次に、本発明を実施するための形態を、図に示す好ましい一具体例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1から図9において、本例の孔開け装置1は、凹所又は貫通孔、本例では貫通孔2を形成すべきガラス板3が外部から人手、搬入機械(搬入ロボット)等により位置決めされて載置されるガラス板載置装置4と、ガラス板3の搬送方向Aにおいてガラス板載置装置4よりも下流側に設けられていると共に凹所又は貫通孔、本例では貫通孔5を形成すべきガラス板6が外部から人手、搬入機械(搬入ロボット)等により位置決めされて載置されるガラス板載置装置7と、ガラス板6の搬送方向Aにおいてガラス板載置装置7よりも下流側に設けられていると共にガラス板3を支持する支持装置8と、搬送方向Aにおいて支持装置8よりも下流側に設けられていると共にガラス板6を支持する支持装置9と、支持装置8に支持されたガラス板3に貫通孔2を形成する孔形成装置10と、支持装置9に支持されたガラス板6に貫通孔5を形成すると共に搬送方向Aにおいて孔形成装置10よりも下流側に設けられた孔形成装置11と、ガラス板載置装置4に載置されたガラス板3を搬送方向Aにおいて上流側の支持装置8に、ガラス板載置装置7に載置されたガラス板6を搬送方向Aにおいて支持装置8よりも下流側に設けられた支持装置9に夫々同時的に搬送する一方、孔形成装置10により貫通孔2が形成されたガラス板3を支持装置8から、孔形成装置11により貫通孔5が形成されたガラス板6を支持装置9からコンベア装置12に夫々同時的に搬出する搬送、搬出装置13とを具備している。
ガラス板載置装置4は、基台フレーム21に立設された支柱22と、支柱22の上面に設けられていると共に載置されたガラス板3を空気吸引固定する吸盤機構付の載置台23とを具備しており、ガラス板載置装置4に対して搬送方向Aにおいて下流側に離間して配されたガラス板載置装置7も、ガラス板載置装置4と同様に、基台フレーム21に立設された支柱24と、支柱24の上面に設けられていると共に載置されたガラス板6を空気吸引固定する吸盤機構付の載置台25とを具備しており、載置台23及び25の上面の夫々に、貫通孔2及び5の夫々を形成すべきガラス板3及び6の夫々が外部から人手、搬入機械(搬入ロボット)等により載置される。
支持装置8は、基台フレーム21に立設された支柱31と、支柱31に鉛直軸心O1を中心として方向R1に回転自在に取付けられていると共に支持するガラス板3を空気吸引固定する吸盤機構付の支持台32と、支柱31内に配されていると共に支持台32を鉛直軸心O1を中心として方向R1に回転させる回転装置33とを具備しており、支持装置8に対して搬送方向Aにおいて下流側に離間して配された支持装置9も、支持装置8と同様に、基台フレーム21に立設された支柱35と、支柱35に鉛直軸心O2を中心として方向R2に回転自在に取付けられていると共に支持するガラス板6を空気吸引固定する吸盤機構付の支持台36と、支柱35内に配されていると共に支持台36を鉛直軸心O2を中心として方向R2に回転させる回転装置37とを具備している。
孔形成装置10と孔形成装置11とは、互いに同一に形成されているので、以下、孔形成装置10について詳細に説明し、孔形成装置11については、必要に応じて図面に同一の数字符号に符号aを付してこれらの詳細な説明を省略する。
孔形成装置10は、搬送方向Aに対して平行に伸びた一対の横フレーム41に搬送方向A及びその逆方向(戻り方向又は復帰方向)である復帰方向Bにおいて移動自在に吊下された可動台42と、可動台42に設けられた孔形成機構43と、孔形成機構43に対して搬送方向Aの下流側において可動台42に設けられた孔形成機構44と、可動台42を搬送方向Aに平行な方向に移動させる移動機構45とを具備しており、横フレーム41は、基台フレーム21に立設された二対の縦フレーム46の夫々を橋絡した支持フレーム47に支持されており、可動台42は、横フレーム41の下面に取付けられていると共に搬送方向Aに平行に伸びた一対の案内レール部材48と、一対の案内レール部材48の夫々に搬送方向A及び復帰方向Bに移動自在に嵌合されていると共に可動台42に取付けられたスライダ49とを具備した吊下機構を介して横フレーム41の下面に搬送方向A及び復帰方向Bにおいて移動自在に吊下されており、孔形成機構43と孔形成機構44とは、互いに同様に形成されている。
