JP2020095991A - 焼結磁石及び回転機 - Google Patents

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Abstract

【課題】Ndの代替元素としてCeを含む焼結磁石の中でも保磁力が大きい焼結磁石、及び当該焼結磁石を備える回転機を提供すること。【解決手段】焼結磁石10は、希土類元素R、遷移金属元素T、及びホウ素を含有する複数の主相粒子11と、複数の主相粒子11の間に位置する粒界相9と、を備える焼結磁石10であって、希土類元素Rが、少なくともネオジム及びセリウムを含み、遷移金属元素Tが、少なくとも鉄を含み、焼結磁石10における銅の含有量が0.1〜2原子%であり、粒界相9が、希土類元素R及び遷移金属元素Tの金属間化合物を含有するR‐T相3を含み、R‐T相3における希土類元素Rの含有量の合計が[R]L原子%であり、R‐T相3におけるセリウムの含有量が[Ce]L原子%であり、100×[Ce]L/[R]Lが75〜100である。【選択図】図2

Description

本発明は、焼結磁石及び回転機に関する。
希土類元素R、遷移金属元素T、及びホウ素Bを含有するR‐T‐B系焼結磁石は、優れた磁気特性を有する。例えば、Nd‐Fe‐B系焼結磁石の最大エネルギー積は高い。しかしながら、Ndは、遷移金属に比べて高価であって、Ndの供給量は安定しない。そこで、Ndの一部をY、La又はCe等の安価な元素に置換する研究が行われている(下記特許文献1参照)。
特開2016−115774号公報
しかしながら、Ndの一部がY、La又はCe等で置換された焼結磁石の保磁力HcJは、Ndが置換されていない場合に比べて著しく小さい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、Ndの代替元素としてCeを含む焼結磁石の中でも保磁力が大きい焼結磁石、及び当該焼結磁石を備える回転機を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る焼結磁石(希土類磁石)は、希土類元素R、遷移金属元素T、及びホウ素を含有する複数の主相粒子と、複数の主相粒子の間に位置する粒界相と、を備える焼結磁石であって、希土類元素Rが、少なくともネオジム及びセリウムを含み、遷移金属元素Tが、少なくとも鉄を含み、焼結磁石における銅の含有量が0.1〜2原子%であり、粒界相が、希土類元素R及び遷移金属元素Tの金属間化合物を含有するR‐T相を含み、R‐T相における希土類元素Rの含有量の合計が[R]原子%であり、R‐T相におけるセリウムの含有量が[Ce]原子%であり、100×[Ce]/[R]が75〜100である。
本発明の一側面に係る回転機は、上記焼結磁石を備える。
本発明によれば、Ndの代替元素としてCeを含む焼結磁石の中でも保磁力が大きい焼結磁石、及び当該焼結磁石を備える回転機が提供される。
図1中の(a)は、本発明の一実施形態に係る焼結磁石10(焼結体)の模式的な斜視図であり、図1中の(b)は、図1中の(a)に示される焼結磁石10の断面10csの模式図(b−b線方向の矢視図)である。 図2は、図1中の(b)に示される焼結磁石10の断面10csの一部IIの拡大図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る回転機の模式的な斜視図である。
以下、場合により図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は下記実施形態に何ら限定されるものではない。図面において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付す。
本実施形態に係る焼結磁石10の全体は、図1中の(a)に示される。焼結磁石10の断面10csは、図1中の(b)に示される。図2は、焼結磁石10の断面10csの一部IIの拡大図である。図2に示されるように、焼結磁石10は、複数の主相粒子11(主相)と、複数の主相粒子11の間に位置する粒界相9と、を備える。つまり、焼結磁石10は、粒界相9を介した多数の主相粒子11から構成される焼結体である。
主相粒子11は、希土類元素R、遷移金属元素T、及びB(ホウ素)を含有する。希土類元素Rは、少なくともNd(ネオジム)及びCe(セリウム)を含む。遷移金属元素Tは、少なくともFe(鉄)を含む。焼結磁石10におけるCuの含有量[Cu]は0.1〜2原子%である。
粒界相9は、希土類元素R及び遷移金属元素Tの金属間化合物を含有するR‐T相3を含む。R‐T相3における希土類元素Rの含有量の合計が[R]原子%と表される。R‐T相3におけるCeの含有量が[Ce]原子%と表される。100×[Ce]/[R]は75〜100である。
