JP2020103608A - 吸収性物品 - Google Patents

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克 水口
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Abstract

【課題】活動時においても違和感や不快感が少ない快適性に優れた吸収性物品を提供する。【解決手段】肌当接面側に配置される液透過性トップシート、非肌当接面側に配置される液不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収体を有する吸収性物品であって、液透過性トップシートの吸収体側に、トウからなる繊維集合体が設けられ、吸収性物品の前後端部領域において、液透過性トップシート、トウからなる繊維集合体、及び液不透過性バックシートが、複数の点状接合15bによって、円15aの集合体15を形成するように接合する。【選択図】図3

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
一般的に、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等の吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シートの間に配置された吸収体と、で構成されている。これにより、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収され、バックシートにより外部へ漏れないようになっている。このような吸収性物品には、体液の吸収性の向上、着用者の装着感の向上、漏れ防止等を図るために、様々な工夫がなされている。
特に、少量の尿漏れ吸収に対応した軽失禁パッド又はライナーでは、長手方向前後端は熱エンボスによって表面材と防水材が接合されている。軽失禁パッド又はライナーの着用者は、健常者と同様に活動し、歩行や外出をする機会も多い。しかしながら、長手方向前後端の熱エンボスによって表面材と防水材が接合された領域は、剛性が低く、柔軟性はあるが折れたりめくれたりすることも多い為、着用者に違和感や不快感を与えることがある。
そこで、特許文献1には、長手方向前後縁部とエンドシール部の間の領域にトップシートとバックシートとが接合されていない非シール領域を設ける技術が開示されている。また、特許文献2には、接合領域に複数の形状が異なる圧着部を一定の間隔で配置する技術が開示されている。
特開2006−320443号公報 特開2008−295645号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、着用者の違和感や不快感の軽減という点においては改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、活動時においても違和感や不快感が少ない快適性に優れた吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、鋭意研究を行った結果、吸収性物品の長手方向前後端部領域において、更に細かい略円形の集合体を形成するように、表面材と、トウからなる繊維集合体と、防水材とを接合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、肌当接面側に配置される液透過性トップシート、非肌当接面側に配置される液不透過性バックシート、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収体を有する吸収性物品であって、前記液透過性トップシートの前記吸収体側に、トウからなる繊維集合体が設けられ、前記吸収性物品の前後端部領域において、前記液透過性トップシート、前記トウからなる繊維集合体、及び前記液不透過性バックシートが、複数の点状接合によって、円の集合体を形成するように接合されている吸収性物品である。
本発明の吸収性物品は、長手方向の寸法が300mm以上600mm以下であり、幅方向の寸法が30mm以上150mm以下であることが好ましい。
前記トウからなる繊維集合体は、親水処理が施されていることが好ましい。
前記点状接合は、熱シール又は超音波シールであることが好ましい。
前記円の直径は1mm以上10mm以下であることが好ましい。
本発明によれば、活動時においても違和感や不快感が少ない快適性に優れた吸収性物品を提供することができる。
本発明の吸収性物品の平面図である。 図1におけるY−Y断面図である。 図1の一部拡大図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたものであり、これらにより本発明を限定するものではない。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付する。
また、本明細書の説明において、吸収性物品の着用時とは、吸収性物品の着用時及び着用後の少なくとも一方をいう。吸収性物品の長手方向とは、吸収性物品が着用されたときに着用者の前後にわたる方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、肌当接面とは、吸収体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、非肌当接面とは、吸収体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。さらに、吸収性物品としては、ベビー用又は成人用を問わず、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつが例示されるが、これに限定されるものではなく、その他の吸収性物品であってもよい。
[吸収性物品]
