JP2020105836A - 壁体取付用インパクトダンパー装置およびそれを備えた壁体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、壁体取付用インパクトダンパー装置の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、壁体の一部に左右に離間して壁面から突出するように支持され、左右対となるように設置される横架材と、左右の横架材間に架け渡すように支持され、前記横架材に沿って前記壁体に対し接近離間する方向に移動自在に支持された棒状重錘体と、前記横架材において前記棒状重錘体より前記壁面に近い側に設置された第1の衝撃受部と、前記横架材において前記棒状重錘体より前記横架材の先端側に設置された第2の障壁受部とを具備し、前記壁体の振動に応じて前記棒状重錘体が前記第1の衝撃受部あるいは前記第2の衝撃受部に衝突して前記壁体の振動を低減する。【選択図】図1

Description

本発明は、壁体取付用インパクトダンパー装置およびそれを備えた壁体に関する。
従来から、床や梁などの構造体の上下振動を低減するために、TMD(Tuned Mass Dam per)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
TMDは、通常、重錘、バネ、および減衰装置からなる1自由度振動系として構成され、TMDの固有周期を構造体の1次固有周期と同調させて、重錘を構造体の振動と逆方向に振動させることにより、構造体の振動を低減する装置である。
他方、TMDにおけるバネおよび減衰装置を取り除き、単に重錘を構造体に衝突させることによって構造体の応答を低減する衝撃ダンパーは、機構が単純で周期調整が不要なため、道路照明灯の風揺れ対策などに使用されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−196019号公報 特開2003−206981号公報
特許文献1に記載の衝撃ダンパーは、容器内にバネで重錘を吊り下げ、吊り下げた重錘が容器の天井壁あるいは底壁に衝突することによって上下方向の振動に対する制振力を発生させる衝撃ダンパー装置である。
特許文献2に記載の衝撃吸収ダンパーは、第1重錘を吊り下げたロッド部材が揺動し、第1重錘がその側方に設置されている緩衝材に衝突することで衝撃力を発生させる構造である。
ところで近年、気候の温暖化によって従来よりも風力の強い台風が日本に到達する確率が高くなっている。この背景から、台風が通過する地域に設置されている種々の構造物に台風の被害が及ぶようになってきている。
しかし、既に建築された構造物に対し、これまで以上の風力に耐えるような改造を加えることは費用などの観点から容易ではない問題がある。
また、近年、強風により防風壁などの構造物が想定最大風速以下の風速であっても部分的に倒壊する現象が見られることがあった。
そこで、本発明者らが防風壁の倒壊現場において倒壊の原因を研究したところ、コンクリート基礎の上に鉄骨パネル構造の壁体を構築した構造において、壁体をコンクリート基礎に連結しているボルトが緩み、これが原因となって壁体の倒壊に帰結する例があることを知見した。
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、壁体に作用する強風の影響あるいは大きな地震による影響により壁体が倒壊することを防止できる壁体取付用インパクトダンパー装置およびそれを備えた壁体の提供を目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の壁体取付用インパクトダンパー装置は、壁体の一部に左右に離間して壁面から突出するように支持され、左右対となるように設置される横架材と、左右の横架材間に架け渡すように支持され、前記横架材に沿って前記壁体に対し接近離間する方向に移動自在に支持された棒状重錘体と、前記横架材において前記棒状重錘体より前記壁面に近い側に設置された第1の衝撃受部と、前記横架材において前記棒状重錘体より前記横架材の先端側に設置された第2の障壁受部とを具備し、前記壁体の振動に応じて前記棒状重錘体が前記第1の衝撃受部あるいは前記第2の衝撃受部に衝突して前記壁体の振動を低減することを特徴とする。
風あるいは地震動などによって壁体に振動が作用し、壁体がその厚さ方向に沿って振動した場合、インパクトダンパー装置の棒状重錘体が壁体の振動に合わせて第1の衝撃受部あるいは第2の衝撃受部に衝突するので、棒状重錘体の衝突によって生じる衝撃により壁体の振動を低減できる。
このため、壁体は強風あるいは大きな地震によって倒壊し難くなる。また、コンクリート基礎の上に鉄骨パネル構造などの壁体をボルト止めした構造において、壁体が常時受ける風や振動によって、インパクトダンパー装置の棒状重錘体が第1の衝撃受部あるいは第2の衝撃受部に衝突し、壁体の振動を低減するので、壁体を固定しているボルトの緩みが発生し難くなる。
(2)本発明のインパクトダンパー装置において、前記横架材が前記壁体に支持される上下一対の支持板を有し、これら支持板間に前記棒状重錘体が挟まれつつ前記壁体に対し接近離間する方向に移動自在に支持された構成を採用できる。
横架材が上下対となる支持板により構成されていると、これらの間に棒状重錘体を挟持することができ、棒状重錘体を移動自在に確実に支持できるようになる。
(3)本発明のインパクトダンパー装置において、前記第1の衝撃受部と前記第2の衝撃受部との間に、前記第1の衝撃受部と前記第2の衝撃受部の間の中間原点位置に前記棒状重錘体を復帰させる戻り手段が設けられた構成を採用できる。
棒状支持体の戻り手段を設けることで棒状支持体を常に原点位置に復帰させることができる。
