JP6766380B2 - コク味付与機能を有する組成物 - Google Patents

コク味付与機能を有する組成物 Download PDF

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Description

本発明は、「コク味」付与機能を有する組成物およびその利用に関するものである。
食品領域では呈味物質が古くから利用されてきた。特に、甘味(sweet taste)、塩味(salty taste)、酸味(sour taste)、苦味(bitter taste)、うま味(umami)で表される5基本味(five basic taste)を有する物質やこれらを増強する物質が調味料として広く利用されている。
上記基本味では表せない味覚として「コク味」がある。「コク味」とは、基本味だけではなく、厚み(thickness)、ひろがり(growth (mouthfulness))、持続性(continuity)、まとまり(harmony)等の基本味の周辺の味(marginal tastes)や風味(marginal flavor)をも増強した味覚をいう。これまで、飲食品に対して効果的に「コク味」を付与する技術が求められてきた。
「コク味」を付与することのできる物質(「コク味」付与物質)としては、例えば、グルタチオン(γ−Glu−Cys−Gly)やγ−Glu−Val−Gly等のγ−グルタミルトリペプチド、およびγ−Glu−Metやγ−Glu−Thr等のγ−グルタミルジペプチドが知られている(特許文献1、2)。
また、γ−Glu−Val−Glyと増粘多糖類を含有するクリーマー組成物が知られている(特許文献3)。
しかしながら、γ−Glu−Val−Gly等の「コク味」付与物質と脂肪球を清澄系飲食品において併用することは知られていない。また、γ−Glu−Val−Gly等の「コク味」付与物質と脂肪球を併用することにより「コク味」がさらに増強されることも知られていない。
特許第1464928号公報 国際公開第2007/055393号パンフレット 国際公開第2013/061972号パンフレット
本発明は、飲食品に対して効果的に「コク味」を付与する技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、γ−Glu−Val−Gly等の「コク味」付与物質と脂肪球とを併用することで、「コク味」がさらに増強されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおり例示できる。
[1]
γ−グルタミルペプチドおよび脂肪球を含有し、
前記γ−グルタミルペプチドが、γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドであり、
清澄系飲食品にコク味を付与するために用いられる、
組成物。
[2]
前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの透過率が1%〜100%である飲食品である、[1]に記載の組成物。
[3]
前記γ−グルタミルペプチドが、γ−Glu−Val−Glyである、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記脂肪球が、油脂と乳化剤を原料として製造されたものである、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記乳化剤が、HLB値が5〜15の乳化剤である、[4]に記載の組成物。
[6]
前記乳化剤が、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルから選択される1種またはそれ以上の乳化剤である、[4]または[5]に記載の組成物。
[7]
前記γ−グルタミルペプチドの含有量に対する前記脂肪球の含有量の比率(脂肪球含有量/γ−グルタミルペプチド含有量)が、重量比で、0.33〜33である、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
γ−グルタミルペプチドおよび脂肪球を飲食品またはその原料に添加することを含み、
前記γ−グルタミルペプチドが、γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドである、
清澄系飲食品の製造方法。
[9]
前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの透過率が1%〜100%である飲食品である、[8]に記載の方法。
[10]
前記清澄系飲食品が、清涼飲料、アルコール飲料、スープ、およびゼリーから選択される1種またはそれ以上の飲食品である、[8]または[9]に記載の方法。
[11]
前記γ−グルタミルペプチドが、γ−Glu−Val−Glyである、[8]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12]
前記脂肪球が、油脂と乳化剤を原料として製造されたものである、[8]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13]
前記乳化剤が、HLB値が5〜15の乳化剤である、[12]に記載の方法。
[14]
前記乳化剤が、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルから選択される1種またはそれ以上の乳化剤である、[12]または[13]に記載の方法。
[15]
前記γ−グルタミルペプチドの添加量に対する前記脂肪球の添加量の比率(脂肪球添加
量/γ−グルタミルペプチド添加量)が、重量比で、0.33〜33である、[8]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16]
前記脂肪球が、脂肪球の喫食濃度が1ppm(w/w)〜100ppm(w/w)となるように添加される、[8]〜[15]のいずれかに記載の方法。
[17]
前記脂肪球が、喫食時の脂肪球の総表面積が5cm/100g〜1000cm/100gとなるように添加される、[8]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18]
γ−グルタミルペプチドおよび脂肪球を飲食品またはその原料に添加することを含み、
前記γ−グルタミルペプチドが、γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドである、
清澄系飲食品にコク味を付与する方法。
[19]
前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの透過率が1%〜100%である飲食品である、[18]に記載の方法。
[20]
前記γ−グルタミルペプチドが、γ−Glu−Val−Glyである、[18]または[19]に記載の方法。
本発明により、飲食品に対して効果的に「コク味」を付与できる組成物を提供できる。また、本発明により、「コク味」の付与された飲食品を製造することができる。
脂肪球乳化液及び粉末化脂肪球の調製フローを示す図。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明に関する下記の説明は、いずれも単独で採用してもよく、適宜組み合わせて採用してもよい。
