JP2020096532A - ショ糖様呈味を付与する機能を有する組成物 - Google Patents

ショ糖様呈味を付与する機能を有する組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】飲食品に対してショ糖様呈味を付与する技術を提供する。【解決手段】γ−Glu−Val−Gly等のγ−グルタミルペプチドおよびアミノ酸またはアミノ酸誘導体をスクラロースと併用することにより、飲食品にショ糖様呈味を付与する。【選択図】なし

Description

本発明は、ショ糖様呈味を付与する機能を有する組成物およびその利用に関するものである。
近年、スクラロース等の高甘味度甘味料がショ糖(スクロース)の代用品として用いられている。さらに、高甘味度甘味料の呈味を改善する技術が開発されてきた(特許文献1〜3)。
特許文献1には、甘味物質とカルシウム受容体活性化作用を有する化合物を併用することにより、甘味物質のボディー感や苦みを改善する技術が開示されている。特許文献1においては、甘味物質としてスクラロースが、カルシウム受容体活性化作用を有する化合物としてγ−Glu−Val−Gly等のγ−グルタミルペプチドが、それぞれ例示されている。
特許文献2には、高甘味度甘味料と甘味改善組成物を併用することにより、高甘味度甘味料の呈味を改善する技術が開示されている。特許文献2においては、高甘味度甘味料としてスクラロースが、甘味改善組成物としてアミノ酸が、それぞれ例示されている。
特許文献3には、糖アルコールおよび/または高甘味度甘味料とペプチドを含有する酵母エキスを併用することにより、ショ糖様呈味を得る技術が開示されている。特許文献3には、高甘味度甘味料としてスクラロースが例示されている。
一方、特許文献4には、γ−グルタミルペプチドとジカルボン酸を併用することにより、「コク味」を増強する技術が開示されている。特許文献4には、さらに、プロリンやその他のアミノ酸を併用してもよいことが開示されている。
しかしながら、γ−グルタミルペプチドおよびアミノ酸またはアミノ酸誘導体とスクラロースとの併用が、スクラロースの呈味の改善に有効であることは知られていない。
特許第5195751号 WO2007/061797 WO2013/031746 WO2014/119535
本発明は、飲食品に対してショ糖様呈味を付与する技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、γ−グルタミルペプチドおよびアミノ酸またはアミノ酸誘導体をスクラロースと併用することで、ショ糖様呈味が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおり例示できる。
[1]
下記成分(A)および(B)を含有する、スクラロースと併用される組成物:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
[2]
スクラロースの呈味改善剤である、前記組成物。
[3]
下記成分(A)〜(C)を含有する、組成物:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
(C)スクラロース;
ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
[4]
甘味料である、前記組成物。
[5]
ショ糖様呈味付与剤である、前記組成物。
[6]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、前記組成物。
[7]
前記成分(B)が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Met、Gln、Pro、Lys、Arg、His、Phe、S−アリルシステイン、β−アラニン、およびメチルメチオニンスルホニウムから選択される1種またはそれ以上の成分である、前記組成物。
[8]
前記成分(B)が、Gly、L−Ala、DL−Ala、L−Val、DL−Val、L−Leu、DL−Ile、DL−Ser、DL−Thr、L−Met、DL−Met、L−Gln、L−Pro、L−Lys、DL−Lys、L−Arg、L−His、L−Phe、DL−Phe、S−アリル−L−システイン、β−アラニン、DL−メチルメチオニンスルホニウムから選択される1種またはそれ以上の成分である、前記組成物。
[9]
前記成分(A)の含有量に対する前記成分(B)の含有量の比率(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)が、重量比で、0.005〜500である、前記組成物。
[10]
スクラロースの含有量に対する前記成分(A)および(B)の総含有量の比率(成分(A)および(B)の総含有量/スクラロースの含有量)が、重量比で、0.01〜100である、前記組成物。
[11]
さらに、アセスルファムKを含有する、前記組成物。
[12]
さらに、アスパルテームを含有する、前記組成物。
[13]
スクラロースを含有する飲食品またはその原料に下記成分(A)および(B)を添加することを含む、飲食品の製造方法:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上
のγ−グルタミルペプチド;
(B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
[14]
スクラロースが、スクラロースの喫食濃度が5ppm(w/w)〜500ppm(w/w)となるように含有されている、前記方法。
[15]
飲食品またはその原料に下記成分(A)〜(C)を添加することを含む、飲食品の製造方法:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
(C)スクラロース;
ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
[16]
スクラロースが、スクラロースの喫食濃度が5ppm(w/w)〜500ppm(w/w)となるように添加される、前記方法。
[17]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、前記方法。
[18]
前記成分(B)が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Met、Gln、Pro、Lys、Arg、His、Phe、S−アリルシステイン、β−アラニン、およびメチルメチオニンスルホニウムから選択される1種またはそれ以上の成分である、前記方法。
[19]
前記成分(B)が、Gly、L−Ala、DL−Ala、L−Val、DL−Val、L−Leu、DL−Ile、DL−Ser、DL−Thr、L−Met、DL−Met、L−Gln、L−Pro、L−Lys、DL−Lys、L−Arg、L−His、L−Phe、DL−Phe、S−アリル−L−システイン、β−アラニン、DL−メチルメチオニンスルホニウムから選択される1種またはそれ以上の成分である、前記方法。
[20]
前記成分(A)が、成分(A)の喫食濃度が0.005ppm(w/w)〜100ppm(w/w)となるように添加される、前記方法。
[21]
前記成分(B)が、成分(B)の喫食濃度が0.1ppm(w/w)〜2000ppm(w/w)となるように添加される、前記方法。
[22]
さらに、アセスルファムKを添加することを含む、前記方法。
[23]
さらに、アスパルテームを添加することを含む、前記方法。
[24]
前記飲食品が、飲料である、前記方法。
[25]
下記成分(A)〜(C)を含有する、飲食品:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
(C)スクラロース;
ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
[26]
飲料である、前記飲食品。
本発明により、飲食品に対してショ糖様呈味を付与できる組成物を提供できる。また、本発明により、ショ糖様呈味の付与された飲食品を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明に関する下記の説明は、いずれも単独で採用してもよく、適宜組み合わせて採用してもよい。
<1>本発明の組成物
本発明の組成物は、下記成分(A)および(B)を含有する組成物である:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分。