(4)本発明のインパクトダンパー装置において、前記第1の衝撃受部と前記第2の衝撃受部が前記横架材の長さ方向に移動自在、かつ、前記横架材の長さ方向に位置決め自在に取り付けられたことを特徴とする。
この構成により、第1の衝撃受部と第2の衝撃受部の間隔を横架材の長さ方向に沿って自在に調整できるので、棒状重錘体が第1の衝撃受部あるいは第2の衝撃受部に衝突するまでの距離を調節できる。これにより、取り付ける壁体の振動状態に合わせて第1の衝撃受部と第2の衝撃受部の間隔を調整することができ、振動低減機能を壁体に合わせた望ましい状態に調整できる。
(5)本発明のインパクトダンパー装置において、前記横架材を構成する上下一対の支持板において前記第1の衝撃受部が設置されている領域に前記上下一対の支持板の長さ方向に沿うスリット状の位置決め孔が形成され、これら位置決め孔を貫通して設けられた固定ボルトにより前記第1の衝撃受部が前記スリット状の位置決め孔の範囲において前記支持板に対し位置決め自在に支持された構成を採用できる。
(6)本発明のインパクトダンパー装置において、前記横架材を構成する上下一対の支持板において前記第2の衝撃受部が設置されている領域に前記上下一対の支持板の長さ方向に沿うスリット状の位置決め孔が形成され、これら位置決め孔を貫通して設けられた固定ボルトにより前記第2の衝撃受部が前記スリット状の位置決め孔の範囲において前記支持板に対し位置決め自在に支持された構成を採用できる。
(7)本発明のインパクトダンパー装置において、前記戻り手段が、前記棒状重錘体の支持部分に沿って前記支持板に設けられた凹曲面を有する凹曲面板から構成されたことを特徴とする。
棒状重錘体を原点位置に復帰させる機能を有する凹曲面を有する凹曲面板であるならば、棒状重錘体を原点位置に復帰させる場合にバネなどの他の部材や別途動力を用いる必要が無く、棒状重錘体の重量を利用した重力を利用して自然に原点位置に復帰させる構成を実現できる。
(8)本発明のインパクトダンパー装置において、前記棒状重錘体の両端部において前記上下一対の支持板に挟まれる部分に脱輪防止用の鍔部材が設けられた構成を採用できる。
棒状重錘体は鍔部材により支持板に沿って支持板から外れることなく確実に案内され、第1の衝撃受部あるいは第2の衝撃受部に衝突し、確実に振動抑制する。
(9)本発明の壁体は、先のいずれかに記載の壁体取付用インパクトダンパー装置を備えたことを特徴とする。
本発明のインパクトダンパー装置は、風や振動などにより壁体が横揺れした場合に棒状重錘体が第1の衝撃受部あるいは第2の衝撃受部に衝突して衝撃により壁体の横揺れを低減する。このため、インパクトダンパー装置を設けた壁体は、風や振動の影響による横揺れを低減できるので、強風の影響や地震の影響による倒壊のおそれを低減できる。
また、風や振動による壁体の横揺れを低減できるので、コンクリート基礎に鉄骨構造の壁体をボルト結合した構造であっても、ボルトの緩みを生じ難い壁体とすることができる。このため台風の強風や大きな地震によっても倒壊し難い壁体を提供できる。
なお、本発明のインパクトダンパー装置は、既に構築された壁体に対し後付けで取り付け可能であるため、壁体を作り替えるなどの必要は無く、低い予算で壁体の強度向上処理ができる特徴を有する。
本発明に係る第1実施形態のインパクトダンパー装置を適用した壁体を示す正面図。 同壁体の部分断面図。 同インパクトダンパー装置の拡大正面図。 同インパクトダンパー装置に備えられる棒状重錘体の平面図。 同インパクトダンパー装置の要部を示す部分断面図。 同インパクトダンパー装置に備えられる棒状重錘体の端部を示す部分断面図。 同インパクトダンパー装置に備えられる支持板の平面図。 同インパクトダンパー装置に備えられる第1の衝撃受部と第2の衝撃受部の間隔を調整した状態を示す部分断面図。 同インパクトダンパー装置に備えられる支持板と棒状重錘体の端部の位置関係を示す平面図。 同インパクトダンパー装置に備えられる支持板と棒状重錘体の端部の位置関係を示す部分断面図。 同インパクトダンパー装置に備えられる第1の衝撃受部と第2の衝撃受部の間隔を調整して狭めた状態を示す平面略図。 同インパクトダンパー装置に備えられる第1の衝撃受部の断面図。 同インパクトダンパー装置に備えられる第1の衝撃受部と第2の衝撃受部の間隔を調整して拡げた状態を示す平面略図。 同インパクトダンパー装置に備えられるカバー部材の一例を示す斜視図。 同インパクトダンパー装置を壁体に取り付ける場合に用いるベース基板と取付金具の一例を示す正面図。 同インパクトダンパー装置を壁体に取り付ける場合に用いるベース基板と取付金具の一例を示す側面図。 同インパクトダンパー装置に備えられる凹曲面板と棒状重錘体の移動の関係を示す説明図。 同インパクトダンパー装置を備えた壁体の他の例を示す説明図。 本発明に係る第2実施形態のインパクトダンパー装置を壁体に取り付けた状態を示す部分断面図。 同インパクトダンパー装置を取り付けた壁体の正面図。 同インパクトダンパー装置の断面図。
以下、本発明の実施形態であるインパクトダンパー装置とそれを備えた壁体の構造の一例について、図1〜図16を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
「第1実施形態」
図1、図2は、本発明に係る第1実施形態のインパクトダンパー装置Aを適用した壁体1を示すもので、本実施形態の壁体1は、地盤等の基礎に下部を埋設させたコンクリート構造物などの基礎2の上に組み付ける鉄骨パネル構造とされている。
基礎2の上面に固定ボルト3によって複数の支柱5が固定されている。図1、図2に示す実施形態では基礎2の上面幅方向両端部に沿ってL型鋼材からなる支持部材6、6が敷設され、これらの支持部材6、6に一体化された支柱5の底部が支持されている。支持部材6、6を所定の間隔で上下に貫通するように固定ボルト3が設けられ、基礎2に埋設されている図示略のねじ受部に固定ボルト3の先端側が螺合されている。
