JP2011247996A - 新規な感光性樹脂組成物及びその利用 - Google Patents

新規な感光性樹脂組成物及びその利用 Download PDF

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Tomohiro Koda
友洋 好田
Yoshihide Sekito
由英 関藤
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Abstract

【課題】本発明の課題は、微細加工性、現像性、低温硬化性、硬化膜の柔軟性、電気絶縁信頼性、ハンダ耐熱性、耐有機溶剤性、難燃性等に優れ、硬化後の基板の反りが小さい感光性樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも(A)カルボキシル基含有樹脂と(B)感光性樹脂と(C)熱硬化性樹脂と(D)光重合開始剤と(E)リン含有難燃剤を含む感光性樹脂組成物であり、上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、上記(E)リン含有難燃剤が、少なくとも(E1)5%重量減少温度が基準温度以上、基準温度+100℃未満であるリン含有難燃剤と(E2)5%重量減少温度が基準温度+100℃以上、基準温度+200℃未満であるリン含有難燃剤を含む感光性樹脂組成物を用いることで上記課題を解決しうる。
【選択図】 なし

Description

この発明は、感光性を有するため微細加工が可能であり、希アルカリ水溶液で現像可能であり、低温(200℃以下)で硬化可能であり、得られる硬化膜が柔軟性に富み、電気絶縁信頼性、ハンダ耐熱性、耐有機溶剤性、難燃性に優れ、硬化後の基板の反りが小さい感光性樹脂組成物、それから得られる樹脂フィルム、絶縁膜、及び絶縁膜付きプリント配線板に関するものである。
従来、プリント配線板の製造業界では、フレキシブル回路基板用の表面保護材料として、ポリイミドフィルム等の成形体に接着剤を塗布して得られるカバーレイフィルムが用いられてきた。このカバーレイフィルムをフレキシブル回路基板上に接着する場合、回路の端子部や部品との接合部に予めパンチングなどの方法により開口部を設け、位置合わせをした後に熱プレス等で熱圧着する方法が一般的である。また、カバーレイフィルムには、耐熱性、耐薬品性、難燃性、接着性、電気絶縁信頼性等、優れた特性が要求される。難燃性に関しては、ハロゲン系難燃剤を使用することで、良好な難燃性が得られるが、ハロゲン系難燃剤の燃焼時に有毒ガスが発生する等環境への悪影響が指摘されており、ハロゲン系難燃剤を含まない難燃化技術が要求されている。
そこで、例えば、特許文献1では、ウレタン変性カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、非ハロゲン系エポキシ樹脂、硬化剤、融点又は分解温度が160℃以上のリン系難燃剤、無機フィラーを含有する樹脂組成物が提案されている。
一方、上記構成のカバーレイフィルムは、高精度な開口部を設けることは困難であり、また、張り合わせ時の位置合わせは手作業で行われる場合が多いため、位置精度が悪く、張り合わせの作業性も悪いことから、感光性機能を有するソルダーレジストが使用される場合があり、微細加工性に優れている。この感光性ソルダーレジストとしては、エポキシ樹脂等を主体とした感光性樹脂組成物が用いられるが、この感光性ソルダーレジストは、絶縁材料としては電気絶縁信頼性に優れるが、屈曲性等の機械特性が悪く、硬化収縮が大きいためフレキシブル回路基板などの薄くて柔軟性に富む回路基板に積層した場合、基板の反りが大きくなり、フレキシブル回路基板用に用いるのは難しかった。また、難燃性にも乏しく、難燃性を付与する目的で難燃剤を添加した場合に、物性低下や硬化膜から難燃剤がしみ出すブリードアウトによる接点障害や工程汚染が問題であった。
近年では、この感光性ソルダーレジストとして、難燃性を発現することができる種々の提案がされている。
例えば、特許文献2では、液状のホスファゼン化合物、カルボキシル基含有樹脂、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物が提案されている。また、特許文献3では、ビフェニル骨格を有するノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、カルボン酸を含有するアクリル樹脂と、リン含有化合物と光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物が提案されている。また特許文献4では、炭素−炭素二重結合を有し特定の構造をもつリン化合物と、有機溶媒に可溶なポリイミドと、C、H、O、N原子のみからなり1個以上の炭素‐炭素二重結合を有する化合物と、光反応開始剤、炭素−炭素二重結合を有しないリン化合物とを含有する感光性樹脂組成物が提案されている。
特開2007−51212号公報 特開2010−39389号公報 特開2009−251286号公報 特開2007−94342号公報
上記特許文献では、カバーレイの課題を解決する種々の方法が提案されている。しかし、特許文献1に記載されている樹脂組成物は、マイグレーション性に優れるものの、微細加工性が劣る。また、融点又は分解温度が160℃以上のリン系難燃剤を使用しているが、十分な難燃性は得られず、特に、硬化膜の分解温度がリン系難燃剤の分解温度よりも高い場合、効率的な難燃効果が得られないことがある。特許文献2に記載されている感光性樹脂組成物は、保存安定性に優れ、その硬化膜は、可撓性に富み、はんだ耐熱性等に優れるものの、液状のホスファゼン化合物を使用しているためタック性が悪く、十分な難燃性を得るため添加量を増やすとブリードアウトを起こす。さらに、分解温度が260℃以上の液状のホスファゼン化合物を使用することが提案されているものの、硬化膜の分解温度が液状のホスファゼン化合物の分解温度よりも高い場合、効率的な難燃効果が得られないことがある。特許文献3に記載されている感光性樹脂組成物は、タック性、アルカリ現像性等に優れるものの、ホスフィン酸塩を使用しているため、十分な難燃性を得るため添加量を増やすと、ホスフィン酸塩を起点としてクラックが入り、耐折れ性が悪い。また、ホスフィン酸塩の分解温度は高温であるため、硬化膜の分解温度に比べて大きく乖離している場合が多く、効率的な難燃効果が得られないことがある。また、特許文献4に記載されている感光性樹脂組成物は、ブリードアウトを生じず、良好な耐熱性、耐薬品性、耐湿性等を有するが、電気絶縁信頼性が劣る。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、少なくとも(A)カルボキシル基含有樹脂と、(B)感光性樹脂と、(C)熱硬化性樹脂と、(D)光重合開始剤と、(E)リン含有難燃剤を含む感光性樹脂組成物であって、上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、上記(E)リン含有難燃剤が、少なくとも(E1)5%重量減少温度が基準温度以上、基準温度+100℃未満であるリン含有難燃剤と(E2)5%重量減少温度が基準温度+100℃以上、基準温度+200℃未満であるリン含有難燃剤との2種以上の成分を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物は、感光性を有するため微細加工が可能であり、希アルカリ水溶液で現像可能であり、低温(200℃以下)で硬化可能であり、得られる硬化膜が柔軟性に富み、電気絶縁信頼性、ハンダ耐熱性、耐有機溶剤性、難燃性に優れ、硬化後の基板の反りが小さい感光性樹脂組成物が得られる知見を得、これらの知見に基づいて、本発明に達したものである。
本発明は以下の新規な感光性樹脂組成物により上記課題を解決しうる。
すなわち、本願発明は、少なくとも(A)カルボキシル基含有樹脂と、(B)感光性樹脂と、(C)熱硬化性樹脂と、(D)光重合開始剤と、(E)リン含有難燃剤を含む感光性樹脂組成物であって、上記(E)リン含有難燃剤が、少なくとも下記(E1)と(E2)との2種以上の成分を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物である。
(E1):上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、5%重量減少温度が基準温度以上、基準温度+100℃未満であるリン含有難燃剤、
(E2):上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、5%重量減少温度が基準温度+100℃以上、基準温度+200℃未満であるリン含有難燃剤。
また、本願発明にかかる感光性樹脂組成物は、上記感光性樹脂組成物中のリン元素含有率が、1〜7重量%であることが好ましい。
