JP2020105447A - ポリイミド前駆体及びポリイミド - Google Patents

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【課題】低リタデーション(Rth≦50nm)であり、優れた耐熱性を有する薄膜ポリイミドフィルムの提供。【解決手段】ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミド前駆体であって、下記式(1)に示すジアミンに由来する構造単位と、下記式(2)に示す酸二無水物に由来する構造単位とを有し、ポリイミドのRthが50nm以下、Reが10nm以下、Td1が450℃以上であることを特徴とするポリイミド前駆体。【選択図】なし

Description

本発明は、透明樹脂基板等として有用なポリイミド及びその前駆体に関する。
有機EL装置等の表示装置やタッチパネルは、テレビのような大型ディスプレイや、携帯電話、パソコン、スマートフォンなどの小型ディスプレイをはじめ、各種のディスプレイの構成部材として使用される。例えば、有機EL装置は、一般に支持基板であるガラス基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、更にその上に電極、発光層及び電極を順次形成し、これらをガラス基板や多層薄膜等で気密封止して作られる。また、タッチパネルは、第1の電極が形成された第1のガラス基板と、第2の電極が形成された第2のガラス基板とを絶縁層(誘電層)を介して接合した構成となっている。
これらの構成部材は、ガラス基板上に各種の機能層を形成した積層体である。このガラス基板を樹脂基板へと置き換えることにより、従来のガラス基板を用いた構成部材を、薄型化・軽量化・フレキシブル化することができる。これを利用して、フレキシブルディスプレイ等のフレキシブルデバイスを得ることが期待される。一方、樹脂はガラスと比較して寸法安定性、透明性、耐熱性、耐湿性、フィルムの強さ等が劣るため、種々の検討がなされている。
この用途の透明樹脂フィルムとして、耐熱性等に優れたポリイミドフィルムについても、各種の検討が行われている。タッチパネルやタッチセンサー用途向けに使用される透明樹脂フィルムは、各種の要求物性があるが、視認性を上げるため、リタデーション(位相差:R)が低いことも必要である。
例えば、特許文献1、2、非特許文献1は、特定の脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸構造の繰返し単位を有する延伸ポリイミドフィルムを開示する。しかし、脂環構造を含むことから、熱分解温度や変色温度が低く、パネル製造工程の加熱によって、アウトガスの放出と変色が発生し、耐えられる工程温度が低くなる。
特許文献3は、ジアン系モノマー及びジアンヒドリド系モノマーを含む重合組成が共重合されたポリイミドを開示する。しかし、リタデーションについて言及していない。
特開2008―163107号公報 WO2014/162733号 特開2018−515651号公報 High Perform.Polym,13,S93(2001)
タッチパネルやタッチセンサー用途向けに使用される透明樹脂フィルム(基板)は、視認性を上げるため、リタデーション(位相差:R)が低いことが必要である。面内方向のリタデーション(Re)だけでなく、厚み方向のリタデーション(Rth)が高くても、光散乱が発生し、焦点が合わなくなり、画像の視認性が低下する。半脂環式ポリイミドから得られる膜の透明性は比較的高いものの、光学材料としての用途を考えた場合には複屈折率が大きいため、画像が二重に見えたり、色がぼやけたりしてしまうということもあった(非特許文献1)。そのため、透明樹脂フィルムとして、最近はRth≦50nmの透明樹脂フィルムが求められている。
一方、ポリイミドフィルムを薄膜化する製法として、支持基材(例えばガラス)上にポリイミド前駆体を直接塗工して、支持基材上にてイミド化し、その後、支持基材よりポリイミドフィルムをレーザー照射等により剥離する手法(リフトオフ工法)があるが、そのリフトオフ工法で得られる薄膜ポリイミドフィルムは、Rthが50nmを超えてしまう。よって、汎用の薄膜フィルム製造技術であるリフトオフ工法においても、Rth≦50nmである薄膜ポリイミドフィルムを提供することにある。
特に、面内方向だけでなく、厚み方向もRth≦50nmである低Rthの薄膜ポリイミドフィルムを得ることができるポリイミド前駆体及びポリイミドを提供することにある。
本発明は、特定のジアミンと酸二無水物とを組合せてなるポリイミド前駆体(ワニス)を提案するものであり、このポリイミド前駆体を使用して、汎用のリフトオフ工法によって得られる薄膜ポリイミドフィルムは、低Rth(≦50nm)の優れた光学特性を示し、耐熱性にも優れることを見出した。
すなわち、本発明は、ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミド前駆体であって、下記式(1)に示すジアミンに由来する構造単位と、下記式(2)に示す酸二無水物に由来する構造単位とを有し、下記式(1)に由来するジアミンを全ジアミンの50モル%以上含み、下記式(2)に由来する酸二無水物を全酸二無水物に由来の構造単位の50モル%以上含み、前記ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミドとしたときの、10μmの厚みにおける厚み方向リタデーション(Rth)が50nm以下であり、面内方向リタデーション(Re)が10nm以下であり、窒素雰囲気下での1質量%重量減少温度が450℃以上であることを特徴とするポリイミド前駆体である。
Figure 2020105447