図1の例では、壁体1が設けられている面方向、換言すると水平方向をX方向と規定し、壁体1の厚さ方向をY方向と規定し、上下方向をZ方向と規定し、以下の説明に適宜使用する。
支柱5は基礎2に沿って所定の間隔で立設され、左右に隣接する支柱5、5の間には例えばパネル構造の壁面板7が挟持され、隣接する支柱5、5の間が壁面板7により閉じられている。
本実施形態では、図1に示すように左右に隣接する支柱5、5に架け渡すようにインパクトダンパー装置Aが取り付けられている。なお、図1はインパクトダンパー装置Aを設けた壁体1の一部分のみを示す正面図であり、壁体1は図1の+X方向と−X方向に延在されているので、インパクトダンパー装置Aは壁体1に沿って所定の間隔で複数設けられていることが好ましい。なお、インパクトダンパー装置Aを設ける間隔や個数は制振しようとする壁体1の規模、重量、幅等の大小に応じて適宜の個数を設置可能であるので、本願明細書では何ら制限するものではない。また、図1、図2に示す実施形態では1組の支柱5、5に対し1基のインパクトダンパー装置Aを設けた例について説明するが、支柱5、5に対し上下方向に沿って(Z方向に沿って)複数のインパクトダンパー装置Aを設けてもよいのは勿論である。
図3に本実施形態のインパクトダンパー装置Aの正面構造を示し、図4にインパクトダンパー装置Aに設けられている棒状重錘体8の平面視形状を示し、図5にインパクトダンパー装置Aの側面構造を示す。
図1、図2に示すように左右に隣接する支柱5、5の上端から若干低い位置に取付金具10によって壁面に対し垂直に突出するように横架材11が支持されている。
本実施形態において横架材11は、上下に所定の間隔で離間し水平配置された対となる支持板12、12と、これら支持板12、12の基端側に挟持された第1の衝撃受部13と、これら支持板12、12の先端側に挟持された第2の衝撃受部15を主体として構成されている。
支持板12は、幅寸法に対し長さ寸法が6〜7倍程度の短冊状の板体からなり、上下に所定の間隔をあけて水平配置された支持板12、12の間に棒状重錘体8の端部が挿入されている。
上下で対となる支持板12、12は、上下に配置された取付金具10、10により水平に支持されている。
取付金具10は、複数の鋼板を溶接などの接合手段によって一体化してなる。取付金具10は、支柱5の正面5aに当接されるベース基板Bに沿わせられるベースプレート10aと、このベースプレート10aに対し垂直に接合された支持プレート10bと、前記ベースプレート10aに対し垂直に接合された補強プレート10cからなる。
取付金具10は、ベースプレート10aを平板状のベース基板Bの所定位置に固定ボルト14とそれに螺合されたナット14aにより固定することでベース基板Bに固定されている。ベース基板Bは図示略の固定ボルトなどで支柱5の正面5aにボルト止めされる。
図5に示すように、ベース基板Bの上部側に取り付けられた取付金具10において、水平向きに延在されている支持プレート10bの下面に、上側の支持板12の基端部が重ねられ、この支持板12の下に取付プレート10dが重ねられ、これらを貫通する固定ボルト16とこれに螺合されるナット16aにより上側の支持板12が水平に支持されている。
ベース基板Bの下部側に取り付けられた取付金具10において、水平向きに延在されている支持プレート10bの上面に、下側の支持板12の基端部が重ねられ、この支持板12の上に取付プレート10dが重ねられ、これらを貫通する固定ボルト16とこれに螺合されるナット16aにより下側の支持板12が水平に支持されている。
即ち、図5に示すように上下に対となるように配置されている支持板12、12のそれぞれの基端側には上下に離間するように取付金具10、10が配置されていて、上側の支持板12が上側の取付金具10により支持され、下側の支持板12が下側の取付金具10により支持されている。なお、図5では固定ボルト14とナット14aをいずれも緩めた状態で描いているが、インパクトダンパー装置Aの壁体1への取付状態において固定ボルト14に対しナット14aを緊結し、ベース基板Bに対しベースプレート10aを強く密着させ、一体化する。
図3、図4等に示すように、棒状重錘体8は鉄鋼などからなる丸棒状の鋼材からなり、その両端側に外側フランジ17と内側フランジ18が支持板12の横幅よりも若干長い間隔をあけて対をなすように形成されている。外側フランジ17と内側フランジ18の外径は同一径とされているが、これらの外径は図3または図5に示すように上下に離間配置されている支持板12、12の間隔よりも若干大きく形成されている。
棒状重錘体8は壁体1の重量や規模にもよるが、衝撃により壁体1の振動や横揺れを解消できるような質量を有する必要がある。このため、例えば、道路の横に設置される高さ6.0m程度、支柱間隔2.0m程度の鉄骨パネル製の防音壁に取り付ける場合、風力により1t程度の横揺れ力が作用すると想定し、外径100mm、長さ2.5m、質量150〜160kg程度の質量に設定することができる。ここで記載した棒状重錘体8の外径、長さ、質量は一例であり、壁体1の質量や規模、取り付けるインパクトダンパー装置Aの個数に応じて適宜設定することが必要となる。
外側フランジ17と内側フランジ18の相対向する内面外周側には、図3あるいは図4に示すようにこれらフランジの外周端側にゆくほどこれらフランジの肉厚を減じるようなテーパー面17a、18aが形成されている。これらのテーパー面17a、18aは図3に示すように上下の支持板12、12間に棒状重錘体8の両端部を挟持させた場合、上下の支持板12の側面に隣接する位置に配置される。このため、棒状重錘体8が上下の支持板12、12の間に沿って水平移動する際、支持板12から棒状重錘体8が脱輪しないように規制する規制面としてテーパー面16a、17aが機能する。