また、本願発明にかかる感光性樹脂組成物は、上記(E1)が、ホスファゼン化合物、ホスファフェナントレン化合物及び芳香族縮合リン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種のリン含有難燃剤であることが好ましい。
また、本願発明にかかる感光性樹脂組成物は、上記(E2)が、ホスフィン酸塩であることが好ましい。
また、本願発明にかかる感光性樹脂組成物は、上記(A)カルボキシル基含有樹脂の酸価が、40〜200mgKOH/gであることが好ましい。
また、本願発明にかかる感光性樹脂組成物溶液は、上記感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して得られるものである。
また、本願発明にかかる樹脂フィルムは、上記感光性樹脂組成物、または上記感光性樹脂組成物溶液を基材表面に塗布した後、乾燥して得られるものである。
また、本願発明にかかる絶縁膜は、上記樹脂フィルムを硬化させて得られるものである。
また、本願発明にかかる絶縁膜付きプリント配線板は、上記絶縁膜をプリント配線板に被覆してなるものである。
本願発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、柔軟性に富み、電気絶縁信頼性、ハンダ耐熱性、耐有機溶剤性、難燃性に優れ、良好な物性を有するとともに、硬化後の反りが小さい。従って、本願発明の感光性樹脂組成物は、種々の回路基板の保護膜等に使用でき、優れた効果を奏するものである。
フィルムの反り量を測定している模式図である。
以下本願発明について、(I)感光性樹脂組成物、(II)感光性樹脂組成物の使用方法の順に詳細に説明する。
(I)感光性樹脂組成物
本願発明の感光性樹脂組成物とは、少なくとも(A)カルボキシル基含有樹脂と、(B)感光性樹脂と、(C)熱硬化性樹脂と、(D)光重合開始剤と、(E)リン含有難燃剤を含む感光性樹脂組成物であって、上記(E)リン含有難燃剤が、少なくとも下記(E1)と(E2)との2種以上の成分を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物であればよい。
(E1):上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、5%重量減少温度が基準温度以上、基準温度+100℃未満であるリン含有難燃剤、
(E2):上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、5%重量減少温度が基準温度+100℃以上、基準温度+200℃未満であるリン含有難燃剤。
なお、上述の通り、本発明でいう基準温度とは、少なくとも(A)カルボキシル基含有樹脂と、(B)感光性樹脂と、(C)熱硬化性樹脂と、(D)光重合開始剤と、(E)リン含有難燃剤を含む感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度のことであり、たとえば(A)(B)(C)(D)(E)のみからなる感光性樹脂組成物であり、かつ(E)は(E1)(E2)のみを含むような場合には、基準温度とは、(A)(B)(C)(D)のみからなる感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度のことであり、もしも(E)が(E1)(E2)以外のリン含有難燃剤を含んでいる場合には、それらも除いた感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度のことである。
ここで、本願発明の感光性樹脂組成物は、各種特性に優れる事を、本発明者らは見出したが、これは、以下の理由によるのではないかと推測している。つまり、本願発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有樹脂を含むため、希アルカリ水溶液に代表される現像液に可溶となり、露光・現像により微細加工が可能となる。また、感光性樹脂組成物全体から(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、(E)リン含有難燃剤が、少なくとも(E1)5%重量減少温度が基準温度以上、基準温度+100℃未満であるリン含有難燃剤と(E2)5%重量減少温度が基準温度+100℃以上、基準温度+200℃未満であるリン含有難燃剤との2種以上の成分を含むため、(E1)難燃剤の分解温度が硬化膜の分解温度以上であって、100℃未満という硬化膜の分解温度に近い温度であることによって、硬化膜の初期燃焼を効果的に抑えることができ難燃性に優れるとともに、(E2)難燃剤の分解温度が硬化膜の分解温度の100℃以上であって、200℃未満であることによって、硬化膜の燃焼が進行した場合にも硬化膜の燃焼を効果的に抑えることができる相乗効果が得られるためであると推測する。
上記感光性樹脂組成物の構成にした場合、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、硬化膜の耐折れ性の低下や硬化後の基板の反りが大きくなるなどの物性低下を引き起こすことなく、十分な難燃性が得られ、更には長期にわたる耐久性にも優れる。
以下本願発明について、感光性樹脂組成物について詳細に説明する。なお、以下に記載する(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートなども同様の意味である。
<(A)カルボキシル基含有樹脂>
本願発明で用いられるカルボキシル基含有樹脂とは、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有している、重量平均分子量が、ポリエチレングリコール換算で、3,000以上300,000以下のポリマーである。ここで、カルボキシル基含有樹脂の分子量は、例えば、以下の方法で測定することができる。
使用装置:東ソーHLC−8220GPC相当品
カラム :東ソー TSK gel Super AWM−H(6.0mmI.D.×15cm)×2本
ガードカラム:東ソー TSK guard column Super AW−H
溶離液:30mM LiBr+20mM H3PO4 in DMF
流速:0.6mL/min
カラム温度:40℃
検出条件:RI:ポラリティ(+)、レスポンス(0.5sec)
試料濃度:約5mg/mL
標準品:PEG(ポリエチレングリコール)
上記範囲内に重量平均分子量を制御することにより、感光性樹脂組成物のアルカリ現像性、得られる硬化膜の柔軟性、耐薬品性が優れるため好ましい。重量平均分子量が3,000以下の場合は、柔軟性や耐薬品性が低下する場合があり、重量平均分子量が300,000以上の場合はアルカリ現像性が低下し、感光性樹脂組成物の粘度が高くなる場合がある。
本願発明で用いられるカルボキシル基含有樹脂の酸価は、例えば、JIS K5601−2−1で規定された方法で測定することができ、40〜200mgKOH/gとすることが好ましく、40〜150mgKOH/gとすることがより好ましい。酸価が40mgKOH/gより小さい場合では感光性樹脂組成物のアルカリ現像性が低下する場合があり、200mgKOH/gより大きい場合では硬化膜の吸湿性が高くなり電気絶縁信頼性が低下する場合がある。
より具体的には、本願発明において(A)カルボキシル基含有樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体、カルボキシル基含有ビニル系共重合体、酸変性ポリウレタン、酸変性ポリエステル、酸変性ポリカーボネート、酸変性ポリアミド、酸変性ポリイミド等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明において(A)カルボキシル基含有樹脂は、上記構造を有しているものであれば特に限定はされるものではないが、より好ましくは、少なくとも(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重合させたものが用いられる。このような構造とすることにより、感光性に優れ、得られる硬化膜の柔軟性、耐薬品性に優れる感光性樹脂組成物となるため好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、(メタ)アクリル酸エステルのエステル鎖に炭素数1〜20のアルキル基を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、特に(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルを用いることが、感光性樹脂組成物の硬化膜の柔軟性と耐薬品性の観点から好ましい。
上記、少なくとも(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重合させる反応は、例えば、ラジカル重合開始剤によりラジカルを発生させることにより進行させることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ系化合物、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸価水素等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
