JP2020104039A - 塩素含有灰の脱塩素処理方法およびセメント原料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩素含有灰からの重金属の溶出量を大幅に低減し、かつ塩素を高効率で除去することができる塩素含有灰の脱塩素処理方法およびセメント原料の製造方法を提供する。【解決手段】塩素含有灰を、硫酸塩と、前記硫酸塩を還元する還元剤の存在下、非酸化性雰囲気中で加熱する加熱工程と、前記加熱工程で生成した加熱処理物を、水で洗浄して、塩素を除去する工程と、を含む塩素含有灰の脱塩素処理方法。【選択図】図1
Description
本発明は、塩素含有灰の脱塩素処理方法およびセメント原料の製造方法に関するものである。
一般廃棄物や産業廃棄物の焼却処理によって発生した焼却灰やセメント工場から発生する塩素バイパスダストは、カルシウムやケイ素を多く含むことからセメント原料として利用することが検討されている。しかしながら、焼却灰や塩素バイパスダストは、塩素を概ね10質量%〜25質量%と多量に含有する。セメント製造プロセスへの塩素のインプット量が多いと、キルンの安定操業やセメントの品質に悪影響を及ぼすため、上記焼却灰や塩素バイパスダストなどの塩素含有灰を、セメント原料等として再利用するためには、予め塩素含有灰中の塩素を除去する必要がある。
塩素含有灰中の塩素を除去する方法としては、塩素含有灰を水で洗浄する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、塩素含有灰を水洗すると、塩素含有灰に含まれている重金属が水に溶出して、重金属を高濃度で含む排水が発生するおそれがある。このため、塩素含有灰を水洗する場合には、洗浄後の水(排水)に含まれる重金属の濃度が排水規制値を超えないように適切に処理する必要がある。
塩素含有灰を水洗した際に発生する排水中の重金属を除去する方法として、特許文献2には、水洗によって廃棄物中の塩素及び重金属が溶出したろ液に対して、pH調整のために薬剤を添加するかまたは炭酸ガスを含有するガスを吹き込み、さらにキレート剤添加及び/またはキレート樹脂吸着及び/または活性炭吸着を併用することにより、重金属および有害成分を沈殿させ、これを濾過して沈殿物を除去する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示されている重金属の除去方法は、ろ液のpHを調整する工程、重金属および有害成分を沈殿させる工程、沈殿物を除去する工程が必要で、作業が煩雑である。また、除去した沈殿物は廃棄物として処理することが必要となる。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、塩素含有灰からの重金属の溶出量を大幅に低減し、かつ塩素を高効率で除去することができる塩素含有灰の脱塩素処理方法およびセメント原料の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の塩素含有灰の脱塩素処理方法は、塩素含有灰を、硫酸塩と、前記硫酸塩を還元する還元剤の存在下、非酸化性雰囲気中で加熱する加熱工程と、前記加熱工程で生成した加熱処理物を、水で洗浄して、塩素を除去する水洗工程と、を含む。
本発明の塩素含有灰の脱塩素処理方法では、加熱工程において、塩素含有灰を、硫酸塩と、硫酸塩を還元する還元剤の存在下、非酸化性雰囲気中で加熱するので、塩素含有灰に含まれている重金属が、難溶性の硫化物に変化して加熱処理物中に固定される。このため、水洗工程において、加熱処理物を水で洗浄して、塩素を除去する際に、重金属が硫化物として固形分中に残留するので、重金属の溶出量を大幅に低減することができる。
ここで、本発明の塩素含有灰の脱塩素処理方法においては、前記塩素含有灰が、焼却灰または塩素バイパスダストであることが好ましい。
この場合、塩素含有灰はセメント原料として有用なカルシウムやケイ素を多く含むので、水洗後の処理物をセメント原料としてより好適に利用することができる。
この場合、塩素含有灰はセメント原料として有用なカルシウムやケイ素を多く含むので、水洗後の処理物をセメント原料としてより好適に利用することができる。