孔形成機構43は、ガラス板3の上面51に凹所52を形成する凹所形成ヘッド53と、ガラス板3の下面54に凹所52に連通する凹所55を形成する凹所形成ヘッド56とを具備している。
凹所形成ヘッド53は、ガラス板3の上面51に当接して凹所52を形成する凹所形成ドリル61と、凹所形成ドリル61を回転させるスピンドルモータ62と、凹所形成ドリル61をガラス板3の面に直交する方向、本例では、鉛直方向Vに移動させるドリル移動装置63とを具備しており、凹所形成ドリル61は、スピンドルモータ62の出力回転軸の一端に連結されている。
凹所形成ヘッド53に対して鉛直方向Vに関して対称に同様に形成された凹所形成ヘッド56は、ガラス板3の下面54に当接して凹所55を形成すると共に凹所形成ドリル61の径と同じ径をもった凹所形成ドリル71と、凹所形成ドリル71を回転させるスピンドルモータ72と、凹所形成ドリル71をガラス板3の面に直交する方向、本例では鉛直方向Vに移動させるドリル移動装置73とを具備しており、凹所形成ドリル61に鉛直方向Vで対向して配されている凹所形成ドリル71は、スピンドルモータ72の出力回転軸の一端に連結されていている。
ドリル移動装置63は、可動台42に設けられた電動モータ81と、可動台42に鉛直方向Vに伸びて設けられた一対の案内レール82と、スピンドルモータ62が搭載されていると共に案内レール82に鉛直方向Vに移動自在に嵌合されたスライダ83と、一対の案内レール82間において可動台42に鉛直方向Vに伸びて回転自在に設けられていると共に一端では電動モータ81の出力回転軸に連結された螺子軸84と、螺子軸84に螺合していると共にスライダ83に固定されたナット部材85とを具備しており、ドリル移動装置63は、電動モータ81の作動での螺子軸84の回転でナット部材85を介して案内レール82の案内でスライダ83を鉛直方向Vに移動させて、凹所形成ドリル61をガラス板3の下面54に対してその上面51から接近、離反させるようになっている。
ドリル移動装置73は、可動台42に設けられた電動モータ91と、可動台42に鉛直方向Vに伸びて設けられた一対の案内レール92と、スピンドルモータ72が搭載されていると共に案内レール92に鉛直方向Vに移動自在に嵌合されたスライダ93と、一対の案内レール92間において可動台42に鉛直方向Vに伸びて回転自在に設けられていると共に一端では電動モータ91の出力回転軸に傘歯車機構を介して連結された螺子軸94と、螺子軸94に螺合していると共にスライダ93に固定されたナット部材95とを具備しており、ドリル移動装置73は、電動モータ91の作動での螺子軸94の回転でナット部材95を介して案内レール92の案内でスライダ93を鉛直方向Vに移動させて、凹所形成ドリル71をガラス板3の上面51に対してその下面54から接近、離反させるようになっている。
孔形成機構44は、ガラス板3の上面51から凹所102を形成する凹所形成ヘッド103と、ガラス板3の下面54に凹所102に連通する凹所105を形成する凹所形成ヘッド106とを具備している。
凹所形成ヘッド103は、鉛直軸の周りでの回転で上面51からガラス板3を切削して凹所102を形成すると共に凹所形成ドリル61の径よりも大きい径を有した大径の凹所形成ドリル111と、凹所形成ドリル111を鉛直軸の周りで回転させるスピンドルモータ112と、凹所形成ドリル111をガラス板3の面に直交する鉛直方向Vに移動させるドリル移動装置113とを具備しており、凹所形成ドリル111は、スピンドルモータ112の出力回転軸の一端に連結されている。