上記、ラジカル重合開始剤の使用量は、使用するモノマー100重量部に対して0.001〜5重量部とすることが好ましく、0.01〜1重量部とすることがより好ましい。0.001重量部より少ない場合では反応が進行しにくく、5重量部より多い場合では分子量が低下する場合がある。
上記反応は、無溶媒で反応させることもできるが、反応を制御する為には、有機溶媒系で反応させることが望ましく、例えば有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
更に、例えばメチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤を用いることもできる。中でも、副反応が生じにくいことから、対称グリコールジエーテル類を用いることが好ましい。
反応の際に用いられる溶剤量は、反応溶液中の溶質重量濃度すなわち溶液濃度が5重量%以上90重量%以下となるような量とすることが好ましく、20重量%以上70重量%以下とすることがより好ましい。溶液濃度が5%より少ない場合では重合反応が起こりにくく反応速度が低下すると共に、所望の構造物質が得られない場合があり、また、溶液濃度が90重量%より多い場合では反応溶液が高粘度となり反応が不均一となる場合がある。
上記反応温度は、20〜120℃とすることが好ましく、50〜100℃とすることがより好ましい。20℃より低い温度の場合では反応時間が長くなり過ぎ、120℃を超えると急激な反応の進行や副反応に伴う三次元架橋によるゲル化を招く恐れがある。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜選択することができる。
<(B)感光性化合物>
本願発明における(B)感光性化合物とは、ラジカル重合開始剤により重合反応が進行するラジカル重合性基を分子内に含有する化合物である。その中でも分子内に不飽和二重結合を少なくとも1つ有する樹脂であることが好ましい。さらには、上記不飽和二重結合は、(メタ)アクリロイル基、もしくはビニル基であることが好ましい。
かかる(B)感光性化合物としては、例えばビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、1 − アクリロイルオキシプロピル−2−フタレート、イソステアリルアクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−メキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールメタクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロパン、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、エトキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸トリ(エタンアクリレート)、ペンタスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリル1,3,5−ベンゼンカルボキシレート、トリアリルアミン、トリアリルシトレート、トリアリルフォスフェート、アロバービタル、ジアリルアミン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジスルフィド、ジアリルエーテル、ザリルシアルレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、1,3−ジアリロキシ−2−プロパノール、ジアリルスルフィドジアリルマレエート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジアクリレート、等が好ましいが、これらに限定されない。特に、ジアクリレートあるいはジメタクリレートの一分子中に含まれるEO(エチレンオキサイド)の繰り返し単位が、2〜50の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは2〜40である。EOの繰り返し単位が2〜50の範囲の物を使用することにより、感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液に代表される水系現像液への溶解性が向上し、現像時間が短縮される。更に、感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜中に応力が残りにくく、例えばプリント配線板の中でも、ポリイミド樹脂を基材とするフレキシブルプリント配線板上に積層した際に、プリント配線板のカールを抑えることができるなどの特徴を有する。
特に、上記EO変性のジアクリレート或いは、ジメタクリレートと、アクリロイル基もしくは、メタクリロイル基を3以上有する化合物を併用することが感光性を高める上で特に好ましく、例えばエトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルコハク酸、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルフタル酸、プロポキシ化ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、下記一般式(1)
Figure 2011247996
(式中、a+b=6、n=12である。)
で表される化合物、下記一般式(2)
Figure 2011247996
(式中、a+b=4、n=4である。)
で表される化合物、下記式(3)
Figure 2011247996
で表される化合物、下記一般式(4)
Figure 2011247996
(式中、m=1、a=2、b=4もしくは、m=1、a=3、b=3もしくは、m=1、a=6、b=0もしくは、m=2、a=6、b=0である。)
で表される化合物、下記一般式(5)
Figure 2011247996
(式中、a+b+c=3.6である。)
で表される化合物、下記式(6)
Figure 2011247996
で表される化合物、下記一般式(7)
Figure 2011247996
(式中、m・a=3、a+b=3、ここで「m・a」は、mとaとの積である。)
で表される化合物等が好適に用いられる。
また、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、アクリル酸ダイマー、ペンタエスリトールトリ及びテトラアクリレート等の分子構造骨格中にヒドロキシル基、カルボニル基を有する化合物も好適に用いられる。
この他、酸変性ビニルエステル樹脂、エポキシ変性(メタ)アクリル樹脂や、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル変性(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸変性エポキシ樹脂酸付加物等どのような分子内にラジカル重合性基を含有するラジカル重合性化合物を用いてもよい。
尚、分子内にラジカル重合性基を含有するラジカル重合性化合物としては、1種を使用することも可能であるが、2種以上を併用することが、硬化膜の耐熱性を向上させる上で好ましい。
本願発明の感光性樹脂組成物における(B)感光性化合物は、(A)成分100重量部に対して、10〜200重量部となるように配合されていることが、感光性樹脂組成物の感光性が向上する点で好ましい。
(B)成分が上記範囲よりも少ない場合には、感光性樹脂組成物を光硬化した後の硬化被膜の耐アルカリ性が低下すると共に、露光・現像したときのコントラストが付きにくくなる場合がある。また、(B)成分が上記範囲よりも多い場合には、感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、溶媒を乾燥させることにより得られる塗膜のべたつきが大きくなるため生産性が低下し、また架橋密度が高くなりすぎることにより硬化膜が脆く割れやすくなる場合がある。そのため、上記範囲内にすることで露光・現像時の解像度を最適な範囲にすることが可能となる。
<(C)熱硬化性樹脂>
