JP2020098244A - 感光性樹脂積層体及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム柔軟性が良好であり、矩形形状を有する微細なパターン形成が可能であり、かつ露光後24時間経過後も露光部の現像性に充分優れる感光性樹脂積層体を提供すること。【解決手段】支持体と、感光性樹脂組成物を含むポジ型感光性樹脂層とを含む感光性樹脂積層体であって、感光性樹脂組成物が、以下の成分:(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂;(B)キノンジアジド基含有化合物;及び(C)重量平均分子量500以上5000未満のクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂;を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物等に関し、より詳細には、プリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム(以下、リードフレームという)製造、メタルマスク製造等の金属箔精密加工、液晶表示素子等の薄膜トランジスタ、BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)等の半導体パッケージの製造、フラットパネルディスプレイ分野における酸化インジウムスズ(ITO)電極、アドレス電極、又は電磁波シールド等の部材の製造、及びサンドブラスト工法により基材を加工する際の保護マスク部材として好適なレジストパターンの製造等においてアルカリ性水溶液により現像可能な感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性樹脂積層体、並びにそれらの用途に関する。
半導体集積回路、液晶表示素子、プリント配線板等のパターニング等に利用される画像形成方法として、ノボラック型フェノール樹脂と1,2−ナフトキノンジアジド化合物とを含有する感光性樹脂組成物を原料として使用したポジ型フォトレジストを利用する方法が知られている。この感光性樹脂組成物の塗布を経てポジ型フォトレジストを形成する場合、その塗布厚は0.5〜数μmが一般的である。このポジ型フォトレジストを用いると、広い寸法範囲に亘る画像パターンが形成される。その寸法範囲は、例えば、0.3μm程度のサブハーフミクロン領域のものから、数十〜数百μm程度のかなり大きな寸法幅のものまで、広範に亘り、これにより、多種多様な基板表面の微細加工を可能にしている。
液晶ディスプレイ(LCD)等の分野においても、薄膜トランジスタ(TFT)液晶、超ねじれ状ネマティック(STN)液晶といった技術の進展に伴い画像の線幅が細くなり、ますます微細化の傾向が強まっている。例えば、従来のねじれ状ネマティック(TN)又はSTN液晶を利用した素子では、200μmないし数百μm程度の画像設計寸法であるのに対し、最近では、新技術の開発により画像の最小設計寸法が100μm以下となっている。また、応答性又は画像性の良好なTFT表示素子では、画像設計寸法が数μmレベルまで向上している。
フォトレジスト材料に期待される特性として、上述の微細な加工能力の保持と共に、大面積化への対応が挙げられる。すなわち、近年基板が大型化している液晶ディスプレイ、並びに、初めから大画面を指向しているプラズマディスプレイパネル(PDP)等への対応である。これらの基板では、面内の膜厚均一性を一層優れたものにすることが重要な技術となりつつある。また、大面積のディスプレイにおける共通の課題として、更なるコストダウン及び製造時に用いられるフォトレジストの省液化が挙げられる。
上述の課題のうち、フォトレジストの面内における膜厚均一性を更に改善し、フォトレジスト原料の省液化を達成するために、そのコーティング方式の検討が続けられてきた。その結果、従来一般的であったスピンコーティングの代替として、新たなスリットコーティングが開発されている。これらの技術は、550mm×680mm以下のサイズの基板について対応の見通しが得られつつある。しかしながら、更なる大型基板を目指す場合は、これらの技術の適用は困難であると予想される。
ところで、プリント配線基板の分野では、いわゆるネガ型ドライフィルムフォトレジストが広く使用されている。ネガ型ドライフィルムフォトレジストとは、支持体として15〜25μm厚のポリエステルフィルムを用い、この上に、通常は3〜100μm厚のネガ型感光性樹脂組成物を塗布し、更にその上に、4〜40μm厚のポリオレフィンフィルムを保護フィルムとして積層したものである。このネガ型ドライフィルムフォトレジストの技術は、600mm幅程度のプリント配線基板にも採用されている。ただし、プリント配線基板の分野で使用する場合に、ネガ型ドライフィルムフォトレジストに求められる解像度は、せいぜい10〜300μm程度である。
ネガ型ドライフィルムフォトレジストを用いたプリント配線板の作製を簡単に説明する。まず、ネガ型ドライフィルムフォトレジストに保護フィルムがある場合には、これを取り除いて、プリント配線板作成用基材にネガ型感光性樹脂組成物が接するようにラミネートし、支持体を通して活性光を露光し、感光性樹脂組成物を硬化させる。次いで、一般的に、濃度1質量%の炭酸ソーダ水溶液に代表される弱アルカリ水溶液を用いて未露光の感光性樹脂組成物を分散除去して現像する。その後、基材上の銅を塩化第二銅水溶液でエッチングし、そして、濃度2〜3質量%の苛性ソーダ水溶液又は苛性カリ水溶液により、硬化した感光性樹脂組成物を全て剥離除去する。
しかしながら、LCD用のTFT製造の際に求められている画像加工技術は、上述のとおり、例えば2〜10μm程度と、解像度がプリント配線基板の分野よりも格段に高い。それに加えて、メタルイオンフリー現像、有機剥離液による剥離、ITO又はTa、Alなどの金属薄膜及びSiN、ITOなど無機薄膜のエッチング加工の技術も必要とされている。これらに対応するために、フォトレジストには、膜厚が数μmであること、各種スパッタ済み金属薄膜又は無機薄膜への密着性の向上、膜厚均一性の更なる改善、1μmほどの凹凸を有するTFT先行パターンへの追従性の向上、1〜2m幅の基板に対するラミネートの高速化などが求められており、従来型のドライフィルムフォトレジストの限界を完全に超えている。つまり、LCD及びPDP業界での要求に応えるためには、従来のポジ型の液状レジストを直接基板に塗布する方法、あるいはネガ型のドライフィルムレジストを基板に転写する方法では限界がある。このような課題を解決するためには、ポジ型のドライフィルムレジストの採用が考えられるが、未だ実用的なものがない。
これまでのポジ型フォトレジストの材料としては、例えば、特許文献1及び2には、フェノールノボラック樹脂を主成分として1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを感光性成分として含有する樹脂組成物の開示がある。ところが、これをドライフィルムフォトレジストにそのまま応用した場合には、塗工性が悪いために支持体上に厚く塗工することができず、また、薄く塗工できたとしても、膜質が脆く柔軟性に欠けるため、それをロール状の製品とすることに難点がある。また、特許文献3には、フィルムを柔軟化するためにフェノール樹脂に乾性油を反応させて得られる化合物を導入するという開示もある。しかしながら、露光後のロール巻き取り時に要す時間の影響により、解像性が悪化するため、これらの材料を用いたポジ型のドライフィルムフォトレジストは実用化に至っていない。ポジ型のドライフィルムフォトレジストのロールについて、従来の製法と問題点を以下、詳細に説明する。
所望のフィルム幅を有するロール状の製品は以下のようにして得られる。まず、通常、ポジ型感光性樹脂組成物の支持体への塗工等を経て、幅広のロールを形成する。次いで、そのロールが所望のフィルム幅を有するよう、スリットにより切断する。また、画像パターンが形成される基板上に感光性樹脂組成物を積層するためには、通常、上記ロール状の製品からドライフィルムフォトレジストを引き出し、ラミネータを用いて基板上に圧着しながら熱転写する。このラミネート中又はラミネート後に、ドライフィルムフォトレジストは基板の長手方向の所定長さに切断される。
脆い膜質のポジ型感光性樹脂組成物を有するドライフィルムフォトレジストを用いた場合には、上記スリットの際に該ポジ型感光性樹脂組成物の切り屑(以下、単に切り屑という。)が発生してしまうという問題が発生する。また、ラミネート時に基板の長手方向の所定長さにドライフィルムフォトレジストが切断される際にも、切断面から切り屑が発生し易くなる。これらの切り屑は、粉塵となって、基板又はラミネータの稼働環境を汚染し、基板上に積層された支持体上に付着する。その結果、画像パターンには欠陥が生じ易くなる。
特許文献4には、ヒドロキシスチレンを有するアルカリ可溶性樹脂を用いることにより、パターン形成が可能でドライフィルムとして形成された際に、感光性樹脂組成物が柔軟であり、そのフィルムを切断しても切り屑の発生が十分に抑制される感光性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、微細パターン形成が困難なため、高解像用途での使用が難しい。
特開平06−027657号公報 特開2000−105466号公報 特開2007−316577号公報(特許第4840068号公報) 特許第5155389号公報
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、フィルム柔軟性が良好であり、矩形形状を有する微細なパターン形成が可能であり、かつ露光後24時間経過後も露光部の現像性に充分優れ、残膜率およびタック性にも優れた感光性樹脂積層体及びレジストパターンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため検討を行い、以下の構成を有する感光性樹脂組成物を用いることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
支持体と、感光性樹脂組成物を含むポジ型感光性樹脂層とを含む感光性樹脂積層体であって、
前記感光性樹脂組成物が、以下の成分:
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂;
(B)キノンジアジド基含有化合物;及び
(C)重量平均分子量500以上5000未満のクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂;
を含有する、感光性樹脂積層体。
[2]
前記感光性樹脂組成物が、さらに、(D)フェノールアラルキル樹脂を含む、[1]に記載の感光性樹脂積層体。
[3]
前記(A)成分が、重量平均分子量5000以上のノボラック樹脂である、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂積層体。
[4]
前記(A)成分が、重量平均分子量5000以上のクレゾールノボラック樹脂である、[3]に記載の感光性樹脂積層体。
[5]
前記感光性樹脂組成物が、エポキシ基又はビニル基を含む化合物を含まない、[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂積層体。
[6]
前記感光性樹脂組成物が、前記(A)成分を20〜90質量%、前記(B)成分を1〜45質量%、かつ前記(C)成分を10〜70質量%の割合で含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂積層体。
[7]
以下の工程:
[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂積層体の前記ポジ型感光性樹脂層を基板上に積層する積層工程;
該感光性樹脂層を露光する露光工程;及び
感光した感光性樹脂層を除去する現像工程;
を含むレジストパターンの製造方法。
[8]
前記露光工程において、前記ポジ型感光性樹脂層に直接描画して露光する、[7]に記載のレジストパターンの製造方法。
[9]
[7]又は[8]に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法。
[10]
[7]又は[8]に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングする工程を含む、リードフレームの製造方法。