また、本発明の塩素含有灰の脱塩素処理方法においては、前記硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
この場合、硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるので、加熱工程において、重金属を硫化物としてより確実に固定させることができる。よって、水洗工程において、重金属の溶出量をより確実に低減することができる。
この場合、硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるので、加熱工程において、重金属を硫化物としてより確実に固定させることができる。よって、水洗工程において、重金属の溶出量をより確実に低減することができる。
また、本発明の塩素含有灰の脱塩素処理方法においては、前記還元剤が、有機物、炭素質材料、一酸化炭素ガス、メタンガスおよび前記有機物の加熱分解ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質であることが好ましい。
この場合、還元剤が、有機物、炭素質材料、一酸化炭素ガス、メタンガスおよび前記有機物の加熱分解ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質であるので、加熱工程において、前記硫酸塩を還元し、これにより重金属を硫化物としてさらに確実に固定させることができる。よって、水洗工程において、重金属の溶出量をさらに確実に低減することができる。
この場合、還元剤が、有機物、炭素質材料、一酸化炭素ガス、メタンガスおよび前記有機物の加熱分解ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質であるので、加熱工程において、前記硫酸塩を還元し、これにより重金属を硫化物としてさらに確実に固定させることができる。よって、水洗工程において、重金属の溶出量をさらに確実に低減することができる。
本発明のセメント原料の製造方法は、塩素含有灰を、硫酸塩と、前記硫酸塩を還元する還元剤の存在下、非酸化性雰囲気中で加熱する加熱工程と、前記加熱工程で生成した加熱処理物を、水で洗浄して、塩素を除去する工程と、を含む。
本発明のセメント原料の製造方法によれば、加熱工程において、塩素含有灰を、硫酸塩と、硫酸塩を還元する還元剤の存在下、非酸化性雰囲気中で加熱するので、塩素含有灰に含まれている重金属が、難溶性の硫化物に変化して加熱処理物中に固定される。このため、水洗工程において、加熱処理物を水で洗浄して、塩素を除去する際に、重金属が硫化物として固形分中に残留するので、重金属の溶出量を大幅に低減することができる。
ここで、本発明のセメント原料の製造方法においては、前記塩素含有灰が、焼却灰または塩素バイパスダストであることが好ましい。
この場合、塩素含有灰はカルシウムやケイ素を多く含むので、得られるセメント原料は、セメントの製造材料としてより好適に利用することができる。
この場合、塩素含有灰はカルシウムやケイ素を多く含むので、得られるセメント原料は、セメントの製造材料としてより好適に利用することができる。
また、本発明のセメント原料の製造方法においては、前記硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
この場合、硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるので、加熱工程において、重金属を硫化物としてより確実に固定させることができる。よって、水洗工程において、重金属の溶出量をより確実に低減することができる。
この場合、硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるので、加熱工程において、重金属を硫化物としてより確実に固定させることができる。よって、水洗工程において、重金属の溶出量をより確実に低減することができる。
また、本発明のセメント原料の製造方法においては、前記還元剤が、有機物、炭素質材料、一酸化炭素ガス、メタンガスおよび前記有機物の加熱分解ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質であることが好ましい。
