JP2020104195A - ロボットシステムおよびロボット制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、ロボットにおいて、2個以上の軸のそれぞれに、アームの姿勢を保持するための電磁ブレーキが備えられる場合がある。
以下では、本願明細書において、電磁ブレーキとして、過励磁制御が行われる電磁ブレーキが用いられる場合について説明する。
このようなブレーキによって、例えば、ロボットが通電していないときやモーターが非励磁であるときに重力や振動等によってロボットが動くこと、ロボットが意図しない姿勢をとって物などに接触することを防止する。
第1実施形態について説明する。
<ロボットシステム>
図1は、実施形態に係るロボットシステム1の概略的な構成を示す図である。
ロボットシステム1は、ロボット20と、ロボット制御装置30を備える。図1の例では、ロボット制御装置30は、ロボット20の内部に内蔵されており、ロボット20の内部に位置する。
なお、他の例として、ロボットシステム1では、ロボット制御装置30は、ロボット20の外部に設置される構成であってもよい。
また、ロボットシステム1は、例えば、撮像部、当該撮像部を制御する画像処理装置、ロボット制御装置30を制御する情報処理装置、ロボット制御装置30にロボット20の動作を教示する教示装置等のうちの1以上をさらに備える構成であってもよい。
ロボット20は、アームAと、アームAを支持する基台Bを備える単腕ロボットである。単腕ロボットは、アームAのような1本のアームを備えるロボットのことである。
アームAは、エンドエフェクターEと、マニピュレーターMと、力検出部FSを備える。なお、アームAは、エンドエフェクターEを備えない構成であってもよい。また、アームAは、力検出部FSを備えない構成であってもよい。
図1の例では、エンドエフェクターEは、第1指部F1と第2指部F2との2つの指部を備える。
ここで、ロボット20のハンドは、エンドエフェクターE、または、エンドエフェクターEによって把持された物体のことである。すなわち、力検出部FSは、エンドエフェクターE、または、エンドエフェクターEによって把持された物体に作用した外力を検出する。
外力の検出情報は、ロボット制御装置30によるロボット20の力制御に用いられる。力制御は、力検出部FSから出力された出力値に基づく制御、すなわち、力検出部FSからロボット制御装置30に出力された外力の検出情報に基づく制御のことであり、例えば、インピーダンス制御等のコンプライアントモーション制御のことである。
ロボット制御装置30は、例えば、動作プログラムに基づく位置制御によって、アームAを動作させる。
また、ロボット制御装置30は、例えば、力検出部FSから外力の検出情報を取得し、取得した外力の検出情報と、動作プログラムとに基づく力制御によって、アームAを動作させる。
ロボット制御装置30のハードウェア構成について説明する。
ロボット制御装置30は、例えば、プロセッサーと、メモリーと、通信インターフェイスを備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、ロボット制御装置30は、通信インターフェイスを介してロボット20と通信を行う。
メモリーは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んでもよい。なお、メモリーは、例えば、ロボット制御装置30に内蔵されるものに代えて、USB等のデジタル入出力ポート等によってロボット制御装置30に接続された外付け型の記憶装置であってもよい。メモリーは、ロボット制御装置30が処理する各種の情報、動作プログラム等を格納する。
通信インターフェイスは、例えば、USB等のデジタル入出力ポート、あるいは、イーサネット(登録商標)のポート等を含んで構成される。
図2は、第1実施形態に係るロボット制御装置30の機能構成を示す図である。
ロボット制御装置30は、入力部111と、出力部112と、通信部113と、記憶部114と、電力供給部115と、主制御部116を備える。
主制御部116は、制動制御部131を備える。
なお、主制御部116は、制御部の例であり、他の名称で呼ばれてもよい。
一例として、入力部111は、ユーザーによって行われる操作の内容を受け付ける操作部を有し、当該操作部によって受け付けられた操作の内容を表す情報を入力する。当該操作部は、例えば、キーボード、あるいは、マウスなどであってもよい。ユーザーは、例えば、人である。
他の例として、入力部111は、外部の装置と接続し、当該外部の装置から出力される情報を入力する。
一例として、出力部112は、情報を画面によって表示することで、当該情報を出力する。他の例として、出力部112は、情報をスピーカによって音として出力する。