[11]
[7]又は[8]に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチング又はめっきする工程を含む、半導体パターンの製造方法。
[12]
[7]又は[8]に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチング又はめっきする工程を含む、薄膜トランジスタの製造方法。
[13]
[7]又は[8]に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングする工程を含む、タッチパネルの製造方法。
本発明によれば、ドライフィルム積層体として形成した際にフィルム柔軟性が良好であり、矩形形状を有する微細なパターン形成が可能であり、かつ露光後24時間経過後も露光部の現像性に充分優れ、残膜率およびタック性にも優れたものとなる。
図1は、本発明の一実施形態に係る感光性樹脂積層体の模式断面図である。 図2は、ネガ型感光性樹脂組成物を用いるタッチパネルの製造方法を模式断面図(a)〜(h)で説明するためのフロー図である。 図3は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いるタッチパネルの製造方法を模式断面図(a)〜(f)で説明するためのフロー図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る感光性樹脂組成物を用いて得られるタッチパネルの上面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
<感光性樹脂積層体>
感光性樹脂積層体は、支持体と、感光性樹脂組成物を含むポジ型感光性樹脂層とを含む感光性樹脂積層体であって、
前記感光性樹脂組成物が、以下の成分:
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂;
(B)キノンジアジド基含有化合物;及び
(C)重量平均分子量500以上5000未満のクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂;
を含有する。
感光性樹脂積層体は、支持体と、後述する感光性樹脂組成物から成るポジ型感光性樹脂層を少なくとも含む構造を有する。感光性樹脂積層体は、所望により、保護層をさらに含んでよい。図1は、本実施形態に係る感光性樹脂積層体の模式断面図である。図1に示される感光性樹脂積層体10において、一例として、支持体2、感光性樹脂層4及び保護層6が、この順に積層される。
支持体2としては、例えば、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属プレート、又はポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルム等を用いることができる。支持体2の厚みは、1〜150μmであることが好ましい。
図1に示されるポジ型感光性樹脂層4は、後述する本実施形態のポジ型感光性樹脂組成物を液状にして支持体2上に塗布することで形成することができる。
図1に示される保護層6としては、保護フィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルム等が挙げられる。また、保護フィルムは低フィッシュアイのフィルムであることが好ましく、保護フィルムと感光性樹脂層4との間の接着力は、保護フィルムを感光性樹脂層4から剥離し易くするために、感光性樹脂層4と支持体2との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
また支持体2と感光性樹脂層4との間、及び/又は、感光性樹脂層4と保護フィルムとの間に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層又は保護層を更に備えていてもよい。
感光性樹脂積層体は、例えば、そのままの平板状の形態で、又は感光性樹脂層の一方の面に(保護されず露出している面に)保護フィルムを積層して、円筒状等の巻芯に巻きとり、ロール状の形態で貯蔵することができる。巻芯としては、従来用いられているものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチック等が挙げられる。貯蔵時には、支持体が最も外側になるように巻き取られることが好ましい。また、ロール状に巻き取られた感光性樹脂積層体の端面には、端面保護の観点から端面セパレータを設置することが好ましく、加えて耐エッジフュージョンの観点から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、感光性樹脂積層体を梱包する際には、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
<感光性樹脂組成物>
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、以下の成分:
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂;
(B)キノンジアジド基含有化合物;及び
(C)重量平均分子量500以上5000未満のクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂;
を含む。感光性樹脂組成物は、(A)、(B)及び(C)成分を含むことによって、パターン形成を可能にし、かつドライフィルム形成時に柔軟であり、そのフィルムの取り扱い時に樹脂の飛散を抑制することができる。また、矩形形状を有する微細なパターン形成が可能であり、かつ露光後24時間経過後も露光部の現像性に充分優れ、残膜率およびタック性にも優れたものとなる。
所望により、本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(A)、(B)及び(C)成分に加えて、以下の成分:
(D)フェノールアラルキル樹脂;
(B)成分、(D)成分以外の感光剤;
界面活性剤;
接着助剤;
酸;
溶媒、例えば、高沸点溶媒等;及び/又は
その他の添加剤、例えば、増感剤、吸光剤(染料)、架橋剤、顔料、充填材、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等;
を含むことができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、ドライフィルムの柔軟性及び取り扱い性、又はドライフィルムの取り扱い時の樹脂の飛散の抑制、薄膜トランジスタ又はタッチパネルの製造などの観点から、ポジ型フォトレジストとして好適に使用できる。
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(以下、アルカリ可溶性フェノール樹脂と称する。)例えば、フェノール化合物と、アルデヒド及び/又はケトンとを原料として、縮重合反応やビニルフェノール類の水酸基をアセチル基、トリメチルシリル基、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基などで保護したモノマーを合成し、カチオン、アニオン、あるいはラジカル開始剤の存在下で重合したのち、保護基を脱離することにより得られる。本明細書では、(A)成分は、(C)成分の化合物に該当する重量平均分子量500以上5000未満のクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂、(D)成分の化合物に該当するフェノールアラルキル樹脂を含まないものとする。
上記フェノール化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール;エチルフェノール、ブチルフェノール、トリメチルフェノール等のアルキルフェノール;メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール等のアルコキシフェノール;ビニルフェノール、アリルフェノール等のアルケニルフェノール;フェニルフェノール等のアリールフェノール;ベンジルフェノール等のアラルキルフェノール;メトキシカルボニルフェノール等のアルコキシカルボニルフェノール;ベンゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノール;クロロフェノール等のハロゲン化フェノール;カテコール、レゾルシノール等のポリヒドロキシベンゼン;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;並びに、α−又はβ−ナフトール等のナフトール化合物、p−ヒドロキシフェニル−2−エタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノール、p−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール等のヒドロキシアルキルフェノール;ヒドロキシエチルクレゾール等のヒドロキシアルキルクレゾール;ビスフェノールのモノエチレンオキサイド付加物;ビスフェノールのモノプロピレンオキサイド付加物等のアルコール性水酸基含有フェノール化合物;並びに、p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニルブタン酸、p−ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、ヒドロキシフェノキシ安息香酸、ジフェノール酸等のカルボキシル基含有フェノール化合物などが挙げられる。
上述のフェノール化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記アルデヒド及び/又はケトンとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、メトキシフェニルアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、クロロフェニルアセトアルデヒド、アセトン及びグリセルアルデヒドが挙げられる。また、アルデヒド及び/又はケトンとしては、例えば、グリオキシル酸、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸フェニル、グリオキシル酸ヒドロキシフェニル、ホルミル酢酸、ホルミル酢酸メチル、2−ホルミルプロピオン酸、2−ホルミルプロピオン酸メチル、ピルビン酸、レプリン酸、4−アセチルブチル酸、アセトンジカルボン酸、及び3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸も挙げられる。また、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドの前駆体が用いられてもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記縮重合反応には、酸性触媒を用いることが好ましい。この酸性触媒を用いることにより、ノボラック型フェノール樹脂が得られ易くなり、切り屑の発生をより有効に防ぐことができる。かかる酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸及びシュウ酸が挙げられる。酸性触媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。なお、アルカリ可溶性フェノール樹脂の合成条件は公知の条件であってもよい。
アルカリ可溶性フェノール樹脂を得るための原料中におけるアルデヒド及び/又はケトンの含有量は、上記フェノール化合物1モルに対し、0.7〜1モルであることが好ましい。この場合、上記縮重合反応をより迅速に進行させることができる。
また、(A)アルカリ可溶性フェノール樹脂は、上述のフェノール化合物とm−キシレンのようなフェノール以外の化合物との縮重合生成物であってもよい。この場合、縮重合に用いられるフェノール化合物に対するフェノール以外の化合物のモル比は、0.5未満であることが好ましい。
(A)アルカリ可溶性フェノール樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算重量平均分子量は、塗膜性を向上させる観点、並びに、現像性の低下を抑える観点から、300〜100,000であると好ましく、3,000〜20,000であるとより好ましい。重量平均分子量は、塗膜性の観点から1,000以上が好ましく、また、現像性の観点から、50,000以下が好ましい。