この場合、還元剤が、有機物、炭素質材料、一酸化炭素ガス、メタンガスおよび前記有機物の加熱分解ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質であるので、加熱工程において、前記硫酸塩を還元し、これにより重金属を硫化物としてさらに確実に固定させることができる。よって、水洗工程において、重金属の溶出量をさらに確実に低減することができる。
この場合、還元剤が、有機物、炭素質材料、一酸化炭素ガス、メタンガスおよび前記有機物の加熱分解ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質であるので、加熱工程において、前記硫酸塩を還元し、これにより重金属を硫化物としてさらに確実に固定させることができる。よって、水洗工程において、重金属の溶出量をさらに確実に低減することができる。
本発明によれば、塩素含有灰からの重金属の溶出量を大幅に低減し、かつ塩素を高効率で除去することができる塩素含有灰の脱塩素処理方法およびセメント原料の製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態である塩素含有灰の脱塩素処理方法およびセメント原料の製造方法について、添付した図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る塩素含有灰の脱塩素処理方法を示すフロー図である。
図1に示すように、本実施形態に係る塩素含有灰の脱塩素処理方法は、混合工程S01と、加熱工程S02と、水洗工程S03とを有する。
図1に示すように、本実施形態に係る塩素含有灰の脱塩素処理方法は、混合工程S01と、加熱工程S02と、水洗工程S03とを有する。
(混合工程S01)
混合工程S01では、塩素含有灰と、硫酸塩と、この硫酸塩を還元する還元剤とを混合して、混合物を得る。混合は乾式で行うことが好ましい。混合装置としては、タンブラーミキサー、ドラムミキサーまたはリボンミキサーなどの一般的な粉末の混合に利用される混合装置を用いることができる。
混合工程S01では、塩素含有灰と、硫酸塩と、この硫酸塩を還元する還元剤とを混合して、混合物を得る。混合は乾式で行うことが好ましい。混合装置としては、タンブラーミキサー、ドラムミキサーまたはリボンミキサーなどの一般的な粉末の混合に利用される混合装置を用いることができる。
塩素含有灰は、焼却灰または塩素バイパスダストであることが好ましい。焼却灰は、一般廃棄物や産業廃棄物を焼却する際に生成する灰であり、飛灰やばいじんを含む。飛灰は、一般廃棄物の焼却処理で発生する塩化水素を含む酸性ガスを、カルシウム化合物(特に、水酸化カルシウム、酸化カルシウム)で中和処理することで生成する微細な粒子である。ばいじんは、産業廃棄物の焼却処理で発生する塩化水素を含む酸性ガスを、カルシウム化合物で中和処理することで生成する微細な粒子である。塩素バイパスダストは、セメント工場でセメントキルンの抽気ガスを冷却したときに発生するダストである。
塩素含有灰は、平均粒子径が150μm以下であることが好ましく、平均粒子径が100μm以下であることがより好ましい。塩素含有灰の平均粒子径が150μm以下であると後述の水洗工程S03において、水洗による塩素の除去効率が高くなる。
硫酸塩は、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。アルカリ金属の硫酸塩の例としては、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属の硫酸塩の例としては、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムが挙げられる。これら硫酸塩は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
還元剤としては、有機物および炭素質材料を用いることができる。有機物および炭素質材料は、後述の加熱工程S02において、非酸化性雰囲気中で加熱することによって一酸化炭素ガス、メタンガスなど還元性ガスを生成するものであることが好ましい。有機物の例としては、木材、プラスチック、ゴム、汚泥およびこれらを含む廃棄物が挙げられる。炭素質材料の例としては、活性炭、カーボンブラック、コークスが挙げられる。