図1は、本発明の実施形態の吸収性物品10をトップシート11側から見た平面図である。図1に示すように、吸収性物品10は、肌当接面側に配置される液透過性トップシート11、非肌当接面側に配置される液不透過性バックシート12、及びトップシート11とバックシート12との間に配置される吸収体14を有する。さらに、液透過性トップシート11の吸収体14側に、トウからなる繊維集合体13が設けられ、吸収性物品10の前後端部領域において、液透過性トップシート11、トウからなる繊維集合体13、及び液不透過性バックシート12が、複数の点状接合15bによって、円15aの集合体15を形成するように接合されている。
吸収性物品10の長手方向Yの寸法は100mm以上600mm以下であり、幅方向Xの寸法は30mm以上150mm以下であることが好ましい。吸収性物品10の寸法を上記の範囲に調整することにより、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等に適した吸収性物品10を得ることができる。
以下、各構成要素の詳細を説明する。
(トップシート)
液透過性トップシート11は、体液が吸収体14へと移動するような液透過性を備えた基材から形成される。液透過性を備えた基材として、例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、又は、これらを積層した複合シートが挙げられる。
また、トップシート11には、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート11には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。
強度、加工性及び液戻り量の点から、トップシート11の坪量は、18g/m以上40g/m以下であることが好ましい。トップシート11は、漏れがないように体液を吸収体14へと誘導するため、吸収体14を覆う形状であることが好ましい。
(バックシート)
液不透過性バックシート12は、吸収体14が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材からなり、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブローン不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブローン、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
強度及び加工性の点から、バックシート12の坪量は、15g/m以上60g/m以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、バックシート12には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート12に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート12にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
(吸収体)
本実施形態の吸収性物品10は、図1に示すように、吸収体14の長手方向Yの最大値を示す箇所の寸法は、70mm以上550mm以下であることが好ましく、100mm以上500mm以下であることがより好ましい。また、吸収体14の幅方向の最大値を示す箇所の寸法は、50mm以上120mm以下であることが好ましく、60mm以上105mm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の吸収性物品10における吸収体14は、肌当接面側に位置する上層吸収体と、非肌当接面側に位置する下層吸収体とからなる2層構造であってもよく、上層吸収体と下層吸収体との間にキャリアシートを配置して3層構造としてもよい。
−吸収性繊維−
吸収体14は、基材としての吸収性繊維と、高吸収性ポリマー(SAP)とを含有するものが好ましい。
吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであればよく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。フラッフパルプとしては、木材パルプ(例えば、サウザンパインやダグラスファー等の針葉樹晒クラフトパルプ(N−BKP))、合成繊維、樹脂繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体14に、基材としての吸収性繊維にフラッフパルプを用いた場合、吸収性繊維の坪量は、100g/m以上800g/m以下であることが好ましく、325g/m以上615g/m以下であることがより好ましい。これにより、肌触りを損なわずに、より多くの体液を吸収させることができる。
−高吸収性ポリマー−
吸収体14の高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであればよく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、質量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。
吸収体14に含有されるSAPの坪量は、240g/m以上450g/m以下であることが好ましく、245g/m以上445g/m以下であることがより好ましい。上記の数値範囲内とすることで、吸収体14におけるゲルブロッキングを防止し、かつ、吸収体14において多量の体液を吸収させることができる。
また、吸収体14において、フラッフパルプの質量に対する、高吸収性ポリマーの質量の比率である、高吸収性ポリマーの質量/フラッフパルプの質量×100(%)が、40%以上120%以下であることが好ましく、50%以上100%以下であることがより好ましい。