本発明者らは、以下の考察に基づいて本発明に至った。
焼結磁石の残留磁束密度は、置換されたNdの量が多いほど、小さくなり易い。焼結磁石の保磁力を大きくするためには、焼結磁石における粒界相の量、及び、粒界相の磁性が重要である。粒界相の含有量が増えると、主相の含有量が減少するため、焼結磁石の残留磁束密度が小さくなり易い。焼結磁石の保磁力を増加させる方法として、以下のように主相粒子を微細にする方法がある。例えば、メルトスパン法又はHDDR(Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination)法により、主相粒子の粒径を1μm以下に小さくする。そして、焼結体に対してNd‐Ga、又はNd‐Cu等の共結晶点が低い合金を焼結体表面から拡散及び浸透させ、主相粒子の表面におけるNdの濃度を他の希土類元素Rよりも高くする。その結果、焼結磁石の保磁力は大きくなり易い。主相粒子の粒径が小さくなるほど、主相粒子の比表面積は高くなり、粒子の表面のNd濃度を高めたことに起因する改質効果が得られ易い。しかしながら、焼結工程において、1μm以下の微細な主相の結晶組織を維持するためには、低温で焼結工程を行う必要がある。そのため、従来の高温での焼結方法を用いることができず、温間加工又は熱間加工等の方法を用いる必要があり、焼結磁石の製造コストが高くなり易い。さらに、焼結体表面から共晶点が低い合金を拡散及び浸透させることが可能な深さは限られるため、上記の方法を適用できる焼結磁石の形状は限られる。そこで、主相粒子の粒径に依存することなく、焼結磁石の保磁力を大きくする方法が求められる。
本発明者らは、Ceを含有する焼結磁石の粒界相には、R‐T相が存在することを見出した。R‐T相は、例えば、RFe相であってよい。走査型電子顕微鏡(SEM)に付属するエネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いたSEM‐EDS分析により、RFe相中の希土類元素RにおけるNd及びCeの各含有量(単位:原子%)を測定した。その結果、Ndの含有量は、例えば30%であった。Ceの含有量は、例えば70%であった。CeとFeとの二元相図にはCeFe相が存在するが、NdとFeとの二元相図にはNdFe相は存在しない。つまり、NdFe相はCeFe相に比べてエネルギー的に不安定であり、CeFe相は粒界相中に形成され易いが、NdFe相は粒界相中に形成され難い。そして、R‐T相におけるCeの含有量が多いほど、R‐T相の磁化が小さく、粒界相の磁化が小さい。したがって、粒界相中のNdをCeで置換するほど、粒界相の磁化が減少し、主相粒子同士の磁気分離が起こり易い。その結果、焼結磁石の保磁力が増加する。このようにCeによるNdの置換によって粒界相の磁化を制御する方法であれば、主相粒子の粒径に依らず、低い製造コストで焼結磁石の保磁力を大きくすることができる。以上の考察に基づいて、本発明者らは本実施形態に係る焼結磁石10を見出した。
つまり、焼結磁石10の保磁力が大きい理由は以下の通りである、と本発明者らは考える。R‐T相3の磁性は、R‐T相3に含まれる希土類元素Rの種類に応じて変化する。R‐T相3におけるNdの含有量と、R‐T相3の磁化との間には、正の相関関係があり、R‐T相3におけるCeの含有量と、R‐T相3の磁化との間には、負の相関関係がある。焼結磁石10の原料にCuを添加すると、焼結磁石10を作製する過程で、粒界相9に含まれるCuと、R‐T相3に含まれるNdとが、Nd‐Cu相を形成する。Nd‐Cu相の磁化は非常に小さい。Nd‐Cu相は、例えば、CuがR‐T相3(RFe相)に含まれるNdを吸引することにより、R‐T相3の外に形成される。また、CuがR‐T相3(RFe相)内に拡散し、TサイトがCuで置換されることにより、Nd‐Cu相がR‐T相3内に形成され、Nd‐Cu相がR‐T相3から分離する。Cuの原子半径は、Feの原子半径とほぼ等しく、1.17Åである。そのため、RFe相のFeサイトは、Cuで置換され易い。Nd‐Cu相がR‐T相3から分離することにより、R‐T相3におけるNdの含有量が減少し、100×[Ce]/[R]が75〜100となる。R‐T相3におけるNdの含有量の減少、及びNd‐Cu相の生成により、粒界相9の磁化が小さくなる。その結果、主相粒子11同士の磁気分離が起こり易くなり、焼結磁石10の保磁力が大きくなる。焼結磁石10におけるCuの含有量[Cu]が少なすぎると、Nd‐Cu相の生成量が十分でないため、十分な保磁力が得られない。