JP2020098718A - 車両用ライト制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DCDCコンバータに並列接続されている複数の光源を見かけ上同時に点灯可能に構成されている車両用ライト制御装置において、光源が実際に点灯する時間が設計値から乖離する恐れを低減可能な車両用ライト制御装置を提供する。【解決手段】車両用ライト制御装置100は、DCDCコンバータ110と、ロービームとしての光を発する第1光源132と、クリアランスランプとしての光を発する第2光源142と、制御部200を備える。制御部200は、第1光源132と第2光源142が同時に点灯しているかの如く見えるように、これらの光源を交互に高速で点灯させる。各光源を点灯させる期間の間には、何れの光源も点灯させないオフ期間を設ける。制御部200はオフ期間中に、DCDCコンバータ110の出力電圧を次に点灯させる光源の駆動に適したレベルに設定(換言すればプリセット)する。【選択図】図6
Description
本開示は、車両が備える各種ライトの点灯状態を制御する車両用ライト制御装置に関する。
特許文献1に開示の通り、車両には車室外に向けて光を放つ照明装置(以降、ライト)として、ハイビームや、ロービーム、クリアランスランプ(以降、CLL:Clearance Lamp)、方向指示灯、ハザードランプ、昼間走行灯(以降、DRL:Daytime Running Light)など、複数種類のライトが設けられている。なお、CLLは、車幅灯や、スモールランプ、ポジションランプとも称される。
各ライトに要求される光量等は、ライトの種別毎に異なる。また、要求される光量が異なれば、ライトを構成する発光素子(例えばLED)の数や、駆動電流、駆動電圧が異なりうる。そのため、通常、各ライトの駆動回路はそれぞれ別々に用意される。なお、ライトの駆動回路は、車載電源電圧をライトの駆動に適した所定の直流電圧へと変換するDCDCコンバータ等を備える。
ところで、近年は、特許文献2に開示されているように、DCDCコンバータを構成するインダクタに接続しているスイッチを所定の時間比でスイッチングすることにより、複数種類の出力電圧を生成する多出力DCDCコンバータが提案されている。
複数種類のライトの駆動回路を1つの駆動回路にて実現するための想定構成としては、DCDCコンバータに対して複数の光源を並列接続した構成が考えられる。例えば想定構成としては、DCDCコンバータに対し、CLLとしての光を発する光源と、ロービームとしての光を発する光源の、2つの光源が並列接続されている構成が考えられる。以降では便宜上、想定構成においてDCDCコンバータに並列接続する2つの光源のうち、駆動電圧が相対的に低い光源を第1光源と称するとともに、駆動電圧が高い光源を第2光源と称する。また、第1光源の駆動電圧を第1駆動電圧と称するとともに、第2光源の駆動電圧を第2駆動電圧と称する。
上記想定構成においては、点灯させる光源(以降、点灯対象)を、人間の目や脳では知覚できない速度で切り替えることにより、見かけ上、ロービームとCLLとが同時に点灯させることができる。例えば数百Hzの速度で点灯光源を切り替える態様によれば、人間の目には、CLLとロービームの両方が連続的に点灯しているように見える。なお、点灯させる光源を人間の目や脳では知覚できない速度にてスイッチングする制御態様は、各光源を時分割で駆動させる1サイクル当りの時間(以降、サイクル周期)を人間には知覚できないほど短い時間に設定した構成に相当する。
しかしながら、光源毎に点灯に必要な電圧(つまり駆動電圧)は異なる。そのため、点灯させる光源の切替時には、DCDCコンバータの出力電圧を次に点灯させる光源の駆動電圧まで持ち上げたり下げたりする必要がある。例えば、点灯対象を第1光源から第2光源に切り替える際には、DCDCコンバータの出力電圧を、第1駆動電圧から第2駆動電圧まで持ち上げる必要がある。出力電圧が第2電圧まで持ち上がるまでは、第2光源が点灯しない。その結果、第2光源が実際に点灯する時間が予定(換言すれば設計値)よりも短くなってしまい、人間の目に映る明るさ(以降、平均光量)が設計値を下回りうる。
また、第1駆動電圧や第2駆動電圧は光源温度によって変動するため、第1駆動電圧から第2駆動電圧への昇圧に要する時間(以降、昇圧所要時間)もまた光源温度によって変動する。つまり、昇圧所要時間が一定ではないため、1サイクル内において第2光源を点灯させるための時間のうち、実際に第2光源が点灯する時間もまた変動しうる。すなわち、想定構成では、各光源の駆動電圧の差に由来する昇圧所要時間によって、第2光源が実際に点灯する時間が設計値から乖離する恐れがあった。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、DCDCコンバータの出力電力の供給対象を切り替える制御を繰り返すことにより当該DCDCコンバータに接続されている複数の光源を見かけ上同時に点灯可能に構成されている車両用ライト制御装置において、光源が実際に点灯する時間が設計値から乖離する恐れを低減可能な車両用ライト制御装置を提供することにある。
その目的を達成するための車両用ライト制御装置は、第1光源と、第1光源とは駆動電圧が異なる第2光源が並列接続されて使用されるDCDCコンバータ(110)と、第1光源への電力の供給状態を切り替えるための第1負荷リレー(133)と、第2光源への電力の供給状態を切り替えるための第2負荷リレー(143)と、第1負荷リレー及び第2負荷リレーと協働して、第1光源と第2光源が同時に点灯しているように見えるように、DCDCコンバータの出力電力の供給先を所定の順に切り替える処理を繰り返す供給先切替部(220)と、供給先切替部によって電力の供給先に設定されている光源に流れる電流が所定の目標値となるようにDCDCコンバータの出力電圧を制御する電源制御部(200)と、を備え、電力の供給先とする光源を順に切り替える時分割制御の1サイクルにおいて、第2光源を電力供給先とする第2光源オン期間の直前には、何れの光源にも電力を供給しない全オフ期間としての第2光源用オフ期間が設けられてあって、電源制御部は、第2光源用オフ期間中に、DCDCコンバータの出力電圧を第2光源の駆動に適したレベルに設定するように構成されている。
以上の構成によれば、電源制御部は、第2光源用オフ期間中にDCDCコンバータの出力電圧を第2駆動電圧に設定する。このような構成によれば第2光源オン期間の開始時点で既に、DCDCコンバータの出力電圧は第2光源の駆動に適した電圧になっている。故に、第2光源オン期間の冒頭から第2光源を発光させることができる。つまり、実際に第2光源が点灯する時間が、設計値よりも短くなることを抑制できる。
加えて、第2光源用オフ期間は、温度変化に由来する昇圧所要時間の変動を吸収するように作用する。故に、昇圧所要時間の変動が、第2光源の点灯時間に影響を与える恐れは小さい。そのため、温度変化に由来する昇圧所要時間の短縮/増長に由来して、第2光源が実際に点灯する時間が設計値から乖離する恐れをより一層低減できる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
以下、本開示の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本開示に係る車両用ライト制御装置100の概略的な構成の一例を示す図である。車両用ライト制御装置100は、車両のヘッドライト等の点灯状態を制御する装置であって、例えば車両前側の右コーナー部と左側コーナー部にそれぞれ配置されて使用される。
本実施形態では一例として車両用ライト制御装置100は、ロービーム及びクリアランスランプ(以降、CLL:Clearance Lamp)の点灯を制御する装置である。車両用ライト制御装置100は、ロービームとしての光を発するための光源(後述の第1光源132)や、CLLとしての光を発するための光源(後述の第2光源142)など、役割が異なる複数の発光モジュールを備える。
車両用ライト制御装置100は、複数の光源を並列的に点灯させる必要がある場合には、それらが同時に点灯しているかの如く見えるように、所定の時分割比に従って各種光源を交互に/順に点灯させる。具体的には、DCDCコンバータ110の出力電力の供給先とする光源を切り替える制御を繰り返す。以降では便宜上、このような制御態様のことを時分割制御、又はタイムシェアリング制御とも称する。
なお、ロービーム及びCLLを点灯させるか否かは、例えば図示しないボディECUなどの外部装置によって制御される。すなわち、車両用ライト制御装置100は図示しないボディECUからの指示に基づいて駆動する。なお、車両用ライト制御装置100は、照度センサ等の検出結果に基づいて自発的にロービームやCLLを点灯させるように構成されていても良い。車両用ライト制御装置100は何れのライトも点灯させない全消灯モードを備えていても良い。
まずは図1に基づき、車両用ライト制御装置100の構成について説明する。車両用ライト制御装置100は、直流電源400から入力される直流の電源電圧を変換し、複数の光源に対して、それぞれが発光するための駆動電圧を供給する。車両用ライト制御装置100は、正極入力端子101、負極入力端子102、電圧出力端子103、第1電源スイッチ111、インダクタ112、第2電源スイッチ113、第3電源スイッチ114、第4電源スイッチ115、及び出力フィルタ部120を備える。また、車両用ライト制御装置100は、上記構成に加えて、第1出力回路部130、第2出力回路部140、及び制御部200を備える。
第1電源スイッチ111、インダクタ112、第2電源スイッチ113、第3電源スイッチ114、第4電源スイッチ115、及び、制御部200は、互いに協働することにより、DCDCコンバータ110として機能するように構成されている。なお、DCDCコンバータ110は、直流電源400から入力される電源電圧を所望の直流電圧に変換する構成であって、スイッチング電源装置に相当する。
第1出力回路部130は、第1電流検出部131、第1光源132、及び第1光源スイッチ133を備える。第2出力回路部140は、第2電流検出部141、第2光源142、及び第2光源スイッチ143を備えている。第1出力回路部130と第2出力回路部140は出力フィルタ部120(ひいてはDCDCコンバータ110)に対して並列接続されている。
以降では便宜上、第1電源スイッチ111、第2電源スイッチ113、第3電源スイッチ114、及び第4電源スイッチ115を区別しない場合には電源スイッチと記載する。また、第1光源スイッチ133及び第2光源スイッチ143を区別しない場合には光源スイッチと記載する。
種々の電源スイッチ及び光源スイッチは、本実施形態では一例として何れもnチャネル型のMOSFETを用いて実現されている。もちろん、スイッチング素子としては、nチャネル型のMOSFETやトランジスタなど、多様なスイッチ素子を採用可能である。例えば他の態様として、第1電源スイッチ111はpチャネル型のMOSFETであっても良い。各電源スイッチのゲート電極は何れも制御部200と接続されている。また、各光源スイッチのゲート電極は何れも制御部200と接続されている。
