JP2020101480A - 成分濃度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光音響法による人体内の成分濃度が、より正確に測定できるようにする。【解決手段】光出射部101は、測定対象の物質が吸収する波長のビーム光を被測定者の測定部位151に照射する。検出部102は、光出射部101から出射されたビーム光を照射した測定部位151から発生する光音響信号を検出する。共鳴器103は、測定部位151を挟んで配置され、上述した光音響信号を共鳴させる。共鳴器103は、第1反射部103aと第2反射部103bとから構成されている。第1反射部103aは、光照射部101と測定部位151との間に配置されている。また、第1反射部103aは、ビーム光を透過する。第2反射部103bは、検出部102と測定部位151との間に配置されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、成分濃度測定装置に関し、より具体的には、血液中のグルコースなどの成分濃度を非侵襲に測定する成分濃度測定装置に関する。
糖尿病患者に対するインスリンの投与量の決定や、糖尿病の予防などの観点より、血糖値を把握(測定)することが重要となる。血糖値は、血液中のグルコースの濃度であり、この種の成分濃度の測定方法として、光音響法がよく知られている(特許文献1参照)。
生体にある量の光(電磁波)を照射した場合、照射した光は生体に含有される分子に吸収される。このため、光が照射された部分における測定対象の分子は、局所的に加熱されて膨張を起こし、音波を発生する。この音波の圧力は、光を吸収する分子の量に依存する。光音響法は、この音波を測定することにより、生体内の分子の量を測定する方法である。音波は生体内を伝搬する圧力波であり、電磁波に比べ散乱しにくいという特質があり、光音響法は生体の血液成分の測定に適しているものといえる。
光音響法による測定によれば、連続的な血液中のグルコース濃度の監視が可能となる。また、光音響法の測定は、血液サンプルを必要とせず、測定対象者に不快感を与えることがない。
特開2010−104858号公報
ところで、この種の測定において、測定対象者に大きな負荷を与えずに連続的な測定を実施する場合、例えば、測定部位を耳垂(耳たぶ)とし、小型な装置を測定部位に装着することが重要となる。装置を小型にするためには、低消費電力とすることが重要となり、照射する光の強度を高くすることができない。このように、光強度を高くできない状態では、得られる音波(光音響信号)が小さく、高い感度で測定することができない。この結果、測定精度が低下するという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、光音響法による人体内の成分濃度が、より正確に測定できるようにすることを目的とする。
本発明に係る成分濃度測定装置は、測定対象の物質が吸収する波長のビーム光を被測定者の測定部位に照射する光出射部と、ビーム光を照射した測定部位から発生する光音響信号を検出する検出部と、測定部位を挟んで配置されて光音響信号を共鳴させる共鳴器とを備え、共鳴器は、光出射部と測定部位との間に配置されてビーム光を透過するとともに、音響信号を反射する第1反射面を有する第1反射部と、検出部と測定部位との間に配置されて、光音響信号を反射する第2反射面を有する第2反射部とを有する。
上記成分濃度測定装置の一構成例において、第1反射面と第2反射面とは、互いに平行である。
上記成分濃度測定装置の一構成例において、第2反射部と測定部位との間の隙間を埋める音響整合部を備える。
上記成分濃度測定装置の一構成例において、第1反射面は、測定部位に面し、第1反射部は、光出射部の側に面し、光出射部の光出射端が接する第1接触面と、第1反射面と第1接触面との間に形成された空隙とを備える。
上記成分濃度測定装置の一構成例において、第2反射面は、測定部位に面し、第2反射部は、検出部の側に面し、検出部の測定部位に面する検出面が接する第2接触面と、第2反射面と第2接触面との間に形成された空隙とを備える。
上記成分濃度測定装置の一構成例において、光音響信号により物質の濃度を求める濃度算出部を備える。
上記成分濃度測定装置の一構成例において、物質はグルコースであり、光出射部は、グルコースが吸収する波長のビーム光を照射する。