[Cu]が多すぎると、R‐T相3に含まれるNdに加え、主相粒子11に含まれるNdと、粒界相9に含まれるCuとがNd‐Cu相を形成する。そのため、主相粒子11から粒界相9にFeが生じ、Feが粒界相中に析出し、粒界相9に異相(αFe)が生じる。αFeの保磁力は小さく、αFeの磁化は大きい。その結果、主相粒子11同士の磁気分離が起こり難くなり、焼結磁石10の保磁力が小さくなる。[Cu]が0.1〜2原子%であることにより、十分な量のNd‐Cu相が形成され、且つ、αFeが生じ難いことにより、焼結磁石10の保磁力が大きくなる。Nd‐Cu相は、Nd及びCuの金属間化合物を含んでよい。Nd‐Cu相は、例えば、NdCuを含んでよい。なお、焼結磁石10の保磁力が大きい理由は、上記理由に限定されない。
また、本発明者らは、焼結磁石10を作製する過程で、後述する焼結体に対して所定の温度で時効処理を施すと、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易いことを見出した。時効処理の温度は、900〜970℃、又は900〜950℃であってよい。時効処理の温度が上記範囲内であると保磁力が大きくなり易い理由は以下の通りである、と本発明者らは考える。時効処理の温度が低すぎると、R‐T相3から生成する液相の量が少ない。そのため、R‐T相3におけるNdの移動、及び、CuのR‐T相3への拡散が起こり難い。時効処理の温度が高すぎると、主相粒子11に含まれるNdに由来するNd‐Cu相が形成され易くなる。時効処理の温度が上記範囲内であると、R‐T相3から生成する液相の量が多くなり易く、R‐T相3に含まれるNdに由来するNd‐Cu相が、主相粒子11に含まれるNdに由来するNd‐Cu相に比べて、形成され易い。その結果、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い。なお、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い理由は、上記理由に限定されない。
各主相粒子11は、少なくとも希土類元素R、遷移金属元素T、及びホウ素(B)を含む。希土類元素Rは、少なくともNd(ネオジム)及びCe(セリウム)を含む。つまり、Ndの一部がCeで置換されている。遷移金属元素Tは、少なくともFe(鉄)を含む。遷移金属元素Tは、FeとCo(コバルト)とを含んでよい。つまり、上記のFeの一部がCoで置換されてよい。各主相粒子11は、ホウ素に加えて炭素(C)を含んでよい。つまり、上記のBの一部がCで置換されてよい。主相粒子11は、主相としてR14Mを含んでよい。元素MはBのみであってよい。元素Mは、B及びCであってもよい。換言すれば、R14Mは、Nd2−xCeFe14−sCo1−tと表されてよい。xは、0より大きく2未満である。sは、0以上14未満である。tは、0以上1未満である。例えば、主相粒子11は、NdFe14Bを含んでよい。例えば、主相粒子11は、YFe14Bを含んでもよい。例えば、主相粒子11は、CeFe14Bを含んでもよい。
図2に示されるように、粒界相9は、R‐T相3に加えて、Rリッチ相5、異相(heterogeneous phase)7、R13E相等を含んでもよい。元素Eは、Ga、Si、Sn、及びBiからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。R‐T相3、Rリッチ相5、異相7、及びR13E相それぞれの定義は、下記の通りであってよい。
R‐T相3におけるCの含有量が[C]原子%と表される。R‐T相3におけるNの含有量が[N]原子%と表される。R‐T相3におけるOの含有量が[O]原子%と表される。R‐T相3における希土類元素Rの含有量の合計が[R]原子%と表される。R‐T相3における遷移金属元素Tの含有量の合計が[T]原子%と表される。R‐T相3における元素Eの含有量の合計が[E]原子%と表される。R‐T相3は、下記不等式(1)、(2)、及び(3)の全てを満たす相であってよい。
0≦[C]+[N]+[O]<30 (1)
0.26≦[R]/([R]+[T])≦0.40 (2)
0.00≦[E]/([R]+[T]+[E])≦0.03 (3)
