JP2020097190A - タイヤ製造用モールド - Google Patents

タイヤ製造用モールド Download PDF

Info

Publication number
JP2020097190A
JP2020097190A JP2018237018A JP2018237018A JP2020097190A JP 2020097190 A JP2020097190 A JP 2020097190A JP 2018237018 A JP2018237018 A JP 2018237018A JP 2018237018 A JP2018237018 A JP 2018237018A JP 2020097190 A JP2020097190 A JP 2020097190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
main body
pressing portion
raw cover
protruding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018237018A
Other languages
English (en)
Inventor
邦季 鈴木
Kunitoshi Suzuki
邦季 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2018237018A priority Critical patent/JP2020097190A/ja
Publication of JP2020097190A publication Critical patent/JP2020097190A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

【課題】セグメントとサイドプレートとの間のローカバーの噛み込みが防止され、優れた外観及びユニフォミティを有するタイヤを製造しうる、タイヤ製造用のモールドを提供。【解決手段】この本発明に係るモールド2では、サイドプレート6は、本体34と、この本体34の内面からの突出及び本体34への埋没が可能な押圧部36とを備えている。押圧部36の本体34から突出したときの突出した部分は、周方向に延びるリング状を呈している。押圧部36の突出方向は、軸方向に対して半径方向外向きに傾斜している。このモールド2にローカバーRを入れこのモールド2を閉じるときに、押圧部36は本体34の内面から突出する。このモールド2を閉じた後は、押圧部36は本体34に埋没する。【選択図】図3

Description

本発明は、タイヤ製造用モールドに関する。
タイヤ製造用のモールドは、円弧状の複数のセグメントと、一対のリング状のサイドプレートとを備えている。セグメントの内面及びサイドプレートの内面は、キャビティ面の一部をなす。複数のセグメントがリング状に配置され、サイドプレートと組合わされることで、リング状のキャビティ面が形成される。
タイヤの製造においては、モールドが開いた状態、すなわちセグメントが配置されていない状態で、ローカバーがモールドに入れられる。ローカバーをシェーピングしつつ、セグメントを配置することで、モールドが閉じられる。このとき、セグメントが他のセグメントやサイドプレートと当接する部分での、ローカバーの噛み込みを防止することが重要となる。ローカバーの噛み込みは、スピュー発生による外観品質の低下や、スピュー処理コストの発生の要因となりうる。
ローカバーの噛み込みを少なくするために、ローカバーのシェーピングの圧力を低くする方法が考えられる。この方法では、モールド内でのローカバーの位置ずれを防止することが課題となる。ローカバーの位置ずれは、ベアやツイスト等の発生による外観品質の低下やユニフォミティの低下の要因となりうる。
モールドを閉じる際の、隣接するセグメント間でのローカバーの噛み込みを防止するための検討が、特開2011−37030公報で報告されている。
特開2011−37030公報
優れた外観及びユニフォミティを実現しつつ、セグメントとサイドプレートとの間のローカバーの噛み込みが防止されたモールドが求められている。
本発明の目的は、セグメントとサイドプレートとの間のローカバーの噛み込みが防止され、優れた外観及びユニフォミティを有するタイヤを製造しうる、タイヤ製造用のモールドを提供することである。