他の例として、出力部112は、外部の装置と接続し、当該外部の装置に情報を出力する。
記憶部114は、所定のメモリーを有する。記憶部114は、各種の情報を記憶する。
制動制御部131は、ロボット20に備えられた制動部の制御を行う。
なお、本実施形態では、制動部の制御について詳しく説明するが、主制御部116は、例えば、ロボット20に備えられた駆動部の制御を行ってもよい。
図3は、第1実施形態に係る6個の軸の駆動に関する構成を示す図である。
ロボット20は、6個の駆動部211−1〜211−6と、6個の制動制御装置212−1〜212−6と、6個のドライバー213−1〜213−6と、6個の制動部214−1〜214−6を備える。また、ロボット20は、電源線231と、通信線241を備える。
本実施形態では、6個の軸のそれぞれについて、駆動部211−i、制動制御装置212−i、ドライバー213−i、制動部214−iのそれぞれは、同じである、あるいは、定格が異なるが概略は同じである。
なお、図3の例では、電源線231について、1箇所に符号を付したが、例えば、電源線231が2以上のケーブルを用いて構成されてもよい。
本実施形態では、電力供給部115の出力端と1番目の制動制御装置212−1の入力端とが接続されている。また、1番目の制動制御装置212−1の出力端と2番目の制動制御装置212−2の入力端とが接続されている。同様に、2番目の制動制御装置212−2の先に、3番目の制動制御装置212−3、4番目の制動制御装置212−4、5番目の制動制御装置212−5が接続されている。そして、5番目の制動制御装置212−5の出力端と6番目の制動制御装置212−6の入力端とが接続されている。それぞれの制動制御装置212−1〜212−5の内部では、入力端から入力された電力信号が出力端から出力される経路を有する。デイジーチェーン接続では、例えば、バスの接続が用いられてもよい。
制動部214−1〜214−6は、6個の軸のそれぞれの駆動を制動する。本実施形態では、制動部214−1〜214−6は、それぞれ、電磁ブレーキである。
本実施形態では、制動部214−1〜214−6は、十分な電流を受けていないときには、モーターの回転部を直接または間接に押さえつける状態にあり、当該モーターの回転を停止させる。一方、制動部214−1〜214−6は、十分な電流を受けたときには、モーターの回転部を直接または間接に押さえつける状態を解除して、当該モーターの回転を保持させる。
ここで、制動部214−1〜214−6によって行われる制動の他の例として、主制御部116からの指令によりモーターの回転部が停止させられた後に、制動部214−1〜214−6によってモーターの回転部を直接または間接に押さえつける態様が用いられてもよい。
ドライバー213−1〜213−6は、6個の軸のそれぞれの制動部214−1〜214−6を駆動する。
制動制御装置212−1〜212−6は、6個の軸のそれぞれについて、ドライバー213−1〜213−6を介して、制動部214−1〜214−6により行われる制動を制御する。本実施形態では、制動制御装置212−1〜212−6は、制動部214−1〜214−6による駆動部211−1〜211−6の制動を、電力供給部115からの電流の供給により解除する。
本実施形態では、それぞれの制動制御装置212−1〜212−6は、それぞれの制動部214−1〜214−6である電磁ブレーキを解除する駆動電気回路を含む。そして、これらの駆動電気回路に電源電力を供給する配線である電源線231がデイジーチェーン接続されており、これにより、アームAの内部が省配線化されている。
また、それぞれの軸について、制動制御装置212−1とドライバー213−1〜213−6と制動部214−1〜214−6は、例えば、互いに近傍に備えられる。
また、それぞれの軸について、制動制御装置212−1とドライバー213−1〜213−6と制動部214−1〜214−6は、例えば、駆動部211−1〜211−6の近傍に備えられる。
一例として、電力供給部115から供給される電力の電圧が24[V]であり、制動制御装置212−1〜212−6で使用される電圧が5[V]であり、ドライバー213−1〜213−6で使用される電圧が24[V]である。
ロボット制御装置30の主制御部116における制動制御部131は、それぞれの軸について、制動部214−1〜214−6による制動の解除を制御する信号を、通信線241を介して、制動制御装置212−1〜212−6に送信する。
本実施形態では、制動制御部131は、それぞれの軸について、制動部214−1〜214−6による制動を解除することが必要なタイミングで、当該制動部214−1〜214−6による制動を解除する信号を、通信線241を介して、制動制御装置212−1〜212−6に送信する。これにより、制動制御部131は、制動部214−1〜214−6の制動を制動制御装置212−1〜212−6によって解除させる。
