JP2020096614A - 水田作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】施薬量を削減しながら薬効を効果的に得られるようにした上で、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れなどを防止する水田作業機を提供する。【解決手段】作業用の前進走行時に作動する播種用又は苗植え付け用の主作業装置と施薬装置とを備え、主作業装置は、種子又は苗を圃場に供給する複数の主供給部26を左右方向に一定間隔をあけて整列配備し、施薬装置は、複数の薬剤供給部36を、対応する主供給部26との機体横幅方向での同じ位置で、且つ、対応する主供給部26よりも機体前後方向における前方に配備している。【選択図】図8

Description

本発明は、作業用の前進走行時に作動する播種用又は苗植え付け用の主作業装置と施肥装置と施薬装置とを備えた水田作業機に関する。
上記のような水田作業機としては、例えば、施肥装置の肥料ホッパ―(肥料貯留部)及び繰出ユニット(肥料繰出部)などを走行機体(走行車体)の後部に装備し、播種装置(主作業装置)、施肥装置の複数の作溝器、及び、薬剤散布装置(施薬装置)などを、走行機体の後部に上下揺動式のリンク機構を介して昇降可能に連結し、機体後部の繰出ユニットから機体後方の各作溝器にわたって複数の施肥ホースを架設したものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2013−201919号公報
上記の構成では、水田作業機の作業幅の全域にわたって薬剤を散布する薬剤散布装置を備えることにより、施薬量が多くなるわりには薬効を得難くなっていた。そこで、近年では、施薬量の削減を図りながら、種子又は苗に対する防病や防虫などの薬効を効果的に得られるようにするために、圃場泥面における播種予定箇所又は苗植え付け予定箇所の近くを、施薬用の作溝器により作溝して溝内に薬剤を供給する作溝式の施薬装置を採用することが考えられている。
しかしながら、圃場泥面における播種予定箇所又は苗植え付け予定箇所の近くを作溝して施薬する場合、施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で播種又は苗の植え付けが行われると、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れ、などを招き易くなる。
特に、主作業装置として直播装置を採用し、又、種子として、鳥害を防止するために鉄コーティング処理を施した種籾を使用する場合には、施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で播種が行われると、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下が顕著に表れるようになっていた。
本発明の目的は、施薬量の削減を図りながら種子又は苗に対する薬効を効果的に得られるようにするとともに、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れなどを防止することにある。
本発明の水田作業機は、作業用の前進走行時に作動する播種用又は苗植え付け用の主作業装置と施薬装置とを備え、前記主作業装置は、種子又は苗を圃場に供給する複数の主供給部を左右方向に一定間隔をあけて整列配備し、前記施薬装置は、複数の薬剤供給部を、対応する前記主供給部との機体横幅方向での同じ位置で、且つ、対応する前記主供給部よりも機体前後方向における前方に配備している。
また、本発明の水田作業機は、作業用の前進走行時に作動する播種用又は苗植え付け用の主作業装置と施肥装置と施薬装置とを備え、
前記主作業装置は、種子又は苗を圃場に供給する複数の主供給部を左右方向に一定間隔をあけて整列配備し、
前記施肥装置は、肥料を圃場に供給する複数の肥料供給部を、前記複数の主供給部よりも機体前側の位置で、かつ、対応する前記主供給部から機体横幅方向に所定間隔をあけた位置に配備し、
前記施薬装置は、施薬用の作溝器により圃場の泥面に作溝して溝内に薬剤を供給する作溝式に構成した複数の薬剤供給部を、前記複数の肥料供給部よりも機体前側の位置で、かつ、対応する前記主供給部との機体横幅方向での同じ位置に配備している。
この手段によると、機体横幅方向において同じ位置に配備する各主供給部と各薬剤供給部との機体前後方向での離間距離を大きくすることができる。これにより、作業用の前進走行時において、先行する作溝式の各薬剤供給部が施薬溝を形成してから、その施薬溝形成箇所に後続の各主供給部が種子又は苗を供給するまでの時間差を大きくすることができ、各薬剤供給部が作溝してから各主供給部が種子又は苗を供給するまでの間における施薬溝の埋め戻しに要する時間の確保が行い易くなる。
つまり、種子又は苗が薬効を得易くするために、各主供給部と作溝式の各薬剤供給部とを機体横幅方向において同じ位置に配備して、機体横幅方向での種子又は苗の供給位置と施薬位置とを同じに設定しても、施薬装置の各薬剤供給部が施薬のために形成した施薬溝を、後続する主作業装置の各主供給部が種子又は苗を供給するまでの間において、各薬剤供給部の通過後に施薬溝に流入する泥土によって埋め戻すことができ、埋め戻された施薬溝形成箇所の圃場泥土に種子又は苗を供給することができる。
その結果、各施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で種子又は苗の供給が行われることに起因した、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れの発生を防止することができる。
又、各施薬溝の埋め戻し不良に起因して、各施薬溝に供給した薬剤が広域に拡散して薬効が弱まることを防止することができる。
従って、種子又は苗及び薬剤の適正な圃場供給を精度良く行うことができ、これにより、施薬量の削減を図りながら種子又は苗に対する薬効を効果的に得られるようにすることができるとともに、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れなどを防止することができ、結果、種苗の育成を促進させることができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記複数の薬剤供給部が形成した施薬溝のそれぞれを埋め戻す複数の施薬用覆土部材を、前後に並ぶ前記薬剤供給部と前記主供給部との間に配備している。
この手段によると、作業用の前進走行時に行われる各薬剤供給部の作溝に伴って左右方向に押し出される圃場泥土などを、後続する各施薬用覆土部材によって各施薬溝に案内することができる。
これにより、圃場の泥土が硬くて施薬溝に流れ込み難い場合や、作業速度が速くて先行する各薬剤供給部が作溝してから後続の各主供給部が種子又は苗を供給するまでの間における施薬溝の埋め戻しに要する時間の確保が難しくなる場合などにおいても、各施薬溝の埋め戻しを速やかにかつ確実に行うことができる。
その結果、圃場泥土の硬さや作業速度に関係なく、各施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で種子又は苗の供給が行われることに起因した、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れの発生を防止することができる。又、各施薬溝の埋め戻し不良に起因して、各施薬溝に供給した薬剤が広域に拡散して薬効が弱まることを防止することができる。
従って、圃場泥土の硬さや作業速度に関係なく、種子又は苗及び薬剤の適正な圃場供給を精度良く行うことができ、これにより、施薬量の削減を図りながら種子又は苗に対する薬効を効果的に得られるようにすることができるとともに、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れなどを防止することができ、結果、種苗の育成を促進させることができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記複数の肥料供給部のそれぞれを、施肥用の作溝器により圃場の泥面に作溝して溝内に肥料を供給する作溝式に構成し、