Figure 2020105447

式(2)中、XはO又は‐C(CF‐である。
上記ポリイミド前駆体は、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンに由来する構造単位を、全ジアミンに由来する構造単位中50モル%以上含むことが好適である。
本発明は、上記ポリイミド前駆体をイミド化してなることを特徴とするポリイミドフィルムである。
上記ポリイミドフィルムは、10μmの厚みにおける、355nmの光透過率が10%以下であり、430nmの光透過率が70%以上であることが好適である。
上記ポリイミドフィルムは、黄色度が10以下であることが好適である。
上記ポリイミドフィルムは、透明樹脂基板材料として好適である。
本発明は、上記ポリイミドフィルム上に機能層を積層してなるフレキシブルデバイスである。
本発明は、ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミドであって、下記式(3)に示すジアミンに由来する構造単位と、下記式(4)に示す酸二無水物に由来する構造単位とを有し、下記式(3)に由来するジアミンを全ジアミンの50モル%以上含み、下記式(4)に由来する酸二無水物を全酸二無水物に由来の構造単位の50モル%以上含み、10μmの厚みのフィルムにおける厚み方向リタデーション(Rth)が50nm以下であり、面内方向リタデーション(Re)が10nm以下であり、窒素雰囲気下での1質量%重量減少温度が450℃以上であることを特徴とするポリイミドである。
Figure 2020105447