図7、図9等に示すように、支持板12、12においてそれらの基端側(取付金具10による支持部分に近い側)に支持板12の長さ方向に沿う2つのスリット状の位置決め孔20が形成されている。2つの位置決め孔20は支持板12の幅方向に離間するように形成され、位置決め孔20の長さは棒状重錘体8のフランジ部の外径より若干短い長さに形成されている。
また、支持板12、12においてそれらの先端部側にも支持板12の長さ方向に沿う2つのスリット状の位置決め孔21が形成されている。2つの位置決め孔21は支持板12の幅方向に離間するように形成され、位置決め孔21の長さは先の位置決め孔20と同程度の長さに形成されている。
上下に配置されている支持板12、12において、上方の支持板12の上面に支持板12より薄い板状の位置決め板22が積層されている。この位置決め板22の幅は支持板12の幅と同等であり、長さは支持板12の長さより若干短く形成されている。従って、図5に示すように上側の支持板12の上に位置決め板22を重ねた場合、位置決め板22は取付金具10による支持板12の支持部分近くから支持板12の先端まで達している。
この位置決め板22の基端側と先端側には、上方の支持板12に形成されているスリット状の位置決め孔20、21に重なる位置に丸孔型の位置決め孔23が形成されている。この位置決め孔23の内径はスリット状の位置決め孔20、21の幅と同程度の大きさとされている。
上下に配置されている支持板12、12において、それらの基端部に近い側に支持板12、12に挟まれるように第1の衝撃受部13が介挿され、それらの先端側に近い側に支持板12、12に挟まれるように第2の衝撃受部15が介挿されている。
第1の衝撃受部13は、上下の支持板12、12間に挟持される角柱状の本体部13aと、この本体部13aの一側から支持板12の先端側に向いて支持板12の長さ方向に沿うように延出された柱状の延出部13bと、この延出部13bの先端部に装着された弾性部材からなる衝突壁13cとから構成されている。
第2の衝撃受部15は、上下の支持板12、12に挟持される角柱状の本体部15aと、この本体部15aの一側から支持板12の基端側に向いて支持板12の長さ方向に沿うように延出された柱状の延出部15bと、この延出部15bの先端部に装着された弾性部材からなる衝突壁15cとから構成されている。
第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15は、それらの衝突壁13cと衝突壁15cを対向させるように上下の支持板12、12間に介挿されている。
第1の衝撃受部13の本体部13aおよび延出部13と、第2の衝撃受部15の本体部15aおよび延出部15bは金属製であり、衝突壁13c、15cはゴムなどの弾性体からなる。
第1の衝撃受部13において衝突壁13cは、本体部13aと延出部13bと衝突壁13cの中心部を貫通した取付ボルト25とこれに螺合されたナット25aにより延出部13bの先端に取り付けられている。
第2の衝撃受部15において衝突壁15cは、本体部15aと延出部15bと衝突壁15cの中心部を貫通した取付ボルト26とこれに螺合されたナット26aにより延出部15bの先端に取り付けられている。
第1の衝撃受部13は上下の支持板12、12の基端側に挟持されているが、支持板12と第1の衝撃受部13の本体部13aとの境界部分には、支持板裏面と本体部外面のショットブラスト処理あるいは支持板裏面と本体部外面の微細凹凸部形成処理による滑り止め部12aが形成されている。なお、図5では滑り止め部12aを誇張表示するため、支持板12の裏面側に新たな層を介在させたように描いたが、この位置に別途何らかの層を介在させる訳ではなく、支持板裏面に滑り止め機能を有した部分が形成されていれば良い。勿論、図面に示す位置に滑り止め用の微細凹凸内外面を有する板材を溶接などの手法により支持板裏面側あるいは本体部外面側に介在させても良い。
第2の衝撃受部15は上下の支持板12、12の先端側に挟持されているが、支持板12と第2の衝撃受部15の本体部15aとの境界部分にも先の滑り止め部12aと同等の滑り止め部12bが形成されている。
第1の衝撃受部13は、上下の支持板12に形成されているスリット状の位置決め孔20と、本体部13aに形成されている貫通孔13dと、位置決め板22の位置決め孔23とを貫通する連結ボルト27と、この連結ボルト27に螺合されたナット27aにより一体化されている。
第2の衝撃受部15は、上下の支持板12に形成されているスリット状の位置決め孔20と、本体部15aに形成されている貫通孔15dと、位置決め板22の位置決め孔23とを貫通する連結ボルト28と、この連結ボルト28に螺合されたナット28aにより一体化されている。
第1の衝撃受部13を縦方向に貫通している連結ボルト27とこれに螺合するナット27aを緊結することで第1の衝撃受部13を上下の支持板12、12によって強く挟持することができる。この場合、第1の衝撃受部13の上下面および支持板12の下面あるいは上面に設けたショットブラスト処理面あるいは微細凹凸形成処理面の存在により、第1の衝撃受部13は上下の支持板間において衝撃等を受けても位置ずれすることなく安定支持される。
第2の衝撃受部15を縦方向に貫通している連結ボルト28とこれに螺合するナット28aを緊結することで第2の衝撃受部15を上下の支持板12、12によって強く挟持することができる。前述のショットブラスト処理面あるいは微細凹凸形成処理面の存在により、第2の衝撃受部15も上下の支持板間において衝撃等を受けても位置ずれすることなく安定支持される。