本実施形態では、ロボット制御装置30の主制御部116における制動制御部131は、それぞれの軸について、制動部214−1〜214−6による制動の解除に関して、タイミング、電流の大きさ、あるいは、電圧の大きさなどについて、任意に制御を行うことができる。
本実施形態では、6個の軸の制動制御装置212−1〜212−6によって行われる動作は同様である。このため、1個の軸の制動制御装置212−1を代表させて、まとめて説明する。
制動制御装置212−1は、通信部311と、記憶部312と、制御部313を備える。
制御部313は、制動解除制御部331と、電流供給低減制御部332を備える。
記憶部312は、各種の情報を記憶する。
制御部313は、各種の制御を行う。
本実施形態では、制動解除制御部331は、制動部214−1に所定の閾値以上の大きさの電流を流すように制御することで、制動部214−1による制動を解除する。
なお、本実施形態では、それぞれの軸について制動解除制御部331が制動部214−1〜214−6による制動を解除する指示を受け付けてから当該制動を解除するまでに要する時間が、すべての軸について同じまたは同程度であるとする。
ここで、本実施形態では、解除タイミングは、過励磁の電流が流され始めるときの開始タイミングである。
また、本実施形態では、低減タイミングは、過励磁の後に保持励磁の電流が流され始めるときの開始タイミングである。
このように、制動部214−1による制動を解除するための電流の大きさが、当該制動が解除された後に低減させられて、解除の状態が保持されることで、低消費電力化が図られる。
図5は、第1実施形態に係る6個の軸を制御する電流値を示す図である。
図5には、6個の軸を制御する電流値を格納した電流値テーブル1011を示してある。
本実施形態では、ロボット制御装置30の記憶部114に、電流値テーブル1011が記憶されている。そして、ロボット制御装置30の主制御部116における制動制御部131は、電流値テーブル1011の内容に基づいて、それぞれの軸に関する制御を行う。
本実施形態では、説明の便宜上、i番目の軸を「Ji」ともいう。
ここで、過励磁の電流値は、J1〜J6のそれぞれについて、制動部214−1〜214−6による制動が解除されていない状態から解除するときに当該制動部214−1〜214−6に初期に流される電流の値に相当する。本実施形態では、当該電流の値は、当該制動を解除するための所定の閾値以上の電流値である。
また、保持励磁の電流値は、J1〜J6のそれぞれについて、制動部214−1〜214−6による制動が解除された後に解除された状態を保持するために当該制動部214−1〜214−6に流される電流の値に相当する。本実施形態では、当該電流の値は、当該制動を解除するための当該所定の閾値以上の電流値から低減させられた所定値である。
また、本実施形態では、J4〜J6については、過励磁の電流値は0.50[A]であり、保持励磁の電流値は0.15[A]である。
図6は、第1実施形態に係る6個の軸を制御する電流値の第1パターンを示す図である。
図6には、J1〜J6のそれぞれについて、制動部214−1〜214−6に流れる電流値の時間推移の例を示してある。
図6に示される横軸は、時間[秒]を表している。また、縦軸の方向には、J1〜J6のそれぞれが並べられている。そして、J1〜J6のそれぞれについて、過励磁の電流値の電流が流されるタイミングと、保持励磁の電流値の電流が流されるタイミングが示されている。
なお、図6の例では、説明の便宜上、J1〜J6のうちで最初に過励磁の電流値の電流が流され始めるタイミングを0[秒]としている。
図7の例は、図6の例に対応している。
図7に示されるグラフにおいて、横軸は、図6に示される横軸と同様に、時間[秒]を表す。縦軸は、電流値を表す。なお、図7の例では、説明の便宜上、制動部214−1〜214−6に流れる電流を「ブレーキ電流」と呼んでいる。
図6および図7の例では、J1〜J3の電磁ブレーキとJ4〜J6の電磁ブレーキとが異なることから、J1〜J3について手先の方にある軸を優先させて制動部214−1〜214−3による制動を解除し、J4〜J6について手先の方にある軸を優先させて制動部214−4〜214−6による制動を解除する構成とした。つまり、同じ種類の電磁ブレーキについては、手先の方にある軸から早く、制動を解除する構成とした。そして、J1〜J3よりも、手先に近いJ4〜J6について、制動を解除するタイミングが異なる軸で重ならないように優先させた。
なお、図6および図7の例では、J2およびJ3については、解除タイミングを同じにしている。このように、例えば、隣り合う軸の解除タイミングが同じである部分があってもよい。