混合工程S01で得られる混合物は、塩素含有灰100質量部に対して、硫酸塩をSO3量に換算して、0.1質量部以上30質量部以下の範囲内で含むことが好ましく、1質量部以上15質量部以下の範囲内で含むことが特に好ましい。また、混合物は、塩素含有灰100質量部に対して、還元剤を1質量部以上500質量部以下の範囲内で含むことが好ましく、20質量部以上200質量部以下の範囲内で含むことが特に好ましい。塩素含有灰と硫酸塩と還元剤の混合割合がこの範囲内にあることによって、後述の加熱工程S02によって、重金属を硫化物としてより確実に固定することができ、後述の水洗工程S03において、重金属の溶出量をより確実に低減することができる。
(加熱工程S02)
加熱工程S02では、混合工程S01で得られた混合物を、非酸化性雰囲気中で加熱する。加熱工程S02により、塩素含有灰中の重金属が硫化物として固定される。例えば、鉛の場合は下記の式(1)で示す反応により、硫化鉛が生成する。
PbO+CaSO4+2C→PbS+CaCO3+CO2(C:還元剤)・・・(1)
加熱工程S02では、混合工程S01で得られた混合物を、非酸化性雰囲気中で加熱する。加熱工程S02により、塩素含有灰中の重金属が硫化物として固定される。例えば、鉛の場合は下記の式(1)で示す反応により、硫化鉛が生成する。
PbO+CaSO4+2C→PbS+CaCO3+CO2(C:還元剤)・・・(1)
非酸化性雰囲気は、還元剤が酸化(燃焼)しない雰囲気である。非酸化性雰囲気は、酸素濃度が1体積%未満に調整された雰囲気であることが好ましい。具体的には、窒素、加熱水蒸気、二酸化炭素およびアルゴンなどの非酸化性ガスの雰囲気が挙げられる。
加熱装置としては、電気炉、マッフル炉などのバッチ式の加熱装置、ロータリーキルン、流動床炉などの連続式の加熱装置を用いることができる。加熱温度は、200℃以上1000℃以下の範囲内にあることが好ましく、400℃以上800℃以下の範囲内にあることが特に好ましい。加熱温度が上記の範囲内にあると、上記式(1)の反応が起こりやすく重金属を硫化物として固定することができ、また塩素含有灰の塊状化が起こりにくいので、後述の水洗工程S03において、塩素の除去効率が高くなる。
加熱時間は、混合物の組成や加熱温度などの要因によって変動するが、一般に15分以上120分以下の範囲内、好ましくは20分以上60分以下の範囲内である。
加熱時間は、混合物の組成や加熱温度などの要因によって変動するが、一般に15分以上120分以下の範囲内、好ましくは20分以上60分以下の範囲内である。
(水洗工程S03)
水洗工程S03では、加熱工程S02で生成した加熱処理物を、水で洗浄して、塩素を除去する。加熱処理物に含まれている重金属の硫化物は、水に対する溶解度が極めて低く、難溶解性である。このため、加熱処理物中の重金属は、洗浄水にはほとんど溶出せずに、加熱処理物中に残留する。これにより、加熱処理物を洗浄した後の排水に含まれる重金属の量が大幅に低減し、排水の処理が極めて容易になる。
水洗工程S03では、加熱工程S02で生成した加熱処理物を、水で洗浄して、塩素を除去する。加熱処理物に含まれている重金属の硫化物は、水に対する溶解度が極めて低く、難溶解性である。このため、加熱処理物中の重金属は、洗浄水にはほとんど溶出せずに、加熱処理物中に残留する。これにより、加熱処理物を洗浄した後の排水に含まれる重金属の量が大幅に低減し、排水の処理が極めて容易になる。
加熱処理物は、加熱装置から取り出した直後に水洗してもよいし、室温まで放冷した後に水洗してもよい。加熱処理物を水洗する方法としては、加熱処理物を水に懸濁させて撹拌洗浄する方法、加熱処理物に水をシャワーリングする方法などを用いることができる。
水洗後の処理物は、カルシウムおよびケイ素を多量に含み、塩素が除去されている。このため、洗浄後の処理物は、セメント原料として利用できる。すなわち、本実施形態の塩素含有灰の脱塩素処理方法は、セメント原料の製造方法でもある。
水洗後の処理物をセメント原料として用いる場合は、処理物を脱水することが好ましい。処理物は、加圧ろ過装置、減圧ろ過装置、遠心分離装置および振動脱水装置などを用いて脱水することができる。