第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15は位置決め板22が無ければ、連結ボルト27、28が支持板12のスリット状の位置決め孔20、21に沿って移動できるので固定位置の調節ができる。しかし、支持板12に積層された位置決め板22に形成された位置決め孔23が丸孔状であるので、図5に示す状態において、第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15は位置決め板22によって位置決めされて、支持板12の長さ方向には移動できない。
位置決め板22は第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の間隔を規定するための部材である。図5に示す位置決め板22では支持板基端側のスリット状の位置決め孔20において支持板12の基端側端部に位置するように位置決め孔23が形成されている。また、位置決め板22では支持板先端側のスリット状の位置決め孔21において支持板12の先端側端部に位置するように位置決め孔23が形成されている。
このため、図5に示す状態では、第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15が最も離れた位置に設置されている。第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の間隔を図5に示す状態より接近させた位置に調整する場合は、位置決め板22において位置決め孔23、23の間隔が狭いものを別途用意して対応する。即ち、図5に示す位置よりも接近した位置に位置決め孔23、23を形成した別の位置決め板を用意し、この位置決め板と取り替えることで第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の間隔を調整することができる。なお、第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の間隔を調整できる範囲は、支持板12に形成しているスリット状の位置決め孔20、21の範囲内である。
一例として、先に説明した高速道路の遮音壁に取り付けるサイズとして設計すると、支持板の長さ1300mm程度、第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の間隔50〜200mm程度に設定することができる。従って、第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の間隔を50〜200mm程度調整可能とするスリット状の位置決め孔20、21を支持板に形成しておくことが好ましい。
図5に示す第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の間であって下側の支持板12の上面に緩やかな凹曲面30aを有する凹曲面板30が取り付けられている。凹曲面30aは曲率半径Rの大きい緩やかな円弧面であり、第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の中間位置に円弧面の最も低い面が配置され、第1の衝撃受部13に最も近い位置に円弧面の最も高い位置が配置され、第2の衝撃受部15に最も近い位置に円弧面の最も高い位置が配置されている。この凹曲面板30の上に棒状重錘体8が載置されている。
また、凹曲面板30を取り付けた支持板12の下面側に図6に示すようにL字鋼板からなるレール部材31が取り付けられている。レール部材31はその一片31a側を支持板12の下面に当接させ、残りの1片31bを支持板下面から下方に延出するように支持板12の下面に取り付けられている。また、案内部材31の角部31cは支持板12の下面幅方向両端部から若干外側にはみ出す位置に設置されている。
これらレール部材31は、図6に示すように外側フランジ17のテーパー面17aあるいは内側フランジ18のテーパー面18aと微小間隔をあけて対向し、棒状重錘体8の脱輪を防止する。レール部材31の長さは図5に示すように凹曲面板30の長さと同等に形成されている。
以上説明の構成によると、棒状重錘体8の両端部はそれらの下側に配置されている凹曲面板30に支持されているので、棒状重錘体8は凹曲面30aに沿って回転しながら壁体1に対し接近離間する方向に移動することができる。換言すると、棒状重錘体8は支持板12、12の長さ方向(壁体1に接近あるいは離間する方向)に沿って前後移動することができる。
棒状重錘体8は、壁体1の振動や横揺れなどの影響を受けていない初期状態においては、凹曲面30aの最も低い位置を原点位置としてこの原点位置に位置される。即ち、初期状態において棒状重錘体8は第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の中間位置に保持される。
また、壁体1の振動や横揺れの影響を受けて棒状重錘体8が凹曲面30aに沿って移動したとして、壁体1の振動や横揺れの影響が無くなった場合に棒状重錘体8は凹曲面30aの最も低い位置に復帰する。即ち、棒状重錘体8は原点位置に自動的に復帰する。このため、凹曲面30aを有する凹曲面板30は棒状重錘体8を原点復帰させる戻り手段として機能する。
以上説明したインパクトダンパー装置Aによると、風による横揺れが壁体1に生じた場合、周辺環境の振動による横揺れが壁体1に生じた場合、あるいは、地震動などにより壁体1に横揺れが生じた場合、棒状重錘体8は凹曲面板30、30に沿って前後移動する。
壁体1の横揺れが小さい場合、棒状重錘体8は第1の衝撃受部13あるいは第2の衝撃受部15に到達しないが、壁体1の横揺れがある程度以上大きくなると、棒状重錘体8は衝撃受部13あるいは第2の衝撃受部15に衝突する。