本願発明で用いられる(C)熱硬化性樹脂とは、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、ポリエステル樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂等)、ジアリルフタレート樹脂、珪素樹脂、ビニルエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、シアネート樹脂(例えばシアネートエステル樹脂等)、ユリア樹脂、グアナミン樹脂、スルホアミド樹脂、アニリン樹脂、ポリウレア樹脂、チオウレタン樹脂、ポリアゾメチン樹脂、エピスルフィド樹脂、エン−チオール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリイミド樹脂、これらの共重合体樹脂、これら樹脂を変性させた変性樹脂、又はこれらの樹脂同士もしくは他の樹脂類との混合物等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、この中でも、エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート樹脂を用いることがより好ましい。これら成分を含有することにより、感光性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜に対して耐熱性を付与できると共に、金属箔等の導体や回路基板に対する接着性を付与することができる。
上記エポキシ樹脂とは、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を含む化合物であり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER828、jER1001、jER1002、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4100E、アデカレジンEP−4300E、日本化薬株式会社製の商品名RE−310S、RE−410S、DIC株式会社製の商品名エピクロン840S、エピクロン850S、エピクロン1050、エピクロン7050、東都化成株式会社製の商品名エポトートYD−115、エポトートYD−127、エポトートYD−128、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER806、jER807、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4901E、アデカレジンEP−4930、アデカレジンEP−4950、日本化薬株式会社製の商品名RE−303S、RE−304S、RE−403S,RE−404S、DIC株式会社製の商品名エピクロン830、エピクロン835、東都化成株式会社製の商品名エポトートYDF−170、エポトートYDF−175S、エポトートYDF−2001、ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製の商品名エピクロンEXA−1514、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jERYX8000、jERYX8034,jERYL7170、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4080E、DIC株式会社製の商品名エピクロンEXA−7015、東都化成株式会社製の商品名エポトートYD−3000、エポトートYD−4000D、ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jERYX4000、jERYL6121H、jERYL6640、jERYL6677、日本化薬株式会社製の商品名NC−3000、NC−3000H、フェノキシ型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER1256、jER4250、jER4275、ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製の商品名エピクロンHP−4032、エピクロンHP−4700、エピクロンHP−4200、日本化薬株式会社製の商品名NC−7000L、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER152、jER154、日本化薬株式会社製の商品名EPPN−201−L、DIC株式会社製の商品名エピクロンN−740、エピクロンN−770、東都化成株式会社製の商品名エポトートYDPN−638、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、DIC株式会社製の商品名エピクロンN−660、エピクロンN−670、エピクロンN−680、エピクロンN−695、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名XD−1000、DIC株式会社製の商品名エピクロンHP−7200、アミン型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER604、jER630、東都化成株式会社の商品名エポトートYH−434、エポトートYH−434L、三菱ガス化学株式会社製の商品名TETRAD−X、TERRAD−C、可とう性エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER871、jER872、jERYL7175、jERYL7217、DIC株式会社製の商品名エピクロンEXA−4850、ウレタン変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEPU−6、アデカレジンEPU−73、アデカレジンEPU−78−11、ゴム変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEPR−4023、アデカレジンEPR−4026、アデカレジンEPR−1309、キレート変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−49−10、アデカレジンEP−49−20、複素環含有エポキシ樹脂としては、日産化学株式会社製の商品名TEPIC等が挙げられる。
本願発明の感光性樹脂組成物には、上記熱硬化性化合物の硬化剤として、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、メラミン、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
また、硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系化合物;3級アミン系、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラエタノールアミン等のアミン系化合物;1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等のボレート系化合物等、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;2−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のアジン系イミダゾール類等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
上記ブロックイソシアネート樹脂とは、常温では不活性であり、加熱されることにより、オキシム類、ジケトン類、フェノール類、カプロラクタム類等のブロック剤が解離してイソシアネート基を再生する化合物であり、例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製の商品名デュラネート17B−60PX、デュラネートTPA−B80E、デュラネートMF−B60X、デュラネートMF−K60X、デュラネートE402−B80T、三井化学ポリウレタン株式会社製の商品名タケネートB−830、タケネートB−815N、タケネートB−846N、タケネートB−882N、日本ポリウレタン工業株式会社製の商品名コロネートAP−M、コロネート2503、コロネート2507、コロネート2513、コロネート2515、ミリオネートMS−50等が挙げられる。特に本願発明に好適に用いられるブロックイソシアネート樹脂は、ブロック剤の解離温度が160℃以下であるヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型、ビウレット型、アダクト型等のブロックイソシアネート化合物、水添ジフェニルメタンジイソシアネート系、水添キシリレンジイソシアネート系ブロックイソシアネート樹脂である。
上記ブロックイソシアネート樹脂を用いることで感光性樹脂組成物を硬化したときに得られる硬化膜に高い基材との接着性を付与できるので好ましい。
また、これらブロックイソシアネート樹脂は単独で、或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本願発明の感光性樹脂組成物における(C)熱硬化性樹脂は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、0.5〜100重量部となるように配合されていることが、感光性樹脂組成物の硬化膜の耐熱性、耐薬品性、電気絶縁信頼性を向上することができるので好ましい。
