施形態]
図8にしたがって、本発明の第4の実施形態に係る免震滑り支承装置10を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態の免震滑り支承装置10の第1滑り部材14は、幅が同じで、深さが異なる2つの有底環状凹部44A,44Bが形成されているものである。
本実施形態では、内側の有底環状凹部44Aが、外側の有底環状凹部44Bよりも深さが深く形成されている。
前述したように、免震滑り支承装置10においては、第1滑り部材14の内側(中心側)ほど、潤滑剤42を多く供給することが好ましい。そのため、内側の有底環状凹部44Aを外側の有底環状凹部44Bよりも深く形成することで、有底環状凹部44Aにおける潤滑剤42の保持量を増やし、第1滑り部材14の内側へ潤滑剤42を供給し易くなる。
[第5の実施形態]
図9にしたがって、本発明の第4の実施形態に係る免震滑り支承装置10を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図9(A),(B)に示すように、本実施形態の第1滑り部材14では、外側の有底環状凹部44Aと内側の有底環状凹部44Bとが、溝52で互いに連通されている。
溝52は、例えば3本形成され、第1滑り部材14の径方向に延び、有底環状凹部44A及び有底環状凹部44Bにそれぞれ開口している。
各々の溝52は、第1滑り部材14の周方向において、均等に配置されている。換言すれば、各々の溝52は、120°毎に形成されている。本実施形態の溝52は、有底環状凹部44A及び有底環状凹部44Bよりも浅く形成されているが、同じ深さに形成されていてもよい。各々の溝52にも潤滑剤42が保持されている。
この構成により、潤滑剤42を保持する部分が広がり、潤滑剤42が不足しやすい場所に、該潤滑剤42を多く保持することができる。なお、溝52の形状や本数は、これに限られるものではなく、また、溝52が連通しない有底環状凹部44が存在してもよい。
[第6の実施形態]
図10にしたがって、本発明の第6の実施形態に係る免震滑り支承装置10を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態の第1滑り部材14では、中心部に1個の有底円形凹部46のみが形成されている。
第1滑り部材14が第2滑り部材24に対して滑った際に、潤滑剤42の供給量が不足しないのであれば、潤滑剤42を保持する有底円形凹部46は1個であってもよい。
また、1個の有底円形凹部46のみを第1滑り部材14に形成する場合、潤滑剤42の保持量を増やすために、図11に示すように、有底円形凹部46を大径としてもよい。
また、図12に示すように、第1滑り部材14には、複数の有底円形凹部46を形成してもよい。
[第7の実施形態]
図13にしたがって、本発明の第6の実施形態に係る免震滑り支承装置10を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
前述した実施形態では、有底環状凹部44Aの幅方向中心を挟んで第1滑り部材14の径方向内側(中心軸側)と径方向外側とで、側壁面44bの断面形状が左右対称形状であったが、図13に示す本実施形態の有底環状凹部44Aでは、側壁面44bの断面形状が左右非対称形状である。
具体的には、有底環状凹部44Aの幅方向中心を挟んで第1滑り部材14の径方向内側(中心軸CL側)の側壁面44bは、曲率半径がR1とされた凸円弧形状であるが、第1滑り部材14の径方向外側の側壁面44bは、曲率半径がR3とされた凹円弧形状であり、開口部分が尖っている。
これにより、本実施形態の有底環状凹部44Aにおいては、第1滑り部材14の径方向外側よりも中心側へ潤滑剤42を供給し易くなる。
なお、有底環状凹部44Aの径方向外側の開口部分は尖っていたが、図14に示すように、内側の開口部分の曲率半径R1よりも小さい曲率半径R4を有した凸円弧形状としてもよい。この場合も、相対的に、径方向外側よりも中心側へ潤滑剤42を供給しやすくなる。
上記実施形態の免震滑り支承装置10は、複数枚の円板状の金属板30と、複数枚の円板状のゴム34とを積層した積層体22を備えていたが、積層体22は備えられていなくてもよい。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
なお、潤滑剤42を保持するために第1滑り部材14に形成する凹部は、平面視で円形や環状に限らず、図示は省略するが、直線状や曲線状に延びる凹部等、種々の形状の凹部とすることができる。
上記第1の実施形態等の有底環状凹部44は、側壁面44bの断面形状が曲率半径R1とされた凸円弧形状であったが、少なくとも開口部分が凸円弧形状となっていればよく、例えば、図15に示すように、開口部分のみを曲率半径R2の凸円弧形状とし、その底部側を直線形状としてもよい。なお、有底円形凹部46の側壁面46bも同様である。
なお、図示はしないが、側壁面44b、46bの断面形状は、開口部分が凸曲面であればよく、放物線、二次曲線等であってもよい。
免震滑り支承装置10において、第1滑り部材14が下部構造体18に対して滑る構造としたが、上下の向きを反転させて、第1滑り部材14が上部構造体20に対して滑る構造としてもよい。
第2滑り部材24を設けず、上部構造体20及び下部構造体18の他方に、第1滑り部材14に対する滑り面を設けてもよい。
10…免震滑り支承装置、12…滑り支承本体、18…下部構造体、20…上部構造体、42…潤滑剤、44…有底環状凹部、46…有底円形凹部、46a…底部

Claims (6)

  1. 表面に潤滑剤を保持するための凹部を有し、
    前記凹部は、底部が平坦に形成され、開口縁が凸湾曲状に形成されている、滑り部材。
  2. 複数の前記凹部を有し、中央側に配置される前記凹部は、外周側に配置される前記凹部よりも前記底部の幅が広く形成されている、請求項1に記載の滑り部材。
  3. 複数の前記凹部を有し、中央側に配置される前記凹部は、外周側に配置される前記凹部よりも深さが深く形成されている、請求項1または請求項2に記載の滑り部材。
  4. 平面視形状が円形の前記凹部と、円形の前記凹部の径方向外側に配置され平面視形状がリング状の前記凹部とを有している、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の滑り部材。
  5. リング状の前記凹部は、断面で見たときの内周側の前記開口縁の曲率半径が、外周側の前記開口縁の曲率半径よりも大きい、請求項4に記載の滑り部材。
  6. 下部構造体と前記下部構造体の上方に配置される上部構造体との間に介在し、前記上部構造体及び前記下部構造体の一方に固定される滑り支承本体と、
    前記滑り支承本体に設けられ、前記上部構造体及び前記下部構造体の他方に対して、前記凹部を向けた請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の滑り部材と、
    を有する免震滑り支承装置。
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