JP6890999B2 - ポリイミド前駆体及びポリイミド - Google Patents

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Description

本発明は、透明フィルム材料又は透明フレキシブル基板材料として有用であり、特に高透明性、低熱膨張係数、高耐熱性、レーザーリフトオフ特性を併せ持つ透明樹脂基板材料として有用なポリイミド及びその前駆体に関する。
電子機器の高性能化が急速に進展し、益々軽量化、薄型化の傾向にあり、これに伴い電子機器に用いられる部品やそれらを実装する基板に対しても、高性能化への対応要求が高まっている。ディスプレイやタッチパネル用途などにおいては、表示パネルの基材としてガラス基板が用いられているが、さらに薄型化、軽量化、フレキシブル化、ロールトゥロール(Roll-to-Roll)プロセスによる加工コストの低減を図るために、樹脂基板材料が開発されている。しかし、樹脂は、一般にガラスと比較して、寸法安定性、透明性、耐熱性等に劣るため、種々の検討がなされている。
ディスプレイ用途としては、テレビのような大型ディスプレイや、携帯電話、パソコン、スマートフォンなどの小型ディスプレイが挙げられ、例えば、有機EL装置において薄膜トランジスタ(TFT)等の各種素子を搭載する支持基板として、ガラス基板が使用されている。また、タッチパネル用途においても、同様に、ガラス基板を代替できる樹脂基板材料の要請が強く、その場合、熱膨張係数(CTE)も低いことが求められ、例えば45ppm/K以下であることが、反りの発生防止等の観点から望まれている。
こうした樹脂基板材料として、ポリイミドは、耐熱性や寸法安定性に優れることから有望な材料の一つである。
近年、薄型ポリイミド基板を得るために、ガラス基板を支持基材とし、一旦この支持基材上にポリイミドフィルムを形成し、次いで電子部品を実装後、ポリイミドフィルムを支持基材としてのガラス基板から剥離することも提案されている。例えば、特許文献1は、キャリア基板から剥離して製造するフレキシブルデバイス基板形成用のポリイミド前駆体樹脂組成物であって、ガラス転移温度が300℃以上、熱膨張係数が20ppm/K以下であるものを開示する。しかし、透明性等についての検討はなされていない。特許文献2は、特定構造のポリイミド前駆体溶液を無機基板上に流延し、乾燥およびイミド化して得られるポリイミドフィルムと無機基板とからなる積層体であって、光透過率が高く、アウトガスが少ないものを開示する。しかし、ポリイミドの熱膨張係数(CTE)は、いずれも45ppm/Kを超えるため、ガラス基板の熱膨張係数10ppm/K以下との差が大きく、形状安定性に劣る。
また、特許文献3は、ポリイミドの着色を低減するために、原料として使用されるジアミン、テトラカルボン酸二無水物の透過率を厳密に制御することを開示する。特許文献4は、無色透明で、低CTEのポリイミドフィルムを製造するために、ジアミン由来構造と、テトラカルボン酸二無水物由来構造を特定し、特定の脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来するアミド結合のイミド化率が10〜100%であるポリイミド前駆体及び樹脂組成物を開示する。その他、特許文献5は、ジアミン化合物及び三個以上のアミノ基を含む化合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させること、また特許文献6は、ポリイミド系前駆体に微粒子を含有させたポリマー溶液を用いて微粒子含有層を形成することを提案する。
しかし、未だガラス基板に代替でき、寸法安定性等の要求特性を満足する実用的な耐熱透明樹脂基板材料が開発される期待が続いているのが実情である。
特開2010−202729号公報 特開2012−40836号公報 特開2013−23583号公報 国際公開2015/122032号 特開2014−210896公報 特開2013−209498号公報
本発明は、こうした背景下、寸法安定性、透明性、耐熱性に優れ、支持基材から容易に剥離して薄型ポリイミドフィルムを得ることができる耐熱透明樹脂基板材料として有用なポリイミド前駆体及びポリイミドを提供することを目的とする。
本発明は、ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミド前駆体であって、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(別名:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン)に由来する構造単位と、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位とを有し、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位を全酸二無水物に由来の構造単位の70モル%以上含み、これをイミド化してポリイミドとしたときの光透過率が308nmでは5%以下であり、400nmでは70%以上であり、且つ熱膨張係数が45ppm/K以下であることを特徴とするポリイミド前駆体である。
上記ポリイミド前駆体は、以下のいずれか1つ以上を満足することが望ましい。
1)2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニルに由来する構造単位を、全ジアミンに由来する構造単位中50モル%以上含むこと。