凹所形成ヘッド103に対して鉛直方向Vに関して対称に同様に形成された凹所形成ヘッド106は、鉛直軸の周りでの回転で下面54からガラス板3を切削して凹所105を形成すると共に凹所形成ドリル111の径と同じ径をもった凹所形成ドリル121と、凹所形成ドリル121を鉛直軸の周りで回転させるスピンドルモータ122と、凹所形成ドリル121をガラス板3の面に直交する鉛直方向Vに移動させるドリル移動装置123とを具備しており、凹所形成ドリル121は、スピンドルモータ122の出力回転軸の一端に連結されていており、凹所形成ドリル121は、凹所形成ドリル111に鉛直方向Vで対向して配されている。
ドリル移動装置113は、ドリル移動装置63と同様に、可動台42に設けられた電動モータ131と、可動台42に鉛直方向Vに伸びて設けられた一対の案内レール132と、スピンドルモータ112が搭載されていると共に案内レール132に鉛直方向Vに移動自在に嵌合されたスライダ133と、一対の案内レール132間において可動台42に鉛直方向Vに伸びて回転自在に設けられていると共に一端では電動モータ131の出力回転軸に連結された螺子軸(図示せず、ドリル移動装置63の螺子軸84に相当)と、この螺子軸に螺合していると共にスライダ133に固定されたナット部材(図示せず、ドリル移動装置63のナット部材85に相当)とを具備しており、ドリル移動装置113は、ドリル移動装置63と同様に、電動モータ131の作動での図示しない螺子軸の回転で同じく図示しないナット部材を介して案内レール132の案内でスライダ133を鉛直方向Vに移動させて、凹所形成ドリル111をガラス板3の下面54に対してその上面51から接近、離反させるようになっている。
ドリル移動装置123は、ドリル移動装置73と同様に、可動台42に設けられた電動モータ141と、可動台42に鉛直方向Vに伸びて設けられた一対の案内レール142と、スピンドルモータ122が搭載されていると共に案内レール142に鉛直方向Vに移動自在に嵌合されたスライダ143と、一対の案内レール142間において可動台42に鉛直方向Vに伸びて回転自在に設けられていると共に一端では電動モータ141の出力回転軸に傘歯車機構を介して連結された螺子軸(図示せず、ドリル移動装置73の螺子軸94に相当)と、この螺子軸に螺合していると共にスライダ143に固定されたナット部材(図示せず、ドリル移動装置73のナット部材95に相当)とを具備しており、ドリル移動装置123は、ドリル移動装置73と同様に、電動モータ141の作動での図示しない螺子軸の回転で同じく図示しないナット部材を介して案内レール142の案内でスライダ143を鉛直方向Vに移動させて、凹所形成ドリル121をガラス板3の上面51に対してその下面54から接近、離反させるようになっている。
移動機構45は、横フレーム41に設けられた電動モータ151と、搬送方向Aにおける各端部で横フレーム41の下面に回転自在に支持された螺子軸152と、螺子軸152に螺合していると共に可動台42の上面に設けられたナット部材153と、電動モータ151の出力回転軸154に固着されたプーリ部材155と、螺子軸152の一端に固着されたプーリ部材156と、プーリ部材155及び156に掛け回されたベルト部材157とを具備しており、移動機構45は、電動モータ151の作動による出力回転軸154の回転でプーリ部材155、ベルト部材157及びプーリ部材156を介して螺子軸152を回転させ、螺子軸152の回転でナット部材153を介して可動台42を搬送方向Aに平行な方向に移動させるようになっている。