正極入力端子101は、直流電源400の正極端子と接続されている。負極入力端子102は、直流電源400の負極端子と接続されている。つまり、正極入力端子101には電源電圧が印加されているとともに、負極入力端子102に接続する信号線は、グランド電位を提供する。便宜上、負極入力端子102と接続する信号線をグランド線とも記載する。直流電源400としては、例えば車載バッテリを採用することができる。電圧出力端子103は、後述の通り、DCDCコンバータ110の出力電圧が印加される端子である。電圧出力端子103は制御部200とも電気的に接続されている。つまり、DCDCコンバータ110の出力電圧は、制御部200に入力される。
正極入力端子101には、第1電源スイッチ111、インダクタ112、第2電源スイッチ113がこの順に直列的に接続されている。すなわち、第1電源スイッチ111は、正極入力端子101とインダクタ112の間に設けられている。第1電源スイッチ111は、正極入力端子101とインダクタ112間の接続状態を切り替えるためのスイッチである。第1電源スイッチ111は、制御部200から入力される制御信号に基づいてオン/オフが切り替えられるように構成されている。
第1電源スイッチ111がオンとなっている場合、インダクタ112は、正極入力端子101と接続された状態となる。また、第1電源スイッチ111がオフとなっている場合、インダクタ112は、正極入力端子101と電気的に切断された状態となる。第1電源スイッチ111としてのnチャネル型MOSFETは、ドレイン電極が正極入力端子101と電気的に接続されており、ソース電極がインダクタ112と電気的に接続されている。また、第1電源スイッチ111のソース電極とインダクタ112とを接続する信号線は、第3電源スイッチ114を介してグランド線と接続されている。
インダクタ112は、例えばチョークコイルである。インダクタ112の一端は、第1電源スイッチ111を介して直流電源400の正極端子と接続されている。以降では、インダクタ112において第1電源スイッチ111を介して直流電源400の正極端子に連なる端子のことを電源側端子と称する。また、インダクタ112において電源側端子とは反対側の端子を負荷側端子と称する。インダクタ112負荷側端子は、第2電源スイッチ113と接続されている。
また、インダクタ112の負荷側端子と第2電源スイッチ113とを接続する信号線は、第4電源スイッチ115を介してグランド線と接続されている。加えて、インダクタ112の電源側端子と第1電源スイッチ111を接続する信号線は、第3電源スイッチ114を介してグランド線に接続されている。
第2電源スイッチ113は、インダクタ112の負荷側端子と電圧出力端子103との接続状態を切り替えるためのスイッチである。第2電源スイッチ113は、制御部200から入力される制御信号に基づいてオン/オフが切り替えられるように構成されている。第2電源スイッチ113がオンとなっている場合、電圧出力端子103はインダクタ112の負荷側端子と接続された状態となる。また、第2電源スイッチ113がオフとなっている場合、電圧出力端子103は、インダクタ112の負荷側端子と電気的に切断された状態となる。第2電源スイッチ113としてのnチャネル型MOSFETは、ドレイン電極がインダクタ112の負荷側端子と電気的に接続されており、ソース電極が電圧出力端子103と電気的に接続されている。
第3電源スイッチ114の一端は、第1電源スイッチ111のソース電極及びインダクタ112の電源側端子と電気的に接続されており、他端はグランド線に電気的に接続されている。第3電源スイッチ114は、インダクタ112の電源側端子とグランド線との接続状態を切り替えるための構成である。第3電源スイッチ114は制御部200から入力される制御信号に基づいてオン/オフが切り替えられるように構成されている。第3電源スイッチ114がオンとなっている場合、インダクタ112の電源側端子はグランド線と接続された状態となる。また、第3電源スイッチ114がオフとなっている場合、インダクタ112の電源側端子はグランド線と電気的に切断された状態となる。第3電源スイッチ114としてのnチャネル型MOSFETは、ドレイン電極がインダクタ112の電源側端子と電気的に接続されており、ソース電極がグランド線と接続されている。
なお、第3電源スイッチ114の位置には、ダイオードがグランド線からインダクタ112の電源側端子に向かって電流を流す向きで取り付けられていてもよい。すなわち、第3電源スイッチ114の代わりとしてのダイオードは、アノード電極がグランド線と接続され、カソード電極がインダクタ112の電源側端子と電気的に接続されていればよい。
第4電源スイッチ115の一端はインダクタ112の負荷側端子と電気的に接続されており、他端はグランド線に電気的に接続されている。第4電源スイッチ115は、インダクタ112の負荷側端子とグランド線との接続状態を切り替えるための構成である。第4電源スイッチ115は制御部200から入力される制御信号に基づいてオン/オフが切り替えられるように構成されている。第4電源スイッチ115がオンとなっている場合、インダクタ112の負荷側端子はグランド線と接続された状態となる。また、第4電源スイッチ115がオフとなっている場合、インダクタ112の負荷側端子はグランド線と電気的に切断された状態となる。第4電源スイッチ115としてのnチャネル型MOSFETは、ドレイン電極はインダクタ112の負荷側端子と電気的に接続されており、ソース電極がグランド線と接続されている。
出力フィルタ部120は、DCDCコンバータ110が発するノイズが、第1出力回路部130や第2出力回路部140等に伝播することを抑制するための回路である。出力フィルタ部120は、コンデンサ121を備える。出力フィルタ部120を構成するコンデンサ121の一端は、第2電源スイッチ113のソース電極と電圧出力端子103とを接続する信号線と接続されており、他端はグランド線と接続されている。コンデンサ121はノイズ成分をグランド線に流す役割を担う。
なお、出力フィルタ部120の具体的な構成は適宜変更可能である。出力フィルタ部120としては、π型フィルタやT型フィルタ、L型フィルタなど、多様な構成を採用可能である。π型フィルタとは、インダクタの両端に地絡用のコンデンサを接続した構成を有するフィルタである。T型フィルタとは、直列に接続されている2つインダクタの接続点を、コンデンサを介して地絡させた構成を有するフィルタである。L型フィルタとはインダクタの一端に地絡用のコンデンサを接続した構成を有するフィルタである。地絡用のコンデンサとは一端がグランド線に接続されるコンデンサを指す。地絡用のコンデンサは、所定の周波数のノイズ電流をグランド線にバイパスする役割を担う。フィルタ回路を構成するインダクタのインダクタンスやコンデンサの静電容量は、対象とするノイズの周波数に応じて適宜設計されれば良い。また、出力フィルタ部120の構成要素としては、抵抗器やフェライトビーズなども採用可能である。
第1出力回路部130は、第1電流検出部131、第1光源132、及び第1光源スイッチ133が直列接続された回路である。なお、本実施形態では、第1電流検出部131が第1出力回路部130の最上流に配置されているものとするが、第1電流検出部131の位置はこれに限らない。第1光源132の下流側に配置されていてもよい。第1出力回路部130を構成する要素の配置順は適宜変更可能である。
第1電流検出部131は、第1光源132に流れる電流を検出する構成である。第1電流検出部131は、例えばシャント抵抗とオペアンプとを組み合わせて実現されている。例えば、第1電流検出部131を構成するオペアンプは、シャント抵抗に作用している電圧を示す信号を出力するように、シャント抵抗に対して並列に接続されていればよい。なお、第1電流検出部131の回路構成としては多様な構成を採用可能である。第1電流検出部131は、第1光源132に流れる電流を示す信号を制御部200に出力する。
第1光源132はロービームとしての光を発するための光源である。第1光源132は、ロービームとして適正な色(例えば白色)の光を放つように構成されている。第1光源132は、少なくとも1つの発光素子を用いて実現されている。発光素子は例えば発光ダイオード(以降、LED:Light Emission Diode)である。ここでは一例として第1光源132は、複数のLEDを用いて実現されている。第1光源132を構成する複数のLEDは、グランド線に向かって電流が流れるように(つまり何れも同じ向きで)直列接続されている。第1光源132を構成する各LEDは、通電している電流量に応じた強度の光を発する。
以降では便宜上、第1光源132を所望の明るさで点灯させるための電圧(いわゆる駆動電圧)のことを第1駆動電圧V1と称する。第1駆動電圧V1は、第1光源132に所定の第1目標電流If1を流すために、DCDCコンバータ110が出力すべき電圧に対応する。なお、LEDはチップの温度に応じて順方向電圧が変化する特性を有する。具体的には、周囲温度や自己発熱によってチップが高温になるほど順方向電圧は小さくなるといった性質を有する。故に、第1駆動電圧V1もまた、温度に応じて上下しうる。
第1光源132を構成する複数のLEDは、巨視的には、所定のデザイン形状を提供するように配置されている。多数のLEDが1群となって形成する模様は、円や矩形などの二次元的な図柄であっても良いし、曲線や直線であってもよい。第1光源132を構成する複数のLEDの外観上の配置態様は適宜変更可能である。第1光源132を構成する複数のLEDは、電気的に直列接続されていれば良い。なお、発光素子としてはLEDのほか、有機発光トランジスタなど多様な素子を採用可能である。第1光源132の下流側には第1光源スイッチ133が設けられている。第1光源132は第1光源スイッチ133を介してグランド線に接続されている。
第1光源スイッチ133は、DCDCコンバータ110による第1出力回路部130(ひいては第1光源132)への電力の供給状態を切り替えるためのスイッチである。第1光源スイッチ133が第1負荷リレーに相当する。第1光源スイッチ133は、制御部200から入力される制御信号に基づいてオン/オフが切り替えられるように構成されている。第1光源スイッチ133がオンとなっている場合には、第1光源132はグランド線と接続され、DCDCコンバータ110の出力電圧に応じた電流が第1光源132に流れうる。その結果、第1光源132は通電電流量に応じた強度で発光する。また、第1光源スイッチ133がオフとなっている場合、第1出力回路部130は電流経路が切断されるため、第1出力回路部130には電流が流れない。つまり、第1光源132は発光を停止する。
第1光源スイッチ133としてのnチャネル型MOSFETのドレイン電極は第1光源132の最下流に位置するLEDのカソード電極と電気的に接続されている。また、ソース電極はグランド線と接続されている。ゲート電極は前述の通り、制御部200と接続されている。