以上説明したように、本発明によれば、測定部位を挟んで共鳴器を配置したので、光音響法による人体内の成分濃度が、より正確に測定できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における成分濃度測定装置の構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態における成分濃度測定装置のより詳細な構成を示す構成図である。 図3は、本発明の実施の形態における成分濃度測定装置の一部構成を示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態における成分濃度測定装置の一部構成を示す断面図である。 図5は、本発明の実施の形態における成分濃度測定装置の一部構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る成分濃度測定装置について図1を参照して説明する。この成分濃度測定装置は、光出射部101、検出部102、共鳴器103、濃度算出部104、および記憶部105を備える。
光出射部101は、測定対象の物質が吸収する波長のビーム光121を生成し、生成したビーム光121を測定部位151に向けて出射する。例えば、測定対象の物質が血中のグルコースの場合、光出射部101は、グルコースが吸収する波長のビーム光121を生成する光源部101aと、光源が生成したビーム光121を、予め設定されたパルス幅のパルス光とするパルス生成部101bとを備える。
なお、グルコースは1.6μm近傍および2.1μm近傍の光の波長帯において吸収特性を示す(特許文献1参照)。パルス生成部101bにより、上述したパルス状のビーム光121とする。グルコースが測定対象物質の場合、光出射部101(パルス生成部101b)は、0.02秒以上のパルス幅のビーム光121を照射する。
検出部102は、光出射部101から出射されたビーム光を照射した測定部位151から発生する光音響信号を検出する。検出部102には、クリスタルマイクロフォン、セラミックマイクロフォン、セラミック超音波センサ等の圧電効果・電歪効果を用いたもの、ダイナミックマイクロフォン、リボンマイクロフォン等の電磁誘導を用いたもの、コンデンサマイクロフォン等の静電効果を用いたもの、磁歪振動子等の磁歪を用いたものを用いることができる。圧電効果を持つものには、例えば周波数平坦型電歪素子(ZT)またはPVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの結晶を含むものが例示できる。検出部102は、FET(電界効果トランジスタ)増幅器を内蔵するPZTから構成することもできる。検出部102が検出した光音響信号は、例えば、測定された時刻情報とともに記憶部105に記憶される。
ここで、光出射部101および検出部102について、図2を用いてより詳細に説明する。まず、光源部101aは、第1光源201、第2光源202、駆動回路203、駆動回路204、位相回路205、合波器206を備える。また、検出部102は、検出器207、位相検波増幅器208、発振器209を備える。
発振器209は、信号線により駆動回路203、位相回路205、位相検波増幅器208にそれぞれ接続される。発振器209は、駆動回路203、位相回路205、位相検波増幅器208のそれぞれに信号を送信する。
駆動回路203は、発振器209から送信された信号を受信して第1光源201へ駆動電力を供給し、第1光源201より上記信号の周波数に同期して強度変調された光を出射させる。第1光源201は、例えば、半導体レーザである。
位相回路205は、発振器209から送信された信号を受信し、受信した信号に180°の位相変化を与えた信号を、信号線を介して駆動回路204へ送信する。
駆動回路204は、位相回路205から送信された信号を受信して第2光源202へ駆動電力を供給し、第2光源202より上記信号の周波数でかつ位相回路205により180°の位相変化を受けた信号に同期して強度変調された光を出射させる。
第2光源202は、例えば、半導体レーザである。
第1光源201および第2光源202の各々は、互いに異なる波長の光を出力し、各々が出力した光を光波伝送手段により合波器206へ導く。第1光源201および第2光源202の各々の波長は、一方の光の波長をグルコースが吸収する波長に設定し、他方の光の波長を、水が吸収をする波長に設定する。また、両者の吸収の程度が等しくなるように、各々の波長を設定する。
第1光源201の出力した光と第2光源202の出力した光は、合波器206において合波されて、1の光ビームとしてパルス生成部101bに入射する。光ビームが入射されたパルス生成部101bでは、入射した光ビームを所定のパルス幅のパルス光として測定部位151に照射する。このようにしてパルス状の光ビームが照射された測定部位151では、この内部で光音響信号を発生させる。
検出器207は、測定部位151で発生した光音響信号を検出し、電気信号に変換して、信号線を介して位相検波増幅器208へ送信する。位相検波増幅器208は、発振器209から送信される同期検波に必要な同期信号を受信するとともに、検出器207から送信されてくる光音響信号に比例する電気信号を受信し、同期検波、増幅、濾波を行って、光音響信号に比例する電気信号を出力する。このようにして測定されて処理された電気信号(光音響信号)が、測定された時刻の情報とともに記憶部105に記憶される。