Figure 2020105447

式(4)中、XはO又は‐C(CF‐である。
本発明は、上記ポリイミド前駆体又はその樹脂溶液を支持基材の表面上に塗布する工程と、前記ポリイミド前駆体又はその樹脂溶液を加熱してイミド化し、支持基材の表面上にポリイミド層を形成する工程と、前記ポリイミド層を前記支持体から剥離して、10μmの厚みにおける厚み方向リタデーション(Rth)が50nm以下であり、面内方向リタデーション(Re)が10nm以下であり、窒素雰囲気下での1質量%重量減少温度が450℃以上であるポリイミドフィルムを得る工程と、を有することを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法である。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、ポリイミド層と支持基材との界面にレーザー光を照射し、ポリイミド層を支持体から剥離することが好適である。
本発明は、汎用の支持基材を利用したリフトオフ工法による薄膜ポリイミドフィルムの製造が可能であり、熱分解温度が高く、得られた薄膜ポリイミドフィルムは、低リタデーション(Rth≦50nm)、優れた耐熱性を有する。よって、タッチパネル透明基板用途等に好適に使用できる。
本発明のポリイミド前駆体は、ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミド前駆体であって、上記式(1)に示すジアミンに由来する構造単位と、上記式(2)に示す酸二無水物に由来する構造単位とを有し、上記式(1)に由来するジアミンを全ジアミンの50モル%以上含み、上記式(2)に由来する酸二無水物を全酸二無水物に由来の構造単位の50モル%以上含む。本発明のポリイミド前駆体をイミド化してなるポリイミドにおいても、これらの構造単位をそのまま保有することになる。
なお、ポリイミド前駆体及びポリイミドの構造単位とその割合は、ジアミンと酸二無水物の種類と使用割合によって定まるので、構造単位の説明はジアミンと酸二無水物により説明する。ジアミンと酸二無水物の使用割合は、それぞれに由来する構造単位の存在割合とする。
上記式(1)に示すジアミンは、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、又は1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンである。これらの混合物であってもよい。
上記式(1)で表されるジアミンは、耐熱性、低リタデーションの観点から、全ジアミンの50モル%以上含み、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。なお、従来技術では、特許文献3に開示される通り、上記式(1)で表されるジアミンは、含有量が多いと、ポリイミドの高分子鎖の配列が乱れることにより光学特性と熱的特性が大幅に低下する恐れがあると認識されていた。これに対し本発明では、鋭意検討により、当該ジアミンを一定量以上含有させた特定の組成のポリイミドにおいて、一般的な光学特性及び熱的特性を担保しながら、低リタデーション(Rth≦50nm)を示すことを見出したものである。
上記式(1)で表されるジアミンの他に、他のジアミンを使用することができる。他のジアミンを使用する場合は、全ジアミンの50モル%未満であり、好ましくは30モル%未満、より好ましくは10モル%未満である。
上記他のジアミンとしては、芳香族環を1個以上有するジアミンが適する。かかるジアミンの例を挙げると、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(別名;2,2’-ジメチル-ベンジジン)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノメシチレン、4,4'-メチレンジ-o-トルイジン、4,4'-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4'-メチレン-2, 6-ジエチルアニリン、2,4-トルエンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、3,3'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3' -ジアミノビフェニル、3,3' -ジメチル- 4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシベンジジン、4,4'-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3'-ジアミノ-p-テルフェニル、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、5-アミノ-2-(4-アミノフェニル)ベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
好ましくは、反応が速く、高透明性であるという観点から、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシチレン、2,4−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンゾイミダゾール又はp−フェニレンジアミンである。
上記式(2)に示す酸二無水物は、2,2´−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、又は4,4´−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)である。これらの混合物であってもよい。
上記式(2)で表される酸二無水物は、耐熱性、低リタデーションの観点から、全ジアミンの50モル%以上含み、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。
上記式(2)で表される酸二無水物の他に、他の酸二無水物を使用することができる。他の酸二無水物を使用する場合は、全酸二無水物の50モル%未満であり、好ましくは30モル%未満である。
他の酸二無水物としては、例えば、4,4’−(2,2’−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’,4,4’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’’,3,3’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’’,4’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)‐プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}、トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2−ビス{(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物などが挙げられる。また、これらは単独で使用してもよく又は2種以上併用することもできる。