R‐T相3は、例えば、RT相を含んでよい。つまり、R‐T相3に含まれる金属間化合物は、例えば、RTであってよい。RTは、Nd1−γCeγFe2−δCoδと表されてよい。γは0以上1以下である。δは0以上2以下である。RTは、例えば、NdFe、又はCeFeであってよい。R‐T相3は、R及びTの金属間化合物に加えて、R及びT以外の微量の元素を含んでもよい。R‐T相3は、ラーベス(Laves)相であってよい。R‐T相3の結晶構造は、C15型であってよい。R‐T相3は、X線回折(XRD)パターンを用いて、格子面(hkl)に由来する回折ピークの回折角2θに基づいて特定されてよい。例えば、XRDパターンの測定にCuKα線を用いた場合、R‐T相3の格子面(220)に由来する2θが、34.0〜34.73°であってよい。また、XRDパターンの測定にCuKα線を用いた場合、R‐T相3の格子面(311)に由来する2θが、40.10〜40.97°であってよい。上記2θは、R‐T相3に含まれる希土類元素Rの種類に応じて、上記範囲内で変化してよい。
100×[Ce]/[R]は、76〜84であってよい。100×[Ce]/[R]が上記範囲内である場合、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い。[Ce]及び[R]は、SEM‐EDS分析により測定されてよい。また、焼結磁石10における希土類元素Rの含有量が少なく、微細なR‐T相3を分析する必要がある場合、透過型電子顕微鏡(TEM)に付属するEDSを用いたTEM‐EDS分析、又は、3次元アトムプローブ(3DAP)分析により測定されてもよい。測定された[Ce]と[R]とから100×[Ce]/[R]が算出されてよい。
Rリッチ相5におけるCの含有量が[C]原子%と表される。Rリッチ相5におけるNの含有量が[N]原子%と表される。Rリッチ相5におけるOの含有量が[O]原子%と表される。Rリッチ相5における希土類元素Rの含有量の合計が[R]原子%と表される。Rリッチ相5における遷移金属元素Tの含有量の合計が[T]原子%と表される。Rリッチ相5は、下記不等式(4)及び(5)を満たす相であってよい。
0≦[C]+[N]+[O]<30 (4)
0.50≦[R]/([R]+[T])≦1.00 (5)
異相7におけるCの含有量が[C]原子%と表される。異相7におけるNの含有量が[N]原子%と表される。異相7におけるOの含有量が[O]原子%と表される。異相7は、[C]と[N]と[O]との合計[C]+[N]+[O]が30〜100である相であってよい。つまり、異相7は、下記不等式(6)を満たす相であってよい。異相7は、例えば、Rの酸化物、Rの炭化物及びRの窒化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。
30≦[C]+[N]+[O]≦100 (6)
13E相におけるCの含有量が[C]原子%と表される。R13E相におけるNの含有量が[N]原子%と表される。R13E相におけるOの含有量が[O]原子%と表される。R13E相における希土類元素Rの含有量の合計が[R]原子%と表される。R13E相における遷移金属元素Tの含有量の合計が[T]原子%と表される。R13E相における元素Eの含有量の合計が[E]原子%と表される。R13E相は、下記不等式(7)、(8)及び(9)の全てを満たす相であってよい。
0≦[C]+[N]+[O]<30 (7)
0.26≦[R]/([R]+[T])≦0.40 (8)
0.03<[E]/([R]+[T]+[E])≦1.00 (9)
希土類元素Rは、Nd及びCeに加えて、その他の希土類元素をさらに含んでもよい。その他の希土類元素は、例えば、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Pr(プラセオジム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Ho(ホルミウム)、Dy(ジスプロシウム)及びTb(テルビウム)からなる群より選ばれる少なくも一種であってよい。希土類元素Rは、Nd及びCeのみからなっていてもよい。焼結磁石10における希土類元素Rの含有量の合計[R]は、14〜18原子%であってよい。焼結磁石10におけるNdの含有量[Nd]は、7〜13原子%、又は9〜11原子%であってよい。焼結磁石10におけるCeの含有量[Ce]は、4〜8原子%であってよい。
遷移金属元素Tは、Feに加えて、Co(コバルト)をさらに含んでもよく、その他の遷移金属元素をさらに含んでもよい。その他の遷移金属元素は、例えば、Ni(ニッケル)等であってよい。遷移金属元素Tは、Fe及びCoのみからなっていてもよい。焼結磁石10における遷移金属元素Tの含有量の合計[T]は、76〜84原子%であってよい。焼結磁石10におけるFeの含有量[Fe]は、72〜84原子%であってよい。焼結磁石10におけるCoの含有量[Co]は、0〜5原子%であってよい。
焼結磁石10におけるBの含有量[B]は、4.2〜5.8原子%であってよい。
焼結磁石10におけるCuの含有量[Cu]は、0.1〜2原子%、又は0.3〜1.0原子%であってよい。[Cu]が上記範囲内である場合、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い。
