JP6992962B2 - 柱の仮保持構造 - Google Patents
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Description
組立式ブースは、複数本の支柱と、支柱間に渡される複数本の梁等を備え、一般的に箱型の骨組みを形成した後、壁面パネルや床面を付加するようになっている。隣接区画との視界を遮るためには2m程度の高さが必要である。このため、支柱を1人で支えて他の部材を連結しながら組み立てる作業は困難であり、簡易な足場を組んだり、作業員の数を増やしたりする必要がある。
支柱を1人で持って組立を可能とするためには、特許文献1に記載の組立式ブースシステムのように、支柱を細くして骨組み構成を複雑にし、ネジ止め部分を多数設ける必要がある。
柱部材の4本のスペーサは同じ長さであり、一方の対向する一対のスペーサは床面との間に角材1本分を収容する嵌合凹部を形成し、他方の対向する一対のスペーサは床面との間に角材2本分を収容する嵌合凹部を形成するものであることを特徴とする仮保持構造である。
図1は、本実施の形態に係る柱の仮保持構造による組立式ブース(以下、単に「ブース」という)1の骨組み構造を示している。この骨組み構造は、床面に例えば正方形状の領域を区画するように載置された4本の床材3A~3Dと、垂直に立てられた4本の柱部材5A~5Dと、各柱部材5A~5Dの上端部間を連結する4本の組梁7A~7Dを有している。本例のブース幅Wと高さHは共に200cmであり、柱部材5の1辺Sは9cmである。後述するように、本実施の形態では3cm角の木質系角材(棒材)によって、すなわち、断面形状及び面積が同じ正方形の角材によって全ての要素が構成されている。上記寸法は一例であり、これに限定されない。
柱部材5Aは、下端部を床材3Aと3Dの交差部位に上方から嵌合することにより、床材3A、3Dの直交状態を拘束する嵌合形状を有し、嵌合後は、図3に示すように、床材3A、3Dによる支持で自立した状態に保持される。
すなわち、嵌合後の柱部材5Aは、ネジ止め等の締結操作を要することなく、手を離しても、直交状態を拘束された床材3A、3Dが突っ支い棒的に機能し、垂直に自立した状態に保持される。
このため、作業者は残りの3本の柱部材5B~5Dを同様に立てていくことができ、柱部材5A~5Dを立てた後に組梁7A~7Dを各柱部材5A~5Dの上端部に嵌めることにより、ブース1の骨組み構造を1人で仮構築できる。仮構築後、ボルト等の締結部材による本締め(一体化)がなされる。
図4に示すように、柱部材5Aの下端部には、下端が上側の床材3Aに当接するスペーサ11aが角材9A、9D、9B、9C間の対向隙間に固定されているとともに、下端が下側の床材3Dに当接するスペーサ11bが角材9A、9B、9C、9D間の対向隙間に固定されている。
各スペーサ11aの固定は、角材9A、スペーサ11a及び角材9Dの角材3本分、角材9B、スペーサ11a及び角材9Cの角材3本分をそれぞれ上下2箇所で水平に貫通する不図示の長ボルト及びナットによる締結でなされている。各スペーサ11bの固定は、角材9A、スペーサ11b及び角材9Bの角材3本分、角材9C、スペーサ11b及び角材9Dの角材3本分をそれぞれ上下2箇所で水平に貫通する不図示の長ボルト及びナットによる締結でなされている。
しかしながら、床材3Aの他端側は床材3Bで支持されているため反力RFが生じ、その結果、柱部材5Aの内側への倒れが抑制される。
しかしながら、床材3Aの重量によるモーメントGFが時計回り方向に働くため、柱部材5Aの外側への倒れが抑制される。
しかしながら、床材3Aの他端側の重量により反力RFが生じ、その結果、柱部材5Aの外側への倒れが抑制される。
図6(b)に示すように、柱部材5Aが内向き(d4方向;図3参照)に倒れようとした場合、角材9C側のスペーサ11bの下端が床材3Dを押圧し、且つ、角材9B側のスペーサ11bが床材3Aを押圧して床材3Aに反時計回り方向の回転モーメントを与える。
しかしながら、床材3Aの他端側の重量により反力RFが生じ、その結果、柱部材5Aの内側への倒れが抑制される。
他の柱部材5B~5Dについても、上記と同様の倒れ防止機能が得られ、柱部材5の1人での組立が可能となる。
図8に示すように、柱部材5Aの上端部には、角材9Aと9Dとの間及び対向する角材9Bと9Cとの間に、組梁7Aの嵌合位置(下端位置)を規制するスペーサ19が固定されている。
各スペーサ19の固定は、スペーサ11a、11bと同様に、角材9A、スペーサ19及び角材9Dの角材3本分、角材9B、スペーサ19及び角材9Cの角材3本分をそれぞれ上下2箇所で水平に貫通する不図示の長ボルト及びナットによる締結でなされている。