本発明の組成物は、さらに、スクラロースを含有していてもよい。すなわち、本発明の組成物の一態様は、下記成分(A)〜(C)を含有する、組成物である:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
(C)スクラロース。
本発明において、成分(A)および(B)を総称して、「有効成分」ともいう。また、本発明の組成物がスクラロースを含有する場合や本発明の方法においてスクラロースが添加される場合は、成分(A)〜(C)(すなわち、成分(A)および(B)ならびにスクラロース)を総称して、「有効成分」ともいう。
本発明においては、成分(A)〜(C)を併用することにより、スクラロースを単独で使用する場合と比較して、スクラロースの呈味を改善することができる。言い換えると、成分(A)〜(C)を併用することにより、スクラロースを単独で使用する場合と比較して、スクラロースの呈味を改善する効果が得られる。本発明において、同効果を「呈味改善効果」ともいう。呈味改善効果は、具体的には、飲食品において成分(A)〜(C)が共存することにより得られる。スクラロースの呈味の改善により、例えば、スクラロースを含有する飲食品の呈味を改善することができる。すなわち、「スクラロースの呈味の改善」には、スクラロースを含有する飲食品の呈味の改善も包含される。また、スクラロースの呈味の改善により、改善されたスクラロースの呈味が得られる、すなわち、改善されたスクラロースの呈味を飲食品に付与することができる。すなわち、「スクラロースの呈味の改善」には、改善されたスクラロースの呈味の付与も包含される。改善されたスクラロースの呈味としては、ショ糖様呈味が挙げられる。すなわち、成分(A)〜(C)を併用することにより、例えば、ショ糖様呈味が得られる、すなわち、ショ糖様呈味を飲食品に付与することができる。「ショ糖様呈味」とは、ショ糖に近い呈味をいい、特に、ショ糖に近い甘味であってよい。「ショ糖様呈味」とは、具体的には、ショ糖を使用した時に感じられる「持続性」、「中〜後のふくらみ」、「後のはりつき」(それぞれ、「ショ糖様の持続性」、「ショ糖様の中〜後のふくらみ」、「ショ糖様の後のはりつき」ともいう)等の感覚が増強された味覚であってよい。「ショ糖様呈味」とは、より具体的には、ス
クラロースを単独で使用した場合に感じられる味覚と比較して、ショ糖を使用した時に感じられる「持続性」、「中〜後のふくらみ」、「後のはりつき」等の感覚が増強された味覚であってよい。すなわち、本発明において、「ショ糖様呈味の付与」とは、例えば、ショ糖を使用した時に感じられる「持続性」、「中〜後のふくらみ」、「後のはりつき」等の感覚を付与または増強することであってよい。なお、味覚についての「中〜後」とは、喫食後(飲食品を口に含んだ後)1秒〜5秒に感じるものをいう。また、味覚についての「後」とは、喫食後(飲食品を口に含んだ後)2秒〜5秒に感じるものをいう。それらの感覚の定義は、特に制限されるものではないが、例えば、実施例に記載のものであってよい。味覚の測定および比較は、例えば、専門パネルによる官能評価により実施できる。
本発明の組成物は、呈味改善効果を得るために用いることができる。本発明の組成物は、例えば、単独で用いてもよく、スクラロースと併用してもよい。いずれの場合にも、本発明の組成物は、具体的には、飲食品において成分(A)〜(C)が共存した状態となるように用いることができる。すなわち、例えば、本発明の組成物がスクラロースを含有する場合、本発明の組成物は、単独で、呈味改善効果を得るために用いることができる。なお、これは、本発明の組成物がスクラロースを含有する場合に本発明の組成物をさらにスクラロースと併用することを妨げるものではない。また、例えば、本発明の組成物がスクラロースを含有しない場合、本発明の組成物は、スクラロースと併用して、呈味改善効果を得るために用いることができる。「本発明の組成物をスクラロースと併用する」ことには、例えば、本発明の組成物をスクラロースと混合すること、スクラロースを含有する飲食品やその原料(すなわち、飲食品またはその原料であって、既にスクラロースを含有しているもの)に本発明の組成物を添加すること、飲食品やその原料に本発明の組成物およびスクラロースを添加すること、等の場合が包含される。
言い換えると、本発明の組成物は、例えば、スクラロースの呈味を改善するために用いることができる。すなわち、本発明の組成物は、例えば、スクラロースの呈味改善剤であってよい。また、本発明の組成物は、例えば、スクラロースを含有する飲食品の呈味を改善するために用いることができる。すなわち、本発明の組成物は、例えば、スクラロースを含有する飲食品の呈味改善剤であってもよい。また、本発明の組成物は、例えば、ショ糖様呈味等の、改善されたスクラロースの呈味を飲食品に付与するために用いることができる。すなわち、本発明の組成物は、例えば、改善されたスクラロースの呈味の付与剤であってもよく、具体的には、ショ糖様呈味付与剤であってもよい。なお、「スクラロースの呈味改善剤」または「スクラロースを含有する飲食品の呈味改善剤」という用語は、いずれの利用態様の本発明の組成物について用いてもよいが、特に、例えば、スクラロースと併用される本発明の組成物について用いてもよい。「改善されたスクラロースの呈味の付与剤」または「ショ糖様呈味付与剤」という用語は、いずれの利用態様の本発明の組成物について用いてもよい。
なお、本発明の組成物は、それ自体が甘味を呈してもよい。例えば、本発明の組成物がスクラロースを含有する場合、本発明の組成物自体が甘味(具体的には、ショ糖様呈味等の、改善されたスクラロースの呈味)を呈する。本発明の組成物自体が甘味を呈する場合、本発明の組成物を甘味料として用いることができる。
<1−1>成分(A)
成分(A)は、γ−グルタミルペプチドである。γ−グルタミルペプチドは、呈味改善効果が得られる限り特に制限されない。γ−グルタミルペプチドとしては、一般式:γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)で表されるγ−グルタミルトリペプチドおよび一般式:γ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)で表されるγ−グルタミルジペプチドが挙げられる。上記一般式において、「γ−」とは、グルタミン酸のγ位のカルボキシル基を介してXまたはYが結合していることを意味
する。γ−グルタミルペプチドとしては、1種のγ−グルタミルペプチドを用いてもよく、2種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドを組み合わせて用いてもよい。
アミノ酸として、具体的には、例えば、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Pro、Hyp等の中性アミノ酸、Asp、Glu等の酸性アミノ酸、Lys、Arg、His等の塩基性アミノ酸、Phe、Tyr、Trp等の芳香族アミノ酸、Orn、Sar、Cit、Nva、Nle、Abu、Tau、Hyp、t−Leu、Cle、Aib、Pen、Hse等の他のアミノ酸が挙げられる。
なお、本発明において、アミノ酸残基の略号は以下のアミノ酸を意味する。
(1)Gly:グリシン
(2)Ala:アラニン
(3)Val:バリン
(4)Leu:ロイシン
(5)Ile:イソロイシン
(6)Met:メチオニン
(7)Phe:フェニルアラニン
(8)Tyr:チロシン
(9)Trp:トリプトファン
(10)His:ヒスチジン
(11)Lys:リジン
(12)Arg:アルギニン
(13)Ser:セリン
(14)Thr:トレオニン
(15)Asp:アスパラギン酸
(16)Glu:グルタミン酸
(17)Asn:アスパラギン
(18)Gln:グルタミン
(19)Cys:システイン
(20)Pro:プロリン
(21)Orn:オルニチン
(22)Sar:サルコシン
(23)Cit:シトルリン
(24)Nva:ノルバリン
(25)Nle:ノルロイシン
(26)Abu:α−アミノ酪酸
(27)Tau:タウリン
(28)Hyp:ヒドロキシプロリン
(29)t−Leu:tert−ロイシン
(30)Cle:シクロロイシン
(31)Aib:α−アミノイソ酪酸(別名:2−メチルアラニン)
(32)Pen:ペニシラミン
(33)Hse:ホモセリン