以上のような構成とされた本実施形態に係る塩素含有灰の脱塩素処理方法およびセメント原料の製造方法によれば、加熱工程S02おいて、塩素含有灰を、硫酸塩と、硫酸塩を還元する還元剤の存在下、非酸化性雰囲気中で加熱するので、塩素含有灰に含まれている重金属が、硫化物として加熱処理物中に固定される。このため、水洗工程S03において、加熱処理物を水で洗浄して、塩素を除去する際に、重金属が硫化物として固形分中に残留するので、重金属の溶出量を低減することができる。
また、本実施形態の塩素含有灰の脱塩素処理方法およびセメント原料の製造方法において、塩素含有灰が、焼却灰または塩素バイパスダストである場合は、セメント原料として有用なカルシウムやケイ素を多く含むので、水洗後の処理物をセメント原料としてより好適に利用することができる。
また、本実施形態の塩素含有灰の脱塩素処理方法およびセメント原料の製造方法において、硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である場合は、加熱工程S02において、重金属を硫化物としてより確実に固定させることができる。よって、水洗工程S03において、重金属の溶出量をより確実に低減することができる。
また、本実施形態のセメント原料の製造方法において、還元剤が、有機物、炭素質材料、一酸化炭素ガス、メタンガスおよび前記有機物の加熱分解ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質である場合は、加熱工程S02において、前記硫酸塩を還元し、これにより重金属を硫化物としてさらに確実に固定させることができる。よって、水洗工程S03において、重金属の溶出量をさらに確実に低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、混合工程S01において、塩素含有灰と硫酸塩と還元剤とを混合しているが、塩素含有灰が硫酸塩を含む場合は、硫酸塩を使用しなくてもよい。この場合、塩素含有灰は、SO3の含有量が3質量%以上20質量%以下の範囲内にあることが好ましい。
例えば、本実施形態では、混合工程S01において、塩素含有灰と硫酸塩と還元剤とを混合しているが、塩素含有灰が硫酸塩を含む場合は、硫酸塩を使用しなくてもよい。この場合、塩素含有灰は、SO3の含有量が3質量%以上20質量%以下の範囲内にあることが好ましい。
また、本実施形態では、混合工程S01において還元剤を混合しているが、還元剤を混合する代わりに、加熱工程S02において、一酸化炭素ガス、メタンガス、有機物の加熱分解ガスなどの還元性ガスを加熱装置に供給するようにしてもよい。
またさらに、混合工程S01を実施せずに、加熱処理装置内に塩素含有灰と硫酸塩と還元剤とをそれぞれ直接投入してもよい。但し、この場合は、加熱処理装置内の混合物が、所定の量比となるように、塩素含有灰と硫酸塩と還元剤の投入速度を調整することが好ましい。投入方法は、加熱炉の形式に合わせて連続式、間欠式、回分式のいずれでもよい。
またさらに、混合工程S01を実施せずに、加熱処理装置内に塩素含有灰と硫酸塩と還元剤とをそれぞれ直接投入してもよい。但し、この場合は、加熱処理装置内の混合物が、所定の量比となるように、塩素含有灰と硫酸塩と還元剤の投入速度を調整することが好ましい。投入方法は、加熱炉の形式に合わせて連続式、間欠式、回分式のいずれでもよい。
以下、本発明の作用効果を実施例により説明する。
本実施例において、塩素含有灰として、飛灰A、飛灰B、塩素バイパスダストA、塩素バイパスダストBの4種を用意した。各塩素含有灰の化学組成を下記の表1に示す。表1に示すように、各塩素含有灰は硫酸塩(SO3)を含む。なお、各塩素含有灰の化学組成は、蛍光X線分析装置により測定した。なお、塩素含有灰は、目開き100μmのふるいを用いて分級した粒径100μm未満のものを使用した。また、還元剤として、RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel、粒径:1〜30mm)を用意した。
本実施例において、塩素含有灰として、飛灰A、飛灰B、塩素バイパスダストA、塩素バイパスダストBの4種を用意した。各塩素含有灰の化学組成を下記の表1に示す。表1に示すように、各塩素含有灰は硫酸塩(SO3)を含む。なお、各塩素含有灰の化学組成は、蛍光X線分析装置により測定した。なお、塩素含有灰は、目開き100μmのふるいを用いて分級した粒径100μm未満のものを使用した。また、還元剤として、RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel、粒径:1〜30mm)を用意した。
