JP2020097645A - 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペン - Google Patents

油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペン Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、書き味を向上し、筆跡にカスレや泣きボテがなく、筆記性が良好である油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペンを得ることである。【解決手段】着色剤、アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を含んでなることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペンに関するものである。
油性ボールペンは筆記時にボールとチップ本体との間の筆記抵抗によって、ボールペンの書き味に影響を及ぼしやすく、特に、ボールペンは他の種類の筆記具と異なり、先端にステンレス鋼などからなる金属チップと、該金属チップのボール受け座に抱持される超鋼などの金属からなる転写ボールと、からなるボールペンチップをインキ収容筒に装着した構成を有するが、筆記時にボールの回転によって、筆跡にカスレ、点ムラなどの発生や、書き味が劣ったり、チップ先端のインキ残りによる泣きボテという欠点があった。
こうした問題を解決するため、ボールとチップ本体との筆記抵抗を抑制するために、潤滑性向上を目的として、様々な潤滑剤などを用いた油性ボールペン用インキ組成物が多数提案されている。
このような添加剤を用いた油性ボールペン用インキ組成物としては、アルキルβ−D−グルコシドを用いたものとしては、特開平5−331403号公報「油性ボールペンインキ」、平均分子量が200〜4000000であるポリエチレングリコールを用いたものとしては、特開平7−196971号公報「油性ボールペン用インキ組成物」、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン酸、N−アシルメチルアラニンを用いたものとしては、特開2007−176995号公報「油性ボールペン用インキ」、デカマカデミアナッツ油脂肪酸デカグリセリルと、アルキル基の炭素数が16以上であり常温で固体のポリオキシエチレンアルキルエーテルとを少なくとも含有するものとしては、特開2008−88264号公報「ボールペン用油性インキ組成物」等に開示されている。
「特開平5−331403号公報」 「特開平7−196971号公報」 「特開2007−176995号公報」 「特開2008−88264号公報」
しかし、特許文献1〜4のような各種添加剤を用いた場合、ある程度、ボールとチップ本体との間の筆記抵抗をある程度低減することはできるが、書き味を満足できるものではなく、さらに筆跡にカスレ、泣きボテなどの筆記性は改善できず、改良の余地があった。また、新たな潤滑剤などを用いた場合では、他のインキ成分との相性もあり、インキ中での経時安定性に影響が出やすい。
本発明の目的は、書き味を向上し、筆跡にカスレや泣きボテがなく、筆記性が良好である油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペンを得ることである。
本発明は、上記課題を解決するために
「1.着色剤、アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を含んでなることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。
2.前記アミド系溶剤が、β−アルコキシプロピオンアミドであることを特徴とする第1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
3.前記アミド系溶剤の含有量が、油性ボールペンインキ組成物中の全溶剤の含有量に対して、50%以上であることを特徴とする第1項または第2項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
4.前記油性ボールペン用インキ組成物に、界面活性剤を含んでなることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
5.第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物の20℃における粘性指数nが、0.2〜0.6であることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。
6.インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物を収容してなることを特徴とする油性ボールペン。 」とする。