好ましくは、ポリイミドフィルムに強度と柔軟性を与えることが可能な、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、また耐熱性、透明性に優れ、CTEを適切な範囲に制御できる4,4’−(2,2’−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、又は4,4’−オキシジフタル酸二無水物である。
本発明のポリイミド前駆体は、上記ジアミンと酸二無水物とを0.9〜1.1のモル比で使用し、有機極性溶媒中で重合する公知の方法によって製造することができる。例えば、窒素気流下N,N−ジメチルアセトアミド、N-メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン性アミド系溶媒にジアミンを溶解させた後、酸二無水物を加えて、室温で3〜20時間程度反応させることにより得られる。速く反応をさせるために、40℃〜80℃の温度で15分〜5時間加熱してもよい。この際、分子末端は芳香族モノアミン又は芳香族モノカルボン酸二無水物で封止してもよい。溶媒としては、他にジメチルホルムアミド、2-ブタノン、ジグライム、キシレン、γ-ブチロラクトン等が挙げられ、1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。溶解性を高めるために、キシレン、ヘキサンなど追加することもできる。
本発明のポリイミドは、本発明のポリイミド前駆体をイミド化して得られる。イミド化は、熱イミド化法又は化学イミド化法等により行うことができる。熱イミド化は、ガラス、金属、樹脂などの任意の支持基材上に、ポリイミド前駆体を、アプリケーターを用いて塗布し、150℃以下の温度で2〜60分予備乾燥した後、溶剤除去、イミド化のために通常、室温〜360℃程度の温度で10分〜20時間程度熱処理することにより行われる。所望のポリイミドフィルムが得られる場合は、熱処理温度が280℃まででも良い。280℃〜360℃の間に、必要な機械特性に応じて、熱処理温度を変更することも可能である。化学イミド化は、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸ともいう。)溶液に脱水剤と触媒を加え、30〜60℃で化学的に脱水を行う。代表的な脱水剤としては無水酢酸が、触媒としてはピリジンが例示される。熱イミド化は、酸二無水物やジアミンの種類、溶剤の種類の組み合わせを選択すれば、イミド化が比較的短時間で完了し、予備加熱を含め熱処理は60分間以内で行うことも可能である。溶媒に溶解させたポリイミド前駆体溶液として、塗布してもよい。
本発明のポリイミド前駆体及びポリイミドの好ましい重合度は、ポリイミド前駆体溶液のE型粘度計による測定する粘度として1,000〜100,000cPであり、好ましくは3,000〜10,000cPの範囲である。ポリイミド前駆体の分子量はGPC法によって求めることができる。ポリイミド前駆体の好ましい分子量範囲(ポリスチレン換算)は、数平均分子量で15,000〜250,000、重量平均分子量で30,000〜800,000の範囲であることが望ましいが、これらは目安であり、この範囲外でも許容できる場合がある。ポリイミドの好ましい分子量も、その前駆体の分子量と同等の範囲にある。
本発明のポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドは、基準厚として厚み10μmのポリイミドフィルムの状態において、以下の物性を示す。
厚み方向のリタデーション(Rth)は、50nm未満である。好ましくは40nm以下であり、より好ましくは30nm以下である。 面内方向のリタデーション(Re)は、フィルム厚み10μmで換算した値(Re10)で10nm未満である。好ましくは5nm以下である。この範囲であれば、最近のタッチパネル基板の要求基準を満たす視認性を達成する。
透明性の観点から、可視領域の全光線透過率は70%以上であるとよい。好ましくは80%以上である。450nmの光透過率は70%以上であるとよい。好ましくは80%以上である。これに加え、308nmの光透過率は3%以下であるとよい。好ましくは1%未満であり、より好ましくは0.1%未満である。
これらの範囲であれば、近紫外領域の光線を吸収し、かつ、紫外領域光線の透過率が高い。可視光領域の透明性を保持しながら、エキシマレーザー等による308nmレーザー光を吸収することができる。その結果、有機EL装置用基板、タッチパネル基板、カラーフィルター基板等のフレキシブルデバイスの製造において、フレキシブル基板にレーザー照射することにより、ポリイミドフィルム上の表示装置に損傷を与えることなく、支持基材を剥離させることができる。レーザーリフトオフ工法を好ましく適用できる。
なお、レーザーリフトオフ法とは、例えば、支持基材としてのガラス上にポリイミド層を形成し、そのポリイミド層上に各種機能層を形成して積層体とした後、支持基材を通して、ポリイミド層の底面にレーザーを照射することにより、ポリイミド層から支持基材を剥離して、機能層付きポリイミドフィルムを製造する工法である。
支持基材としては、公知のものが用いることができ、例えば、ポリイミド等の耐熱性樹脂や、金属箔、ガラス等の無機基材を挙げることができる。好ましくは、ポリイミド層と支持基材との剥離性と接着性のバランスがよく、耐熱性に優れるポリイミド、銅箔、ガラスである。特に、本発明の特徴の一つとして、本発明のポリイミド前駆体が、ガラスを用いた場合でもRthが小さい値を示すことを見出したことを挙げることができる。その観点からは、支持基材としてガラスを用いることが好ましい。
黄色度(YI)が10以下であるとよい。好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。この範囲であれば、有機EL装置用TFT基板、タッチパネル基板、カラーフィルター基板等の、高透明性や低着色を要求される基板に好適に使用できる。
熱膨張係数(CTE)も低いことが求められ、例えば70ppm/K以下である。
フレキシブルデバイス用基板は、耐熱性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が200℃以上、好ましくは250℃以上である。熱分解温度(1%重量減少温度、Td1)としては、350℃以上、好ましくは450℃以上である。
弾性率(E’)が4GPa以下であることがよい。好ましくは3.5GPa以下である。ここで、弾性率は、室温での引張弾性率である。この範囲であれば、有機EL装置用TFT基板、タッチパネル基板、カラーフィルター等における機能層積層等のフレキシブルデバイスの製造時に、基板の残存応力が少なく、フレキシブルデバイスの製造歩留まりに優れる。