棒状重錘体8が第1の衝撃受部13あるいは第2の衝撃受部15に衝突することで棒状重錘体8は支持板12、12を介し壁体1を制振する。これにより壁体1を制振できるので、壁体1は強風あるいは大きな地震などによる揺れなどに強い構造となる。
また、壁体1を制振できることから、壁体1を基礎2に固定している固定ボルト3に緩みを生じ難い構造にできる。このため、固定ボルト3の緩みに起因し、設計許容範囲内の強風や揺れによって壁体1が倒壊するという現象は生じない。
インパクトダンパー装置Aは、壁体1を構築した後、後付けで取り付け可能な装置である。このため、既設の壁体1の補強工事などを別途行わずとも、インパクトダンパー装置Aを取り付けることで壁体1の制振補強ができたこととなる。
棒状重錘体8が第1の衝撃受部13あるいは第2の衝撃受部15に衝突する場合、棒状重錘体8は最初に弾性体からなる衝突壁13cあるいは衝突壁15cに衝突するので、衝突時の衝撃による延出部13b、15cの破損や損傷を防止できる。また、衝突壁13c、15cをゴム等の弾性体から構成することにより、衝突時に発生する衝突音を抑制できる。
インパクトダンパー装置Aは、位置決め板22に替えて、位置決め孔23の形成位置が異なる他の位置決め板に取り替え、支持板12のスリット孔20、21の範囲で連結ボルト27、28の締め付け位置を変更することで、第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の間の間隔を調整することができる。
例えば、図5〜図10に示す位置から、図11に示す位置に第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の位置を変更することができる。
図11に示す位置では第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の間隔が図5〜図10に示す間隔より狭いので、壁体1の小さな横揺れでも棒状重錘体8を第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15に衝突させて制振することができる。
図14は本実施形態に係るインパクトダンパー装置Aに用いて好適なウエザーカバーの一例を示す斜視図である。
この例のウエザーカバーCは、角リング状の鋼板からなる取付枠40の一側に先のインパクトダンパー装置Aの横架材11の上部側と両側部側を包囲できる大きさの天板40aおよび側板40b、40bを備えている。
取付枠40を先の実施形態のベース基板Bにボルト止めなどの手段により取り付けることで天板40aおよび側板40b、40bによりインパクトダンパー装置Aの横架材11のほぼ全体を覆い隠すことができる。
なお、図14に示す左右の側板40bのどちらか一方には、棒状重錘体8の前後移動時に側板40cが棒状重錘体8と干渉しないように下向きの凹部を設けておく必要がある。
図1に示すように左右に対となる横架材11を設ける場合、左側の横架材11をウエザーカバーCで覆う場合は、右側の側板40bに下向きの凹部を形成し、右側の横架材11をウエザーカバーCで覆う場合は、左側の側板40bに下向きの凹部を形成しておく。
横架材11、11の長さ方向に沿って、壁体1に対し接近または離間する方向に棒状重錘体8が前後移動する場合、この前後移動と干渉しないようにウエザーカバーCの側板形状を工夫することが好ましい。
図17は、凹曲面30aを有する凹曲面板30に沿って棒状重錘体8が移動する場合、凹曲面30aの曲率半径の大きさについて示すための説明図である。
仮に、凹曲面30aの曲率半径Rを6mに設定し、凹曲面板30の長さの半分の値をδH、凹曲面板30の端部の最大厚さ位置の高さをδVと仮定する。そして、曲率半径Rの中心位置から凹曲面板30の長さ方向中央部の原点位置に棒状重錘体8が存在する場合の半径と、凹曲面板30の端部の最大厚さ位置の高さ位置に棒状重錘体8が存在する場合の半径がなす角度をθと規定し、これらの関係を求めた。
δH=100mmとすると、θ=0.0167rad、δV=1.67mmとなる。
δH=200mmとすると、θ=0.0333rad、δV=3.34mmとなる。
δH=300mmとすると、θ=0.0500rad、δV=5.01mmとなる。
これらの数値から、インパクトダンパー装置Aの凹曲面板30は無理のない大きさで設計し、実現できることが判る。
インパクトダンパー装置Aを現場において組み立てる場合、棒状重錘体8のフランジ17、18は工場等で予め鋼棒等に溶接により一体化した状態で作製しておき、搬入することが好ましい。また、ベース基板Bに対し取り付け基板10を工場等で予めボルト止めしてから現場に搬入し、壁体1の支柱5に対しベース基板Bを取り付けることが好ましい。
図15、図16はベース基板Bに対し取り付け基板10を予め取り付けた状態の一例を示す図である。これらの図に示すように組み付けてから現場に搬送することが好ましい。
上下で対となる支持板12については、予め凹曲面板30とレール部材31を溶接等の接合手段により取り付けておくことが好ましい。
上下で対となるべき支持板12のうち、下側の支持板12を工場等の組み立て作業場で水平に左右に離間させて平行に設置し、左右の支持板12の凹曲面板30の上に棒状重錘体8を載せる。次に、下側の左右の支持板12にそれぞれ第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15を載せ、その後にこれらの上に、上側左右の支持板12を水平に設置する。
上側左右の支持板12の上に位置決め板22を載せ、連結ボルト27、28とナット27a、28aを用いて第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15を個々に締め付けることで左右それぞれの上下の支持板12、12どうしを一体化することができる。