搬送、搬出装置13は、載置台23に載置されたガラス板3を支持台32に、載置台25に載置されたガラス板6を支持台36に夫々同時的に搬送する動作を繰り返す搬送装置161と、支持台32に搬入されたガラス板3の貫通孔2の形成中においてガラス板3を支持台32に押し付けると共に支持台36に搬入されたガラス板6の貫通孔5の形成中においてガラス板6を支持台36に押し付ける一方、貫通孔2が形成されたガラス板3を支持台32から、貫通孔5が形成されたガラス板6を支持台36からコンベア装置12に夫々同時的に搬出する動作を繰り返す搬出装置162と、搬送装置161及び搬出装置162を搬送方向A及び復帰方向Bに往復動させる共通の往復動装置163とを具備している。
搬送装置161は、載置台23に載置されて当該載置台23の吸盤機構による吸着解除がなされたガラス板3を吸着する一方、吸着したガラス板3を支持台32上において吸着解除して当該ガラス板3を支持台32に載置する吸盤装置171と、載置台23に載置されたガラス板3の吸着において吸盤装置171をガラス板3の上面51に接触させる一方、ガラス板3の支持台32への搬送においてガラス板3を載置台23から鉛直方向Vに関して離反させ、しかも、ガラス板3の支持台32上への到達において吸盤装置171に吸着されたガラス板3の下面54を支持台32に接触させる一方、ガラス板3の支持台32への搬送後の空の吸盤装置171の載置台23への復帰方向Bの戻り移送において空の吸盤装置171を支持台32の上面から鉛直方向Vに関して離反させるべく、吸盤装置171を鉛直方向Vに関して上下動させる上下動装置172と、載置台25に載置されて当該載置台25の吸盤機構による吸着解除がなされたガラス板6を吸着する一方、吸着したガラス板6を支持台36において吸着解除して当該ガラス板6を支持台36に載置する吸盤装置173と、載置台25に載置されたガラス板6の吸着において吸盤装置173をガラス板6の上面51に接触させる一方、ガラス板6の支持台36への搬送においてガラス板6を載置台25から鉛直方向Vに関して離反させ、しかも、ガラス板6の支持台36上への到達において吸盤装置173に吸着されたガラス板6の下面54を支持台36に接触させる一方、ガラス板6の支持台36への搬送後の空の吸盤装置173の載置台25への復帰方向Bの戻り移送において空の吸盤装置173を支持台36の上面から鉛直方向Vに関して離反させるべく、吸盤装置173を鉛直方向Vに関して上下動させる上下動装置174と、上下動装置172及び174を相互に連結した連結部材175とを具備している。
搬出装置162は、支持台32に搬入されたガラス板3の孔形成装置10での貫通孔2の形成中においてガラス板3を支持台32に押し付けると共に貫通孔2の形成後に支持台32に支持されて当該支持台32の吸盤機構による吸着解除がなされたガラス板3を吸着する一方、吸着したガラス板3がコンベア装置12上に搬送させるとその吸着を解除する吸盤装置181と、搬送装置161により支持台32に搬入されたガラス板3の吸盤装置181による吸着において当該吸盤装置181をガラス板3の上面51に接触させる一方、ガラス板3の支持台32からコンベア装置12への搬出において吸盤装置181に吸着されたガラス板3を支持台32から鉛直方向Vに関して離反させ、しかも、ガラス板3のコンベア装置12上への到達において吸盤装置181に吸着されたガラス板3の下面54をコンベア装置12に接触させる一方、ガラス板3のコンベア装置12への搬出後の空の吸盤装置181の支持台32への復帰方向Bの戻り移送において空の吸盤装置181をコンベア装置12の上面から鉛直方向Vに関して離反させるべく、吸盤装置181を鉛直方向Vに関して上下動させる上下動装置182と、支持台36に搬入されたガラス板6の孔形成装置11での貫通孔5の形成中においてガラス板6を支持台36に押し付けると共に貫通孔5の形成後に支持台36に支持されて当該支持台36の吸盤機構による吸着解除がなされたガラス板6を吸着する一方、吸着したガラス板6がコンベア装置12上に搬送させるとその吸着を解除する吸盤装置183と、搬送装置161により支持台36に搬入