JP2017143830A - コク味付与機能を有する組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】飲食品に対して効果的に「コク味」を付与する技術を提供する。
【解決手段】γ−Glu−Val−Gly等のγ−グルタミルペプチドとゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%以上の多糖類とを併用することにより、飲食品に「コク味」を付与する。
【選択図】なし
【解決手段】γ−Glu−Val−Gly等のγ−グルタミルペプチドとゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%以上の多糖類とを併用することにより、飲食品に「コク味」を付与する。
【選択図】なし
Description
本発明は、「コク味」付与機能を有する組成物およびその利用に関するものである。
食品領域では呈味物質が古くから利用されてきた。特に、甘味(sweet taste)、塩味
(salty taste)、酸味(sour taste)、苦味(bitter taste)、うま味(umami)で表される5基本味(five basic taste)を有する物質やこれらを増強する物質が調味料として広く利用されている。
(salty taste)、酸味(sour taste)、苦味(bitter taste)、うま味(umami)で表される5基本味(five basic taste)を有する物質やこれらを増強する物質が調味料として広く利用されている。
上記基本味では表せない味覚として「コク味」がある。「コク味」とは、基本味だけではなく、厚み(thickness)、ひろがり(growth(mouthfulness))、持続性(continuity)、まとまり(harmony)等の基本味の周辺の味(marginal tastes)や風味(marginal flavor)をも増強した味覚をいう。これまで、飲食品に対して効果的に「コク味」を付与する技術が求められてきた。
「コク味」を付与することのできる物質(「コク味」付与物質)としては、例えば、グルタチオン(γ−Glu−Cys−Gly)やγ−Glu−Val−Gly等のγ−グルタミルトリペプチド、およびγ‐Glu‐Metやγ‐Glu‐Thr等のγ−グルタミルジペプチドが知られている(特許文献1、2)。
また、γ−Glu−Val−Glyを含有するクリーマー組成物が知られている(特許文献3)。特許文献3には、同クリーマー組成物にはさらに増粘多糖類を含有させることができ、増粘多糖類としてはカラギーナンやキサンタンガムが例示できることが開示されている。
また、γ−グルタミルペプチドを、アルギン酸とプロピレングリコールのエステルまたは混合物と併用することにより、「コク味」がさらに増強されることが知られている(特許文献4)。特許文献4には、さらに、コンソメスープにγ−Glu−Val−Glyとカラギーナンやキサンタンガム等の各種多糖類とを添加したことが開示されている。
しかしながら、γ−Glu−Val−Gly等のγ−グルタミルペプチドとゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%以上の多糖類とを併用することで「コク味」がさらに増強されることは知られていない。
本発明は、飲食品に対して効果的に「コク味」を付与する技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、γ−Glu−Val−Gly等のγ−グルタミルペプチドとゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%以上の多糖類とを併用することで、「コク味」がさらに増強されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおり例示できる。
[1]
下記成分(A)および(B)を含有する組成物:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)下記性質(B1)および(B2)を示す多糖:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が−30mV以下である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が85%以上である。
[2]
前記透過率が、95%以上である、[1]に記載の組成物。
[3]
前記成分(A)の含有量に対する前記成分(B)の含有量の比率(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)が、重量比で、0.05〜5000である、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記成分(A)の含有量が、40ppm(w/w)以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Abuから選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドである、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記成分(B)が、キサンタンガムおよびカラギーナンから選択される1種またはそれ以上の多糖である、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
コク味付与剤である、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]
清澄系飲食品にコク味を付与するために用いられる、[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの光の透過率が1%〜100%である飲食品である、[9]に記載の組成物。
[11]
下記成分(A)および(B)を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の製造方法:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上
のγ−グルタミルペプチド;
(B)下記性質(B1)および(B2)を示す多糖:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が−30mV以下である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が85%以上である。
[12]
前記透過率が、95%以上である、[11]に記載の方法。
[13]
前記成分(A)の添加量に対する前記成分(B)の添加量の比率(成分(B)の添加量/成分(A)の添加量)が、重量比で、0.05〜5000である、[11]または[12]に記載の方法。
[14]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Abuから選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドである、[11]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、[11]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16]
前記成分(B)が、キサンタンガムおよびカラギーナンから選択される1種またはそれ以上の多糖である、[11]〜[15]のいずれかに記載の方法。
[17]
前記成分(A)が、成分(A)の喫食濃度が0.005ppm(w/w)〜100ppm(w/w)となるように添加される、[11]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18]
前記成分(B)が、成分(B)の喫食濃度が1ppm(w/w)〜1000ppm(w/w)となるように添加される、[11]〜[17]のいずれかに記載の方法。
[19]
前記成分(B)がカラギーナンである場合、前記成分(B)が、カラギーナンの喫食濃度が30ppm(w/w)以上となるように添加される、[11]〜[18]のいずれかに記載の方法。
[20]
前期製造される飲食品が、コク味が付与された飲食品である、[11]〜[19]のいずれかに記載の方法。
[21]
前期製造される飲食品が、清澄系飲食品である、[11]〜[20]のいずれかに記載の方法。
[22]
前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの光の透過率が1%〜100%である飲食品である、[21]に記載の方法。
[23]
下記成分(A)および(B)を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品にコク味を付与する方法:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)下記性質(B1)および(B2)を示す多糖:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が−30mV以下である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が85%以上である。
[1]
下記成分(A)および(B)を含有する組成物:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)下記性質(B1)および(B2)を示す多糖:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が−30mV以下である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が85%以上である。
[2]
前記透過率が、95%以上である、[1]に記載の組成物。
[3]