前記複数の肥料供給部が形成した施肥溝のそれぞれを埋め戻す複数の施肥用覆土部材を備え、
前記複数の施薬用覆土部材は、それらが埋め戻す施薬溝に隣接する施肥溝とは反対側に備えた第1固定部から埋め戻す施薬溝に向けて斜め後ろ向きの傾斜姿勢で延出し、
前記複数の施肥用覆土部材は、それらが埋め戻す施肥溝に隣接する施薬溝とは反対側に備えた第2固定部から埋め戻す施肥溝に向けて斜め後ろ向きの傾斜姿勢で延出している。
この手段によると、作業用の前進走行時に行われる各薬剤供給部の作溝に伴って左右方向に押し出される圃場泥土のうちの各第1固定部側に押し出される圃場泥土などを、後続する各施薬用覆土部材によって各施薬溝に案内することができる。
これにより、圃場の泥土が硬くて施薬溝に流れ込み難い場合や、作業速度が速くて先行する各薬剤供給部が作溝してから後続の各主供給部が種子又は苗を供給するまでの間における施薬溝の埋め戻しに要する時間の確保が難しくなる場合などにおいても、各施薬溝の埋め戻しを速やかにかつ確実に行うことができる。
又、作業用の前進走行時に行われる各肥料供給部の作溝に伴って左右方向に押し出される圃場泥土のうちの各第2固定部側に押し出される圃場泥土などを、後続する各施肥用覆土部材によって各施肥溝に案内することができる。
これにより、圃場の泥土が硬くて施肥溝に流れ込み難い場合などにおいても、各施肥溝の埋め戻しを速やかにかつ確実に行うことができる。
その結果、圃場泥土の硬さや作業速度に関係なく、各施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で種子又は苗の供給が行われることに起因した、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れの発生を防止することができる。又、各施薬溝及び各施肥溝の埋め戻し不良に起因して、各施薬溝又は各施肥溝に供給した薬剤又は肥料が広域に拡散して薬効又は肥効が弱まることを防止することができる。
従って、圃場泥土の硬さや作業速度に関係なく、種子又は苗並びに薬剤及び肥料の適正な圃場供給を精度良く行うことができ、これにより、施薬量及び施肥量の削減を図りながら種子又は苗に対する薬効及び肥効を効果的に得られるようにすることができるとともに、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れなどを防止することができ、結果、種苗の育成を促進させることができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
圃場の泥面を整地する整地フロートを上下揺動可能に装備し、
前記複数の肥料供給部のそれぞれを、施肥用の作溝器により圃場の泥面に作溝して溝内に肥料を供給する作溝式に構成して、側面視で前記整地フロートの揺動支点と重なる配置で前記整地フロートに装備している。
この手段によると、圃場泥面の整地のために上下揺動可能に装備した整地フロートを、各肥料供給部を支持する支持部材に兼用することができる。そして、このように整地フロートを支持部材に兼用しながらも、整地フロートの上下揺動にかかわらず、各肥料供給部による施肥深さを精度良く一定にすることができる。
従って、部品点数の削減による構成の簡素化を図りながら施肥精度の向上を図ることができ、種苗の育成を更に促進させることができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
圃場の泥面を整地する整地フロートを装備し、
前記複数の薬剤供給部のそれぞれを、前記整地フロートにおいて底面が反り上がった状態になる前端側部分に配備している。
この手段によると、整地フロートを、各薬剤供給部を支持する支持部材に兼用することができる。そして、このように整地フロートを支持部材に兼用しながら、各主供給部と各薬剤供給部との機体前後方向での離間距離を大きくすることができ、これにより、各薬剤供給部が作溝してから各主供給部が種子又は苗を供給するまでの間における施薬溝の埋め戻しに要する時間の確保が行い易くなる。
従って、部品点数の削減による構成の簡素化を図りながら、各施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で各主供給部による種子又は苗の供給が行われることに起因した、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れの発生を防止することができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
圃場の泥面を整地する整地フロートを上下揺動可能に装備し、
前記複数の薬剤供給部のそれぞれを、側面視で前記整地フロートの揺動支点と重なる配置で前記整地フロートに装備している。
この手段によると、圃場泥面の整地のために上下揺動可能に装備した整地フロートを、各薬剤供給部を支持する支持部材に兼用することができる。そして、このように整地フロートを支持部材に兼用しながらも、整地フロートの上下揺動にかかわらず、各薬剤供給部による施薬深さを精度良く一定にすることができる。
従って、部品点数の削減による構成の簡素化を図りながら施薬精度の向上を図ることができ、種苗の育成を更に促進させることができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記複数の肥料供給部のそれぞれを、施肥用の作溝器により圃場の泥面に作溝して溝内に肥料を供給する作溝式に構成し、
前記施肥用の作溝器のそれぞれは、それらの前端から前方に延出して前記施肥用の作溝器による作溝を補助する作溝補助具を備え、
前記複数の薬剤供給部のそれぞれを、前記施薬用の作溝器の後端部が前記作溝補助具の前端部と側面視で重なる位置に配備している。
この手段によると、各肥料供給部と各薬剤供給部とを、それらの作溝器が左右に近接して並ぶように配備する場合に生じる施肥用の作溝器と施薬用の作溝器との間での泥詰まりを防止することができ、この泥詰まりに起因した作溝不良や各施薬溝及び各施肥溝の埋め戻し不良を防止することができる。
又、作業用の前進走行時に行われる各薬剤供給部の作溝に伴って左右方向に押し出される圃場泥土のうち、肥料供給部側に押し出される圃場泥土を、後続する各施肥用の作溝補助具によって機体後方側に案内することができ、この案内した圃場泥土を、各肥料供給部の作溝に伴って左右方向に押し出される圃場泥土のうちの施薬溝側に押し出される圃場泥土などとともに、各施薬溝に向けて流動させることができる。
従って、各施薬溝の埋め戻しをより速やかに行うことができ、各施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で各主供給部による種子又は苗の供給が行われることをより効果的に防止することができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記作溝器のそれぞれを、作溝負荷が大きくなると狭い溝幅で作溝し、かつ、作溝負荷が小さくなると広い溝幅で作溝するように、溝幅方向に弾性変形可能に構成している。
作溝負荷は、圃場の泥土が硬いほど大きくなり、軟らかいほど小さくなる。又、作業速度が速いほど大きくなり、遅いほど小さくなる。
そのため、この手段によると、圃場泥土が硬いことや作業速度が速いことに起因して各施薬溝又は各施肥溝の埋め戻しが行われ難くなるほど、各作溝器により作溝する施薬溝又は施肥溝の溝幅が狭くなり、その分、各施薬溝又は各施肥溝の埋め戻しが行い易くなる。