焼結磁石10は、Al(アルミニウム)、Mn(マンガン)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、V(バナジウム)、Ag(銀)、Ge(ゲルマニウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Si(ケイ素)、Sn(錫)及びBi(ビスマス)等の元素をさらに含んでもよい。
元素Eが、Si、Sn、Ga、及びBiからなる群より選択される少なくとも一種と定義されるとき、焼結磁石10における元素Eの含有量の合計[E]は、0〜1原子%であってよい。[E]が上記範囲内である場合、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い。[E]が上記範囲内であると焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い理由は以下の通りである、と本発明者らは考える。焼結磁石10が元素Eを含有する場合、焼結磁石10の作製過程において、粒界相9にR13E相が生成し易い。粒界相9にR13E相が生成することにより、R‐T相3におけるNdの含有量が減少し、粒界相9の磁化が小さくなる。その結果、主相粒子11同士の磁気分離が起こり易くなり、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い。一方、[E]が上記上限値以下である場合、粒界相9に、遷移金属元素Tを含有しないR‐E相が生成し難いため、遷移金属元素Tが粒界相9に析出し難い。その結果、主相粒子11間の磁気分離が起こり易くなり、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い。R13E相は、例えば、RFe13E相であってよい。R13E相におけるNdの含有量が[Nd]原子%と表される。R13E相におけるRの含有量の合計が[R]原子%と表される。100×[Nd]/[R]は大きく、例えば、70以上であってよい。なお、保磁力が大きくなり易い理由は、上記理由に限定されない。
焼結磁石10の組成は、蛍光X線分析法、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法、不活性ガス融解‐非分散型赤外線吸収法、酸素気流中燃焼‐赤外吸収法、不活性ガス融解‐熱伝導度法等によって特定されてよい。
主相粒子11の平均粒径(D50)は、2〜10μm、2.4〜10μm、又は3〜6μmであってよい。主相粒子11のD50が小さすぎると、主相粒子11の生産が難しくなり易い。主相粒子11のD50が大きすぎると、主相粒子11の体積が増加することにより、反磁界が増加し易い。その結果、磁化反転が起こり易くなり、焼結磁石10の保磁力が低下し易い。主相粒子11のD50が上記範囲内であると、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い。ただし、主相粒子11のD50が上記範囲外である場合であっても、本発明の作用効果は得られる。なお、気流粉砕法により、主相粒子11のD50が2μmを下回るように主相粒子11の原料を粉砕するためには、高速の気流を発生させるための圧縮機、又は硬質のセラミック板の冷却などが必要である。そのため、運転コストが高くなり易い。また、気流の速度が十分でないため、粉砕機に投入した原料の全てを2μm未満の微粉末として回収することができず、原料の利用率が低くなり易い。回収できなかった原料は損失となるため、焼結磁石10の製造コストが高くなり易い。主相粒子11のD50が上記下限値以上であると、原料の利用率が高くなり易く、焼結磁石10の製造コストが低くなり易い。
(焼結磁石の製造方法)
焼結磁石10の製造方法は、以下の通りであってよい。所望の焼結磁石10の組成に一致するように出発原料を秤量する。出発原料は、例えば、金属、又は合金であってよい。
下記のストリップキャスト法、高周波誘導溶解法、アーク溶解法、その他の溶解法により、上記の出発原料から原料合金を作製してよい。還元拡散法によって出発原料から原料合金を作製してもよい。原料合金の酸化を抑制するために、ストリップキャスト法等の溶解法を非酸化雰囲気中で実施してよい。非酸化雰囲気は、例えば、真空、又はAr(アルゴン)等の不活性ガスであってよい。
ストリップキャスト法では、上記出発原料を非酸化雰囲気中で溶解して、溶湯(原料合金の融液)を作製する。溶湯を非酸化雰囲気中で回転するロールの表面へ出湯(pour)する。金属ロールは水冷等で冷却されているので、溶湯がロールの表面で急冷され、凝固することにより、原料合金の薄板又は薄片(鱗片)が得られる。ロールは、例えば、銅製であってよい。