前記成分(A)の含有量に対する前記成分(B)の含有量の比率(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)が、重量比で、0.05〜5000である、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記成分(A)の含有量が、40ppm(w/w)以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Abuから選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドである、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記成分(B)が、キサンタンガムおよびカラギーナンから選択される1種またはそれ以上の多糖である、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
コク味付与剤である、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]
清澄系飲食品にコク味を付与するために用いられる、[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの光の透過率が1%〜100%である飲食品である、[9]に記載の組成物。
[11]
下記成分(A)および(B)を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の製造方法:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上
のγ−グルタミルペプチド;
(B)下記性質(B1)および(B2)を示す多糖:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が−30mV以下である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が85%以上である。
[12]
前記透過率が、95%以上である、[11]に記載の方法。
[13]
前記成分(A)の添加量に対する前記成分(B)の添加量の比率(成分(B)の添加量/成分(A)の添加量)が、重量比で、0.05〜5000である、[11]または[12]に記載の方法。
[14]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Abuから選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドである、[11]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15]
前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、[11]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16]
前記成分(B)が、キサンタンガムおよびカラギーナンから選択される1種またはそれ以上の多糖である、[11]〜[15]のいずれかに記載の方法。
[17]
前記成分(A)が、成分(A)の喫食濃度が0.005ppm(w/w)〜100ppm(w/w)となるように添加される、[11]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18]
前記成分(B)が、成分(B)の喫食濃度が1ppm(w/w)〜1000ppm(w/w)となるように添加される、[11]〜[17]のいずれかに記載の方法。
[19]
前記成分(B)がカラギーナンである場合、前記成分(B)が、カラギーナンの喫食濃度が30ppm(w/w)以上となるように添加される、[11]〜[18]のいずれかに記載の方法。
[20]
前期製造される飲食品が、コク味が付与された飲食品である、[11]〜[19]のいずれかに記載の方法。
[21]
前期製造される飲食品が、清澄系飲食品である、[11]〜[20]のいずれかに記載の方法。
[22]
前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの光の透過率が1%〜100%である飲食品である、[21]に記載の方法。
[23]
下記成分(A)および(B)を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品にコク味を付与する方法:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)下記性質(B1)および(B2)を示す多糖:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が−30mV以下である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が85%以上である。
本発明により、飲食品に対して効果的に「コク味」を付与できる組成物を提供できる。また、本発明により、「コク味」の付与された飲食品を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明に関する下記の説明は、いずれも単独で採用してもよく、適宜組み合わせて採用してもよい。
<1>本発明の組成物
本発明の組成物は、下記成分(A)および(B)を含有する組成物である:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)ゼータ電位が−30mV以下であり、且つ、透過度が85%以上である、多糖。
本発明の組成物は、下記成分(A)および(B)を含有する組成物である:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)ゼータ電位が−30mV以下であり、且つ、透過度が85%以上である、多糖。
本発明において、成分(A)および成分(B)を総称して、「有効成分」ともいう。
本発明の組成物は、「コク味」付与機能を有する。「「コク味」付与機能」とは、飲食品等の対象物に「コク味」を付与する機能をいう。よって、本発明の組成物は、飲食品に「コク味」を付与するために利用できる。すなわち、本発明の組成物の一態様は、「コク味」付与剤である。本発明において、「コク味」とは、甘味(sweet taste)、塩味(salty taste)、酸味(sour taste)、苦味(bitter taste)、うま味(umami)で表される
5基本味(five basic taste)では表せない感覚を意味し、基本味だけではなく、厚み(thickness)、ひろがり(growth (mouthfulness))、持続性(continuity)、まとまり(harmony)等の基本味の周辺の味(marginal tastes)や風味(marginal flavor)をも
増強した味覚をいう。本発明において、「「コク味」の付与」としては、例えば、基本味を増強することや、それに伴う厚み、ひろがり、持続性、まとまり等の基本味の周辺の味を付与または増強することが挙げられる。「コク味」の測定および比較は、例えば、専門パネルによる官能評価により実施できる。
5基本味(five basic taste)では表せない感覚を意味し、基本味だけではなく、厚み(thickness)、ひろがり(growth (mouthfulness))、持続性(continuity)、まとまり(harmony)等の基本味の周辺の味(marginal tastes)や風味(marginal flavor)をも
増強した味覚をいう。本発明において、「「コク味」の付与」としては、例えば、基本味を増強することや、それに伴う厚み、ひろがり、持続性、まとまり等の基本味の周辺の味を付与または増強することが挙げられる。「コク味」の測定および比較は、例えば、専門パネルによる官能評価により実施できる。
本発明においては、成分(A)と成分(B)を併用することにより、成分(A)を単独で使用する場合と比較して、飲食品の「コク味」をさらに増強することができる。すなわち、本発明においては、成分(A)と成分(B)を併用することにより、成分(A)を単独で使用する場合と比較して、飲食品の「コク味」をさらに増強する効果が得られる。本発明において、同効果を「「コク味」のブースト効果」ともいう。
<1−1>成分(A)
成分(A)は、γ−グルタミルペプチドである。本発明において用いられるγ−グルタミルペプチドは、飲食品に「コク味」を付与できるものであれば特に制限されない。γ−グルタミルペプチドとしては、一般式:γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)で表されるγ−グルタミルトリペプチドおよび一般式:γ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)で表されるγ−グルタミルジペプチドが挙げられる。上記一般式において、「γ−」とは、グルタミン酸のγ位のカルボキシル基を
介してXまたはYが結合していることを意味する。γ−グルタミルペプチドとしては、1種のγ−グルタミルペプチドを用いてもよく、2種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドを組み合わせて用いてもよい。
成分(A)は、γ−グルタミルペプチドである。本発明において用いられるγ−グルタミルペプチドは、飲食品に「コク味」を付与できるものであれば特に制限されない。γ−グルタミルペプチドとしては、一般式:γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)で表されるγ−グルタミルトリペプチドおよび一般式:γ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)で表されるγ−グルタミルジペプチドが挙げられる。上記一般式において、「γ−」とは、グルタミン酸のγ位のカルボキシル基を
介してXまたはYが結合していることを意味する。γ−グルタミルペプチドとしては、1種のγ−グルタミルペプチドを用いてもよく、2種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドを組み合わせて用いてもよい。
アミノ酸として、具体的には、例えば、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Pro、Hyp等の中性アミノ酸、Asp、Glu等の酸性アミノ酸、Lys、Arg、His等の塩基性アミノ酸、Phe、Tyr、Trp等の芳香族アミノ酸、Orn、Sar、Cit、Nva、Nle、Abu、Tau、Hyp、t−Leu、Cle、Aib、Pen、Hse等の他のアミノ酸が挙げられる。