第2出力回路部140は、第1出力回路部130と同様に構成されている。すなわち、第2出力回路部140は、第2電流検出部141、第2光源142、及び第2光源スイッチ143が直列接続された回路である。第1出力回路部130同様に、第2出力回路部140を構成する要素の配置順は適宜変更可能である。第2電流検出部141は、第2光源142に流れる電流を検出する構成である。第2電流検出部141は、第2光源142に流れる電流を示す信号を制御部200に出力する。第2電流検出部141の回路構成としては多様な構成を採用可能である。
第2光源142はCLLとしての光を発するための光源である。第2光源142は、CLLとして適正な色(例えば白色)の光を放つように構成されている。第2光源142は、少なくとも1つの発光素子を用いて実現されている。発光素子としては前述の通り、LEDや有機発光トランジスタなど多様な素子を採用可能である。ここでは一例として第2光源142は、複数のLEDを用いて実現されている。第2光源142を構成する複数のLEDは、グランド線に向かって電流が流れるように(つまり何れも同じ向きで)直列接続されている。第2光源142を構成する各LEDは、通電している電流量に応じた強度の光を発する。
以降では便宜上、第2光源142を所望の明るさで点灯させるための電圧のことを第2駆動電圧V2と称する。第2駆動電圧V2は、第2光源142に所定の第2目標電流If2を流すために、DCDCコンバータ110が出力すべき電圧に対応する。第2駆動電圧V2もまた、LEDの温度特性に由来して、温度に応じて変動しうる。第1駆動電圧V1と第2駆動電圧V2とを区別しない場合には単に駆動電圧と記載する。
なお、第2光源142と第1光源132は互いに役割/種別が異なる光を提供する光源である。故に、第2光源142と第1光源132は、それぞれ要求される光量が異なる。また、要求される光量の違いや意匠の観点から、それらを構成するLEDの数も相違し得る。その結果、第1駆動電圧V1及び第2駆動電圧V2は相違する。各光源の駆動電圧は主としてLEDの数及び要求光量によって定まる。ここでは説明簡略化のため、同一温度においては第2駆動電圧V2のほうが第1駆動電圧V1よりも高くなるように、第1光源132及び第2光源142は構成されているものとする。また、第1駆動電圧V1及び第2駆動電圧V2は何れも電源電圧よりも高いものとする。
第2光源142を構成する複数のLEDは、巨視的には、所定のデザイン形状を提供するように配置されている。多数のLEDが1群となって形成する模様は、円や矩形などの二次元的な図柄であっても良いし、曲線や直線であってもよい。第2光源142を構成する複数のLEDの外観上の配置態様は適宜変更可能である。第2光源142を構成する複数のLEDは、電気的に直列接続されていれば良い。第2光源142の下流側には第2光源スイッチ143が設けられている。第2光源142は第2光源スイッチ143を介してグランド線に接続されている。
第2光源スイッチ143は、DCDCコンバータ110による第2出力回路部140(ひいては第2光源142)への電力の供給状態を切り替えるためのスイッチである。第2光源スイッチ143が第2負荷リレーに相当する。第2光源スイッチ143は、制御部200から入力される制御信号に基づいてオン/オフが切り替えられるように構成されている。第2光源スイッチ143がオンとなっている場合には、第2光源142はグランド線と接続され、DCDCコンバータ110の出力電圧に応じた電流が流れうる。その結果、第2光源142は通電電流量に応じた強度で発光する。一方、第2光源スイッチ143がオフとなっている場合、第2出力回路部140は電流経路が切断されるため、第2出力回路部140には電流が流れない。つまり、第2光源142は発光を停止する。
第2光源スイッチ143としてのnチャネル型MOSFETのドレイン電極は第2光源142の最下流に位置するLEDのカソード電極と電気的に接続されている。また、ソース電極はグランド線と接続されている。
<制御部200の構成について>
制御部200は、各種電源スイッチ及び光源スイッチの接続状態(つまりオン/オフ)を制御する構成である。当該制御部200は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて実現されている。なお、以降では第2光源142のほうが第1光源132よりも設計上の駆動電圧が高くなるように構成されている場合、すなわち第2駆動電圧V2のほうが第1駆動電圧V1よりも高くなるように構成されている場合を例にとって、各構成の作動を説明する。
制御部200は、各種電源スイッチ及び光源スイッチの接続状態(つまりオン/オフ)を制御する構成である。当該制御部200は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて実現されている。なお、以降では第2光源142のほうが第1光源132よりも設計上の駆動電圧が高くなるように構成されている場合、すなわち第2駆動電圧V2のほうが第1駆動電圧V1よりも高くなるように構成されている場合を例にとって、各構成の作動を説明する。
制御部200は、概略的には、第1光源スイッチ133や第2光源スイッチ143といった各光源スイッチの接続状態を順次切り替えることにより、電力の供給対象とする出力回路部を選択する。制御部200は、DCDCコンバータ110の出力電力を時分割的に(換言すれば交互に)第1出力回路部130及び第2出力回路部140に供給する。出力電圧の目標値は、電力の供給対象とする出力回路部に合わせて逐次変更される。制御部200は、各出力回路部に流れる電流が所定の目標電流となるように、各種電源スイッチの接続状態をフィードバック制御する。また、制御部200は、後述する全オフ期間においては、出力電圧が次に点灯させる光源の駆動電圧と整合するように各種電源スイッチの接続状態をフィードフォワード制御する。なお、出力電圧の調整は、実体的には、インダクタ112へのエネルギーの蓄積及び放出現象を利用して実現される。
以下、図2を用いて制御部200の構成について説明する。制御部200は、図2に示すように、点灯判断部210、時分割制御部220、電流情報取得部230、電圧情報取得部240、PWM信号生成部250、電源スイッチ制御部260、及びプリセット部270を備える。部材名称中のPWMは、Pulse Width Modulationの略である。制御部200が電源制御部に相当する。
点灯判断部210は、ロービーム及びCLLを点灯させるべきか否かを判断する構成である。点灯判断部210は、例えばボディECUとの通信により、ロービーム及びCLLを点灯させるべきか否かを判断する。なお、車両用ライト制御装置100自身が照度センサを内蔵している場合には、点灯判断部210は、当該照度センサ等を用いてロービーム及びCLLを点灯させるべきか否かを判断するように構成されていても良い。
時分割制御部220は、点灯判断部210によってロービーム及びCLLを点灯させるべきであると判断されている場合、図3に示すように、電力の供給対象とする出力回路部を所定の時分割比に従って逐次変更する。具体的には、所定のサイクル周期Tαのうち、所定の第1時間T1の間は、第1光源スイッチ133をオン、第2光源スイッチ143をオフに設定する。これにより、第1出力回路部130に電力が供給され、第1光源132が点灯する。なお、サイクル周期Tαの冒頭から第1時間T1経過するまでが、第1光源132を点灯させる時間帯である第1光源オン期間に相当する。第1光源オン期間は、実体的には、第1光源スイッチ133をオン、第2光源スイッチ143をオフに設定する時間帯を指す。
また、その後、所定の全オフ時間Txの間は、第1光源スイッチ133及び第2光源スイッチ143を何れもオフに設定する。この期間は、第1光源132も第2光源142も消灯させる時間帯(以降、全オフ期間)に相当する。全オフ期間の技術意義については別途後述する。
その後、時分割制御部220は、所定の第2時間T2の間、第1光源スイッチ133をオフにしたまま、第2光源スイッチ143をオンに設定する。これにより第2出力回路部140に電力が供給され、第2光源142が発光する。第1光源スイッチ133をオフ、第2光源スイッチ143をオンに設定している期間が第2光源オン期間に相当する。第2光源期間が終了すると、また第1光源オン期間に戻る。つまり、第1光源スイッチ133をオン、第2光源スイッチ143をオフに設定して第1光源132を点灯させる。
このように時分割制御部220は、CLL及びロービームの両方を点灯させる必要が有る場合、電力の供給対象とする出力回路部を所定の順番で変更する制御を繰り返す。換言すれば、時分割制御部220は、各光源を交互に点灯させる処理を高速で繰り返す。なお、上記構成は、時分割制御の1サイクルにおいて、第1光源132に電力を供給する第1光源オン期間が終了してから、第2光源142に電力を供給する第2光源オン期間を開始するまでの間に、全オフ期間を設けた構成に相当する。また、上記の構成は、第2光源オン期間の直前に、全オフ期間を設けた構成に相当する。
なお、図3中の“#1”は第1光源132を指し、“#2”は第2光源142を指す。点灯させる光源(つまり点灯対象)を切り替えることは、DCDCコンバータ110の出力電力の供給先を切り替えることに相当する。例えば、第1出力回路部130を電力供給先に設定することは、第1光源132を点灯させることに対応する。また、第2出力回路部140を電力供給先に設定することは、第2光源142を点灯させることに対応する。
サイクル周期Tαは電力の供給先とする光源を順次変更する制御(つまり時分割制御)の1サイクル当りの時間に相当する。サイクル周期Tαは、第1光源132や第2光源142を点灯させる周期に相当する。本実施形態では第1時間T1と全オフ時間Txと第2時間T2の和がサイクル周期Tαに相当する。前述の時分割比とはサイクル周期Tαに対する第1時間T1及び第2時間T2のそれぞれの比率を指す。
サイクル周期Tαは、第1光源132及び第2光源142を明滅させる周波数(以降、点灯周波数)に対応するパラメータである。各光源の点灯周波数は、光の残像現象によって車両走行中においてもこれらが連続的に点灯していると見えるように、100Hz以上に設定されていることが好ましい。換言すれば、サイクル周期Tαは、各種光源の明滅が人間の目や脳では知覚できないように、十分に短い時間(具体的には10ミリ秒以下)に設定されていることが好ましい。本実施形態では一例として点灯周波数は500Hzに設定されている。換言すればサイクル周期Tαは2ミリ秒程度に設定されている。なお、点灯周波数は100Hzや、200Hz、400Hz、1000Hzなどであってもよい。