上記の溶解及び急冷によって得られた原料合金を粉砕して、粗粉末を得る。原料合金の粉砕方法は、例えば、水素粉砕であってよい。水素粉砕では、原料合金を水素雰囲気に置いて、原料合金に水素を吸蔵させる。原料合金が水素を吸蔵すると、原料合金の体積が膨張する。また、原料合金に含まれる金属の水素化反応が生じて、原料合金が脆くなる。その結果、原料合金にクラックが生じて、原料合金が粉砕される。粗粉末の粒径は、例えば、10〜1000μmであってよい。
粗粉末を加熱することにより、粗粉末の脱水素を行ってよい。脱水素温度は、300〜400℃であってよい。脱水素時間は、0.5〜20時間であってよい。
粗粉末を粉砕して、微粉末を得る。粗粉末を粉砕する前に、粗粉末に潤滑剤を添加してよい。粗粉末に潤滑剤を添加することにより、粗粉末を粉砕するときに、粉末同士が凝集し難く、粉末が粉砕装置の内壁に融着し難い。潤滑剤は、例えば、エステル系の有機物、アミド系の有機物であってよい。アミド系の有機物は、例えば、オレイン酸アミドであってよい。粗粉末は、気流式粉砕機(ジェットミル)等により粉砕してよい。ジェットミルによる粉砕では、粗粉末が、不活性ガスの気流によって加速された後、硬質のセラミック板に衝突することによって粉砕される。得られた微粉末は、ジェットミルの粒子捕集部(サイクロン)から回収される。不活性ガスは、窒素ガス等であってよい。微粉末の平均粒径(D50)は、例えば、2〜10μmであってよい。微粉末のD50が小さすぎると、後述する時効処理を焼結体に施した際に主相に粗大粒子が生じ易い。その結果、焼結磁石10の保磁力が小さくなり易い。微粉末のD50が大きすぎると、主相粒子11が大きくなり易い。その結果、焼結磁石10の保磁力が小さくなり易い。微粉末のD50が上記範囲内であることにより、焼結磁石10の保磁力が大きくなり易い。
微粉末を成型機の成形空間(キャビティ)に入れ、微粉末を磁場中で加圧することにより、成形体を得る。加圧方向は、磁場方向に対して垂直な方向であってよい。磁場の強さは、例えば、960〜1600kA/mであってよい。微粉末に加える圧力は、例えば、10〜500MPaであってよい。
成形体を焼結して、焼結体を得る。焼結温度は、例えば、1000〜1200℃であってよい。焼結時間は、例えば、0.1〜100時間であってよい。成形体の焼結は、減圧雰囲気、不活性雰囲気等で行ってよい。成形体を焼結している間、粒界相9は溶融状態であってよく、R‐T相3は形成されていなくてよい。焼結体における粒界相9は、R‐T相3等を含んでよい。
焼結体に時効処理を施すことにより、焼結磁石10を得る。時効処理では、焼結体を加熱する。時効処理の温度は、上述した通りであってよい。時効処理の時間は、例えば、1〜100時間であってよい。時効処理は、減圧雰囲気、不活性雰囲気等で行ってよい。時効処理は、1段階の熱処理から構成されても、2段階以上の熱処理工程から構成されてもよい。例えば、比較的高温で加熱した後、比較的低温で加熱してもよい。この場合、焼結磁石10の保磁力がより大きくなり易い。時効処理後の焼結体の平均粒径(D50)は、上記の主相粒子11の平均粒径(D50)と同じであってよい。
必要に応じて、得られた焼結磁石10を所定の形状に加工してもよい。加工方法は、例えば、切断、研削などの形状加工、又は、バレル研磨などの面取り加工等であってよい。例えば、磁気特性を精密に測定するため、測定試料となる焼結磁石10の表面を平坦に加工してよい。表面が平坦であることにより、測定試料の正確な寸法が得られる。表面を平坦に加工する方法は、例えば、湿式法、乾式法等であってよい。加工時間が短く、加工費用が安いことから、湿式法が好ましい。
(回転機)
本実施形態に係る回転機は、上記の焼結磁石10aを備える。回転機の内部構造の一例は、図3に示される。本実施形態に係る回転機200は、永久磁石同期回転機(SPM回転機)である。回転機200は、円筒状のロータ50と、ロータ50の内側に配置されるステータ30と、を備えている。ロータ50は、円筒状のコア52と、コア52の内周面に沿って配置された複数の焼結磁石10aと、を有している。複数の焼結磁石10aは、コア52の内周面に沿ってN極とS極が交互に並ぶように配置されている。ステータ30は、その外周面に沿って設けられた複数のコイル32を有している。コイル32と焼結磁石10aとは互いに対面するように配置されている。