本発明は、その内面がキャビティ面の一部を構成する円弧状の複数のセグメントと、その内面がキャビティ面の一部を構成する一対のリング状のサイドプレートとを備えており、上記複数のセグメントをリング状に配置し上記サイドプレートと接触させることで、閉じられるモールドに関する。それぞれのサイドプレートは、本体と、この本体の内面からの突出及び本体への埋没が可能な押圧部とを備えている。上記押圧部の本体から突出したときの突出した部分は、周方向に延びるリング状を呈している。上記押圧部の突出方向は、軸方向に対して半径方向外向きに傾斜している。このモールドにローカバーを入れこのモールドを閉じるときに、上記押圧部は上記本体の内面から突出する。このモールドを閉じた後は、上記押圧部は上記本体に埋没する。
好ましくは、上記押圧部の突出方向の半径方向に対する傾斜角度は、30°以上70°以下である。
好ましくは、上記モールドを閉じるときの上記押圧部の本体から突出した部分の軸方向高さは、2mm以上5mm以下である。
好ましくは、半径方向において、上記モールドを閉じるときの上記押圧部の外側端は、上記本体の外周面を超えていない。
好ましくは、半径方向において、上記モールドを閉じるときの上記押圧部の外側端と上記本体の外周面との距離は、10mm以下である。
本発明に係るタイヤの製造方法は、
その内面がキャビティ面の一部を構成する円弧状の複数のセグメントと、その内面がキャビティ面の一部を構成する一対のリング状のサイドプレートとを備えており、上記複数のセグメントをリング状に配置し上記サイドプレートと接触させることで閉じられるモールドであって、それぞれのサイドプレートが、本体と、この本体の内面からの突出及び本体への埋没が可能な押圧部とを備えており、上記押圧部の本体から突出したときの突出した部分が、周方向に延びるリング状を呈しており、上記押圧部の突出方向が軸方向に対して半径方向外向きに傾斜しているモールドに、上記セグメントが配置されていない開いた状態でローカバーを入れる工程、
上記ローカバーをシェーピングしつつ上記セグメントを配置し、上記押圧部が突出した状態で上記モールドを閉じる工程、
上記押圧部を上記本体に埋没させる工程
を有する。
このモールドでは、サイドプレートは、本体と、この本体の内面からの突出及び本体への埋没が可能な押圧部とを備えている。この押圧部は、モールドにローカバーを入れこのモールドを閉じるときは本体の内面から突出している。この押圧部により、セグメントとサイドプレートとの境界と、ローカバーとの間に距離が保たれる。このモールドでは、セグメントとサイドプレートとの間のローカバーの噛み込みが防止されている。この押圧部の突出方向は、軸方向に対して半径方向外向きに傾斜している。この押圧部は、ローカバーと当接したときもローカバーを傷つけ難い。このモールドでは、ローカバーの噛み込みを防止するのに、シェーピングの圧力を低くする必要はない。このモールドでは、優れた外観及びユニフォミティを有するタイヤが製造できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ用のモールドが示された平面図である。 図2は、図1のモールドを含む、タイヤの加硫装置の一部が示された断面図である。 図3は、図2の装置でモールドが閉じられる前の状態が示された断面図である。 図4は、図3の装置の一部が示された拡大断面図である。 図5は、図3のサイドプレートの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明に係るモールド2が示された平面図である。図1において、両矢印Aで示される方向がこのモールド2の周方向であり、紙面に垂直な方向がこのモールド2の軸方向である。このモールド2は、セグメント4、サイドプレート6及びビードリング8を備える。図1には、実線で表されたセグメント4及び二点鎖線で表されたセグメント4が存在する。実線で表されているのが、モールド2が閉じられた状態でのセグメント4である。二点鎖線で表されているのが、モールド2が閉じられる前の状態でのセグメント4である。
図2は、図1のモールド2を含む、タイヤの加硫装置10の一部が示された断面図である。この加硫装置10は、上記のセグメント4、サイドプレート6及びビードリング8の他に、内セクターシュー12、外セクターシュー14、上側ベースプレート16及び下側ベースプレート18を備えている。この図では、ローカバーも示されている。図2において、Rで示されているのが、ローカバーRである。 図2において、左右方向が半径方向であり、上下方向が軸方向であり、紙面に垂直な方向が周方向である。図2のモールド2は、図1のII−II線に沿った拡大断面図となっている。
図2では、モールド2は閉じられている。この図のセグメント4の位置は、図1の実線で表されているセグメント4の位置に対応する。この状態において、セグメント4の内面20、サイドプレート6の内面22及びビードリング8の内面24が組み合わされ、キャビティ面が構成される。キャビティ面は、ローカバーRと当接して、タイヤの外面を形成する。
