JP2020100931A - ドラフト部を有するリング精紡機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボトムローラ群がねじれによっても長さの膨張によっても過剰に荷重をかけられて、その際に損傷されることがないようにドラフト部が構成されたリング精紡機を提供する。【解決手段】ドラフト部を有するリング精紡機で、ドラフト部は、ローラ対偶によって形成され、ローラ対偶は、それぞれ異なる回転速度で回転するとともに、機械長さのボトムローラ群21uを有し、ボトムローラ群は、部分的に溝目付けられたローラセグメント34、48から構成され、ボトムローラ群には、それぞれ長さ補償装置31が備え付けら、ボトムローラ群に組み込まれた長さ補償装置が、それぞれボトムローラ群に関して長さ補償およびトルク伝達の両方が可能であるように構成されかつ配置されている。【選択図】図4

Description

本発明は、ドラフト部を有するリング精紡機であって、ドラフト部は、ローラ対偶によって形成され、ローラ対偶は、それぞれ異なる回転速度で回転するとともに、機械長さのボトムローラ群を有し、ボトムローラ群は、部分的に溝目付けられたローラセグメントによって形成され、ボトムローラ群には、それぞれ長さ補償装置が備え付けられている、リング精紡機に関する。
機械正面側の領域および機械背面側の領域の両方において機械長さのドラフト部アセンブリが位置決めされたリング精紡機は、長年来知られていて、数多くの特許出願に一部が詳説されている。
そのような機械長さのドラフト部アセンブリは、ボトムローラを有し、ボトムローラは、通常は、機械長さのボトムローラ群によって形成され、ボトムローラ群自体は、相対回動不能に相互に結合された複数のローラセグメントからなる。
作業ユニットの領域では、ボトムローラ群の上にトップローラが載置し、トップローラは、ボトムローラ群によって摩擦接続式に連行され、ボトムローラ群と相俟ってローラ対偶を形成する。この場合、機械長さのボトムローラ群は、たいてい、繊維機械の駆動フレーム内において機械端部側に配置された比較的強い電動モータによって駆動され、電動モータは、たとえば介在された減速伝動装置を介して、フロントローラ対偶、ミドルローラ対偶およびバックローラ対偶がそれぞれ異なる回転数で回転し、その際、提供された繊維材料を適正に延伸するよう働く。
最新のリング精紡機で使用され、たとえば米国特許第7937924号明細書に記載されているように、高性能のドラフト部の場合には、ドラフト部のミドルローラ対偶に、さらに、いわゆるエプロンが備え付けられていることが多い。そのようなドラフト部のボトムローラ群は、通常は、さらに、いわゆるローラスタンドの領域に回転可能に支持されており、この場合、フロントボトムローラは、多くの場合、ローラスタンド上で設定通りに摺動可能に配置されたスライダに支持されていて、これにより予備ドラフト域のドラフト幅が調整可能である。ミドルローラ対偶およびバックローラ対偶のボトムローラ群も、多くの場合、ローラスタンド上で、対応する軸受装置内に支持されている。
ただし、通常は、それぞれ複数のドラフト部のうちの1つによって操作される、相並んで配置された多数の作業ユニットを有する、このように構成されたリング精紡機では、ドラフト部の領域において、適切な対策が講じられていない場合には、様々な問題が発生することが多い。ボトムローラ群のドラフトローラは、たとえば導入されるトルクによって、比較的強くある種のねじり荷重がかけられるだけでなく、加温に基づいてドラフトローラの長さの膨張が発生することも多い。この場合、特に、個々のボトムローラ群のねじれの程度は、さまざまな要因に、たとえばドラフトローラの直径、軸受摩擦、エプロンの引張りによる拘束などに依存し、それぞれ大きく異なってしまうおそれがある。
ボトムローラ群のドラフトローラにおける様々なねじれは、ドラフト部の走行中に必ずしも不都合な影響を及ぼすものではないが、ドラフトローラにおけるねじれが時間とともに様々に増減するので、ドラフト部の加速または減速時にドラフトエラーが生じることがよくある。つまり、ドラフトローラのねじれがこのドラフトローラの上流側または下流側に接続されたドラフトローラに対して進んでいるのかまたは遅れているのかに応じて、糸に細い箇所または太い箇所が生じ、これが品質の低下を成すまたは糸切れをもたらすおそれがある。