されたガラス板6の吸盤装置183による吸着において当該吸盤装置183をガラス板6の上面51に接触させる一方、ガラス板6の支持台36からコンベア装置12への搬出において吸盤装置183に吸着されたガラス板6を支持台36から鉛直方向Vに関して離反させ、しかも、ガラス板6のコンベア装置12上への到達において吸盤装置183に吸着されたガラス板6の下面54をコンベア装置12に接触させる一方、ガラス板6のコンベア装置12への搬出後の空の吸盤装置183の支持台36への復帰方向Bの戻り移送において空の吸盤装置183をコンベア装置12の上面から鉛直方向Vに関して離反させるべく、吸盤装置183を鉛直方向Vに関して上下動させる上下動装置184と、上下動装置182及び184を相互に連結した連結部材185とを具備している。
一対の支持フレーム47に支持されていると共に搬送方向Aに関して上流側の縦フレーム46から搬送方向Aに関して下流側の縦フレーム46まで伸びた横フレーム191に設けられた往復動装置163は、上流側の縦フレーム46から下流側の縦フレーム46まで搬送方向Aに対して平行に伸びて横フレーム191の側面に取付けられた一対の案内レール192と、一対の案内レール192に搬送方向A及び復帰方向Bに関して移動自在に嵌合されたスライダ193と、スライダ193に取付けられた電動モータ194と、電動モータ194の出力回転軸に取付けられた歯車195と、歯車195に噛合っていると共に横フレーム191の上面に上流側の縦フレーム46から下流側の縦フレーム46まで搬送方向Aに対して平行に伸びて取付けられたラック歯196と、スライダ193に取付けられた上流側及び下流側の連結部材197及び198とを具備しており、連結部材197には、連結部材175が、連結部材198には、連結部材185が夫々取付けられている。
往復動装置163は、電動モータ194の作動によるラック歯196に噛合う歯車195の回転に従うスライダ193の案内レール192による案内での搬送方向Aに平行な方向の移動で、一方では、連結部材197を介して連結部材175を、他方では、連結部材198を介して連結部材185を夫々搬送方向Aに平行な方向に移動させるようになっている。
コンベア装置12は、駆動プーリ201及び従動プーリ202間に張設された無端ベルト203と、駆動プーリ201を回転させる電動モータ等からなる走行装置204とを具備しており、コンベア装置12は、無端ベルト203上に搬出されたガラス板3及び6を搬送方向Aにおけるより下流の外部に人手、搬出機械(搬出ロボット)等により排出する際に、走行装置204により駆動プーリ201を回転させて無端ベルト203を走行させるようになっている。
以上の孔開け装置1では、外部から人手、搬入機械(搬入ロボット)等により載置台23の上面に載置されて載置台23の吸盤機構により吸着固定されたガラス板3は、載置台23の吸盤機構による吸着解除後、上下動装置172で下降された吸盤装置171に吸着され、吸盤装置171に吸着されたガラス板3は、上下動装置172による吸盤装置171の鉛直方向Vに関しての上昇で同じく上昇されて載置台23の上面から鉛直方向Vに関して離反され、この離反後、電動モータ194の作動による連結部材197及び175並びに上下動装置172を介する吸盤装置171の搬送方向Aの移動で支持台32上に搬送され、支持台32上に搬送されたガラス板3は、上下動装置172による吸盤装置171の下降で同じく下降されて支持台32に接触され、この接触後、吸盤装置171による吸着解除で支持台32に載置されると共に支持台32の吸盤機構で支持台32に吸着固定される一方、支持台32にガラス板3を載置させて空になった吸盤装置171は、鉛直方向Vに関しての上昇と電動モータ194の作動による連結部材197及び175並びに上下動装置172を介する復帰方向Bの移動とで載置台23上に戻され、支持台32に載置されたガラス板3は、電動モータ194の逆作動による吸盤装置171の復帰方向Bの移動と同期した連結部材198及び185並びに上下動装置182の復帰方向Bの移動で支持台32上に戻された吸盤装置181の下降による当該吸盤装置181で支持台32の上面へ押し付けられる。