アミノ酸誘導体とは、上記のようなアミノ酸の各種誘導体をいう。アミノ酸誘導体としては、例えば、特殊アミノ酸、非天然アミノ酸、アミノアルコール、ならびに末端カルボニル基、末端アミノ基、およびシステインのチオール基等の官能基の1またはそれ以上が各種置換基により置換されたアミノ酸が挙げられる。置換基として、具体的には、例えば、アルキル基、アシル基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、スルフォニ
ル基、および各種保護基が挙げられる。アミノ酸誘導体として、具体的には、例えば、Arg(NO):N−γ−ニトロアルギニン、Cys(SNO):S−ニトロシステイン、Cys(S−Me):S−メチルシステイン、Cys(S−allyl):S−アリルシステイン、Val−NH:バリンアミド、Val−ol:バリノール(別名:2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール)、Met(O):メチオニンスルホキシド、およびCys(S−Me)(O):S−メチルシステインスルホキシドが挙げられる。
γ−グルタミルペプチドとして、具体的には、例えば、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、γ−Glu−Nva−Gly、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Nvaが挙げられる。γ−グルタミルペプチドとして、より具体的には、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、γ−Glu−Abuが挙げられ、特に具体的には、γ−Glu−Val−Glyが挙げられる。γ−Glu−Val−Gly(CAS 38837-70-6;Gluvalicineとも呼ぶ)の構造式を下記式(I)に示す。
Figure 2020096532
本発明において、γ−グルタミルペプチドを構成するアミノ酸およびアミノ酸誘導体は、特記しない限り、いずれもL−体である。
本発明において、γ−グルタミルペプチドは、いずれも、フリー体であってもよく、塩であってもよく、それらの混合物であってもよい。すなわち、「γ−グルタミルペプチド」という用語は、特記しない限り、フリー体のγ−グルタミルペプチド、もしくはその塩、またはそれらの混合物を意味する。また、これらγ−グルタミルペプチド(例えば、フリー体や塩)は、いずれも、特記しない限り、無水物および水和物を包含してよい。
塩は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。例えば、カルボキシル基等の酸性基に対する塩としては、具体的には、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロへキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。また、例えば、アミノ基等の塩基性基に対する塩としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸、メチルマロン酸、アジピン酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げられる。なお、塩としては、1種の塩を用いてもよく、2種またはそれ以上の塩を組み合わせて用いてもよい。
γ−グルタミルペプチドとしては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
ペプチドの製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。公知の方法としては、例えば、(1)化学的にペプチドを合成する方法や(2)酵素的な反応によりペプチドを合成する方法が挙げられる。アミノ酸残基数が2〜3残基の比較的短いペプチドの合成には、特に、化学的に合成する方法を用いるのが簡便である。
化学的にペプチドを合成する場合、ペプチド合成機を用いてペプチドを合成あるいは半合成することができる。化学的にペプチドを合成する方法としては、例えば、ペプチド固相合成法が挙げられる。合成されたペプチドは通常の手段、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。このようなペプチド固相合成法、およびそれに続くペプチド精製はこの技術分野においてよく知られたものである。
酵素的な反応によりペプチドを合成する場合、例えば、WO2004/011653に記載の方法を
用いることができる。具体的には、例えば、カルボキシル基がエステル化またはアミド化されたアミノ酸またはジペプチドと、アミノ基がフリーの状態であるアミノ酸(例えばカルボキシル基が保護されたアミノ酸)とを、ペプチド生成酵素の存在下で反応させることにより、ジペプチドまたはトリペプチドを合成することができる。合成されたジペプチドまたはトリペプチドは、適宜精製することができる。ペプチド生成酵素としては、例えば、ペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物から分離した培養上清、該培養物から分離した菌体、該微生物の菌体処理物、それらから分離したペプチド生成酵素が挙げられる。ペプチド生成酵素としては、必要に応じて適宜精製されたものを用いることができる。
また、γ−グルタミルペプチドは、例えば、当該γ−グルタミルペプチドの生産能を有する微生物を培養し、培養液または菌体から当該γ−グルタミルペプチドを回収することで製造することができる。具体的には、例えば、特開2012-213376に記載の方法により、
γ−Glu−Abu等のγ−グルタミルペプチドを高濃度に含有する酵母が得られる。また、γ−グルタミルペプチドは、例えば、当該γ−グルタミルペプチドを含有する農水畜産物から回収することで製造することができる。
γ−グルタミルペプチドは、精製品であってもよく、そうでなくてもよい。すなわち、γ−グルタミルペプチドとしては、当該ペプチドを高含有する素材を用いてもよい。「γ−グルタミルペプチドを高含有する」とは、γ−グルタミルペプチドの含有量が100ppm(w/w)以上であることをいう。すなわち、「γ−グルタミルペプチドを配合(添加)すること」には、当該ペプチドそのものを配合(添加)することに限られず、当該ペプチドを高含有する素材を配合(添加)することも包含される。γ−グルタミルペプチドを高含有する素材として、具体的には、例えば、当該ペプチドの生産能を有する微生物を培養して得られた培養液、菌体、培養上清等の発酵生産物、当該ペプチドを含有する農水畜産物、およびそれらの加工品が挙げられる。加工品としては、上記のような発酵生産物を、濃縮、希釈、乾燥、分画、抽出、精製等の処理に供したものが挙げられる。そのような加工品としては、例えば、γ−Glu−Abu等のγ−グルタミルペプチドを含有する酵母エキス(特開2012-213376)が挙げられる。なお、酵母エキス以外にも、飲食品(食
材や調味料を含む)には天然にγ−グルタミルペプチドを含有するものが存在し得るが、そのような酵母エキス以外の飲食品(食材や調味料を含む)そのものは、本発明における「γ−グルタミルペプチドを高含有する素材」からは除かれてもよい。γ−グルタミルペプチドは、所望の程度に精製されていてよい。例えば、γ−グルタミルペプチドとしては、純度が50%(w/w)以上、70%(w/w)以上、90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上のものを用いてもよい。
<1−2>成分(B)
成分(B)は、アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される成分である。アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、呈味改善効果が得られる限り特に制限されない。アミノ酸またはアミノ酸誘導体からは、4−アミノ酪酸(GABA)が除かれるものとする。アミノ酸またはアミノ酸誘導体として、具体的には、例えば、γ−グルタミルペプチドを構成するアミノ酸またはアミノ酸誘導体として上記例示したものが挙げられる。また、アミノ酸またはアミノ酸誘導体として、具体的には、例えば、β−アラニンやメチルメチオニンスルホニウムも挙げられる。アミノ酸またはアミノ酸誘導体としては、特に、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Met、Gln、Pro、Lys、Arg、His、Phe、S−アリルシステイン、β−アラニン、メチルメチオニンスルホニウムが挙げられる。アミノ酸またはアミノ酸誘導体として、さらに特には、Gly、L−Ala、DL−Ala、L−Val、DL−Val、L−Leu、DL−Ile、DL−Ser、DL−Thr、L−Met、DL−Met、L−Gln、L−Pro、L−Lys、DL−Lys、L−Arg、L−His、L−Phe、DL−Phe、S−アリル−L−システイン、β−アラニン、DL−メチルメチオニンスルホニウムが挙げられる。成分(B)としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、特記しない限り、いずれもD−体、L−体、またはそれらの混合物であってよい。D−体とL−体の混合物を「DL−体」ともいう。
アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、塩の形態で利用されてもよい。すなわち、「アミノ酸」または「アミノ酸誘導体」という用語は、特記しない限り、フリー体のアミノ酸またはアミノ酸誘導体、もしくはその塩、またはそれらの混合物を意味する。アミノ酸またはアミノ酸誘導体の塩については、上述のγ−グルタミルペプチドの塩の記載を準用できる。塩として、具体的には、例えば、L−リジン塩酸塩等のリジン塩酸塩や、DL−メチルメチオニンスルホニウムクロライド等のメチルメチオニンスルホニウムクロライドが挙げられる。また、これらアミノ酸またはアミノ酸誘導体(例えば、フリー体や塩)は、いずれも、特記しない限り、無水物および水和物を包含してよい。
アミノ酸またはアミノ酸誘導体としては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
アミノ酸またはアミノ酸誘導体の製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。例えば、アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、当該アミノ酸またはアミノ酸誘導体の生産能を有する微生物を培養し、培養液または菌体から当該アミノ酸またはアミノ酸誘導体を回収することで製造することができる。また、例えば、アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、当該アミノ酸またはアミノ酸誘導体を含有する農水畜産物から回収することで製造することができる。また、例えば、アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、化学合成により製造することができる。
アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、精製品であってもよく、そうでなくてもよい。すなわち、アミノ酸またはアミノ酸誘導体としては、当該アミノ酸またはアミノ酸誘導体を高含有する素材を用いてもよい。「アミノ酸またはアミノ酸誘導体を高含有する」とは、呈味改善効果が得られる限り特に制限されないが、例えば、アミノ酸またはアミノ酸誘導体の含有量が1%(w/w)以上、1.5%(w/w)以上、5%(w/w)以上、または10%(w/w)以上であることであってもよい。すなわち、「アミノ酸またはアミノ酸誘導体を配合(添加)すること」には、当該アミノ酸またはアミノ酸誘導体そのものを配合(添加)することに限られず、当該アミノ酸またはアミノ酸誘導体を高含有する素材を配合(添加)することも包含される。アミノ酸またはアミノ酸誘導体を高含有する素材と
して、具体的には、例えば、当該アミノ酸またはアミノ酸誘導体の生産能を有する微生物を培養して得られた培養液、菌体、培養上清等の発酵生産物、当該アミノ酸またはアミノ酸誘導体を含有する農水畜産物、およびそれらの加工品が挙げられる。加工品としては、上記のような発酵生産物を、濃縮、希釈、乾燥、分画、抽出、精製等の処理に供したものが挙げられる。また、例えば、D−体もしくはL−体のアミノ酸またはアミノ酸誘導体を含有する素材としては、DL−体のアミノ酸またはアミノ酸誘導体等の異性体混合物や、そのような混合物を含有する素材が挙げられる。なお、飲食品(食材や調味料を含む)には天然にアミノ酸またはアミノ酸誘導体を含有するものが存在し得るが、そのような飲食品(食材や調味料を含む)そのものは、本発明における「アミノ酸またはアミノ酸誘導体を高含有する素材」からは除かれてもよい。アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、所望の程度に精製されていてよい。例えば、アミノ酸またはアミノ酸誘導体としては、純度が50%(w/w)以上、70%(w/w)以上、90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上のものを用いてもよい。
なお、成分(B)としてD−体の成分を選択し、且つ、L−体の該成分も混在する場合、成分(B)としてL−体の成分を選択し、且つ、D−体の該成分も混在する場合、および成分(B)としてDL−体の成分を選択した場合、いずれも、D−体およびL−体の量比は、呈味改善効果が得られる限り特に制限されない。ただし、成分(B)としてD−体またはL−体の成分を選択した場合、選択したものを主要な鏡像体として用いてもよい。すなわち、成分(B)としてD−体の成分を選択し、且つ、L−体の該成分も混在する場合、D−体およびL−体の該成分の総量に対するD−体の該成分の量の比率は、モル比で、例えば、50%超、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上、または99%以上であってもよい。また、成分(B)としてL−体の成分を選択し、且つ、D−体の該成分も混在する場合、D−体およびL−体の該成分の総量に対するL−体の該成分の量の比率は、モル比で、例えば、50%超、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上、または99%以上であってもよい。また、成分(B)としてDL−体の成分を選択した場合、D−体およびL−体の該成分の総量に対するD−体の該成分の量の比率は、モル比で、例えば、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上であってもよく、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、または10%以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。成分(B)としてDL−体の成分を選択した場合、D−体およびL−体の該成分の総量に対するD−体の該成分の量の比率は、モル比で、特に、例えば、40〜60%、45〜55%、47〜53%、または49〜51%であってもよい。
<1−3>成分(C)
成分(C)は、スクラロースである。スクラロースとしては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。スクラロースの製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。例えば、スクラロースは、化学合成により製造することができる。スクラロースは、所望の程度に精製されていてよい。例えば、スクラロースとしては、純度が50%(w/w)以上、70%(w/w)以上、90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上のものを用いてもよい。
<1−4>本発明の組成物
本発明の組成物は、上記有効成分を含む。
なお、本発明の組成物が成分(A)と成分(B)の両方に該当する成分、例えばγ−グルタミルペプチドとアミノ酸またはアミノ酸誘導体との塩、を含む場合、同成分は本発明の組成物において成分(A)と成分(B)の両方を兼ねる。すなわち、本発明の組成物が
成分(A)と成分(B)の両方に該当する成分、例えばγ−グルタミルペプチドとアミノ酸またはアミノ酸誘導体との塩、を含む場合、本発明の組成物は別途成分(A)および/または成分(B)を含んでいてもよく、含んでいなくともよい。
本発明の組成物は、上記有効成分のみからなるものであってもよく、その他の成分を含むものであってもよい。本発明の組成物は、調味料(例えば甘味料)として構成されてもよい。
「その他の成分」は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。「その他の成分」としては、例えば、調味料、飲食品、または医薬品に配合して利用されるものを利用できる。