なお、本発明において、アミノ基残基の略号は以下のアミノ酸を意味する。
(1)Gly:グリシン
(2)Ala:アラニン
(3)Val:バリン
(4)Leu:ロイシン
(5)Ile:イソロイシン
(6)Met:メチオニン
(7)Phe:フェニルアラニン
(8)Tyr:チロシン
(9)Trp:トリプトファン
(10)His:ヒスチジン
(11)Lys:リジン
(12)Arg:アルギニン
(13)Ser:セリン
(14)Thr:トレオニン
(15)Asp:アスパラギン酸
(16)Glu:グルタミン酸
(17)Asn:アスパラギン
(18)Gln:グルタミン
(19)Cys:システイン
(20)Pro:プロリン
(21)Orn:オルニチン
(22)Sar:サルコシン
(23)Cit:シトルリン
(24)Nva:ノルバリン
(25)Nle:ノルロイシン
(26)Abu:α−アミノ酪酸
(27)Tau:タウリン
(28)Hyp:ヒドロキシプロリン
(29)t−Leu:tert−ロイシン
(30)Cle:シクロロイシン
(31)Aib:α−アミノイソ酪酸(2−メチルアラニン)
(32)Pen:ペニシラミン
(33)Hse:ホモセリン
(1)Gly:グリシン
(2)Ala:アラニン
(3)Val:バリン
(4)Leu:ロイシン
(5)Ile:イソロイシン
(6)Met:メチオニン
(7)Phe:フェニルアラニン
(8)Tyr:チロシン
(9)Trp:トリプトファン
(10)His:ヒスチジン
(11)Lys:リジン
(12)Arg:アルギニン
(13)Ser:セリン
(14)Thr:トレオニン
(15)Asp:アスパラギン酸
(16)Glu:グルタミン酸
(17)Asn:アスパラギン
(18)Gln:グルタミン
(19)Cys:システイン
(20)Pro:プロリン
(21)Orn:オルニチン
(22)Sar:サルコシン
(23)Cit:シトルリン
(24)Nva:ノルバリン
(25)Nle:ノルロイシン
(26)Abu:α−アミノ酪酸
(27)Tau:タウリン
(28)Hyp:ヒドロキシプロリン
(29)t−Leu:tert−ロイシン
(30)Cle:シクロロイシン
(31)Aib:α−アミノイソ酪酸(2−メチルアラニン)
(32)Pen:ペニシラミン
(33)Hse:ホモセリン
アミノ酸誘導体とは、上記のようなアミノ酸の各種誘導体をいう。アミノ酸誘導体としては、例えば、特殊アミノ酸、非天然アミノ酸、アミノアルコール、ならびに末端カルボニル基、末端アミノ基、およびシステインのチオール基等の官能基の1またはそれ以上が各種置換基により置換されたアミノ酸が挙げられる。置換基として、具体的には、例えば
、アルキル基、アシル基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、スルフォニル基、および各種保護基が挙げられる。アミノ酸誘導体として、具体的には、例えば、Arg(NO2):N−γ−ニトロアルギニン、Cys(SNO):S−ニトロシステイン、Cys(S−Me):S−メチルシステイン、Cys(S−allyl):S−アリルシステイン、Val−NH2:バリンアミド、Val−ol:バリノール(2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール)、Met(O):メチオニンスルホキシド、およびCys(S−Me)(O):S−メチルシステインスルホキシドが挙げられる。
、アルキル基、アシル基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、スルフォニル基、および各種保護基が挙げられる。アミノ酸誘導体として、具体的には、例えば、Arg(NO2):N−γ−ニトロアルギニン、Cys(SNO):S−ニトロシステイン、Cys(S−Me):S−メチルシステイン、Cys(S−allyl):S−アリルシステイン、Val−NH2:バリンアミド、Val−ol:バリノール(2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール)、Met(O):メチオニンスルホキシド、およびCys(S−Me)(O):S−メチルシステインスルホキシドが挙げられる。
γ−グルタミルペプチドとして、具体的には、例えば、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、γ−Glu−Nva−Gly、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Nvaが挙げられる。γ−グルタミルペプチドとして、より具体的には、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、γ−Glu−Abuが挙げられ、特に具体的には、γ−Glu−Val−Glyが挙げられる。γ−Glu−Val−Gly(CAS 38837-70-6;Gluvalicineとも呼ぶ)の構造式を下記式(I)に示す。
本発明において、γ−グルタミルペプチドを構成するアミノ酸およびアミノ酸誘導体は、特記しない限り、いずれもL−体である。
本発明において、γ−グルタミルペプチドは、いずれも、フリー体であってもよく、塩であってもよく、それらの混合物であってもよい。すなわち、「γ−グルタミルペプチド」という用語は、特記しない限り、フリー体のγ−グルタミルペプチド、もしくはその塩、またはそれらの混合物を意味する。
塩は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。例えば、カルボキシル基等の酸性基に対する塩としては、具体的には、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロへキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。また、例えば、アミノ基等の塩基性基に対する塩としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸、メチルマロン酸、アジピン酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げられる。なお、塩としては、1種の塩を用いてもよく、2種またはそれ以上の塩を組み合わせて用いてもよい。
γ−グルタミルペプチドとしては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
ペプチドの製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。公知の方法と
しては、例えば、(1)化学的にペプチドを合成する方法や(2)酵素的な反応によりペプチドを合成する方法が挙げられる。アミノ酸残基数が2〜3残基の比較的短いペプチドの合成には、特に、化学的に合成する方法を用いるのが簡便である。
しては、例えば、(1)化学的にペプチドを合成する方法や(2)酵素的な反応によりペプチドを合成する方法が挙げられる。アミノ酸残基数が2〜3残基の比較的短いペプチドの合成には、特に、化学的に合成する方法を用いるのが簡便である。
化学的にペプチドを合成する場合、ペプチド合成機を用いてペプチドを合成あるいは半合成することができる。化学的にペプチドを合成する方法としては、例えば、ペプチド固相合成法が挙げられる。合成されたペプチドは通常の手段、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。このようなペプチド固相合成法、およびそれに続くペプチド精製はこの技術分野においてよく知られたものである。
酵素的な反応によりペプチドを合成する場合、例えば、WO2004/011653に記載の方法を
用いることができる。具体的には、例えば、カルボキシル基がエステル化またはアミド化されたアミノ酸またはジペプチドと、アミノ基がフリーの状態であるアミノ酸(例えばカルボキシル基が保護されたアミノ酸)とを、ペプチド生成酵素の存在下で反応させることにより、ジペプチドまたはトリペプチドを合成することができる。合成されたジペプチドまたはトリペプチドは、適宜精製することができる。ペプチド生成酵素としては、例えば、ペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物から分離した培養上清、該培養物から分離した菌体、該微生物の菌体処理物、それらから分離したペプチド生成酵素が挙げられる。ペプチド生成酵素としては、必要に応じて適宜精製されたものを用いることができる。
用いることができる。具体的には、例えば、カルボキシル基がエステル化またはアミド化されたアミノ酸またはジペプチドと、アミノ基がフリーの状態であるアミノ酸(例えばカルボキシル基が保護されたアミノ酸)とを、ペプチド生成酵素の存在下で反応させることにより、ジペプチドまたはトリペプチドを合成することができる。合成されたジペプチドまたはトリペプチドは、適宜精製することができる。ペプチド生成酵素としては、例えば、ペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物から分離した培養上清、該培養物から分離した菌体、該微生物の菌体処理物、それらから分離したペプチド生成酵素が挙げられる。ペプチド生成酵素としては、必要に応じて適宜精製されたものを用いることができる。
また、γ−グルタミルペプチドは、例えば、当該γ−グルタミルペプチドの生産能を有する微生物を培養し、培養液または菌体から当該γ−グルタミルペプチドを回収することで製造することができる。具体的には、例えば、特開2012-213376に記載の方法により、
γ−Glu−Abu等のγ−グルタミルペプチドを高濃度に含有する酵母が得られる。また、γ−グルタミルペプチドは、例えば、当該γ−グルタミルペプチドを含有する農水畜産物から回収することで製造することができる。
γ−Glu−Abu等のγ−グルタミルペプチドを高濃度に含有する酵母が得られる。また、γ−グルタミルペプチドは、例えば、当該γ−グルタミルペプチドを含有する農水畜産物から回収することで製造することができる。