また、図6および図7の例では、J2とJ3とJ6は互いに低減タイミングが同じであり、J1とJ5は互いに低減タイミングが同じである場合を示したが、他の例として、J2とJ3とJ6のうちの1以上の低減タイミングが異なる構成が用いられてもよく、あるいは、J1とJ5とで低減タイミングが異なる構成が用いられてもよい。
また、図6および図7の例では、J1〜J3について手先の方にある軸を優先させて早く解除タイミングを配置し、また、J4〜J6について手先の方にある軸を優先させて早く解除タイミングを配置した。
図8は、第1実施形態に係る6個の軸を制御する電流値の第2パターンを示す図である。
図8には、J1〜J6のそれぞれについて、制動部214−1〜214−6に流れる電流値の時間推移の例を示してある。
図8に示される横軸は、時間[秒]を表している。また、縦軸の方向には、J1〜J6のそれぞれが並べられている。そして、J1〜J6のそれぞれについて、過励磁の電流値の電流が流されるタイミングと、保持励磁の電流値の電流が流されるタイミングが示されている。
なお、図8の例では、説明の便宜上、J1〜J6のうちで最初に過励磁の電流値の電流が流され始めるタイミングを0[秒]としている。
図9の例は、図8の例に対応している。
図9に示されるグラフにおいて、横軸は、図8に示される横軸と同様に、時間[秒]を表す。縦軸は、電流値を表す。なお、図9の例では、説明の便宜上、制動部214−1〜214−6に流れる電流を「ブレーキ電流」と呼んでいる。
図8および図9の例では、J1〜J6について手先の方にある軸を優先させて順に早く、制動部214−1〜214−6による制動を解除する構成とした。
本例では、J1〜J6のうちの2以上について、解除タイミングと低減タイミングとの間の期間である過励磁の期間が一部重なるところがある。つまり、ある軸の過励磁の期間と他の軸の過励磁の期間の一部とが重なるところがある。これにより、J1〜J6のすべての軸の全体について、制動部214−1〜214−6の制動を解除するために要する時間を短縮することができる。なお、ここでいう一部は、全部を含まない。
また、図8および図9の例では、J1〜J6について手先の方にある軸を優先させて早く解除タイミングを配置した。このように、本例では、ロボット20のアームAの先端に近い関節の制動部214−1〜214−6から順に早く、解除タイミングを配置しており、これにより、ピークの電流の大きさを抑えることができる。
図10は、第1実施形態に係る6個の軸を制御する電流値の第3パターンを示す図である。
図10には、J1〜J6のそれぞれについて、制動部214−1〜214−6に流れる電流値の時間推移の例を示してある。
図10に示される横軸は、時間[秒]を表している。また、縦軸の方向には、J1〜J6のそれぞれが並べられている。そして、J1〜J6のそれぞれについて、過励磁の電流値の電流が流されるタイミングと、保持励磁の電流値の電流が流されるタイミングが示されている。
なお、図10の例では、説明の便宜上、J1〜J6のうちで最初に過励磁の電流値の電流が流され始めるタイミングを0[秒]としている。
図11の例は、図10の例に対応している。
図11に示されるグラフにおいて、横軸は、図10に示される横軸と同様に、時間[秒]を表す。縦軸は、電流値を表す。なお、図11の例では、説明の便宜上、制動部214−1〜214−6に流れる電流を「ブレーキ電流」と呼んでいる。
本例では、J1〜J6のうちの2以上について、解除タイミングと低減タイミングとの間の期間である過励磁の期間が一部重なるところがある。つまり、ある軸の過励磁の期間と他の軸の過励磁の期間の一部とが重なるところがある。これにより、J1〜J6のすべての軸の全体について、制動部214−1〜214−6の制動を解除するために要する時間を短縮することができる。なお、ここでいう一部は、全部を含まない。
また、図10および図11の例では、J1〜J6について根本の方にある軸を優先させて早く解除タイミングを配置した。
第1パターン〜第3パターンでは、J1〜J6の6個の制動部214−1〜214−6による制動の解除が行われるときに、6個の制動部214−1〜214−6に流される電流の電流値の合計値が1.5[A]以下になるように、それぞれの軸の過励磁のタイミングが調整されている。また、第1パターン〜第3パターンでは、J1〜J6について、過励磁とする期間を0.2[秒]とした場合を示してある。
また、それぞれの軸について、過励磁の電流の値および保持励磁の電流の値としては、それぞれ、任意の値が用いられてもよい。
また、それぞれの軸について過励磁とする期間としては、任意の期間であってもよく、例えば、軸ごとに異なり得る期間であってもよい。