ドラフト部において、特にボトムローラ群が比較的長い場合にそれぞれ異なるねじれを可能な限り阻止する、または少なくとも不都合ではない値へと低減するために、これまでにすでに様々な提案が成された。
たとえば、ボトムローラ群の、ドラフト部駆動装置とは反対側の端部に、別の歯車伝動装置を配置することが提案されており、この別の歯車伝動装置は、ドラフト部の始動時、運転停止時または静止時に発生する、ボトムローラ群の様々な角度位置が少なくとも維持されるように働く。
さらに、ドラフト部が長いリング精紡機に関連して、これまでに、ボトムローラ群にドラフト部伝動装置が備え付けられており、ドラフト部伝動装置は、それぞれボトムローラ群の長さのほぼ中央に配置されていて、長いボトムローラ群の各々の少なくともその1つの自由端に、トルクを導入する補助モータが備え付けられていることも提案されている。
ただし、ドラフトローラの長さの中央の領域にドラフト部伝動装置を配置することは、作業ユニットの一連の分割がその箇所で中断され、これによりリング精紡機の構造が著しく複雑化されるという重大な欠点を有する。
たとえば独国特許出願公開第102015010854号明細書に記載された別の同等の提案によれば、ボトムローラ群の両端に、強力な駆動装置が使用され、このようにして、ボトムローラ群におけるねじれが可能な限り回避される。
さらに、たとえば独国特許出願公開第102005054817号明細書において、リング精紡機が公知であり、そのリング精紡機のドラフト部は、機械入口側に、主駆動装置を有するとともに、ボトムローラ群の延在部分に別の補助駆動装置を有する。この公知の、比較的複雑なドラフト部アセンブリも、実地において達成することができなかった。
ドラフト部ローラの制御不能な長さの膨張もリング精紡機における重大な運転トラブルを招いてしまうおそれがあるので、この問題に関しても、すでにさまざまな解決手段の提案が成されている。
実地において、機械長さの複数のドラフト部を有するリング精紡機に関連して、たとえば、これらのドラフト部のボトムローラ群が、それぞれほぼ同一の長さの2つのローラセグメントからなり、ローラセグメント自体は、複数のローラ部材から構成されていることが広く知られている。ほぼ同一の長さの2つのローラセグメントは、それぞれ端部側で、駆動装置に接続されていて、リング精紡機のほぼ中央の領域で、いわゆるシリンダ分離部を介して軸方向に摺動可能であるが、相対回動不能に結合されていない。つまり、そのような公知のシリンダ分離部によって、ローラセグメントの、熱に起因する長さの膨張を補償することはできるが、そのようなシリンダ分離部を用いて、一方のローラセグメントから他方のローラセグメントへトルクを伝達することはできない。
別の公知の構成では、機械長さのドラフト部において、それぞれボトムローラ群の始端部に、カルダン軸が組み込まれており、カルダン軸は、リング精紡機の運転中に発生する、該当するボトムローラ群の長さの膨張を補償する。ただし、このような構造は、極めて複雑であるのみならず、さらに、このような構成では、ボトムローラ群の長さの膨張の全体が専ら一方向に作用し、これは大いに問題である。
前述の従来技術から出発して、本発明の根底を成す課題は、ボトムローラ群がねじれによっても長さの膨張によっても過剰に荷重をかけられて、その際に損傷されることがないようにドラフト部が構成されたリング精紡機を提供することである。
この課題は、本発明によれば、ボトムローラ群に組み込まれた長さ補償装置が、それぞれボトムローラ群に関して長さ補償およびトルク伝達の両方が可能であるように構成されかつ配置されていることにより解決される。
本発明の好ましい形態は、従属請求項の対象である。
すなわち、本発明による、長さ補償装置の構成および配置により、リング精紡機の運転中に駆動装置によってボトムローラ群に導入されるトルクが常にボトムローラ群の全長にわたって伝達されることが確実に保証されるだけではなく、必要な場合には、長さ補償装置によって、ボトムローラ群の領域に発生する、通常は熱に起因する長さの膨張の補償を直ちに行うことも保証される。