本発明は、アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を含んでなることで、擬塑性を付与するなどして、筆記時のインキ粘度を低くして、書き味を良好とし、筆跡にカスレや泣きボテがない油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペンを得ることができた。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準であり、含有量とは、インキ組成物の質量を基準としたときの構成成分の質量%である。
本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」等は特に断らない限り質量基準である。
本発明の特徴は、油性ボールペン用インキ組成物に、アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を含んでなることを特徴とする。
油性ボールペン用インキ組成物に、アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を含んでなることで、擬塑性を付与し、筆記時のインキ粘度を低くして、書き味を良好に保つことが可能であることが解った。これは、前記アミド系溶剤と、ポリアクリル酸樹脂を含んでなることで、膨潤分散することで、擬塑性を付与することが可能となるためである。さらに、筆跡の泣きボテ、カスレがなく筆記性も向上することが可能であることが解った。
(アミド系溶剤)
本発明で用いるアミド系溶剤については、分子構造中に1つのカルボン酸アミド構造を含み、直鎖アルキル構造中にエーテル結合を有する化合物であり、後述するポリアクリル酸樹脂を、膨潤分散することで、擬塑性を付与することが可能とする働きをする溶剤であり、擬塑性を有することで、筆記時のインキ粘度を低くして、書き味を良好に保つことが可能であることが解った。特に、架橋型ポリアクリル酸樹脂を用いた場合は、アミド系溶剤によって、三次元網目構造を形成しやすく、より密な架橋構造を形成しやすいため、擬塑性を付与しやすく、効果的である。さらに、アミド系溶剤自体でも、従来よりも、潤滑性を向上しやすいため、より書き味を向上することができ、筆跡のカスレを抑制することが可能となる。また、金属材のボールペンチップに対して濡れづらいので、インキがチップ先端から這い上がなくなり、インキ残りが発生せず、筆跡の泣きボテを抑制することで、筆記性を向上することが可能である。
特に、ボールペンを用いた場合は、筆記時に強い剪断がかかりやすく、筆記時にボールの剪断などの衝撃により、一時的に擬塑性構造が解けることで、インキ粘度が低くなり、書き味を良好に保つことが可能であるため、ボールペンにおいて、好適に用いることが可能である。
アミド系溶剤については、具体的には、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(沸点215℃)、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(沸点252℃)、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドなどのβ−アルコキシプロピオンアミド類、ホルムアミド(沸点210℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点153℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(沸点165℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(沸点177℃)、N,N−ジエチルアセトアミド(沸点185℃)などのホルムアルデヒド類などが挙げられる。よりポリアクリル酸樹脂を膨潤分散しやすく、擬塑性を付与しやすく、書き味を向上しやすいため、β−アルコキシプロピオンアミドを用いることが好ましく、さらに、ポリアクリル樹脂と安定しやすく、効果が得られやすいことを考慮すれば、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドを用いることが好ましく、最も好ましくは、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドである。
また、筆跡の乾燥性を良好とするには、沸点300℃以下のアミド系溶剤を用いることが好ましく、より考慮すれば、沸点270℃以下のアミド系溶剤が好ましい。
前記アミド系溶剤の含有量は、油性ボールペンインキ組成物中の全溶剤の含有量に対して50%以上とし、主溶剤として用いることが好ましい。これは、主溶剤として用いることで、その他の溶剤によって、ポリアクリル酸樹脂を膨潤分散するのを阻害してしまいやすく、擬塑性を付与への影響があり、書き味に影響しやすいためである。より書き味を考慮すれば、アミド系溶剤の含有量は、全溶剤の含有量に対して70%以上が好ましく、90%以上が好ましく、より好ましくは、溶剤としてアミド系溶剤のみを用いることが好ましい。