以上のように、本実施形態に係るロボットシステム1では、ロボット制御装置30による制御によって、ロボット20に備えられた複数の軸について制動部214−1〜214−6による制動の解除が行われるときに、過励磁のタイミングを調整することで、過励磁による電圧降下の発生を抑えることができる。これにより、例えば、駆動部211−1〜211−6のアンプにおいて電圧降下のエラーを検出する場合に、当該エラーの発生を抑えることができ、当該エラーの発生によるロボット20の停止を抑えることができる。
また、本実施形態に係るロボットシステム1では、複数の軸について制動部214−1〜214−6による制動の解除が行われるときに発生する突入電流が抑えられるため、使用される電流が電源の許容電流値を超える状況が発生することを防止することができる。
こうしたことから、本実施形態のように過励磁のタイミングを調整する構成の方が好ましいと考えられる。本実施形態に係るロボットシステム1では、比較的、制動部214−1〜214−6による制動の解除を行うための配線の数を少なくすることができる。
一構成例として、ロボット20と、ロボット20を制御する制御装置と、を備えたロボットシステム1であって、次のような構成とした。実施形態では、当該制御装置は、ロボット制御装置30である。
制御装置は、電力供給部115と、主制御部116と、を有する。
ロボット20は、第1駆動部と、第1駆動部を制動する第1制動部と、第2駆動部と、第2駆動部を制動する第2制動部と、第1制動部による第1駆動部の制動を、電力供給部115からの電流の供給により解除する第1制御部と、第2制動部による第2駆動部の制動を、電力供給部115からの電流の供給により解除する第2制御部と、を有する。
主制御部116は、第1制動部の制動を第1制御部により解除させ、第2制動部の制動を第2制御部により解除させる。
電力供給部115と第1制御部と第2制御部とを接続する電源線231はデイジーチェーン接続されている。
第1制御部が第1制動部の制動を解除する第1解除タイミングは、第2制御部が第2制動部の制動を解除する第2解除タイミングと異なる。
図6および図7の例では、第1駆動部と第1制動部と第1制御部と、第2駆動部と第2制動部と第2制御部とは、J2とJ3とJ6のうちの2個の軸ではなく、J1とJ5との2個の軸ではない、任意の2個の軸における駆動部211−1〜211−6と制動部214−1〜214−6と制動制御装置212−1〜212−6の組み合わせである。
図8および図9の例では、第1駆動部と第1制動部と第1制御部と、第2駆動部と第2制動部と第2制御部とは、任意の2個の軸における駆動部211−1〜211−6と制動部214−1〜214−6と制動制御装置212−1〜212−6の組み合わせである。
図10および図11の例では、第1駆動部と第1制動部と第1制御部と、第2駆動部と第2制動部と第2制御部とは、任意の2個の軸における駆動部211−1〜211−6と制動部214−1〜214−6と制動制御装置212−1〜212−6の組み合わせである。
第1制御部は、第1解除タイミングの後、電力供給部115からの電流の供給を低減する第1低減タイミングを制御する。第2制御部は、第2解除タイミングの後、電力供給部115からの電流の供給を低減する第2低減タイミングを制御する。第1解除タイミングと第1低減タイミングとの間の期間は、第2解除タイミングと第2低減タイミングとの間の期間の一部と重なる。
ここで、この例は、図8および図9の例、あるいは、図10および図11の例である。この場合、第1解除タイミングと第1低減タイミングとの間の期間、あるいは、第2解除タイミングと第2低減タイミングとの間の期間は、過励磁の期間である。
第2制御部は、デイジーチェーン接続において、第1制御部に接続されている。第1制御部は、デイジーチェーン接続において、電力供給部115に接続されている。また、第2解除タイミングは、第1解除タイミングよりも早い。
ここで、この例は、図6および図7の例、あるいは、図8および図9の例である。この場合、第1駆動部、第1制動部、第1制御部の例はJ1の駆動部211−1、制動部214−1、制動制御装置212−1であり、第2駆動部、第2制動部、第2制御部の例はJ2の駆動部211−2、制動部214−2、制動制御装置212−2である。
ロボット20は、第3駆動部と、第3駆動部を制動する第3制動部と、第3制動部による第3駆動部の制動を、電力供給部115からの電流の供給により解除する第3制御部と、を有する。
主制御部116は、第3制動部の制動を第3制御部により解除させる。
電源線231はデイジーチェーン接続により第3制御部と接続されている。
第1解除タイミングは、第3制御部が第3制動部の制動を解除する第3解除タイミングと同じである。