また、上記フェノール樹脂の重量平均分子量が所定の値(例えば300)より小さい場合は、鎖延長剤を用いてフェノール樹脂の多量体化を行い、上記重量平均分子量の範囲となるように分子量を増大させてもよい。鎖延長剤としては、例えば、カルボキシル基と反応可能なジオキサゾリン化合物、及び水酸基と反応可能なジイソシアネート化合物が挙げられる。
(A)アルカリ可溶性フェノール樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。2種以上を組み合わせて用いる場合のアルカリ可溶性フェノール樹脂としては、例えば、互いに異なる種類の単量体から得られる2種以上のアルカリ可溶性フェノール樹脂、互いに異なる重量平均分子量を有する2種以上のアルカリ可溶性フェノール樹脂、並びに、互いに異なる分散度を有する2種以上のアルカリ可溶性フェノール樹脂が挙げられる。
(A)アルカリ可溶性フェノール樹脂の感光性樹脂組成物中の配合割合は、感光性樹脂組成物全体の量に対して20〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましく、35〜75質量%であることがさらに好ましく、40〜70質量%であることが特に好ましい。この配合割合は、パターン形成性を向上させるという観点から20質量%以上が好ましく、またレジスト膜の脆さを防ぐという観点から90質量%以下が好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物において、優れたパターン形成性を維持したまま、フィルムとしたときの柔軟性を発現するという観点から、(A)成分が重量平均分子量5000以上のノボラック樹脂であることが好ましい。
ノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを公知の方法で重縮合することによって得られる。2種以上のノボラック樹脂を組み合わせて含有してもよい。上記フェノール類の好ましい例としては、フェノール、ビスフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等を挙げることができる。特に、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールおよび2,3,5−トリメチルフェノールがより好ましく、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールがさらに好ましく、これらのフェノール類を2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、上記アルデヒド類の好ましい例としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロロアセトアルデヒド等を挙げることができる。これらのうち、ホルマリンが特に好ましい。これらのアルデヒド類を2種以上組み合わせて用いてもよい。このアルデヒド類の使用量は、フェノール類1モルに対し、0.6モル以上が好ましく、0.7モル以上がより好ましい。また、3モル以下が好ましく、1.5モル以下がより好ましい。
その中でも、耐熱性、アルカリ現像液に対する溶解性の観点から、フェノールノボラック樹脂、m−クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールノボラック樹脂が好ましく、m−クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールノボラック樹脂であることがより好ましい。
m−クレゾールとp−クレゾールとを組み合わせて用いる場合、クレゾールノボラック樹脂中の、構成単位としてm−クレゾールとp−クレゾールとの比(m/p)は、特に限定されるものではないが、例えば8/2〜2/8とすることができる。
このようなクレゾールノボラック樹脂として具体的には、旭有機材(株)製、TR4020G(商品名、以下同じ)、TR4080G、TR5010G、住友ベークライト(株)製、PR−X18153、アイカ工業(株)製、ショウノール(登録商標)CKM−957、MCM−709、群栄化学製、PS−2808、GTR−B9(商品名)等が挙げられる。
クレゾールノボラックの構造例:
Figure 2020098244
(A)成分が重量平均分子量5000以上のノボラック樹脂を含む場合、(A)成分におけるノボラック樹脂の割合は20質量%〜90質量%であることが好ましく、30質量%〜70質量%であることがより好ましい。この配合割合は、パターン形成性を向上させるという観点から20質量%以上が好ましく、またレジスト膜の脆さを防ぐという観点から90質量%以下が好ましい。
(B)キノンジアジド基含有化合物
(B)キノンジアジド基含有化合物は、キノンジアジド基として、例えば、1,2−キノンジアジド基、1,2−ナフトキノンジアジド基などを有することができる。(B)成分は、例えば、水酸基又はアミノ基を有する有機化合物(以下単に「有機化合物」という。)に、スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−ナフトキノンジアジド化合物を反応させて得られる化合物である。この場合、有機化合物の水酸基又はアミノ基と、1,2−キノンジアジド化合物のスルホ基又はスルホニルクロリド基とが結合する。なお、この結合は、得られる1,2−キノンジアジド化合物の分子内に少なくとも一つあればよい。
上記スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、及び1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドが挙げられる。上記スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物の中でも、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、及び1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドからなる群より選ばれる1種以上の化合物が好ましい。これらのスルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物は、溶剤に有利に溶解することから、有機化合物との反応効率を高めることができる。
上記有機化合物としては、例えば、ポリヒドロキシベンゾフェノン類、ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体、フェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ノボラック、ピロガロール−アセトン樹脂、ヒドロキシスチレンのホモポリマー又はこれと共重合し得るモノマーとの共重合体が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記ポリヒドロキシベンゾフェノン類としては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、及び2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類としては、例えば、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール,及び3,3’−ジメチル−{1−[4−〔2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノールが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体としては、例えば、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、及びビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体としては、例えば、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、及びビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
これらの中でも、上記有機化合物としては、ポリヒドロキシベンゾフェノン類、ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類、及び/又は、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類であることが好ましい。上記有機化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることがより好ましい。この場合、感光性樹脂組成物への光照射前と光照射後との現像液に対する溶解度差が大きくなるため、画像コントラストにより優れるという利点がある。
中でも、下記一般式(1):
Figure 2020098244
{式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜Cのアルキル基、アルケニル基又は水酸基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン又はC〜Cのアルキル基であり、そしてR〜R11は、それぞれ独立に、水素又はC〜Cのアルキル基である。}
で表される化合物、下記一般式(2):
Figure 2020098244
{式中、R12〜R17は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜Cのアルキル基、アルケニル基又は水酸基である。}
で表される化合物、下記一般式(3):
Figure 2020098244
{式中、R18〜R21は、それぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、又は置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基である。}で表される化合物、及び下記一般式(4):
Figure 2020098244
{式中、R22〜R25は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、又は置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基であり、そしてXは、単結合、酸素原子又はフェニレン基である。}で表される化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種であることが、感度の観点から更に好ましい。
有機化合物が、上記一般式(1)で表される化合物、上記一般式(3)で表される化合物及び上記一般式(4)で表される化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の化合物である場合、スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物が、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、及び/又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドであることが好ましい。これらのスルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物は、上記一般式(1)で表される化合物、上記一般式(3)で表される化合物及び上記一般式(4)で表される化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の化合物との相溶性が良好であることから、(A)成分と(B)成分とを混合した場合に生じる凝集物の発生量を低減させることができる。また、これらを含む感光性樹脂組成物をフォトレジストの感光性成分として用いると、感度、画像コントラスト及び耐熱性により優れるものとなる。同様の観点から、一般式(2)中の基R12〜R17の少なくとも1つが水酸基であることが好ましい。