図1で示されるように、セグメント4の平面形状は、実質的に円弧状である。モールド2が閉じられた状態では、複数のセグメント4が、リング状に配置されている。図2で示されるように、セグメント4は、ローカバーRの主にトレッドの部分と当接する内面20と、この内面の軸方向外側に位置する一対の当接面26を備えている。セグメント4の内面20は、キャビティ面の一部を構成する。図示されないが、セグメント4の内面20には、トレッド面の溝に対応する山が設けられている。
図1で示されるように、サイドプレート6はリング状である。図2に示されるように、サイドプレート6は上下一対存在する。それぞれのサイドプレート6は、その内面がローカバーRの主にサイド部と当接する。サイドプレート6の内面22は、キャビティ面の一部を構成する。モールド2が閉じられた状態では、それぞれのサイドプレート6の外周面28は、セグメント4の対応する当接面26と接触している。
図1に示されるように、ビードリング8はリング状である。図2に示されるように、ビードリング8は上下一対存在する。それぞれのビードリング8は、その内面がローカバーRの対応するビードの部分と当接する。ビードリング8の内面24は、キャビティ面の一部を構成する。ビードリング8は、サイドプレート6に固定されている。
図2に示されるように、内セクターシュー12は、セグメント4の半径方向外側に位置する。一つのセグメント4に対して、一つの内セクターシュー12が存在する。従って、内セクターシュー12の数は、セグメント4の数と同じである。それぞれの内セクターシュー12は、対応するセグメント4と固定されている。図2に示されるように、内セクターシュー12の半径方向外側の面30は、軸方向に対して傾斜している。
図2に示されるように、外セクターシュー14は、内セクターシュー12の半径方向外側に位置している。外セクターシュー14は、内セクターシュー12と当接している。この当接面32は、軸方向に対して傾斜している。この傾斜角度は、内セクターシュー12の外側面の傾斜角度と同じである。
外セクターシュー14は、軸方向(図2のY方向及びその反対方向)に移動しうる。内セクターシュー12及びこれと固定されたセグメント4は、半径方向(図1及び図2のX方向及びその反対方向)に移動しうる。外セクターシュー14をY方向に移動させることで、内セクターシュー12及びセグメント4が、X方向に移動する。外セクターシュー14をY方向と反対方向に移動させることで、内セクターシュー12及びセグメント4が、X方向と反対方向に移動する。
上側ベースプレート16及び下側ベースプレート18は、それぞれ対応するサイドプレート6を固定している。上側ベースプレート16と下側ベースプレート18との間で、内セクターシュー12及びセグメント4が半径方向に移動される。
図3には、図2のモールド2が閉じられる前の状態が示されている。前述のとおり、図1において二点鎖線で表されているのが、この状態でのセグメント4である。図1及び図3で示されるように、この状態では、セグメント4は、サイドプレート6と当接していない。
図2及び3に示されるように、サイドプレート6は、本体34と押圧部36とを備えている。押圧部36は、本体34に対して移動可能である。図2に示されるように、モールド2が閉じられた状態では、押圧部36は本体34に埋没されている。押圧部36の上面38は、キャビティ面に露出している。押圧部36の上面38は、キャビティ面の一部をなしている。図3に示されるように、モールド2が閉じられる前の状態では、押圧部36は本体34の内面から内向きに突出している。押圧部36は、軸方向に対して半径方向外向きに傾斜して延びている。押圧部36の突出方向は、軸方向に対して半径方向外向きに傾斜している。押圧部36の突出した部分は、周方向に延びるリング状を呈している。
押圧部36の本体34からの突出及び本体34への埋没を制御する機構は、ここでは特定されない。例えば本体34の内部に、油圧又はエアーの圧力で押圧部36を押し出す機構が設けられていてもよい。この方法では、モールド2が閉じられる前は、油圧又はエアーの圧力で、押圧部36は本体34から突出する。モールド2が閉じられた後に、これらの圧力をゼロにする。押圧部36は、ローカバーRからの圧力で、本体34に埋没する。この他の方法で、押圧部36の本体34からの突出及び本体34への埋没を制御してもよい。
以下では、上記の装置10を使用したタイヤの製造方法が説明される。
この製造方法では、成形工程にてローカバーRが形成される。このローカバーRが、この装置10の開いたモールド2に入れられる。ローカバーRが、サイドプレート6及びビードリング8に当接される。この状態が、図3で示されたモールド2が閉じられる前の状態である。