前記アミド系溶剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜80質量%が好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、ポリアクリル酸樹脂の膨潤分散効果が得られにくく、静止時のインキ粘度が高くなりづらく、インキ漏れを抑制しづらく、80質量%を越えると、インキ経時安定性が劣りやすいためである。さらに、上記効果を考慮すれば、20〜80質量%が好ましく、より考慮すれば、40〜80質量%が好ましい。
(ポリアクリル酸樹脂)
本発明で用いるポリアクリル酸樹脂については、増粘剤として用いるものであり、アミド系溶剤と親和性があり、膨潤分散することで、擬塑性を有した、安定した増粘作用が得られる。さらに、書き味を考慮すれば、架橋型ポリアクリル酸樹脂を用いることが好ましい。これは、架橋型ポリアクリル酸樹脂自体で架橋構造を有しており、アミド系溶剤によって、立体的な三次元網目構造を形成しやすく、より密な架橋構造を形成しやすいため、擬塑性を付与しやすく、筆記時のインキ粘度が低くなりやすく、書き味を向上しやすいためである。特に、カルボキシビニルポリマーが好ましい。
また、ポリアクリル酸樹脂については、ポリアクリル酸樹脂中のカルボキシル基含有量は、アミド系溶剤と安定した増粘作用を得られることを考慮すれば、40〜80質量%であることが好ましく、より考慮すれば、50〜70質量%であることが好ましく、特に、アミド系溶剤として、β−アルコキシプロピオンアミドを用いた場合は、カルボキシル基含有量が、55〜65質量%であるポリアクリル酸樹脂を用いると、膨潤分散性に優れており、書き味を向上しやすいため、好ましい。
前記ポリアクリル酸樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%より少ないと、膨潤性が十分ではなく、擬塑性が得られないため、書き味向上が得られづらく、5.0質量%を越えると、インキ中で膨潤分散性が劣りやすいため、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%が好ましい。さらに、より書き味などを考慮すれば0.3〜3.0質量%が好ましく、より考慮すれば、0.6〜2.0質量%が好ましい。
本発明では、ポリアクリル酸樹脂に対する、アミド系溶剤の配合比(アミド系溶剤/ポリアクリル酸樹脂)が、質量基準で5〜150倍とすることが好ましく、25〜120倍とすることがより好ましく、35〜80倍とすることが最も好ましい。これは、上記範囲だと、書き味、泣きボテ、カスレなどの筆記性をバランス良く向上することが可能である。
(着色剤)
本発明に用いる着色剤は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。染料、顔料を併用しても良い。
染料としては、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料などや、それらの各種造塩タイプの染料等として、酸性染料と塩基性染料との造塩染料、有機酸と塩基性染料との造塩染料、酸性染料と有機アミンとの造塩染料などの種類が挙げられる。これらの染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。染料としては、アミド系溶剤との相性による経時安定性を考慮して、少なくとも造塩染料を用いることが好ましく、さらに造塩結合が安定していることで経時安定性を保てることを考慮すれば、塩基性染料と有機酸との造塩染料、酸性染料との塩基性染料との造塩染料、酸性染料と有機アミンとの造塩染料を用いることが好ましく、より考慮すれば、塩基性染料と有機酸との造塩染料が好ましい。さらに、造塩染料を構成する有機酸については、フェニルスルホン基を有する有機酸であれば、金属に吸着し易い潤滑膜を形成しやすく、潤滑性を向上し、書き味やボール座の摩耗抑制を良好とするため好ましく、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸が挙げられ、インキ中で長期安定することを考慮すれば、有機酸として、アルキルベンゼンスルホン酸を用いることが好ましい。
染料について、具体的には、バリファーストブラック1802、バリファーストブラック1805、バリファーストブラック1807、バリファーストバイオレット1701、バリファーストバイオレット1704、バリファーストバイオレット1705、バリファーストブルー1601、バリファーストブルー1605、バリファーストブルー1613、バリファーストブルー1621、バリファーストブルー1631、バリファーストレッド1320、バリファーストレッド1355、バリファーストレッド1360、バリファーストイエロー1101、バリファーストイエロー1151、ニグロシンベースEXBP、ニグロシンベースEX、BASE OF BASIC DYES ROB−B、BASE OF BASIC DYES RO6G−B、BASE OF BASIC DYES VPB−B、BASE OF BASIC DYES VB−B、BASE OF BASIC DYES MVB−3(以上、オリエント化学工業(株)製)、アイゼンスピロンブラック GMH−スペシャル、アイゼンスピロンバイオレット C−RH、アイゼンスピロンブルー GNH、アイゼンスピロンブルー 2BNH、アイゼンスピロンブルー C−RH、アイゼンスピロンレッド C−GH、アイゼンスピロンレッド C−BH、アイゼンスピロンイエロー C−GNH、アイゼンスピロンイエロー C−2GH、S.P.T.