2)2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル以外のジアミンに由来する構造単位を全ジアミンに由来する構造単位中50モル%未満含むか、又は1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物以外の酸二無水物に由来する構造単位を全酸二無水物に由来する構造単位中30モル%未満含むこと。
3)酸二無水物に由来する構造単位が、更に3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位、ピロメリット酸無水物に由来する構造単位、又は2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物に由来する構造単位を含むこと。
4)ジアミンに由来する構造単位が、更に2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニルに由来する構造単位を含むこと。
また、本発明は、ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミドであって、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニルに由来する構造単位と、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位とを有し、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位を全酸二無水物に由来の構造単位の70モル%以上含むこと、及び光透過率が308nmでは5%以下であり、400nmでは70%以上であり、且つ熱膨張係数が45ppm/K以下であることを特徴とするポリイミドである。
上記ポリイミドは、黄色度が6以下を満足することがよい。そして、上記ポリイミドは、透明樹脂基板材料用として優れる。
本発明のポリイミド前駆体は、これをイミド化することにより、寸法安定性、透明性、耐熱性に優れたポリイミドにすることができる。また、本発明のポリイミド前駆体を支持基材上に塗布してポリイミドフィルムを形成した後、支持基材からのフィルム剥離性(レーザーリフトオフ特性)も優れることから、支持基材を使用して極薄ポリイミドフィルムを簡便に得ることができる。本発明のポリイミドは、これらの特性を活かして、ディスプレイやタッチパネル用途におけるガラス基板に代替でき、寸法安定性等の要求特性を満足する実用的なフレキシブル耐熱透明樹脂基板材料として好適に利用できる。
本発明のポリイミド前駆体(以下、「本ポリイミド前駆体」ともいう。)は、ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有し、ジアミンに由来する構造単位として2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニルに由来する構造単位(U1)を、酸二無水物に由来する構造単位として1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位(U2)とを有し、構造単位(U2)を全酸二無水物に由来の構造単位の70モル%以上含む。
周知のようにジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミド前駆体は、下記一般式(1)で表すことができる。
[-OCX(COOH)2CO-HN-Y-NH-] (1)
また、ポリイミド前駆体をイミド化してなるポリイミドは、下記一般式(2)で表すことができる。
[-N(OC)2X(CO)2N-Y-] (2)
式(1)、(2)において、Xは、酸二無水物から2つの酸無水物基を取って生じる4価の残基であり、Yは、ジアミンから2つのアミノ基を取って生じる2価の残基である。
本ポリアミド前駆体は、ジアミンとして、下記式(3)で表される2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(略号:TFMB)を使用することにより、ジアミン由来の構造単位(Y)として、下記式(3a)で表されるTFMBに由来する構造単位を有する。
Figure 0006890999
本ポリイミド前駆体は、TFMBに由来する構造単位を、全ジアミン由来の構造単位中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上含む。この範囲であれば、本ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドの400nmの光透過率に優れ、フレキシブル基板の透明性が向上するので好ましい。
本ポリアミド前駆体は、テトラカルボン酸二無水物として、下記式(4)で表される1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(略号:CBDA)を使用することにより、テトラカルボン酸二無水物由来の構造単位(X)として、下記式(4a)で表されるCBDAに由来する構造単位を有する。
Figure 0006890999
本ポリイミド前駆体は、CBDAに由来する構造単位を、全テトラカルボン酸二無水物由来の構造単位中、70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含む。この範囲であれば、本ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドは透明性を保持する一方、CTEがより低くなり、フレキシブル基板の寸法安定性に優れ、フレキシブルデバイスの反りを抑制できるので好ましい。