γ−グルタミルペプチドは、精製品であってもよく、そうでなくてもよい。すなわち、γ−グルタミルペプチドとしては、当該ペプチドを高含有する素材を用いてもよい。「γ−グルタミルペプチドを高含有する」とは、γ−グルタミルペプチドの含有量が100ppm(w/w)以上であることをいう。すなわち、「γ−グルタミルペプチドを配合(添加)すること」には、当該ペプチドそのものを配合(添加)することに限られず、当該ペプチドを高含有する素材を配合(添加)することも包含される。γ−グルタミルペプチドを高含有する素材として、具体的には、例えば、当該ペプチドの生産能を有する微生物を培養して得られた培養液、菌体、培養上清等の発酵生産物、当該ペプチドを含有する農水畜産物、およびそれらの加工品が挙げられる。加工品としては、上記のような発酵生産物を、濃縮、希釈、乾燥、分画、抽出、精製等の処理に供したものが挙げられる。そのような加工品としては、例えば、γ−Glu−Abu等のγ−グルタミルペプチドを含有する酵母エキス(特開2012-213376)が挙げられる。なお、酵母エキス以外にも、飲食品(食
材や調味料を含む)には天然にγ−グルタミルペプチドを含有するものが存在し得るが、そのような酵母エキス以外の飲食品(食材や調味料を含む)そのものは、本発明における「γ−グルタミルペプチドを高含有する素材」からは除かれてもよい。γ−グルタミルペプチドは、所望の程度に精製されていてよい。例えば、γ−グルタミルペプチドとしては、純度が50%(w/w)以上、70%(w/w)以上、90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上のものを用いてもよい。
材や調味料を含む)には天然にγ−グルタミルペプチドを含有するものが存在し得るが、そのような酵母エキス以外の飲食品(食材や調味料を含む)そのものは、本発明における「γ−グルタミルペプチドを高含有する素材」からは除かれてもよい。γ−グルタミルペプチドは、所望の程度に精製されていてよい。例えば、γ−グルタミルペプチドとしては、純度が50%(w/w)以上、70%(w/w)以上、90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上のものを用いてもよい。
<1−2>成分(B)
成分(B)は、多糖である。本発明において用いられる多糖は、ゼータ電位が−30m
V以下であり、且つ、透過度が85%以上である、多糖である。
成分(B)は、多糖である。本発明において用いられる多糖は、ゼータ電位が−30m
V以下であり、且つ、透過度が85%以上である、多糖である。
ここでいう「ゼータ電位」とは、多糖を500ppm(w/w)(0.05%(w/w))となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されたゼータ電位を示す。ゼータ電位の測定は、Zetasizer Nano(Malvern Instruments Ltd.製)等のゼータ電位測定機器を用いて実施できる。ゼータ電位は、−30mV以下である。ゼータ電位は、例えば、−33mV以下であってもよい。ゼータ電位は、例えば、−70mV以上、または−60mV以上であってもよい。ゼータ電位は、例えば、上記例示した範囲の組み合わせの範囲であってもよい。
ここでいう「透過度」とは、多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定された波長660nmの光の透過率をいう。透過度は、85%以上である。透過度は、例えば、90%以上、または95%以上であってもよい。透過度は、例えば、99%以下であってもよい。透過度は、例えば、上記例示した範囲の組み合わせの範囲であってもよい。透過度の測定は、U-2900形分光光度計(日立製)等の分光光度計を用いて実施できる。
すなわち、本発明において用いられる多糖は、具体的には、下記性質(B1)および(B2)を示す多糖である:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が上記例示した範囲(−30mV以下、または−33mV以下、等)である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が上記例示した範囲(85%以上、90%以上、または95%以上、等)である。
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が上記例示した範囲(−30mV以下、または−33mV以下、等)である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が上記例示した範囲(85%以上、90%以上、または95%以上、等)である。
多糖は、所望のゼータ電位と透過度を満たすものであれば、特に制限されない。多糖としては、キサンタンガムやカラギーナンが挙げられる。すなわち、多糖としては、例えば、キサンタンガムやカラギーナンから所望のゼータ電位と透過度を満たすものを選択して用いることができる。
キサンタンガムは、CAS登録番号11138-66-2として登録されている多糖である。キサン
タンガムは、具体的には、例えば、セルロース骨格(D−グルコースがβ1→4結合してなる直鎖)を主鎖とし、D−マンノース、D−グルクロン酸、およびD−マンノースの三残基が順に結合してなる直鎖状の側鎖を前記主鎖の1残基おきに有する多糖であってよい。側鎖を構成するD−マンノース残基の内、主鎖と結合しているD−マンノース残基の6位はアセチル化されていてもよい。側鎖を構成するD−マンノース残基の内、主鎖と結合していないD−マンノース残基の4位および/または6位にはピルビン酸がエステル結合していてもよい。キサンタンガムの鎖長、アセチル化の程度(アセチル基の含有量)、エステル化の程度(ピルビン酸の含有量)等のパラメータは、所望のゼータ電位と透過度を満たす限り、特に制限されない。キサンタンガムは、より具体的には、例えば、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)が産生する多糖であってもよい。
タンガムは、具体的には、例えば、セルロース骨格(D−グルコースがβ1→4結合してなる直鎖)を主鎖とし、D−マンノース、D−グルクロン酸、およびD−マンノースの三残基が順に結合してなる直鎖状の側鎖を前記主鎖の1残基おきに有する多糖であってよい。側鎖を構成するD−マンノース残基の内、主鎖と結合しているD−マンノース残基の6位はアセチル化されていてもよい。側鎖を構成するD−マンノース残基の内、主鎖と結合していないD−マンノース残基の4位および/または6位にはピルビン酸がエステル結合していてもよい。キサンタンガムの鎖長、アセチル化の程度(アセチル基の含有量)、エステル化の程度(ピルビン酸の含有量)等のパラメータは、所望のゼータ電位と透過度を満たす限り、特に制限されない。キサンタンガムは、より具体的には、例えば、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)が産生する多糖であってもよい。
カラギーナンは、CAS登録番号9000-07-1として登録されている多糖である。カラギーナンは、具体的には、例えば、D−ガラクトースが交互にα1→3,β1→4結合してなる直鎖状の多糖であってよい。糖鎖を構成するD−ガラクトース残基は、3,6−アンヒドロ構造を有していてもよい。また、糖鎖を構成するD−ガラクトース残基は、水酸基が硫酸化されていてもよい。カラギーナンは、糖鎖中の硫酸基結合部位とアンヒドロ構造の相違によりκタイプ、tタイプ、λタイプの3種に大別されるが、いずれのものを用いてもよい。カラギーナンの鎖長、3,6−アンヒドロ化の程度(3,6−アンヒドロ構造の含
有量)、硫酸化の位置や程度(硫酸基の位置や含有量)等のパラメータは、所望のゼータ電位と透過度を満たす限り、特に制限されない。
有量)、硫酸化の位置や程度(硫酸基の位置や含有量)等のパラメータは、所望のゼータ電位と透過度を満たす限り、特に制限されない。
なお、多糖は、通常、分子構造(鎖長等)の異なる複数種の糖鎖の混合物として提供され得る。すなわち、本発明において用いられる「多糖」とは、具体的には、そのような糖鎖の混合物全体として所望のゼータ電位と透過度を満たす混合物であってよい。本発明においては、説明の便宜上、そのような糖鎖の混合物を「1種」の多糖として扱うものとする。多糖としては、1種の多糖を用いてもよく、2種またはそれ以上の多糖を組み合わせて用いてもよい。
多糖についても、塩を形成し得るものは塩の形態で利用されてもよい。すなわち、「多糖」という用語は、特記しない限り、フリー体の多糖、もしくはその塩、またはそれらの混合物を意味する。多糖の塩については、上述のγ−グルタミルペプチドの塩の記載を準用できる。例えば、キサンタンガムやカラギーナンの塩については、上述のγ−グルタミルペプチドの酸性基に対する塩の記載を準用できる。
多糖としては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
多糖の製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。例えば、多糖は、当該多糖の生産能を有する微生物を培養し、培養液または菌体から当該多糖を回収することで製造することができる。具体的には、例えば、キサンタンガムは、Xanthomonas campestris等のキサンタンガム生産能を有する微生物を利用して製造することができる。また、例えば、多糖は、当該多糖を含有する農水畜産物から回収することで製造することができる。具体的には、例えば、カラギーナンは、Eucheuma cottonii(Kappaphycus cottonii)、Eucheuma spinosum、Chondrus crispus等の紅藻から回収することができる。多糖は、所望の程度に精製されていてよい。多糖は、例えば、所望の透過度が得られる程度に精製することができる。例えば、多糖としては、純度が50%(w/w)以上、70%(w/w)以上、90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上のものを用いてもよい。
所望のゼータ電位と透過度を満たす市販のキサンタンガムとして、具体的には、例えば、サンエースNXG-C(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)、サンエースC(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)、SATIAXANE CX930SF(カーギルジャパン製)、エコーガムT(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)が挙げられる。所望のゼータ電位と透過度を満たす市販のカラギーナンとして、具体的には、例えば、ソアギーナMW210(κタイプ精製カ