その結果、圃場泥土の硬さや作業速度に関係なく、各施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で種子又は苗の供給が行われることに起因した、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れの発生を防止することができる。又、各施薬溝又は各施肥溝の埋め戻し不良に起因して、各施薬溝又は各施肥溝に供給した薬剤又は肥料が広域に拡散して薬効又は肥効が弱まることを防止することができる。
逆に、圃場泥土が軟らかいことや走行速度が遅いことに起因して各施薬溝又は各施肥溝の埋め戻しが行われ易くなるほど、各作溝器により作溝する施薬溝の溝幅が広くなり、その分、各施薬溝又は各施肥溝の埋め戻しに要する時間を長くすることができる。
これにより、圃場の泥土が軟らかくて各施薬溝又は各施肥溝に流れ込み易い場合や、作業速度が遅くて各施薬溝又は各施肥溝を作溝してから直ぐに埋め戻しが行われる場合などにおいても、各施薬溝又は各施肥溝の埋め戻しに要する所定時間を確保することができる。
その結果、圃場泥土の硬さや作業速度に関係なく、各薬剤供給部又は各肥料供給部による各溝内への薬剤又は肥料の供給途中の段階から各溝の埋め戻しが行われることに起因した薬剤又は肥料の各溝内からの拡散を防止することができる。
そして、作溝器のそれぞれが作溝負荷に応じて溝幅方向に弾性変形することにより、作溝器に付着した泥土や薬剤又は肥料を作溝器から自動的に取り除くことができる。これにより、作溝器に泥土や薬剤又は肥料が付着堆積することに起因した施薬不良又は施肥不良を防止することができる。
従って、圃場泥土の硬さや作業速度に関係なく、種子又は苗及び薬剤又は肥料の適正な圃場供給を精度良く行うことができ、これにより、種子又は苗に対する薬効又は肥効を効果的に得られるようにすることができるとともに、種子の埋没による出芽率や苗立ち率の低下、あるいは、植え付け不良による苗倒れなどを防止することができ、結果、種苗の育成を促進させることができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記作溝器のそれぞれは、弾性変形不能な第1部材と、溝幅方向に弾性変形可能な第2部材とを備え、前記第1部材を前記第2部材の内側に配備して、溝幅を狭くする方向への前記第2部材の弾性変形を前記第1部材との接触により制限している。
この手段によると、圃場泥土が硬いことや作業速度が速いことに起因して、作溝負荷が大きくなり過ぎて各作溝器の下端側が塞がってしまう虞を効果的に抑制することができる。
従って、圃場泥土が硬いことや作業速度が速いことに起因して作溝負荷が大きくなり過ぎても、各作溝器の作溝により、施薬又は施肥に必要な最小限の溝幅を確保することができ、適正な施薬又は施肥を行うことができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、圃場の泥面を整地する整地フロートを装備し、
前記複数の肥料供給部を、施肥用の作溝器により圃場の泥面に作溝して溝内に肥料を供給する作溝式に構成し、
前記施薬用の作溝器と前記施肥用の作溝器とを前記整地フロートに装備し、
前記整地フロートは、前記施薬用の作溝器と前記施肥用の作溝器との間において、後端が前記施肥用の作溝器よりも後方に位置するように形成した作溝器間整地部を備えている。
この手段によると、整地フロートを、各薬剤供給部及び各肥料供給部を支持する支持部材に兼用することができる。
又、作業走行に伴って整地フロートの下方に入り込んだ圃場泥土が、このときの走行に伴う施薬用の作溝器の作溝によって施薬用の作溝器の左右に押し出され、かつ、施肥用の作溝器の作溝によって施肥用の作溝器の左右に押し出されることにより、施薬用の作溝器と施肥用の作溝器との間に集中して浮き上がり易くなったとしても、それらの間に位置する作溝器間整地部の作用によって、施薬用の作溝器と施肥用の作溝器との間からの圃場泥土の浮き上がりを防止することができる。
これにより、施薬用の作溝器と施肥用の作溝器との間から圃場泥土が浮き上がることや、浮き上がった圃場泥土が整地フロートに乗り上がることに起因した整地性能の低下などを防止することができる。
乗用直播機の左側面図である。 乗用直播機の平面図である。 作業ユニットの左側面図である。 作業ユニットの縦断左側面図である。 作業ユニットの背面図である。 施肥装置の構成を示す作業ユニットの縦断背面図である。 施薬装置の構成を示す作業ユニットの縦断背面図である。 種子供給部と肥料供給部と薬剤供給部の配置を示す作業ユニットの横断平面図である。 肥料供給部と薬剤供給部の配置を示す要部の縦断側面図である。 左右の整地フロートの支持構造を示す要部の縦断側面図である。 左右の整地フロートの支持構造を示す要部の分解斜視図である。 作業ユニットの伝動構成を示す概略図である。 直播装置と施薬装置との連動構造などを示す要部の縦断側面図である。 直播装置と施薬装置との連動構造などを示す要部の横断平面図である。 別実施形態での肥料供給部と薬剤供給部の構成を示す要部の縦断側面図である。 別実施形態での肥料供給部と薬剤供給部の構成を示す要部の横断平面図である。 別実施形態での整地フロートの形状を示す要部の横断平面図である。
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を、水田作業機の一例である乗用直播機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態で例示する乗用直播機は、乗用型の4輪駆動形式に構成した走行車体1の後部に、単動型の油圧シリンダを採用した昇降シリンダ2の作動によって上下揺動する上下揺動式のリンク機構3を介して、播種用の作業ユニットAを昇降可能に連結して構成している。
走行車体1は、その前部に防振搭載したエンジン4からの動力を、主変速装置として備えた静油圧式無段変速装置(図示せず)、及び、副変速装置として備えたギア式変速装置(図示せず)、などを介して、その前部に配備した左右の前輪5、及び、その後部に配備した左右の後輪6に伝達するように構成している。走行車体1の後部側には、搭乗ステップ7、前輪操舵用のステアリングホイール8、及び、前後方向に位置調節可能な運転座席9、などを配備して搭乗運転部10を形成している。走行車体1の左右には、搭乗面積を左右に拡張する左右の拡張ステップ11を配備している。搭乗運転部10の後方には、リンク機構3及び左右の後輪6などの上方において走行車体1の後部から作業ユニットAに向けて延出する後部ステップ12、及び、後部ステップ12に対する移動などの際に使用する手摺13を配備している。
図1〜5に示すように、作業ユニットAは、リンク機構3の後端部にローリング可能に連結する播種フレーム14に、播種用の主作業装置としての6条用の直播装置15、肥料を圃場に供給する6条用の施肥装置16、薬剤を圃場に供給する6条用の施薬装置17、各装置15〜17に伝動する伝動装置18、作業用の前進走行時に作業対象の圃場泥面を整地する平面視T字状の3つの整地フロート19、及び、作業用の前進走行に伴って圃場に排水溝を形成する左右の溝切具20、などを備えてユニット化している。
つまり、直播装置15と施肥装置16と施薬装置17とをユニット化することにより、それらの各装置15〜17を個々に走行車体1に組み付ける場合に比較して、それらの各装置15〜17の走行車体1に対する組み付けを容易にすることができる。
図3〜7に示すように、播種フレーム14は、リンク機構3の後端部に連結する主フレーム21、主フレーム21の前部側に背高に立設した前支持フレーム22、及び、主フレーム21の後部側に背低に立設した後支持フレーム23、などを備えている。
図1〜5及び図8に示すように、直播装置15は、種子の一例である鉄コーティング処理が施された種籾を貯留する主貯留部として3条分ずつの種籾を貯留する左右の種子貯留部24、対応する種子貯留部24から所定量の種籾を間欠的に下方に繰り出す主繰出部としての6つの種子繰出部25、及び、対応する種子繰出部25が下方に繰り出した種籾を該種子繰出部25の真下に位置する整地後の圃場泥面に向けて落下供給する主供給部としての6つの種子供給部26、などを備えている。そして、外部伝動軸27及び伝動装置18などを介して伝達される走行車体1からの作業用の動力によって各種子繰出部25が作動することにより、所定量の種籾を1株分として前後方向に所定間隔をあけた状態で圃場の泥土表面に最大6条分の播種を行う6条用の泥面点播式に構成している。