[本発明例1]
飛灰Aを7g、RPFを7gそれぞれ秤量した。秤量した飛灰AとRPFとを混合し、得られた混合物をアルミナ坩堝に充填した。次いで、この混合物を充填したアルミナ坩堝を、炉内に窒素(非酸化性ガス)が供給され、炉内温度が700℃に保持された電気炉に投入し、30分間加熱した後、室温まで放冷した。
飛灰Aを7g、RPFを7gそれぞれ秤量した。秤量した飛灰AとRPFとを混合し、得られた混合物をアルミナ坩堝に充填した。次いで、この混合物を充填したアルミナ坩堝を、炉内に窒素(非酸化性ガス)が供給され、炉内温度が700℃に保持された電気炉に投入し、30分間加熱した後、室温まで放冷した。
得られた加熱処理物を水洗した。水洗は、加熱処理物5gと水50mLとを混合し、得られたスラリーを、振とう機を用いて15分間振とうした後、スラリーを減圧ろ過することにより行った。減圧ろ過により回収されたろ液の重金属(鉛、亜鉛)の濃度を、JIS K 0102:2016(工場排水試験方法)に準拠して、ICP−AESを用いて測定した。
また減圧ろ過により回収された固形分は、105℃で加熱し、乾燥した。次いで、得られた洗浄乾燥物を酸で溶解し、得られた溶液の塩素濃度を電量滴定装置で測定して、この塩素濃度を洗浄乾燥物中の塩素含有量に換算した。その結果を、下記の表2に示す。
また減圧ろ過により回収された固形分は、105℃で加熱し、乾燥した。次いで、得られた洗浄乾燥物を酸で溶解し、得られた溶液の塩素濃度を電量滴定装置で測定して、この塩素濃度を洗浄乾燥物中の塩素含有量に換算した。その結果を、下記の表2に示す。
[本発明例2〜4]
塩素含有灰として下記の表2に示すものを用いたこと以外は、本発明例1と同様にして加熱処理物を得た。得られた加熱処理物について、本発明例1と同様に水洗し、減圧ろ過して、ろ液の重金属濃度と、固形分を乾燥した洗浄乾燥物の塩素含有量とを測定した。その結果を、下記の表2に示す。
塩素含有灰として下記の表2に示すものを用いたこと以外は、本発明例1と同様にして加熱処理物を得た。得られた加熱処理物について、本発明例1と同様に水洗し、減圧ろ過して、ろ液の重金属濃度と、固形分を乾燥した洗浄乾燥物の塩素含有量とを測定した。その結果を、下記の表2に示す。
[本発明例5]
塩素含有灰として塩素バイパスダストBを用い、RPF(還元剤)の混合量を14g(塩素含有灰:還元剤(質量比)=1:2)としたこと以外は、本発明例1と同様にして加熱処理物を得た。得られた加熱処理物について、本発明例1と同様に水洗し、減圧ろ過して、ろ液の重金属濃度と、固形分を乾燥した洗浄乾燥物の塩素含有量とを測定した。その結果を、下記の表2に示す。
塩素含有灰として塩素バイパスダストBを用い、RPF(還元剤)の混合量を14g(塩素含有灰:還元剤(質量比)=1:2)としたこと以外は、本発明例1と同様にして加熱処理物を得た。得られた加熱処理物について、本発明例1と同様に水洗し、減圧ろ過して、ろ液の重金属濃度と、固形分を乾燥した洗浄乾燥物の塩素含有量とを測定した。その結果を、下記の表2に示す。
[比較例1]
飛灰Aを5g秤量した。秤量した飛灰Aと水50mLとを混合し、得られたスラリーを、振とう機を用いて15分間振とうした後、スラリーを減圧ろ過して、ろ液と固形分をそれぞれ回収した。次いで、本発明例1と同様に、ろ液の重金属濃度と、固形分を乾燥した洗浄乾燥物の塩素含有量とを測定した。その結果を、下記の表2に示す。
飛灰Aを5g秤量した。秤量した飛灰Aと水50mLとを混合し、得られたスラリーを、振とう機を用いて15分間振とうした後、スラリーを減圧ろ過して、ろ液と固形分をそれぞれ回収した。次いで、本発明例1と同様に、ろ液の重金属濃度と、固形分を乾燥した洗浄乾燥物の塩素含有量とを測定した。その結果を、下記の表2に示す。
[比較例2〜4]
塩素含有灰として下記の表2に示すものを用いたこと以外は、比較例1と同様にして塩素含有灰を水洗し、減圧ろ過して、ろ液と固形分をそれぞれ回収した。次いで、本発明例1と同様に、ろ液の重金属濃度と、固形分を乾燥した洗浄乾燥物の塩素含有量とを測定した。その結果を、下記の表2に示す。