<1>本発明の組成物
本発明の組成物は、γ−グルタミルペプチドおよび脂肪球を含有する組成物である。
本発明の組成物は、「コク味」付与機能を有する。「「コク味」付与機能」とは、飲食品等の対象物に「コク味」を付与する機能をいう。よって、本発明の組成物は、飲食品に「コク味」を付与するために利用できる。すなわち、本発明の組成物の一態様は、「コク味」付与剤である。本発明において、「コク味」とは、甘味(sweet taste)、塩味(salty taste)、酸味(sour taste)、苦味(bitter taste)、うま味(umami)で表される5基本味(five basic taste)では表せない感覚を意味し、基本味だけではなく、厚み(thickness)、ひろがり(growth (mouthfulness))、持続性(continuity)、まとまり(harmony)等の基本味の周辺の味(marginal tastes)や風味(marginal flavor)をも増強した味覚をいう。本発明において、「「コク味」の付与」には、基本味の増強や、それに伴う厚み、ひろがり、持続性、まとまりなど基本味の周辺の味を付与または増強することが含まれる。
本発明において、γ−グルタミルペプチドおよび脂肪球を総称して「有効成分」ともいう。本発明においては、有効成分を併用することにより、γ−グルタミルペプチドを単独で使用する場合と比較して、飲食品の「コク味」をさらに増強する効果が得られる。本発
明において、同効果を「「コク味」のブースト効果」ともいう。
<1−1>γ−グルタミルペプチド
本発明において用いられるγ−グルタミルペプチドは、飲食品に「コク味」を付与できるものであれば特に制限されない。γ−グルタミルペプチドとしては、一般式:γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)で表されるγ−グルタミルトリペプチドおよび一般式:γ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)で表されるγ−グルタミルジペプチドが挙げられる。上記一般式において、「γ−」とは、グルタミン酸のγ位のカルボキシル基を介してXまたはYが結合していることを意味する。γ−グルタミルペプチドとしては、1種のγ−グルタミルペプチドを用いてもよく、2種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドを組み合わせて用いてもよい。
アミノ酸として、具体的には、例えば、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Pro、Hyp等の中性アミノ酸、Asp、Glu等の酸性アミノ酸、Lys、Arg、His等の塩基性アミノ酸、Phe、Tyr、Trp等の芳香族アミノ酸、Orn、Sar、Cit、Nva、Nle、Abu、Tau、Hyp、t−Leu、Cle、Aib、Pen、Hse等の他のアミノ酸が挙げられる。
なお、本発明において、アミノ基残基の略号は以下のアミノ酸を意味する。
(1)Gly:グリシン
(2)Ala:アラニン
(3)Val:バリン
(4)Leu:ロイシン
(5)Ile:イソロイシン
(6)Met:メチオニン
(7)Phe:フェニルアラニン
(8)Tyr:チロシン
(9)Trp:トリプトファン
(10)His:ヒスチジン
(11)Lys:リジン
(12)Arg:アルギニン
(13)Ser:セリン
(14)Thr:トレオニン
(15)Asp:アスパラギン酸
(16)Glu:グルタミン酸
(17)Asn:アスパラギン
(18)Gln:グルタミン
(19)Cys:システイン
(20)Pro:プロリン
(21)Orn:オルニチン
(22)Sar:サルコシン
(23)Cit:シトルリン
(24)Nva:ノルバリン
(25)Nle:ノルロイシン
(26)Abu:α−アミノ酪酸
(27)Tau:タウリン
(28)Hyp:ヒドロキシプロリン
(29)t−Leu:tert−ロイシン
(30)Cle:シクロロイシン
(31)Aib:α−アミノイソ酪酸(2−メチルアラニン)
(32)Pen:ペニシラミン
(33)Hse:ホモセリン
アミノ酸誘導体とは、上記のようなアミノ酸の各種誘導体をいう。アミノ酸誘導体としては、例えば、特殊アミノ酸、非天然アミノ酸、アミノアルコール、ならびに末端カルボニル基、末端アミノ基、およびシステインのチオール基等の官能基の1またはそれ以上が各種置換基により置換されたアミノ酸が挙げられる。置換基として、具体的には、例えば、アルキル基、アシル基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、スルフォニル基、および各種保護基が挙げられる。アミノ酸誘導体として、具体的には、例えば、Arg(NO):N−γ−ニトロアルギニン、Cys(SNO):S−ニトロシステイン、Cys(S−Me):S−メチルシステイン、Cys(S−allyl):S−アリルシステイン、Val−NH:バリンアミド、Val−ol:バリノール(2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール)、Met(O):メチオニンスルホキシド、およびCys(S−Me)(O):S−メチルシステインスルホキシドが挙げられる。
γ−グルタミルペプチドとして、具体的には、例えば、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Nva−Gly、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Nvaが挙げられる。これらの中では、例えば、γ−Glu−Val−Glyが好ましい。γ−Glu−Val−Gly(CAS 38837-70-6;Gluvalicineとも呼ぶ)の構造式を下記式(I)に示す。
本発明において、γ−グルタミルペプチドを構成するアミノ酸およびアミノ酸誘導体は、特記しない限り、いずれもL−体である。
本発明において、γ−グルタミルペプチドは、特記しない限り、いずれもフリー体、もしくはその塩、またはそれらの混合物である。すなわち、「γ−グルタミルペプチド」という用語は、特記しない限り、フリー体のγ−グルタミルペプチド、もしくはその塩、またはそれらの混合物を意味する。
塩は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。例えば、カルボキシル基等の酸性基に対する塩としては、具体的には、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロへキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。また、例えば、アミノ基等の塩基性基に対する塩としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸、メチルマロン酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げられる。なお、塩としては、1種の塩を用いてもよく、2種またはそれ以上の塩を組み合わせて
用いてもよい。
γ−グルタミルペプチドとしては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