このモールド2を閉じるために、セクターシューが、図3に示されるY方向に移動する。これに伴い、内セクターシュー12及びセグメント4が、図1及び図3で示されるX方向に移動する。これと併せて、ローカバーRがシェーピングされる。ローカバーRが膨らませられる。
図4には、このときのサイドプレート6とセグメント4との境界近辺が拡大されて示されている。ローカバーRがモールド2に入れられ、セグメント4がX方向に動くにつれて、押圧部36が徐々に突出する。膨らんできたローカバーRは、この押圧部36と当接し、この押圧部36に押される。さらにセグメント4がX方向に動き、セグメント4の当接面26とサイドプレート6の外周面28とが接触する。図1のそれぞれのセグメント4について、それぞれの当接面26と対応するサイドプレート6の外周面28とが接触し、セグメント4はリンク状に配置される。これにより、モールド2が閉じられる。このモールド2が閉じるときは、押圧部36は、本体34から突出している。押圧部36がローカバーRと当接しているため、この接触時に、セグメント4とサイドプレート6との境界と、ローカバーRとの間には、一定の距離が保たれる。
上記では、セグメント4がX方向に動くにつれて、押圧部36を徐々に突出させた。押圧部36をあらかじめ所定の高さまで突出させておいて、その状態でセグメント4をX方向に動かし、併せてローカバーRをシェーピングさせてもよい。
モールド2が閉じられると、押圧部36は本体34の内側へ移動する。押圧部36は、本体34に埋没される。これにより、図2で示された状態となる。
モールド2内において、ローカバーRは加圧されつつ加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーRのゴム組成物がキャビティ内を流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こす。これにより、タイヤが得られる。
外セクターシュー14がY方向の反対方向に移動する。これに伴い、内セクターシュー12及びセグメント4が、X方向の反対方向に移動する。これによりモールド2が開かれ、タイヤが取り出される。
以下では、本発明の作用効果が説明される。
本発明に係るモールド2では、サイドプレート6は、本体34と、この本体34の内面からの突出及び本体34への埋没が可能な押圧部36とを備えている。この押圧部36は、モールド2にローカバーRを入れこのモールド2を閉じるときは本体34の内面から突出している。この押圧部36は、ローカバーRと当接する。この当接により、セグメント4とサイドプレート6との境界と、ローカバーRとの間に距離が保たれる。このモールド2では、モールド2を閉じるときに、セグメント4とサイドプレート6との間に、ローカバーRが噛み込まれることが防止されている。このモールド2で作製されたタイヤでは、スピューや噛み切りによる傷の発生が防止されている。このモールド2では、タイヤの優れた外観が実現されうる。
このモールド2では、スピューの発生が抑えられているため、スピューの除去及びスピューによる汚れ除去の作業の発生が抑えられている。このモールド2では、製造コストが抑えられている。
サイドプレートの内面に突起を設けて、サイドプレートとセグメント間でのローカバーの噛み込みを防止する方法では、この突起がローカバーに傷を付けることを防止することが重要となる。例えば、噛み込み防止のため、サイドプレートの半径方向外側端(セグメントとの境界部分)に、軸方向に突出及び埋没可能な突起を設ける方法が考えられる。しかし、軸方向に突出する突起では、ローカバーへ与える負荷が大きい。さらに、セグメントの境界では、図2にも例示されているとおり、サイドプレートの内面は軸方向内側に向けて湾曲している。この境界においてサイドプレートの角は、軸方向内側に向いている。この部分を軸方向内側に突出させたとき、この角が主にローカバーに接触し、ローカバーのこの角との接触部分に、負荷が集中することが起こりうる。これはローカバーの傷の要因となりうる。
本発明に係るモールド2では、押圧部36の突出方向は、軸方向に対して半径方向外向きに傾斜している。押圧部36は、軸方向に対して半径方向外向きに傾斜して延びている。図4に示されるように、この押圧部36は、セグメント4との境界よりも半径方向内側から突出する。この位置では、サイドプレート6の内面22の軸方向内側への傾斜は小さい。この押圧部36の上面38は、ほぼ半径方向に延びている。この押圧部36は、上面38全体がローカバーRと当接する。ローカバーRの特定の場所に、負荷が集中することが防止されている。この押圧部36は、ローカバーRを傷つけ難い。このモールド2では、優れた外観及を有するタイヤが製造できる。