ブルー111、S.P.T.ブルーGLSH−スペシャル、S.P.T.レッド533、S.P.T.オレンジ6、S.B.N.バイオレット510、S.B.N.イエロー530、S.R.C−BH(以上、保土谷化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、メタリック顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等が挙げられる。
着色剤としては、顔料を用いることが好ましい、これは、顔料を用いることで、ボールペンの場合は、ボールとチップ本体の隙間に顔料粒子が入り込むことで、ベアリングのような作用が働きやすく、金属接触を抑制することで、潤滑性を向上し、書き味を向上し、ボール座の摩耗を抑制する効果が得られやすいため、顔料を用いることが好ましい。本発明のように、アミド系溶剤やポリアクリル酸樹脂を用いて、筆記時のインキ粘度を低粘度化することで、書き味を向上できるため、顔料を用いることは好ましい。
着色剤の総含有量は、インキ組成物全量に対し、5〜45質量%が好ましい。これは5質量%未満だと、濃い筆跡が得られにくい傾向があり、45質量%を越えると、インキ中での溶解性に影響しやすい傾向があるためで、よりその傾向を考慮すれば、7〜35質量%が好ましく、さらに考慮すれば、10〜30質量%である。
また、本発明においては、水を含んでなることが好ましい。これは、理由は定かではないが、水は、アミド系溶剤とポリアクリル酸樹脂とに親和性に優れており、アミド系溶剤とポリアクリル酸樹脂とによって膨潤分散をより安定させることで、安定した増粘作用が得られやすく、さらにボールの滑り性を向上しつつ、インキ吐出性を良好とし、点ムラ、泣きボテ、カスレなどを抑制し筆記性を向上しやすいためである。
前記水の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%より少ないと、ボールの滑り性、インキ吐出性に影響しやすく、30質量%を越えると、インキ中で溶解性が劣りやすいため、インキ組成物全量に対し、0.1〜30質量%が好ましい。さらに、点ムラ、泣きボテ、カスレなどを抑制することを考慮すれば2〜20質量%が好ましく、より考慮すれば、3〜15質量%が好ましい。
(界面活性剤)
本発明においては、潤滑性を向上することで書き味を向上しやすく、さらにチップ先端部を大気中に放置した状態で、該チップ先端部が乾燥したときの書き出し性能を向上することを考慮すれば、界面活性剤を用いることが好ましい。これは、界面活性剤によって形成される潤滑層によって、潤滑性を向上しやすくし、さらに界面活性剤によって形成される被膜を柔らかくし、書き出し性能を改良しやすくすることができるためである。界面活性剤としては、脂肪酸、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤などが挙げられる。その中でも、上記効果を考慮すれば、脂肪酸、シリコーン系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤の中から1種以上を用いることが好ましい。
特に、ボールペンで用いる場合は、リン酸エステル系界面活性剤は、リン酸基を有することで金属類などのボールペンチップやボールに吸着しやすく、潤滑効果が得られやすいため、リン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましく、本発明で用いるアミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を含んでなることで、金属材であるボールとボール座との間で極圧効果が得られやすいため、潤滑性をより向上しやすいため、好ましい。
前記界面活性剤のHLB値については、前記アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂との相性を考慮して、アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂との膨潤分散性を阻害しにくいため、HLB値が5〜17であることが好ましい。より膨潤分散性や、潤滑性、書き出し性能を向上することを考慮すれば、HLB値が6〜14であることが好ましい。さらに、潤滑性を考慮すれば、HLB値が12以下にすることが好ましく、HLB値が6〜12であることが好ましい。