これによって、TFMBに由来する構造とCBDAに由来する構造とからなる下記式(5)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、次いでこれをイミド化して下記式(6)で表される構造単位を有するポリイミドを得ることができる。
Figure 0006890999

Figure 0006890999
本ポリイミド前駆体は、式(5)で表される構造単位を、ポリイミド前駆体中に、好ましくは50〜97モル%、より好ましくは70〜97モル%含むとよい。同様に、本ポリイミド前駆体をイミド化してなる本ポリイミドも、式(6)で表される構造単位を、ポリイミド中に、好ましくは50〜97モル%、より好ましくは70〜97モル%含むとよい。
本ポリイミド前駆体は、TFMBを含むジアミンと、全酸二無水物中にCBDAを70モル%以上含むテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得ることができる。好ましくは全ジアミン中にTFMB50モル%以上である。
ただし、TFMB及びCBDAの二成分だけではなく、酸二無水物成分として、1〜30モル%、好ましくは1〜20モル%の範囲で、CBDA以外のテトラカルボン酸二無水物成分を含むこと、及び/又は、ジアミン成分として、1〜50モル%、好ましくは1〜40モル%、より好ましくは1〜30モル%の範囲で、TFMB以外のジアミン成分を含むことが望ましい。この範囲であれば、本ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドの308nmの光透過率が低下し、剥離性(レーザーリフトオフ特性)が向上するので好ましい。TFMB以外のジアミン成分を含む場合、同時にCBDA以外のテトラカルボン酸二無水物成分を含むことで、本ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドは、308nmの光透過率が低く、400nmの光透過率が高く、かつ、CTEが低くなるので、より好ましい。
TFMB以外に、共重合に使用されるジアミンとしては、HN−Ar−NHによって表される化合物であり、Arとしては、好ましくは下記式(7)によって表される芳香族ジアミン残基が例示される。これが、上記式(1)、(2)におけるYに対応する。
Figure 0006890999
これらのジアミンの中でも、2,2’-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル(m-TB)、5-アミノ-2-(4-アミノフェニル)ベンゾイミダゾール(AAPBZI)又は5-アミノ-2-(4-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(AAPBZO)が好適なものとして例示される。
TFMB以外のこれらのジアミン成分を併用する場合、その使用割合は、全ジアミンに対し、好ましくは1〜50モル%、より好ましくは1〜30モル%である。
CBDA以外に、共重合に使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、下記式(8)で表される化合物であり、
Figure 0006890999

Arとしては、好ましくは下記式(9)によって表される芳香族ジアミン残基が例示される。これが、上記式(1)、(2)におけるXに対応する。
Figure 0006890999
これらのテトラカルボン酸二無水物の中でも、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ピロメリット酸無水物(PMDA)、又は2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)に由来する構造単位が好適なものとして例示される。
CBDA以外のこれらのテトラカルボン酸二無水物成分を併用する場合、その使用割合は、全テトラカルボン酸二無水物に対し、1〜30モル%、好ましくは1〜28モル%、より好ましくは1〜20モル%、更に好ましくは1〜10モル%である。
なお、構造単位の説明において、ジアミンに由来する構造単位や酸二無水物に由来する構造単位等の用語を使用しているが、これは便宜上であって、式(1)、(2)などに示すような構造単位を与えるものであればよく、原料や製造条件に限定されるものではない。具体的には、式(1)、(2)において、酸二無水物に由来する構造単位はXであり、ジアミンに由来する構造単位はYであると解され、原料又は製造法を意味すると解されるべきではない。そして、ポリイミド前駆体の構造単位とその割合は、ジアミンと酸二無水物の種類と使用割合によって定まるので、構造単位の説明はジアミンと酸二無水物により説明することができる。ジアミンと酸二無水物の使用割合は、それぞれに由来する構造単位の存在割合とする。例えば、全酸二無水物におけるCBDAの使用割合(モル%)が、酸二無水物に由来する全構造単位におけるCBDAに由来する構造単位の含有量(モル%)となる。ジアミンに由来する全構造単位におけるTFMBに由来する構造単位の含有量(モル%)等についても同様である。
本発明のポリイミド前駆体及びポリイミドは、一般的な製法として知られているテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸又はポリアミド酸とも呼ばれる)を得て、これを脱水、閉環反応によりポリイミドとする方法を用いることができる。