上記特性を満足する薄膜ポリイミドフィルムは、本発明のポリイミド前駆体及びポリイミドにおいて必須又は好ましい構造単位として含まれる上記式(1)で表されるジアミン及び上記式(2)で表される酸二無水物を所定量含有し、リフトオフ工法によって得られる。
本発明のポリイミドは、機能層付ポリイミドフィルムとして適する。この場合のポリイミドフィルムは、複数層のポリイミドからなるようにしてもよい。単層の場合には、厚み3μm〜50μmである。好ましくは30μm以下、より好ましくは15μm以下である。複数層の場合においては、主たるポリイミド層が上記厚みを有するポリイミドフィルムであれば良い。ここで、主たるポリイミド層とは、複数層のポリイミドの中で、厚みが最も大きな比率を占めるポリイミド層をいう。
本発明のポリイミドは、そのポリイミド層上に、各種の機能を有する素子層等(機能層)を形成して、積層体にすることができる。機能層の例を挙げると、液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル、カラーフィルター、電子ペーパーをはじめとする表示装置、あるいはこれらの構成部品が挙げられる。導電性フィルム、タッチパネル用フィルム、ガスバリアフィルム、フレキシブル回路基板など、表示装置に付随して使用される各種機能装置も包含される。すなわち、機能層とは、液晶表示装置、有機EL表示装置、及びカラーフィルター等の構成部品のみならず、有機EL照明装置、タッチパネル装置、有機EL表示装置の電極層もしくは発光層、ガスバリアフィルム、接着フィルム、薄膜トランジスタ(TFT)、液晶表示装置の配線層もしくは透明導電層等の1種又は2種以上を組み合わせたものも含む。
本発明のポリイミドフィルムに表示素子等の機能層を形成するにあたり、目的とするデバイスに応じて、適宜形成条件が設定される。
公知の方法によって、金属膜、無機膜、有機膜等をポリイミド層(フィルム)上に成膜した後、必要に応じて所定の形状にパターニングしたり、熱処理したりする。すなわち、機能層の形成方法については特に制限されず、例えば、スパッタリング、蒸着、CVD、印刷、露光、浸漬など、適宜選択できる。必要な場合、真空チャンバー内などでこれらのプロセス処理を行ってもよい。支持基材、例えばガラス基材をポリイミドフィルムから分離するのは、各種プロセス処理を経て機能層を形成した直後であってもよく、形成後の一定期間は支持基材と一体状態を保持し、例えば表示装置として利用する直前に剥離して除去してもよい。
本発明のフレキシブルデバイスの一例として、機能層としてボトムエミッション構造の有機EL表示装置の製造方法の概略を以下説明する。
本発明のポリイミドフィルム上に、ガスバリア層を設けて水分や酸素の透湿を阻止できる構造にする。次に、ガスバリア層の上面に、薄膜トランジスタ(TFT)を含む回路構成層を形成する。有機EL表示装置においては、薄膜トランジスタとして動作速度が速いLTPS−TFTが主に選択される。この回路構成層には、その上面にマトリックス状に複数配置された画素領域のそれぞれに対して、例えばITO(Indium Tin Oxide)の透明導電膜からなるアノード電極を形成して構成する。アノード電極の上面には有機EL発光層を形成し、この発光層の上面にはカソード電極を形成する。カソード電極は各画素領域に共通に形成される。カソード電極の面を被うようにして、再度ガスバリア層を形成し、最表面には、表面保護のため封止基板を設置する。封止基板のカソード電極側の面にも水分や酸素の透湿を阻止するガスバリア層を積層しておくのが信頼性の観点より望ましい。有機EL発光層は、正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層等の多層膜(アノード電極−発光層−カソード電極)で形成されるが、有機EL発光層は水分や酸素により劣化するため真空蒸着で形成され、電極形成も含めて真空中で連続形成されるのが一般的である。
有機EL表示装置の発光層から出る光の波長が主に440nmから780nmであることから、有機EL表示装置に用いられる透明樹脂フィルム基板としては、この波長領域での平均透過率が少なくとも80%以上であることが求められる。
一方、リフトオフ工法により、支持基材を樹脂フィルムから剥離する。レーザーリフトオフ工法の場合、UVレーザー光の照射により、支持基材をポリイミド層から剥離する場合、UVレーザー光の波長での透過率が高いと、吸収/剥離層を別に設ける必要があり、生産性が低下する。このレーザーリフトオフ工法では、現在、308nmレーザー装置が一般的に使われている。吸収/剥離層を設けることなく、剥離を行なうためには、ポリイミド自体が308nmレーザー光を十分に吸収する必要があり、この波長域において極力光を透過させないことが望ましい。
本発明のポリイミドフィルムは面方向リタデーションが小さく、ヘイズが小さく、光透過性が高い。さらに、厚み方向のリタデーションもRth≦50nmまでに制御できる。したがって、特にディスプレイ装置のパネル基板に好適である。ディスプレイ装置の例には、タッチパネル、液晶表示ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が含まれる。
タッチパネルは、一般的に、(i)透明電極(検出電極層)を有する透明基板、(ii)接着層、及び(iii)透明電極(駆動電極層)を有する透明基板からなるパネル体である。前述のポリイミドフィルムは、検出電極層側の透明基板、及び駆動電極層側の透明基板のいずれにも適用できる。
また、液晶表示ディスプレイ装置の液晶セルは、通常、(i)第一の透明板、(ii)透明電極に挟まれた液晶材料、及び(iii)第二の透明板がこの順に積層された積層構造を有するパネル体である。前述のポリイミドフィルムは、上記第一の透明板、及び第二の透明板のいずれにも適用可能である。また、前述のポリイミドフィルムは、液晶ディスプレイ装置におけるカラーフィルタ用の基板にも、適用可能である。
有機ELパネルは、通常、透明基板、アノード透明電極層、有機EL層、カソード反射電極層、対向基板がこの順に積層されたパネルである。前述のポリイミドフィルムは、上記透明基板、及び対向基板のいずれにも適用できる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例等に用いた原材料の略号を以下に示す。
・APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
・TPE-R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
・TFMB:2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル
・6FDA:2,2´−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物
・ODPA:4,4´−オキシジフタル酸二無水物
・BPDA:3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・NMP:N−メチル−2−ピロリドン