尚、本発明で用いるHLB値は、グリフィン法、川上法などから求めることができる。特に、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具においては、キャップ式筆記具とは異なり、常時ペン先が外部に露出した状態であるため、筆記先端部の乾燥時の書き出し性能に影響しやすいため、上記HLB値とした界面活性剤を用いることはより好ましい。
前記界面活性剤としては、具体的には、脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸などが挙げられ、シリコーン系界面活性剤としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーンなどが挙げられ、フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ基ブチルスルホン酸塩、パーフルオロ基含有カルボン酸塩、パーフルオロ基含有リン酸エステル、パーフルオロ基含有リン酸エステル型配合物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物などが挙げられ、リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸トリエステル、アルキルリン酸エステル、アルキルエーテルリン酸エステル或いはその誘導体等が挙げられる。また、リン酸エステル系界面活性剤を用いる場合は、酸価は、150以下とすることが好ましい、これは、ポリアクリル酸樹脂の安定した増粘作用を得られやすく、さらにリン酸エステル系界面活性剤による潤滑性の向上を発揮しやすくするためで、より安定した増粘作用や潤滑性を考慮すれば、酸価は30〜130が好ましい、より考慮すれば、酸価は50〜120が好ましい
なお、酸価については、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表すものとする。
界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%がより好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、所望の潤滑性が得られにくい傾向があり、5.0質量%を越えると、インキ経時が不安定性になりやすい傾向があるためであり、その傾向を考慮すれば、インキ組成物全量に対し、0.3〜3.0質量%が好ましく、より考慮すれば、0.5〜3.0質量%が、最も好ましい。
(有機アミン)
本発明では、ポリアクリル酸樹脂を有機アミンで中和安定させることで、十分に膨潤分散させて、安定した増粘作用を得たれやすいため、有機アミンを用いることが好ましい。さらに、リン酸エステル系界面活性剤を用いる場合でも、中和安定することで、インキ中で安定することで、書き味や書き出し性能を向上する効果が得られやすいため、好ましい。有機アミンとしては、オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のエチレンオキシドを有するアミンや、ラウリルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミンや、ジステアリルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン等のジメチルアルキルアミン等の脂肪族アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン等が挙げられ、その中でも、ポリアクリル酸樹脂との安定性を考慮すれば、エチレンオキシドを有するアミンが好ましい。
また、前記有機アミンとインキ中の他成分との反応性については、1級アミンが最も強く、次いで2級アミン、3級アミンと反応性が小さくなるので、インキ経時安定性を考慮して、2級アミンまたは3級アミンを用いることが好ましく、ポリアクリル酸樹脂を中和安定させることを考慮すれば、3級アミンが最も好ましい。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
前記有機アミンのHLB値については、HLB値が5〜17であることが好ましい。これは、ポリアクリル酸樹脂を中和安定させ、アミド系溶剤との膨潤分散を安定化することで、安定した増粘作用が得られるためである。より、中和安定させ、膨潤分散性を向上することを考慮すれば、HLB値が6〜17であることが好ましく、さらに、考慮すれば、HLB値が7〜16であることが好ましい。
本発明では、ポリアクリル酸樹脂に対する、有機アミンの配合比(有機アミン/ポリアクリル酸樹脂)が、質量基準で0.1〜10倍とすることが好ましく、0.3〜5倍とすることがより好ましく、0.5〜3倍とすることが最も好ましい。これは、ポリアクリル酸樹脂を中和安定させ、アミド系溶剤との膨潤分散を安定化することで、安定した増粘作用が得られるためである。