本発明に係るモールド2では、押圧部36は、軸方向に対して半径方向外向きに傾斜した方向からローカバーRを押す。これにより、ローカバーRにかかる負荷が軽減される。この押圧部36は、ローカバーRを傷つけ難い。このモールド2では、優れた外観を有するタイヤが製造できる。
このモールド2では、ローカバーRの噛み込みを防止するのに、ローカバーRのシェーピングの圧力を低くする必要はない。このモールド2では、モールド2内でのローカバーRの位置ずれが防止されている。これにより、製造されたタイヤでのユニフォミティの低下、及び、ベア、ブラダークリース、ツイスト等の発生による外観品質の低下が防止されている。このモールド2では、タイヤの優れた外観及びユニフォミティが実現されうる。
図5は、図3のサイドプレート6の一部が示された拡大断面図である。図5おいて、符号θは、押圧部36の突出方向が半径方向となす角度である。角度θは、70°以下が好ましい。角度θを70°以下とすることで、この押圧部36がローカバーRに与える負荷が効果的に低減できる。押圧部36によるローカバーRの傷つけが効果的に防止されている。この観点から角度θは60°以下がより好ましく、45°がさらに好ましい。角度θは30°以上が好ましい。角度θを30°以上とすることで、ローカバーRがこの押圧部36と擦れることによる、傷つきが防止されている。さらにこのようにすることで、この押圧部36は、ローカバーRからの圧力に対して十分な強度を有する。
図5において、両矢印Hは、押圧部36が突出したときの、軸方向の突出高さである。高さHの最大値(モールド2が閉じるときの高さH)がHmとされたとき、高さHmは、2mm以上が好ましい。高さHmを2mm以上とすることで、セグメント4とサイドプレート6との境界と、ローカバーRとの間の距離が十分保たれる。このモールド2では、セグメント4とサイドプレート6との間に、ローカバーRが噛み込まれることが防止されている。この観点から、高さHmは3mm以上がより好ましい。高さHmは、5mm以下が好ましい。高さHmを5mm以下とすることで、この押圧部36がローカバーRに傷を付けることが防止されている。この観点から、高さHmは4mm以下がより好ましい。
図5において、両矢印Dは、押圧部36が突出したときの押圧部36の外側端と、本体34の外周面28との半径方向距離である。この距離Dは、半径方向において、押圧部36の外側端が本体34の外周面28より内側にある場合が正の値、外側にある場合は負の値で定義される。ここでは、距離Dの最小値(モールド2が閉じるときの距離D)は、Dmと記載される。
半径方向において、モールド2が閉じるときの押圧部36の外側端は、本体34の外周面28を超えていないのが好ましい。換言すれば、距離Dmは0mm以上が好ましい。距離Dmを0mm以上とすることで、セグメント4の内面20に山が存在する場合でも、モールド2を閉じるときに、セグメント4と押圧部36との干渉が抑制されている。距離Dmは、10mm以下が好ましい。距離Dmを10mm以下とすることで、セグメント4とサイドプレート6との境界と、ローカバーRとの間の距離が十分保たれる。このモールド2では、セグメント4とサイドプレート6との間に、ローカバーRが噛み込まれることが防止されている。この観点から、距離Dmは8mm以下がより好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
本発明に係るモールドを作製した。このモールドの仕様が表1に示されている。このモールドは、「175/70 R14」のサイズのタイヤ用である。このモールドでは、高さHmは5mmとされた。距離Dmは0mmとされた。なお、表1には、このモールドを使用してタイヤを作製するときの、ローカバーのシェーピングの圧力も記載されている。
[比較例1]
サイドプレートが押圧部を有さないことの他は実施例1と同様にして、比較例1のモールドを作製した。ローカバーのシェーピングの圧力も、実施例1と同じとされた。
[比較例2]
比較例2のモールドは、比較例1と同じである。ローカバーのシェーピングの圧力が、表1の通りとされた。
[比較例3、実施例2]
押圧部の突出方向が半径方向となす角度θが表1の通りとされた他は実施例1と同様にして、比較例3及び実施例2のタイヤを作製した。ローカバーのシェーピングの圧力も、実施例1と同じとされた。
[ローカバー噛み込み]