位相検波増幅器208より出力される信号の強度は、測定部位151内の成分(グルコース、水)により吸収された第1光源201および第2光源202の各々が出力する光の量に比例するので、信号の強度は測定部位151内の成分の量に比例する。このように出力される信号の強度の測定値(光音響信号)から、濃度算出部104が、測定部位151内の血液中の測定対象の物質(グルコース)の成分の量(濃度)を求める。
上記のように、同一の周波数の信号により強度変調された2つの光を用いることで、複数の周波数の信号により強度変調している場合に問題となる、複数の光を用いる場合の周波数特性の不均一性の影響は存在しない。
一方、光音響法による測定において問題となる、光音響信号に存在する非線形的な吸収係数依存性は、上述したように等しい吸収係数を与える複数の波長の光を用いて測定することにより解決できる(特許文献1参照)。
次に、共鳴器103は、測定部位151を挟んで配置され、上述した光音響信号を共鳴させる。共鳴器103は、第1反射部103aと第2反射部103bとから構成されている。第1反射部103aは、光照射部101と測定部位151との間に配置されている。また、第1反射部103aは、ビーム光を透過する。第2反射部103bは、検出部102と測定部位151との間に配置されている。
成分濃度測定装置は、例えば、図3に示すように、測定部位151を挟持可能な一対の第1保持部材111、第2保持部材112を備える。測定部位151は、例えば、耳たぶである。第1保持部材111と第2保持部材112とは、連結部113により連結されている。連結部113には、第1保持部材111と第2保持部材112とを閉じる方向に付勢するコイルバネ(不図示)が外挿されている。このコイルバネによる閉じる方向の力により、第1保持部材111と第2保持部材112との間に測定部位151が挾まれる。
第1保持部材111には、光出射部101から出射されるビーム光が光ファイバ114により導入される。導入されたビーム光は、第1保持部材111に内蔵されている光学系115を通り、反射部116で反射される。第1保持部材111と第2保持部材112との間に測定部位151が挾まれている状態で、反射部116で反射されたビーム光は、測定部位151に入射する。
第2保持部材112には、検出部102が内蔵されている。第1保持部材111と第2保持部材112との間に測定部位151が挾まれている状態で、測定部位151にビーム光が入射したことにより測定部位151から発生する光音響信号が、検出部102で検出される。
実施の形態において、第1保持部材111と測定部位151との間に第1反射部103aが配置され、第2保持部材112と測定部位151との間に第2反射部103bが配置される。第1反射部103aは、第1保持部材111により測定部位151に押しつけられる。第2反射部103bは、第2保持部材112により測定部位151に押しつけられる。
図4に示すように、第1反射部103aは、測定部位151の側に面し、光音響信号を反射するための第1反射面131aを備える。第1反射面131aは、測定部位151に接して配置される。また、第2反射部103bも、測定部位151の側に面し、光音響信号を反射するための第2反射面131bを備える。第2反射面131bは、測定部位151に接して配置される。第1反射面131aと第2反射面131bとは、互いに平行である。
一方、第1反射部103aは、光出射部101の側に面する第1接触面132aを備える。第1接触面132aには、第1保持部材111における光出射部101の光出射端となる部分が接触する。また、第2反射部103bは、検出部102の側に面する第2接触面132bを備える。第2接触面132bには、検出部102の検出面が接する。また、この例では、第1反射面131aと第1接触面132aとの間に空隙133aが形成されている。同様に、第2反射面131bと第2接触面132bとの間に空隙133bが形成されている。
上述したように、第1反射部103aと第2反射部103bとに挾まれた測定部位151では、反射部116で反射されたビーム光が入射したことにより発生する光音響信号が、第1反射面131aと第2反射面131bとの間で反射する。第1反射面131aと第2反射面131bとが、発生する光音響信号が共鳴(共振)する間隔であれば、第1反射部103aと第2反射部103bとによる共鳴器103で光音響信号が共鳴し、より大きな音圧が得られるようになる。この結果、対象となる成分の濃度が同一であっても、共鳴器103がない場合に比較して、検出部102ではより大きな信号が検出できるようになり、感度の向上が見込めるようになる。
なお、第1保持部材111における光出射部101の光出射端となる部分が接触する第1接触面132aと第1反射面131aとの間に空隙133aを設けているので、第1反射面131aにおける光音響信号の反射率の低下が抑制できるようになる。