「その他の成分」として、具体的には、例えば、砂糖、蜂蜜、メープルシロップ、スクロース、グルコース、フルクトース、異性化糖、オリゴ糖等の糖類;キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール類;アセスルファムKやアスパルテーム等のスクラロース以外の高甘味度甘味料;食塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類;酢酸、クエン酸等の有機酸類およびその塩;イノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸等の核酸類およびその塩;食物繊維、pH緩衝剤、賦形剤、増量剤、香料、食用油、エタノール、水が挙げられる。「その他の成分」としては、特に、スクラロース以外の高甘味度甘味料が挙げられる。「その他の成分」として、さらに特には、アセスルファムKやアスパルテームが挙げられる。塩については、上述のγ−グルタミルペプチドの塩の記載を準用できる。
「その他の成分」としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物の形態は特に制限されない。本発明の組成物は、例えば、粉末状、顆粒状、液状、ペースト状、キューブ状等のいかなる形態であってもよい。
本発明の組成物における各成分(すなわち、有効成分および任意でその他の成分)の濃度(含有量)や含有量比は、呈味改善効果が得られる限り特に制限されない。
本発明の組成物における各成分の濃度や含有量比は、当該成分の種類、当該成分の喫食濃度、本発明の組成物の使用量等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
本発明の組成物における有効成分の総濃度(総含有量)は、特に制限されないが、例えば、10ppm(w/w)以上、100ppm(w/w)以上、1000ppm(w/w)以上、1%(w/w)以上、5%(w/w)以上、または10%(w/w)以上であってもよく、100%(w/w)以下、99.9%(w/w)以下、70%(w/w)以下、50%(w/w)以下、30%(w/w)以下、10%(w/w)以下、5%(w/w)以下、または1%(w/w)以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。なお、「有効成分の総濃度」とは、成分(A)の濃度、成分(B)の濃度、およびスクラロースの濃度(スクラロースは含有される場合のみ)の合計を意味する。
本発明の組成物において、成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比率(重量比)(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)は、例えば、0.005以上、0.01以上、0.03以上、0.05以上、0.1以上、0.15以上、0.2以上、0.3以上、0.5以上、0.7以上、1以上、1.5以上、2以上、3以上、または5以上であってもよく、500以下、300以下、100以下、70以下、50以下、30以下、20以下、15以下、10以下、5以下、3以下、2以下、1.5以下、1以下、0.5以下、0.3以下、または0.1以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせ
であってもよい。成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比率(重量比)(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)は、具体的には、例えば、0.005〜500、0.01〜100、または0.03〜50であってもよい。
また、本発明の組成物がスクラロースを含有する場合、スクラロースの含有量に対する成分(A)および(B)の総含有量の比率(重量比)(成分(A)および(B)の総含有量/スクラロースの含有量)は、例えば、0.01以上、0.03以上、0.05以上、0.1以上、0.15以上、0.2以上、0.3以上、0.5以上、0.7以上、1以上、1.5以上、2以上、3以上、5以上、または10以上であってもよく、100以下、70以下、50以下、30以下、20以下、15以下、10以下、5以下、3以下、2以下、1.5以下、または1以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。スクラロースの含有量に対する成分(A)および(B)の総含有量の比率(重量比)(成分(A)および(B)の総含有量/スクラロースの含有量)は、具体的には、例えば、0.01〜100、0.05〜20、または0.1〜10であってもよい。また、本発明の組成物がスクラロースを含有する場合、スクラロースの含有量に対する成分(A)および(B)それぞれの含有量の比率(重量比)は、例えば、上記例示したスクラロースの含有量に対する成分(A)および(B)の総含有量の比率と、上記例示した成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比率から算出される比率であってよい。また、本発明の組成物がスクラロースを含有する場合、スクラロースの含有量に対する成分(A)および(B)それぞれの含有量の比率(重量比)については、例えば、上記例示したスクラロースの含有量に対する成分(A)および(B)の総含有量の比率を準用してもよい。スクラロースの含有量に対する成分(A)の含有量の比率(重量比)(成分(A)の含有量/スクラロースの含有量)は、具体的には、例えば、0.01〜5、0.03〜2、または0.1〜0.5であってもよい。また、スクラロースの含有量に対する成分(B)の含有量の比率(重量比)(成分(B)の含有量/スクラロースの含有量)は、具体的には、例えば、0.001〜100、0.003〜20、または0.005〜10であってもよい。
また、本発明の組成物がスクラロースとそれ以外の高甘味度甘味料を含有する場合、スクラロースの含有量に対するそれ以外の高甘味度甘味料の含有量の比率(重量比)(スクラロース以外の高甘味度甘味料の含有量/スクラロースの含有量)は、例えば、0.01以上、0.03以上、0.05以上、0.1以上、0.15以上、0.2以上、0.3以上、0.5以上、0.7以上、1以上、1.5以上、2以上、3以上、または5以上であってもよく、15以下、10以下、5以下、3以下、2以下、1.5以下、または1以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。スクラロースの含有量に対するそれ以外の高甘味度甘味料の含有量の比率(重量比)(スクラロース以外の高甘味度甘味料の含有量/スクラロースの含有量)は、具体的には、例えば、0.01〜15、0.05〜10、または0.15〜5であってもよい。スクラロースの含有量に対するそれ以外の高甘味度甘味料の含有量の比率(重量比)(スクラロース以外の高甘味度甘味料の含有量/スクラロースの含有量)は、具体的には、例えば、アセスルファムKの含有量およびアスパルテームの含有量のそれぞれについて、あるいはそれらの含有量の合計について、上記例示した範囲であってもよい。
なお、各成分の含有量(濃度)は、当該成分を含有する素材を用いる場合にあっては、当該素材中の当該成分そのものの量に基づいて算出されるものとする。また、各成分の含有量(濃度)は、当該成分が塩を形成している場合にあっては、塩の質量を等モルのフリー体の質量に換算した値に基づいて算出されるものとする。また、各成分の含有量(濃度)は、当該成分が水和物を形成している場合にあっては、水和物の質量を等モルの無水物の質量に換算した値に基づいて算出されるものとする。
本発明の組成物における各成分の含有量(濃度)は、例えば、上記例示した有効成分の総濃度や各成分の含有量比を満たすように設定することができる。
本発明の組成物における各成分の含有量(濃度)は、例えば、本発明の組成物を利用して飲食品を製造した際に、当該成分の喫食濃度が所望の範囲となるような濃度であってよい。各成分の喫食濃度は、例えば、後述する範囲であってよい。
本発明の組成物に含まれる各成分は、互いに混合されて本発明の組成物に含まれていてもよく、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、本発明の組成物に含まれていてもよい。本発明の組成物を添加して製造された飲食品中で成分(A)〜(C)が共存していれば呈味改善効果が得られる。また、成分(B)としてDL−体の成分を選択した場合、「成分(B)を含有する」とは、本発明の組成物が全体としてD−体とL−体の該成分を含むことで足り、例えば、D−体とL−体の該成分がそれぞれ別個に本発明の組成物に含まれていてもよい。