ラギーナン;三菱化学フーズ株式会社製)、GENULACTA carrageenan type LRA-50(κタ
イプ/λタイプ混合;三晶株式会社製)、SATIAGUM BDC20(λタイプ;ユニテックフーズ株式会社製)が挙げられる。
ラギーナン;三菱化学フーズ株式会社製)、GENULACTA carrageenan type LRA-50(κタ
イプ/λタイプ混合;三晶株式会社製)、SATIAGUM BDC20(λタイプ;ユニテックフーズ株式会社製)が挙げられる。
<1−3>本発明の組成物
本発明の組成物は、上記有効成分を含む。
本発明の組成物は、上記有効成分を含む。
本発明の組成物は、上記有効成分のみからなるものであってもよく、その他の成分を含むものであってもよい。本発明の組成物は、調味料として構成されてもよい。なお、本発明の組成物からは、本発明の組成物がクリーマー組成物として構成される場合が除かれてもよい。
「その他の成分」は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。「その他の成分」としては、例えば、調味料、飲食品、または医薬品に配合して利用されるものを利用できる。
「その他の成分」としては、例えば、上記γ−グルタミルペプチド以外の、「コク味」付与活性を有する化合物やカルシウム受容体刺激活性を有する化合物が挙げられる。「コク味」付与活性を有する化合物として、具体的には、例えば、アリインが挙げられる。カルシウム受容体刺激活性を有する化合物として、具体的には、例えば、カルシウム、カドリニウム等のカチオン;ポリアルギニン、ポリリジン等の塩基性ペプチド;プトレッシン、スペルミン、スペルミジン等のポリアミン;プロタミン等のタンパク質;フェニルアラニン等のペプチド;シナカルセットが挙げられる。これらの化合物についても、塩を形成し得るものは塩の形態で利用されてもよい。塩については、上述したγ−グルタミルペプチドの塩の記載を準用できる。
また、「その他の成分」として、具体的には、例えば、砂糖、蜂蜜、メープルシロップ、スクロース、グルコース、フルクトース、異性化糖、オリゴ糖等の糖類;キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール類;高甘味度甘味料;食塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類;酢酸、クエン酸等の有機酸類およびその塩;グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸類およびその塩;イノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸等の核酸類およびその塩;食物繊維、pH緩衝剤、賦形剤、増量剤、香料、食用油、エタノール、水が挙げられる。塩については、上述のγ−グルタミルペプチドの塩の記載を準用できる。
「その他の成分」としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物の形態は特に制限されない。本発明の組成物は、例えば、粉末状、顆粒状、液状、ペースト状、キューブ状等のいかなる形態であってもよい。
本発明の組成物における各成分(すなわち、有効成分および任意でその他の成分)の濃度や含有比率は、「コク味」のブースト効果が得られる限り特に制限されない。
本発明の組成物における有効成分の濃度や含有比率は、有効成分の種類、有効成分の喫食濃度、本発明の組成物の使用量等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
本発明の組成物における有効成分の総濃度は、特に制限されないが、例えば、40ppm(w/w)以上、100ppm(w/w)以上、1000ppm(w/w)以上、1%(w/w)以上、5%(w/w)以上、または10%(w/w)以上であってもよく、100%(w/w)以下、99.9%(w/w)以下、70%(w/w)以下、50%(w/w)以下、30%(w/w)以下、10%(w/w)以下、5%(w/w)以下、または1%(w/w)以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。なお、「有効成分の総濃度」とは、成分(A)の濃度および成分(B)の濃度の合計を意味する。
本発明の組成物において、成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比率(重量比)(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)は、例えば、0.05以上、0.1以上、0.5以上、1以上、1.5以上、3以上、5以上、10以上、20以上、50以上、または100以上であってもよく、5000以下、2000以下、1000以下、500以下、または200以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比率(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)は、具体的には、例えば、0.05〜5000、または0.5〜5000であってもよい。
なお、有効成分の含有量(濃度)は、有効成分を含有する素材を用いる場合にあっては
、当該素材中の有効成分そのものの量に基づいて算出されるものとする。ただし、多糖(成分(B))については、簡便のため、特記しない限り、当該多糖が不純物を含有し得る混合物(粗精製品等)の形態で一般的に製造および流通する場合には、当該混合物全体の量を当該多糖そのものの量とみなしてよい。すなわち、例えば、上記例示した市販の多糖は、特記しない限り、その純度に依らず、その重量を多糖そのものの重量とみなしてよい。また、成分(A)の含有量(濃度)は、成分(A)が塩を形成している場合にあっては、塩の質量を等モルのフリー体の質量に換算した値に基づいて算出されるものとする。
、当該素材中の有効成分そのものの量に基づいて算出されるものとする。ただし、多糖(成分(B))については、簡便のため、特記しない限り、当該多糖が不純物を含有し得る混合物(粗精製品等)の形態で一般的に製造および流通する場合には、当該混合物全体の量を当該多糖そのものの量とみなしてよい。すなわち、例えば、上記例示した市販の多糖は、特記しない限り、その純度に依らず、その重量を多糖そのものの重量とみなしてよい。また、成分(A)の含有量(濃度)は、成分(A)が塩を形成している場合にあっては、塩の質量を等モルのフリー体の質量に換算した値に基づいて算出されるものとする。
本発明の組成物における各有効成分の濃度は、例えば、上記例示した有効成分の総濃度や含有比率を満たすように設定することができる。
本発明の組成物における成分(A)の含有量(濃度)は、例えば、本発明の組成物を利用して飲食品を製造した際に、成分(A)の喫食濃度が所望の範囲となるような濃度であってよい。成分(A)の喫食濃度は、例えば、後述する範囲であってよい。また、本発明の組成物における成分(A)の含有量(濃度)は、例えば、40ppm(w/w)以上または200ppm(w/w)以上であってもよく、95%(w/w)以下または65%(w/w)以下であってもよい。
本発明の組成物における成分(B)の含有量(濃度)は、例えば、本発明の組成物を利用して飲食品を製造した際に、成分(B)の喫食濃度が所望の範囲となるような濃度であってよい。成分(B)の喫食濃度は、例えば、後述する範囲であってよい。
本発明の組成物に含まれる各成分(すなわち、有効成分および任意でその他の成分)は、互いに混合されて本発明の組成物に含まれていてもよく、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、本発明の組成物に含まれていてもよい。本発明の組成物を添加して製造された飲食品中で有効成分が共存していれば「コク味」のブースト効果が得られる。
<2>本発明の方法
本発明においては、有効成分(すなわち、成分(A)および成分(B))を利用して飲食品に「コク味」を付与することができる。すなわち、本発明の方法は、有効成分を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品に「コク味」を付与する方法である。また、本発明の方法の一態様は、有効成分を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の製造方法である。
本発明においては、有効成分(すなわち、成分(A)および成分(B))を利用して飲食品に「コク味」を付与することができる。すなわち、本発明の方法は、有効成分を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品に「コク味」を付与する方法である。また、本発明の方法の一態様は、有効成分を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の製造方法である。
本発明においては、例えば、本発明の組成物を利用して飲食品に「コク味」を付与することができる。すなわち、本発明の組成物を添加することにより有効成分を添加することができ、以て、飲食品に「コク味」を付与することができる。すなわち、本発明の方法は、例えば、本発明の組成物を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品に「コク味」を付与する方法であってよい。また、本発明の方法の一態様は、例えば、本発明の組成物を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の製造方法であってよい。
本発明の方法により得られる飲食品を「本発明の飲食品」ともいう。本発明の飲食品は、具体的には、「コク味」の付与された飲食品である。また、本発明の飲食品は、言い換えると、成分(A)および成分(B)が添加された飲食品である。なお、「添加」を「配合」ともいう。
飲食品としては、特に制限されず、あらゆる飲食品が包含される。飲食品には、調味料も包含される。飲食品としては、例えば、牛乳、清涼飲料、アルコール飲料、スープ等の飲料;ハム、ソーセージ、餃子、焼売、ハンバーグ、唐揚げ、とんかつ等の食肉加工食品