また、(ポリアクリル酸樹脂+界面活性)に対する、有機アミンの配合比(有機アミン/(ポリアクリル酸樹脂+界面活性剤))が、質量基準で0.01〜5倍とすることが好ましく、0.1〜3倍とすることがより好ましく、0.3〜2倍とすることが最も好ましい。これは、上記範囲だと、ポリアクリル酸樹脂を中和安定させ、アミド系溶剤との膨潤分散を安定化しやすく、界面活性剤を用いる場合でも、中和安定することで、書き味や書き出し性能を向上する効果が得られやすいためである。
前記有機アミンの含有量は、前記ポリアクリル酸樹脂、リン酸エステル系界面活性剤との中和安定性を考慮すれば、インキ組成物全量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、さらに前記リン酸エステル系界面活性剤に対する中和を考慮すれば、0.1〜5質量%が好ましく、より考慮すれば、0.5〜3質量%が好ましい。
本発明では、アミド系溶剤以外の有機溶剤を用いても良く、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等のグリコールエーテル溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール等のグリコール溶剤、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール溶剤など、油性インキとして一般的に用いられる有機溶剤が例示できる。
また、有機溶剤の含有量は、溶解性、筆跡乾燥性、にじみ等を向上することを考慮すると、インキ組成物全量に対し、10〜90質量%が好ましく、チップ先端での乾燥性を考慮すれば、20〜90質量%が好ましく、より好ましくは40〜70質量%である。
(樹脂)
また、本発明では、インキ粘度調整剤、インキ漏れ抑制を向上するために、樹脂を用いても良い。樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、テルペン樹脂、アルキッド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、エチレンオキサイド重合体などが挙げられる。
ここで、ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA) をブチルアルデヒド(BA) と反応させたものであり、ブチラール基、アセチル基、水酸基を有した構造である。
樹脂の総含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%より少ないと、インキ漏れ抑制が得られづらく、30質量%を越えると、インキ中で溶解性が劣りやすいため、インキ組成物全量に対し、0.1〜30質量%が好ましい。さらに、よりインキ漏れ抑制などを考慮すれば3〜20質量%が好ましい。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度は、特に限定されるものではないが、アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を用いる場合は、擬塑性を付与することで、インキ粘度を低くして、書き味や泣きボテ、カスレなどの筆記性を向上しやすいため、20℃、剪断速度20sec−1(筆記時)におけるインキ粘度が7000mPa・s以下が好ましく、より書き味、筆記性を考慮すれば、インキ粘度が5000mPa・s以下が好ましく、より考慮すれば、インキ粘度が3000mPa・s以下が好ましい。また、インキ漏れ抑制、インキ追従性を考慮すれば、20℃、剪断速度0.18sec−1(静止時)におけるインキ粘度が10000〜60000mPa・sが好ましく、より考慮すれば、15000〜50000mPa・sが好ましい。
また、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具においては、インキ漏れ抑制をより考慮する必要があるため、効果的である。
本発明のように、アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を用いる場合は、粘性指数nは、S=αDで示される粘性式中のnを指す。なお、Sは剪断応力(dyn/cm=0.1Pa)、Dは剪断速度(s−1)、αは粘性係数を示す。粘性指数nは、20℃において、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーターRVDVII+Pro CP−52スピンドルを使用して、インキ粘度を測定して、算出することができる。
粘性指数nについては、書き味、泣きボテ、カスレなどの筆記性を考慮すれば、粘性指数n=0.2〜0.6とすることが好ましく、書き味、泣きボテ、カスレなどの筆記性のバランスを考慮すれば、粘性指数n=0.3〜0.55とすることが好ましく、より考慮すれば0.35〜0.50が好ましい。
(ボールペンチップ)