本発明において、CBDAと併用可能なテトラカルボン酸二無水物としては、上述したものが挙げられるが、更に例示すれば、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'',4,4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'',4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5'-ビス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2',5,5'-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5'-ビス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5'-ビス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}、トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2-ビス{(4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物などが挙げられる。
本発明において、TFMBと併用可能なジアミンとしては、上述したものが挙げられるが、更に例示すれば、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノメシチレン、4,4'-メチレンジ-o-トルイジン、4,4'-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4'-メチレン-2, 6-ジエチルアニリン、2,4-トルエンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、3,3'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ジアミノビフェニル、3,3' -ジアミノビフェニル、3,3' -ジメチル- 4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3'-ジアミノ-p-テルフェニル、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジンなどが挙げられる。
本発明のポリイミドの前駆体は、ジアミンと酸二無水物とを0.9〜1.1のモル比(実質等モル)で使用し、有機極性溶媒中で重合する公知の方法によって製造することができる。具体的には、窒素気流下N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどの非プロトン性アミド系溶媒にジアミンを溶解させた後、酸二無水物を加えて、室温で3〜20時間程度反応させることにより得られる。この際、分子末端は芳香族モノアミン又は芳香族モノカルボン酸無水物で封止してもよい。溶媒としては、他にジメチルホルムアミド、2-ブタノン、ジグライム、キシレン、γブチルラクトン等が挙げられ、1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。
本発明のポリイミドは、本発明のポリイミド前駆体をイミド化して得られる。イミド化は、熱イミド化法又は化学イミド化法により行うことができる。熱イミド化は、ガラス、金属、樹脂(ポリイミドフィルム等)など任意の支持基材上に、ポリイミド前駆体を、アプリケーターを用いて塗布し、130℃以下の温度で3〜60分予備乾燥した後、溶剤除去、イミド化のために通常室温〜360℃程度の温度で30分〜24時間程度熱処理することにより行われる。化学イミド化は、ポリイミド前駆体(「ポリアミド酸」ともいう。)溶液に脱水剤と触媒を加え、30〜60℃で化学的に脱水を行う。代表的な脱水剤としては無水酢酸が、触媒としてはピリジンが例示される。熱イミド化は、酸二無水物やジアミンの種類、溶剤の種類の組み合わせを選択すれば、イミド化が比較的短時間で完了し、予備加熱を含め熱処理は60分間以内で行うことも可能である。また、熱イミド化と化学イミド化の併用も可能である。ポリイミド前駆体を塗布する際、ポリイミド前駆体を公知の溶媒に溶解させたポリイミド前駆体溶液として、塗布してもよい。なお、支持基材の厚みは、例えば0.02〜1.0mm程度のものを使用するとよい。
本発明のポリイミド前駆体及びポリイミドの好ましい重合度は、ポリイミド前駆体溶液のE型粘度計による測定する粘度として1,000〜40,000cPであり、好ましくは 3,000〜5,000cPの範囲にあることがよい。また、ポリイミド前駆体の分子量はGPC法によって求めることができる。ポリイミド前駆体の好ましい分子量範囲(ポリスチレン換算)は、数平均分子量で15,000〜250,000、重量平均分子量で30,000〜800,000、好ましくは50,000〜300,000の範囲であることが望ましいが、これらは目安であり、この範囲外のポリイミドすべてが使用できないというわけではない。なお、ポリイミドの分子量も、その前駆体の分子量と同等の範囲にある。
本発明のポリイミドは、薄いポリイミド層(フィルム)を支持基材上に形成でき、透明性、寸法安定性、耐熱性、支持基材からの剥離容易性において優れた性能を示す透明ポリイミドフィルムを得ることができる。すなわち、光透過率が400nmの光線では70%以上、好ましくは80%以上であり、熱膨張係数(CTE)が45ppm/K以下、好ましくは35ppm/K以下、より好ましくは30ppm/K以下であり、公知の手法によって支持基材から簡便に剥離可能である。特に、本発明のポリイミドは、光透過率がレーザー光線の波長域(例えば308nm)にて5%以下、好ましくは3%以下であり、支持基材のガラス基板とは異なり、レーザー光が透過することなく吸収されるため、支持基材(ガラス基板)との界面において簡単に剥離し、レーザー光照射による支持基材からの剥離性(レーザーリフトオフ:LLO)に優れ、厚さ30μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下の薄い透明ポリイミドフィルムを得るために好適である。