また、上記一般式(1)で表される化合物、上記一般式(3)で表される化合物及び上記一般式(4)で表される化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の化合物は、下記化学式(5)〜(9):
Figure 2020098244
Figure 2020098244
Figure 2020098244
Figure 2020098244
Figure 2020098244
で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることがより好ましい。この場合、光感度により優れるという利点がある。中でも一般式(5)で表される化合物が溶解抑止の観点から好ましく、また、一般式(8)又は(9)で表される化合物が感度の観点から好ましい。
上記一般式(1)〜(4)で表される化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の化合物を用いた1,2−ナフトキノンジアジド化合物の合成方法としては、下記の方法が挙げられる。すなわち、例えば、上記一般式(1)〜(4)で表される化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドとを、ジオキサン、THFのような溶媒中に添加し、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ又は炭酸水素アルカリ等のアルカリ触媒存在下で反応させる方法が挙げられる。このとき、上記一般式(1)〜(4)で表される化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の化合物の水酸基と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドのスルホニル基とが縮合した1,2−ナフトキノンジアジド基を含む感光剤が合成される。なお、得られる1,2−ナフトキノンジアジド基を含む感光剤の分子内において、一般式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の水酸基と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドのスルホニル基との結合は少なくとも一つあればよい。
なお、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドとしては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドが好適である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような(B)成分として具体的には、4,4’−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノール)の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸のモノ、ジ又はトリエステルの混合物(例えば、ダイトーケミックス(株)製、4CPA−20(商品名、以下同じ))、4,4’−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノール)の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸のモノ、ジ又はトリエステルの混合物(例えば、ダイトーケミックス(株)製、4CPA−27)、α,α,α−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼンの1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(例えば、東洋合成工業(株)製、TS−100G)、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸のエステル、2,3,4,4′−テトラメチルベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸のエステル(東洋合成工業製、4NT−300)、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸のエステル(東洋合成工業製、NT−200)、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸のエステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸のエステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸のエステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸のエステル、2,2′−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸のエステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチルー4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸のエステル等が挙げられる。
4CPA−20、4CPA−27の構造例:
Figure 2020098244
本実施形態では、(B)成分は、感光性樹脂組成物の感光剤として使用されることができる。
また、(B)成分の感光性樹脂組成物中の配合割合は、感光性樹脂組成物全体の量に対して1〜45質量%であることが好ましく、3〜40質量%であることがより好ましく、5〜43質量%であることがさらに好ましく、よりさらに好ましくは5〜20質量%である。この配合割合は、光感度を向上させるという観点から1質量%以上が好ましく、またレジスト膜の脆さを防ぐという観点から45質量%以下が好ましい。
(C)重量平均分子量500以上5000未満のクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂
本実施形態の感光性樹脂積層体では、(C)重量平均分子量500以上5000未満のクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂を含有する。
(C)クレゾールノボラック樹脂またはフェノールノボラック樹脂の重量平均分子量が500以上であることで、現像時の残膜率を高くすることができ、マスクへの感光層の付着が抑制され汚染を防止することができる。また、分子量が5000未満であることで、感光性樹脂組成物を基材へ塗布する際の作業性、アルカリ現像液への溶解性に優れる。
なお、本明細書では、(C)成分は、(A)成分として含まれる、重量平均分子量5000以上の ノボラック樹脂とは区別するものとする。
(C)クレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂は、クレゾール類又はフェノール類とアルデヒド類とを公知の方法で重縮合することによって得られる。重量平均分子量が異なること以外は、(C)成分としてのクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂は、(A)成分として含まれるノボラック樹脂と同様であるので、ここでの具体的な説明は省略する。
(C)成分として重量平均分子量500以上5000未満の低分子量ノボラック樹脂と、(A)成分として重量平均分子量が5000以上の高分子量ノボラック樹脂とを併用することで、石垣効果により、感度をより優れたものとすることができる。
(C)成分の感光性樹脂組成物中の配合割合は、感光性樹脂組成物全体の量に対して1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜40質量%であることがより好ましい。この配合割合は、露光感度を向上させるという観点から1質量%以上が好ましく、また現像残膜率を向上させるという観点から50質量%以下が好ましい。
(D)フェノールアラルキル樹脂
感光性樹脂組成物は、(D)フェノールアラルキル樹脂を含有する。本実施形態では、(D)成分は、アルカリ可溶性樹脂と併用して用いられ、感光性樹脂組成物の感光剤として使用されることができる。
(D)フェノールアラルキル樹脂は、フェノール類とアラルキルフェノール類(キシリレンユニット、ベンゼンやビフェニル等を有する反応性化合物)との反応から得られる樹脂であり、i線領域(365nm)はもとより、248nm付近の吸収が非常に小さいため、従来のg線(436nm)、i線からKrFエキシマレーザーにいたる領域まで、非常に透明性が高く、また、その水酸基がアルカリ可溶性に大きく寄与している。この樹脂を、光反応性成分と組み合わせることにより、常態においてはアルカリ可溶性が抑制され、露光後は露光部の光反応成分が光変性して抑制効果を失活しアルカリ可溶性となることでフォトリソグラフが可能となる、いわゆる、ポジ型フォトレジストとしてより有用なものとなる。
このフェノールアラルキル樹脂は、特公昭47−15111、特開昭63−238129、特開平06−100667等に記載された方法を用いて製造することができる。すなわち、過剰量のフェノール化合物と一般式(10)または(11)で表されるアラルキルハライドまたはアラルキルアルコール、もしくはその誘導体(以下、アラルキル化合物とする)とを反応させた後、必要により未反応フェノール化合物を留去することにより得られるものである。
Figure 2020098244
(式中、R 26 はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜4の低級アルコキシ基を表す。)
Figure 2020098244
(式中、R 27はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜4の低級アルコキシ基を表す。)
反応に用いられるフェノール化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、t−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール等の一価フェノール類、レゾルシン、ハイドロキノン、カテコール等の二価フェノール類、2−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、2−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、2ークロロフェノール、4−クロロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、2,6−ジブロモフェノール、2,4−ジヨードフェノール、2,6−ジヨードフェノール等のハロゲン化フェノール類等を挙げることができる。中でも好適なフェノール化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールが挙げられ、これらは単独で、あるいは2種類以上併用して用いられる。
また、アラルキル化合物としては、m-キシレン、αα,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジフルオロ−p−キシレン、α,α’−ジフルオロ−m−キシレン、α,α’−ジフルオロ−o−キシレン、α,α’−ジヨード−p−キシレン、α,α’−ジヨード−m−キシレン、α,α’−ジヨード−o−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレン、α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−o−キシレン、4,4’−ジ(ハロゲノメチル)ビフェニル、2,4’−ジ(ハロゲノメチル)ビフェニル、2,2’−ジ(ハロゲノメチル)ビフェニル、4,4’−ジ(アルコキシメチル)ビフェニル、2,4’−ジ(アルコキシメチル)ビフェニル、2,2’−ジ(アルコキシメチル)ビフェニル、4,4’−ジ(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,4’−ジ(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,2’−ジ(ヒドロキシメチル)ビフェニル、4,4’−ジ(アルコキシメチル)ビフェニル、2,4’−ジ(アルコキシメチル)ビフェニルおよび2,2’−ジ(アルコキシメチル)ビフェニル、1,4−ジ(ハロゲノメチル)ベンゼン、1,4−ジ(アルコキシメチル)ベンゼン、1,2−ジ(ハロゲノメチル)ベンゼン、1,2−ジ(アルコキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ハロゲノメチル)ベンゼンおよび1,3−ジ(アルコキシメチル)ベンゼン等が挙げられる。中でも好ましい化合物としては、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、4,4’−ジ(ハロゲノメチル)ビフェニル、4,4’−ジ(アルコキシメチル)ビフェニル、4,4’−ジ(ヒドロキシメチル)ビフェニル、1,4−ジ(アルコキシメチル)ベンゼン、1,2−ジ(アルコキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(アルコキシメチル)ベンゼンが挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上併用して用いられる。