熱硬化性樹脂が上記範囲よりも少ない場合には、添加することによる効果が得られにくく、また、多すぎる場合には、感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、溶媒を乾燥させることにより得られる塗膜のべたつきが大きくなるため生産性が低下し、また架橋密度が高くなりすぎることにより硬化膜が脆く割れやすくなる場合がある。
<(D)光重合開始剤>
本願発明における(D)光重合開始剤とは、UVなどのエネルギーによって活性化し、ラジカル重合性基の反応を開始・促進させる化合物である。かかる(D)光重合開始剤としては、例えば、ミヒラ−ズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’,4’’−トリス(ジメチルアミノ)トリフェニルメタン、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、アセトフェノン、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テル、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、メチルアントラキノン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジアセチルベンジル、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジルジエチルケタ−ル、2(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2[2’(5’’−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、ジ(テトラアルキルアンモニウム)−4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルフォネ−ト、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、ビス(n5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、ヨード二ウム,(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシオム)などが挙げられる。上記光重合開始剤は適宜選択することが好ましく、1種以上を混合させて用いることが好ましい。
本願発明の感光性樹脂組成物における(D)光重合開始剤は、(A)成分及び(B)成分の合計100重量部対して、0.1〜50重量部となるように配合されていることが好ましい。
上記配合割合にすることで感光性樹脂組成物の感光性が向上するので好ましい。
(D)成分が上記範囲よりも少ない場合には、光照射時のラジカル重合性基の反応が起こりにくく、硬化が不十分となることが多い場合がある。また、(D)成分が上記範囲よりも多い場合には、光照射量の調整が難しくなり、過露光状態となる場合がある。そのため、光硬化反応を効率良く進めるためには上記範囲内に調整することが好ましい。
<(E)リン含有難燃剤>
本願発明で用いられる(E)リン含有難燃剤は、少なくとも分子構造中にリン元素を1つ以上含んでおり、プラスチック、木材、または繊維等の可燃性物質に、添加または反応させることにより、可燃性物質を燃えにくくする働きのある物質のことを意味する。上記(E)リン含有難燃剤は、少なくとも下記(E1)と(E2)との2種以上の成分を含んでいればよい。
(E1):上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、5%重量減少温度が基準温度以上、基準温度+100℃未満であるリン含有難燃剤、
(E2):上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、5%重量減少温度が基準温度+100℃以上、基準温度+200℃未満であるリン含有難燃剤。
上記5%重量減少温度は、熱重量測定装置で測定することが可能であり、本発明に記載する5%重量減少温度は、セイコー電子工業(株)製、TG/DTA220
を使用し、200ml/minの窒素中、20℃/minで昇温し測定した。また、硬化膜とは、上記感光性樹脂組成物を下記(II)感光性樹脂組成物の使用方法にあるように、塗布膜作製、乾燥、活性光線の照射、硬化の工程を経たものであり、乾燥条件は、80℃、20分、活性光線の照射量は、300mJ/cm2(at365nm)、硬化条件は、150℃、30分である。
特に限定はされないが、(E1)は、ホスファゼン化合物、ホスファフェナントレン化合物及び芳香族縮合リン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種のリン含有難燃剤であることが好ましい。ホスファゼン化合物としては、大塚化学社製の商品名SPE−100、SPB−100、SPB−100L、およびSPH−100などが挙げられ、ホスファフェナントレン化合物としては、三光株式会社製の商品名HCA、HCA−HQなどが挙げられ、芳香族縮合リン酸エステルとしては、例えば、大八化学社製の商品名CR−733S(レゾシノ−ルジホスフェート)、CR−741、CR−747、およびPX−200などが挙げられる。
また、特に限定はされないが、上記(E2)が、ホスフィン酸塩であることが好ましい。ホスフィン酸塩とは、下記一般式(8)で示される化合物である。
Figure 2011247996
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に直鎖状または枝分かれした炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を示し、Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Zn、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na及びKからなる群の少なくとも1種より選択される金属類を示し、nは1〜4の整数である。)
上記、ホスフィン酸塩としては、例えば、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル等を挙げることができ、これらは単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも特にトリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウムを用いた場合、高い難燃性が得られるため好ましいホスフィン酸塩としては、例えば、クラリアント社製の商品名Exolit OP930、Exolit OP935などが挙げられる。
また、上記感光性樹脂組成物中のリン元素含有率が、1〜7重量%であることが好ましい。上記リン元素含有率が、1重量%未満であると、十分な難燃効果が得られない場合がある。一方、7重量%を超えると、乾燥後の感光性樹脂組成物にベタツキが見られたりする場合があり、さらに硬化物の物性に悪影響を与える場合があるために好ましくない。
<その他の成分>
本願発明の感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じて充填剤、接着助剤、消泡剤、レベリング剤、着色剤、重合禁止剤等の各種添加剤を加えることができる。上記充填剤としては、シリカ、マイカ、タルク、硫酸バリウム、ワラストナイト、炭酸カルシウムなどの微細な無機充填剤、微細な有機ポリマ−充填剤を含有させてもよい。また、上記消泡剤としては、例えば、シリコン系化合物、アクリル系化合物等を含有させることができる。また、上記レベリング剤としては、例えば、シリコン系化合物、アクリル系化合物等を含有させることができる。また、上記着色剤としては、例えば、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、カーボンブラック、酸化チタン等を含有させることができる。また、上記接着助剤(密着性付与剤ともいう。)としては、シランカップリング剤、トリアゾール系化合物、テトラゾール系化合物、トリアジン系化合物等を含有させることができる。また、上記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を含有させることができる。また、本願発明の感光性樹脂組成物は、リン含有難燃剤を含むため難燃性に優れているが、より高い難燃効果を得るために金属水酸化物等、他の難燃剤を加えてもよい。上記各種添加剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。また、それぞれの含有量は適宜選定することが望ましい。
(II)感光性樹脂組成物の使用方法