また、サイクル周期Tαを構成する第1時間T1及び第2時間T2は、それぞれの光源が発する単位時間当りの平均的な光量(以降、平均光量)を規定する。平均光量は、人間に知覚される見かけ上の光量(換言すれば明るさ)に相当する。当然、サイクル周期Tαに対する第1時間T1の比率が大きいほど、第1光源132が発光する時間が増え、ロービームの平均光量は増大する。しかしながら、第1出力回路部130と第2出力回路部140は、時分割で交互に通電される関係にある。そのため、サイクル周期Tαに対する第1時間T1の比率を増やし、第1光源132が発光する時間を増やすことは、第2時間T2を減らすことに相当する。当然、第2時間T2が減ると、第2光源142が点灯する時間が減るため、CLLの平均光量が低下する。
CLLとしての第2光源142は、平均光量として、少なくとも保安基準等にて規定されている光量を提供する必要がある。ロービームとしての第1光源132もまた、平均光量として、少なくとも保安基準等にて規定されている光量を提供する必要がある。サイクル周期Tαに対する第1時間T1が占める割合や、第2時間T2が占める割合は、少なくともの上記の要件を充足するように設定されれば良い。つまり、時分割比は、各光源に要求される平均光量を達成するように設計されている。
全オフ時間Txに関しては、後述するように、DCDCコンバータ110の出力電圧を第1駆動電圧V1から第2駆動電圧V2まで持ち上げるために要する時間(以降、昇圧所要時間Tp)の想定値に所定の裕度を加えた値に設定されていれば良い。ここでは全オフ時間Txは、光源温度に由来して変動する昇圧所要時間Tpの平均値/最長値に応じて決定されている。昇圧所要時間Tpの平均値や最長値は、試験やシミュレーションによって特定されれば良い。
ここでは一例として、全オフ時間Txは、絶対値としては50μ秒程度、すなわちサイクル周期Tαの1%に相当する値に設定されている。なお、全オフ時間Txは、絶対値としては100μ秒もあれば十分である。また、第1時間T1はサイクル周期Tαの50%に相当する長さに設定されている。第2時間T2は、サイクル周期Tαから第1時間T1や全オフ時間Txを差し引いて残った長さに設定されている。具体的には、第2時間T2は、サイクル周期Tαの49%程度に設定されている。これらの比率は、各光源を構成するLEDの数や、各出力回路部に流す電流の目標値に応じて適宜変更可能である。
時分割制御部220は、各光源スイッチのオンオフ状態を示すデータ(以降、点灯光源情報)を電流情報取得部230、PWM信号生成部250、プリセット部270などに逐次提供する。なお、図2では時分割制御部220と、電流情報取得部230、PWM信号生成部250、プリセット部270等とを接続する信号線の図示は省略している。
時分割制御部220が各部に提供する点灯光源情報は、実体的には、第1光源132及び第2光源142のどちらを点灯対象に設定しているのか、すなわち点灯対象に設定している光源を示すデータに相当する。また、点灯光源情報は、現在が第1光源オン期間、全オフ期間、及び第2光源オン期間の何れに該当するのかを示すデータに相当する。時分割制御部220が供給先切替部に相当する。
電流情報取得部230は、各出力回路部に流れている電流値を示す情報を取得する構成である。すなわち、電流情報取得部230は、第1電流検出部131及び第2電流検出部141のそれぞれが検出している電流値を取得する。そして、例えば時分割制御部220が第1光源132を点灯対象に設定している間(換言すれば第1光源オン期間中)は、第1電流検出部131によって検出されている電流値をPWM信号生成部250に出力する。また、時分割制御部220が第2光源142を点灯対象に設定している間(換言すれば第2光源オン期間中)は、第2電流検出部141によって検出されている電流値をPWM信号生成部250に出力する。
電圧情報取得部240は、DCDCコンバータ110の出力電圧値を取得する構成である。例えば電圧情報取得部240は、電圧出力端子103と電気的に接続されてあって、入力されたアナログ電圧をデジタル値に変換するように構成されている。電圧情報取得部240は、取得した出力電圧値をプリセット部270に出力する。
PWM信号生成部250は、各種電源スイッチ(主として第4電源スイッチ115)のオンオフを制御するためのPWM信号を生成し、電源スイッチ制御部260に出力する。具体的には、PWM信号生成部250は、第1光源132に流す電流の目標値(以降、第1目標電流If1)と、第2光源142に流す電流の目標値(以降、第2目標電流If2)が登録されたROM(図示略)が備えている。各光源についての目標電流は、ライトとしての役割/種別、及び、時分割制御の影響度合い(実体としては1サイクル中の点灯時間の長さ)を考慮した上で、所望の平均光量が得られるように、それぞれ異なる値に設計されている。
PWM信号生成部250は、第1光源オン期間においては、第1電流検出部131が検出している電流値と第1目標電流If1との差に応じたデューティー比を有するPWM信号を生成し、電源スイッチ制御部260に出力する。また、PWM信号生成部250は、第2光源オン期間においては、第2電流検出部141が検出している電流値と第2目標電流If2との差に応じたデューティー比を有するPWM信号を生成し、電源スイッチ制御部260に出力する。
さらに、PWM信号生成部250は、全オフ期間においては、後述するプリセット部270から前時第2駆動電圧を取得する。そして、当該前時第2駆動電圧と電圧情報取得部240が取得している出力電圧値との差に応じたデューティー比を有するPWM信号を電源スイッチ制御部260に出力する。なお、デューティー比は、1周期における信号レベルがハイレベルとなっている時間の比率を指す。PWM信号には、デューティー比が0%や100%に設定された信号も含まれるものとする。
当該PWM信号生成部250は、例えば、エラーアンプや、鋸歯状波発振器、比較器などを用いて実現されれば良い。エラーアンプは、目標値と現在値の誤差を示す誤差信号を出力するアンプである。鋸歯状波発振器は、鋸歯状波を生成する回路である。エラーアンプの出力と鋸歯状波発振器の出力は比較器に入力されるように構成されていればよい。当該構成によれば、比較器の出力信号が上記のPWM信号として作用する。なお、PWM信号生成部250の実現方法はこれに限らず、多様な構成を採用可能である。
逐次出力されるPWM信号のパルス幅(換言すればデューティー比)は、制御目標とする電流や電圧と現在値との誤差に応じて変動し、現在値と目標値との誤差が0となる値に収束する。つまり、PWM信号生成部250が生成及び出力するPWM信号は、目標値と現在値との差が0となるように作用する。
故に、第1光源オン期間中にPWM信号生成部250が出力するPWM信号は、第1光源132に流れる電流が、第1目標電流If1と一致するようにデューティー比が調整されたPWM信号に相当する。また、第2光源オン期間中にPWM信号生成部250が出力するPWM信号は、第2光源142に流れる電流が、第2目標電流If2と一致するようにデューティー比が調整されたPWM信号に相当する。
全オフ期間中にPWM信号生成部250が出力するPWM信号は、DCDCコンバータ110の出力電圧が前時第2駆動電圧と一致するようにデューティー比が調整されたPWM信号に相当する。なお、PWM信号のパルス生成周期は、鋸歯状波の周期と等しくなる。また、PWM信号生成部250は、複数の電源スイッチに対して、それぞれ異なる制御信号を出力するように構成されていても良い。
電源スイッチ制御部260は、各種電源スイッチのゲート電極と電気的に接続されている。電源スイッチ制御部260は、PWM信号生成部250から入力されるPWM信号からの指示に基づいて、各種電源スイッチのオンオフを制御する。
例えば電源スイッチ制御部260は、出力回路部に電源電圧よりも高い電圧を出力する必要が有る場合には、第1電源スイッチ111及び第2電源スイッチ113をオンに設定し、第3電源スイッチ114をオフに設定した状態において、第4電源スイッチ115のオンオフをPWM信号に応じて切り替える。これにより直流電源400の電圧を所定の目標値まで昇圧する。なお、電源スイッチ制御部260は電源電圧よりも小さい値に出力する際(つまり降圧動作時)には、第1電源スイッチ111のオンオフをPWM信号に応じて切り替えればよい。第3電源スイッチ114なども出力電圧が所望の目標値になるように適宜スイッチングされれば良い。DCDCコンバータ110の構成及び制御方法としては多様な構成及び方法を採用可能である。
プリセット部270は、全オフ期間中、PWM信号生成部250と協働してDCDCコンバータ110の出力電圧を次に点灯させる光源(ここでは第2光源142)の駆動電圧に調整する構成である。プリセット部270は、DCDCコンバータ110の出力電圧を、次に点灯させる光源(ここでは第2光源142)の駆動電圧に調整するための情報を記憶するためのメモリ271を備える。
プリセット部270は、例えば第2光源オン期間において電圧情報取得部240から入力された電圧値の平均値/中央値を、前時第2駆動電圧としてメモリ271に保存する。前時第2駆動電圧が第2光源用電圧に相当する。また、プリセット部270は、第2光源オン期間においてPWM信号生成部250が出力していたPWM信号のデューティー比の平均値/中央値を、前時第2光源用デューティー比としてメモリ271に保存する。プリセット部270は、第2光源オン期間が終了するたびに、メモリ271に保存されている前時第2駆動電圧や、前時第2光源用デューティー比を更新する。
また、本実施形態のプリセット部270は、第1光源オン期間において電圧情報取得部240から入力された電圧値の平均値/中央値を、前時第1駆動電圧としてメモリ271に保存する。前時第1駆動電圧が第1光源用電圧に相当する。また、プリセット部270は第1光源オン期間中にPWM信号生成部250が出力していたPWM信号のデューティー比の平均値/中央値を、前時第1光源用デューティー比としてメモリ271に保存する。プリセット部270は、第1光源オン期間が終了するたびに、メモリ271に保存されている前時第1駆動電圧や、前時第1光源用デューティー比を更新する。
そして、プリセット部270は、全オフ期間中は、PWM信号生成部250と協働して、DCDCコンバータ110の出力電圧をメモリ271に保存されている前時第2駆動電圧に調整する。すなわち、PWM信号生成部250に対してメモリ271に保存されている前時第2駆動電圧を示すデータを出力する。これにより、PWM信号生成部250に、出力電圧を前時第2駆動電圧に一致させるためのPWM信号を出力させる。
上記の通り、本実施形態の制御部200は、光源を点灯させる期間においては点灯対象とする光源に流れる電流が所定の目標値となるようにDCDCコンバータ110を制御する。一方、全オフ期間中はDCDCコンバータ110の出力電圧が所定の目標値となるようにDCDCコンバータ110を制御する。すなわち、制御部200は、時分割制御の1サイクル中において制御対象とする物理状態量を逐次変更するように構成されている。
<実施形態の作動及び効果>