同様に、検出部102の検出面が接する第2接触面132bと第2反射面131bとの間に空隙133bを設けているので、第2反射面131bにおける光音響信号の反射率の低下が抑制できるようになる。
なお、上述では、直方体状の空間として空隙133a、空隙133bを設けることで、第1反射面131a、第2反射面131bにおける光音響信号の反射率低下を抑制したが、これに限るものではない。第1反射部103a、第2反射部103bを、ソニック結晶などの多孔体から構成し、多孔体により各々の空隙を構成することも可能である。
以上に説明したように、本発明によれば、共鳴器により光音響信号の音圧をより大きくすることができるので、より高感度に光音響信号が検出できるようになり、光音響法による人体内の成分濃度が、より正確に測定できるようにする。
ところで、測定対象の物質がグルコースの場合、得られる光音響信号の波長は250〜350Hzであり、この場合、共鳴する2つの反射部(反射面)の間隔は、5mm程度となる。一方、例えば、測定部位が耳たぶの場合、厚さが5mmより薄くなる場合がある。
このような場合、図5に示すように、測定部位151aと第2反射部103bとの間に、音響整合部106を配置する。音響整合部106は、第2反射部103bと測定部位151との間の隙間を埋める状態に設ける。音響整合部106は、測定部位151aに接して設ける。このため、測定部位151aと音響整合部106との間で光音響信号が反射することを抑制するために、これらの間で音響整合がとれるように音響インピーダンスが所定の値とされている材料から構成する。
以上に説明したように、本発明によれば、測定部位を挟んで共鳴器を配置したので、光音響法による人体内の成分濃度が、より正確に測定できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…光出射部、101a…光源部、101b…パルス生成部、102…検出部、103…共鳴器、103a…第1反射部、103b…第2反射部、104…濃度算出部、105…記憶部。

Claims (7)

  1. 測定対象の物質が吸収する波長のビーム光を被測定者の測定部位に照射する光出射部と、
    前記ビーム光を照射した前記測定部位から発生する光音響信号を検出する検出部と、
    前記測定部位を挟んで配置されて前記光音響信号を共鳴させる共鳴器と
    を備え、
    前記共鳴器は、
    前記光出射部と前記測定部位との間に配置されて前記ビーム光を透過するとともに、前記音響信号を反射する第1反射面を有する第1反射部と、
    前記検出部と前記測定部位との間に配置されて、前記光音響信号を反射する第2反射面を有する第2反射部と
    を有することを特徴とする成分濃度測定装置。
  2. 請求項1記載の成分濃度測定装置において、
    前記第1反射面と前記第2反射面とは、互いに平行であることを特徴とする成分濃度測定装置。
  3. 請求項1または2記載の成分濃度測定装置において、
    前記第2反射部と前記測定部位との間の隙間を埋める音響整合部を備えることを特徴とする成分濃度測定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分濃度測定装置において、
    前記第1反射面は、前記測定部位に面し、
    前記第1反射部は、
    前記光出射部の側に面し、前記光出射部の光出射端が接する第1接触面と、
    前記第1反射面と前記第1接触面との間に形成された空隙と
    を備えることを特徴とする成分濃度測定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の成分濃度測定装置において、
    前記第2反射面は、前記測定部位に面し、
    前記第2反射部は、
    前記検出部の側に面し、前記検出部の前記測定部位に面する検出面が接する第2接触面と、
    前記第2反射面と前記第2接触面との間に形成された空隙と
    を備えることを特徴とする成分濃度測定装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分濃度測定装置において、
    前記光音響信号により前記物質の濃度を求める濃度算出部を備えることを特徴とする成分濃度測定装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の成分濃度測定装置において、
    前記物質はグルコースであり、
    前記光出射部は、グルコースが吸収する波長の前記ビーム光を照射することを特徴とする成分濃度測定装置。
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