回転機200は、電動機(モータ)であってよい。電動機は、コイル32への通電によって生成する電磁石による界磁と、焼結磁石10aによる界磁と、の相互作用により、電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する。回転機200は、発電機(ジェネレータ)であってもよい。発電機は、焼結磁石10aによる界磁とコイル32との相互作用(電磁誘導)により、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する。
電動機(モータ)として機能する回転機200は、例えば、永久磁石直流モータ、リニア同期モータ、永久磁石同期モータ(SPMモータ、IPMモータ)、又は往復動モータであってよい。往復動モータとして機能するモータは、例えば、ボイスコイルモータ、又は振動モータであってよい。発電機(ジェネレータ)として機能する回転機200は、例えば、永久磁石同期発電機、永久磁石整流子発電機、又は永久磁石交流発電機であってよい。回転機200は、自動車、産業機械、又は家庭用電化製品等に用いられてよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、本発明の種々の変更が可能であり、これ等の変更例も本発明に含まれる。
以下では、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下に示す方法により、焼結磁石を作製した。焼結磁石の出発原料(単体又は合金)として、Nd、Ce、Fe、FeB、Al、Co、及びCuを準備した。各出発原料の純度は99.9質量%であった。焼結磁石の組成が9.6原子%Nd‐6.4原子%Ce‐77.8原子%Fe‐5.0原子%B‐0.5原子%Al‐0.6原子%Co‐0.1原子%Cuとなるように、各出発原料を秤量して混合し、混合原料を調製した。ストリップキャスト法により、混合原料の溶融液をロールの表面で急冷することにより、合金の薄板を得た。
水素粉砕により薄板を粉砕して、粗粉末を得た。
粗粉末に潤滑剤を添加した。潤滑剤はオレイン酸アミドであった。粗粉末における潤滑剤の含有率は0.1質量%であった。潤滑剤を添加した粗粉末を、高圧の窒素ガス雰囲気中でジェットミルにより粉砕して、微粉末を得た。微粉末の平均粒径(D50)は、3μmであった。
微粉末を成型機内の成型空間(キャビティ)に入れた。磁場中で微粉末を加圧して成形し、成形体を得た。加圧方向は、磁場方向に対して垂直な方向であった。磁場の強さは15×(10/4π)kA/mであった。微粉末に加えた圧力は140MPaであった。
成形体を焼結して、焼結体を得た。焼結温度は1000℃であった。焼結時間は4時間であった。
焼結体を加熱することにより、焼結体に時効処理を施した。時効処理の温度は950℃であった。時効処理の時間は12時間であった。時効処理後の焼結体の平均粒径(D50)は、3.2μmであった。
湿式法により、時効処理後の焼結体の表面を平坦に加工して、実施例1の焼結磁石を得た。
[磁気特性の測定]
B‐Hトレーサーを用いて、実施例1の焼結磁石における減磁曲線を測定し、実施例1の焼結磁石の保磁力HcJ(単位:kA/m)を求めた。減磁曲線の測定における最大印加磁界は3Tであった。実施例1のHcJを表1に示す。下記表中の保磁力HcJの単位(kOe)は、「×(10/4π)×(kA/m)」と等価である。HcJは、12×(10/4π)kA/m以上であることが好ましい。
[組成の分析]
磁気特性を測定した後の実施例1の焼結磁石を不活性ガス雰囲気において加熱することにより、焼結磁石の熱消磁を行った。ICP発光分析法により、熱消磁後の焼結磁石におけるNd、Ce、Fe、B、Al、Co、及びCuそれぞれの含有量(単位:原子%)を測定した。なお、各含有量は、上記で測定された全ての元素の含有量の合計100原子%を基準として算出された。各結果を表1に示す。
[100×[Ce]/[R]
実施例1の焼結磁石に対して、SEM‐EDS分析により、R‐T相におけるNdの含有量[Nd]と、R‐T相におけるCeの含有量[Ce]とを測定した。[Nd]と[Ce]とを合計して、R‐T相におけるRの含有量の合計[R]を求めた。[Ce]と[R]とから、100×[Ce]/[R]を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2〜5)
実施例2〜5では、焼結磁石の組成が表1に示す組成となるように各出発原料を秤量した。この点を除いて、実施例1と同様の方法により、実施例2〜5それぞれの焼結磁石を個別に作製した。実施例2〜5それぞれの微粉末のD50、及び時効処理後の焼結体のD50を表1に示す。