ペプチドの製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。公知の方法としては、例えば、(1)化学的にペプチドを合成する方法や(2)酵素的な反応によりペプチドを合成する方法が挙げられる。アミノ酸残基数が2〜3残基の比較的短いペプチドの合成には、特に、化学的に合成する方法を用いるのが簡便である。
化学的にペプチドを合成する場合、ペプチド合成機を用いてペプチドを合成あるいは半合成することができる。化学的にペプチドを合成する方法としては、例えば、ペプチド固相合成法が挙げられる。合成されたペプチドは通常の手段、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。このようなペプチド固相合成法、およびそれに続くペプチド精製はこの技術分野においてよく知られたものである。
酵素的な反応によりペプチドを合成する場合、例えば、WO2004/011653に記載の方法を用いることができる。具体的には、例えば、カルボキシル基がエステル化またはアミド化されたアミノ酸またはジペプチドと、アミノ基がフリーの状態であるアミノ酸(例えばカルボキシル基が保護されたアミノ酸)とを、ペプチド生成酵素の存在下で反応させることにより、ジペプチドまたはトリペプチドを合成することができる。合成されたジペプチドまたはトリペプチドは、適宜精製することができる。ペプチド生成酵素としては、例えば、ペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物から分離した培養上清、該培養物から分離した菌体、該微生物の菌体処理物、それらから分離したペプチド生成酵素が挙げられる。ペプチド生成酵素としては、必要に応じて適宜精製されたものを用いることができる。
また、γ−グルタミルペプチドは、例えば、当該γ−グルタミルペプチドの生産能を有する微生物を培養し、培養液または菌体から当該γ−グルタミルペプチドを回収することで製造することができる。具体的には、例えば、特開2012-213376に記載の方法により、γ−Glu−Abu等のγ−グルタミルペプチドを高濃度に含有する酵母が得られる。また、γ−グルタミルペプチドは、例えば、当該γ−グルタミルペプチドを含有する農水畜産物から回収することで製造することができる。
γ−グルタミルペプチドは、精製品であってもよく、そうでなくてもよい。すなわち、γ−グルタミルペプチドとしては、当該ペプチドを高含有する素材を用いてもよい。「γ−グルタミルペプチドを高含有する」とは、γ−グルタミルペプチドの含有量が100ppm(w/w)以上であることをいう。すなわち、「γ−グルタミルペプチドを配合(添加)すること」には、当該ペプチドそのものを配合(添加)することに限られず、当該ペプチドを高含有する素材を配合(添加)することも包含される。γ−グルタミルペプチドを高含有する素材として、具体的には、例えば、当該ペプチドの生産能を有する微生物を培養して得られた培養液、菌体、培養上清等の発酵生産物、当該ペプチドを含有する農水畜産物、およびそれらの加工品が挙げられる。加工品としては、上記のような発酵生産物を、濃縮、希釈、乾燥、分画、抽出、精製等の処理に供したものが挙げられる。そのような加工品としては、例えば、γ−Glu−Abu等のγ−グルタミルペプチドを含有する酵母エキス(特開2012-213376)が挙げられる。なお、酵母エキス以外にも、飲食品(食材や調味料を含む)には天然にγ−グルタミルペプチドを含有するものが存在し得るが、そのような酵母エキス以外の飲食品(食材や調味料を含む)そのものは、本発明の方法における「γ−グルタミルペプチドを高含有する素材」からは除かれてもよい。γ−グルタ
ミルペプチドは、所望の程度に精製されていてよい。例えば、γ−グルタミルペプチドとしては、純度が50%(w/w)以上、70%(w/w)以上、90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上のものを用いてもよい。
<1−2>脂肪球
脂肪球は、「コク味」のブースト効果が得られるものであれば特に制限されない。
脂肪球の粒子径は、特に制限されない。粒子径は、脂肪球の喫食濃度や表面積等の諸条件に応じて適宜設定できる。粒子径は、例えば、0.1μm以上、0.2μm以上、または0.4μm以上であってもよく、50μm以下、30μm以下、または15μm以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。なお、「粒子径」とは、レーザー回折・散乱法によって得られた粒度分布における頻度基準での積算値50%での粒径(メジアン径)を意味する。粒子径は、具体的には、例えば、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(HORIBA LA-920)を用いて測定することができる。
脂肪球の製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。そのような方法としては、O/W型(水中油滴型)乳化物を調製する通常の手法が挙げられる。脂肪球の原料としては、油脂と乳化剤を用いることができる。すなわち、脂肪球は、例えば、油脂と乳化剤を原料として、油相(油脂)を水相中に分散(乳化)させることにより製造できる。乳化は、例えば、膜乳化により実施できる。膜乳化に用いる膜としては、SPG膜(シラス多孔質ガラス膜)が挙げられる。SPG膜の細孔径は、製造する脂肪球の粒子径に応じて適宜選択できる。具体的には、例えば、脂肪球は、分散相(油相)を膜を通して連続相(水相)に押し出すことにより製造することができる(直接膜乳化)。直接膜乳化において、乳化剤は、例えば、水相に含有させることができる。また、脂肪球は、分散相(油相)、乳化剤、および連続相(水相)をあらかじめ混合し、膜を通過させることによっても製造することができる(プレミックス膜乳化)。膜の通過は、1回のみ実施してもよく、2回またはそれ以上繰り返してもよい。膜の通過は、例えば、20回繰り返してもよい。膜の通過を繰り返すことにより、一般的に、脂肪球の粒子径の均一性が向上する。膜乳化には、例えば、SPG膜乳化装置やSPG膜乳化ポンピングデバイスを用いることができる。また、乳化は、例えば、油相(油脂)、乳化剤、および水相を混合し、ホモジナイズすることによっても実施できる。ホモジナイズには、例えば、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、高速攪拌機等の乳化装置を用いることができる。このようにして乳化を実施することにより、脂肪球が得られる。脂肪球は、具体的には、乳化液として得られる。このようにして製造された脂肪球(具体的には乳化液)は、そのまま、あるいは適宜、濃縮や乾燥等の処理に供してから利用することができる。例えば、脂肪球は、粉末化されてもよい。脂肪球の粉末化は、例えば、スプレードライにより実施することができる。スプレードライには、例えば、スプレードライヤーを用いることができる。脂肪球の形態は特に制限されない。すなわち、脂肪球は、粉末等の固体状、乳化液等の液体状、ペースト状等のいずれの形態であってもよい。本発明において、「粉末」には、例えば、いわゆる、粉、粉末、微粉、超微粉、粒、細粒、顆粒、粗粒、粉粒、粒体、粉体のいずれもが包含される。