フェノール化合物とアラルキル化合物との反応モル比は、基本的にはフェノール化合物が小過剰量以上あれば良いが、あまりフェノール量が少ないと反応中に分子量が上昇し過ぎてゲル化し、また多すぎれば未反応フェノール化合物が多くなり、また反応の容積効率の面からも不利になるため、フェノール/アラルキル化合物(モル比)が20〜1.3、好ましくは10〜1.5、さらに好ましくは8〜1.5の範囲である。
反応においては、塩化アルミニウムに代表されるルイス酸、メタンスルホン酸に代表されるアルカンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸の様な有機スルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸に代表されるパーフルオロアルカンスルホン酸の様な超強酸、あるいはナフィオンと呼ばれるパーフルオロアルカンスルホン酸型イオン交換樹脂や通常の酸性イオン交換樹脂などの酸性触媒が用いられる。その使用量は、原料に対して、0.0005〜10質量%、好ましくは、0.001〜5質量%の範囲である。
反応はフェノールとアラルキル化合物を任意の方法で反応させることにより行われる。具体的には、予め加熱され撹拌されているフェノールにアラルキル化合物を滴下しつつ反応を終結させる方法や、全ての原料を予め一括して仕込み、撹拌しながら徐々に昇温し反応させる方法、など任意の反応形態により反応を行うことが可能である。この反応においては、アラルキル化合物の選択により、ハロゲン化水素、水、アルコール等の反応副生物を生じるが、これらは反応が進行し、副生物が生じるに従い、順次系外に除去することが望ましい。反応温度は40〜200℃、好ましくは60〜180℃、より好ましくは70〜160℃の範囲である。なお、本反応においては、反応に関与しない溶媒を用いることも可能である。
(D)フェノールアラルキル樹脂は、下記一般式(11)で表される樹脂であることが好ましい。
Figure 2020098244
{一般式(11)において、Xは、それぞれ独立に一般式(12):
Figure 2020098244
または一般式(13):
Figure 2020098244
または一般式(14):
Figure 2020098244
(R29〜R32は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基である。)で表される芳香族環を含む2価の基を表し、R27およびR28は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数が1〜6個のアルキル基を表し、qは、1〜100の整数を表す。}
(D)フェノールアラルキル樹脂の水酸基当量は、フィルム柔軟性の観点から、115g/eq以上であることが好ましく、130g/eq以上であることがより好ましい。水酸基当量は、耐熱性の観点から、5000g/eq以下であることが好ましく、3000g/eq以下であることがより好ましい。
ここで水酸基当量とは、フェノール樹脂における水酸基1つに対する分子量を意味する。水酸基当量の測定はJIS K 0070(1992)に規定される中和滴定法に準じて行うことができる。
このような(D)成分として具体的には、4,4‐ビス(メトキシメチル)ビフェニルとフェノールとの共重合体(例えば、日本化薬(株)製、GPH‐65、GPH‐103(商品名、以下同じ。)、明和化成(株)製、MEHC‐7851)、1,4−ジ(メトキシメチル)ベンゼンとフェノールとの共重合体(例えば、明和化成(株)製、MEH‐7800、MEHC‐7800)、三井化学(株)製、XLC−3L、XL−225、等が挙げられる。
GPH−65、MEHC−7851の構造例:
Figure 2020098244
{式中、nは2以上の整数である。}
MEHC−7800、MEH−7800の構造例:
Figure 2020098244
(D)成分の感光性樹脂組成物中の配合割合は、感光性樹脂組成物全体の量に対して20〜90質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。この配合割合は、レジスト膜の脆さを防ぐという観点から20質量%以上が好ましく、またパターン形成性の向上という観点から90質量%以下が好ましい。
(E)染料
感光性樹脂組成物は、(E)染料を含有することにより露光部分が消色するので、露光部と未露光部を見分けることが可能となり視認性の点で好ましい。
(E)染料(着色物質)としては、例えば、フクシン[CAS番号(以下、同じ):632−99−5]、フタロシアニングリーン[574−93−6]、オーラミン塩基[2465−27−2]、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット[548−62−9]、メチルオレンジ[547−58−0]、ナイルブルー2B[3625−57−8]、マラカイトグリーン[569−64−2](例えば、保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベーシックブルー20[82−94−0]、マラカイトグリーンシュウ酸塩[2437−29−8]、ブリリアントグリーン[633−03−4]、フクシン[632−99−5]、メチルバイオレット[603−47−4]、メチルバイオレット2B[8004−87−3]、メチルグリーン[82−94−0]、ビクトリアブルーB[2580−56−5]、ローダミンB[81−88−9]、ローダミン6G[989−38−8]、ベーシックイエロー2[2465−27−2]、ダイアモンドグリーン(例えば保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)、ダイアモンドグリーン(ベーシックグリーン)[633−03−4](例えば、保土谷化学(株)製 アイゼンダイヤモンドグリーンGH)、ソルベントグリーン3[128−80−3](例えば、OPLAS Green 533)、Valifast Red 1360等のベース染料が挙げられる。
感度や視認性の観点から、感光性樹脂組成物は、(D)染料として、下記一般式(15):
Figure 2020098244
(式中、R33は水素または炭素数1〜10のアルキル基である。)
で表される化合物(塩基性染料)を含むことが好ましい。
上記一般式(15)で表される化合物の具体例としては、R33がエチル基であるベーシックブルー7[2390−60−5](例えば、保土谷化学(株)製 アイゼン ビクトリア ピュアブルー BOH))が挙げられる。
Figure 2020098244
また、検査機等が露光のための位置合わせマーカーを読み取る場合、露光部と未露光部とのコントラストが大きい方が認識し易く有利である。この観点で好ましい染料としては、ロイコ染料及びフルオラン染料が挙げられる。
ロイコ染料としては、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フェニルメタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。とりわけ、コントラストが良好となる観点から、ロイコ染料としては、ロイコクリスタルバイオレットを用いることが好ましい。
感光性樹脂組成物中の(E)染料の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%としたとき、0.001質量%〜1質量%であることが好ましく、0.05〜0.6質量%であることがより好ましく、0.1〜0,5質量%であることがさらに好ましい。露光部分と未露光部分とのコントラストを良好にする観点、および感光性樹脂組成物の取扱い性を向上させるという観点から、含有量を0.001質量%以上とすることが好ましい。一方、過現像かつ過水洗で現像液の温度も高いといった極めて過酷な現像条件においても密着性や解像性が優れる観点、および感光性樹脂組成物の保存安定性を維持するという観点から、含有量を1質量%以下にすることが好ましい。
可塑剤
感光性樹脂組成物に、可塑剤を含有することは、切り屑を低減できるという観点から好ましい。
可塑剤としては、相溶可能な低分子量成分で有ればよく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノエチルエーテル等のグリコール・エステル類、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルホン酸アミド、p−トルエンスルホン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、ビスフェノールA(2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン)またはビスフェノールE(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン)またはビスフェノールF(4,4’−メチレンビスフェノール)またはビスフェノールS(4,4’−スルフォニルジフェノール)の両末端の水酸基を利用して、アルキル基、アルキレンオキシド基、又はポリアルキレンオキシド基等の脂肪族性の分子鎖を導入した化合物が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基など、アルキレンオキシド基としては、メチレンオキシド基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、テトラメチレンオキシド基など、ポリアルキレンオキシド基としては、ポリメチレンオキシド基、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基、ポリテトラメチレンオキシド基またはそれらのブロック共重合体、ランダム共重合体よりなる基などが挙げられる。
その他の成分
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させる目的で界面活性剤を含有させてもよい。かかる界面活性剤としては、特に限定されないが、フッ素系界面活性剤であることが好ましい。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、BM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製);メガファック(登録商標)F142D、メガファック(登録商標)F172、メガファック(登録商標)F173、メガファック(登録商標)F183、メガファック(登録商標)R−08、メガファック(登録商標)R−30、メガファック(登録商標)R−90PM−20、メガファック(登録商標)BL−20(以上、大日本インキ化学工業社製);フロラードFC−135、フロラードFC−170C、フロラードFC−430、フロラードFC−431、フロラードFC−4430(以上、住友スリーエム社製);サーフロン(登録商標)S−112、サーフロン(登録商標)S−113、サーフロン(登録商標)S−131、サーフロン(登録商標)S−141、サーフロン(登録商標)S−145(以上、旭硝子社製);SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レシリコーン社製)等の市販品を用いることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