ここで、この例は、図6および図7の例である。この場合、第1駆動部と第1制動部と第1制御部と、第3駆動部と第3制動部と第3制御部とは、J2とJ3とJ6のうちの2個の軸、あるいは、J1とJ5との2個の軸における駆動部211−1〜211−3、211−5〜211−6と制動部214−1〜214−3、214−5〜214−6と制動制御装置212−1〜212−3、212−5〜212−6の組み合わせである。
制御装置は、ロボット20の内部に位置する。
第2実施形態について説明する。
図12は、第2実施形態に係る6個の軸の駆動に関する構成を示す図である。
ロボット20は、6個の軸のそれぞれについて、駆動部211−1〜211−6と、制動制御装置411−1〜411−6と、ドライバー213−1〜213−6と、電流供給低減制御部412−1〜412−6と、制動部214−1〜214−6と、電源線231と、通信線241とを備える。
さらに、図12の例では、電流供給低減制御部412−1〜412−6は、図3の例における電流供給低減制御部332が電流の大きさを1回低減させる構成と比べて、電流の大きさを周期的に複数回低減させる点で異なっている。
本実施形態では、6個の軸の制動制御装置411−1〜411−6によって行われる動作は同様である。このため、1個の軸の制動制御装置411−1を代表させて、まとめて説明する。
図13は、第2実施形態に係る制動制御装置411−1の機能構成を示す図である。
制動制御装置411−1は、通信部311と、記憶部312と、制御部431を備える。
制御部431は、制動解除制御部451を備える。
制御部431の制動解除制御部451は、図4に示される制動解除制御部331と同様な機能を有する。
つまり、制御部431は、図4に示される制御部313と比べて、図4に示される電流供給低減制御部332の機能による動作を除いた機能部と同様な動作を行う。
また、J2〜J6についても、J1と同様である。
図12の例では、ロボット制御装置30の主制御部116が、このような調整が行われるように制御を行う。
ここで、図12の例では、それぞれの軸において、制動制御装置411−1〜411−6、ドライバー213−1〜213−6、電流供給低減制御部412−1〜412−6、制動部214−1〜214−6の順に、制御が行われていく場合を示した。
以上のように、本実施形態に係るロボットシステム1では、電流供給低減制御部412−1〜412−6と制動制御装置411−1〜411−6とが別体で備えられており、ロボット制御装置30において、第1実施形態と同様に、制動部214−1〜214−6の制御のタイミングを調整する。
本実施形態では、例えば、電流供給低減制御部412−1〜412−6として、既存の装置を利用することが可能である。
本実施形態に係るロボットシステム1においても、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
一構成例として、ロボットシステム1において、次のような構成とした。
第1制御部、第2制御部、あるいは、第3制御部は、制動制御装置411−1〜411−6のうちで該当する軸のものと、電流供給低減制御部412−1〜412−6のうちで該当する軸のものとの組み合わせで構成される。
第3実施形態について説明する。
図14は、第3実施形態に係るロボット制御装置511の機能構成を示す図である。
ロボット制御装置511は、入力部111と、出力部112と、通信部113と、記憶部114と、電力供給部115と、主制御部531と、を備える。
主制御部531は、制動制御部551と、機種決定部552を備える。
制動制御部551は、ロボット20に備えられた制動部214−1〜214−6の制御を行う。本実施形態では、制動制御部551は、ロボット20の複数の機種のそれぞれごとに、該当する機種に適したタイミングで制動部214−1〜214−6による制動を解除する態様で、制動部214−1〜214−6の制御を行う。
機種決定部552は、ロボット制御装置511によって制御する対象となるロボット20の機種を決定する。制動制御部551は、機種決定部552によって決定された機種を採用する。
本実施形態では、機種情報テーブル1111は、記憶部114に記憶されている。
機種情報テーブル1111は、属性を特定する情報と、機種を特定する情報と、制御態様を特定する情報と、を対応付けて格納する。
機種は、ロボット20の機種を表す。本実施形態では、ロボット20の機種ごとに、制動制御部551によって制御する対象となる制動部の数および適した制御の態様が一意に決まるとする。なお、属性として機種そのものが用いられる場合には、例えば、属性と機種とは共通化されてもよい。
制御態様は、ロボット20の制動部の制御に関して、機種ごとに適した制御の態様を表す。制御態様としては、例えば、制動部による制動を解除するタイミングを含み、また、制動部に流す電流の値などを含んでもよい。