直播装置15において、左右の種子貯留部24は、それらの下端に3つの種子排出口(図示せず)を左右方向に一定間隔をあけて整列形成している。そして、各種子貯留部24における種子排出口形成箇所のそれぞれに種子繰出部25を連接している。各種子繰出部25は、それらの種子排出側となる下端部分のそれぞれに種子供給部26を連接している。そして、各種子供給部26が、対応する種子繰出部25及び種子排出口とともに左右方向に一定間隔をあけて整列配備した状態となるように、左右の種子貯留部24を左右方向に所定間隔をあけて配備している。
図1〜8に示すように、施肥装置16は、肥料の一例である粒状の肥料を3条分ずつ貯留する左右の肥料貯留部28、対応する肥料貯留部28から所定量の肥料を間欠的に繰り出す6つの肥料繰出部29、対応する肥料繰出部29が繰り出した肥料を流下案内する肥料案内管としての6本の施肥ホース30、及び、対応する施肥ホース30が案内した肥料を圃場に供給する6つの肥料供給部31、などを備えている。そして、外部伝動軸27及び伝動装置18などを介して伝達される走行車体1からの作業用の動力によって各肥料繰出部29が作動することにより、所定量の肥料を前後方向に所定間隔をあけた状態で最大6条分の施肥を行う6条用に構成している。
左右の肥料貯留部28は、それらの下端に3つの肥料排出口(図示せず)を左右方向に一定間隔をあけて整列形成している。そして、各肥料貯留部28における肥料排出口形成箇所のそれぞれに肥料繰出部29を連接している。各肥料繰出部29は、対応する肥料貯留部28に連接した状態において左右方向に所定間隔をあけて並ぶように構成している。
各肥料供給部31は、後方を開放する平面視U字状に形成した施肥用の作溝器32により整地後の圃場泥面に作溝して溝内に肥料を供給する作溝式に構成している。そして、対応する種子供給部26よりも機体前側の位置で、かつ、対応する種子供給部26から機体横幅方向に所定間隔をあけた位置に位置するように、対応する整地フロート19の前端側部分に備えた左右の張り出し領域における左右中心寄りの部位に固定装備している。
施薬装置17は、薬剤の一例である粉状の除草剤や防病剤などの薬剤を2条分ずつ貯留する3つの薬剤貯留部33、対応する薬剤貯留部33から所定量の薬剤を間欠的に繰り出す6つの薬剤繰出部34、対応する薬剤繰出部34が繰り出した薬剤を流下案内する薬剤案内管としての6本の施薬ホース35、及び、対応する施薬ホース35が案内した薬剤を圃場に供給する6つの薬剤供給部36、などを備えている。そして、外部伝動軸27及び伝動装置18などを介して伝達される走行車体1からの作業用の動力によって各薬剤繰出部34が作動することにより、所定量の薬剤を前後方向に所定間隔をあけた状態で最大6条分の施薬を行う6条用に構成している。
各薬剤貯留部33は、それらの下端に2つの薬剤排出口(図示せず)を左右方向に所定間隔をあけて整列形成している。そして、各薬剤貯留部33における薬剤排出口形成箇所のそれぞれに薬剤繰出部34を連接している。各薬剤繰出部34は、対応する薬剤貯留部33に連接した状態において左右方向に所定間隔をあけて並ぶように構成している。
各薬剤供給部36は、後方を開放する平面視U字状に形成した施薬用の作溝器37により整地後の圃場泥面に作溝して溝内に薬剤を供給する作溝式に構成している。そして、対応する肥料供給部31よりも機体前側の位置で、かつ、対応する種子供給部26との機体横幅方向での同じ位置に位置するように、対応する整地フロート19の前述した左右の張り出し領域における左右の外端寄りの部位に固定装備している。
上記の構成から、作業ユニットAを作動させた作業用の前進走行時には、先ず、その走行に伴って各整地フロート19が作業対象の圃場泥面を整地する。
次に、施薬装置17の各薬剤供給部36が、直播装置15の各種子供給部26及び施肥装置16の各肥料供給部31に先行する状態で、各整地フロート19による整地後の圃場泥面における各種子供給部26の播種予定箇所に対する機体横幅方向での同じ位置に施薬溝を形成し、その施薬溝の内部に施薬装置17の各薬剤繰出部34が繰り出した薬剤を供給する。
又、施肥装置16の各肥料供給部31が、直播装置15の各種子供給部26に先行する状態で、各整地フロート19による整地後の圃場泥面における各種子供給部26の播種予定箇所から機体横幅方向に所定間隔をあけた位置に施肥溝を形成し、その施肥溝の内部に施肥装置16の各肥料繰出部29が繰り出した肥料を供給する。
その後、直播装置15の各種子供給部26が、施薬装置17の各薬剤供給部36による施薬後で、かつ、施肥装置16の各肥料供給部31による施肥後の圃場泥面における、各薬剤供給部36の施薬箇所に対する機体横幅方向での同じ位置に、直播装置15の各種子繰出部25が繰り出した種籾を落下供給する。
そして、この作業ユニットAにおいては、直播装置15の各種子供給部26と施肥装置16の各肥料供給部31と施薬装置17の各薬剤供給部36とを、各薬剤供給部36が各種子供給部26よりも機体前側に位置する配置で、それらの間に各肥料供給部31が位置するように配備したことにより、各種子供給部26と各薬剤供給部36との機体前後方向での離間距離を大きくすることができる。これにより、作業用の前進走行時において、先行する作溝式の各薬剤供給部36が施薬溝を形成してから、その施薬溝形成箇所に後続の各種子供給部26が播種するまでの時間差を大きくすることができ、各薬剤供給部36が作溝してから各種子供給部26が播種するまでの間における施薬溝の埋め戻しに要する時間の確保が行い易くなる。
つまり、種籾が薬効を得易くするために、泥面点播式の各種子供給部26と作溝式の各薬剤供給部36とを機体横幅方向において同じ位置に配備して、機体横幅方向での播種位置と施薬位置とを同じに設定しても、施薬装置17の各薬剤供給部36が施薬のために形成した施薬溝を、後続する直播装置15の各種子供給部26が播種するまでの間において、各薬剤供給部36の通過後に施薬溝に流入する泥土によって埋め戻すことができ、埋め戻された施薬溝形成箇所の泥土表面に播種することができる。
その結果、各施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で播種が行われることに起因して、鉄コーティング処理を施した種籾が埋没することを防止することができ、この埋没に起因した苗立ち率の低下を防止することができる。
又、各施薬溝の埋め戻しが不十分になることに起因して、各施薬溝に供給した薬剤が広域に拡散して薬効が弱まることを防止することができる。
更に、この作業ユニットAにおいては、作溝式の各肥料供給部31と作溝式の各薬剤供給部36とを機体の前後方向に位置ズレさせて配備することにより、それらを左右に並べて近接配備する場合に生じる施肥用の作溝器32と施薬用の作溝器37との間での泥詰まりを防止することができる。
図3、図4及び図8に示すように、施肥用の各作溝器32及び施薬用の各作溝器37のそれぞれは、それらの前端から前方に延出して各作溝器32,37による作溝を補助する作溝補助具38,39を連結装備している。各作溝補助具38,39は、前端側ほど反り上がった状態になる底面を有するように形成している。これにより、各作溝器32,37による作溝を、抵抗少なく円滑に行うことができる。