この場合、有利な形態によれば、長さ補償装置が、それぞれ補償軸と保持部とを有し、補償軸と保持部とは、形状接続式(嵌め合いによる係合に基づく接続)の軸ハブ結合部を形成し、補償軸は、好ましくはP4C多角形プロファイル(ドイツ工業規格32712に規定される断面形状)を有する。そのようなP4C多角形プロファイルは、多くの場合の従来の軸方向に摺動可能なプロファイルとは異なり、切欠効果を有しない。つまり、P4C多角形プロファイルを有する軸にはねじり荷重だけが加えられるので、そのような多角形軸は、たとえばスプライン軸プロファイルよりも約30%高い疲労強度を有する。
好ましくは、補償軸が、軸受スリーブを介して、ボトムローラ軸受に回転可能に支持されている。ボトムローラ群のローラセグメントは、好ましくは、それぞれ保持部を介して軸方向に摺動可能に補償軸に結合されている。ボトムローラ群のローラセグメントは、好ましくは、それぞれ保持部を含む接続部材を有する。
そのような形態は、特に、ボトムローラ群の、該当するローラセグメントが、本発明による長さ補償装置の補償軸を介して、駆動に関して確実に相互に接続されるだけではなく、ボトムローラ群内に回転可能に支持された軸受スリーブを介して、確実にかつ規定通りに位置決めされているという利点を有する。
さらに、ボトムローラ群のローラセグメントの付属の保持部と相俟って、本発明による補償軸の設計により、リング精紡機の紡績運転中に、ボトムローラ群のローラセグメントの、たとえば熱に起因する長さの変化が発生すると、長さの変化が、常に、補償軸と保持部との間の軸方向の摺動によって直ちに補償されることも保証される。
有利な形態では、保持部を有する接続部材が、それぞれ圧入によって、ボトムローラ群のローラセグメントのうちの1つに相対回動不能に取り付けられている。そのような構成により、ボトムローラ群のローラセグメントの端部側の領域において、確実で耐久性のある接続装置を比較的容易に実現することができ、さらに、この接続装置は、比較的低コストで製造される。
ボトムローラ軸受が、長さ補償装置に対して、リング精紡機のほぼ機械中央の領域に配置されたローラスタンド上に支持されていても、極めて有利な形態が得られる。そのような支持により、ボトムローラ群のローラセグメントがその全長にわたって、特に長さ補償装置の領域でも、適正に回転可能に支持されていることが比較的容易に保証される。
好ましくは、ボトムローラ軸受は、補償軸が装着された軸受スリーブが旋回部材の旋回により開放可能なボトムローラ軸受内に上方から挿入可能であり、かつボトムローラ内にロック可能であるように構成されている。軸受スリーブが、常に比較的問題なく、かつ大きな時間コストをかけずにボトムローラ軸受内に位置決め可能であるとともに、そこに固定可能であるので、そのような構成により、たとえば損耗したまたは傷んだボトムローラ群の交換が著しく容易化されるとともに簡素化される。
代替的な形態では、長さ補償装置は、原則として、軸ハブ結合部によって形成することもでき、軸ハブ結合部の補償軸は、スプライン軸として構成されており、スプライン軸は、保持部における対応する内側センタリング部に対応する。ただし、上述の記載において示唆したように、スプライン軸を有する長さ補償装置は、補償軸がP4C多角形プロファイルを有する長さ補償装置と比較して、スプライン軸では、長期的に見て、長さ補償装置の疲労強度に不都合な影響を及ぼし得る切欠効果が発生するという重大な欠点を有する。P4C多角形プロファイルは、他の形状接続式の軸ハブ結合部と比較してより高いトルク伝達を可能にする、または同一のトルクでは相応により小さく構成することができる。P4C多角形プロファイルによって、トルクおよび中央の荷重を受けて、軸とハブとが相互に特に良好に長さ方向に摺動することが可能である。これにより、長さ補償装置の間の距離またはローラセグメントの長さは、60メートル超であってよい。
以下、本発明を、図示された実施形態に基づいて詳説する。
ドラフト部がローラ対偶を有し、ボトムローラ群にそれぞれ本発明に従って構成された長さ補償装置が備え付けられた、リング精紡機を示す。 通例のようにフロントローラ対偶とミドルローラ対偶とバックローラ対偶とを有する、リング精紡機のドラフト部を拡大側面図で示す。 リング精紡機のドラフト部アセンブリにおけるボトムローラ群を大まかな概略平面図で示す。 ボトムローラ群の2つのローラセグメントと、ローラセグメントの間に配置された、本発明に従って構成された長さ補償装置とをわずかに斜めに見た斜視図で示す。 図4による長さ補償装置の個々の部品を斜視図で示す。 組付け状態で、図4による長さ補償装置を部分断面側面図で示す。