本願発明の感光性樹脂組成物を直接に用いて、又は、感光性樹脂組成物溶液を調製した後に、以下のようにして硬化膜又はレリーフパターンを形成することができる。先ず、上記感光性樹脂組成物、又は、感光性樹脂組成物溶液を基板に塗布し、乾燥して有機溶媒を除去する。基板への塗布はスクリ−ン印刷、カ−テンロ−ル、リバ−スロ−ル、スプレーコーティング、スピンナーを利用した回転塗布等により行うことができる。塗布膜(好ましくは厚み:5〜100μm、特に10〜100μm)の乾燥は120℃以下、好ましくは40〜100℃で行う。
次いで、乾燥後、乾燥塗布膜にネガ型のフォトマスクを置き、紫外線、可視光線、電子線などの活性光線を照射する。次いで、未露光部分をシャワー、パドル、浸漬または超音波等の各種方式を用い、現像液で洗い出すことによりレリ−フパタ−ンを得ることができる。なお、現像装置の噴霧圧力や流速、エッチング液の温度によりパターンが露出するまでの時間が異なる為、適宜最適な装置条件を見出すことが望ましい。
上記現像液としては、アルカリ水溶液を使用することが好ましく。この現像液には、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒が含有されていてもよい。上記のアルカリ水溶液を与えるアルカリ性化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムイオンの、水酸化物または炭酸塩や炭酸水素塩、アミン化合物などが挙げられ、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、トリイソプロパノ−ルアミン、トリイソプロピルアミンなどを挙げることができ、水溶液が塩基性を呈するものであればこれ以外の化合物も当然使用することができる。本願発明の感光性樹脂組成物の現像工程に好適に用いることのできる、アルカリ性化合物の濃度は、0.01〜20重量%、特に好ましくは、0.02〜10重量%とすることが好ましい。また、現像液の温度は感光性樹脂組成物の組成や、アルカリ現像液の組成に依存しており、一般的には0℃以上80℃以下、より一般的には、10℃以上60℃以下で使用することが好ましい。
上記現像工程によって形成したレリ−フパタ−ンは、リンスして不用な残分を除去する。リンス液としては、水、酸性水溶液などが挙げられる。
次いで、上記得られたレリ−フパタ−ンの加熱処理を行う。加熱処理を行って、分子構造中に残存する反応性基を反応させることにより、耐熱性に富む硬化膜を得ることができる。硬化膜の厚みは、配線厚み等を考慮して決定されるが、2〜50μm程度であることが好ましい。このときの最終硬化温度は配線等の酸化を防ぎ、配線と基材との密着性を低下させないことを目的として低温で加熱して硬化できることが望まれている。
この時の硬化温度は100℃以上250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは120℃以上200℃以下であり、特に好ましくは130℃以上180℃以下である。最終加熱温度が高くなると配線の酸化劣化が進むので望ましくない。
本願発明の感光性樹脂組成物から形成した硬化膜は、難燃性、耐熱性、耐薬品性、電気的及び機械的性質に優れており、また、柔軟性にも優れている。
また、例えば、感光性樹脂組成物から得られる絶縁膜は、好適には厚さ2〜50μm程度の膜厚で光硬化後少なくとも10μmまでの解像力、特に10〜1000μm程度の解像力のものである。このため感光性樹脂組成物から得られる絶縁膜は、高密度フレキシブル基板の絶縁材料として特に適しているのである。また更には、光硬化型の各種配線被覆保護剤、感光性の耐熱性接着剤、電線・ケーブル絶縁被膜、等に用いられる。
尚、本願発明は上記感光性樹脂組成物、又は、感光性樹脂組成物溶液を基材表面に塗布し乾燥して得られた樹脂フィルムを用いても同様の絶縁材料を提供することができる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(合成例1)
<カルボキシル基含有樹脂の合成>
攪拌機、温度計、滴下漏斗、および窒素導入管を備えた反応容器に、重合用溶媒としてメチルトリグライム(=1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン)100.0gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温した。これに、室温で予め混合しておいた、メタクリル酸14.0g、アクリル酸エチル38.0g、メタクリル酸メチル38.0g、スチレン10.0g、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.4gを80℃に保温した状態で3時間かけて滴下漏斗から滴下した。滴下終了後、反応溶液を攪拌しながら90℃まで昇温し、反応溶液の温度を90℃に保ちながら更に2時間攪拌し、本願発明のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。得られたカルボキシル基含有樹脂溶液の固形分濃度は50%、重量平均分子量は71,000、固形分の酸価は90mgKOH/gであった。尚、固形分濃度、重量平均分子量、酸価は下記の方法で測定した。
<固形分濃度>
JIS K 5601−1−2に従って測定を行った。尚、乾燥条件は150℃×1時間の条件を選択した。
<重量平均分子量>
重量平均分子量の測定は、下記条件で実施した。
使用装置:東ソーHLC−8220GPC相当品
カラム :東ソー TSK gel Super AWM−H(6.0mmI.D.×15cm)×2本
ガードカラム:東ソー TSK guard column Super AW−H
溶離液:30mM LiBr+20mM H3PO4 in DMF
流速:0.6mL/min
カラム温度:40℃
検出条件:RI:ポラリティ(+)、レスポンス(0.5sec)
試料濃度:約5mg/mL
標準品:PEG(ポリエチレングリコール)
<酸価>
JIS K 5601−2−1に従って測定を行った。
(合成例2)
<カルボキシル基含有樹脂の合成>
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてメチルトリグライム(=1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)(66.5g)を仕込み、これに、ノルボルネンジイソシアネートを10.3g(0.050モル)を仕込み80℃に加温して溶解させた。この溶液に、ポリカーボネートジオールを50.0g(0.025モル)(旭化成株式会社製:商品名PCDL T5652、下記一般式(9)で表されるポリカーボネートジオール、平均分子量が2000)とをメチルトリグライム(50.0g)に溶解した溶液を1時間かけて添加した。
Figure 2011247996
(式中、q、r、sは1以上の整数である。)
この溶液を5時間80℃で加熱攪拌を行った。反応終了後、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二無水物(以下、ODPA)31.02g(0.100モル)とメチルトリグライム(52.0g)を前述の反応溶液に添加した。添加後に200℃に加温して3時間反応させた。上記反応を行うことでカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。
得られたカルボキシル基含有樹脂溶液の固形分濃度は44%、重量平均分子量は9,000、固形分の酸価は90mgKOH/gであった。尚、固形分濃度、重量平均分子量、酸価は合成例1と同様に測定した。
(実施例1〜4)
合成例1〜2で得られた(A)バインダー樹脂、(B)感光性樹脂、(C)光重合開始剤、(D)難燃剤、(E)熱硬化性樹脂、その他の成分、及び有機溶媒である1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタンを添加して感光性樹脂組成物を作製した。それぞれの構成原料の樹脂固形分での配合量及び原料の種類を表1に記載する。なお、添加した1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン量は、感光性樹脂組成物の固形分が60重量%になるよう調整した。組成物を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して下記評価を実施した。結果を表2に記載する。また、実施例1、3、4における(E)リン含有難燃剤成分を除く感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度は275℃、実施例2における(E)リン含有難燃剤成分を除く感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度は295℃であった。
Figure 2011247996