;かまぼこ、ちくわ等の水産加工食品;バター、発酵乳、粉乳、ホワイトソース、ヨーグルト、カスタード等の乳製品;チャーハン等の米飯加工食品;天然系調味料、風味調味料、メニュー用調味料、マヨネーズ、ドレッシング、ソース等の調味料;ケーキ、ムース等の菓子;パン、麺類、グラタン、コロッケ等のその他の加工食品;冷凍食品等が挙げられる。「清涼飲料」とは、牛乳および乳製品を除く非アルコール性飲料(アルコール濃度1%未満の飲料)をいう。清涼飲料として、具体的には、例えば、水、果実ジュース(果汁)、野菜ジュース、茶、コーヒー飲料(コーヒー、コーヒー入り乳飲料等)、炭酸飲料(レモン炭酸飲料等)、スポーツドリンクが挙げられる。スープとして、具体的には、例えば、コンソメスープ(チキン、ポーク、ビーフ等)、卵入りスープ、ワカメ入りスープ、ふかひれ入りスープ、中華風スープ、カレー風味スープ、お吸い物、味噌汁、ポタージュスープが挙げられる。「天然系調味料」とは、天然物を原料として、抽出、分解、加熱、発酵等の手法によって製造される調味料をいう。「風味調味料」とは、飲食品に風味原料の香気、風味、及び/又は味を付与するために用いられる調味料をいい、例えば、天然系調味料に砂糖や食塩等を加えて製造される。風味調味料として、具体的には、例えば、かつお風味、チキン風味、ポーク風味、ビーフ風味等の調味料が挙げられる。「メニュー用調味料」とは、特定のメニュー(中華メニュー等)の調理に適した調味料をいう。冷凍食品としては、上記例示したような飲食品の冷凍品が挙げられる。冷凍食品として、具体的には、例えば、餃子、焼売、チャーハン、ハンバーグ、唐揚げ、グラタン、とんかつ、コロッケ、ケーキ、ムースが挙げられる。飲食品の提供態様は特に制限されない。飲食品は、そのまま喫食できる態様で提供されてもよく、そうでなくてもよい。飲食品は、例えば、喫食前または喫食時に喫食に適した態様に調製されて喫食されてもよい。例えば、コーヒー飲料等の飲料の場合、そのまま喫食できる容器入り飲料(缶コーヒー等)として提供されてもよく、希釈して喫食する粉末等の濃縮物(スティックコーヒー等)として提供されてもよい。また、飲食品には、一般食品に限られず、栄養補助食品(サプリメント)、栄養機能食品、特定保健用食品等の、いわゆる健康食品や医療用食品も包含される。例えば、上記例示したような飲食品は、一般食品として提供されてもよいし、健康食品や医療用食品として提供されてもよい。なお、本発明の方法からは、飲食品がクリーマー組成物である場合が除かれてもよい。
;かまぼこ、ちくわ等の水産加工食品;バター、発酵乳、粉乳、ホワイトソース、ヨーグルト、カスタード等の乳製品;チャーハン等の米飯加工食品;天然系調味料、風味調味料、メニュー用調味料、マヨネーズ、ドレッシング、ソース等の調味料;ケーキ、ムース等の菓子;パン、麺類、グラタン、コロッケ等のその他の加工食品;冷凍食品等が挙げられる。「清涼飲料」とは、牛乳および乳製品を除く非アルコール性飲料(アルコール濃度1%未満の飲料)をいう。清涼飲料として、具体的には、例えば、水、果実ジュース(果汁)、野菜ジュース、茶、コーヒー飲料(コーヒー、コーヒー入り乳飲料等)、炭酸飲料(レモン炭酸飲料等)、スポーツドリンクが挙げられる。スープとして、具体的には、例えば、コンソメスープ(チキン、ポーク、ビーフ等)、卵入りスープ、ワカメ入りスープ、ふかひれ入りスープ、中華風スープ、カレー風味スープ、お吸い物、味噌汁、ポタージュスープが挙げられる。「天然系調味料」とは、天然物を原料として、抽出、分解、加熱、発酵等の手法によって製造される調味料をいう。「風味調味料」とは、飲食品に風味原料の香気、風味、及び/又は味を付与するために用いられる調味料をいい、例えば、天然系調味料に砂糖や食塩等を加えて製造される。風味調味料として、具体的には、例えば、かつお風味、チキン風味、ポーク風味、ビーフ風味等の調味料が挙げられる。「メニュー用調味料」とは、特定のメニュー(中華メニュー等)の調理に適した調味料をいう。冷凍食品としては、上記例示したような飲食品の冷凍品が挙げられる。冷凍食品として、具体的には、例えば、餃子、焼売、チャーハン、ハンバーグ、唐揚げ、グラタン、とんかつ、コロッケ、ケーキ、ムースが挙げられる。飲食品の提供態様は特に制限されない。飲食品は、そのまま喫食できる態様で提供されてもよく、そうでなくてもよい。飲食品は、例えば、喫食前または喫食時に喫食に適した態様に調製されて喫食されてもよい。例えば、コーヒー飲料等の飲料の場合、そのまま喫食できる容器入り飲料(缶コーヒー等)として提供されてもよく、希釈して喫食する粉末等の濃縮物(スティックコーヒー等)として提供されてもよい。また、飲食品には、一般食品に限られず、栄養補助食品(サプリメント)、栄養機能食品、特定保健用食品等の、いわゆる健康食品や医療用食品も包含される。例えば、上記例示したような飲食品は、一般食品として提供されてもよいし、健康食品や医療用食品として提供されてもよい。なお、本発明の方法からは、飲食品がクリーマー組成物である場合が除かれてもよい。
飲食品は、清澄系飲食品であってもよい。清澄系飲食品としては、清澄系であれば特に制限されず、あらゆる飲食品が包含される。清澄系飲食品としては、例えば、上記例示したような飲食品であって清澄系であるものが挙げられる。清澄系飲食品として構成され得る飲食品としては、例えば、清涼飲料、アルコール飲料、スープ等の飲料;ゼリー等が挙げられる。清澄系飲食品として構成され得る清涼飲料として、具体的には、例えば、水、果実ジュース(果汁)、野菜ジュース、茶、炭酸飲料、スポーツドリンクが挙げられる。清澄系飲食品として構成され得るスープとして、具体的には、例えば、チキンコンソメスープ、卵入りスープ、ワカメ入りスープ、ふかひれ入りスープ、中華風スープ、カレー風味スープ、お吸い物が挙げられる。本発明において、「清澄系」とは、測定光路長10mmでの波長660nmの光の透過率(T)が1%〜100%であることをいう。なお、飲食品が卵入りスープ等の固形具材を含有する飲食品である場合、清澄系飲食品であるか否かは、固形具材を除去した残部の液相について透過率を測定することにより判断される。また、清澄系飲食品は、喫食時に清澄系となるものであればよい。すなわち、例えば、清澄系飲食品には、固形スープ(フリーズドライスープ等)や濃縮スープであって、喫食時に清澄系となるものも含まれる。
本発明の飲食品は、本発明の組成物または有効成分を添加すること以外は、通常の飲食品と同様の原料を用い、同様の方法によって製造することができる。本発明の組成物または有効成分の添加は、飲食品の製造工程のいずれの段階で行われてもよい。すなわち、本発明の組成物または有効成分は、飲食品の原料に添加されてもよく、製造途中の飲食品に添加されてもよく、完成した飲食品に添加されてもよい。本発明の組成物または有効成分
は、1回のみ添加されてもよく、2またはそれ以上の回数に分けて添加されてもよい。また、本発明の組成物を添加する場合、本発明の組成物が各有効成分をそれぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に含む場合には、各有効成分は同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。また、有効成分を添加する場合、各有効成分は同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。
は、1回のみ添加されてもよく、2またはそれ以上の回数に分けて添加されてもよい。また、本発明の組成物を添加する場合、本発明の組成物が各有効成分をそれぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に含む場合には、各有効成分は同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。また、有効成分を添加する場合、各有効成分は同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。
本発明の方法は、さらに、その他の成分(有効成分以外の成分)を添加することを含んでいてもよい。ここでいう「その他の成分」については、上述した本発明の組成物における「その他の成分」についての記載を準用できる。また、本発明の組成物を「その他の成分」とさらに併用してもよい。「その他の成分」を添加する場合、「その他の成分」の添加も、本発明の組成物または有効成分の添加と同様に行うことができる。例えば、「その他の成分」と本発明の組成物または有効成分とは、同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。
本発明の方法における各成分(すなわち、有効成分および任意でその他の成分)の添加量や添加比率は、「コク味」のブースト効果が得られる限り特に制限されない。
有効成分を添加する場合、有効成分の添加量や添加比率は、有効成分の種類や本発明の飲食品の摂取態様等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
成分(A)は、飲食品またはその原料に、例えば、成分(A)の喫食濃度が所望の範囲となるように添加されてよい。成分(A)の喫食濃度は、例えば、0.005ppm(w/w)以上、0.01ppm(w/w)以上、0.1ppm(w/w)以上、1ppm(w/w)以上、または3ppm(w/w)以上であってもよく、200ppm(w/w)以下、100ppm(w/w)以下、50ppm(w/w)以下、または20ppm(w/w)以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。成分(A)の喫食濃度は、具体的には、例えば、0.005ppm(w/w)〜100ppm(w/w)、好ましくは0.01ppm(w/w)〜50ppm(w/w)、より好ましくは3ppm(w/w)〜20ppm(w/w)であってもよい。