図3〜5及び図9〜11に示すように、各整地フロート19は、圃場泥面の凹凸に対する整地性能などを高める上において、それらの前述した左右の張り出し領域を有する前端側部分が前端側ほど反り上がった形状となるように形成している。又、それらの前後中間部に備えた金属製のブラケット68を、播種フレーム14における主フレーム21の下部において左右方向に一定間隔をあけて分散配備した3つのフロート支持部材40に、左右向きの支軸41を介して連結することにより、播種フレーム14の下部に上下揺動可能に装備している。そして、対応する肥料供給部31を、それらにおける側面視で整地フロート19の揺動支点である左右向きの支軸41と重なる配置で支持している。又、対応する薬剤供給部36を、それらにおける底面が反り上がった状態になる前端側部分において支持している。
これにより、各整地フロート19を、各肥料供給部31及び各薬剤供給部36を支持する支持部材に兼用することができ、部品点数の削減による構成の簡素化を図ることができる。そして、このように各整地フロート19を支持部材に兼用しながらも、各整地フロート19の上下揺動にかかわらず、施肥装置16による施肥深さを精度良く一定にすることができる。又、各整地フロート19の前後長さを有効利用しながら、各肥料供給部31と各薬剤供給部36との機体前後方向での離間距離を大きくすることができ、これに伴って、各種子供給部26と各薬剤供給部36との機体前後方向での離間距離をも大きくすることができる。その結果、各薬剤供給部36が作溝してから各種子供給部26が播種するまでの間における施薬溝の埋め戻しに要する時間の確保が更に行い易くなる。
図3、図4、図8及び図9に示すように、各薬剤供給部36は、それらに備えた施薬用の作溝器37が、それらの後方に位置する各施肥用の作溝器32に備えた作溝補助具38の前端部と側面視で重なる位置に配備している。
これにより、作業用の前進走行時に行われる各薬剤供給部36の作溝に伴って左右方向に押し出される圃場泥土のうち、肥料供給部側に押し出される圃場泥土を、後続する各施肥用の作溝補助具38によって機体後方側に案内することができ、この案内した圃場泥土を、各肥料供給部31の作溝に伴って左右方向に押し出される圃場泥土のうちの施薬溝側に押し出される圃場泥土などとともに、各施薬溝に向けて流動させることができる。その結果、各施薬溝の埋め戻しをより速やかに行うことができ、各施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で播種が行われることをより効果的に防止することができる。
図3〜5及び図8に示すように、各整地フロート19は、それらに備えた左右の薬剤供給部36が形成した施薬溝のそれぞれを埋め戻して整地する左右の施薬用覆土部材42を、前後に並ぶ薬剤供給部36と種子供給部26との間に位置するように備えている。又、それらに備えた左右の肥料供給部31が形成した施肥溝のそれぞれを埋め戻して整地する左右の施肥用覆土部材43を備えている。
各施薬用覆土部材42は、それらが埋め戻す各施薬溝に隣接する施肥溝とは反対側に備えた第1固定部となる各整地フロート19における左右の張り出し領域の外端部19Aから埋め戻す施薬溝に向けて、それらの延出端側が埋め戻す施薬溝に達するように、斜め後ろ向きの傾斜姿勢で延出している。
これにより、作業用の前進走行時に行われる各薬剤供給部36の作溝に伴って左右方向に押し出される圃場泥土のうちの各整地フロート19の横外側に押し出される圃場泥土などを、後続する各施薬用覆土部材42によって各施薬溝に案内することができる。その結果、圃場の泥土が硬くて施薬溝に流れ込み難い場合や、作業速度が速くて先行する各薬剤供給部36が作溝してから後続の各種子供給部26が播種するまでの間における施薬溝の埋め戻しに要する時間の確保が難しくなる場合などにおいても、各施薬溝の埋め戻しを速やかにかつ確実に行うことができ、各施薬溝の埋め戻しが不十分な状態で播種が行われることをより確実に防止することができる。
各施肥用覆土部材43は、それらが埋め戻す各施肥溝に隣接する施薬溝とは反対側に備えた第2固定部となる各整地フロート19の後部19Bから埋め戻す施肥溝に向けて、それらの延出端側が埋め戻す施薬溝に達するように、斜め後ろ向きの傾斜姿勢で延出している。
これにより、作業用の前進走行時に行われる各肥料供給部31の作溝に伴って左右方向に押し出される圃場泥土のうちの各整地フロート19の左右中心側に押し出される圃場泥土などを、後続する各施肥用覆土部材43によって各施肥溝に案内することができる。その結果、圃場の泥土が硬くて施肥溝に流れ込み難い場合などにおいても、各施肥溝の埋め戻しを速やかにかつ確実に行うことができ、各施肥溝の埋め戻しが不十分になることに起因して、各施肥溝に供給した肥料が広域に拡散して肥効が弱まることを防止することができる。
図9〜11に示すように、作業ユニットAは、その左右両端側に配備した左右の整地フロート19における左右向きの支軸41よりも機体後側の後部に溝切具20を配備している。一方、播種フレーム14において、溝切具20を備えた左右の整地フロート19を支持する左右のフロート支持部材40は、それらの前部側に、対応する整地フロート19に備えたブラケット68の前部側との接触により、対応する整地フロート19の基本姿勢からの上昇揺動を制限する上昇制限部40Aを備えている。又、主フレーム21は、左右のフロート支持部材40を介して左右の整地フロート19を支持する左右のフロート支持部21Aの後端に、対応する整地フロート19に備えたブラケット68の後部側との接触により、対応する整地フロート19の基本姿勢からの下降揺動を阻止する下降阻止部21Bを備えている。
つまり、左右のフロート支持部材40に上昇制限部40Aを備えたことにより、左右の整地フロート19が大きく上昇揺動することに起因した整地不良の発生を防止することができる。又、主フレーム21における左右のフロート支持部21Aに下降阻止部21Bを備えたことにより、左右の整地フロート19の下降揺動に伴って溝切具20が上昇することに起因した排水溝の形成不良を防止することができる。
図1〜5に示すように、作業ユニットAは、その前部側に単位面積当たりの消費量が最も多い肥料を貯留する左右の肥料貯留部28を配備し、その後部側に単位面積当たりの消費量が肥料の次に多い種籾を貯留する左右の種子貯留部24を配備し、左右の種子貯留部24と左右の肥料貯留部28との間の空間に、単位面積当たりの消費量が最も少ない薬剤を貯留する前後幅の狭い3つの薬剤貯留部33を配備している。
つまり、単位面積当たりの消費量が最も多い肥料を貯留する各肥料貯留部28を、走行車体側となる作業ユニットAの前部側に配備することにより、各肥料貯留部28に対する肥料の補給を、走行車体1から降りることなく走行車体1から容易に行うことができる。
又、単位面積当たりの消費量が肥料の次に多い種籾を貯留する各種子貯留部24を、乗用直播機の後端側となる作業ユニットAの後部側に配備することにより、各種子貯留部24に対する種籾の補給を機体の後方から容易に行うことができる。
尚、上記のように各肥料貯留部28を各薬剤貯留部33よりも機体前側に配備するのに対して、前述したように各肥料供給部31を各薬剤供給部36よりも機体後側に配備することにより、それらの対応するもの同士にわたる各施肥ホース30と各施薬ホース35とが側面視で交差するようになっている。
図3〜7に示すように、各種子貯留部24は、上端部に種子補給口を有する種子ホッパ24Aと、種子補給口を開閉する種子ホッパ用の蓋体24Bとを備えている。各肥料貯留部28は、上端部に肥料補給口を有する肥料ホッパ28Aと、肥料補給口を開閉する肥料ホッパ用の蓋体28Bとを備えている。各薬剤貯留部33は、上端部に薬剤補給口を有する薬剤ホッパ33Aと、薬剤補給口を開閉する薬剤ホッパ用の蓋体33Bとを備えている。
直播装置15は、各種子繰出部25を前述した背低の後支持フレーム23に支持させることにより、対応する種子繰出部25の上端に連接する各種子貯留部24の全体が、背高の前支持フレーム22の上端よりも低くなるように構成している。又、各種子ホッパ用の蓋体24Bを、前方への揺動変位によって対応する種子ホッパ24Aの種子補給口を開放し、後方への揺動変位によって対応する種子ホッパ24Aの種子補給口を閉塞する前後揺動式に構成している。これにより、各種子貯留部24に対する機体後方からの種籾の補給を容易にすることができる。