図1は、リング精紡機1を概略横断面図で示している。リング精紡機1のドラフト部10は、それぞれローラ対偶21,22,23を有し、この場合、ボトムローラ群21u,22u,23uには、それぞれ本発明に従って構成された長さ補償装置31が備え付けられている。
図示の実施形態では、リング精紡機1は、架台2を有し、架台2から、鉛直のスタンド管体3が、上向きに延在しており、スタンド管体3は、横断面で好ましくは矩形に構成された吸込ダクト4を支持する。スタンド管体3に、ブリッジ部材5が取り付けられており、ブリッジ部材5自体は、機械長手方向に延在する相互に平行の2つの支持管6を保持し、支持管6には、複数のリング精紡用スピンドル7に対する軸受ハウジングが固定されており、リング精紡用スピンドル7上で、紡績運転中に、紡績コップ8が巻き取られる。
図示の実施形態では、いわゆるローラスタンド9が、機械長手方向に延在する2つの支持管11に取り付けられている。ローラスタンド9上に、ドラフト部10のボトムローラ群21u,22u,23uが支持されており、ボトムローラ群21u,22u,23uは、それぞれローラ対偶21,22,23を成しており、ローラ対偶21,22,23は、それぞれ異なる回転数で回転し、その際、粗糸材料12を延伸する。
リング精紡機1は、さらに、粗糸材料クリール14に対する、鉛直に配置された支柱13を有する。本実施形態では、粗糸材料クリール14に粗糸ボビン15が垂下されており、粗糸ボビン15の粗糸材料12は、変向ロッド24またはこれに類するものを介して変向され、ドラフト部10によって引き出される。
吸込ダクト4の側方には、さらに、リング精紡機1の運動機構25の一部が組み付けられている。つまり、この領域には、リングレール18用のリフト装置、バルーンコントロールリング19および鉛直に摺動可能に支持された糸ガイド20が配置されている。
リング精紡機1の架台2のアーム32に、さらに、ボビン交換装置33が組み付けられており、ボビン交換装置33は、主に、せん断アームを有する複数のせん断システムと、グリッパバーと、グリッパバーに配置された空管グリッパとからなる。この場合、せん断システムは、リング精紡機1に沿って走行する押出し/引張り管によって作動可能である。
図2は、ドラフト部10を拡大側面図で示しており、ドラフト部10の機械長さ方向に延在する、駆動可能なボトムローラ群21u,22u,23uに、それぞれ本発明に従って構成された長さ補償装置31が備え付けられている。公知のように、そのようなドラフト部10は、ボトムローラ群21u,22u,23uに加えて、トップローラ21o,22o,23oをも有し、トップローラ21o,22o,23oは、紡績運転中にボトムローラ群21u,22u,23uに載置し、ボトムローラ群21u,22u,23uによって摩擦接続式に連行される。
この場合、ボトムローラ群21u,22u,23uは、たとえば、スライダ41を介してローラスタンド9に支持されており、この場合、ボトムローラ群21u,22u,23uの正確な組込み位置、すなわちスライダ41同士の距離は、対応するスクリューボルトなどによって調整可能である。
機械長さのボトムローラ群21u,22u,23uは、通常は、それぞれ作業面の領域にそれぞれ構造化部40が備え付けられた複数のローラセグメント部材から構成されている。この場合さらに、図3に示されているように、ボトムローラ群21u,22u,23uは、機械端部側に配置された駆動装置27を介して所定の形で駆動可能である。つまり、ボトムローラ群21u,22u,23uは、たとえば変速歯車伝動装置として構成された減速伝動装置29を介して電動モータ駆動装置28に接続されており、これによりボトムローラ群21u,22u,23uの回転数が設定可能である。この場合、ボトムローラ群21u,22u,23uの回転数を介して、フロントローラ対偶21とミドルローラ対偶22との間に位置する予備ドラフト域35のドラフト値と、ミドルローラ対偶22とバックローラ対偶23との間に配置された主ドラフト域36のドラフト値との両方が所定の形で調整可能である。