吸収体14において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したものでもよく、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したSAPシートでもよい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体14の形状の安定化の目的から、吸収体14をキャリアシートに包んでもよい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、複数のキャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
(トウからなる繊維集合体)
トウからなる繊維集合体13は、トウを開繊した長繊維フィラメントの集合体であり、長繊維の配向方向が揃うように収束されている。本発明においては、長繊維の配向方向が、吸収性物品10の長手方向Yとなるように配置することが好ましい。例えば、連続フィラメントのトウを開繊し、適当な長さに切断することで、長繊維の束から構成された繊維集合体を製造することができる。
トウからなる繊維集合体13の基材としては、綿等に由来する天然セルロース、レーヨン等の再生セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等を用いることができ、これらの中でも、綿等に由来する天然セルロース、レーヨン等の再生セルロース、セルロースアセテートを用いることが好ましく、嵩高さを得やすく、吸収体14に柔軟性及び可撓性を付与できる、セルロースアセテートを用いることがより好ましい。
また、トウからなる繊維集合体13の繊度は、特に限定されないが、使用上十分な強度を有するようにする点から、例えば、0.1dtex以上10.0dtex以下であればよい。
また、トウからなる繊維集合体13において、繊維間の絡みが弱いため、絡みを融着して固定させる目的で、バインダーを用いることが好ましい。バインダーとしては、トリアセチン等を用いることができる。
トウからなる繊維集合体13の坪量は、20g/m以上100g/m以下であることが好ましく、30g/m以上80g/m以下であることがより好ましい。
トウからなる繊維集合体13は、特許第6276897号記載のような既知の紡糸工程におけるオイリング装置で繊維表面に既知の親水化剤を付着することによって、親水処理が施されていてもよい。また、上記の親水化剤は、紙おむつの製造工程上において、スプレー塗工など既知の塗工方式で搬送中の繊維集合体に対して直接付与されていてもよい。また、本質的に繊維集合体の親水度を高める方法として、酢酸セルロース繊維の原材料は、アセチル基置換度が比較的低く、残存水酸基が比較的多いタイプの酢酸セルロースを選択使用してもよい。具体的には、アセチル基置換度が高く水酸基が少ないセルローストリアセテートではなく、アセチル基置換度が低く水酸基が多いセルロースジアセテートを原料として使用することにより、繊維表面を含めた繊維内外部の親水度を高めてもよい。
(接合部分について)
図2に、図1におけるY−Y断面図を示し、図3に、図1中の符号20の拡大図を示す。
本発明の吸収性物品10は、図2に示すように、前後端部領域において、液透過性トップシート11、トウからなる繊維集合体13、及び液不透過性バックシート12が、複数の点状接合15bによって、円15aの集合体15を形成するように接合されている。なお、図3においては、円15aを、円周を記載することで示しているが、円周は接合されておらず、点状接合15bで形成される仮想の円を示している。
点状接合15bは、熱シール又は超音波シールであり、点状接合15bの直径は、50μm以上500μm以下であることが好ましい。
また、円15aの直径は、1mm以上10mm以下である。ここで、円15aの直径は、点状接合15bを結ぶことによって形成される円15aの内径の最大値とする。
本発明において、点状接合15bは、図1に示すように、吸収性物品10の前後端部において、トウからなる繊維集合体13の幅全体に亘って形成されることが好ましい。
本発明の吸収性物品10は、前後端部領域を、複数の点状接合15bによって、円15aの集合体15を形成するように接合することにより、装着時に活動状態でも違和感や不快感が少なく、快適性に優れる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 吸収性物品
11 液透過性トップシート
12 液不透過性バックシート
13 トウからなる繊維集合体
14 吸収体
15 円の集合体
15a 円
15b 点状接合

Claims (5)

  1. 肌当接面側に配置される液透過性トップシート、非肌当接面側に配置される液不透過性バックシート、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収体を有する吸収性物品であって、
    前記液透過性トップシートの前記吸収体側に、トウからなる繊維集合体が設けられ、
    前記吸収性物品の前後端部領域において、前記液透過性トップシート、前記トウからなる繊維集合体、及び前記液不透過性バックシートが、複数の点状接合によって、円の集合体を形成するように接合されている吸収性物品。
  2. 長手方向の寸法が100mm以上600mm以下であり、幅方向の寸法が30mm以上150mm以下である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記トウからなる繊維集合体は、親水処理が施されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記点状接合が、熱シール又は超音波シールである請求項1から3いずれか1項記載の吸収性物品。
  5. 前記円の直径が1mm以上10mm以下である請求項1から4いずれか1項記載の吸収性物品。
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