次に、比較構成を導入して本実施形態の構成の効果について説明する。ここでの比較構成とは、図4に示すように、第1光源オン期間と第2光源オン期間の間に全オフ期間を設けない構成を指す。比較構成においては、第2光源オン期間に入ってから、DCDCコンバータ110の出力電圧を第1駆動電圧V1から第2駆動電圧V2へと上昇させ、第2光源142に流れる電流値が第2目標電流If2と一致させる。故に、比較構成では第2光源オン期間の全期間において第2光源142が発光するわけでない。比較構成では、第2光源オン期間の冒頭に、意図しない消灯時間帯が発生する。
次に、比較構成を導入して本実施形態の構成の効果について説明する。ここでの比較構成とは、図4に示すように、第1光源オン期間と第2光源オン期間の間に全オフ期間を設けない構成を指す。比較構成においては、第2光源オン期間に入ってから、DCDCコンバータ110の出力電圧を第1駆動電圧V1から第2駆動電圧V2へと上昇させ、第2光源142に流れる電流値が第2目標電流If2と一致させる。故に、比較構成では第2光源オン期間の全期間において第2光源142が発光するわけでない。比較構成では、第2光源オン期間の冒頭に、意図しない消灯時間帯が発生する。
故に、比較構成では、実際に第2光源142が点灯する時間が、設計値としての第2時間T2よりも短くなってしまう。なお、当該消灯時間帯は、昇圧所要時間に応じた長さを有する。消灯時間帯の長さ(以降、消灯時間)は、第1駆動電圧V1から第2駆動電圧V2のギャップが大きいほど長くなる。
また、第1駆動電圧V1や第2駆動電圧V2は温度によって変動するため、昇圧所要時間も変動しうる。例えば図4の破線に示すように、温度の上昇に伴い第1駆動電圧V1と第2駆動電圧V2の差が小さくなった場合には、昇圧所要時間及び消灯時間は短くなる。逆に、温度の低下に伴い、第1駆動電圧V1と第2駆動電圧V2の差が大きくなった場合には、昇圧所要時間/消灯時間は長くなる。なお、温度に対する駆動電圧の変動幅は、直列接続されているLEDの数に比例する。故に、単位温度(例えば1℃)当りの第1駆動電圧V1の変動量と第2駆動電圧V2の変動量は相違する。第2光源142のほうが第1光源132よりも構成するLEDの数が多いため、第2駆動電圧V2のほうが第1駆動電圧V1よりも温度の上昇に対して下がりやすい。図4中のΔTは、第2駆動電圧V2がV2aへと下がった場合の昇圧所要時間への影響量を概念的に示している。図4においてハッチングを付与している部分は、昇圧所要時間の低下に伴う第2光源142の点灯時間の伸び度合いを概念的に示している。なお、図4においては説明の簡易化のため、第1駆動電圧V1の変動量は無視できるレベルとなっている場合を例示している。
このように比較構成では、第1光源132から第2光源142への切り替わり時に意図しない消灯時間帯が発生する。また、当該消灯時間帯の長さは、温度によって変動する。故に、比較構成では、第2光源142の点灯時間を所定の設計値通りに維持することが困難であった。換言すれば、CLLとしての第2光源142の平均光量を一定に保つことが困難であった。なお、意図しない消灯時間帯とは、光源を点灯させようとしているにも関わらず、回路の応答性に由来して光源が点灯状態に至らない時間帯を指す。
これに対し、本実施形態では、図5に示すように全オフ期間中に、予めプリセット部270がPWM信号生成部250及び電源スイッチ制御部260と協働して、DCDCコンバータ110の出力電圧を第2駆動電圧V2に設定する。このような構成によれば第2光源オン期間の開始時点で既に、DCDCコンバータ110の出力電圧は第2駆動電圧V2(実際には前時第2駆動電圧)となっている。故に、第2光源オン期間の冒頭から第2光源142を発光させることができる。つまり、実際に第2光源142が点灯する時間が、設計値としての第2時間T2よりも短くなることを抑制できる。
加えて、全オフ期間の長さ(つまり全オフ時間Tx)は、温度変化に由来する昇圧所要時間の平均値/最長値に応じて決定されている。故に、全オフ期間中に昇圧制御が完了しない可能性は低い。そのため、温度変化に由来する昇圧所要時間の短縮/増長に由来して、実際に第2光源142が点灯する時間が設計値としての第2時間T2から乖離する恐れをより一層低減できる。光源の実際の点灯時間が設計値から乖離することを抑制できれば、各光源の平均光量が設計値から乖離することも抑制可能となる。つまり、上記の構成によれば、光源の温度によらずに、CLLとしての第2光源142の平均光量を安定させることができる。また、その結果。各光源が提供する平均光量を所定の適性レベルに維持することが可能となる。
なお、本実施形態の構成にて導入される全オフ期間は、第2光源142をあえて点灯させない時間帯であって、比較構成において生じる消灯時間帯とは技術思想が相違する構成である。具体的には比較構成における消灯時間帯は、第2光源142を点灯させようとしているにも関わらず第2光源142が点灯しない時間帯であって、その長さは制御できない。対して、本実施形態の全オフ期間は第2光源142を点灯させようとはしていない時間帯であって、その長さは制御可能に構成されている。上記の構成は、別の観点によれば、温度変化に由来する昇圧所要時間の変動を全オフ期間で吸収させることで、第2光源142の点灯時間を制御する構成に相当する。
また、上記の構成では、全オフ期間中に設定するDCDCコンバータ110の出力電圧(以降、プリセット電圧)として、設計値ではなく、前回の第2光源オン期間中に観測された実測値を適用する。そのような構成によれば、LEDの温度特性に由来して、プリセット電圧が実際の第2駆動電圧V2と相違する恐れを低減できる。その結果、第2光源スイッチ143をオンに設定してから第2光源142に第2目標電流If2が流れるまでに遅延が生じる恐れをより一層低減できる。また、第2光源スイッチ143をオンに設定した直後において過電流が流れる恐れも低減できる。なお、ここでのプリセットとは全オフ期間中にDCDCコンバータ110の出力電圧を次に点灯させる光源に適した電圧に予め設定することを指す。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の変形例は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[変形例1]
上述した実施形態では、駆動電圧が相対的に低い光源から駆動電圧が相対的に高い光源へと点灯対象を切り替える際に全オフ期間を導入する態様を開示したが、車両用ライト制御装置100の実施の態様はこれに限らない。駆動電圧が相対的に高い光源から駆動電圧が相対的に低い光源へと点灯対象を切り替える際にも全オフ期間を導入し、当該全オフ期間中にDCDCコンバータ110の出力電圧をプリセットするように構成されていても良い。そのような構成は、DCDCコンバータ110の出力電圧を下降させる必要がある点灯光源の切替時にも全オフ期間を導入した構成に相当する。
上述した実施形態では、駆動電圧が相対的に低い光源から駆動電圧が相対的に高い光源へと点灯対象を切り替える際に全オフ期間を導入する態様を開示したが、車両用ライト制御装置100の実施の態様はこれに限らない。駆動電圧が相対的に高い光源から駆動電圧が相対的に低い光源へと点灯対象を切り替える際にも全オフ期間を導入し、当該全オフ期間中にDCDCコンバータ110の出力電圧をプリセットするように構成されていても良い。そのような構成は、DCDCコンバータ110の出力電圧を下降させる必要がある点灯光源の切替時にも全オフ期間を導入した構成に相当する。
具体的には、図6に示すように、第2光源期間が終了すると、所定の第1光源用オフ時間Tx1の間、第1光源スイッチ133及び第2光源スイッチ143をオフに設定する。すなわち、第2光源オン期間が終了してから第1光源オン期間を開始するまでの間に、何れの光源にも電力を供給しない全オフ期間を設ける。
以降では便宜上、第1光源オン期間が終了してから第2光源オン期間を開始するまでの間の全オフ期間のことを、第2光源用オフ期間と称する。また、第2光源オン期間が終了してから第1光源オン期間を開始するまでの間の全オフ期間のことを、第1光源用オフ期間と称する。本変形例において第2光源用オフ期間は、DCDCコンバータ110の出力を第1駆動電圧V1から第2駆動電圧V2まで昇圧させるための準備期間に相当する。また、第1光源用オフ期間は、DCDCコンバータ110の出力を第2駆動電圧V2から第1駆動電圧V1まで降圧させるための準備期間に相当する。
第1光源用オフ期間の長さである第1光源用オフ時間Tx1は、例えば、第2光源用オフ期間の長さである第2光源用オフ時間Tx2と同じに設定されている。そのような構成によれば、全オフ期間の長さを計測するためのタイマー等を共用でき、制御部200の構成及び作動を簡素化できる。なお、他の態様として、第1光源用オフ時間Tx1は、第2光源用オフ時間Tx2よりも短く設定されていても良い。降圧は昇圧よりも急峻に実現可能であるためである。第1光源用オフ時間Tx1に関しては、DCDCコンバータ110の出力電圧を第2駆動電圧V2から第1駆動電圧V1まで下げるために要する時間(以降、降圧所要時間)の想定値に所定の裕度を加えた値に設定されていれば良い。降圧所要時間の平均値や最長値は、試験やシミュレーションによって特定されれば良い。
本変形例のプリセット部270は、第1光源用オフ期間中、電源スイッチ制御部260と協働して、DCDCコンバータ110の出力電圧をメモリ271に保存されている前時第1駆動電圧に調整する。例えば、電源スイッチ制御部260に対して第2電源スイッチ113及び第4電源スイッチ115をオンに設定させ、インダクタ112やコンデンサ121等にチャージされている電荷をグランド線に放電させる。なお、第1光源用オフ期間中にDCDCコンバータ110の出力電圧を前時第1駆動電圧にプリセットする方法はこれに限らない。例えば第1光源用オフ期間中、PWM信号生成部250に対してメモリ271に保存されている前時第1駆動電圧を制御目標値として入力し、PWM信号生成部250に出力電圧を前時第1駆動電圧に一致させるためのPWM信号を出力させてもよい。
また、車両用ライト制御装置100は、放電用(換言すれば降圧用)の回路であるディスチャージ回路190を備えていても良い。ディスチャージ回路190は、出力ダイオード191、放電スイッチ193、及び帰還ダイオード192を用いて構成されている。出力ダイオード191は、第2電源スイッチ113と出力フィルタ部120との間に、第2電源スイッチ113から出力フィルタ部120に向かって電流が流れる向きで介設されている。すなわち、出力ダイオード191のアノード電極は、第2電源スイッチ113のソース電極と接続されており、カソード電極は出力フィルタ部120と接続されている。
帰還ダイオード192は、電圧出力端子103から出力ダイオード191のアノード電極へ向かう電流経路を形成するためのダイオードである。帰還ダイオード192のアノードは、放電スイッチ193と接続されており、カソード電極は、出力ダイオード191のアノード電極と接続されている。