界面活性剤の配合割合は、感光性樹脂組成物全体の量に対して5質量%以下であることが好ましい。この配合割合が5質量%を超えると、配合割合が上記範囲にある場合と比較して、パターン形成性が低下する傾向にある。
感光性樹脂組成物には、基材等との接着性を向上させるために接着助剤を含有させてもよい。かかる接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。ここで、官能性シランカップリング剤とは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤を意味する。官能性シランカップリング剤としては、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、Y−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、Y−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルイソシアネート及び1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアネートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記接着助剤の配合割合は、感光性樹脂組成物全体の量に対して20質量%以下であると好ましい。この配合割合が20質量%を超えると、配合割合が上記範囲にある場合と比較して、現像残渣が発生し易くなる傾向にある。
感光性樹脂組成物には、アルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行うために、酸又は高沸点溶媒を含有させてもよい。酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、安息香酸、桂皮酸等のモノカルボン酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸等のヒドロキシモノカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテート等の酸無水物が挙げられる。
また、高沸点溶媒としては、例えば、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上述の酸又は高沸点溶媒の配合割合は、用途、塗布方法に応じて調整することができ、かつ感光性樹脂組成物に均一に混合させることができれば特に限定されるものではない。例えば、これら酸又は高沸点溶媒の配合割合は、感光性樹脂組成物全量に対して60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の特性を損なわないという利点がある。
さらに、本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、増感剤、吸光剤(染料)、架橋剤、顔料、充填材、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を含有させてもよい。これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性樹脂組成物には、感度の微調整や露光後視認性の微調整を行うために、増感剤を含有させてもよい。増感剤としては、解像性又は溶解性に更に優れる観点から、アントラセン骨格、ピレン骨格、ペリレン骨格、カルバゾール骨格、フェノチアジン骨格、キサントン骨格、チオキサントン骨格、アクリジン骨格、ピラゾリン骨格、ジスチリルベンゼン骨格、及び、ジスチリルピリジン骨格からなる群より選ばれる少なくとも1種の骨格を有する化合物が挙げられる。
これらの添加剤の配合割合は、感光性樹脂組成物の特性を損なわない範囲であれば特に限定されるものではないが、感光性樹脂組成物全量に対して50質量%以下であることが好ましい。
上述の各成分は、それぞれにおいて例示されたもののいずれを組み合わせてもよい。
感光性樹脂組成物の調製は、通常の方法で混合、攪拌して行われればよい。また、充填材、顔料を感光性樹脂組成物に添加する場合には、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等の分散機を用い分散、混合させればよい。さらには、必要に応じて、更にメッシュ、メンブレンフィルター等を用いてろ過してもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、エポキシ基やビニル基を含む化合物を含まないことが好ましい。エポキシ基やビニル基のような反応性官能基を有する化合物を使用した場合、露光後24時間フィルムを保存した後に解像性が悪化する。露光時に発生した酸又はラジカルにより架橋反応が進行するためと考えられる。感光性樹脂組成物は、エポキシ基やビニル基を含む化合物を含まないことで、露光後24時間フィルムを保存した後の解像性の悪化を抑制することができる。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分を20〜90質量%、(B)成分を1〜45質量%、かつ(C)成分を1〜50質量%の割合(配合比)で含むことが好ましく、(A)成分を30〜70質量%、(B)成分を5〜30質量%、かつ前記(C)成分を5〜40質量%の割合で含むことがより好ましい。これにより、本実施形態の感光性樹脂組成物は、ドライフィルムとして形成した際にフィルム柔軟性がより良好であり、矩形形状を有するより微細なパターン形成が可能であり、露光部と未露光部を見分けることが可能でかつ露光後24時間経過後も露光部の現像性により優れたものとなる。
<感光性樹脂積層体の製造方法>
図1に示されるポジ型感光性樹脂層4は、上記本実施形態の感光性樹脂組成物を液状にして支持体2上に塗布することで形成することができる。
感光性樹脂組成物を支持体上に塗布する際には、必要に応じて、当該感光性樹脂組成物を所定の溶剤に溶解して固形分30〜60質量%の溶液としたものを塗布液として用いてもよい。かかる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤、又はこれらの混合溶剤が挙げられる。
塗布の方法としては、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の方法が挙げられる。また、溶剤の除去は、例えば加熱により行うことができ、その場合の加熱温度は約70〜150℃であると好ましく、加熱時間は約2〜30分間であると好ましい。
このようにして形成された感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下であることが好ましい。
また、感光性樹脂層の厚みは、用途により異なるが、溶剤を除去した後の厚みが0.5〜100μm程度であることが好ましい。
支持体と感光性樹脂層おいては、必要に応じて、感光性樹脂層の支持体側と反対側の面を保護フィルムで被覆していてもよい。
<レジストパターンの形成方法>
レジストパターンの形成方法は、基材上に、上記感光性樹脂積層体のポジ型感光性樹脂層が密着するようにして積層し、活性光線を画像状に照射して露光部を現像により除去するものである。活性光線が照射されていない部分は、1,2−ナフトキノンジアジド基を含む感光剤がアルカリ可溶性フェノール樹脂と相互作用を起こして溶解禁止剤として働いているのでアルカリに溶けない。しかしながら、活性光線が照射された部分では、1,2−ナフトキノンジアジド基を含む感光剤が光分解して、溶解禁止効果を失う。これにより、活性光線が照射された露光部分がアルカリ可溶となる。
基材上への感光性樹脂層の積層方法としては、感光性樹脂積層体が保護フィルムを備える場合には保護フィルムを除去した後、感光性樹脂層を70〜130℃程度に加熱しながら基材に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力でラミネータ等を用いて圧着する方法等が挙げられる。かかる積層工程は減圧下で行ってもよい。感光性樹脂層が積層される基材の表面は、特に制限されない。
このようにして基材上に積層された感光性樹脂層に対して、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射して露光部を形成させる。この際、感光性樹脂層上に存在する支持体が活性光線に対して透明である場合には、支持体を通して活性光線を照射することができ、支持体が活性光線に対して遮光性を示す場合には、支持体を除去した後に感光性樹脂層に活性光線を照射する。活性光線の光源としては、従来公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光等を有効に放射するものが用いられる。また、直接描画法、例えばレーザー直接描画露光法等を用いてもよい。
露光部の形成後、露光部の感光性樹脂層を現像により除去することで、レジストパターンが形成される。かかる露光部の除去方法としては、感光性樹脂層上に支持体が存在する場合にはオートピーラー等で支持体を除去し、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウェット現像、あるいはドライ現像等で露光部を除去して現像する方法等が挙げられる。ウェット現像に用いるアルカリとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等の弱アルカリ無機化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の弱アルカリ有機化合物;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて水溶液として用いてもよい。アルカリ性水溶液のpHは9〜13の範囲とすると好ましく、その温度は、感光性樹脂層の現像性に合わせて調整される。また、アルカリ性水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
なお、現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱等を行うことによりレジストパターンを硬化させて用いてもよい。
このようにしてレジストパターンが得られる。この際、切り屑の発生が十分に防止された感光性樹脂層を用いているため、切り屑による基材又はラミネータの稼働環境の汚染も十分に防止され、その結果、欠陥の十分に少ないレジストパターンを形成することができる。またレジスト膜の露光部分が弱アルカリに容易に溶解して基材から剥離し、弱アルカリ現像性が極めて良好な本発明の感光性樹脂組成物を用いることによって、レジストパターンを得ることが可能となる。
<プリント配線板の製造方法>
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、基板として銅張り積層板又はフレキシブル基板を用いた上述のレジストパターン形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
まず現像により露出した基板の銅面をエッチング法又はめっき法等の既知の方法を用いて導体パターンを形成する。
その後、レジストパターンを再度露光・現像液することにより除去して所望のプリント配線板を得る。
<リードフレームの製造方法>
本実施形態に係るリードフレームの製造方法は、基板として銅、銅合金、鉄系合金等の金属板を用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
まず、現像により露出した基板をエッチングして導体パターンを形成する。
その後、残ったレジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で除去して、所望のリードフレームを得る。
<半導体パッケージの製造方法>
本実施形態に係る半導体パッケージの製造方法は、基板としてLSIとしての回路形成が終了したウェハを用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
現像により露出した開口部に銅、はんだ等の柱状のめっきを施して、導体パターンを形成する。