油脂の種類は、特に制限されない。油脂としては、動物由来の油脂(動物油脂)や植物由来の油脂(植物油脂)が挙げられる。動物油脂としては、例えば、鶏脂、豚脂、牛脂、羊油、鯨油、魚油、卵油、バターが挙げられる。魚油としては、例えば、マグロ油、カツオ油、イワシ油、サバ油、サケ油、タラ油が挙げられる。植物油脂としては、例えば、菜種油、米油、紅花油、ヒマワリ油、オリーブ油、落花生油、パーム油、やし油、大豆油、コーン油、綿実油、ごま油、ぶどう種子油、えごま油が挙げられる。油脂としては、1種の油脂を用いてもよく、2種またはそれ以上の油脂を組み合わせて用いてもよい。
乳化剤としては、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリン有機酸エステル、モノグリセリン燐酸エステルが挙げられる。乳化剤としては、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選択されるものが好ましい。「モノグリセリン脂肪酸エステル」とは、グリセリンの水酸基に脂肪酸がエステル結合した化合物である。「ポリグリセリン脂肪酸エステル」とは、ポリグリセリンの水酸基に脂肪酸がエステル結合した化合物である。「ショ糖脂肪酸エステル」とは、ショ糖(スクロース)の水酸基に脂肪酸がエステル結合した化合物である。
乳化剤が脂肪酸エステルである場合、その構成脂肪酸としては、炭素数8〜24、好ましくは炭素数8〜18の脂肪酸が挙げられる。構成脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。炭素数8〜24の脂肪酸として、具体的には、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸(ベヘン酸;behenic acid)、エルカ酸が挙げられる。炭素数8〜18の脂肪酸として、具体的には、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられる。構成脂肪酸としては、1種の脂肪酸を用いてもよく、2種またはそれ以上の脂肪酸を組み合わせて用いてもよい。例えば、1分子のポリグリセリンまたは1分子のスクロースに2種またはそれ以上の脂肪酸がエステル結合していてもよい。乳化剤は、上記例示した脂肪酸を構成脂肪酸として有していてよい。乳化剤は、上記例示した脂肪酸を主要な構成脂肪酸として有していてもよい。例えば、乳化剤は、炭素数8〜18の脂肪酸を主要な構成脂肪酸として有していてもよく、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸から選択される1種またはそれ以上の脂肪酸を主要な構成脂肪酸として有していてもよい。「乳化剤が(或る)脂肪酸を主要な構成脂肪酸として有する」とは、乳化剤を構成する脂肪酸の総量に対する当該(或る)脂肪酸の量の比率が、例えば、50%(w/w)〜100%(w/w)、60%(w/w)〜100%(w/w)、または70%(w/w)〜100%(w/w)であることをいう。
乳化剤のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値は、例えば、0以上、3以上、5以上、6以上、または7以上であってもよく、15以下、または13以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。乳化剤は、具体的には、例えば、HLB値が5〜15、より好ましくは6〜15、特に好ましくは7〜13の乳化剤であってもよい。HLB値は、常法により決定することができる。HLB値の算出法としては、例えば、アトラス法、グリフィン法、デイビス法、川上法が挙げられる。HLB値の算出法は、乳化剤の種類等の諸条件に応じて適宜選択できる。なお、本発明において、上記例示したHLB値は、特記しない限り、いずれか1つまたはそれ以上の方法により決定されたHLB値がその値であればよい。すなわち、例えば、「HLB値が5〜15である」とは、特記しない限り、いずれか1つまたはそれ以上の方法により決定されたHLB値が5〜15であればよい。
なお、乳化剤は、通常、分子構造(モノグリセリン脂肪酸エステルの場合、エステル化率やエステル化位置等;ポリグリセリン脂肪酸エステルの場合、ポリグリセリンの重合度、ポリグリセリンの重合形態(直鎖状か、環状か、分岐状か)、エステル化率、エステル化位置等;ショ糖脂肪酸エステルの場合、エステル化率、エステル化位置等)の異なる複数種のエステル分子の混合物として提供され得る。本発明においては、説明の便宜上、そのような混合物を「1種」の乳化剤として扱うものとする。乳化剤としては、1種の乳化剤を用いてもよく、2種またはそれ以上の乳化剤を組み合わせて用いてもよい。例えば、2種またはそれ以上の乳化剤を全体としてHLB値が5〜15となるように組み合わせて用いてもよい。
モノグリセリン脂肪酸エステルにおける平均エステル化率、ポリグリセリン脂肪酸エステルにおけるポリグリセリンの平均重合度や平均エステル化率、ショ糖脂肪酸エステルにおける平均エステル化率は、いずれも、所望のHLB値等の諸条件に応じて適宜設定できる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける「ポリグリセリンの平均重合度」とは、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの重合度の平均値をいう。ポリグリセリンの平均重合度は、例えば、4以上、6以上、または8以上であってもよく、20以下、15以下、または12以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。ポリグリセリンの平均重合度は、例えば、4〜20であってもよく、8〜12であってもよい。ポリグリセリンの平均重合度は、例えば、約10であってもよい。「約10」とは、例えば、9.5以上10.5未満、9.9以上10.1以下、または10を意味する。ポリグリセリンの重合度は、ポリグリセリンの水酸基価に基づいて算出されるものとする。ポリグリセリンの水酸基価は、日本工業規格JIS K 0070:1992に準拠して測定されるものとする。
乳化剤は、上述の通り複数種のエステル分子の混合物として提供され得るが、例えば、モノエステル(モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖モノ脂肪酸エステル等)を含有していてよい。乳化剤は、モノエステルを主成分として含有していてもよく、そうでなくてもよい。「モノエステルを主成分として含有する」とは、混合物中のモノエステル含量が、例えば、50%(w/w)〜100%(w/w)、60%(w/w)〜100%(w/w)、または70%(w/w)〜100%(w/w)であるこという。
乳化剤としては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
乳化剤の製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。乳化剤は、例えば、化学合成、酵素反応、またはその組み合わせにより製造することができる。具体的には、例えば、モノグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンに脂肪酸をエステル結合させることにより製造できる。また、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンに脂肪酸をエステル結合させることにより製造できる。また、例えば、ショ糖脂肪酸エステルは、スクロースに脂肪酸をエステル結合させることにより製造できる。