成分(B)は、飲食品またはその原料に、例えば、成分(B)の喫食濃度が所望の範囲となるように添加されてよい。成分(B)の喫食濃度は、例えば、0.1ppm(w/w)以上、1ppm(w/w)以上、3ppm(w/w)以上、5ppm(w/w)以上、10ppm(w/w)以上、20ppm(w/w)以上、30ppm(w/w)以上、40ppm(w/w)以上、または50ppm(w/w)以上であってもよく、5000ppm(w/w)以下、2000ppm(w/w)以下、1000ppm(w/w)以下、500ppm(w/w)以下、200ppm(w/w)以下、または100ppm(w/w)以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。成分(B)の喫食濃度は、具体的には、例えば、1ppm(w/w)〜1000ppm(w/w)、好ましくは10ppm(w/w)〜200ppm(w/w)であってもよい。また、特に成分(B)がカラギーナンである場合、カラギーナンの喫食濃度は、例えば、30ppm(w/w)以上であってもよい。成分(B)の喫食濃度は、成分(B)を単独で飲食品に添加した際に味や風味に影響しない濃度の範囲内であってもよいし、そうでなくてもよい。
上記例示した各有効成分の喫食濃度は、飲食品の喫食態様に応じて、そのまま、あるいは適宜修正して、当該有効成分の添加量とすることができる。すなわち、濃縮または希釈されず喫食される(例えば、そのまま喫食される)飲食品を製造する場合、上記例示した
各有効成分の喫食濃度は、そのまま、当該有効成分の添加量と読み替えてよい。また、濃縮または希釈されて喫食される飲食品を製造する場合、上記例示した各有効成分の喫食濃度と、濃縮または希釈の倍率とから、当該有効成分の添加量を設定することができる。例えば、10倍希釈して喫食される飲食品を製造する場合、上記例示した各有効成分の喫食濃度の10倍を、当該有効成分の添加量として設定してよい。
各有効成分の喫食濃度は、そのまま、当該有効成分の添加量と読み替えてよい。また、濃縮または希釈されて喫食される飲食品を製造する場合、上記例示した各有効成分の喫食濃度と、濃縮または希釈の倍率とから、当該有効成分の添加量を設定することができる。例えば、10倍希釈して喫食される飲食品を製造する場合、上記例示した各有効成分の喫食濃度の10倍を、当該有効成分の添加量として設定してよい。
本発明の方法における成分(A)の添加量に対する成分(B)の添加量の比率(重量比)(成分(B)の添加量/成分(A)の添加量)は、例えば、0.05以上、0.1以上、0.5以上、1以上、1.5以上、3以上、5以上、10以上、20以上、50以上、または100以上であってもよく、5000以下、2000以下、1000以下、500以下、または200以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。成分(A)の添加量に対する成分(B)の添加量の比率(成分(B)の添加量/成分(A)の添加量)は、具体的には、例えば、0.05〜5000、または0.5〜5000であってもよい。
なお、有効成分の添加量(濃度)は、有効成分を含有する素材を用いる場合にあっては、当該素材中の有効成分そのものの量に基づいて算出されるものとする。ただし、多糖(成分(B))については、簡便のため、特記しない限り、当該多糖が不純物を含有し得る混合物(粗精製品等)の形態で一般的に製造および流通する場合には、当該混合物全体の量を当該多糖そのものの量とみなしてよい。すなわち、例えば、上記例示した市販の多糖は、特記しない限り、その純度に依らず、その重量を多糖そのものの重量とみなしてよい。また、成分(A)の添加量(濃度)は、成分(A)が塩を形成している場合にあっては、塩の質量を等モルのフリー体の質量に換算した値に基づいて算出されるものとする。
本発明の組成物を添加する場合、その添加量は、「コク味」のブースト効果が得られる限り特に制限されない。本発明の組成物の添加量は、有効成分の種類、本発明の組成物における有効成分の濃度、飲食品の摂取態様等の諸条件に応じて適宜設定することができる。例えば、飲食品またはその原料に対して、本発明の組成物を、1ppm(w/w)〜50%(w/w)添加してもよく、10ppm(w/w)〜10%(w/w)添加してもよい。また、本発明の組成物は、例えば、各有効成分の喫食濃度が上記例示した各有効成分の喫食濃度範囲内となるように、飲食品またはその原料に対して添加されてよい。
本発明は、以下の実施例によって更に具体的に説明されるが、これらはいかなる意味でも本発明を限定する意図と解してはならない。実施例中、「ppm」は「ppm(w/w)」を意味
する。
する。
試験に用いたγ−グルタミルペプチドは、下記の通りに取得した。すなわち、γ-Glu-Val-Glyは、WO2015/133547に記載の方法に準じて合成した。γ-Glu-Abu-Glyは、Bachem Feinchemikalien社より入手した。γ-Glu-Abuは、シグマアルドリッチ社より入手した。
実施例1:コンソメスープにおけるγ-Glu-Val-Glyと多糖類の併用効果
コンソメスープ(クノール「クノールチキンコンソメ」)を評価系として用いた。同コンソメスープをお湯で2%(w/v)に調製し、γ-Glu-Val-Glyを3 ppmで添加し、コントロールサンプルとした。コントロールサンプルに、さらに評価成分(表1)を添加し、評価サンプルとした。なお、各評価成分の濃度は、単独でコンソメスープに添加した際に味や風味に影響する閾値未満の濃度(単独でコンソメスープに添加した際に味や風味に影響しない濃度)である。各評価成分の濃度は、原則として50 ppmとしたが、上記閾値が50 ppm未満である評価成分については12.5 ppmとした。なお、2.37%(w/v)に調製した同コンソメスープの測定光路長10 mmでの波長660 nmの光の透過率は14.1%(3連の測定の平均値)であっ
た(特開2016-168044)。
コンソメスープ(クノール「クノールチキンコンソメ」)を評価系として用いた。同コンソメスープをお湯で2%(w/v)に調製し、γ-Glu-Val-Glyを3 ppmで添加し、コントロールサンプルとした。コントロールサンプルに、さらに評価成分(表1)を添加し、評価サンプルとした。なお、各評価成分の濃度は、単独でコンソメスープに添加した際に味や風味に影響する閾値未満の濃度(単独でコンソメスープに添加した際に味や風味に影響しない濃度)である。各評価成分の濃度は、原則として50 ppmとしたが、上記閾値が50 ppm未満である評価成分については12.5 ppmとした。なお、2.37%(w/v)に調製した同コンソメスープの測定光路長10 mmでの波長660 nmの光の透過率は14.1%(3連の測定の平均値)であっ
た(特開2016-168044)。
各サンプルの「厚み」の強さについて4名の専門パネルにより官能評価を実施し、各評価成分による厚み増強効果(厚みのブースト効果)を同定した。厚み官能評価は、0点〜6点の7段階の評点法により実施した。評価基準は、コントロールサンプルの厚みの強さ(効果なし)を0点、コントロールサンプルにキサンタンガム サンエースNXG-Cを12.5 ppmで添加した際の厚みの強さ(キサンタンガム サンエースNXG-C 12.5 ppmの効果)を6点
とした。
とした。
<ゼータ電位測定条件>
20 mMリン酸緩衝液(pH6.86)に多糖類を500 ppm(0.05%(w/w))となるよう分散し、得られた分散液についてゼータ電位を測定し、多糖類のゼータ電位とした。データは3回の
測定の平均値として示す。測定は、Zetasizer Nano(Malvern Instruments Ltd)を用い
、温度を25℃、分散媒をWaterに設定して実施した。
20 mMリン酸緩衝液(pH6.86)に多糖類を500 ppm(0.05%(w/w))となるよう分散し、得られた分散液についてゼータ電位を測定し、多糖類のゼータ電位とした。データは3回の
測定の平均値として示す。測定は、Zetasizer Nano(Malvern Instruments Ltd)を用い
、温度を25℃、分散媒をWaterに設定して実施した。
<透過度測定条件>
蒸留水に多糖類を0.5%(w/w)となるよう分散し、得られた分散液について波長660nmの光の透過率を測定光路長10mmで測定し、多糖類の透過度とした。データは3回測定の平均値
として示す。測定は、日立U-2900形分光光度計を用いて実施した。
蒸留水に多糖類を0.5%(w/w)となるよう分散し、得られた分散液について波長660nmの光の透過率を測定光路長10mmで測定し、多糖類の透過度とした。データは3回測定の平均値
として示す。測定は、日立U-2900形分光光度計を用いて実施した。
結果を表1に示す。ゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%以上の多糖類(領域C)について、顕著な厚み増強効果が認められた。表中、「領域」を以下の通り設定した。
A:ゼータ電位が−30mV超で透過度が85%以上
B:ゼータ電位が−30mV超で透過度が85%未満
C:ゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%以上
D:ゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%未満
A:ゼータ電位が−30mV超で透過度が85%以上
B:ゼータ電位が−30mV超で透過度が85%未満
C:ゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%以上
D:ゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%未満
実施例2:コンソメスープにおける他のγ−グルタミルペプチドとキサンタンガムの併用効果
コンソメスープ(クノール「クノールチキンコンソメ」)を評価系として用いた。同コンソメスープをお湯で2%(w/v)に調製し、γ-Glu-Abuを12 ppmまたはγ-Glu-Abu-Glyを9 ppmで添加し、コントロールサンプルとした。コントロールサンプルに、さらにキサンタンガム サンエースNXG-Cを12.5 ppmで添加し、評価サンプルとした。なお、上記γ-Glu-Abuとγ-Glu-Abu-Glyの濃度(12 ppmおよび9 ppm)は、コンソメスープに対してγ-Glu-Val-Gly 3 ppmと同程度の「厚み」の付与効果が得られる濃度である。