<1>新中村化学株式会社製 製品名NKエステルA−9300(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート)
<2>新中村化学株式会社製 製品名NKエステルBPE−1300(ビスフェノールA EO変性ジアクリレート)
<3>DIC株式会社製 クレゾールノボラック型の多官能エポキシ樹脂の製品名
<4>チバジャパン株式会社製 光重合開始剤の製品名
<5>大塚化学株式会社製 ホスファゼン化合物(リン系難燃剤)の製品名 5%重量減少温度は353℃。
<6>大八化学社製 芳香族縮合リン酸エステル(リン系難燃剤)の製品名
5%重量減少温度は370℃。
<7>、三光株式会社製 ホスファフェナントレン化合物(リン系難燃剤)の製品名
5%重量減少温度は368℃。
<8>、クラリアント社製 ホスフィン酸塩(リン系難燃剤)の製品名 5%重量減少温度は440℃。
<9>日本アエロジル株式会社製 シリカ粒子の製品名
<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>
上記感光性樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、25μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製:商品名25NPI)に最終乾燥厚みが20μmになるように100mm×100mmの面積に流延・塗布し、80℃で20分乾燥した後、50mm×50mmの面積のライン幅/スペース幅=100μm/100μmのネガ型フォトマスクを置いて300mJ/cm2の積算露光量の紫外線を照射して露光した。次いで、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mm2の吐出圧で60秒スプレー現像を行った。現像後、純水で十分洗浄した後、150℃のオーブン中で60分加熱硬化させてポリイミドフィルム上に感光性樹脂組成物の硬化膜を作製した。
<硬化膜の評価>
得られた硬化膜について、以下の項目につき評価を行った。評価結果を表2に記載する。
(i)感光性評価
感光性樹脂組成物の感光性の評価は、上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目で得られた硬化膜の表面観察を行い判定した。
〇:ポリイミドフィルム表面に顕著な線太りや現像残渣無くライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けているもの。
×:ポリイミドフィルム表面にライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けていないもの。
(ii)硬化膜の密着性
上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目で得られた硬化膜の密着性をJIS K 5600−5−6に従ってクロスカット法で評価した。
○:分類0(カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。)
△:分類1(カットの交差点における塗膜の小さなはがれ。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。)
×:分類2(塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。)。
(iii)耐溶剤性
上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目で得られた硬化膜の耐溶剤性の評価を行った。評価方法は25℃のメチルエチルケトン中に15分間浸漬した後風乾し、フィルム表面の状態を観察した。
○:塗膜に異常がない。
×:塗膜に膨れや剥がれなどの異常が発生する。
(iv)耐折れ性
上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目と同様の方法で、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)表面に20μm厚みの感光性樹脂組成物の硬化膜積層フィルムを作製した。硬化膜積層フィルムの耐折れ性の評価方法は、硬化膜積層フィルムを50mm×10mmの短冊に切り出して、硬化膜を外側にして25mmのところで180°に折り曲げ、折り曲げ部に5kgの荷重を3秒間乗せた後、荷重を取り除き、折り曲げ部の頂点を顕微鏡で観察した。顕微鏡観察後、折り曲げ部を開いて、再度5kgの荷重を3秒間乗せた後、荷重を取り除き完全に硬化膜積層フィルムを開いた。上記操作を繰り返し、折り曲げ部にクラックが発生する回数を折り曲げ回数とした。
○:折り曲げ回数5回で硬化膜にクラックが無いもの。
△:折り曲げ回数3回で硬化膜にクラックが無いもの。
×:折り曲げ1回目に硬化膜にクラックが発生するもの。
(v)電気絶縁信頼性
フレキシブル銅貼り積層版(電解銅箔の厚み12μm、ポリイミドフィルムは株式会社カネカ製アピカル25NPI、ポリイミド系接着剤で銅箔を接着している)上にライン幅/スペース幅=100μm/100μmの櫛形パターンを作製し、10容量%の硫酸水溶液中に1分間浸漬した後、純水で洗浄し銅箔の表面処理を行った。その後、上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>方法と同様の方法で櫛形パターン上に20μm厚みの感光性樹脂組成物の硬化膜を作製し試験片の調整を行った。85℃、85%RHの環境試験機中で試験片の両端子部分に100Vの直流電流を印加し、絶縁抵抗値の変化やマイグレーションの発生などを観察した。
○:試験開始後、1000時間で10の8乗以上の抵抗値を示し、マイグレーション、デンドライトなどの発生が無いもの。
×:試験開始後、1000時間でマイグレーション、デンドライトなどの発生があるもの。
(vi)半田耐熱性
上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目と同様の方法で、75μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル75NPI)表面に20μm厚みの感光性樹脂組成物の硬化膜積層フィルムを作製した。
上記塗工膜を260℃で完全に溶解してある半田浴に感光性樹脂組成物の硬化膜が塗工してある面が接する様に浮かべて10秒後に引き上げた。その操作を3回行い、フィルム表面の状態を観察した。
○:塗膜に異常がない。
×:塗膜に膨れや剥がれなどの異常が発生する。
(vii)反り
上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目と同様の方法で、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)表面に20μm厚みの感光性樹脂組成物の硬化膜積層フィルムを作製した。
この硬化膜を50mm×50mmの面積のフィルムに切り出して平滑な台の上に塗布膜が上面になるように置き、フィルム端部の反り高さを測定した。測定部位の模式図を図1に示す。ポリイミドフィルム表面での反り量が少ない程、プリント配線板表面での応力が小さくなり、プリント配線板の反り量も低下することになる。反り量は5mm以下であることが好ましい。尚、筒状に丸まる場合は×とした。
(viii)難燃性
プラスチック材料の燃焼性試験規格UL94VTM法に従い、以下のように燃焼性試験を行った。上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目と同様の方法で、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製:商品名アピカル12.5NPI)両面に20μm厚みの感光性樹脂組成物硬化膜積層フィルムを作製した。上記作製したサンプルを寸法:50mm幅×200mm長さ×75μm 厚み(ポリイミドフィルムの厚みを含む)に切り出し、125mmの部分に標線を入れ、直径約13mmの筒状に丸め、標線よりも上の重ね合わせ部分(75mmの箇所)、及び、上部に隙間がないようにPIテープを貼り、難燃性試験用の筒を20本用意した。そのうち10本は(1)23℃/50%相対湿度/48時間で処理し、残りの10本は(2)70℃で168時間処理後無水塩化カルシウム入りデシケーターで4時間以上冷却した。これらのサンプルの上部をクランプで止めて垂直に固定し、サンプル下部にバーナーの炎を3秒間近づけて着火する。3秒間経過したらバーナーの炎を遠ざけて、サンプルの炎や燃焼が何秒後に消えるか測定する。
○:各条件((1)、(2))につき、サンプルからバーナーの炎を遠ざけてから平均(10本の平均)で10秒以内、最高で10秒以内に炎や燃焼が停止し自己消火し、かつ、評線まで燃焼が達していないもの。
×:1本でも10秒以内に消火しないサンプルがあったり、炎が評線以上のところまで上昇して燃焼するもの。
Figure 2011247996
(比較例1)