市販のモノグリセリン脂肪酸エステルとしては、ポエムM-100(理研ビタミン株式会社)が挙げられる。市販のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、CA-F4、O-50D、O-15D、SWA-10D、CE-19D、M-7D、L-7D(いずれも三菱化学フーズ株式会社)が挙げられる。市販のショ糖脂肪酸エステルとしては、S-770(三菱化学フーズ株式会社)が挙げられる。
<1−3>本発明の組成物
本発明の組成物は、上記有効成分を含む。
本発明の組成物は、上記有効成分のみからなるものであってもよく、その他の成分を含むものであってもよい。本発明の組成物は、調味料として構成されてもよい。
「その他の成分」は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。「その他の成分」としては、例えば、調味料、飲食品、または医薬品に配合して利用されるものを利用できる。
「その他の成分」としては、例えば、上記γ−グルタミルペプチド以外の、「コク味」
付与活性を有する化合物やカルシウム受容体刺激活性を有する化合物が挙げられる。「コク味」付与活性を有する化合物として、具体的には、例えば、アリインが挙げられる。カルシウム受容体刺激活性を有する化合物として、具体的には、例えば、カルシウム、カドリニウム等のカチオン;ポリアルギニン、ポリリジン等の塩基性ペプチド;プトレッシン、スペルミン、スペルミジン等のポリアミン;プロタミン等のタンパク質;フェニルアラニン等のペプチド;シナカルセットが挙げられる。これらの化合物についても、塩を形成し得るものは塩の形態で利用されてもよい。塩については、上述したγ−グルタミルペプチドの塩の記載を準用できる。
また、「その他の成分」として、具体的には、例えば、砂糖、蜂蜜、メープルシロップ、スクロース、グルコース、フルクトース、異性化糖、オリゴ糖等の糖類;キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール類;天然または人工甘味料;食塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類;酢酸、クエン酸等の有機酸類およびその塩;グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸類およびその塩;イノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸等の核酸類およびその塩;食物繊維、pH緩衝剤、賦形剤、増量剤、香料、食用油、エタノール、水が挙げられる。塩については、上述のγ−グルタミルペプチドの塩の記載を準用できる。
「その他の成分」としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物の形態は特に制限されない。本発明の組成物は、例えば、粉末状、顆粒状、液状、ペースト状、キューブ状等のいかなる形態であってもよい。
本発明の組成物における各成分(すなわち、有効成分および任意でその他の成分)の濃度や含有比率は、「コク味」のブースト効果が得られる限り特に制限されない。
本発明の組成物における有効成分の濃度や含有比率は、有効成分の種類、有効成分の喫食濃度、本発明の組成物の使用量等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
本発明の組成物における有効成分の総濃度は、特に制限されないが、例えば、1ppm(w/w)以上、10ppm(w/w)以上、100ppm(w/w)以上、または1000ppm(w/w)以上であってもよく、100%(w/w)以下、99.9%(w/w)以下、50%(w/w)以下、10%(w/w)以下、または1%(w/w)以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。なお、「有効成分の総濃度」とは、γ−グルタミルペプチドの濃度および脂肪球の濃度の合計を意味する。
本発明の組成物において、γ−グルタミルペプチドの含有量に対する脂肪球の含有量の比率(重量比)(脂肪球の含有量/γ−グルタミルペプチドの含有量)は、例えば、0.033以上、0.33以上、または1以上であってもよく、100以下、50以下、または33以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。γ−グルタミルペプチドの含有量に対する脂肪球の含有量の比率(脂肪球の含有量/γ−グルタミルペプチドの含有量)は、具体的には、例えば、0.33〜33であってよい。
なお、有効成分の含有量(濃度)は、有効成分を含有する素材を用いる場合にあっては、当該素材中の有効成分そのものの量に基づいて算出されるものとする。また、有効成分の含有量(濃度)は、有効成分が塩を形成している場合にあっては、塩の質量を等モルのフリー体の質量に換算して算出されるものとする。
本発明の組成物における各有効成分の濃度は、例えば、上記例示した有効成分の総濃度
や含有比率を満たすように設定することができる。
本発明の組成物に含まれる各成分(すなわち、有効成分および任意でその他の成分)は、互いに混合されて本発明の組成物に含まれていてもよく、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、本発明の組成物に含まれていてもよい。本発明の組成物を添加して製造された飲食品中で有効成分が共存していれば「コク味」のブースト効果が得られる。
<2>本発明の方法
本発明においては、有効成分(すなわち、γ−グルタミルペプチドおよび脂肪球)を利用して飲食品に「コク味」を付与することができる。すなわち、本発明の方法は、有効成分を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品に「コク味」を付与する方法である。また、本発明の方法の一態様は、有効成分を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の製造方法である。
本発明においては、例えば、本発明の組成物を利用して飲食品に「コク味」を付与することができる。すなわち、本発明の組成物を添加することにより有効成分を添加することができ、以て、飲食品に「コク味」を付与することができる。すなわち、言い換えると、本発明の方法は、本発明の組成物を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品に「コク味」を付与する方法であってよい。また、本発明の方法の一態様は、本発明の組成物を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の製造方法であってよい。
本発明の方法により得られる飲食品を「本発明の飲食品」ともいう。本発明の飲食品は、具体的には、「コク味」の付与された飲食品である。また、本発明の飲食品は、言い換えると、γ−グルタミルペプチドおよび脂肪球が添加された飲食品である。なお、「添加」を「配合」ともいう。