作製したモールドにローカバーを入れてシェーピングしつつモールドを閉じ、6秒間加硫をした。このローカバーを取り出して、セグメントとサイドプレートとの間のローカバーの噛み込みの有無を目視で確認した。この結果が、噛み込みが発生していない場合がA、噛み込みが発生しているが問題とならないレベルの場合がB、噛み込みの発生が問題となるレベルである場合がC、さらに噛み込みが多く発生している場合がDとして、表1に示されている。A、B、C、Dの順に好ましい。
[スピュー、ローカバー噛み切り、押圧部傷、ベア、ツイスト、ブラダークリース]
作製したモールドを使用し上記のシェーピング圧力でタイヤを連続して100本作製した。これらのタイヤについて、スピュー、ローカバー噛み切り、押圧部傷(押圧部による傷)、ベア、ツイスト及びブラダークリースの発生状況が目視で確認された。この結果がA、B、C、Dの4段階で表1に示されている。A、B、C、Dの順にこれらの発生が少ない。A、B、C、Dの順に好ましい。A及びBが合格である。
[スピューのカットコスト/洗浄コスト]
上記のタイヤの製作において、発生したスピューのカットのコスト、及びこのスピューの洗浄のコストが計算された。この結果がA、B、C、Dの4段階で表1に示されている。A、B、C、Dの順にコストが小さい。A、B、C、Dの順に好ましい。
[ユニフォミティ]
実施例及び比較例のそれぞれについて、上記で製造したタイヤのうちの10本を任意に選択し、「JASO C607:2000」に規定されたユニフォーミティ試験方法」に準拠して、下記に示す条件にて、ラジアル・フォース・バリエーション(RFVOA)を測定した。
内圧:180kPa
荷重:5.0kN
速度:60rpm
この結果がA、B、C、Dの4段階で表1に示されている。A、B、C、Dの順に好ましい。
Figure 2020097190
表1に示されるように、実施例のモールドで製造されたタイヤは、比較例のモールドで製造されたタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るモールドは、種々のタイヤの製造に適用しうる。
2・・・モールド
4・・・セグメント
6・・・サイドプレート
8・・・ビードリング
10・・・加硫装置
12・・・内セクターシュー
14・・・外セクターシュー
16・・・上側ベースプレート
18・・・下側ベースプレート
20・・・セグメントの内面
22・・・サイドプレートの内面
24・・・ビードリングの内面
26・・・セグメントの当接面
28・・・サイドプレート(本体)の外周面
30・・・内セクターシューの外側面
32・・・外セクターシューの当接面
34・・・本体
36・・・押圧部
38・・・押圧部の上面

Claims (6)

  1. その内面がキャビティ面の一部を構成する円弧状の複数のセグメントと、その内面がキャビティ面の一部を構成する一対のリング状のサイドプレートとを備えており、上記複数のセグメントをリング状に配置し上記サイドプレートと接触させることで、閉じられるモールドであって、
    それぞれのサイドプレートが、本体と、この本体の内面からの突出及び本体への埋没が可能な押圧部とを備えており、
    上記押圧部の本体から突出したときの突出した部分が、周方向に延びるリング状を呈しており、
    上記押圧部の突出方向が、軸方向に対して半径方向外向きに傾斜しており、
    このモールドにローカバーを入れこのモールドを閉じるときに上記押圧部が上記本体の内面から突出し、このモールドを閉じた後は上記押圧部が上記本体に埋没するタイヤ製造用のモールド。
  2. 上記押圧部の突出方向の半径方向に対する傾斜角度が、30°以上70°以下である請求項1に記載のモールド。
  3. 上記モールドを閉じるときの上記押圧部の本体から突出した部分の軸方向高さが、2mm以上5mm以下である請求項1又は2に記載のモールド。
  4. 半径方向において、上記モールドを閉じるときの上記押圧部の外側端が、上記本体の外周面を超えていない請求項1から3のいずれかに記載のモールド。
  5. 半径方向において、上記モールドを閉じるときの上記押圧部の外側端と上記本体の外周面との距離が、10mm以下である請求項4に記載のモールド。
  6. その内面がキャビティ面の一部を構成する円弧状の複数のセグメントと、その内面がキャビティ面の一部を構成する一対のリング状のサイドプレートとを備えており、上記複数のセグメントをリング状に配置し上記サイドプレートと接触させることで閉じられるモールドであって、それぞれのサイドプレートが、本体と、この本体の内面からの突出及び本体への埋没が可能な押圧部とを備えており、上記押圧部の本体から突出したときの突出した部分が、周方向に延びるリング状を呈しており、上記押圧部の突出方向が軸方向に対して半径方向外向きに傾斜しているモールドに、上記セグメントが配置されていない開いた状態でローカバーを入れる工程、