その後、残ったレジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で除去し、更に、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去することにより、所望の半導体パッケージを得る。
<薄膜トランジスタの製造方法>
本実施形態に係る薄膜トランジスタ(TFT)の製造方法は、基板として、ゲート金属が製膜されたガラス基板を用いる上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
ゲート金属膜上に形成されたレジストパターンに対してエッチング又はめっきを行ない、レジストパターンを除去して、ゲート電極を形成する。
その後、ゲート電極を有する基板上に、半導体層、ソース電極、透明電極、保護膜などを形成して、所望のTFT基板を得る。また、半導体層の形成には、上記で説明された半導体パッケージの製造方法を利用することができる。
<タッチパネルの製造方法>
本実施形態のポジ型感光性樹脂組成物は、タッチパネルの製造方法に好適に利用できる。本実施形態に係るタッチパネルの製造方法は、上記レジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された基板を、エッチング処理する工程を有する。エッチング処理は、形成されたレジストパターンをマスクとして、基板の導体層等に対して行われる。エッチング処理により、引き出し配線と透明電極のパターンとを形成することで、タッチパネルが製造される。以下、ネガ型感光性樹脂組成物を用いた場合と対比しながら、本実施形態のポジ型感光性樹脂組成物を用いたタッチパネルの製造方法について説明する。
図2は、ネガ型感光性樹脂組成物を用いるタッチパネルの製造方法を模式断面図(a)〜(h)で説明するためのフロー図である。この方法は、支持基材22と、支持基材22の一面上に設けられた透明導電層24と、透明導電層24上に設けられた金属層26とを備える積層基材の、金属層26上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターン29を形成する第1の工程と、金属層26及び透明導電層24をエッチングして、透明導電層24の残部及び金属層26の残部からなる積層パターン(図2(d)における24+26)を形成する第2の工程と、積層パターンの一部から金属層を除去して、透明導電層24の残部からなる透明電極と金属層の残部からなる金属配線とを形成する第3の工程と、を有する。
第1の工程では、まず、図2(a)に示すように、支持基材22と、支持基材22の一面上に設けられた透明導電層24と、透明導電層24上に設けられた金属層26とを備える積層基材の、金属層26上に、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いてネガ型の感光層28を積層する。感光層28は、金属層26と反対側の面上に支持体を備えていてもよい。
金属層26としては、銅、銅とニッケルの合金、モリブデン−アルミ−モリブデン積層体、銀とパラジウムと銅の合金等を含む金属層が挙げられる。透明導電層24は、酸化インジウムスズ(ITO)を含有する。
次いで、感光層28の一部の領域を活性光線の照射により硬化して、硬化物領域を形成し、感光層28の硬化物領域以外の領域を積層基材上から除去する。これにより、図2(b)に示すように、積層基材上にレジストパターン29が形成される。
第2の工程では、エッチング処理により、レジストパターン29でマスクされていない領域の金属層26及び透明導電層24を、支持基材22上から除去する。
エッチング処理の方法は、除去すべき層に応じて適宜選択される。例えば、金属層を除去するためのエッチング液としては、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、リン酸溶液等が挙げられる。また、透明導電層を除去するためのエッチング液としては、シュウ酸、塩酸、王水等が用いられる。
図2(c)はエッチング処理後を示す図であり、支持基材22上に、金属層26の残部、透明導電層24の残部及び感光層28の残部からなる積層体が形成されている。ネガ型感光性樹脂組成物を用いるタッチパネルの製造方法においては、この積層体からレジストパターン29が除去される。
レジストパターン29の除去は、例えば、上述のレジストパターンの形成方法に含まれる現像工程に用いるアルカリ性水溶液よりもアルカリ性の強い水溶液を用いることができる。この強アルカリ性の水溶液としては、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。中でも1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることが好ましく、1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることがより好ましい。レジストパターンの剥離方式としては、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、これらは単独で用いても併用してもよい。
図2(d)は、レジストパターン29の剥離後を示す図であり、支持基材22上に、金属層26の残部及び透明導電層24の残部からなる積層パターンが形成されている。
第3の工程では、この積層パターンから、金属層26のうち金属配線を成すための一部分以外を除去して、金属層26の残部からなる金属配線と透明導電層24の残部からなる透明電極とを形成する。
ネガ型の感光性樹脂組成物を用いた方法では、多段階エッチングにより透明導電層24を一部露出させたい場合、感光層を再度形成する必要が生じる。
すなわち、第3の工程では、まず、第2の工程を経た積層基材上にネガ型の感光性樹脂組成物を用いて感光層30を形成し(図2(e))、次いで、感光層30の露光及び現像を経て、感光層30の硬化物から成るレジストパターン31を形成する(図2(f))。
次に、エッチング処理により、積層パターンのうちレジストパターン31が形成されていない部分から、金属層26を除去する。このとき、エッチング処理液としては、上述の金属層を除去するためのエッチング液と同様のものを用いることができる。
図2(g)はエッチング処理後を示す図であり、支持基材22上に、透明導電層24の残部から成る透明電極が形成され、また、一部の透明電極上に金属層26及びレジストパターン31からなる積層体が形成されている。この積層体から、レジストパターン31を除去することにより、図2(h)に示すように、支持基材22上に、透明導電層24の残部から成る透明電極と金属層26の残部から成る金属配線とが形成される。
他方、本実施形態に係るポジ型感光性樹脂組成物を用いた方法では、多段階エッチングにより透明導電層24を一部露出させたい場合、感光層を再度形成する工程が不要となる。ポジ型感光性樹脂組成物を用いて感光層を形成した場合、露光部がアルカリ性水溶液で除去でき、未露光部は膜として残るという特性を有するため、残った膜に再度光照射することよりレジストパターンを形成することができる。
図3は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いるタッチパネルの製造方法を模式断面図(a)〜(f)で説明するためのフロー図である。
第1の工程では、まず、図3(a)に示すように、支持基材22と、支持基材22の一面上に設けられた透明導電層24と、透明導電層24上に設けられた金属層26とを備える積層基材の、金属層26上に、ポジ型感光性樹脂組成物を用いてポジ型の感光層40を積層する。感光層40は、金属層26と反対側の面上に支持体を備えていてもよい。
次いで、感光層40の一部の領域に活性光線を照射して露光部を形成後、露光部の感光層を現像により積層基材上から除去する。これにより、図3(b)に示すように、積層基材上に未露光部の感光層40から成るレジストパターン40aが形成される。
第2の工程では、エッチング処理により、レジストパターン40aでマスクされていない領域の金属層26及び透明導電層24を、支持基材22上から除去する。
エッチング処理の方法は、除去すべき層に応じて適宜選択される。例えば、金属層を除去するためのエッチング液としては、過硫酸アンモニウム溶液、過硫酸ナトリウム溶液、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、リン酸溶液等が挙げられる。また、透明導電層を除去するためのエッチング液としては、シュウ酸、塩酸、王水等が用いられる。
図3(c)はエッチング処理後を示す図であり、支持基材22上に、金属層26の残部、透明導電層24の残部及びレジストパターン40aからなる積層体が形成されている。
次いで、第3の工程では、レジストパターン40aの一部の領域に活性光線を照射して露光部を形成後、露光部の感光層を現像により積層基材上から除去する。これにより、図3(d)に示すように、積層基材上に未露光部のレジストパターン40bから成るレジストパターンが形成される。
次に、エッチング処理により、積層パターンのうちレジストパターン40bが形成されていない部分から、金属層26を除去する。このとき、エッチング処理液としては、上述の金属層を除去するためのエッチング液と同様のものを用いることができる。
図3(e)はエッチング処理後を示す図であり、支持基材22上に、透明導電層24の残部からなる透明電極が形成され、また、一部の透明電極上に金属層26及びレジストパターン40bからなる積層体が形成されている。この積層体から、レジストパターン40bを除去することにより、図2(f)に示すように、支持基材22上に、透明導電層24の残部から成る透明電極と金属層26の残部からなる金属配線とが形成される。
このように、本実施形態に係るタッチパネルの製造方法では、図2における(d)及び(e)に相当する工程を省略することが可能である。
なお、透明導電層24は、酸化インジウムスズ(ITO)を含有しているが、本実施形態に係るポジ型感光性樹脂組成物は、透明導電層24をITOから金属メッシュに変更したタッチパネルの製造方法にも好適に用いることができる。
また、図4は、本発明の一実施形態に係る感光性樹脂組成物を用いて得られるタッチパネル100の上面図である。タッチパネル100においては、透明電極であるX電極52及びY電極54が交互に並設されており、長手方向の同列に設けられたX電極52同士が一つの引き出し配線56によってそれぞれ連結され、また、幅方向の同列に設けられたY電極54同士が一つの引き出し配線57によってそれぞれ連結されている。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1〜18、比較例1〜4]
<1.感光性樹脂組成物の調製>
表1および表2に示す化合物を混合し、感光性樹脂組成物を調製した。表1および表2中の値は、固形分量である。
表1および表2中の記号は、以下に示すとおりである。
成分A−1:クレゾールノボラック樹脂(重量平均分子量10,000、m体:p体=6:4)
成分A−2:クレゾールノボラック樹脂(重量平均分子量5,000、m体:p体=6:4)
成分A−3:クレゾールノボラック樹脂(重量平均分子量9,750、m体:p体=5:5)
成分A−4:クレゾールノボラック樹脂(重量平均分子量6,450、m体:p体=4:6)
成分B−1:4,4’−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノール)の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸のモノ、ジ又はトリエステルの混合物
成分B−2:4,4’−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノール)の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸のモノ、ジ又はトリエステルの混合物
成分B−3:2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの6−ジアゾ−5,6−ジヒドロ−5−オキソ−1−ナフタレンスルホン酸モノ、ジ又はトリエステル
成分B−4:2,3,4,4‘−テトラヒドロキシベンゾフェノンの6−ジアゾ−5,6−ジヒドロ−5−オキソ−1−ナフタレンスルホン酸モノ、ジ、トリ又はテトラエステル
成分C−1:m/p=8/2, Mw=2700 クレゾールノボラック樹脂
成分C−2:m/p=8/2, Mw=4200 クレゾールノボラック樹脂