他の例として、機種決定部552は、ユーザーによって行われる操作の内容を表す情報を入力部111によって入力し、入力された情報によってロボット20の属性を特定する。そして、機種決定部552は、機種情報テーブル1111に基づいて、特定された属性に対応する機種を決定する。この場合、ユーザーは、ロボット20の属性を特定する情報を当該操作によって入力する。
このように、機種決定部552は、ロボット20の機種を、自動的に決定してもよく、あるいは、ユーザーによって行われる操作に応じて決定してもよい。
なお、本実施形態では、機種決定部552によって決定される複数の機種のうちの1以上の機種では、過励磁および保持励磁の制御を必要とする複数の制動部を備えるとする。
本実施形態に係るロボットシステム1では、ロボット制御装置30において、接続することが可能なロボット20の複数の機種のそれぞれごとに合わせて、制動部214−1〜214−6の制御態様を、適した制御態様に切り替えることができる。これにより、ロボット制御装置30では、例えば、それぞれのロボット20の機種ごとに最適な制御態様で、電源線231に流れる電流のピークを抑えることができる。このようなロボット制御装置30は、多様なロボット20に対応することが可能であり、使い勝手が向上する。
第4実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と比べて、制動部214−1〜214−6による制動の制御を行うタイミングの情報を、ロボット制御装置30が事前に制動制御装置212−1〜212−6に送信するという構成および動作に関して異なっており、他の構成および動作については同様である。
本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態で使用されるものと同じ符号を付して説明し、第1実施形態と同様な部分について詳しい説明を省略する。
本実施形態では、制動制御装置212−1の記憶部312に、所定のタイミング情報611が記憶される。
タイミング情報611は、制動制御装置212−1がロボット制御装置30から制動部214−1による制動を解除させる指示の信号を受信してから、受信された信号にしたがった処理を実行するまでのタイミングを特定する情報である。
つまり、制動制御装置212−1は、ロボット制御装置30から制動部214−1による制動を解除させる指示の信号を受信してから、タイミング情報611によって特定されるタイミングで、受信された信号にしたがった処理を実行する。
なお、タイミング情報611が制動制御装置212−1の記憶部312に記憶されるタイミングとしては、様々なタイミングが用いられてもよく、例えば、ロボット制御装置30の電源が投入されたときであってもよい。
以上のように、本実施形態に係るロボットシステム1では、制動制御装置411−1〜411−6において、制動部214−1〜214−6の制御のタイミングを調整することが可能である。
本実施形態では、例えば、ロボット制御装置30によって行われる制動部214−1〜214−6の制御のタイミングを調整する負担を低減することが可能である。
本実施形態に係るロボットシステム1においても、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
以上の実施形態において、ロボット20としては、様々な態様のロボットが用いられてもよく、例えば、壁に吊られるタイプ、天井に吊られるタイプ、あるいは、床などに据え置かれるタイプ、などが用いられてもよい。
以上の実施形態において、ロボット20としては、必ずしも垂直多関節型のロボットでなくてもよく、例えば、スカラロボットなどであってもよい。また、ロボット20としては、例えば、産業用のロボットであってもよく、あるいは、他のロボットであってもよい。
以上の実施形態において、ロボット20とロボット制御装置30とは、必ずしも一体でなくてもよく、これらが別体の構成が用いられてもよい。
以上の実施形態において、配線のトポロジーとしては、様々なトポロジーが用いられてもよい。
なお、揮発性メモリーは、例えば、RAMである。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。
Claims (9)
- ロボットと、前記ロボットを制御する制御装置と、を備えたロボットシステムであって、
前記制御装置は、
電力供給部と、
主制御部と、を有し、
前記ロボットは、
第1駆動部と、
前記第1駆動部を制動する第1制動部と、
第2駆動部と、
前記第2駆動部を制動する第2制動部と、
前記第1制動部による前記第1駆動部の制動を、前記電力供給部からの電流の供給により解除する第1制御部と、
前記第2制動部による前記第2駆動部の制動を、前記電力供給部からの電流の供給により解除する第2制御部と、を有し、