こうして、吸盤装置181で支持台32の上面へ押し付けられる一方、支持台32の吸盤機構で支持台32に吸着固定されたガラス板3において、吸盤装置181及び支持台32の面外の大径の貫通孔2の孔開け予定位置である例えば部位P1が図5に示すように凹所形成ドリル111及び121の移動機構45による搬送方向Aに平行な方向の移動可能直線領域線210上に位置しない場合には、吸盤装置181の一時的な鉛直方向Vの上昇及び下降と吸盤装置181の一時的な鉛直方向Vの上昇中での回転装置33の作動による支持台32の鉛直軸心O1を中心とした方向R11の回転とで、当該部位P1が図6に示すように移動可能直線領域線210上に位置決めされ、部位P1の図6に示す位置への位置決めと共に電動モータ151の作動による可動台42の搬送方向A及び復帰方向Bの移動による凹所形成ドリル111及び121の図6に示す部位P1の位置に鉛直方向Vに対応する移動可能直線領域線210上の位置への位置決め後、電動モータ131及び141の作動によるスピンドルモータ112及び122の鉛直方向Vの移動とに基づいて当該スピンドルモータ112及び122で回転される凹所形成ドリル111及び121でもって凹所52及び55からなる大径の貫通孔2が部位P1に形成される。
部位P1への大径の貫通孔2の形成後、吸盤装置181及び支持台32の面外の次の大径の貫通孔2の孔開け予定位置である例えば部位P2が部位P1と同様に図5に示すように移動可能直線領域線210上に位置しない場合には、吸盤装置181の一時的な鉛直方向Vの上昇及び下降と吸盤装置181の一時的な鉛直方向Vの上昇中での回転装置33の作動による支持台32の鉛直軸心O1を中心とした方向R12の回転とで、当該部位P2が図7に示すように移動可能直線領域線210上に位置決めされ、部位P2の図7に示す位置への位置決めと共に電動モータ151の作動による可動台42の搬送方向A及び復帰方向Bの移動による凹所形成ドリル111及び121の図7に示す部位P2の位置に鉛直方向Vに対応する移動可能直線領域線210上の位置への位置決め後、電動モータ131及び141の作動によるスピンドルモータ112及び122の鉛直方向Vの移動とに基づいて当該スピンドルモータ112及び122で回転される凹所形成ドリル111及び121でもって凹所52及び55からなる大径の貫通孔2が部位P2に形成される。
部位P2への大径の貫通孔2の形成後、吸盤装置181及び支持台32の面外の次の大径の貫通孔2の孔開け予定位置である例えば部位P3が部位P1及びP2と同様に図5に示すように移動可能直線領域線210上に位置しない場合には、部位P1及びP2での貫通孔2の形成と同様にして大径の貫通孔2が部位P3にも形成される一方、吸盤装置181及び支持台32の面外の小径の貫通孔2の孔開け予定位置である例えば部位P4が図5に示すように部位P1、P2及びP3と同様に、移動可能直線領域線210上に位置しない場合には、吸盤装置181の一時的な鉛直方向Vの上昇及び下降と吸盤装置181の一時的な鉛直方向Vの上昇中での回転装置33の作動による支持台32の鉛直軸心O1を中心とした方向R13の回転とで、当該部位P4が図8に示すように移動可能直線領域線210上に位置決めされ、部位P4の図8に示す位置への位置決めと共に電動モータ151の作動による可動台42の搬送方向A及び復帰方向Bの移動による凹所形成ドリル61及び71の図8に示す部位P4の位置に鉛直方向Vに対応する移動可能直線領域線210上の位置への位置決め後、電動モータ81及び91の作動によるスピンドルモータ62及び72の鉛直方向Vの移動とに基づいて当該スピンドルモータ62及び72で回転される凹所形成ドリル61及び71でもって凹所52及び55からなる小径の貫通孔2が部位P4に形成され、部位P4への小径の貫通孔2の形成後、次の小径の貫通孔2の孔開け予定位置である部位P5も移動可能直線領域線210上に位置しない場合には、部位P4の孔開けと同様にして、部位P5にも小径の貫通孔2が形成される。