飲食品は清澄系飲食品である。飲食品としては、清澄系であれば特に制限されず、あらゆる飲食品が包含される。飲食品には、調味料も包含される。飲食品としては、例えば、清涼飲料、アルコール飲料、スープなどの飲料;ゼリー等が挙げられる。「清涼飲料」とは、牛乳および乳製品を除く非アルコール性飲料(アルコール濃度1%未満の飲料)をいう。清涼飲料として、具体的には、例えば、水、果実ジュース(果汁)、野菜ジュース、茶、炭酸飲料、スポーツドリンクが挙げられる。スープとして、具体的には、例えば、コンソメスープ(チキン、ポーク、ビーフ等)、卵入りスープ、ワカメ入りスープ、ふかひれ入りスープ、中華風スープ、カレー風味スープ、お吸い物が挙げられる。また、飲食品には、一般食品に限られず、栄養補助食品(サプリメント)、栄養機能食品、特定保健用食品等の、いわゆる健康食品や医療用食品も包含される。例えば、上記例示したような飲食品は、一般食品として提供されてもよいし、健康食品や医療用食品として提供されてもよい。飲食品の提供態様は特に制限されない。飲食品は、そのまま喫食できる態様で提供されてもよく、そうでなくてもよい。飲食品は、例えば、喫食前または喫食時に喫食に適した態様に調製されて喫食されてもよい。本発明において、「清澄系」とは、測定光路長10mmでの波長660nmの透過率(T)が1%〜100%であることをいう。なお、飲食品が卵入りスープ等の固形具材を含有する飲食品である場合、清澄系飲食品であるか否かは、固形具材を除去した残部の液相について透過率を測定することにより判断される。また、飲食品は、喫食時に清澄系となるものであればよい。すなわち、例えば、清澄系飲食品には、固形スープ(フリーズドライスープ等)や濃縮スープであって、喫食時に清澄系となるものも含まれる。
本発明の飲食品は、本発明の組成物または有効成分を添加すること以外は、通常の飲食品と同様の原料を用い、同様の方法によって製造することができる。本発明の組成物また
は有効成分の添加は、飲食品の製造工程のいずれの段階で行われてもよい。すなわち、本発明の組成物または有効成分は、飲食品の原料に添加されてもよく、製造途中の飲食品に添加されてもよく、完成した飲食品に添加されてもよい。本発明の組成物または有効成分は、1回のみ添加されてもよく、2またはそれ以上の回数に分けて添加されてもよい。また、本発明の組成物を添加する場合、本発明の組成物が各有効成分をそれぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に含む場合には、各有効成分は同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。また、有効成分を添加する場合、各有効成分は同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。
本発明の方法は、さらに、その他の成分(有効成分以外の成分)を添加することを含んでいてもよい。ここでいう「その他の成分」については、上述した本発明の組成物における「その他の成分」についての記載を準用できる。また、本発明の組成物を「その他の成分」とさらに併用してもよい。「その他の成分」を添加する場合、「その他の成分」の添加も、本発明の組成物または有効成分の添加と同様に行うことができる。例えば、「その他の成分」と本発明の組成物または有効成分とは、同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。
本発明の方法における各成分(すなわち、有効成分および任意でその他の成分)の添加量や添加比率は、「コク味」のブースト効果が得られる限り特に制限されない。
有効成分を添加する場合、有効成分の添加量や添加比率は、有効成分の種類や本発明の飲食品の摂取態様等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
γ−グルタミルペプチドは、飲食品またはその原料に、例えば、γ−グルタミルペプチドの喫食濃度が、0.005ppm(w/w)以上、0.01ppm(w/w)以上、0.1ppm(w/w)以上、1ppm(w/w)以上、または3ppm(w/w)以上となるように添加されてもよく、200ppm(w/w)以下、100ppm(w/w)以下、50ppm(w/w)以下、または20ppm(w/w)以下となるように添加されてもよく、それらの組み合わせとなるように添加されてもよい。γ−グルタミルペプチドは、飲食品またはその原料に、例えば、γ−グルタミルペプチドの喫食濃度が、0.005ppm(w/w)〜100ppm(w/w)、好ましくは3ppm(w/w)〜20ppm(w/w)となるように添加されてもよい。
脂肪球は、飲食品またはその原料に、例えば、脂肪球の喫食濃度が、0.1ppm(w/w)以上、1ppm(w/w)以上、2ppm(w/w)以上、または3ppm(w/w)以上となるように添加されてもよく、300ppm(w/w)以下、150ppm(w/w)以下、100ppm(w/w)以下、または80ppm(w/w)以下となるように添加されてもよく、それらの組み合わせとなるように添加されてもよい。脂肪球は、飲食品またはその原料に、例えば、脂肪球の喫食濃度が、1ppm(w/w)〜100ppm(w/w)、好ましくは2ppm(w/w)〜80ppm(w/w)となるように添加されてもよい。
脂肪球は、飲食品またはその原料に、例えば、喫食時の脂肪球の総表面積が、5cm/100g以上、10cm/100g以上、または20cm/100g以上となるように添加されてもよく、10000cm/100g以下、1000cm/100g以下、500cm/100g以下、または300cm/100g以下となるように添加されてもよく、それらの組み合わせとなるように添加されてもよい。脂肪球は、飲食品ま
たはその原料に、例えば、喫食時の脂肪球の総表面積が、5cm/100g〜1000cm/100g、好ましくは20cm/100g〜300cm/100gとなるように添加されてもよい。なお、「脂肪球の総表面積」とは、所定の量の飲食品当たりの脂肪球の表面積をいい、上記説明における「/100g」は「飲食品100g当たり」を意味する。
濃縮または希釈されず喫食される(例えば、そのまま喫食される)飲食品を製造する場合、上記例示した各有効成分の喫食濃度は、そのまま、当該有効成分の添加量と読み替えてよい。また、濃縮または希釈されて喫食される飲食品を製造する場合、上記例示した各有効成分の喫食濃度と、濃縮または希釈の倍率とから、当該有効成分の添加量を設定することができる。例えば、10倍希釈して喫食される飲食品を製造する場合、上記例示した各有効成分の喫食濃度の10倍を、当該有効成分の添加量として設定してよい。
本発明の方法におけるγ−グルタミルペプチドの添加量に対する脂肪球の添加量の比率(重量比)(脂肪球の添加量/γ−グルタミルペプチドの添加量)は、例えば、0.033以上、0.33以上、または1以上であってもよく、100以下、50以下、または33以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。γ−グルタミルペプチドの添加量に対する脂肪球の添加量の比率(脂肪球の添加量/γ−グルタミルペプチドの添加量)は、例えば、0.33〜33であってよい。
なお、有効成分の添加量(濃度)は、有効成分を含有する素材を用いる場合にあっては、当該素材中の有効成分そのものの量に基づいて算出されるものとする。また、有効成分の添加量(濃度)は、有効成分が塩を形成している場合にあっては、塩の質量を等モルのフリー体の質量に換算して算出されるものとする。