塩素含有灰として下記の表2に示すものを用いたこと以外は、比較例1と同様にして塩素含有灰を水洗し、減圧ろ過して、ろ液と固形分をそれぞれ回収した。次いで、本発明例1と同様に、ろ液の重金属濃度と、固形分を乾燥した洗浄乾燥物の塩素含有量とを測定した。その結果を、下記の表2に示す。
硫酸塩を含む塩素含有灰を、還元剤の存在下、非酸化性雰囲気中で加熱して得た加熱処理物を水洗した本発明例1〜5と、硫酸塩を含む塩素含有灰を直接水洗した比較例1〜4とを比較すると、洗浄乾燥物中の塩素濃度はほぼ同等であった。この結果から、塩素含有灰を非酸化性雰囲気中で加熱しても、水洗によって塩素を高い効率で除去することができることが確認された。一方、ろ液中の重金属(鉛と亜鉛)の濃度は、本発明例1〜5の方が、比較例1〜4よりも明らかに低くなった。この理由を確認するために、本発明例1で用いた飛灰Aと、その飛灰Aを含む混合物の加熱処理物と、その加熱処理物を水洗した後の洗浄乾燥物とについて、X線回折パターンを測定した。その結果を、図2に示す。なお、X線回折パターンの測定条件は、下記のとおりである。
(X線回折パターンの測定条件)
X線回折パターンは試料水平型X線回折装置(使用機器:Ultima IV、Rigaku社製)により測定した。測定条件は、ターゲット:CuKα、加速電圧:40kV、加速電流:40mA、測定範囲:2〜70°、サンプリング幅:0.020°、スキャンスピード:2.0°/min。
X線回折パターンは試料水平型X線回折装置(使用機器:Ultima IV、Rigaku社製)により測定した。測定条件は、ターゲット:CuKα、加速電圧:40kV、加速電流:40mA、測定範囲:2〜70°、サンプリング幅:0.020°、スキャンスピード:2.0°/min。
図2において、(A)が飛灰A、(B)が加熱処理物、そして(C)が洗浄乾燥物のX線回折パターンである。図2の(A)と(B)を比較すると、加熱によって硫化カルシウムが生成することが分かる。これは、飛灰A中の硫酸カルシウムが還元されることにより生成した硫黄とカルシウムとが反応したことによって生成したものと考えられる。飛灰Aに含まれている重金属は微量であるため、X線回折パターンで重金属を含む化合物は同定されていないが、重金属も同様に硫化物を生成していると考えられる。
また、図2の(B)と(C)を比較すると、可溶性の塩素化合物である塩化カリウムが除去できたことが分かる。
Claims (8)
- 塩素含有灰を、硫酸塩と、前記硫酸塩を還元する還元剤の存在下、非酸化性雰囲気中で加熱する加熱工程と、
前記加熱工程で生成した加熱処理物を、水で洗浄して、塩素を除去する水洗工程と、
を含む塩素含有灰の脱塩素処理方法。 - 前記塩素含有灰が、焼却灰または塩素バイパスダストである請求項1に記載の塩素含有灰の脱塩素処理方法。
- 前記硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1または2に記載の塩素含有灰の脱塩素処理方法。
- 前記還元剤が、有機物、炭素質材料、一酸化炭素ガス、メタンガスおよび前記有機物の加熱分解ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩素含有灰の脱塩素処理方法。
- 塩素含有灰を、硫酸塩と、前記硫酸塩を還元する還元剤の存在下、非酸化性雰囲気中で加熱する加熱工程と、
前記加熱工程で生成した加熱処理物を、水で洗浄して、塩素を除去する工程と、
を含むセメント原料の製造方法。 - 前記塩素含有灰が、焼却灰または塩素バイパスダストである請求項5に記載のセメント原料の製造方法。
- 前記硫酸塩が、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の物質である請求項5または6に記載のセメント原料の製造方法。
- 前記還元剤が、有機物、炭素質材料、一酸化炭素ガス、メタンガスおよび前記有機物の加熱分解ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質である請求項5〜7のいずれか1項に記載のセメント原料の製造方法。
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