施薬装置17は、各薬剤繰出部34を前述した背高の前支持フレーム22の上部に支持させることにより、対応する薬剤繰出部34の上端に連接した各薬剤貯留部33の全体が各種子貯留部24の上端よりも上方に位置するように構成している。又、各薬剤ホッパ用の蓋体33Bを、前方への揺動変位によって対応する薬剤ホッパ33Aの薬剤補給口を開放し、後方への揺動変位によって対応する薬剤ホッパ33Aの薬剤補給口を閉塞する前後揺動式に構成している。更に、各薬剤ホッパ33Aを、薬剤補給口を備える上端部が後下がり傾斜するように構成している。これにより、各薬剤貯留部33に対する機体後方からの薬剤の補給を、各種子貯留部24により阻害されることなく、又、各種子貯留部24を載置台に利用しながら容易に行うことができる。
施肥装置16は、各肥料貯留部28が各薬剤貯留部33よりも上方側に位置するように対応する肥料貯留部28の下端に連接した各肥料繰出部29を背高の前支持フレーム22の上端部に支持させることにより、各肥料貯留部28が作業ユニットAの最上部に位置するように構成している。そして、作業ユニットAを上限位置まで上昇させた場合には、各肥料ホッパ28Aの上端部に形成した肥料補給口が、走行車体1の後部に備えた手摺13の上端部に接近するように構成している。又、各肥料ホッパ用の蓋体28Bを、後方への揺動変位によって対応する肥料ホッパ28Aの肥料補給口を開放し、前方への揺動変位によって対応する肥料ホッパ28Aの肥料補給口を閉塞する前後揺動式に構成している。これにより、各肥料ホッパ28Aに対する肥料補給を走行車体1から容易に行うことができ、作業ユニットAを上限位置まで上昇させることによって更に容易にすることができる。
そして、上記の構成では、作業ユニットAにおいて前後に並べて配備する各貯留部24,28,33を、作業ユニットAの後部側に位置するものほど配置高さが低くなるように配置したことにより、作業ユニットAの重心位置を走行車体側に寄せることができる。これにより、乗用直播機としての重量バランスの安定性を向上させることができる。
又、前支持フレーム22により施肥装置16の各肥料繰出部29と施薬装置17の各薬剤繰出部34とを支持することから、肥料繰出部専用の支持フレームと薬剤繰出部専用の支持フレームとを個別に設ける場合に比較して、部品点数の削減による構成の簡素化を図ることができる。
図3及び図4に示すように、作業ユニットAは、対応する種子ホッパ用の蓋体24Bを、種子補給口を開放する後傾姿勢にて保持する第1保持具44と、対応する薬剤ホッパ用の蓋体33Bを、薬剤補給口を開放する後傾姿勢にて保持する第2保持具45とを備えている。
各第1保持具44は、対応する薬剤ホッパ33Aに張り付けた第1接合部材44Aと、対応する種子ホッパ用の蓋体24Bに張り付けた第2接合部材44Bとから面ファスナ式に構成している。又、各第2保持具45は、対応する肥料ホッパ28Aに張り付けた第1接合部材45Aと、対応する施薬ホッパ用の蓋体33Bに張り付けた第2接合部材45Bとから面ファスナ式に構成している。
上記の構成から、各種子貯留部24を、前後揺動によって種子補給口を開閉する蓋体24Bを備える構成としながらも、各種子貯留部24をより各薬剤貯留部33に接近させた前寄りの位置に配備することができる。又、各薬剤貯留部33を、前後揺動によって薬剤補給口を開閉する蓋体33Bを備える構成としながらも、各薬剤貯留部33と各種子貯留部24とをより肥料貯留部28に接近させた前寄りの位置に配備することができる。その結果、作業ユニットAの重心位置を走行車体側に寄せることができ、乗用直播機全体としての重量バランスを向上させることができる。
図3、図4及び図7に示すように、施薬装置17は、各種子繰出部25が繰り出した種籾を各種子繰出部25の真下に位置する圃場泥面に向けて落下供給する構成の直播装置15に対して、各薬剤繰出部34の略真下位置に対応する薬剤供給部36を配備して、対応する薬剤繰出部34から薬剤供給部36にわたる施薬ホース35のそれぞれを略一直線に垂下させる構成を採用することにより、機体前後方向での直播装置15の播種位置と施薬装置17の施薬位置とを合わせ易くしている。
図3〜7及び図12に示すように、作業ユニットAの伝動装置18は、外部伝動軸27などを介して伝達される走行車体1からの動力を受け取る入力部46、受け取った動力を入力部46から左右に分配する動力分配軸47、動力分配軸47の左端部から直播装置15の各種子繰出部25に低速の動力を伝達する低速伝動系48、動力分配軸47の右端部から施肥装置16の各肥料繰出部29に高速の動力を伝達する高速伝動系49、並びに、直播装置15及び施薬装置17における対応する2つの種子繰出部25と2つの薬剤繰出部34とを連動連結する3つの連動機構50、などを備えている。
つまり、直播装置15の各種子繰出部25と施薬装置17の各薬剤繰出部34とを低速伝動系48を介した低速動力によって低速連動させることから、直播装置15の各種子繰出部25による種籾の繰り出しタイミングと、施薬装置17の各薬剤繰出部34による薬剤の繰り出しタイミングとを合わせ易くなる。これにより、機体前後方向での直播装置15の播種位置と施薬装置17の施薬位置とを合わせ易くなる。そして、機体前後方向での播種位置と施薬位置とを合わせ易いことにより、少量の薬剤を種籾の近くに安定して供給することが可能になる。その結果、施薬量の削減を図りながら、種籾に対する防病や防虫などの薬効を効果的に得ることができる。
又、施肥装置16の肥料繰出部29と施薬装置17の薬剤繰出部34とを連動させる場合には、機体前後方向での直播装置15の播種位置と施薬装置17の施薬位置とを合わせる上において必要になる減速構造を不要にすることができ、これにより、伝動装置18における構成の簡素化を図ることができる。
図3〜7及び図12〜14に示すように、伝動装置18において、低速伝動系48は、動力分配軸47からの動力を減速するチェーン式減速機構51、チェーン式減速機構51から減速後の動力を取り出す左右向きの第1中継軸52、第1中継軸52に備えた6つの第1端数条クラッチ53、及び、対応する第1端数条クラッチ53から種子繰出部25に伝動する6つの第1ギヤ式伝動機構54、などを備えている。
高速伝動系49は、動力分配軸47の回転運動を揺動運動に変換する第1変換機構55、第1変換機構55による変換後の揺動運動を正回転運動に変換する第2変換機構56、第2変換機構56による変換後の正回転運動を正回転動力として取り出す左右向きの第2中継軸57、第2中継軸57に備えた3つの第2端数条クラッチ58、及び、各第2端数条クラッチ58から対応する2つの肥料繰出部29に伝動する3つの第2ギヤ式伝動機構59、などを備えている。
各連動機構50は、対応する第1ギヤ式伝動機構54の回転運動を揺動運動に変換する第1変換部60、及び、第1変換部60による変換後の揺動運動を正回転運動に変換する第2変換部61、などを備えて、第2変換部61による変換後の正回転運動を正回転動力として対応する2つの薬剤繰出部34に伝達するように構成している。
伝動装置18は、左側の2つの種子繰出部25及び左側の2つの薬剤繰出部34への伝動を断続する左側の2つの第1端数条クラッチ53が同じ作動状態に切り替わり、左右中央側の2つの種子繰出部25及び左右中央側の2つの薬剤繰出部34への伝動を断続する左右中央側の2つの第1端数条クラッチ53が同じ作動状態に切り替わり、右側の2つの種子繰出部25及び右側の2つの薬剤繰出部34への伝動を断続する右側の2つの第1端数条クラッチ53が同じ作動状態に切り替わるように、対応する2つの第1端数条クラッチ53を連動連結する3つの第1連係機構62を備えている。
又、左側の2つの第1端数条クラッチ53と左側の2つの肥料繰出部29への伝動を断続する左側の第2端数条クラッチ58とが同じ作動状態に切り替わり、左右中央側の2つの第1端数条クラッチ53と左右中央側の2つの肥料繰出部29への伝動を断続する左右中央側の第2端数条クラッチ58とが同じ作動状態に切り替わり、右側の2つの第1端数条クラッチ53と右側の2つの肥料繰出部29への伝動を断続する右側の第2端数条クラッチ58とが同じ作動状態に切り替わるように、対応する第1連係機構62と第2端数条クラッチ58とを連動連結する3つの第2連係機構63を備えている。
