JP2020100937A - 柱部材及び組立式ブース - Google Patents
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Description
この種の組立式ブースは、複数本の支柱(柱部材)と、支柱間に渡される複数本の梁等を備え、一般的に箱型の骨組みを形成した後、壁面パネルや床面を付加するようになっている。
支柱を1人で持って組立を可能とするためには、特許文献1に記載の組立式ブースシステムのように、支柱を細くして骨組み構成を複雑にし、ネジ止め部分を多数設ける必要がある。
この組立式ブースは、例えば4本の角材をスペーサを介して角材間に隙間が生じる状態で一体に束ねた構成の柱部材を有している。該柱部材の下端部を、床面にそれぞれの端部が直交状態に交差して上下に重なるように配置される2本の床材の交差部位に嵌合すると、前記2本の床材が直交状態で拘束されるとともに、該2本の床材による支持で柱部材が自立した状態に保持されるものである。従って作業者は柱部材を自立させた後はこれを保持する必要がない。
床材を4本、端部が直交した状態で四角形となるように配置し、上記柱部材の嵌合・自立作業を各隅において行った後、各柱部材の上端部間に梁を嵌めることにより、ブースの骨組み構造を1人で仮構築できる。仮構築後、ボルト等の締結部材によって本締めを行えば、ブースの躯体が構成される。
例えば、屋内で茶室等を構築する場合、長尺の柱部材は運搬や取り扱いが容易ではない。また、運搬する場合にはトラック等の専用車に限定されるとともに、輸出等においては大きなコンテナが必要となる。
図1は、本実施の形態に係る柱部材の仮保持状態での組立式ブース(以下、単に「ブース」という)1の骨組み構造を示している。この骨組み構造は、床面に例えば正方形状の領域を区画するように載置された4本の床材3A〜3Dと、垂直に立てられた4本の柱部材5A〜5Dと、各柱部材5A〜5Dの上端部間を連結する4本の組梁7A〜7Dを有している。本例のブース幅Wと高さHは共に200cmであり、柱部材5の1辺Sは9cmである。後述するように、本実施の形態では3cm角の木質系角材(棒状部材)によって、すなわち、断面形状が正方形の角材によって全ての要素が構成されている。上記寸法は一例であり、これに限定されない。
すなわち、嵌合後の柱部材5Aは、ネジ止め等の締結操作を要することなく、手を離しても、直交状態を拘束された床材3A、3Dが突っ支い棒的に機能し、垂直に自立した状態に保持される。他の柱部材5B〜5Dも柱部材5Aと同様の嵌合構成を有している。
具体的には、それぞれ3cm角の木質系の角材9を4本、各角材9間に同じ角材からなるスペーサ11a、11b等を固定し、全体の上下端の投影形状が正方形状となるように一体に構成されている。すなわち、各角材9間及び4本の角材9で囲まれる中心にはそれぞれ角材1本分の隙間が存在する。
図4に示すように、柱部材5Aの下端部には、下端が上側の床材3Aに当接するスペーサ11aが角材9Aと角材9D、角材9Bと角材9Cとの間の対向隙間に固定されているとともに、下端が下側の床材3Dに当接するスペーサ11bが角材9Aと角材9B、角材9Cと角材9Dとの間の対向隙間に固定されている。
しかしながら、床材3Aの他端側は床材3Bで支持されているため反力RFが生じ、その結果、柱部材5Aの内側への倒れが抑制される。
しかしながら、床材3Aの重量によるモーメントGFが時計回り方向に働くため、柱部材5Aの外側への倒れが抑制される。
しかしながら、床材3Aの他端側の重量により反力RFが生じ、その結果、柱部材5Aの外側への倒れが抑制される。
しかしながら、床材3Aの他端側の重量により反力RFが生じ、その結果、柱部材5Aの内側への倒れが抑制される。
他の柱部材5B〜5Dについても、上記と同様の倒れ防止機能が得られ、柱部材5の1人での組立が可能となる。
図7に示すように、柱部材5Aは、上側柱部材5A1と、下側柱部材5A2とからなる2分割構成を有し、上下方向の中央部においてジョイント部材6で連結する構成となっている。すなわち、角材9の軸方向に複数(ここでは2つ)に分割され、ジョイント部材6で連結する構成を有している。
図7に示すように、上側柱部材5A1における連結側端寄りの連結用スペーサ8Aによって形成される嵌合凹部10Aの深さd1は角材1本分(3cm)であり、奥側の連結用スペーサ8Bによって形成される対構成の嵌合凹部10Bの深さd2は角材2本分(6cm)である。
対向する一対の嵌合片6B、6Cと対向する他の一対の嵌合片6D、6Eは軸方向の位置が角材1本分(d1)ずれている。
中心片6Aと各嵌合片6B、6C、6D、6Eは角材9と同じ角材で形成されている。
これに対応して、嵌合後に角材9A、9D間に挟まれる嵌合片6Dと、角材9B、9C間に挟まれる嵌合片6Eには、長ボルト17の挿通孔6Da、6Eaが形成されている(図11(c)参照)。
これに対応して、嵌合後に角材9B、9A間に挟まれる嵌合片6Bと、角材9C、9D間に挟まれる嵌合片6Cには、長ボルト17の挿通孔6Ba、6Caが形成されている(図11(a)参照)。