<2>本発明の方法
本発明においては、成分(A)〜(C)を併用することにより、呈味改善効果を得ることができる。本発明においては、具体的には、成分(A)〜(C)を併用することにより、飲食品において呈味改善効果を得ることができる。
すなわち、本発明の方法は、成分(A)〜(C)を併用することを含む、呈味改善効果を得る方法である。言い換えると、本発明の方法は、例えば、成分(A)〜(C)を併用することを含む、スクラロースの呈味を改善する方法であってよい。また、本発明の方法は、例えば、成分(A)〜(C)を併用することを含む、スクラロースを含有する飲食品の呈味を改善する方法であってよい。また、本発明の方法は、例えば、成分(A)〜(C)を併用することを含む、ショ糖様呈味等の、改善されたスクラロースの呈味を飲食品に付与する方法であってよい。また、本発明の方法は、例えば、成分(A)〜(C)を併用することを含む、飲食品の製造方法であってよい。
成分(A)〜(C)は、飲食品の製造の際に併用することができる。「成分(A)〜(C)を併用すること」としては、スクラロースを含有する飲食品またはその原料(すなわち、飲食品またはその原料であって、既にスクラロースを含有しているもの)に成分(A)および(B)を添加することや、飲食品またはその原料に成分(A)〜(C)を添加することが挙げられる。すなわち、スクラロースは、予め飲食品またはその原料に含有されていてもよいし、飲食品またはその原料に添加されてもよい。なお、「添加」を「配合」ともいう。
本発明においては、例えば、本発明の組成物を利用して有効成分を添加することもできる。具体的には、本発明の組成物を添加することにより、少なくとも、成分(A)および(B)を添加することができる。また、具体的には、本発明の組成物がスクラロースを含有する場合、本発明の組成物を添加することにより、成分(A)〜(C)を添加することができる。すなわち、「有効成分の添加」には、本発明の組成物の添加も包含される。
本発明の方法により得られる飲食品を「本発明の飲食品」ともいう。本発明の飲食品は、成分(A)〜(C)を含有する飲食品である。また、本発明の飲食品は、成分(A)および(B)を含有しない場合と比較して、呈味の改善された飲食品であってよい。また、本発明の飲食品は、例えば、ショ糖様呈味等の、改善されたスクラロースの呈味が付与された飲食品であってよい。
飲食品としては、特に制限されず、あらゆる飲食品が包含される。飲食品には、甘味料
等の調味料も包含される。飲食品としては、甘味を付与したい飲食品、特に、ショ糖様呈味を付与したい飲食品、が挙げられる。飲食品としては、特に、飲料が挙げられる。飲食品としては、例えば、牛乳、清涼飲料、アルコール飲料、スープ等の飲料;発酵乳、ヨーグルト、カスタード等の乳製品(飲料であるものも含む);ケーキ、ムース、ゼリー、ガム、キャンディー、アイスクリーム、シャーベット等の菓子が挙げられる。「清涼飲料」とは、牛乳および乳製品を除く非アルコール性飲料(アルコール濃度1%未満の飲料)をいう。清涼飲料として、具体的には、例えば、水、果実ジュース(果汁)、野菜ジュース、茶、コーヒー飲料(コーヒー、コーヒー入り乳飲料等)、炭酸飲料(レモン炭酸飲料等)、スポーツドリンクが挙げられる。飲食品の提供態様は特に制限されない。飲食品は、そのまま喫食できる態様で提供されてもよく、そうでなくてもよい。飲食品は、例えば、喫食前または喫食時に喫食に適した態様に調製されて喫食されてもよい。また、飲食品には、一般食品に限られず、栄養補助食品(サプリメント)、栄養機能食品、特定保健用食品等の、いわゆる健康食品や医療用食品も包含される。例えば、上記例示したような飲食品は、一般食品として提供されてもよいし、健康食品や医療用食品として提供されてもよい。
本発明の飲食品は、有効成分を添加すること以外は、通常の飲食品と同様の原料を用い、同様の方法によって製造することができる。有効成分の添加は、飲食品の製造工程のいずれの段階で行われてもよい。すなわち、有効成分は、飲食品の原料に添加されてもよく、製造途中の飲食品に添加されてもよく、完成した飲食品に添加されてもよい。有効成分は、1回のみ添加されてもよく、2またはそれ以上の回数に分けて添加されてもよい。各有効成分は同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個のタイミングで、あるいは、任意の組み合わせで別個のタイミングで、飲食品またはその原料に添加されてもよい。また、成分(B)としてDL−体の成分を選択した場合、「成分(B)を添加する」とは、本発明の方法全体としてD−体とL−体の該成分が添加されることで足り、例えば、D−体とL−体の該成分がそれぞれ、同時に、あるいは別個のタイミングで、飲食品またはその原料に添加されてもよい。なお、本発明の組成物を添加する場合であって、本発明の組成物が各有効成分をそれぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に含む場合にも、各有効成分は同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。有効成分の添加の順序は特に制限されない。
なお、成分(A)と成分(B)の両方に該当する成分、例えばγ−グルタミルペプチドとアミノ酸またはアミノ酸誘導体との塩、を添加する場合、同成分は成分(A)と成分(B)の両方を兼ねる。すなわち、成分(A)と成分(B)の両方に該当する成分、例えばγ−グルタミルペプチドとアミノ酸またはアミノ酸誘導体との塩、を添加する場合、別途成分(A)および/または成分(B)を添加してもよく、添加しなくともよい。
本発明の飲食品は、さらに、その他の成分(有効成分以外の成分)を含有していてよい。ここでいう「その他の成分」については、上述した本発明の組成物における「その他の成分」についての記載を準用できる。「その他の成分」は、予め飲食品またはその原料に含有されていてもよいし、飲食品またはその原料に添加されてもよい。すなわち、本発明の方法は、さらに、「その他の成分」を添加することを含んでいてもよい。なお、本発明の組成物を「その他の成分」とさらに併用してもよい。「その他の成分」を添加する場合、「その他の成分」の添加も、有効成分の添加と同様に行うことができる。例えば、「その他の成分」と有効成分とは、同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。「その他の成分」と有効成分の添加の順序は特に制限されない。
本発明の方法における各成分(すなわち、有効成分および任意でその他の成分)の添加
量や添加比率は、呈味改善効果が得られる限り特に制限されない。
各成分の添加量や添加比率は、当該成分の種類や本発明の飲食品の摂取態様等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
成分(A)は、飲食品またはその原料に、例えば、成分(A)の喫食濃度が所望の範囲となるように添加されてよい。成分(A)の喫食濃度は、例えば、0.005ppm(w/w)以上、0.01ppm(w/w)以上、0.1ppm(w/w)以上、1ppm(w/w)以上、または3ppm(w/w)以上であってもよく、200ppm(w/w)以下、100ppm(w/w)以下、50ppm(w/w)以下、または20ppm(w/w)以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。成分(A)の喫食濃度は、具体的には、例えば、0.005ppm(w/w)〜100ppm(w/w)、好ましくは0.01ppm(w/w)〜50ppm(w/w)、より好ましくは3ppm(w/w)〜20ppm(w/w)であってもよい。