本発明の組成物を添加する場合、その添加量は、「コク味」のブースト効果が得られる限り特に制限されない。本発明の組成物の添加量は、有効成分の種類、本発明の組成物における有効成分の濃度、飲食品の摂取態様等の諸条件に応じて適宜設定することができる。例えば、飲食品またはその原料に対して、本発明の組成物を、1ppm(w/w)〜50%(w/w)添加してもよく、10ppm(w/w)〜10%(w/w)添加してもよい。また、本発明の組成物は、例えば、各有効成分の喫食濃度が上記例示した各有効成分の喫食濃度範囲内となるように、飲食品またはその原料に対して添加されてよい。
本発明は、以下の実施例によって更に具体的に説明されるが、これらはいかなる意味でも本発明を限定する意図と解してはならない。実施例中、「ppm」は「ppm(w/w)」を意味する。
実施例1:γ−Glu−Val−Glyと脂肪球の併用効果
本実験例では、γ−Glu−Val−Gly(CAS 38837-70-6;Gluvalicineとも呼ぶ)と脂肪球を併用し、「コク味」のブースト効果について検証した。
(1)評価方法
市販チキンコンソメスープ(クノール製)を評価系として用いた。同スープをお湯で2%(w/v)に調製し、コントロールサンプル(無添加)とした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを3ppmで添加し、γ−Glu−Val−Gly単独添加サンプルを調製した。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを3ppmで、脂肪球を表1に示す添加濃度で添加し、評価サンプルを調製した。γ−Glu−Val−Glyとしては、WO2007/055393に記載の方法に準じて合成したものを用いた(以下の実施例においても同じ)。脂肪球としては、油脂としてキャノーラ油
(さらさらキャノーラ油;JOM)を、乳化剤としてO-50D(三菱化学フーズ株式会社)を用い、以下の方法により調製したものを用いた。
<脂肪球の調製方法(1)>
粒子径3.99μmの脂肪球は、以下の手順で調製した。
1.油脂に対して乳化剤を5%(w/w)で混合し、混合物を得た。
2.SPG(Shirasu Porous Glass)膜(細孔径15μm)を付けた25mLシリンジ(以下、「シリンジA」)に水を18g入れ、さらに上記混合物を2g入れた。
3.シリンジAの押子を押して、シリンジA内の水でSPG膜を濡らした。
4.シリンジAを軽く振り、シリンジA内で水と油を軽く乳化させた。
5.SPG膜の反対側にもう1つの25mLシリンジ(以下、「シリンジB」)を接続し、シリンジA内の液体をSPG膜を通してシリンジBに押し出し、さらに、SPG膜を通してシリンジAに戻した(ポンピング;1往復目)。
6.シリンジBを外してシリンジ内の空気を抜いた。
7.シリンジBをSPG膜に再度接続し、ポンピングを合計20往復実施し、ほぼ均一な粒子径の脂肪球を得た。
<脂肪球の調製方法(2)>
粒子径0.41μm、1.43μm、2.28μmの脂肪球は、以下の手順で調製した。
1.油脂に対して乳化剤を5%(w/w)で混合し、混合物を得た。
2.水895gに対して上記混合物を105g入れ、高圧ホモジナイザーで処理し、脂肪球を得た。圧力とパス数は以下の通りである。
0.41μm:40Mpa、6回パス
1.43μm:5Mpa、11回パス
2.28μm:5Mpa、2回パス
<脂肪球の調製方法(3)>
粒子径11.70μmの脂肪球は、以下の手順で調製した。
1.油脂に対して乳化剤を5%(w/w)で混合し、混合物を得た。
2.容量1000mLのジョッキに水を447.5g入れ、さらに上記混合物を52.5g入れた。
3.高速攪拌機にて撹拌速度5000rpm、30秒撹拌し、脂肪球を得た。
各サンプルの「コク味」について、評価者3名による官能評価を実施し、脂肪球の併用による「コク味」のブースト効果を決定した。ブースト効果は、「−:ブースト効果なし(γ−Glu−Val−Gly単独添加サンプルと同じ)」、「△:弱」、「○:強」の3段階の評点で示した。
(2)結果
結果を表1に示す。表中、「cm2」は、サンプル100g当たりの脂肪球の表面積(cm)を示す。γ−Glu−Val−Glyと脂肪球を併用することにより、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、高い評点が得られた。特に、脂肪球の添加濃度(喫食濃度)が1ppm〜100ppm、脂肪球の総表面積が5cm/100g〜300cm/100gの場合に、高い評点が得られた。すなわち、γ−グルタミルペプチドと脂肪球の併用により、「コク味」がさらに増強されることが明らかとなった。一方、脂肪球の添加濃度が400ppmを超える場合は、脂肪球由来の油脂が官能へ与える影響が大きく、コク味増強効果を確認することができなかった。
実施例2:乳化剤の種類の検討
本実験例では、γ−Glu−Val−Glyと、各種乳化剤を原料として製造された脂肪球を併用し、「コク味」のブースト効果について検証した。
(1)評価方法
市販チキンコンソメスープ(クノール製)を評価系として用いた。同スープをお湯で2%(w/v)に調製し、コントロールサンプル(無添加)とした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを3ppmで添加し、γ−Glu−Val−Gly単独添加サンプルを調製した。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを3ppmで、脂肪球を20ppmで添加し、評価サンプルを調製した。脂肪球としては、油脂(さらさらキャノーラ油;JOM)と各種乳化剤を用い、実施例1に記載の方法により調製したもの(粒子径3.99μm)を用いた。乳化剤としては、リョートーポリグリエステルシリーズ(CA-F4、O-50D、O-15D、SWA-10D、CE-19D、L-7D;三菱化学フーズ株式会社)、ポエムM-100(理研ビタミン株式会社)、S-770(三菱化学フーズ株式会社)を用いた(表2)。
各サンプルの「コク味」について、評価者3名による官能評価を実施し、脂肪球の併用による「コク味」のブースト効果を決定した。ブースト効果は、「−:ブースト効果なし(γ−Glu−Val−Gly単独添加サンプルと同じ)」、「△:弱」、「○:強(O-50Dの脂肪球と同等のブースト効果)」の3段階の評点で示した。
(2)結果
結果を表2に示す。特に、γ−Glu−Val−GlyとHLB値が5〜15の乳化剤を原料として製造された脂肪球を併用することにより、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、高い評点が得られた。すなわち、γ−グルタミルペプチドとHLB値が5〜15の乳化剤を原料として製造された脂肪球の併用により、「コク味」がさらに増強されることが明らかとなった。
実施例3:油脂の種類の検討
本実験例では、γ−Glu−Val−Glyと、各種油脂を原料として製造された脂肪球を併用し、「コク味」のブースト効果について検証した。
(1)評価方法