以上の一体化組み立て状態で現場に搬入し、図15、図16に示す状態のベース基板Bに対し取り付け基板10を予め取り付けた状態のものを図1に示す壁体1の左右に隣接する支柱5、5の前面にボルト固定する。
壁体1の支柱5、5に取り付けた固定金具10、10に工場で組み立てた上述の一体化物を装着し、各支持板12の基端側を支持プレート10bと取付プレート10dの間に挟んでこれらをボルト16とナット16aを用いてボルト止めすることで、図1〜図5に示すインパクトダンパー装置Aを構成できる。
必要に応じ、図14に示すウエザーカバーCを支柱5にボルト止めすることでカバー付のインパクトダンパー装置Aが完成する。
図18は、道路45の端部側に設置されている遮音壁46であって、上部が道路側に湾曲している構造の遮音壁46にインパクトダンパー装置Aを取り付けた状態の一例を示す部分断面図である。
図18に示すようにインパクトダンパー装置Aは遮音壁46の下部側であって、遮音壁46を支持する支柱47の外側に取り付けられている。
上部側が道路側に湾曲している構造の遮音壁46に対し、その下部側の支柱47であって、鉛直に設置されている支柱47に対し、インパクトダンパー装置Aを取り付けることが好ましい。
また、インパクトダンパー装置Aは壁面から突出するので遮音壁46の道路側ではなく、道路と反対側の面に設置することが好ましい。
図18に示すように遮音壁46にインパクトダンパー装置Aを取り付けることによって、先の実施形態において説明した場合と同様に遮音壁46の制振ができる。
このため、インパクトダンパー装置Aを備えた遮音壁46の強風による倒壊を防止し、大きな地震による倒壊を防止できる。
図19〜図21は、本発明に係るインパクトダンパー装置の第2実施形態を示すもので、この第2実施形態のインパクトダンパー装置Bは、壁体1の一部に設けられている左右に隣接する支柱5、5の上端部に水平に取り付けられている。
先に説明した第1実施形態のインパクトダンパー装置Aは、取付金具10、10により、左右に隣接する支柱5、5の前面側あるいは背面側、即ち、壁体1の前面側あるいは背面側に突出するように取り付けられている。これに対し、第2実施形態のインパクトダンパー装置Bは、支持板12の底面中央部に取り付けられた取付金具10、10により支柱5に取り付けられている。
インパクトダンパー装置Bの構造はインパクトダンパー装置Aの構造と基本的に同一であるが、壁体1に対する取付構造が異なる。
インパクトダンパー装置Bが横架材11を有し、支持板12、12、第1の衝撃受部13、第2の衝撃受部15を有する点は同等構造である。インパクトダンパー装置Bがフランジ17、18を有する棒状重錘体8を有する構造も同等である。
棒状重錘体8を案内する凹曲面板30を有し、その凹曲面30aに沿って棒状重錘体8が移動する点も同様である。このため、インパクトダンパー装置Bにおいてインパクトダンパー装置Aと同一の部分には同一の符号を付し、同一部分の説明は省略する。
インパクトダンパー装置Bは、図21に示すように凹曲面30aの最も低い位置を支柱5の中心に位置合わせするように支柱5の上端に取付金具10、10により固定されている。取付金具10、10はこれらにより支柱5の上端前面側と上端背面側を挟持できる位置に取り付けられている。図21では支柱5の右側が支柱5の前面側、支柱5の左側が支柱5の背面側を示す。
第1実施形態のインパクトダンパー装置Aでは、支持板12の一端側を延出させてその延出部分に取付金具10を取り付けているが、第2実施形態のインパクトダンパー装置Bでは、この延出部分が形成されておらず、第1の衝撃受部13が支持板12の一端側に配置されている。
取付金具10は、第1実施形態の構造と同等であり、ベースプレート10aと支持プレート10bと補強プレート10cからなる。
図21に示す状態で右側の取付金具10のベースプレート10aが支持板12の底面に、支持プレート10bが支柱5の上端部前面側に添わせられるとともに、他方の取付金具10のベースプレート10aが支持板12の底面に、支持プレート10bが支柱5の上端部背面側に添わせられている。
図21の右側の取付金具10のベースプレート10aが溶接等の固定手段により支持板12の底面に固定され、図21の左側の取付金具10のベースプレート10aが溶接等の固定手段により支持板12の底面に固定されている。
そして、図21の右側の支持プレート10bと支柱5の前面壁を貫通したボルト52とこれに螺合したナット53により、更には、図21の左側の支持プレート10bと支柱5の背面壁を貫通したボルト52とこれに螺合したナット53により、インパクトダンパー装置Bが固定されている。
図21に示すように棒状重錘体8は、壁体1の振動や横揺れなどの影響を受けていない初期状態においては、凹曲面30aの最も低い位置を原点位置としてこの原点位置に位置している。即ち、初期状態において棒状重錘体8は第1の衝撃受部13と第2の衝撃受部15の中間位置に保持される。
また、壁体1の振動や横揺れの影響を受けて棒状重錘体8が凹曲面30aに沿って移動したとして、壁体1の振動や横揺れの影響が無くなった場合に棒状重錘体8は凹曲面30aの最も低い位置に復帰する。即ち、棒状重錘体8は原点位置に自動的に復帰する。このため、凹曲面30aを有する凹曲面板30は棒状重錘体8を原点復帰させる戻り手段として機能する。
次に、風による横揺れが壁体1に生じた場合、周辺環境の振動による横揺れが壁体1に生じた場合、あるいは、地震動などにより壁体1に横揺れが生じた場合、棒状重錘体8は凹曲面板30、30に沿って移動する。
壁体1の横揺れが小さい場合、棒状重錘体8は第1の衝撃受部13あるいは第2の衝撃受部15に到達しないが、壁体1の横揺れがある程度以上大きくなると、棒状重錘体8は衝撃受部13あるいは第2の衝撃受部15に衝突する。