ここで、本発明のポリイミドが、ポリイミドフィルムとして使用される場合、好ましくはフレキシブルデバイス用として使用される場合、より好ましくはポリイミドフィルム上に機能層が設けられた機能層付きのポリイミドフィルムとして使用される場合は、上記光透過率は、別段の断りがない限り、そのフィルムについて測定した値である。好ましい態様においては、厚さ10〜15μmのフィルムの状態において測定した値であり、上記厚み範囲のいずれかにおいて、上記透過率を与えればよい。より好ましい態様においては、厚さ13μmのフィルムの状態において測定した値である。この場合は、厚さ13μm前後の厚みのフィルムの状態において測定した値を、13μmのフィルムに換算した値であることができる。熱膨張係数(CTE)は、別段の断りがない限り、250℃から100℃まで変化させたときの線膨張係数であり、本発明のポリイミドは、ガラスの熱膨張係数(10ppm/K以下)との差が大きくないことから、ガラスを支持基材にした場合において形状安定性に優れる。例えば、ボトムエミッション構造又はトップエミッション構造を有する有機EL装置用TFT基板、タッチパネル基板、カラーフィルター等における機能層積層等のフレキシブルデバイスの製造時に、基板の反りを抑制でき、フレキシブルデバイスの製造歩留まりに優れる。そして、不可視光領域の光線を吸収し、可視光領域の透過率を高めることができる。この範囲であれば、可視光領域の透明性を保持しながら、308nmレーザー光(エキシマレーザー)を吸収することができる。その結果、有機EL装置用基板、タッチパネル基板、カラーフィルター基板等のフレキシブル基板を、レーザー照射することにより、透明ポリイミド層の上の表示装置にダメージを与えることなく、ポリイミド層(フィルム)をガラスから剥離させ、レーザーリフトオフ法で好適に製造することができる。黄色度(YI)が6以下、好ましくは4以下であることがよい。この範囲であれば、有機EL装置用TFT基板、タッチパネル基板、カラーフィルター基板等の透明性や無色であることを要求される基板に好適に使用できる。加えて、耐熱性の観点からは、ガラス転移温度が300℃以上、好ましくは350℃以上、より好ましくは380℃以上であり、熱分解温度(Td1)が350℃以上、好ましくは380℃以上である。
なお、本発明のポリイミドは、ポリイミド前駆体を脱水、閉環してイミド化されたものであるから、構造単位の配列は同様に維持される。そして、本発明のポリイミド前駆体は、これをポリイミドとしたときの光透過率、及び熱膨張係数等の特性が上記を満足し、共通する。
本発明のポリイミド(前駆体)を使用して得られるポリイミドフィルムは、薄型ディスプレイやタッチパネル用途などにおいて、既存材料であるガラス基板を代替し、寸法安定性等の要求特性を満足する実用的なフレキシブル耐熱透明樹脂基板材料として好適に利用できる。すなわち、ポリイミドフィルムを基板材料として用い、その表面上に、さまざまな機能を有する素子等の機能層を形成することができる。例示すると、液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル、電子ペーパーなどの主要表示装置だけでなく、それに関連する構成部品、例えば薄膜トランジスタ(TFT)、カラーフィルター、導電性フィルム、ガスバリアフィルム、フレキシブル回路基板、接着フィルムなども形成可能である。
この場合、ポリイミドフィルムは、単層だけでなく、複数層のポリイミドからなるようにしてもよい。
また、機能層の形成方法は、目的とするデバイスに応じて、適宜、形成条件が設定されるが、一般的には金属膜、無機膜、有機膜等をポリイミドフィルム上に成膜した後、必要に応じて所定の形状にパターニングしたり、熱処理したりするなど、公知の方法を用いて得ることができる。すなわち、これら表示素子を形成するための手段については、特に制限されず、例えば、スパッタリング、蒸着、CVD、印刷、露光、浸漬など、適宜選択されたものであり、必要な場合には真空チャンバー内などでこれらのプロセス処理を行うようにしてもよい。そして、ポリイミドフィルム上に機能層を形成した後、支持基材と機能層付ポリイミドフィルムとを分離するのは、各種プロセス処理を経て機能層を形成した直後であってもよく、又はある程度の期間を経過させて支持基材と一体にしておき、例えば表示装置として利用する直前に分離して取り除くようにしてもよい。
本発明のポリイミド(前駆体)を使用して支持基材上に形成されたポリイミド層(フィルム)は、さらにその上に機能層を形成した後に、支持基材からポリイミドフィルムを機能層ごと剥離する。例えば、ポリイミドフィルム上に機能層を形成する各種電子部品の組付け製造工程が完了した後、得られた支持基材上の機能層付きポリイミドフィルムについて、レーザー光の照射により、機能層付きポリイミド層(フィルム)を支持基材から剥離する。上述のとおり、エキシマレーザー(波長308nm)を用いて、支持基材(ガラス)とポリイミドフィルムとの界面に照射すれば、機能層付きのポリイミドフィルムを簡便に支持基材から剥離できる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例等に用いた原材料の略号を以下に示す。
・TFMB:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル
・m-TB:2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル
・4,4’-DAPE:4,4’-ジアミノジフェニルエーテル
・CBDA:1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・6FDA:2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物
・NMP:N-メチル-2-ピロリドン
実施例等における各物性の測定方法及び評価方法を以下に示す。
[光透過率及び黄色度(YI)]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm、厚み10〜15μm)をSHIMADZU UV-3600分光光度計にて、308nm、355nm、400nm及び430nmにおける光透過率(T308、T 355、T 400、T 430)を求めた。また、下記の計算式に基づいてYI(黄色度)を算出した。
YI=100×(1.2879X−1.0592Z)/Y
X, Y, Zは試験片の三刺激値、JIS Z 8722に規定する。
[熱膨張係数(CTE)]
3mm×15mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(10℃/min)で30℃から280℃まで昇温し、次いで、250℃から100℃までの降温し、降温時におけるポリイミドフィルムの伸び量(線膨張)から熱膨張係数を測定した。
[ガラス転移温度(Tg)]
ポリイミドフィルム(5mm×70mm)を動的熱機械分析装置にて23℃から500℃まで5℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、ガラス転移温度(tanδ極大値:℃)を求めた。
[熱分解温度(Td1)]
窒素雰囲気下で10〜20mgの重さのポリイミドフィルムを、SEIKO製の熱重量分析(TG)装置TG/DTA6200にて一定の速度で30℃から550℃まで昇温させたときの重量変化を測定し、200℃での重量をゼロとし、重量減少率が1%の時の温度を熱分解温度(Td1)とした。
[剥離性:LED]
ポリイミド層と支持基材(ガラス基板)を剥離できるまでのレーザー照射エネルギー密度(mJ/cm2)である(略号:LED)。照射条件は、次の段落0051に記載した「剥離性:レーザーリフトオフ(LLO)」と同様である。エネルギー密度が高いほど剥離しにくい。レーザー照射装置の寿命を考えても、照射エネルギー密度の小さいものが好ましい。測定上限は300mJ/cm2であり、300mJ/cm2以下で剥離できないものは「×」とする。
[剥離性:レーザーリフトオフ(LLO)]
エキシマレーザー加工機(波長308nm)を用いて、ビームサイズ14mm×1.2mm、移動速度6mm/s、オーバーラップ率が80%のレーザーを支持基材(ガラス)側から照射し、支持基材とポリイミド層が完全に分離された状態(カッターで剥離範囲を決め、切り口を1周入れてからポリイミドフィルムがガラスから自然剥離)を「○」、支持基材とポリイミド層の全面若しくは一部の分離が不可、又はポリイミド層が変色した状態を「×」とした。
実施例1
窒素気流下で、100mlのセパラブルフラスコの中に、9.17gのTFMBを、85gのNMPに溶解させた。次いで、この溶液に、5.00gのCBDAを加えた。10分間撹拌してから、0.83gのBPDAを加えた。なお、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分のモル比は0.99(実質等モル)とした。その後、この溶液を室温で24時間攪拌を続けて重合反応を行い、高重合度(Mw8万以上、粘度が3,000cP以上)のポリアミド酸A(粘稠な無色溶液)を得た。
実施例2〜9、比較例1〜7
原料としてのジアミンとテトラカルボン酸二無水物を、表1及び表2に示す組成に変更した以外は、合成例1と同様にしてポリアミド酸溶液を調製し、ポリアミド酸B〜Pを得た。
なお、表1及び表2において、ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物の量の単位はgであり、括弧内の数値は、ジアミン成分又はテトラカルボン酸二無水物成分中のモル%を示す。
Figure 0006890999
Figure 0006890999
実施例10
実施例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aに、溶剤NMPを加えて、粘度が4000cPになるように希釈した上で、ガラス基板(コーニング製E-XG、サイズ=150mm×150mm、厚み=0.7mm)上に、スピンコーターを用いて、硬化後のポリイミド厚みが15μm程度になるように塗工した。続いて、100℃で15分間加熱を行った。そして、窒素雰囲気中で、一定の昇温速度(3℃/min)で室温から300℃(比較例10は360℃)まで昇温させ、途中130℃で10min保持し、ガラス基板上に150mm×150mmのポリイミド層(ポリイミドA)を形成し、ポリイミド積層体Aを得た。
実施例11〜18、比較例8〜14
ポリイミド前駆体をポリイミド前駆体B〜Pのいずれかに代えた他は、実施例10と同様にして操作を行い、ポリイミド積層体B〜Pを得た。ポリイミド前駆体とポリイミド積層体の符号は対応し、ポリイミド前駆体Bからはポリイミド積層体Bを得たことを意味し、符号C以下についても同様である。
得られたポリイミド積層体A〜Pについて、レーザーリフトオフ(LLO)、及びLEDについて測定した。結果を表3及び表4に示す。