また、ボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量が、3〜25μmとするのが好ましい。これは、3μm未満であると、筆跡のカスレ、泣きボテ、点ムラなどの筆記性、書き味に影響しやすく、25μmを越えると、泣きボテ、インキ追従性能、インキ漏れ抑制に影響が出やすくなるためで、より考慮すれば、3〜20μmとするのが好ましく、より考慮すれば、前記縦軸方向の移動量を5〜16μmとするのが好ましい。
ボールペンチップのボール表面の算術平均粗さ(Ra)については、0.1〜12nmとすることが好ましい。これは、算術平均粗さ(Ra)が0.1nm未満だと、ボール表面に十分にインキが載りづらく、筆跡にカスレ、点ムラなどが発生しやすく、算術平均粗さ(Ra)が12nmを越えると、ボール表面が粗すぎて、ボールとボール座の回転抵抗が大きいため、書き味が劣りやすく、さらに、筆跡のカスレ、泣きボテ、点ムラなどの筆記性に影響が出やすくなるためである。また、前記算術平均粗さ(Ra)が0.1〜10nmであると、ボール表面にインキが載りやすいため好ましく、より考慮すれば、2〜8nmが好ましい。なお、表面粗さの測定は(セイコーエプソン社製の機種名SPI38、00N)で求めることができる。
また、ボールに用いる材料は、特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボール、ステンレス鋼などの金属ボール、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどのセラミックスボール、ルビーボールなどが挙げられる。
また、ボ−ルペンチップの材料は、ステンレス鋼、洋白、ブラス(黄銅)、アルミニウム青銅、アルミニウムなどの金属材、ポリカーボネート、ポリアセタール、ABSなどの樹脂材が挙げられるが、ボール座の摩耗、経時安定性、コストを考慮するとステンレス製のチップ本体とすることが好ましい。
実施例1
実施例1の油性ボールペン用インキ組成物は、ディスパー攪拌機を用いて、60℃にてアミド系溶剤、ポリアクリル酸を採取して攪拌し、その後、着色剤、リン酸エステル系界面活性剤、有機アミンを採取し、攪拌して溶解させた後、室温冷却して油性ボールペン用インキ組成物を得た。
ポリアクリル酸樹脂に対する、有機アミンの配合比(有機アミン/ポリアクリル酸樹脂)は、1.6倍であった。(ポリアクリル酸樹脂+界面活性)に対する、有機アミンの配合比(有機アミン/(ポリアクリル酸樹脂+界面活性剤))は、0.58倍であった。
具体的な配合量は下記の通りである。尚、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーターRVDVII+Pro CP−52スピンドルを使用して、実施例1のインキ粘度を測定したところ、20℃の環境下、剪断速度0.18sec−1、インキ粘度=48500mPa・s、20℃の環境下、剪断速度20sec−1でインキ粘度=2500mPa・sであった。また、粘性指数nは、0.37であった。
実施例1(インキ配合)
着色剤(染料、塩基性染料と有機酸との造塩染料) 10.0質量%
着色剤(染料、酸性染料とアミンとの造塩染料) 10.0質量%
アミド系溶剤(β−アルコキシプロピオンアミド類:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド) 74.8質量%
架橋型ポリアクリル酸樹脂 1.25質量%
界面活性剤(リン酸エステル系界面活性剤) 2.0質量%
有機アミン(HLB値:15) 2.0質量%
実施例2〜18
表1に示すように、インキ成分を変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜18の油性ボールペン用インキ組成物を得た。表に測定、評価結果を示す。
比較例1〜4
表に示すように、インキ成分を変更した以外は、実施例1と同様の手順で、比較例1〜4の油性ボールペン用インキ組成物を得た。表に測定、評価結果を示す。
試験および評価
実施例1〜18および比較例1〜4で作製した油性ボールペン用インキ組成物(0.27g)を、インキ収容筒(ポリプロピレン)に、ボール径がφ0.7mmのボールを回転自在に抱持したボールペン用チップ(チップ内にボールを直接チップ先端縁の内壁に押圧したコイルスプリングを有する、ボールの軸方向の移動量:8μm、ボール表面の算術平均粗さ(Ra):5nm)を装着した油性ボールペン用レフィルに充填し、油性ボールペンを作製した。筆記試験用紙として筆記用紙JIS P3201を用いて以下の試験および評価を行った。
書き味:手書きによる官能試験を行い評価した。
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
滑らかさが、やや劣るもの ・・・△
重いもの ・・・×
泣き・ボテ試験(筆記性試験1):荷重200gf、筆記角度70°、4m/minの走行試験機にて、100m筆記試験後の筆跡を観察した。
筆跡に泣き・ボテがない、または少ないもの ・・・◎
筆跡に泣き・ボテが若干あるが、実用上問題ないレベルのもの ・・・○
筆跡に泣き・ボテがあり、実用上に影響があるもの ・・・△