市販チキンコンソメスープ(クノール製)を評価系として用いた。同スープをお湯で2%(w/v)に調製し、コントロールサンプル(無添加)とした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを3ppmで添加し、γ−Glu−Val−Gly単独添加サンプルを調製した。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを3ppmで、脂肪球を10ppmで添加し、評価サンプルを調製した。脂肪球としては、各種油脂(表3)と乳化剤(O-50D;三菱化学フーズ株式会社)を用い、実施例1に記載の脂肪球の調製方法(1)により調製したもの(粒子径約4μm)を用いた。
各サンプルの「コク味」について、評価者2名による官能評価を実施し、脂肪球の併用による「コク味」のブースト効果を決定した。ブースト効果は、「−:ブースト効果なし(γ−Glu−Val−Gly単独添加サンプルと同じ)」、「△:弱」、「○:強(キャノーラ油の脂肪球と同等のブースト効果)」の3段階の評点で示した。
(2)結果
結果を表3に示す。γ−Glu−Val−Glyといずれの油脂を原料として製造された脂肪球を併用した場合にも、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、高い評点が得られた。すなわち、原料油脂の種類を問わず、γ−グルタミルペプチドと脂肪球の併用により、「コク味」がさらに増強されることが明らかとなった。
参考例:清澄系の検討
各種市販の調味料およびクリーマー(表4)を水に溶解し、測定光路長10mmでの波長660nmの透過率(T)を測定した。結果を表4に示す。また、実施例で用いた2%(w/v)チキンコンソメスープについて、同様に透過率(T)を測定した結果を表5に示す。これらの結果から、本発明における「清澄系」を、測定光路長10mmでの波長660nmの透過率(T)が1%〜100%であることと定義した。
実施例4:脂肪球の形態の検討
(1)粉末化脂肪球及び脂肪球乳化液の調製
図1に示すフローに基づいて、脂肪球乳化液(脂肪球粒子径2.50μm)及び粉末化脂肪球(脂肪球粒子径2.31μm)を調製した。なお、デキストリンとしてはパインデックス#3(松谷化学社製)を、乳化剤としてはリョートーシュガーエステルS-1570(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB15、三菱化学フーズ社製)を、油脂としてはさらさらキャノーラ油(J-オイルミルズ社製)を用いた。
(2)評価方法
市販チキンコンソメスープ(クノール製)を評価系として用いた。同スープをお湯で2%(w/v)に調製し、コントロールサンプル(無添加)とした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを3ppmで添加し、γ−Glu−Val−Gly単独添加サンプルを調製した。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを3ppmで、(1)で調製した各脂肪球を、互いに同一の脂肪球表面積が得られるように、脂肪球乳化液の場合3.7ppmで、粉末化脂肪球の場合3.4ppmで添加し、評価サンプルを調製した。
各サンプルの「コク味」について、評価者2名による官能評価を実施し、脂肪球の併用による「コク味」のブースト効果を決定した。ブースト効果は、「−:ブースト効果なし(γ−Glu−Val−Gly単独添加サンプルと同じ)」、「△:弱」、「○:強」の3段階の評点で示した。
(3)結果
結果を表6に示す。γ−Glu−Val−Glyといずれの形態の脂肪球を併用した場合にも、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、高い評点が得られた。すなわち、粉末や液体等の脂肪球の形態を問わず、γ−グルタミルペプチドと脂肪球の併用により、「コク味」がさらに増強されることが明らかとなった。

Claims (13)

  1. γ−グルタミルペプチドおよび脂肪球を含有し、
    前記γ−グルタミルペプチドが、γ−Glu−Val−Glyであり、
    前記脂肪球が、油脂と乳化剤を原料として製造されたものであり、
    前記油脂が、植物由来の油脂であり、
    清澄系飲食品にコク味を付与するために用いられる、
    組成物。
  2. 前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの透過率が1%〜100%である飲食品である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記乳化剤が、HLB値が5〜15の乳化剤である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記乳化剤が、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルから選択される1種またはそれ以上の乳化剤である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記γ−グルタミルペプチドの含有量に対する前記脂肪球の含有量の比率(脂肪球含有量/γ−グルタミルペプチド含有量)が、重量比で、0.33〜33である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  6. γ−グルタミルペプチドおよび脂肪球を飲食品またはその原料に添加することを含み、
    前記γ−グルタミルペプチドが、γ−Glu−Val−Glyであり、
    前記脂肪球が、油脂と乳化剤を原料として製造されたものであり、
    前記油脂が、植物由来の油脂である、
    清澄系飲食品の製造方法。
  7. 前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの透過率が1%〜100%である飲食品である、請求項に記載の方法。
  8. 前記清澄系飲食品が、清涼飲料、アルコール飲料、スープ、およびゼリーから選択される1種またはそれ以上の飲食品である、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記乳化剤が、HLB値が5〜15の乳化剤である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記乳化剤が、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルから選択される1種またはそれ以上の乳化剤である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記γ−グルタミルペプチドの添加量に対する前記脂肪球の添加量の比率(脂肪球添加量/γ−グルタミルペプチド添加量)が、重量比で、0.33〜33である、請求項6〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記脂肪球が、脂肪球の喫食濃度が1ppm(w/w)〜100ppm(w/w)となるように添加される、請求項6〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記脂肪球が、喫食時の脂肪球の総表面積が5cm/100g〜1000cm/100gとなるように添加される、請求項6〜12のいずれか1項に記載の方法。
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