図11から明らかなように、上側柱部材5A1に対してはジョイント部材6の嵌合片6B、6Cの入り込みが深く、下側柱部材5A2に対してはジョイント部材6の嵌合片6D、6Eの入り込みが深い嵌合構造となっている。
また、ジョイント部材6の嵌合片の位置ずれは、上側柱部材5A1と下側柱部材5A2との連結部位における組木細工様の意匠性を高める機能も有している。
また、搬送においても専用のトラックによらずに自家用車等でも運搬でき、可搬性を向上させることができる。輸出等においても収納コンテナのサイズを小さくすることができ、経費の低減に寄与できる。
図4に示すように、角材9Aと角材9Bに挟まれたスペーサ11bには、柱部材5Aに床材3Aを一体固定するためのナット部材13が嵌め込まれている。2本のスペーサ11bと床材3Aにはボルト挿通孔15が形成されており、図12(a)に示すように、長ボルト17が挿通されてナット部材13にねじ込まれ、柱部材5Aに一体に固定されている2本のスペーサ11bと床材3Aとが一体に締結される。これにより、床材3Aは柱部材5Aと一体化される。
図13に示すように、柱部材5Aの上端部には、角材9Aと9Dとの間及び対向する角材9Bと9Cとの間に、組梁7Aの嵌合位置(下端位置)を規制するスペーサ19が固定されている。
各スペーサ19の固定は、スペーサ11a、11bと同様に、角材9A、スペーサ19及び角材9Dの角材3本分、角材9B、スペーサ19及び角材9Cの角材3本分をそれぞれ上下2箇所で水平に貫通する不図示の長ボルト及びナットによる締結でなされている。
図13に示すように、自立状態に保持された柱部材5Aと柱部材5Bの上端部に組梁7Aが上方から嵌合される。分かり易くするために、嵌合後の組梁7A、7Dの端面をハッチングで仮想的に示している。
すなわち、組梁7Aは柱部材5Aのスペーサ19で支持され、組梁7Dは柱部材5Aのスペーサ19に支持された組梁7Aに嵌合して該組梁7Aに支持されている。
柱部材5Aの角材9Dにもナット部材13が嵌め込まれている。角材9D、組梁7Dの下側の角材9d及び角材9Cにはボルト挿通孔15が形成されており、図14(b)に示すように長ボルト17が挿通されてナット部材13にねじ込まれ、これらが一体に締結される。上記構成は、他の柱部材5B〜5Dと組梁7A〜7Dとの連結構成においても同様である。
他の側面は、一つに連なった唐紙24C、24D、24Eで塞がれている。このような構成とすることにより、屋内に木質と唐紙が醸し出す風情のある茶室を簡単に構築することができる。
側面をカーテンやパネルで塞げば、子供部屋や更衣室など種々のブースを簡単に構築することができる。
例えば、上記の実施の形態では柱部材を2分割構成としたが3分割以上の構成としてもよい。また、床材や組梁も分割構成として現場で連結するようにしてもよい。
5A、5B、5C、5D…柱部材 6…ジョイント部材 6A…中心片
6B、6C、6D、6E…嵌合片 8A、8B、8C、8D…連結用スペーサ
9A、9B、9C、9D…棒状部材としての角材 11a、11b…スペーサ
13…ナット部材 17…ボルト
Claims (6)
- 複数の棒状部材をスペーサを介して軸回りにおける棒状部材間に隙間が存在するように一体に束ねて固定してなり、床面にそれぞれの端部が直交状態に交差して上下に重なるように配置される2本の床材の交差部位に下端部を嵌合して前記2本の床材の直交状態を拘束することにより、前記2本の床材による支持で自立した状態に保持することが可能な柱部材であって、
前記棒状部材の軸方向に複数に分割され、ジョイント部材で連結する構成を有していることを特徴とする柱部材。 - 請求項1に記載した柱部材において、
前記各柱部材の連結部位には、それぞれの連結側端から前記棒状部材の軸方向に入り込んだ位置に複数の連結用スペーサが前記軸方向と直交する平面で交差し且つ前記軸方向に重なる状態に配置され、
前記ジョイント部材は前記軸方向両端部に、前記連結用スペーサの前記軸方向の重なりに対応した凹凸の嵌合形状を有し、嵌合後前記各柱部材の前記棒状部材と前記ジョイント部材とがこれらを貫通する締結部材で一体に固定されることを特徴とする柱部材。 - 請求項1または2に記載した柱部材において、
前記締結部材が、前記棒状部材に固定されるナット部材と、前記ジョイント部材を挟んで対向する棒状部材の外側から挿入されて前記ナット部材に螺合するボルト部材とからなることを特徴とする柱部材。 - 請求項1から3のいずれかに記載した柱部材において、
前記棒状部材が断面正方形の木質系の角材であり、前記各柱部材は前記角材を4本用いて構成され、且つ前記各柱部材の連結部位における前記連結用スペーサは前記角材と同じ角材で十字状に配置されていることを特徴とする柱部材。 - 請求項4に記載した柱部材において、
前記ジョイント部材が、断面が四角形の中心片と、該中心片の4つの側面にそれぞれ固定された嵌合片とから構成され、対向する一対の嵌合片と対向する他の一対の嵌合片は前記軸方向の位置がずれており、前記中心片と前記各嵌合片は前記角材と同じ角材で形成されていることを特徴とする柱部材。 - 請求項1から5のいずれかに記載した柱部材を複数有することを特徴とする組立式ブース。
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