上記以外の各種物性の測定については、積層体からポリイミドフィルムを剥離して行ったが、この場合の積層体は、基板としてガラス基板の代わりに75μmのポリイミドフィルムを使用したほかは、上記に準じて作成した。詳細な作成条件を下記に示す。
実施例1〜9、比較例1〜7で得られたポリアミド酸溶液A〜Pに、溶剤NMPを加えて、粘度が3000cPになるように希釈した上で、75μmのポリイミドフィルム(Upilex-S)基材の上に、塗工した。続いて、100℃で15分間加熱を行った。そして、窒素雰囲気中で、一定の昇温速度(3℃/min)で室温から300℃(比較例10は360℃)まで昇温させ、途中130℃で10min保持し、ポリイミド積層フィルムを得た。その後、ポリイミド基材(Upilex-S)を剥離し、ポリアミド酸溶液A〜Pをイミド化してなる単体としてのポリイミドフィルムA〜Pを形成した。上記剥離は、形成されたポリイミド層だけを、カッターで切り口を1周作って、剥離する範囲を決めてから、ピンセットで基材から剥離することによって行った。なお、これらのフィルムの厚みは、表3及び表4の厚みの項に示した。
得られたポリイミドフィルムA〜Pについて、それぞれのCTE、光透過率、YI、Td1及びTgなど各種評価を行った。結果を表3と表4に示す。
Figure 0006890999
Figure 0006890999


Claims (8)

  1. ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミド前駆体であって、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニルに由来する構造単位と、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位とからなる下記式(5)で表される構造単位を有し、
    Figure 0006890999

    1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位を全酸二無水物に由来の構造単位の70モル%以上含み、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニルに由来する構造単位を全ジアミンに由来する構造単位中50モル%以上含み、これをイミド化してポリイミドとしたときの光透過率が308nmでは5%以下であり、400nmでは70%以上であり、且つ熱膨張係数が45ppm/K以下であることを特徴とするポリイミド前駆体。
    ただし、ポリイミドとしたときの下記式(A)で表される構造単位、又は下記式(B1)で表される構造単位を、いずれも含まない。
    Figure 0006890999

    Figure 0006890999
  2. 2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル以外のジアミンに由来する構造単位を全ジアミンに由来する構造単位中50モル%未満含むか、又は1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物以外の酸二無水物に由来する構造単位を全酸二無水物に由来する構造単位中30モル%未満含む請求項1に記載のポリイミド前駆体。
  3. 酸二無水物に由来する構造単位が、更に3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位、ピロメリット酸二無水物に由来する構造単位又は2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物に由来する構造単位を含む請求項に記載のポリイミド前駆体。
  4. ジアミンに由来する構造単位が、更に2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニルに由来する構造単位を含む請求項に記載のポリイミド前駆体。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のポリイミド前駆体をイミド化してなることを特徴とするポリイミド。
  6. ジアミンに由来する構造単位と酸二無水物に由来する構造単位を有するポリイミドであって、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニルに由来する構造単位と、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位とからなる下記式(6)で表される構造単位を有し、
    Figure 0006890999

    1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位を全酸二無水物に由来の構造単位の70モル%以上含み、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニルに由来する構造単位を全ジアミンに由来する構造単位中50モル%以上含み、及び光透過率が308nmでは5%以下であり、400nmでは70%以上であり、且つ熱膨張係数が45ppm/K以下であることを特徴とするポリイミド。
    ただし、下記式(A)で表される構造単位、又は下記式(B1)若しくは式(B2)で表される構造単位を、いずれも含まない。
    Figure 0006890999
    Figure 0006890999
  7. 黄色度が6以下である請求項に記載のポリイミド。
  8. 透明樹脂基板材料用である請求項に記載のポリイミド。
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