放電スイッチ193は、電圧出力端子103と帰還ダイオード192との接続状態を切り替えるためのスイッチである。放電スイッチ193は、制御部200から入力される制御信号に基づいてオン/オフが切り替えられるように構成されている。放電スイッチ193としては、nチャネル型のMOSFETやトランジスタなど、多様なスイッチ素子を採用可能である。ここでは一例として放電スイッチ193はpチャネル型のMOSFETを用いて実現されている。放電スイッチ193としてのpチャネルMOSFETのソース電極は電圧出力端子103と電気的に接続されており、ドレイン電極は帰還ダイオード192のアノード電極と接続されている。ゲート電極は、制御部200と接続されている。
放電スイッチ193がオンとなっている場合、電圧出力端子103は帰還ダイオード192を介して第4電源スイッチ115と接続された状態となる。つまり、電圧出力端子103から電源側へ向かう電流経路を形成する。また、放電スイッチ193がオフとなっている場合、帰還ダイオード192は電圧出力端子103と電気的に切断された状態となる。
このようなディスチャージ回路190を備える構成においては、プリセット部270は、第1光源用オフ期間中、電圧情報取得部240によって取得される出力電圧が所定の電圧(例えば前時第1駆動電圧)に至るまで放電スイッチ193をオンに設定する。このように降圧制御を電源側に電気エネルギーを戻すことで実現する構成によれば、車両用ライト制御装置100全体での消費電力を抑制できる。なお、図7に示すディスチャージ回路190の構成は一例であってこれに限定されない。ディスチャージ回路190の具体的な回路構成は適宜変更可能である。また、ディスチャージ回路190は、グランド線へ電荷を流すように構成されていても良い。
以上のように、第1光源オン期間の直前に第1光源用オフ期間を設け、第1光源用オフ期間中に出力電圧を第1駆動電圧V1に応じた電圧にプリセットしておく態様によれば、第1光源オン期間の冒頭において第1光源132に過電流が流れる恐れを低減できる。なお、ここでの過電流とは、LEDに規定されている直流順電流の最大定格を超える電流のほか、光源の輝度が所定の適正レベルを超過する大きさの電流も含まれる。
<実施形態、及び変形例1の補足>
以上では説明簡略化のために、第2駆動電圧V2のほうが第1駆動電圧V1よりも高いものとしたが、実際には両者の関係はLEDの数や温度等によって入れ替わりうる。すなわち、第1駆動電圧V1のほうが第2駆動電圧V2よりも高い場合もありうる。第1駆動電圧V1のほうが第2駆動電圧V2よりも高い場合には、プリセット部270は、第1光源用の全オフ期間において、第2駆動電圧V2から第1駆動電圧V1へ向けた昇圧制御を行う。また、第1駆動電圧V1のほうが第2駆動電圧V2よりも高い場合には、プリセット部270は、第2光源用の全オフ期間において、第1駆動電圧V1から第2駆動電圧V2へ向けた降圧制御を行う。
以上では説明簡略化のために、第2駆動電圧V2のほうが第1駆動電圧V1よりも高いものとしたが、実際には両者の関係はLEDの数や温度等によって入れ替わりうる。すなわち、第1駆動電圧V1のほうが第2駆動電圧V2よりも高い場合もありうる。第1駆動電圧V1のほうが第2駆動電圧V2よりも高い場合には、プリセット部270は、第1光源用の全オフ期間において、第2駆動電圧V2から第1駆動電圧V1へ向けた昇圧制御を行う。また、第1駆動電圧V1のほうが第2駆動電圧V2よりも高い場合には、プリセット部270は、第2光源用の全オフ期間において、第1駆動電圧V1から第2駆動電圧V2へ向けた降圧制御を行う。
なお、第2駆動電圧V2と第1駆動電圧V1の上下関係が温度等によって入れ替わりうることを鑑みると、変形例1として開示の通り、点灯対象を第1光源132から第2光源142に切り替える場合と、第2光源142から第1光源132に切り替える場合の両方に全オフ期間を設けることが好ましい。また、第2光源用オフ期間と第1光源用オフ期間のうち、昇圧制御を行う全オフ期間が不定であることを鑑みると、第2光源用オフ時間Tx2と第1光源用オフ時間Tx1は同じ長さに設定されていることが好ましい。
[変形例2]
上述した実施形態では第2光源オン期間の直前に設けられている全オフ期間中のプリセット電圧を前時第2駆動電圧とする態様を開示したが、これに限らない。第2光源142用のプリセット電圧は、前時第2駆動電圧よりも微小量(例えば1V)高い電圧としてもよい。換言すれば、第2光源142用のプリセット電圧は、前時第2駆動電圧に所定値を加えた電圧であってもよい。所定値は正の値であってもよいし、負の値(例えば−1V)であっても良い。また、第2光源142用のプリセット電圧は、試験等によって決定された一定の値(以降、第2想定電圧)であってもよい。例えば第2光源142用のプリセット電圧として適用される第2想定電圧は、平均的な使用環境での第2駆動電圧V2であってもよい。
上述した実施形態では第2光源オン期間の直前に設けられている全オフ期間中のプリセット電圧を前時第2駆動電圧とする態様を開示したが、これに限らない。第2光源142用のプリセット電圧は、前時第2駆動電圧よりも微小量(例えば1V)高い電圧としてもよい。換言すれば、第2光源142用のプリセット電圧は、前時第2駆動電圧に所定値を加えた電圧であってもよい。所定値は正の値であってもよいし、負の値(例えば−1V)であっても良い。また、第2光源142用のプリセット電圧は、試験等によって決定された一定の値(以降、第2想定電圧)であってもよい。例えば第2光源142用のプリセット電圧として適用される第2想定電圧は、平均的な使用環境での第2駆動電圧V2であってもよい。
また、プリセット部270は、予め用意された光源温度毎の第2駆動電圧を示すマップ(以降、第2駆動電圧−温度マップ)を用いてプリセット電圧を動的に決定するように構成されていても良い。そのような構成においては、プリセット部270は、温度センサから光源温度を取得し、当該光源温度に応じた電圧を第2駆動電圧−温度マップから読み出す。温度センサは外気温センサであってもよいし、第2光源142の温度を検出する専用の温度センサであってもよい。
前時第2駆動電圧や、第2想定電圧、光源温度マップに基づいて定まる電圧値、前時第2駆動電圧を1V加算した電圧、前時第2駆動電圧を1V下げた電圧などが、第2光源142の駆動に適したレベルに相当する。第2光源142の駆動に適したレベルとは、第2駆動電圧V2の真値との誤差が所定の許容レベル(例えば20%以内や3V以内)となる電圧を指す。
また、上述した変形例1では第1光源オン期間の直前に設けられている全オフ期間(つまり第1光源用オフ期間)でのプリセット電圧を、前時第1駆動電圧とする態様を開示したが、これに限らない。第1光源132用のプリセット電圧は、前時第1駆動電圧に所定値を加えた電圧であってもよい。所定値は正の値(例えば+1V)であってもよいし、負の値(例えば−1V)であっても良い。また、第1光源132用のプリセット電圧は、試験等によって決定された一定の値であってもよい。例えば第1光源132用のプリセット電圧は、平均的な使用環境での第1駆動電圧V1であってもよい。第1光源132用のプリセット電圧は、温度毎のプリセット電圧を定義したマップを用いて動的に決定されても良い。
前時第1駆動電圧や、第1想定電圧、光源温度マップに基づいて定まる電圧値、前時第2駆動電圧を1V加算した電圧、前時第1駆動電圧を1V下げた電圧などが、第1光源132の駆動に適したレベルに相当する。第1光源132の駆動に適したレベルとは、第1駆動電圧V1の真値との誤差が所定の許容レベル(例えば20%以内や3V以内)となる電圧を指す。
ところで、全オフ期間中の昇圧制御では、DCDCコンバータ110の動作時に蓄積されたインダクタ112のエネルギーによって、DCDCコンバータ110の動作停止後も微小時間、電圧出力端子103の電圧が上昇を継続しうる。そのため、電圧出力端子103の最終的な印加電圧が、全オフ期間中の目標値(例えば前時第2駆動電圧)を超過することがある。そのような事情を鑑みれば、プリセット部270は、前時第2駆動電圧よりも微小量低い電圧を第2光源142用のプリセット電圧として採用するように構成されていてもよい。第1光源132用のプリセット電圧もまた、前時第1駆動電圧よりも微小量低い電圧に設定されてもよい。
加えて、全オフ期間中の出力電圧の調整は多段階的に実施されるように構成されていても良い。例えば全オフ期間終了時点での最終的な目標値が20Vである場合には、プリセット部270はPWM信号生成部250に入力する目標値を例えば18V→19V→20Vと段階的に20Vに近づけるように構成されていても良い。そのような構成によれば、出力電圧が目標値を超過することを抑制することができる。
[変形例3]
プリセット部270は、全オフ期間中、PWM信号生成部250に対して、次に点灯させる光源の前回点灯時に使用していたデューティー比を使用させるように構成されていても良い。例えば第2光源142を点灯させる直前の全オフ期間においては、メモリ271に保存しておいた前時第2光源用デューティー比をPWM信号生成部250に出力する。PWM信号生成部250は、プリセット部270から前時第2光源用デューティー比が提供されると、当該前時第2光源用デューティー比を有するPWM信号を生成して、電源スイッチ制御部260に出力する。
プリセット部270は、全オフ期間中、PWM信号生成部250に対して、次に点灯させる光源の前回点灯時に使用していたデューティー比を使用させるように構成されていても良い。例えば第2光源142を点灯させる直前の全オフ期間においては、メモリ271に保存しておいた前時第2光源用デューティー比をPWM信号生成部250に出力する。PWM信号生成部250は、プリセット部270から前時第2光源用デューティー比が提供されると、当該前時第2光源用デューティー比を有するPWM信号を生成して、電源スイッチ制御部260に出力する。
また、プリセット部270は、第1光源132を点灯させる直前の全オフ期間においては、メモリ271に保存しておいた前時第1光源用デューティー比をPWM信号生成部250に出力する。PWM信号生成部250は、プリセット部270から前時第1光源用デューティー比が提供されると、当該前時第1光源用デューティー比を有するPWM信号を生成して電源スイッチ制御部260に出力する。
このような構成は、間接的にDCDCコンバータ110の出力電圧を次に点灯させる光源に適した電圧にプリセットする構成に相当する。故に、当該構成によっても点灯光源を切り替えたときの出力応答性を向上させる事ができる。
[変形例4]
第2光源オン期間においては、第1光源スイッチ133のドレイン電極に電荷が溜まり、第1光源スイッチ133のドレイン電圧が高いレベルとなりうる。ドレイン電極に電荷が溜まっている状態では、MOSFETのミラー効果によって、第1光源スイッチ133のゲート電極に所定のオン電圧(例えば5V)を印加した後も、ドレイン電圧が十分に低下するまでは第1光源132に電流が流れない。つまり、第1光源スイッチ133のゲート電極に所定のオン電圧を印加してから実際に第1光源スイッチ133がオンとなるまでには、ドレイン電極に滞留している電荷(以降、ドレイン電荷)による遅延(換言すればミラー効果による遅延)が生じうる。オン電圧は、MOSFETに規定されているゲート閾値電圧以上、最大定格電圧未満に設定されていれば良い。