図8に示すように、自立状態に保持された柱部材5Aと5Bの上端部に組梁7Aが上方から嵌合される。分かり易くするために、嵌合後の組梁7A、7Dの端面をハッチングで仮想的に示している。組梁7Aに直交する他方の組梁7Dは、組梁7Aを嵌合した後に、水平方向から挿入される。組梁7Dの上側の角材9cは組梁7Aの上側の角材9aと下側の角材9b間に挿入され、組梁7Dの下側の角材9dは組梁7Aの下側の角材9bよりも角材の一辺分下側に位置する。
すなわち、組梁7Aは柱部材5Aのスペーサ19で支持され、組梁7Dは柱部材5Aに支持された組梁7Aに嵌合して該組梁7Aに支持されている。
柱部材5Aの角材9Dにもナット部材13が嵌め込まれている。角材9D、組梁7Dの下側の角材9d及び角材9Cにはボルト挿通孔15が形成されており、図9(b)に示すように長ボルト17が挿通されてナット部材13にねじ込まれ、これらが一体に締結される。上記構成は、他の柱部材5B~5Dと組梁7A~7Dとの連結構成においても同様である。
図10に示すように、柱部材5Aの角材9Aと9Bとの間にはスペーサ23が固定され、対向する角材9Cと9Dとの間にもスペーサ23が固定されている。
スペーサ23の固定は、スペーサ11a、11bと同様に、角材9A、スペーサ23及び角材9Bの角材3本分、角材9C、スペーサ23及び角材9Dの角材3本分をそれぞれ上下2箇所で水平に貫通する不図示の長ボルト及びナットによる締結でなされている。
スペーサ23間には、スペーサ23と同じ長さの角材による回転部材25が配置され、2つのスペーサ23とこれらに挟まれた回転部材25は長ボルト27で一体化されている。2つのスペーサ23は、柱部材5A内において回転部材25を回転可能に支持するための部材であり、回転部材25の長さはスペーサ23と同じでなくてもよい。
図11は、図10のX4-X4線での断面図である。回転部材25の柱部材5間に突出する部分は内側片25aであり、外側に突出する部分は外側片25bである。
また、柱部材5の上部に二点鎖線の単線で略して示すように、組梁7A~7Dの隙間に角材9を斜めに渡して筋交いとし、ブースの骨組みを補強する構成としてもよい。
また、柱部材5間の距離を変えずに、二点鎖線で示すように、例えば床材3A、3Cと、組梁7A、7Cを長くすれば、容易にブースを隣接(増設)できる。
また、例えば、床材3Dの内側に床材3Eを配置すれば、床材3Dと床材3Eとの間の隙間31をスタイロボード等の壁材(断熱材)の嵌め込み枠として利用することができる。組立式ブース1の床面には適宜床材が配置される。
図14に示すように、有孔ボード31を柱部材5Bを構成する例えば角材9Aに結束バンド33で括り付けて固定するようにしてもよい。ここでは柱部材5Bでの固定を例示したが、他の柱部材5A、5C、5Dにおいても同様である。
壁材としてスタイロボードやベニア板の無孔ボードを用いる場合には、回転部材25の内側片25aや柱部材5の角材9に木ネジ等で固定してもよい。
また、上記実施形態では、柱部材5を床材3の交差部位に上方から落とし込んで嵌合する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。柱部材5を床面に立てた状態で、その第1の嵌合凹部と、第2の嵌合凹部に床材3を挿入するようにしてもよい。この場合、床材3の挿入が円滑にできるように、柱部材5の下端部の上記角材に相当する部分の下端側を細くすれば、すなわち、テーパを付ければ床材3の挿入が円滑となる。
5A、5B、5C、5D…柱部材 11a、11b…スペーサ 12…第1の嵌合凹部
14…第2の嵌合凹部 25…回転部材
Claims (3)
- 断面正方形の角材によって床材と棒材とスペーサが構成されており、
床面に2本の床材がそれぞれの端部が直交状態に交差して上下に重なるように配置されて交差部位が形成され、
柱部材は、4本の棒材と、前記棒材間に設けられた4本のスペーサが束状に結合して全体の上下端の投影形状が前記棒材を角部にした正方形状になり、且つ、前記スペーサの下端位置を前記棒材の下端位置と異ならせることにより、上方から嵌合する4つの嵌合凹部が形成されており、
前記交差部位の床材に前記4つの嵌合凹部がそれぞれのスペーサの下端が前記床材に当接しながら嵌合されることで、前記2本の床材の直交状態を拘束しつつ、前記2本の床材の支持で前記柱部材が自立した状態に保持されていることを特徴とする柱の仮保持構造。 - 請求項1に記載した柱の仮保持構造において、
棒材、スペーサ、棒材の角材3本分を水平に貫通する長ボルト及びナットによる締結で、各スペーサは棒材間の対向隙間に固定されていることを特徴とする仮保持構造。 - 請求項1または2に記載した柱の仮保持構造において、
柱部材の4本のスペーサは同じ長さであり、一方の対向する一対のスペーサは床面との間に角材1本分を収容する嵌合凹部を形成し、他方の対向する一対のスペーサは床面との間に角材2本分を収容する嵌合凹部を形成するものであることを特徴とする仮保持構造。
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