図2からさらに分かるように、ローラスタンド9に、保持ロッド16を介して、支持体45が固定されており、支持体45に、それぞれドラフト部10の揺動キャリア26および荷重アーム17が支持されている。この場合、揺動キャリア26に、公知のように、対応する(図示されていない)保持要素を介して、対偶を成すような配置形式で、ドラフト部10のトップローラ21o,22o,23oが支持されている。
図3は、リング精紡機1のドラフト部10のボトムローラ群21u,22u,23uを概略平面図で示している。
すでに前述の記載で示唆されたように、これらのボトムローラ群21u,22u,23uは、それぞれ相対回動不能に相互に結合された複数のローラセグメント34,48などからなる。ボトムローラ群21u,22u,23uは、規則的な間隔を置いて、ローラスタンド9に支持されていて、機械入口側に配置された、たとえば給電網44からエネルギが供給される電動モータ28と減速伝動装置29とを有する駆動装置27によって回転させられる。つまり、ボトムローラ群21u,22u,23uは、減速伝動装置29の変速歯車装置によって、形状接続式にかつ摩擦接続式に相互に接続されている。
本実施形態では、さらに、リング精紡機1の、駆動装置27とは反対側に、別の駆動装置46が配置されており、この駆動装置46の伝動装置37も同様にボトムローラ群21u,22u,23uに連結されている。
伝動装置37は、ボトムローラ群21u,22u,23uの回転数が相互に正確に調整維持されるように配慮するものであって、この伝動装置37は、さらに、示唆されているように、電動モータ47によって駆動力を供給することができる。
ボトムローラ群21u,22u,23uには、さらに、リング精紡機1のほぼ機械中央30の領域において、それぞれ本発明に従って構成された長さ補償装置31が備え付けられている。つまり、長さ補償装置31は、ボトムローラ群21u,22u,23uに関してトルクの伝達と熱に起因する長さ補償との両方が可能であるように構成されかつ配置されている。
本発明に従って構成された長さ補償装置31の正確な実施形態について、図4、図5および図6に基づいて以下に詳説する。
図4は、リング精紡機1のドラフト部10のボトムローラ群21uの中間部分をわずかに斜めに見た斜視図で示している。
公知のように、そのようなボトムローラ群21uは、組み込まれる前に相対回動不能に相互に結合される複数のローラセグメントからなる。この種のボトムローラ群21uは、たとえば、図3〜図6に示されているように、とりわけ中央のローラセグメント34,48を有し、その間に、本発明に従って以下のように構成された長さ補償装置31が組み込まれている。
長さ補償装置31は、有利な実施形態では、たとえば特に図5から分かるように、補償軸38と、軸受スリーブ39と、ボトムローラ軸受42と、接続部材43とからなる。補償軸38は、いわゆるP4C多角形プロファイルを有するとともに、好ましくは表面硬化されており、この補償軸38は、組込み状態で、軸受スリーブ39内に固定されており、軸受スリーブ39自体は、ボトムローラ軸受42内に回転可能に位置決めされており、ボトムローラ軸受42は、好ましくはリング精紡機1のほぼ機械中央30の領域に配置されたローラスタンド9に支持されている。
図6に示された組付け状態では、補償軸38は、接続部材43に接続されており、接続部材43自体は、たとえば圧入によって、ローラセグメント34,48内に取り付けられている。すなわち、接続部材43は、それぞれ好ましくは同様に表面硬化された中央の保持部49を有し、保持部49は、接続部材43ひいてはローラセグメント34,48が補償軸38上で軸方向に摺動可能であるように、補償軸38のP4C多角形プロファイルに適合されかつ調整されている。
補償軸38上での接続部材43のそのような軸方向の摺動は、とりわけ、常に、ボトムローラ群21u,22u,23uの、熱に起因する長さの膨張が生じるときに起こる。その上これと同時にP4C多角形プロファイルが比較的大きなトルクを問題なく伝達することができるので、ボトムローラ群21u,22u,23uのそのような長さの膨張によってリング精紡機の運転が妨げられることはない。
すでに説明したように、P4C多角形プロファイルの場合には、トルク伝達時に切欠効果が発生することもないので、P4C多角形プロファイルは、従来のスプライン軸プロファイルよりも30%高い疲労強度を有する。
1 リング精紡機
2 架台
3 スタンド管体
4 吸込ダクト
5 ブリッジ部材
6 支持管
7 リング精紡用スピンドル