第2光源オン期間においては、第1光源スイッチ133のドレイン電極に電荷が溜まり、第1光源スイッチ133のドレイン電圧が高いレベルとなりうる。ドレイン電極に電荷が溜まっている状態では、MOSFETのミラー効果によって、第1光源スイッチ133のゲート電極に所定のオン電圧(例えば5V)を印加した後も、ドレイン電圧が十分に低下するまでは第1光源132に電流が流れない。つまり、第1光源スイッチ133のゲート電極に所定のオン電圧を印加してから実際に第1光源スイッチ133がオンとなるまでには、ドレイン電極に滞留している電荷(以降、ドレイン電荷)による遅延(換言すればミラー効果による遅延)が生じうる。オン電圧は、MOSFETに規定されているゲート閾値電圧以上、最大定格電圧未満に設定されていれば良い。
そのようなミラー効果による電流の立上り遅延を解消/抑制するために、プリセット部270は、第1光源用オフ期間中に、ドレイン電荷を放電するように構成されていても良い。具体的には、第1光源用オフ期間中に第1光源スイッチ133のゲート電極に所定のドレイン放電時間、第1光源スイッチ133のゲート電極にオン電圧を印加し、ドレイン電荷を放電させる。
上記の構成によれば、第1光源オン期間の冒頭に、ドレイン電荷による電流の立ち上がり遅延が生じる恐れを抑制できる。なお、ドレイン放電時間は一定値であってもよいし、ドレイン電圧が0Vとなるまでとしてもよい。上記の制御は、第2光源用オフ期間にも適用することができる。
[変形例5]
以上では第1光源132をロービーム用の光源とし、第2光源142をCLL用の光源とする態様を開示したがこれに限らない。第1光源132、第2光源142の役割は適宜変更可能である。例えば、第1光源132は、昼間走行灯(以降、DRL:Daytime Running Light)、としての光を発するための光源であってもよいし、方向指示灯としての光を発するための光源であってもよい。第1光源132はフォグランプであってもよい。第1光源132は、赤外線ランプであっても良い。換言すれば、第1光源132は、赤外発光ダイオードを用いて実現されていても良い。第1光源132がロービームやハイビームとしての光を発するための光源であってもよい。また、第1光源132は、DRL及びCLLとしての光を発する光源として構成されていてもよい。第1光源132は、方向指示器及びCLLとしての光を発する光源として構成されていてもよい。第1光源132は複数種類のライトとしての役割を兼任するように構成されていても良い。第2光源142も同様である。
以上では第1光源132をロービーム用の光源とし、第2光源142をCLL用の光源とする態様を開示したがこれに限らない。第1光源132、第2光源142の役割は適宜変更可能である。例えば、第1光源132は、昼間走行灯(以降、DRL:Daytime Running Light)、としての光を発するための光源であってもよいし、方向指示灯としての光を発するための光源であってもよい。第1光源132はフォグランプであってもよい。第1光源132は、赤外線ランプであっても良い。換言すれば、第1光源132は、赤外発光ダイオードを用いて実現されていても良い。第1光源132がロービームやハイビームとしての光を発するための光源であってもよい。また、第1光源132は、DRL及びCLLとしての光を発する光源として構成されていてもよい。第1光源132は、方向指示器及びCLLとしての光を発する光源として構成されていてもよい。第1光源132は複数種類のライトとしての役割を兼任するように構成されていても良い。第2光源142も同様である。
[変形例6]
サイクル周期Tα(換言すれば点灯周波数)は、搭載車両の走行速度に応じて変更されても良い。サイクル周期Tαは、図8に示すように、搭載車両の走行速度(つまり車速)が速いほど短くなるように構成されていることが好ましい。高速移動中は低速移動中及び停車中に比べて、各種光源の明滅が人間に認識されやすいためである。車速を示すデータは、車速センサから直接的に取得してもよいし、ボディECU等の他のECUやナビゲーション装置、ロケータなどから間接的に取得するように構成されていてもよい。
サイクル周期Tα(換言すれば点灯周波数)は、搭載車両の走行速度に応じて変更されても良い。サイクル周期Tαは、図8に示すように、搭載車両の走行速度(つまり車速)が速いほど短くなるように構成されていることが好ましい。高速移動中は低速移動中及び停車中に比べて、各種光源の明滅が人間に認識されやすいためである。車速を示すデータは、車速センサから直接的に取得してもよいし、ボディECU等の他のECUやナビゲーション装置、ロケータなどから間接的に取得するように構成されていてもよい。
なお、図8に示す例ではサイクル周期Tαを車速に応じて3段階で変更する制御態様を開示している。具体的には時分割制御部220は、車速が30km/h以下である場合にはサイクル周期Tαを6ミリ秒に設定する。また、30km/hよりも高く、且つ、60km/h以下である場合には時分割制御部220はサイクル周期Tαを5ミリ秒に設定する。そして、車速が60km/hを超過している場合には時分割制御部220はサイクル周期Tαを4ミリ秒に設定する。もちろん、サイクル周期Tαを変更するための車速に対する閾値は適宜変更可能である。また、各車速に対するサイクル周期Tαの値も適宜変更可能である。その他、サイクル周期Tαは車速に応じて連続的に変化するように設定されていても良い。
[変形例7]
車両用ライト制御装置100の構成は上記の構成に限定されない。例えばDCDCコンバータ110と直流電源400との間には、入力フィルタ回路が設けられていても良い。入力フィルタ回路は、DCDCコンバータ110が発するノイズ(いわゆるディファレンシャルモードノイズ、ノーマルモードノイズ)が直流電源400に伝播することを抑制するための回路である。入力フィルタ部としては、π型フィルタやT型フィルタ、L型フィルタなど多様な構成を採用可能である。また、入力フィルタ回路の構成要素としては、抵抗器やフェライトビーズなども採用可能である。
車両用ライト制御装置100の構成は上記の構成に限定されない。例えばDCDCコンバータ110と直流電源400との間には、入力フィルタ回路が設けられていても良い。入力フィルタ回路は、DCDCコンバータ110が発するノイズ(いわゆるディファレンシャルモードノイズ、ノーマルモードノイズ)が直流電源400に伝播することを抑制するための回路である。入力フィルタ部としては、π型フィルタやT型フィルタ、L型フィルタなど多様な構成を採用可能である。また、入力フィルタ回路の構成要素としては、抵抗器やフェライトビーズなども採用可能である。
また、ここでは出力回路部毎に電流検出部を設けられているが、これに限らない。図9に示すように電流検出部は、何れの出力回路部を作動する場合にも共通して電流が流れる部分に設けられていても良い。図9に示す例では、電圧出力端子103の下流側に電流検出部Cduを設けた態様を開示している。
[変形例8]
上述した構成では、出力回路部を2つ備える態様を開示したが、これに限らない。DCDCコンバータ110に並列接続される負荷としての出力回路部(ひいては光源)は3つ以上であっても良い。例えば図10に示すように第1出力回路部130、及び第2出力回路部140に加えて、第3光源152が接続されるための第3出力回路部150を備えていても良い。
上述した構成では、出力回路部を2つ備える態様を開示したが、これに限らない。DCDCコンバータ110に並列接続される負荷としての出力回路部(ひいては光源)は3つ以上であっても良い。例えば図10に示すように第1出力回路部130、及び第2出力回路部140に加えて、第3光源152が接続されるための第3出力回路部150を備えていても良い。
第3出力回路部150は、第1出力回路部130と同様に構成されている。すなわち、第3出力回路部150は、第3電流検出部151、第3光源152、及び第3光源スイッチ153が直列接続された回路である。第1出力回路部130同様に、第3出力回路部150を構成する要素の配置順は適宜変更可能である。第3電流検出部151は、第3光源152に流れる電流を検出する構成である。第3電流検出部151は、第3光源152に流れる電流を示す信号を制御部200に出力する。第3電流検出部151の回路構成としては多様な構成を採用可能である。第3光源152は例えばハイビームとしての光を発するための光源である。第3光源152も1つ又は複数の発光素子を用いて構成されている。第3光源スイッチ153は、DCDCコンバータ110による第3出力回路部150(ひいては第3光源152)への電力の供給状態を切り替えるためのスイッチである。第3光源スイッチ153は、制御部200から入力される制御信号に基づいてオン/オフが切り替えられるように構成されている。第3光源スイッチ153としては、第1光源スイッチ133と同様に多様なスイッチング素子を採用することができる。
上記構成においては、時分割制御部220は例えば第1光源オン期間→全オフ期間→第2光源オン期間→全オフ期間→第3光源オン期間→全オフ期間の順で各光源が点灯するように各光源スイッチを制御すればよい。第3光源オン期間は、第1光源スイッチ133及び第2光源スイッチ143をオフに設定し、かつ、第3光源スイッチ153をオンに設定する期間に相当する。第3光源オン期間の直前に位置する全オフ期間は、DCDCコンバータ110の出力電圧を第3光源152の駆動電圧に適したレベルに調整するための準備期間に相当する。また、第3光源オン期間の直後に位置する全オフ期間は、DCDCコンバータ110の出力電圧を第1光源132の駆動電圧に適したレベルに調整するための準備期間に相当する。なお、上述した構成では、第1光源132、第2光源142、及び第3光源152の順に発光させる態様を開示したが、各光源の点灯順は適宜変更可能である。
[変形例9]
以上では車両用ライト制御装置100が車両前端部に設けられて使用される態様を開示したが、車両用ライト制御装置100の搭載位置はこれに限定されない。車両用ライト制御装置100は、車両後端部の左右コーナー部分に設置されて使用されてもよい。その場合、車両用ライト制御装置100は、主として車両後方に向けて光を発する光源の駆動を制御する装置として機能する。
以上では車両用ライト制御装置100が車両前端部に設けられて使用される態様を開示したが、車両用ライト制御装置100の搭載位置はこれに限定されない。車両用ライト制御装置100は、車両後端部の左右コーナー部分に設置されて使用されてもよい。その場合、車両用ライト制御装置100は、主として車両後方に向けて光を発する光源の駆動を制御する装置として機能する。
[付言]
本開示に記載の制御部200及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
本開示に記載の制御部200及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