作業ユニットAは、左右方向への揺動操作が可能な3本の操作レバー64を、播種フレーム14の前上部における各第2端数条クラッチ58との対応箇所に分散配備している。
そして、左側の操作レバー64の左右方向への揺動操作に伴って左側の第2端数条クラッチ58の作動状態が切り替わり、左右中央側の操作レバー64の左右方向への揺動操作に伴って左右中央側の第2端数条クラッチ58の作動状態が切り替わり、右側の操作レバー64の左右方向への揺動操作に伴って右側の第2端数条クラッチ58の作動状態が切り替わるように構成している。
つまり、走行車体1から各操作レバー64を任意に揺動操作することにより、作業ユニットAの作業状態を、全ての種子繰出部25と肥料繰出部29と薬剤繰出部34とを作動させる6条作業状態、左側の4つの種子繰出部25と肥料繰出部29と薬剤繰出部34とを作動させる左4条作業状態、左側の2つの種子繰出部25と肥料繰出部29と薬剤繰出部34とを作動させる左2条作業状態、右側の4つの種子繰出部25と肥料繰出部29と薬剤繰出部34とを作動させる右4条作業状態、及び、右側の2つの種子繰出部25と肥料繰出部29と薬剤繰出部34とを作動させる右2条作業状態に切り替えることができる。
図12及び図14に示すように、作業ユニットAは、連動する状態で隣り合う2つの種子繰出部25の間から連動する状態で隣り合う2つの薬剤繰出部34の間にわたる空間65を3箇所備えている。そして、これらの空間65を有効利用して、各空間65に対応する連動機構50を配備することにより、作業ユニットAの小型化を図るようにしている。
図3、図4及び図8に示すように、作業ユニットAは、各後輪6の車体内側に補助車輪(図示せず)を装着した場合の各補助車輪による轍などを整地するレーキ状の左右の整地板66を備えている。又、各後輪6により跳ね上げられた泥土が、各後輪6の後方に位置する左右の整地フロート19の上面に堆積することを防止する左右の泥除カバー67を装備している。これにより、作業用の前進走行時における整地性能を高めることができる。
〔別実施形態〕
〔1〕水田作業機としては、走行車体1の後部に施肥装置16の肥料貯留部28及び肥料繰出部29などを装備したミッドマウント施肥仕様に構成したものであってもよい。又、主作業装置15の主貯留部24の後方に施肥装置16の肥料貯留部28及び肥料繰出部29を装備したリヤマウント施肥仕様に構成したものであってもよい。更に、歩行型の走行車体1に主作業装置15と施肥装置16と施薬装置17とを備えて歩行型に構成したものであってもよい。
〔2〕走行車体1としては、左右の各後輪6の少なくとも車体内側又は車体外側に補助車輪を装着したものであってもよい。
〔3〕作業ユニットAとしては、6条以外の4条又は8条などの複数条の作業を行うように構成したものであってもよい。又、整地フロート19を備えていないものであってもよい。更に、少なくとも施薬用覆土部材42と施肥用覆土部材43とのいずれか一方を備えていないものであってもよい。
〔4〕作業ユニットAとしては、各肥料供給部31を、対応する整地フロート19の前端側部分に備えた左右の張り出し領域における左右の外端寄りの部位に固定装備し、かつ、各薬剤供給部36を、対応する整地フロート19の左右の張り出し領域における左右中心寄りの部位に固定装備することにより、対応する肥料供給部31と薬剤供給部36とを機体横幅方向に所定間隔をあけた位置に配備するように構成してもよい。
〔5〕作業ユニットAとしては、複数の薬剤供給部36を、複数の主供給部26よりも機体前側の位置で、かつ、対応する主供給部26から機体横幅方向に所定間隔をあけた位置に配備し、又、複数の肥料供給部31を、複数の薬剤供給部36よりも機体前側の位置で、かつ、対応する主供給部26との機体横幅方向での同じ位置に配備するように構成したものであってもよい。又、複数の薬剤供給部36を、複数の主供給部26よりも機体前側の位置で、かつ、対応する主供給部26との機体横幅方向での同じ位置に配備し、又、複数の肥料供給部31を、複数の薬剤供給部36よりも機体前側の位置で、かつ、対応する主供給部26から機体横幅方向に所定間隔をあけた位置に配備するように構成したものであってもよい。
〔6〕作業ユニットAとしては、リンク機構3に連結する主フレーム21に、施肥装置専用の支持フレームと施薬装置専用の支持フレームとを立設したものであってもよい。
〔7〕主作業装置15としては、苗用の主貯留部24としての苗載台、苗用の複数の主繰出部25としてのスターホイール式又はベルト式の複数の苗縦送り機構、及び、苗用の複数の主供給部26としてのクランク式又はロータリ式の複数の植付機構、などを備える苗植付装置を採用してもよい。又、カルパーコーティング処理を施した種籾、コーティング処理を施していない種籾、又は、麦や野菜などの種子を圃場に播くように構成したものであってもよい。
〔8〕施肥装置16としては、粉状又は液状などの肥料を圃場に供給するように構成したものであってもよい。又、各肥料供給部31に施肥用の作溝器32を備えずに、施肥を各作業条ごとに散布や滴下などで行うように構成したものであってもよい。
〔9〕施肥装置16としては、作業ユニットAを上限位置まで上昇させた場合に、各肥料ホッパ28Aの上端部に形成した肥料補給口が、走行車体1の後部に備えた手摺13の上端部よりも上方に位置するように構成したものであってもよい。
〔10〕施肥装置16としては、作溝式に構成した複数の肥料供給部31を、側面視で整地フロート19の揺動支点41と重ならない配置で整地フロート19に装備したものであってもよい。
〔11〕施薬装置17としては、粒状又は液状などの薬剤を圃場に供給するように構成したものであってもよい。又、各薬剤供給部36に施薬用の作溝器37を備えずに、施薬を各作業条ごとに散布や滴下などで行うように構成したものであってもよい。
〔12〕施薬装置17としては、各薬剤貯留部33の上部に備えた薬剤補給口が各主貯留部24の上端よりも上方に位置する程度に低く配備したものであってもよい。又、各薬剤貯留部33の上部に備えた薬剤補給口が各主貯留部24の上端よりも下方に位置するように配備したものであってもよい。
〔13〕施薬装置17としては、各薬剤供給部36を、それらに備えた施薬用の作溝器37の後端部が、それらの後方に位置する各施肥用の作溝器32に備えた作溝補助具38の前端部と側面視で重なるように、より機体前側の位置に配備したものであってもよい。
〔14〕施薬装置17としては、各薬剤供給部36を、側面視で整地フロート19の揺動支点41と重なる配置で整地フロート19に装備したものであってもよい。
〔15〕主貯留部24としては、上端部に種子補給口を有する種子ホッパ24Aと、種子ホッパ24Aに対する着脱によって種子補給口を開閉する種子ホッパ用の蓋体24Bとを備えたものであってもよい。
〔16〕主貯留部24としては、1条分の種子又は苗、2条分の種子又は苗、あるいは、全条分の種子又は苗などを貯留するように構成したものであってもよい。
〔17〕肥料貯留部28としては、上端部に肥料補給口を有する肥料ホッパ28Aと、肥料ホッパ28Aに対する着脱によって肥料補給口を開閉する肥料ホッパ用の蓋体28Bとを備えたものであってもよい。又、1条分の肥料、2条分の肥料、あるいは、全条分の肥料などを貯留するように構成したものであってもよい。
〔18〕薬剤貯留部33としては、上端部に薬剤補給口を有する薬剤ホッパ33Aと、薬剤ホッパ33Aに対する着脱によって薬剤補給口を開閉する薬剤ホッパ用の蓋体33Bとを備えたものであってもよい。又、1条分の薬剤、2条分の薬剤、あるいは、全条分の薬剤などを貯留するように構成したものであってもよい。更に、薬剤ホッパ33Aの上端部が水平になるように構成したものであってもよい。