コンソメスープ(クノール「クノールチキンコンソメ」)を評価系として用いた。同コンソメスープをお湯で2%(w/v)に調製し、γ-Glu-Abuを12 ppmまたはγ-Glu-Abu-Glyを9 ppmで添加し、コントロールサンプルとした。コントロールサンプルに、さらにキサンタンガム サンエースNXG-Cを12.5 ppmで添加し、評価サンプルとした。なお、上記γ-Glu-Abuとγ-Glu-Abu-Glyの濃度(12 ppmおよび9 ppm)は、コンソメスープに対してγ-Glu-Val-Gly 3 ppmと同程度の「厚み」の付与効果が得られる濃度である。
各サンプルの「厚み」の強さについて2名の専門パネルにより官能評価を実施し、キサンタンガムによる厚み増強効果(厚みのブースト効果)を同定した。官能評価は、0点〜6点の7段階の評点法により実施した。評価基準は、各コントロールサンプルの厚みの強さ(効果なし)を0点、γ-Glu-Val-Gly 3 ppmとキサンタンガム サンエースNXG-C 12.5 ppmを併用した際(実施例1)の厚みの強さを6点とした。
結果を表2に示す。いずれのγ−グルタミルペプチドを用いた場合にも、γ-Glu-Val-Glyを用いた場合と同様、キサンタンガムによる厚み増強効果が認められた。
実施例3:オレンジジュースにおけるγ-Glu-Val-Glyと多糖類の併用効果
オレンジジュース(サントリー「なっちゃんオレンジ」)を評価系として用いた。同オレンジジュースにγ-Glu-Val-Glyを2 ppmで添加し、コントロールサンプルとした。コン
トロールサンプルに、さらに評価成分(表3)を添加し、評価サンプルとした。なお、各評価成分の濃度は、単独でオレンジジュースに添加した際に味や風味に影響する閾値未満の濃度である12.5 ppmとした。なお、同オレンジジュースの測定光路長10 mmでの波長660
nmの光の透過率は4.5%(3連の測定の平均値)であった。
オレンジジュース(サントリー「なっちゃんオレンジ」)を評価系として用いた。同オレンジジュースにγ-Glu-Val-Glyを2 ppmで添加し、コントロールサンプルとした。コン
トロールサンプルに、さらに評価成分(表3)を添加し、評価サンプルとした。なお、各評価成分の濃度は、単独でオレンジジュースに添加した際に味や風味に影響する閾値未満の濃度である12.5 ppmとした。なお、同オレンジジュースの測定光路長10 mmでの波長660
nmの光の透過率は4.5%(3連の測定の平均値)であった。
各サンプルの「厚み」の強さについて3名の専門パネルにより官能評価を実施し、各評価成分による厚み増強効果(厚みのブースト効果)を同定した。厚み官能評価は、0点〜6点の7段階の評点法により実施した。評価基準は、コントロールサンプルの厚みの強さ(効果なし)を0点、コントロールサンプルにキサンタンガム サンエースNXG-Cを12.5 ppmで添加した際の厚みの強さ(キサンタンガム サンエースNXG-C 12.5 ppmの効果)を6点
とした。
とした。
結果を表3に示す。ゼータ電位が−30mV以下で透過度が85%以上の多糖類(領域C;領域の設定は実施例1と同じ)について、顕著な厚み増強効果が認められた。
Claims (23)
- 下記成分(A)および(B)を含有する組成物:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)下記性質(B1)および(B2)を示す多糖:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が−30mV以下である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が85%以上である。 - 前記透過率が、95%以上である、請求項1に記載の組成物。
- 前記成分(A)の含有量に対する前記成分(B)の含有量の比率(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)が、重量比で、0.05〜5000である、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記成分(A)の含有量が、40ppm(w/w)以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Abuから選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記成分(B)が、キサンタンガムおよびカラギーナンから選択される1種またはそれ以上の多糖である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- コク味付与剤である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
- 清澄系飲食品にコク味を付与するために用いられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの光の透過率が1%〜100%である飲食品である、請求項9に記載の組成物。
- 下記成分(A)および(B)を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の製造方法:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)下記性質(B1)および(B2)を示す多糖:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が−30mV以下である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が85%以上である。 - 前記透過率が、95%以上である、請求項11に記載の方法。
- 前記成分(A)の添加量に対する前記成分(B)の添加量の比率(成分(B)の添加量/成分(A)の添加量)が、重量比で、0.05〜5000である、請求項11または12に記載の方法。
- 前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Abuから選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチドである、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 前記成分(A)が、γ−Glu−Val−Glyである、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記成分(B)が、キサンタンガムおよびカラギーナンから選択される1種またはそれ以上の多糖である、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 前記成分(A)が、成分(A)の喫食濃度が0.005ppm(w/w)〜100ppm(w/w)となるように添加される、請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記成分(B)が、成分(B)の喫食濃度が1ppm(w/w)〜1000ppm(w/w)となるように添加される、請求項11〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記成分(B)がカラギーナンである場合、前記成分(B)が、カラギーナンの喫食濃度が30ppm(w/w)以上となるように添加される、請求項11〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 前期製造される飲食品が、コク味が付与された飲食品である、請求項11〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 前期製造される飲食品が、清澄系飲食品である、請求項11〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 前記清澄系飲食品が、測定光路長10mmでの波長660nmの光の透過率が1%〜100%である飲食品である、請求項21に記載の方法。
- 下記成分(A)および(B)を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品にコク味を付与する方法:
(A)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)およびγ−Glu−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)から選択される1種またはそれ以上のγ−グルタミルペプチド;
(B)下記性質(B1)および(B2)を示す多糖:
(B1)前記多糖を500ppm(w/w)となるようにpH6.86の20mMリン酸緩衝液に分散して得られる分散液について25℃で測定されるゼータ電位が−30mV以下である;
(B2)前記多糖を0.5%(w/w)となるように蒸留水に分散して得られる分散液について測定光路長10mmで測定される波長660nmの光の透過率が85%以上であ
る。
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---|---|---|---|
JP2016028111 | 2016-02-17 | ||
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Publications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017143830A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020191818A (ja) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | 味の素株式会社 | レトロネーザル香の増強剤 |
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2017
- 2017-02-15 JP JP2017026297A patent/JP2017143830A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020191818A (ja) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | 味の素株式会社 | レトロネーザル香の増強剤 |
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