実施例1と同様の方法により、実施例2〜5それぞれの焼結磁石の磁気特性を分析した。実施例1と同様の方法により、実施例2〜5それぞれの焼結磁石の組成を分析した。実施例1と同様の方法により、実施例2〜5それぞれの100×[Ce]/[R]を求めた。各結果を表1に示す。
(実施例6〜8)
実施例6〜8では、ジェットミルを用いて、微粉末のD50が表1に示す値となるように粗粉末を粉砕した。この点を除いて、実施例1と同様の方法により、実施例6〜8それぞれの焼結磁石を個別に作製した。実施例6〜8それぞれの時効処理後の焼結体のD50を表1に示す。
実施例1と同様の方法により、実施例6〜8それぞれの焼結磁石の磁気特性を分析した。実施例1と同様の方法により、実施例6〜8それぞれの焼結磁石の組成を分析した。実施例1と同様の方法により、実施例6〜8それぞれの100×[Ce]/[R]を求めた。各結果を表1に示す。
(比較例1及び2)
比較例1及び2では、焼結磁石の組成が表1に示す組成となるように各出発原料を秤量した。この点を除いて、実施例1と同様の方法により、比較例1及び2それぞれの焼結磁石を個別に作製した。比較例1及び2それぞれの微粉末のD50、及び時効処理後の焼結体のD50を表1に示す。
実施例1と同様の方法により、比較例1及び2それぞれの焼結磁石の磁気特性を分析した。実施例1と同様の方法により、比較例1及び2それぞれの焼結磁石の組成を分析した。実施例1と同様の方法により、比較例1及び2それぞれの100×[Ce]/[R]を求めた。各結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例3における時効処理の温度は800℃であった。この点を除いて、実施例1と同様の方法により、比較例3の焼結磁石を作製した。比較例3の微粉末のD50、及び時効処理後の焼結体のD50を表1に示す。
実施例1と同様の方法により、比較例3の焼結磁石の磁気特性を分析した。実施例1と同様の方法により、比較例3の焼結磁石の組成を分析した。実施例1と同様の方法により、比較例3の100×[Ce]/[R]を求めた。各結果を表1に示す。
時効処理の温度を下記表1ではTと表記する。100×[Ce]/[R]を下記表1ではCe/Rと表記する。
Figure 2020095991
表1に示すように、全ての実施例の保磁力は12kOe以上(955kA/m以上)であった。一方、保磁力が12kOe以上である比較例はなかった。本発明によれば、Ndの代替元素としてCeを含む焼結磁石の中でも保磁力が大きい焼結磁石が提供されることが確認された。
実施例6の微粉末のD50は、実施例1に比べて、小さかった。その結果、実施例6の保磁力は、実施例1に比べて、大きかったと考えられる。
実施例7の微粉末のD50は、実施例1に比べて、大きかった。その結果、実施例7の保磁力は、実施例1に比べて、小さかったと考えられる。
実施例8の微粉末のD50は、実施例1に比べて、大きかった。その結果、実施例8の保磁力は、実施例1に比べて、小さかったと考えられる。
比較例1の焼結磁石は、Cuを含有しなかった。その結果、比較例1では、100×[Ce]/[R]が低くなり、保磁力が小さかったと考えられる。
比較例2では、[Cu]が多かったため、100×[Ce]/[R]は大きかった。しかしながら、Nd‐Cu相の増加によって主相においてNdが不足し、異相(αFe)が析出した。その結果、保磁力が小さかったと考えられる。
比較例3では、時効処理の温度が低かった。その結果、100×[Ce]/[R]が低くなり、保磁力が小さかったと考えられる。
本発明に係る焼結磁石は、例えば、回転機に用いられる。
3…R‐T相、5…Rリッチ相、7…異相、9…粒界相、10,10a…焼結磁石、10cs…焼結磁石の断面、11…主相粒子、30…ステータ、32…コイル、52…コア、200…回転機。

Claims (2)

  1. 希土類元素R、遷移金属元素T、及びホウ素を含有する複数の主相粒子と、
    前記複数の主相粒子の間に位置する粒界相と、を備える焼結磁石であって、
    前記希土類元素Rが、少なくともネオジム及びセリウムを含み、
    前記遷移金属元素Tが、少なくとも鉄を含み、
    前記焼結磁石における銅の含有量が0.1〜2原子%であり、
    前記粒界相が、前記希土類元素R及び前記遷移金属元素Tの金属間化合物を含有するR‐T相を含み、
    前記R‐T相における前記希土類元素Rの含有量の合計が[R]原子%であり、
    前記R‐T相におけるセリウムの含有量が[Ce]原子%であり、
    100×[Ce]/[R]が75〜100である、
    焼結磁石。
  2. 請求項1に記載の焼結磁石を備える回転機。
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