前記主制御部は、前記第1制動部の制動を前記第1制御部により解除させ、前記第2制動部の制動を前記第2制御部により解除させ、
前記電力供給部と前記第1制御部と前記第2制御部とを接続する電源線はデイジーチェーン接続されており、
前記第1制御部が前記第1制動部の制動を解除する第1解除タイミングは、前記第2制御部が前記第2制動部の制動を解除する第2解除タイミングと異なる、
ロボットシステム。 - 前記第1制御部は、前記第1解除タイミングの後、前記電力供給部からの電流の供給を低減する第1低減タイミングを制御し、
前記第2制御部は、前記第2解除タイミングの後、前記電力供給部からの電流の供給を低減する第2低減タイミングを制御し、
前記第1解除タイミングと前記第1低減タイミングとの間の期間は、前記第2解除タイミングと前記第2低減タイミングとの間の期間の一部と重なる、
請求項1に記載のロボットシステム。 - 前記第2制御部は、前記デイジーチェーン接続において、前記第1制御部に接続されており、
前記第1制御部は、前記デイジーチェーン接続において、前記電力供給部に接続されており、
前記第2解除タイミングは、前記第1解除タイミングよりも早い、
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のロボットシステム。 - 前記ロボットは、
第3駆動部と、
前記第3駆動部を制動する第3制動部と、
前記第3制動部による前記第3駆動部の制動を、前記電力供給部からの電流の供給により解除する第3制御部と、を有し、
前記主制御部は、前記第3制動部の制動を前記第3制御部により解除させ、
前記電源線は前記デイジーチェーン接続により前記第3制御部と接続されており、
前記第1解除タイミングは、前記第3制御部が前記第3制動部の制動を解除する第3解除タイミングと同じである、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロボットシステム。 - 前記制御装置は、前記ロボットの内部に位置する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のロボットシステム。 - ロボットと、前記ロボットを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、電力供給部と、主制御部と、を有し、前記ロボットは、第1駆動部と、前記第1駆動部を制動する第1制動部と、第2駆動部と、前記第2駆動部を制動する第2制動部と、前記第1制動部による前記第1駆動部の制動を、前記電力供給部からの電流の供給により解除する第1制御部と、前記第2制動部による前記第2駆動部の制動を、前記電力供給部からの電流の供給により解除する第2制御部と、を有するロボットシステムにおけるロボット制御方法であって、
前記主制御部は、前記第1制動部の制動を前記第1制御部により解除させ、前記第2制動部の制動を前記第2制御部により解除させ、
前記電力供給部と前記第1制御部と前記第2制御部とを接続する電源線はデイジーチェーン接続されており、
前記第1制御部が前記第1制動部の制動を解除する第1解除タイミングは、前記第2制御部が前記第2制動部の制動を解除する第2解除タイミングと異なる、
ロボット制御方法。 - 前記第1制御部は、前記第1解除タイミングの後、前記電力供給部からの電流の供給を低減する第1低減タイミングを制御し、
前記第2制御部は、前記第2解除タイミングの後、前記電力供給部からの電流の供給を低減する第2低減タイミングを制御し、
前記第1解除タイミングと前記第1低減タイミングとの間の期間は、前記第2解除タイミングと前記第2低減タイミングとの間の期間の一部と重なる、
請求項6に記載のロボット制御方法。 - 前記第2制御部は、前記デイジーチェーン接続において、前記第1制御部に接続されており、
前記第1制御部は、前記デイジーチェーン接続において、前記電力供給部に接続されており、
前記第2解除タイミングは、前記第1解除タイミングよりも早い、
請求項6または請求項7のいずれか1項に記載のロボット制御方法。 - 前記ロボットは、第3駆動部と、前記第3駆動部を制動する第3制動部と、前記第3制動部による前記第3駆動部の制動を、前記電力供給部からの電流の供給により解除する第3制御部と、を有し、
前記主制御部は、前記第3制動部の制動を前記第3制御部により解除させ、
前記電源線は前記デイジーチェーン接続により前記第3制御部と接続されており、
前記第1解除タイミングは、前記第3制御部が前記第3制動部の制動を解除する第3解除タイミングと同じである、
請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のロボット制御方法。
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