成分(B)は、飲食品またはその原料に、例えば、成分(B)の喫食濃度が所望の範囲となるように添加されてよい。成分(B)の喫食濃度は、例えば、0.1ppm(w/w)以上、0.3ppm(w/w)以上、0.5ppm(w/w)以上、1ppm(w/w)以上、3ppm(w/w)以上、5ppm(w/w)以上、10ppm(w/w)以上、20ppm(w/w)以上、30ppm(w/w)以上、50ppm(w/w)以上、70ppm(w/w)以上、100ppm(w/w)以上、150ppm(w/w)以上、または200ppm(w/w)以上であってもよく、2000ppm(w/w)以下、1500ppm(w/w)以下、1000ppm(w/w)以下、700ppm(w/w)以下、500ppm(w/w)以下、300ppm(w/w)以下、200ppm(w/w)以下、150ppm(w/w)以下、100ppm(w/w)以下、70ppm(w/w)以下、50ppm(w/w)以下、30ppm(w/w)以下、20ppm(w/w)以下、10ppm(w/w)以下、5ppm(w/w)以下、3ppm(w/w)以下、または1ppm(w/w)以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。成分(B)の喫食濃度は、具体的には、例えば、0.1ppm(w/w)〜2000ppm(w/w)、0.3ppm(w/w)〜1000ppm(w/w)、0.5ppm(w/w)〜700ppm(w/w)であってもよい。
スクラロースは、飲食品またはその原料に、例えば、スクラロースの喫食濃度が所望の範囲となるように添加または含有されてよい。スクラロースの喫食濃度は、例えば、5ppm(w/w)以上、10ppm(w/w)以上、20ppm(w/w)以上、30ppm(w/w)以上、50ppm(w/w)以上、70ppm(w/w)以上、または100ppm(w/w)以上であってもよく、500ppm(w/w)以下、300ppm(w/w)以下、200ppm(w/w)以下、150ppm(w/w)以下、100ppm(w/w)以下、70ppm(w/w)以下、または50ppm(w/w)以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。スクラロースの喫食濃度は、具体的には、例えば、5ppm(w/w)〜500ppm(w/w)、10ppm(w/w)〜300ppm(w/w)、または20ppm(w/w)〜150ppm(w/w)であってもよい。
また、本発明の飲食品がスクラロース以外の高甘味度甘味料を含有する場合、当該高甘味度甘味料は、飲食品またはその原料に、例えば、当該高甘味度甘味料の喫食濃度が所望の範囲となるように添加または含有されてよい。スクラロース以外の高甘味度甘味料の喫食濃度は、例えば、5ppm(w/w)以上、10ppm(w/w)以上、20ppm(w/w)以上、30ppm(w/w)以上、50ppm(w/w)以上、70ppm(w/w)以上、または100ppm(w/w)以上であってもよく、500ppm(w/w
)以下、300ppm(w/w)以下、200ppm(w/w)以下、150ppm(w/w)以下、100ppm(w/w)以下、70ppm(w/w)以下、または50ppm(w/w)以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。スクラロース以外の高甘味度甘味料の喫食濃度は、具体的には、例えば、5ppm(w/w)〜500ppm(w/w)、10ppm(w/w)〜300ppm(w/w)、または20ppm(w/w)〜150ppm(w/w)であってもよい。スクラロース以外の高甘味度甘味料の喫食濃度は、具体的には、例えば、アセスルファムKの喫食濃度およびアスパルテームの喫食濃度のそれぞれについて、あるいはそれらの喫食濃度の合計について、上記例示した範囲であってもよい。
上記例示した各成分の喫食濃度は、飲食品の喫食態様に応じて、そのまま、あるいは適宜修正して、当該成分の添加量とすることができる。すなわち、濃縮または希釈されず喫食される(例えば、そのまま喫食される)飲食品を製造する場合、上記例示した各成分の喫食濃度は、そのまま、当該成分の添加量と読み替えてよい。また、濃縮または希釈されて喫食される飲食品を製造する場合、上記例示した各成分の喫食濃度と、濃縮または希釈の倍率とから、当該成分の添加量を設定することができる。例えば、10倍希釈して喫食される飲食品を製造する場合、上記例示した各成分の喫食濃度の10倍を、当該成分の添加量として設定してよい。
本発明の方法における各成分の添加量または含有量の比率については、本発明の組成物における各成分の含有量の比率についての記載を準用できる。すなわち、本発明の組成物における各成分の含有量の比率を、本発明の方法における各成分の添加量または含有量の比率に読み替えることができる。
なお、各成分の添加量(添加濃度)は、当該成分を含有する素材を用いる場合にあっては、当該素材中の当該成分そのものの量に基づいて算出されるものとする。また、各成分の添加量(添加濃度)は、当該成分が塩を形成している場合にあっては、塩の質量を等モルのフリー体の質量に換算した値に基づいて算出されるものとする。また、各成分の添加量(添加濃度)は、当該成分が水和物を形成している場合にあっては、水和物の質量を等モルの無水物の質量に換算した値に基づいて算出されるものとする。
本発明の組成物を添加する場合、その添加量は、呈味改善効果が得られる限り特に制限されない。本発明の組成物の添加量は、添加する成分の種類、本発明の組成物における当該成分の濃度、飲食品の摂取態様等の諸条件に応じて適宜設定することができる。例えば、飲食品またはその原料に対して、本発明の組成物を、1ppm(w/w)〜50%(w/w)添加してもよく、10ppm(w/w)〜10%(w/w)添加してもよい。また、本発明の組成物は、例えば、各成分の喫食濃度が上記例示した当該成分の喫食濃度範囲内となるように、飲食品またはその原料に対して添加されてよい。
本発明は、以下の実施例によって更に具体的に説明されるが、これらはいかなる意味でも本発明を限定する意図と解してはならない。実施例中、「ppm」は「ppm(w/w)」を意味
する。
試験に用いたγ−グルタミルペプチドは、下記の通りに取得した。すなわち、γ-Glu-Val-Glyは、WO2015/133547に記載の方法に準じて合成した。
実施例1:スクラロースとγ-Glu-Val-Glyの併用効果の検討
<方法>
評価系として、レモン炭酸飲料(試作品)を用いた。各サンプルの配合表を表1に示す
。高甘味度甘味料(スクラロース、アセスルファムK、および/またはアスパルテーム)の配合量は、コントロール品(γ-Glu-Val-Glyを添加していないもの)の甘味の強度が、参考品(ショ糖添加品)と同等の甘味の強度となる配合量とした。レモン炭酸飲料は、無水クエン酸、レモン香料、およびショ糖または高甘味度甘味料を喫食時濃度の5倍濃度で
含有する水溶液を調製し、評価品についてはγ-Glu-Val-Glyを喫食時濃度の5倍濃度で添
加した後、炭酸水(冷蔵品)で5倍希釈することにより調製した。
各サンプルの「ショ糖様の持続性」について官能評価を実施し(専門パネル3名)、γ-Glu-Val-Glyによる「ショ糖様の持続性」の増強効果を同定した。「ショ糖様の持続性」
の増強効果は、「効果なし(対応するコントロール品と「ショ糖様の持続性」が同一)」を1点、「弱い効果あり」を2点、「ショ糖と同等の効果あり(参考品と「ショ糖様の持続性」が同一)」を5点として評価した。「対応するコントロール品」とは、評価品1〜4
について、コントロール品1〜4をいう。
Figure 2020096532
<結果>
結果を表2に示す。特に、スクラロースとγ-Glu-Val-Glyを併用することにより、高い「ショ糖様の持続性」の増強効果が得られた。
Figure 2020096532
実施例2:スクラロースとγ-Glu-Val-Glyおよびアミノ酸の併用効果の検討
<方法>
評価系として、レモン炭酸飲料(試作品)を用いた。各サンプルの配合表を表3および4に示す。レモン炭酸飲料は、実施例1と同様の手順で調製した。各アミノ酸の濃度は、単独でレモン炭酸飲料に添加した際に味や風味に影響する閾値未満の濃度(単独でレモン炭酸飲料に添加した際に味や風味に影響しない濃度)とした。なお、本実施例において、「アミノ酸」とは、アミノ酸誘導体も包含する。
「ショ糖様の中〜後のふくらみ」および「ショ糖様の後のはりつき」の強さの2軸で、2〜5名の専門パネルにより官能評価を実施し、各アミノ酸の併用によるショ糖様呈味の増
強効果を同定した。なお、喫食後(口に含んだ後)の時間の規定については、先;0〜1秒、中;1〜2秒、後;2〜5秒とした。官能評価にあたっては、100mmラインスケールを用い