つまり、制御部200が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。制御部200が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。
具体的には、制御部200は、FPGA(field-programmable gate array)を用いて実現されていても良い。また、制御部200は、コンピュータを用いて実現されていてもよい。すなわち、制御部200は、CPU、フラッシュメモリ、RAM、I/O、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを用いて実現されていても良い。CPUは、種々の演算処理を実行する演算処理装置である。フラッシュメモリは、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体である。RAMは揮発性の記憶媒体であって、CPUがプログラムやデータをキャッシュしたり、作業領域を展開したりするための主記憶装置に相当する。I/Oは、制御部200が、他の装置と通信するためのインターフェースとして機能する回路モジュールである。I/Oは、アナログ回路素子やICなどを用いて実現されればよい。制御部200がコンピュータを用いて実現される態様においては、コンピュータを制御部200として機能させるためのプログラム(以降、ライト制御プログラム)が例えばフラッシュメモリなどの非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよい。CPUがライト制御プログラムを実行することは、ライト制御プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。もちろん、制御部200は、CPUの代わりに、MPUやGPUを用いて実現されていてもよい。また、制御部200は、CPUや、MPU、GPUなど、複数種類の演算処理装置を組み合せて実現されていてもよい。
100 車両用ライト制御装置、110 DCDCコンバータ、111 第1電源スイッチ、112 インダクタ、113 第2電源スイッチ、114 第3電源スイッチ、115 第4電源スイッチ、120 出力フィルタ部、130 第1出力回路部、132 第1光源、133 第1光源スイッチ(第1負荷リレー)、140 第2出力回路部、142 第2光源、143 第2光源スイッチ(第2負荷リレー)、190 ディスチャージ回路、193 放電スイッチ、200 制御部(電源制御部)、210 点灯判断部、220 時分割制御部(供給先切替部)、230 電流情報取得部、240 電圧情報取得部、250 PWM信号生成部、260 電源スイッチ制御部、270 プリセット部、271 メモリ
Claims (11)
- 少なくとも1つの発光素子を用いてなる光源としての第1光源と、前記第1光源とは駆動電圧が異なる第2光源が並列接続されて使用されるDCDCコンバータ(110)と、
前記第1光源への電力の供給状態を切り替えるための第1負荷リレー(133)と、
前記第2光源への電力の供給状態を切り替えるための第2負荷リレー(143)と、
前記第1負荷リレー及び前記第2負荷リレーと協働して、前記第1光源と前記第2光源が同時に点灯しているように見えるように、前記DCDCコンバータの出力電力の供給先を所定の順に切り替える処理を繰り返す供給先切替部(220)と、
前記供給先切替部によって電力の供給先に設定されている前記光源に流れる電流が所定の目標値となるように前記DCDCコンバータの出力電圧を制御する電源制御部(200)と、を備え、
電力の供給先とする前記光源を順に切り替える時分割制御の1サイクルにおいて、前記第2光源を電力供給先とする第2光源オン期間の直前には、何れの前記光源にも電力を供給しない全オフ期間としての第2光源用オフ期間が設けられてあって、
前記電源制御部は、前記第2光源用オフ期間中に、前記DCDCコンバータの出力電圧を前記第2光源の駆動に適したレベルに設定するように構成されている車両用ライト制御装置。 - 請求項1に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記DCDCコンバータの出力電圧を記憶するためのメモリ(271)を備え、
前記電源制御部は、
前記第2光源を点灯させているときの前記DCDCコンバータの出力電圧を前時第2駆動電圧として前記メモリに保存するように構成されており、
前記メモリに前記前時第2駆動電圧が保存されている場合には、前記第2光源用オフ期間中、前記DCDCコンバータの出力電圧を、前記前時第2駆動電圧、又は、前記前時第2駆動電圧に所定値を加えた電圧に設定するように構成されている車両用ライト制御装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記第2負荷リレーは、nチャネル型のMOSFETを用いて実現されており、
前記電源制御部は、前記第2光源用オフ期間において所定の放電時間、前記第2負荷リレーとしての前記MOSFETのゲート電極に所定のオン電圧を印加することで、前記MOSFETのドレイン電極に滞留している電荷を放電させるように構成されている車両用ライト制御装置。 - 請求項1から3の何れか1項に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記電源制御部は、
前記DCDCコンバータの出力電圧を制御するためのPWM信号を生成及び出力するPWM信号生成部(250)と、
前記PWM信号生成部が出力している前記PWM信号のデューティー比を記憶するためのメモリ(271)と、を備え、
前記DCDCコンバータは前記PWM信号に基づいて駆動するものであって、
前記電源制御部は、
前記第2光源を点灯させているときに前記PWM信号生成部が出力している前記PWM信号のデューティー比を前時第2光源用デューティー比として前記メモリに保存するように構成されており、
前記第2光源用オフ期間中、前記PWM信号生成部にデューティー比が前記前時第2光源用デューティー比に設定されている前記PWM信号を生成させるように構成されている車両用ライト制御装置。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記時分割制御の1サイクルにおいて、前記第2光源オン期間の直前には前記第2光源用オフ期間が設けられているとともに、前記第1光源を電力供給先とする第1光源オン期間の直前にも前記全オフ期間としての第1光源用オフ期間が設けられており、
前記電源制御部は、前記第1光源用オフ期間中に、前記DCDCコンバータの出力電圧を前記第1光源の駆動に適したレベルに調整するように構成されている車両用ライト制御装置。 - 請求項5に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記DCDCコンバータの出力電圧を記憶するためのメモリ(271)を備え、
前記電源制御部は、
前記第1光源を点灯させているときの前記DCDCコンバータの出力電圧を前時第1駆動電圧として前記メモリに保存するように構成されており、
前記メモリに前記前時第1駆動電圧が保存されている場合には、前記全オフ期間中、前記DCDCコンバータの出力電圧を、前記前時第1駆動電圧、又は、前記前時第1駆動電圧に所定値を加えた電圧に設定するように構成されている車両用ライト制御装置。 - 請求項5又は6に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記第1負荷リレーは、nチャネル型のMOSFETを用いて実現されており、
前記電源制御部は、前記第1光源用オフ期間において所定の放電時間、前記第1負荷リレーとしての前記MOSFETのゲート電極に所定のオン電圧を印加することで、前記MOSFETのドレイン電極に滞留している電荷を放電させるように構成されている車両用ライト制御装置。 - 請求項5から7の何れか1項に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記電源制御部は、
前記DCDCコンバータの出力電圧を制御するためのPWM信号を生成及び出力するPWM信号生成部(250)と、
前記PWM信号生成部が出力している前記PWM信号のデューティー比を記憶するためのメモリ(271)と、を備え、
前記DCDCコンバータは前記PWM信号に基づいて駆動するものであって、
前記電源制御部は、
前記第1光源を点灯させているときに前記PWM信号生成部が出力している前記PWM信号のデューティー比を前時第1光源用デューティー比として前記メモリに保存するように構成されており、
前記第1光源用オフ期間中、前記PWM信号生成部にデューティー比が前記前時第1光源用デューティー比に設定されている前記PWM信号を生成させるように構成されている車両用ライト制御装置。 - 請求項5から8の何れか1項に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記第2光源は第1光源よりも駆動電圧が高く構成されており、
前記電源制御部は、前記第2光源用オフ期間中には、前記DCDCコンバータの出力電圧を前記第1光源の駆動に適したレベルから前記第2光源の駆動に適したレベルへと昇圧する一方、前記第1光源用オフ期間中には、前記DCDCコンバータの出力電圧を前記第2光源の駆動に適したレベルから前記第1光源の駆動に適したレベルへと降圧するように構成されている車両用ライト制御装置。 - 請求項1から9の何れか1項に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記時分割制御の1サイクル当りの時間であるサイクル周期は10ミリ秒以下に設定されている車両用ライト制御装置。 - 請求項1から10の何れか1項に記載の車両用ライト制御装置であって、
前記供給先切替部は、当該装置を搭載している車両の走行速度が高いほど、前記時分割制御の1サイクル当りの時間であるサイクル周期を短い値に設定するように構成されている車両用ライト制御装置。
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JP2018236446A JP2020098718A (ja) | 2018-12-18 | 2018-12-18 | 車両用ライト制御装置 |
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JP2021002440A (ja) * | 2019-06-20 | 2021-01-07 | スタンレー電気株式会社 | 点灯制御装置、点灯制御方法、車両用灯具 |
CN113071405A (zh) * | 2021-03-30 | 2021-07-06 | 一汽解放汽车有限公司 | 日间行车灯驱动控制方法、装置、计算机设备和存储介质 |
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