棒状重錘体8が第1の衝撃受部13あるいは第2の衝撃受部15に衝突することで棒状重錘体8は支持板12、12を介し壁体1を制振する。これにより壁体1を制振できるので、壁体1は強風あるいは大きな地震などによる揺れなどに強い構造となる。
また、壁体1を制振できることから、壁体1を基礎2に固定している固定ボルト3に緩みを生じ難い構造にできる。このため、固定ボルト3の緩みに起因し、設計許容範囲内の強風や揺れによって壁体1が倒壊するという現象は生じない。
第2実施形態の構造では、壁体1の最上部にインパクトダンパー装置Bを取り付けているため、壁体1が横揺れする場合の最大移動位置にインパクトダンパー装置Bを取り付けたこととなり、第1実施形態の構造より効率の高い制振効果を期待できる。
第2実施形態では、図21に示すように支持板12の長さ寸法の半分のみを壁体1の前面側と背面側に突出させた構造となるため、壁体1の前面側あるいは背面側での突出量を第1実施形態の構造より小さくできる。このため、壁体1に対し第1実施形態の構造より目立たない取付構造を実現できる。
また、第1実施形態のインパクトダンパー装置Aの取り付け構造に対し、第2実施形態のインパクトダンパー装置Bの取り付け構造であれば、取り付け部分の構造を簡略化できる。第1実施形態のインパクトダンパー装置Aの取付構造に対し、第2実施形態の取付構造の方がボルト止め本数を少なくできるので、取付作業が容易となる。
1…壁体、A、E…インパクトダンパー装置、2…基礎、3…固定ボルト、5…支柱、
6…支持部材、7…壁面板、8…棒状重錘体、10…取付金具、11…横架材、
12…支持板、12a、12b…滑り止め部、13…第1の衝撃受け部、
13a…本体部、13b…延出部、13c…衝突壁、15…第2の衝撃受部、
15a…本体部、15b…延出部、15c…衝突壁、17…外側フランジ、
17a…テーパー面、18…内側フランジ、18a…テーパー面、
20、21…位置決め孔、22…位置決め板、25、26…取付ボルト、
25a、26a…ナット、27、28…連結ボルト、30…凹曲面板(戻り手段)、
30a…凹曲面、46…遮音壁、47…支柱。

Claims (9)

  1. 壁体の一部に左右に離間して壁面から突出するように支持され、左右対となるように設置される横架材と、左右の横架材間に架け渡すように支持され、前記横架材に沿って前記壁体に対し接近離間する方向に移動自在に支持された棒状重錘体と、前記横架材において前記棒状重錘体より前記壁面に近い側に設置された第1の衝撃受部と、前記横架材において前記棒状重錘体より前記横架材の先端側に設置された第2の障壁受部とを具備し、
    前記壁体の振動に応じて前記棒状重錘体が前記第1の衝撃受部あるいは前記第2の衝撃受部に衝突して前記壁体の振動を低減する壁体取付用インパクトダンパー装置。
  2. 前記横架材が前記壁体に支持される上下一対の支持板を有し、これら支持板間に前記棒状重錘体が挟まれつつ前記壁体に対し接近離間する方向に移動自在に支持されたことを特徴とする請求項1に記載の壁体取付用インパクトダンパー装置。
  3. 前記第1の衝撃受部と前記第2の衝撃受部との間に、前記第1の衝撃受部と前記第2の衝撃受部の間の中間原点位置に前記棒状重錘体を復帰させる戻り手段が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁体取付用インパクトダンパー装置。
  4. 前記第1の衝撃受部と前記第2の衝撃受部が前記横架材の長さ方向に移動自在、かつ、前記横架材の長さ方向に位置決め自在に取り付けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の壁体取付用インパクトダンパー装置。
  5. 前記横架材を構成する上下一対の支持板において前記第1の衝撃受部が設置されている領域に前記上下一対の支持板の長さ方向に沿うスリット状の位置決め孔が形成され、これら位置決め孔を貫通して設けられた固定ボルトにより前記第1の衝撃受部が前記スリット状の位置決め孔の範囲において前記支持板に対し位置決め自在に支持されたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の壁体取付用インパクトダンパー装置。
  6. 前記横架材を構成する上下一対の支持板において前記第2の衝撃受部が設置されている領域に前記上下一対の支持板の長さ方向に沿うスリット状の位置決め孔が形成され、これら位置決め孔を貫通して設けられた固定ボルトにより前記第2の衝撃受部が前記スリット状の位置決め孔の範囲において前記支持板に対し位置決め自在に支持されたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の壁体取付用インパクトダンパー装置。
  7. 前記戻り手段が、前記棒状重錘体の支持部分に沿って前記支持板に設けられた凹曲面を有する凹曲面板から構成されたことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の壁体取付用インパクトダンパー装置。
  8. 前記棒状重錘体の両端部において前記上下一対の支持板に挟まれる部分に脱輪防止用の鍔部材が設けられたことを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の壁体取付用インパクトダンパー装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の壁体取付用インパクトダンパー装置を備えたことを特徴とする壁体。
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