全ての部位での貫通孔の形成後、吸盤装置181の一時的な鉛直方向Vに関しての上昇及び下降と吸盤装置181の一時的な鉛直方向Vに関してこの上昇中での支持台32の方向R1の回転とで、ガラス板3が図5に示す元の回転位置に戻され、元の回転位置に戻されたガラス板3は、吸盤装置181に吸着されると共に吸盤装置181の鉛直方向Vに関しての上昇により支持台32から持上げられ、支持台32から持上げられたガラス板3は、電動モータ194の作動による連結部材198及び185を介する吸盤装置181の搬送方向Aの移動で無端ベルト203上に搬出され、無端ベルト203上に搬出されたガラス板3は、吸盤装置181の鉛直方向Vに関しての下降と吸着解除とにより無端ベルト203上に載置され、ガラス板3の支持台32上から無端ベルト203上への搬出と同期して、載置台23の上面に新たに載置されたガラス板3は、吸盤装置171に吸着されて電動モータ194の作動による当該吸盤装置171の搬送方向Aの移動で支持台32上に搬送され、無端ベルト203上にガラス板3を載置して空になった吸盤装置181は、鉛直方向Vに関しての上昇と支持台32にガラス板3を載置させて空になった吸盤装置171の載置台23上への戻しと同期した電動モータ194の作動による連結部材198及び185を介する復帰方向Bの移動とで支持台32上に戻され、以上の動作が、繰り返される。
そして、孔開け装置1では、ガラス板6に対してもガラス板3と同様の動作が、繰り返される。
なお、以上の孔開け装置1の動作は、他に設けられた数値制御装置の制御に基づいて行われ、そして、孔開け動作における孔開け予定位置である部位P1からP5の移動可能直線領域線210上への配置のための回転装置33の作動による支持台32の鉛直軸心O1を中心とした回転方向及び回転量は、数値制御装置に予め記憶されており、この制御装置に記憶された回転方向及び回転量に基づいて孔開け装置1は、ガラス板3の孔開け予定位置の部位P1からP5の夫々に孔開けを行うようになっており、ガラス板6に対する孔開けも同様である。
以上のように、孔開け装置1では、貫通孔2を形成すべきガラス板3を支持装置8に、貫通孔5を形成すべきガラス板6を支持装置9に夫々同時的に搬送する一方、孔形成装置10により貫通孔2が形成されたガラス板3を支持装置8から、孔形成装置11により貫通孔5が形成されたガラス板6を支持装置9から夫々同時的に搬出する搬送、搬出装置13とを具備しているために、多くのガラス板3及び6を含む多くのガラス板に迅速に貫通孔2及び5を含む貫通孔を形成でき、而して、生産性を高くでき、孔開けガラス板の迅速な大量生産を可能とする。
また、孔開け装置1では、孔形成装置10及び11の夫々は、一対の孔形成機構43及び44並びに43a及び44aを有しているために、異なる径の孔を複数個形成する場合に、ドリルをそれに応じてその都度交換する必要がなく、これによっても、生産性を高くでき、大量生産を可能とする。
なお、貫通孔2及び5を形成すべきガラス板3及び6を夫々支持する一対の支持装置8及び9と、一対の支持装置8及び9のうちの一方の支持装置8に支持されたガラス板3に貫通孔2を形成する孔形成装置10と、一対の支持装置8及び9のうちの他方の支持装置9に支持されたガラス板6に貫通孔5を形成する孔形成装置11とを具備した上記の孔開け装置1において、例えば、ガラス板3を一対の支持装置8及び9に順番に搬送して、搬送された支持装置8で孔形成装置10により当該ガラス板3に貫通孔2を、次に搬送された支持装置9で孔形成装置11により当該ガラス板3に貫通孔2を次々に形成するように構成してもよい。