成分C−3:m/p=2/8, Mw=700 クレゾールノボラック樹脂
成分C−4:m/p=4/6, Mw=3300 クレゾールノボラック樹脂
成分C−5:Mw=2612 フェノールノボラック樹脂(旭有機材料 CP506F)
成分C−6:m/p=2/8, Mw=460 クレゾールノボラック樹脂
成分C−7:m/p=4/6, Mw=470 クレゾールノボラック樹脂
成分D−1:ビフェニルアラルキル樹脂(OH当量200g/eq)
成分D−2:ビフェニルアラルキル樹脂(OH当量203g/eq)
成分D−3:フェノール・キシリレン樹脂(OH当量170g/eq)
成分D−4:フェノール・キシリレン樹脂(OH当量170g/eq)
成分E−1:[4[4(ジエチルアミノ)α[4−(エチルアミノ)−1−ナフチル]ベンジリデン]シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン]ジエチルアンモニウムクロリド(保土谷化学(株) アイゼン ビクトリア ピュアブルー BOH(商品名))
成分E−2:ダイアモンドグリーン
成分E−3:1,4−ビス(p−トルイジノ)アントラキノン
成分E−4:Valifast Red 1360
成分F−1:ノボラックエポキシアクリレート
成分F−2:水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル
成分F−3:ビスフェノールA PO2mol付加物ジグリシジルエーテル
<2.感光性樹脂積層体の製造>
表1および表2に示す組成の感光性樹脂組成物に溶媒アセトンを固形分が56質量%となるまで添加し、よく攪拌、混合し、感光性樹脂組成物の溶液を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック製PET−25X;25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片側表面に易剥離処理されたフィルム)にバーコータを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で5分間乾燥して5μm厚みの感光性樹脂層(ドライフィルム)を形成した。次に、感光性樹脂層の表面上に33μm厚みのポリエチレンフィルム(タマポリ製GF−858)を張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
<3.評価基板の作製>
ラミネート:
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、銅層付きPET基板にホットロールラミネーター(旭化成エレクトロニクス(株)製、AL−700)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
露光:
支持体を剥離し、クロムガラスフォトマスクを用いて、超高圧水銀ランプを有する露光機(平行光露光機((株)オーク製作所社製、HMW―801))により、評価基板を露光した。
現像:
得られた評価基板を、1.0質量%水酸化カリウム水溶液をアルカリ現像液として、温度30℃、60秒間、ディップ法により現像した。その後、室温条件において、純水で約10秒間ディップ法により評価基板を水洗し、圧縮エアーガンで乾燥した。
<4.評価>
感光性樹脂の柔軟性評価(JIS K5600−5−1の耐屈曲性試験):
フレキシブル基材(ニッカン工業製 NIKAFLEX F−30VC1)に感光性樹脂積層体をラミネートし、感光性樹脂積層体から支持体を剥離した後に、400mJ/cmで上記露光機にて露光し、上記方法で現像した後、JIS K5600−5−1の耐屈曲性の項目に従って屈曲性を試験した。その後、顕微鏡下で試験後の塗膜を観察し、塗膜に割れ又は日々がない最小円筒形(mmφ)を評価した。
◎:最小円筒径が10mmΦ以内
〇:最小円筒径が15mmΦ以内
×:最小円筒径が15mmΦを超える
画像性評価:
露光部と未露光部との幅が1:1の比率のラインパターンを有するクロムガラスフォトマスクを用いて、試験片を250mJ/cmの露光量で露光した。その後、上記現像方法で現像し、レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とし、解像性を下記のようにランク分けした。なお、硬化レジストパターンの倒れ又は硬化レジスト同士の密着がなく、正常に形成されている最小マスク幅を評価した。
◎:解像度の値が5μm以下;
○:解像度の値が5μmを超え、10μm以下;
×:解像度の値が10μmを超える。
露光後視認性評価:
露光部と未露光部との幅が1:1の比率のラインパターンを有するクロムガラスフォトマスクを用いて、試験片を250mJ/cmの露光量で露光した。露光後1時間経過後、基板を目視にて観察し、評価した。
〇:ラインパターンが目視にて識別可能
×:ラインパターンが目視にて識別不可能
露光後24h経過後の画像性評価:
露光部と未露光部との幅が1:1の比率のラインパターンを有するクロムガラスフォトマスクを用いて、試験片を250mJ/cmの露光量で露光した。露光した試験片を24時間、25℃、50%の条件下で保管した。その後、上記現像方法で現像し、レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とし、解像性を下記のようにランク分けした。なお、硬化レジストパターンの倒れ又は硬化レジスト同士の密着がなく、正常に形成されている最小マスク幅を評価した。
◎:24h経過前後の10μmラインパターンの寸法変化率が±5%以内
○:24h経過前後の10μmラインパターンの寸法変化率が±10%以内
×:24h経過前後の10μmラインパターンの寸法変化率が±10%を超える
感度評価
露光部と未露光部との幅が1:1の比率のラインパターンを有するクロムガラスフォトマスクを介して、試験片を上記方法で露光現像し、10μmのラインアンドスペースパターンがちょうど10μmとなる露光量を最適露光量として感度を評価した。
◎:100mJ/cm未満の露光量が必要
〇:150mJ/cm未満の露光量が必要
△:200mJ/cm未満の露光量が必要
×:200mJ/cm以上の露光量が必要
残膜率評価
銅層付きPETフィルムに感光性樹脂積層体をラミネートし、感光性樹脂積層体から支持体を剥離した後に、上記方法で現像した。現像前後での膜厚から下記計算式により残膜率を計算し、評価した。
残膜率(%)=現像後膜厚/現像前膜厚×100
〇:残膜率が95%以上
×:残膜率が95%未満
タック性評価
上記方法で作製した試験片から支持体を剥離し、クロムガラスフォトマスクを試験片と接着させた。クロムガラスフォトマスクを剥離後、クロムガラスフォトマスクに感光層が付着しているものを×、付着していないものを〇とした。
<5.評価結果>
実施例及び比較例の評価結果は表1および表2に示す。
表1および表2から分かるように、成分(A)〜(C)のすべてを含む実施例は、フィルム柔軟性、解像性、露光部視認性、露光後24時間画像性、感度、残膜率およびタック性のいずれにおいても優れていた。
一方、重量平均分子量500以上5000未満のクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂を含まない比較例では、それぞれ、感度が遅い、塗膜の可撓性が悪い、解像性が悪い等の影響があった。(A)成分を含まない比較例2では、(B)成分がアルカリに不溶のため、解像不可であった。比較例3、4のように、(C)クレゾールノボラック樹脂の分子量が500未満である場合、残膜率が低くなり、マスクへの感光層の付着による汚染がみられた。
なお、感光剤のエステル化率が高い実施例13では、溶解抑止力が高くなるため、感度が遅くなった。
(B)成分(感光剤)が多い実施例14では、露光時の脱泡と感光剤による抑止力が高くなりすぎてアルカリに不溶となり、感度が遅くなり、他方、感光剤量が少ない実施例15では、感光剤による抑止力が低くアルカリに溶解してしまい残膜率が悪く、解像出来なかった。このように、(B)成分は多くても少なくても解像が難しいことがわかる。
また、実施例16〜18のように、ビニル基やエポキシ基のような反応性官能基を有する化合物を使用した場合、露光後24時間フィルムを保存した後に解像性が悪化した。露光時に発生した酸又はラジカルにより架橋反応が進行するためと考えられる。
Figure 2020098244
Figure 2020098244
本発明は、プリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム製造、メタルマスク製造などの金属箔精密加工、及びBGA、CSP等のパッケージの製造、COF又はTABなどテープ基板の製造、半導体バンプの製造、ITO電極又はアドレス電極、電磁波シールドなどフラットパネルディスプレイの隔壁の製造、および特にタッチパネルの製造方法に好適に利用できる。
2 支持体
4 感光性樹脂層
6 保護層
10 感光性樹脂積層体
22 支持基材
24 透明導電層
26 金属層
28 感光層
29 レジストパターン
30 感光層
31 レジストパターン
40 感光層
40a,40b レジストパターン
52 透明電極(X電極)
54 透明電極(Y電極)
56,57 引き出し配線
100 タッチパネル

Claims (13)

  1. 支持体と、感光性樹脂組成物を含むポジ型感光性樹脂層とを含む感光性樹脂積層体であって、
    前記感光性樹脂組成物が、以下の成分:
    (A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂;
    (B)キノンジアジド基含有化合物;及び
    (C)重量平均分子量500以上5000未満のクレゾールノボラック樹脂又はフェノールノボラック樹脂;
    を含有する、感光性樹脂積層体。
  2. 前記感光性樹脂組成物が、さらに、(D)フェノールアラルキル樹脂を含む、請求項1に記載の感光性樹脂積層体。
  3. 前記(A)成分が、重量平均分子量5000以上のノボラック樹脂である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂積層体。
  4. 前記(A)成分が、重量平均分子量5000以上のクレゾールノボラック樹脂である、請求項3に記載の感光性樹脂積層体。
  5. 前記感光性樹脂組成物が、エポキシ基又はビニル基を含む化合物を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体。
  6. 前記感光性樹脂組成物が、前記(A)成分を20〜90質量%、前記(B)成分を1〜45質量%、かつ前記(C)成分を10〜70質量%の割合で含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体。
  7. 以下の工程:
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体の前記ポジ型感光性樹脂層を基板上に積層する積層工程;
    該感光性樹脂層を露光する露光工程;及び
    感光した感光性樹脂層を除去する現像工程;
    を含むレジストパターンの製造方法。
  8. 前記露光工程において、前記ポジ型感光性樹脂層に直接描画して露光する、請求項7に記載のレジストパターンの製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法。
  10. 請求項7又は8に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングする工程を含む、リードフレームの製造方法。
  11. 請求項7又は8に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチング又はめっきする工程を含む、半導体パターンの製造方法。
  12. 請求項7又は8に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチング又はめっきする工程を含む、薄膜トランジスタの製造方法。
  13. 請求項7又は8に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングする工程を含む、タッチパネルの製造方法。
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