筆跡に泣き・ボテが多いもの ・・・×
カスレ試験(筆記性試験2):荷重200gf、筆記角度70°、4m/minの走行試験機にて、100m筆記試験後の筆跡を観察した。
筆跡にカスレ、点ムラがない、または少ないもの ・・・◎
筆跡にカスレ、点ムラが若干あるが、実用上問題ないレベルのもの ・・・○
筆跡にカスレ、点ムラがあり、実用上に影響があるもの ・・・△
筆跡にカスレ、点ムラが多いもの ・・・×
実施例1〜18では、書き味、泣き・ボテ試験(筆記性試験1)、カスレ試験(筆記性試験2)ともに良好な性能が得られた。
尚、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーターRVDVII+Pro CP−52スピンドルを使用して、実施例2、3、9のインキ粘度を測定し、粘性指数nを算出した。
実施例2では、20℃の環境下、剪断速度0.18sec−1、インキ粘度=43100mPa・s、20℃の環境下、剪断速度20sec−1でインキ粘度=2000mPa・s、粘性指数nは、0.35であった。
実施例3では、20℃の環境下、剪断速度0.18sec−1、インキ粘度=23100mPa・s、20℃の環境下、剪断速度20sec−1でインキ粘度=1500mPa・s、粘性指数nは、0.42であった。
実施例9では、20℃の環境下、剪断速度0.18sec−1、インキ粘度=45200mPa・s、20℃の環境下、剪断速度20sec−1でインキ粘度=2250mPa・s、粘性指数nは、0.36であった。
比較例1、2では、アミド系溶剤を用いなかったため、ポリアクリル酸樹脂が膨潤分散できず、書き味、泣き・ボテ試験(筆記性試験1)、カスレ試験(筆記性試験2)では、十分な効果が得られなかった。
比較例3では、ポリアクリル酸樹脂を用いず、比較例4では、剪断減粘性付与剤として、脂肪酸アマイドワックスを用いたが、書き味、泣き・ボテ試験(筆記性試験1)、カスレ試験(筆記性試験2)では、十分な効果が得られなかった。
また、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具(出没式ボールペン)を用いた場合では、筆跡カスレの影響が出やすいため、本発明のような前記アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を含んだ油性ボールペン用インキ組成物を用いると効果的である。
また、インキ漏れ抑制や、書き出し性能(筆跡カスレ)を向上するためには、ボールペンチップ先端に回転自在に抱持したボールを、コイルスプリングにより直接又は押圧体を介してチップ先端縁の内壁に押圧して、筆記時の押圧力によりチップ先端縁の内壁とボールに間隙を与えインキを流出させる弁機構を具備し、チップ先端の微少な間隙も非使用時に閉鎖することが好ましい。
また、本実施例では、便宜上、軸筒内に、筆記具用インキ組成物を直に収容した油性ボールペン用レフィルを収容した油性ボールペンを例示しているが、本発明の筆記具は、軸筒をインキ収容筒とし、軸筒内に、筆記具用インキ組成物を直に収容した直詰め式のボールペン、マーキングペン、サインペンとした筆記具であってもよい。
また、本実施例では便宜上、線材を切削によって形成したボールペンチップを例示しているが、パイプ材を押圧加工によって形成するボールペンチップであってもよい。
本発明は、筆記具として利用でき、さらに詳細としては、キャップ式、出没式等の筆記具としてボールペンとして広く利用することができる。

Claims (6)

  1. 着色剤、アミド系溶剤、ポリアクリル酸樹脂を含んでなることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記アミド系溶剤が、β−アルコキシプロピオンアミドであることを特徴とする請求項1に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  3. 前記アミド系溶剤の含有量が、油性ボールペンインキ組成物中の全溶剤の含有量に対して、50%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  4. 前記油性ボールペン用インキ組成物に、界面活性剤を含んでなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物の20℃における粘性指数nが、0.2〜0.6であることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。
  6. インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に請求項1ないし5のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物を収容してなることを特徴とする油性ボールペン。
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