    上記ローカバーをシェーピングしつつ上記セグメントを配置し、上記押圧部が突出した状態で上記モールドを閉じる工程、
    上記押圧部を上記本体に埋没させる工程
    を有するタイヤの製造方法。
JP2018237018A 2018-12-19 2018-12-19 タイヤ製造用モールド Pending JP2020097190A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018237018A JP2020097190A (ja) 2018-12-19 2018-12-19 タイヤ製造用モールド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018237018A JP2020097190A (ja) 2018-12-19 2018-12-19 タイヤ製造用モールド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020097190A true JP2020097190A (ja) 2020-06-25

Family

ID=71106742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018237018A Pending JP2020097190A (ja) 2018-12-19 2018-12-19 タイヤ製造用モールド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020097190A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102431590B1 (ko) * 2021-06-09 2022-08-11 넥센타이어 주식회사 물림식출 방지 몰드

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102431590B1 (ko) * 2021-06-09 2022-08-11 넥센타이어 주식회사 물림식출 방지 몰드

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10583584B2 (en) Tire vulcanization mold, tire vulcanization device, and tire production method
US9492980B2 (en) Tire mold and tire
JP2013103478A (ja) ローカバー
JP2009006600A (ja) タイヤ加硫用コンテナ
JP2020097190A (ja) タイヤ製造用モールド
JP2009269235A (ja) タイヤ加硫用ブラダー、タイヤの加硫成形方法及び空気入りタイヤ
JP4615824B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法及びそれに用いる加硫金型
JP5787732B2 (ja) タイヤ加硫用ブラダ
JP2012006319A (ja) タイヤ製造方法
JP5050804B2 (ja) タイヤ加硫方法
JP2016097505A (ja) 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ
JP2003285331A (ja) タイヤ加硫方法及び装置
JP2015193201A (ja) タイヤ加硫用金型
JP7230440B2 (ja) タイヤ加硫装置
JP2021024156A (ja) タイヤ製造用モールド
JP5786465B2 (ja) タイヤ製造装置およびそれに用いるタイヤ加硫成形用ブラダー
JP2009023164A (ja) 空気入りタイヤの加硫成形方法及びその装置
JP2021178422A (ja) タイヤ製造用モールド
JP4293344B2 (ja) タイヤ成形用金型
JP2022052032A (ja) タイヤ製造用モールド
KR101323286B1 (ko) 타이어 가류 장치
JP4342931B2 (ja) タイヤ用のモールド及びタイヤ製造方法
JP2014121848A (ja) タイヤ加硫方法及びその装置
EP1106322B1 (en) Vulcanizing mold for pneumatic tires
US11214028B2 (en) Tire vulcanizing apparatus and tire vulcanizing method