実施例等における各物性の測定方法及び評価方法を以下に示す。[光透過率及び黄色度(YI)]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をSHIMADZU UV-3600分光光度計にて、308nm、355nm、400nm及び430nmにおける光透過率(T308、T355、T400、T430)を求めた。また、下記の計算式に基づいてYI(黄色度)を算出した。
YI=100×(1.2879X−1.0592Z)/Y
X, Y, Zは試験片の三刺激値、JIS Z 8722に規定する。
[熱膨張係数(CTE)]
3mm×15mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(10℃/min)で30℃から280℃まで昇温し、次いで、250℃から100℃までの降温し、降温時におけるポリイミドフィルムの伸び量(線膨張)から熱膨張係数を測定した。
[熱分解温度(Td1)]
窒素雰囲気下で10〜20mgの重さのポリイミドフィルムを、SEIKO製の熱重量分析(TG)装置TG/DTA6200にて一定の速度で30℃から550℃まで昇温させたときの重量変化を測定し、200℃での重量をゼロとし、重量減少率が1%の時の温度を熱分解温度(Td1)とした。
[リタデーション]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)を、複屈折・位相差評価装置(株式会社フォトニックラティス社製、WPA−100)を用いて、試料に入射する光の入射角を変更するために試料を回転させる回転装置を付けて、波長543nmにて、ポリイミドフィルムのリタデーションの入射角依存性を測定した。測定値を前記リタデーションの入射角依存性の測定データを数値解析して、90°である厚み方向のリタデーション(Rth)と、0°である面内方向のリタデーション(Re)を求めた。
[Haze及び全光線透過率]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)を日本電色工業株式会社のHAZE METER NDH500にて、Haze及び全光線透過率を測定した。
合成例1
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中に、7.90gのAPBを、80gのNMPに溶解させた。次いで、12.10gの6FDAを加えた。なお、酸二無水物(a)とジアミン(b)のモル比(a/b)は、1.010とした。この溶液を、45℃で2時間加熱し、内容物を溶解させ、その後、溶液を室温で10時間攪拌を続けて重合反応を行い、高重合度のポリイミド前駆体A(粘稠な溶液)を得た。
合成例2〜4、比較合成例1〜2
原料としてのジアミンとテトラカルボン酸二無水物を、表1に示す組成に変更した以外は、合成例1と同様にしてポリアミド酸溶液を調製し、ポリイミド前駆体B〜Fを得た。
なお、表1において、ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物の量の単位はgである。
Figure 2020105447
実施例1
ポリイミド前駆体Aに、NMPを加えて、粘度が4000cPになるように希釈した上で、ガラス支持体(コーニング製E−XG、サイズ=150mm×150mm、厚み=0.7mm)上に、スピンコーターを用いて、硬化後のポリイミド厚みが10μmになるように塗工した。続いて、100℃で15分間加熱を行った。そして、窒素雰囲気中で、一定の昇温速度(4℃/min)で室温から380℃(比較例10は360℃)まで昇温させ、さらに380℃で30min保持し、その後、窒素雰囲気中に室温まで徐冷し、オーブンから取り出し、ガラス基板上に150mm×150mmのポリイミド層(ポリイミドA)を形成し、ポリイミド積層体Aを得た。
ポリイミド積層体Aのポリイミド層を、カッターで長方形の切り口(10mm×10mm)を形成した。次に、ポリイミド積層体Aを水中に浸漬して1日放置し、水中から取り出した後にピンセットを用いてポリイミド積層体Aからポリイミド層を剥離し(リフトオフ工法)、ポリイミドフィルムAを得た。
ポリイミドフィルムAについて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
実施例2〜4、比較例1〜2
ポリイミド前駆体Aの代わりにポリイミド前駆体B〜Fを使用した他は、実施例1と同様にして操作を行い、ポリイミド積層体B〜F及びポリイミドフィルムB〜Fを得た。ポリイミド前駆体とポリイミド積層体の符号は対応し、例えば、ポリイミド前駆体Bからはポリイミド積層体B及びポリイミドフィルムBを得たことを意味し、符号C以下についても同様である。
Figure 2020105447