た。スケールでは、「ショ糖添加品」を参考サンプルとして、指標品1「高甘味度甘味料使用+γ-Glu-Val-Gly無添加」を「0mm」(スコア0)、指標品2「高甘味度甘味料使用+γ-Glu-Val-Gly 50ppm添加」を「100mm」(スコア100)と定義し、コントロール品「高甘味度甘味料使用γ-Glu-Val-Gly 15ppm添加」のスコアをプロットした。コントロール品は、「ショ糖様の中〜後のふくらみ」のスコアが45(スケールで45mm)、「ショ糖様の後のはりつき」のスコアが50(スケールで50mm)であった。次いで、各評価品のスコアをプロットした。なお、「ショ糖様の中〜後のふくらみ」は、中〜後に口蓋で感じるふくらむ感覚、または立体感として定義した。また、「ショ糖様の後のはりつき」は、舌の中心〜奥で感じる後に残るべたっとする感じ、甘味ではない重い感じ、または濃厚感として定義した。
Figure 2020096532
Figure 2020096532
<結果>
結果を表4に示す。4-Amino-butyric acid以外のアミノ酸によりショ糖様呈味の増強効果が得られた。また、別途、15ppmのDL-Valineによりショ糖様呈味の増強効果が得られることを定性的に確認した(n=1)。

Claims (26)

  1. 下記成分(A)および(B)を含有する、スクラロースと併用される組成物:
    (A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
    (B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
    ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
  2. スクラロースの呈味改善剤である、請求項1に記載の組成物。
  3. 下記成分(A)〜(C)を含有する、組成物:
    (A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
    (B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
    (C)スクラロース;
    ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
  4. 甘味料である、請求項3に記載の組成物。
  5. ショ糖様呈味付与剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記成分(B)が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Met、Gln、Pro、Lys、Arg、His、Phe、S−アリルシステイン、β−アラニン、およびメチルメチオニンスルホニウムから選択される1種またはそれ以上の成分である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記成分(B)が、Gly、L−Ala、DL−Ala、L−Val、DL−Val、L−Leu、DL−Ile、DL−Ser、DL−Thr、L−Met、DL−Met、L−Gln、L−Pro、L−Lys、DL−Lys、L−Arg、L−His、L−Phe、DL−Phe、S−アリル−L−システイン、β−アラニン、DL−メチルメチオニンスルホニウムから選択される1種またはそれ以上の成分である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記成分(A)の含有量に対する前記成分(B)の含有量の比率(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)が、重量比で、0.005〜500である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. スクラロースの含有量に対する前記成分(A)および(B)の総含有量の比率(成分(A)および(B)の総含有量/スクラロースの含有量)が、重量比で、0.01〜100である、請求項3〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. さらに、アセスルファムKを含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. さらに、アスパルテームを含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. スクラロースを含有する飲食品またはその原料に下記成分(A)および(B)を添加することを含む、飲食品の製造方法:
    (A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
    (B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
    ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
  14. スクラロースが、スクラロースの喫食濃度が5ppm(w/w)〜500ppm(w/w)となるように含有されている、請求項13に記載の方法。
  15. 飲食品またはその原料に下記成分(A)〜(C)を添加することを含む、飲食品の製造方法:
    (A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
    (B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
    (C)スクラロース;
    ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
  16. スクラロースが、スクラロースの喫食濃度が5ppm(w/w)〜500ppm(w/w)となるように添加される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記成分(B)が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Met、Gln、Pro、Lys、Arg、His、Phe、S−アリルシステイン、β−アラニン、およびメチルメチオニンスルホニウムから選択される1種またはそれ以上の成分である、請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記成分(B)が、Gly、L−Ala、DL−Ala、L−Val、DL−Val、L−Leu、DL−Ile、DL−Ser、DL−Thr、L−Met、DL−Met、L−Gln、L−Pro、L−Lys、DL−Lys、L−Arg、L−His、L−Phe、DL−Phe、S−アリル−L−システイン、β−アラニン、DL−メチルメチオニンスルホニウムから選択される1種またはそれ以上の成分である、請求項13〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記成分(A)が、成分(A)の喫食濃度が0.005ppm(w/w)〜100ppm(w/w)となるように添加される、請求項13〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記成分(B)が、成分(B)の喫食濃度が0.1ppm(w/w)〜2000ppm(w/w)となるように添加される、請求項13〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. さらに、アセスルファムKを添加することを含む、請求項13〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. さらに、アスパルテームを添加することを含む、請求項13〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記飲食品が、飲料である、請求項13〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 下記成分(A)〜(C)を含有する、飲食品:
    (A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
    (B)アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選択される1種またはそれ以上の成分;
    (C)スクラロース;
    ただし、前記成分(B)が、4−アミノ酪酸である場合は除く。
  26. 飲料である、請求項25に記載の飲食品。
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