〔19〕種子ホッパ用の蓋体24Bを種子補給口を開放する後傾姿勢にて保持する保持具44を、種子ホッパ24Aと種子ホッパ用の蓋体24Bとのいずれか一方に備えた係合部材と他方に備えた被係合部材とから係合式に構成してもよい。
〔20〕薬剤ホッパ用の蓋体33Bを薬剤補給口を開放する後傾姿勢にて保持する保持具45を、薬剤ホッパ33Aと薬剤ホッパ用の蓋体33Bとのいずれか一方に備えた係合部材と他方に備えた被係合部材とから係合式に構成してもよい。
〔21〕図15及び図16に示すように、施肥用の作溝器32及び施薬用の作溝器37の少なくともいずれか一方を、弾性変形不能な第1部材としてのステンレス製などの上側部材70と、溝幅方向に弾性変形可能な第2部材としての樹脂製などの下側部材71とから構成して、下側部材71が、作溝負荷が大きくなると狭い溝幅で作溝し、かつ、作溝負荷が小さくなると広い溝幅で作溝するように構成してもよい。
そして、この構成においては、同図に示すように、上側部材70の下端部に下側部材71の上端部を外嵌させて、溝幅を狭くする方向への下側部材71の弾性変形を、下側部材71の上端部が上側部材70の下端部に接触することによって制限するように構成してもよい。
又、同図に示すように、作溝器32,37に連結装備する作溝補助具38,39を樹脂製として、下側部材71を作溝補助具38,39に一体形成してもよい。
〔22〕施肥用の作溝器32及び施薬用の作溝器37の少なくともいずれか一方を、弾性変形不能な第1部材としてのステンレス製などの内側部材と、溝幅方向に弾性変形可能な第2部材としての樹脂製などの外側部材とを備える二重構造に構成して、外側部材が、作溝負荷が大きくなると狭い溝幅で作溝し、かつ、作溝負荷が小さくなると広い溝幅で作溝し、更に、溝幅を狭くする方向への外側部材の弾性変形を、外側部材が内側部材に接触することによって制限するように構成してもよい。
〔23〕施肥用の作溝器32及び施薬用の作溝器37の少なくともいずれか一方を、その全体をゴム板などの弾性変形可能な樹脂製とすることにより、作溝負荷が大きくなると狭い溝幅で作溝し、かつ、作溝負荷が小さくなると広い溝幅で作溝するように構成してもよい。
〔24〕施肥用の作溝器32及び施薬用の作溝器37の少なくともいずれか一方を、その全体を弾性変形可能な樹脂製とし、かつ、その上部に肥料案内管30又は薬剤案内管35に接続する蛇腹部を一体形成するように構成してもよい。
〔25〕図17に示すように、各整地フロート19を、施薬用の作溝器37と施肥用の作溝器32との間において、左右の張り出し領域から後向きに、各後端が施肥用の作溝器32よりも後方に位置する長さに延出形成する左右の作溝器間整地部19Cを備えるように構成してもよい。
この構成によると、作業用の前進走行に伴って各整地フロート19の下方に入り込んだ圃場泥土が、このときの走行に伴う施薬用の作溝器37の作溝によって施薬用の作溝器37の左右に押し出され、かつ、施肥用の作溝器32の作溝によって施肥用の作溝器32の左右に押し出されることにより、施薬用の作溝器37と施肥用の作溝器32との間に集中して浮き上がり易くなったとしても、それらの間に位置する作溝器間整地部19Cの作用によって、施薬用の作溝器37と施肥用の作溝器32との間からの圃場泥土の浮き上がりを防止することができる。
これにより、施薬用の作溝器37と施肥用の作溝器32との間から圃場泥土が浮き上がることや、浮き上がった圃場泥土が整地フロート19に乗り上がることに起因した整地性能の低下などを防止することができる。
本発明は、主作業装置として直播装置を備えた乗用直播機、及び、主作業装置として苗植付装置を備えた乗用田植機、などに適用することができる。
15 主作業装置
16 施肥装置
17 施薬装置
19 整地フロート
19A 第1固定部
19B 第2固定部
19C 作溝器間整地部
26 主供給部
31 肥料供給部
32 施肥用の作溝器
36 薬剤供給部
37 施薬用の作溝器
38 作溝補助具
41 揺動支点
42 施薬用覆土部材
43 施肥用覆土部材
70 第1部材
71 第2部材

Claims (10)

  1. 作業用の前進走行時に作動する播種用又は苗植え付け用の主作業装置と施薬装置とを備え、
    前記主作業装置は、種子又は苗を圃場に供給する複数の主供給部を左右方向に一定間隔をあけて整列配備し、
    前記施薬装置は、複数の薬剤供給部を、対応する前記主供給部との機体横幅方向での同じ位置で、且つ、対応する前記主供給部よりも機体前後方向における前方に配備している水田作業機。
  2. 前記複数の薬剤供給部が形成した施薬溝のそれぞれを埋め戻す複数の施薬用覆土部材を、前記薬剤供給部の後方位置に配備している請求項1に記載の水田作業機。
  3. 施肥装置を備え、
    前記施肥装置は、肥料を圃場に供給する複数の肥料供給部を、対応する前記主供給部から機体横幅方向に所定間隔をあけた位置に配備し、
    前記複数の肥料供給部のそれぞれを、施肥用の作溝器により圃場の泥面に作溝して溝内に肥料を供給する作溝式に構成し、
    前記複数の肥料供給部が形成した施肥溝のそれぞれを埋め戻す複数の施肥用覆土部材を備え、
    前記複数の施薬用覆土部材は、それらが埋め戻す施薬溝に隣接する施肥溝とは反対側に備えた第1固定部から埋め戻す施薬溝に向けて斜め後ろ向きの傾斜姿勢で延出し、
    前記複数の施肥用覆土部材は、それらが埋め戻す施肥溝に隣接する施薬溝とは反対側に備えた第2固定部から埋め戻す施肥溝に向けて斜め後ろ向きの傾斜姿勢で延出している請求項2に記載の水田作業機。
  4. 圃場の泥面を整地する整地フロートを上下揺動可能に装備し、
    前記複数の肥料供給部のそれぞれを、施肥用の作溝器により圃場の泥面に作溝して溝内に肥料を供給する作溝式に構成して、側面視で前記整地フロートの揺動支点と重なる配置で前記整地フロートに装備している請求項3に記載の水田作業機。
  5. 圃場の泥面を整地する整地フロートを装備し、
    前記複数の薬剤供給部のそれぞれを、前記整地フロートにおいて底面が反り上がった状態になる前端側部分に配備している請求項3又は4に記載の水田作業機。
  6. 圃場の泥面を整地する整地フロートを上下揺動可能に装備し、
    前記複数の薬剤供給部のそれぞれを、側面視で前記整地フロートの揺動支点と重なる配置で前記整地フロートに装備している請求項3に記載の水田作業機。
  7. 前記複数の肥料供給部のそれぞれを、施肥用の作溝器により圃場の泥面に作溝して溝内に肥料を供給する作溝式に構成し、
    前記施肥用の作溝器のそれぞれは、それらの前端から前方に延出して前記施肥用の作溝器による作溝を補助する作溝補助具を備え、
    前記複数の薬剤供給部のそれぞれを、施薬用の作溝器の後端部が前記作溝補助具の前端部と側面視で重なる位置に配備している請求項3〜5のいずれか一つに記載の水田作業機。
  8. 前記作溝器のそれぞれを、作溝負荷が大きくなると狭い溝幅で作溝し、かつ、作溝負荷が小さくなると広い溝幅で作溝するように、溝幅方向に弾性変形可能に構成している請求項3、4、又は7に記載の水田作業機。
  9. 前記作溝器のそれぞれは、弾性変形不能な第1部材と、溝幅方向に弾性変形可能な第2部材とを備え、前記第1部材を前記第2部材の内側に配備して、溝幅を狭くする方向への前記第2部材の弾性変形を前記第1部材との接触により制限している請求項8に記載の水田作業機。
  10. 圃場の泥面を整地する整地フロートを装備し、
    前記複数の肥料供給部を、施肥用の作溝器により圃場の泥面に作溝して溝内に肥料を供給する作溝式に構成し、
    施薬用の作溝器と前記施肥用の作溝器とを前記整地フロートに装備し、
    前記整地フロートは、前記施薬用の作溝器と前記施肥用の作溝器との間において、後端が前記施肥用の作溝器よりも後方に位置するように形成した作溝器間整地部を備えている請求項3〜9のいずれか一つに記載の水田作業機。
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