Claims (10)

  1. ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミド前駆体であって、下記式(1)に示すジアミンに由来する構造単位と、下記式(2)に示す酸二無水物に由来する構造単位とを有し、下記式(1)に由来するジアミンを全ジアミンの50モル%以上含み、下記式(2)に由来する酸二無水物を全酸二無水物に由来の構造単位の50モル%以上含み、前記ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミドとしたときの、10μmの厚みにおける厚み方向リタデーション(Rth)が50nm以下であり、面内方向リタデーション(Re)が10nm以下であり、窒素雰囲気下での1質量%重量減少温度が450℃以上であることを特徴とするポリイミド前駆体。
    Figure 2020105447

    Figure 2020105447

    式(2)中、XはO又は‐C(CF‐である。
  2. 1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンに由来する構造単位を、全ジアミンに由来する構造単位中50モル%以上含む請求項1に記載のポリイミド前駆体。
  3. 請求項1又は2に記載のポリイミド前駆体をイミド化してなることを特徴とするポリイミドフィルム。
  4. 10μmの厚みにおける、355nmの光透過率が10%以下であり、430nmの光透過率が70%以上である請求項3に記載のポリイミドフィルム。
  5. 黄色度が10以下である請求項3または4に記載のポリイミドフィルム。
  6. 透明樹脂基板材料用である請求項3〜5のいずれか一項に記載のポリイミドフィルム。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項に記載のポリイミドフィルム上に機能層を積層してなるフレキシブルデバイス。
  8. ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミドであって、下記式(3)に示すジアミンに由来する構造単位と、下記式(4)に示す酸二無水物に由来する構造単位とを有し、下記式(3)に由来するジアミンを全ジアミンの50モル%以上含み、下記式(4)に由来する酸二無水物を全酸二無水物に由来の構造単位の50モル%以上含み、10μmの厚みのフィルムにおける厚み方向リタデーション(Rth)が50nm以下であり、面内方向リタデーション(Re)が10nm以下であり、窒素雰囲気下での1質量%重量減少温度が450℃以上であることを特徴とするポリイミド。
    Figure 2020105447

    Figure 2020105447

    式(4)中、XはO又は‐C(CF‐である。
  9. 請求項1または2に記載のポリイミド前駆体又はその樹脂溶液を支持基材の表面上に塗布する工程と、前記ポリイミド前駆体又はその樹脂溶液を加熱してイミド化し、支持基材の表面上にポリイミド層を形成する工程と、前記ポリイミド層を前記支持体から剥離して、10μmの厚みにおける厚み方向リタデーション(Rth)が50nm以下であり、面内方向リタデーション(Re)が10nm以下であり、窒素雰囲気下での1質量%重量減少温度が450℃以上であるポリイミドフィルムを得る工程と、を有することを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  10. ポリイミド層と支持基材との界面にレーザー光を照射し、ポリイミド層を支持体から剥離する請求項9に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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