8 紡績コップ
9 ローラスタンド
10 ドラフト部
11 支持管
12 粗糸材料
13 支柱
14 粗糸材料クリール
15 粗糸ボビン
16 保持ロッド
17 荷重アーム
18 リングレール
19 バルーンコントロールリング
20 糸ガイド
21u ボトムローラ群
21o トップローラ
22u ボトムローラ群
22o トップローラ
23u ボトムローラ群
23o トップローラ
24 変向ロッド
25 運動機構
26 揺動キャリア
27 駆動装置
28 電動モータ
29 減速伝動装置
30 機械中央
31 長さ補償装置
32 アーム
33 ボビン交換装置
34 ローラセグメント
35 予備ドラフト域
36 主ドラフト域
37 伝動装置
38 補償軸
39 軸受スリーブ
40 構造化部
41 スライダ
42 ボトムローラ軸受
43 接続部材
44 給電網
45 支持体
46 駆動装置
47 電動モータ
48 ローラセグメント
49 保持部

Claims (10)

  1. ドラフト部(10)を有するリング精紡機(1)であって、
    前記ドラフト部(10)は、ローラ対偶(21,22,23)によって形成され、前記ローラ対偶(21,22,23)は、それぞれ異なる回転速度で回転するとともに、機械長さ方向に延在するボトムローラ群(21u,22u,23u)を有し、前記ボトムローラ群(21u,22u,23u)は、部分的に溝目付けられたローラセグメント(34,48)によって形成され、前記ボトムローラ群(21u,22u,23u)には、それぞれ長さ補償装置(31)が備え付けられている、リング精紡機(1)において、
    前記ボトムローラ群(21u,22u,23u)に組み込まれた前記長さ補償装置(31)は、それぞれ前記ボトムローラ群(21u,22u,23u)に関して長さ補償およびトルク伝達の両方が可能であるように構成されかつ配置されていることを特徴とする、リング精紡機(1)。
  2. 前記長さ補償装置(31)は、補償軸(38)と保持部(49)とを有し、前記補償軸(38)と前記保持部(49)とは、形状接続式の軸ハブ結合部を形成することを特徴とする、請求項1記載のリング精紡機(1)。
  3. 前記補償軸は、P4C多角形プロファイルを有することを特徴とする、請求項2記載のリング精紡機(1)。
  4. 前記補償軸は、前記保持部(49)における対応する内側センタリング手段に対応するスプライン軸として構成されていることを特徴とする、請求項2記載のリング精紡機(1)。
  5. 前記補償軸(38)は、軸受スリーブ(39)を介して、ボトムローラ軸受(42)に回転可能に支持されていることを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項記載のリング精紡機(1)。
  6. 前記ボトムローラ群(21u,22u,23u)の前記ローラセグメント(34,48)は、それぞれ前記保持部(49)を介して軸方向に摺動可能に前記補償軸(38)に結合されていることを特徴とする、請求項2から5までのいずれか1項記載のリング精紡機(1)。
  7. 前記ボトムローラ群(21u,22u,23u)の前記ローラセグメント(34,48)は、それぞれ前記保持部(49)を含む接続部材(43)を有することを特徴とする、請求項2から6までのいずれか1項記載のリング精紡機(1)。
  8. 前記接続部材(43)は、それぞれ圧入によって、前記ボトムローラ群(21u,22u,23u)の前記ローラセグメント(34,48)のうちの1つに相対回動不能に取り付けられていることを特徴とする、請求項7記載のリング精紡機(1)。
  9. 前記ボトムローラ軸受(42)は、前記リング精紡機(1)のほぼ機械中央(30)の領域に配置されたローラスタンド(9)上に支持されていることを特徴とする、請求項5から8までのいずれか1項記載のリング精紡機(1)。
  10. 前記ボトムローラ軸受(42)は、補償軸(38)が装着された軸受スリーブ(39)が開放可能な前記ボトムローラ軸受(42)内に上方から挿入可能であり、かつ前記ボトムローラ軸受(42)内にロック可能であるように構成されていることを特徴とする、請求項5から9までのいずれか1項記載のリング精紡機(1)。
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