ポリエステル(テレフタル酸:イソフタル酸:アジピン酸:無水トリメリット酸=42:30:26:2のモル比で構成される多価カルボン酸と、2−メチル−1,3−プロパンジオール:ネオペンチルグリコール=50:50のモル比で構成されるポリオール類とを、多価カルボン酸:ポリオール類=50:50のモル比で混合し、反応させて得られたカルボキシル基含有ポリエステル;数平均分子量:15,000、カルボキシル基含有率:約1.0質量%)100質量部、2,2−ジメチロールブタン酸9質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート8質量部、およびジブチル錫ジラウレート0.4質量部を、混合溶媒(メチルエチルケトン:トルエン=50:50(質量比))150質量部に溶解させ、80℃で4時間反応させ、ウレタン変性カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を得た。
不揮発分としての配合量であり、このカルボキシル基含有樹脂100質量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート828)25質量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EOCN103S)10質量部、およびイミダゾール化合物(商品名:2E4MZ-CN)0.5質量部を加え、十分に撹拌してこれらの成分を溶解させた。この溶液にシクロホスファゼン化合物(商品名:SPE100)45質量部を加え難燃性樹脂組成物を得た。組成物を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に記載する。
(比較例2)
不揮発分としての配合量であり、液状ホスファゼン(伏見製薬社製、商品名FP−390、5%重量減少温度は350℃)を23.7g、感光性樹脂(共栄社製、商品名P7M50)を59.2g、感光性樹脂(日本化薬製、商品名ZCR−1601H)を19.5g、ジペンタエリスリトールのラクトン変性ヘキサアクリレート(日本化薬製DPCA60を15.8g、リン含有化合物変性アクリレート(昭和高分子社製、商品名HFA6065E、5%重量減少温度は370℃)を18.2g、メラミンを3.9g、シリカ(アドマテックス社製、商品名SOE−02)を31.6g、シリコーン系消泡剤を2.4g、顔料(C.I. Pigment Blue、Yellow)を0.9g、光重合開始剤(チバジャパン製、商品名イルガキュア907)を1.8g、光重合開始剤(チバジャパン製、商品名CGI−325)を0.1g、光重合開始剤チバジャパン製、商品名OXE02)を0.1g、エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名NC−3000Hを7.5g)を加え感光性樹脂組成物を得た。組成物を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して下記評価を実施した。結果を表3に記載する。また、リン含有難燃剤成分を除く感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度は288℃であった。
(比較例3)
不揮発分としての配合量であり、エポキシアクリレート(日本化薬社製、商品名ZCR)を30g、合成例1で得られたカルボキシル基含有樹脂を30g、ホスフィン酸塩(クラリアント社製、商品名OP 935)を25g、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート(新中村化学工業社製、商品名BPE−10)を30g、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名I−369)を3g、ヘキサメチレンジイソシアネートをベースイソシアネートとするイソシアヌレート体のメチルエチルケトンオキシムブロック体(住化バイエルウレタン(株)社製、商品名BL3175)を12g加え感光性樹脂組成物を得た。組成物を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して下記評価を実施した。結果を表3に記載する。
(比較例4)
攪拌機を設置した500mLのセパラブルフラスコに1 , 3 − ビス( 3 − アミノフェノキシ) ベンゼン(以下、APB)32.16gをジメチルホルムアミド(以下、DMF)134.7gに溶解させた溶液を入れ、APBのDMF溶液を調整した。次に上記DMF溶液に4 , 4 ’ − オキシジフタル酸二無水物34.12gをDMF20gに溶かした溶液を加えて約1時間激しく攪拌した。このようにして得たポリアミド酸のDMF溶液をそのまま使用した。このポリアミド酸の重量平均分子量は150,000であった。このポリアミド酸を100g、ジフェニル− 2 − メタクリロイルオキシエチルホスフェート(大八化学社製、商品名MR−260、5%重量減少温度は203℃)を20g、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA ジメタクリレート(日立化成株式会社製、商品名FA−321M)を38g、ビスフェノールAグリセレートジアクリレート(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)を14g、フタル酸エステルモノアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名V#2308)を14g、ビス( 2 , 4 , 6 − トリメチルベンゾイル) フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名イルガキュア819)を3g、フェノキシホスファゼン(大塚化学株式会社製、商品名SPE−100、5%重量減少温度は358℃)を20g加え感光性樹脂組成物を得た。組成物を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して下記評価を実施した。結果を表3に記載する。また、リン含有難燃剤成分を除く感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度は328℃であった。
Figure 2011247996
1 感光性樹脂組成物を積層したポリイミドフィルム
2 反り量
3 平滑な台

Claims (9)

  1. 少なくとも(A)カルボキシル基含有樹脂と、(B)感光性樹脂と、(C)熱硬化性樹脂と、(D)光重合開始剤と、(E)リン含有難燃剤を含む感光性樹脂組成物であって、上記(E)リン含有難燃剤が、少なくとも下記(E1)と(E2)との2種以上の成分を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
    (E1):上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、5%重量減少温度が基準温度以上、基準温度+100℃未満であるリン含有難燃剤、
    (E2):上記感光性樹脂組成物全体から上記(E)リン含有難燃剤成分を除いた難燃剤以外の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の5%重量減少温度を基準温度とした場合に、5%重量減少温度が基準温度+100℃以上、基準温度+200℃未満であるリン含有難燃剤。
  2. 上記感光性樹脂組成物中のリン元素含有率が、1〜7重量%であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 上記(E1)が、ホスファゼン化合物、ホスファフェナントレン化合物及び芳香族縮合リン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種のリン含有難燃剤であることを特徴とする請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 上記(E2)が、ホスフィン酸塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 上記(A)カルボキシル基含有樹脂の酸価が、40〜200mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して得られる感光性樹脂組成物溶液。
  7. 少なくとも請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物、または請求項6記載の感光性樹脂組成物溶液を基材表面に塗布した後、乾燥して得られた樹脂フィルム。
  8. 請求項7記載の樹脂フィルムを硬化させて得られる絶縁膜。
  9. 請求項8記載の絶縁膜をプリント配線板に被覆した絶縁膜付きプリント配線板。
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