JP2020095886A - 燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄工程におけるセパレータへのカーボンの再付着量を低減し、接着性能の低下によるシール性の低下を抑制することができる燃料電池用セパレータの製造方法を提供する。【解決手段】燃料電池用セパレータの製造方法は、NC処理後のカソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17の成形を行うプレス加工工程(ステップS2)と、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17の表面に付着したカーボンを除去する洗浄工程(ステップS3)と、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17に付着した洗浄液を乾燥させる乾燥工程(ステップS4)とを含み、洗浄工程(ステップS3)は、所定回数の洗浄を行った後、洗浄液のカーボン濃度を検出し、検出したカーボン濃度が1.2wt%未満であることを条件として、洗浄を完了し、乾燥工程(ステップS4)に進むカーボン濃度検出工程を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、ナノカーボン処理が行われる燃料電池用セパレータの製造方法に関する。
この種の燃料電池用セパレータの製造方法として、チタン基材の表面にカーボンブラック(CB:Carbon Black)と酸化チタン(TiO)の混合層を形成し、低酸素分圧下で熱処理を行ういわゆるナノカーボン処理(以下、NC処理という。)が行われるセパレータの製造方法が開示されている(特許文献1参照)。この燃料電池用セパレータの製造方法においては、セパレータの表面に残ったカーボンブラックをエタノールを浸した不織布、例えば、旭化成株式会社製のベンコット(登録商標)で拭き取り、その後、水洗して乾燥させ、密着性などの評価を行っている。
特開2018−67450号公報
しかしながら、特許文献1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法の場合、セパレータの洗浄液中への浸漬の回数が多くなると、セパレータの表面に残ったカーボンブラックが洗浄液中に脱落し、洗浄液中のカーボンブラックの量が増加してしまう。洗浄液中のカーボンブラックの量が増加すると、NC処理が行われたセパレータの表面に洗浄液中のカーボンブラックが再付着してしまう。カーボンブラックが再付着すると、洗浄工程の後のセパレータを接着する工程において、セパレータの表面に再付着したカーボンブラックにより、セパレータの表面と接着剤との接触面積が小さくなってしまい、接着性能が低下してしまうおそれがある。その結果、セパレータのシール性が低下してしまうおそれがあるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、洗浄工程におけるセパレータへのカーボンの再付着量を低減し、接着性能の低下によるシール性の低下を抑制することができる燃料電池用セパレータの製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法は、ナノカーボン処理を行ったセパレータの流路成形を行うプレス加工工程と、前記セパレータの表面に付着したカーボンを除去する洗浄工程と、前記セパレータに付着した洗浄液を乾燥させる乾燥工程と、を行う燃料電池用セパレータの製造方法であって、前記洗浄工程は、所定回数の洗浄を行った後、洗浄液のカーボン濃度を検出し、検出した前記カーボン濃度が1.2wt%未満であることを条件として、洗浄を完了し、前記乾燥工程に進むカーボン濃度検出工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法においては、洗浄工程において所定回数の洗浄が行われた後、洗浄工程に含まれるカーボン濃度検出工程において、洗浄液のカーボン濃度が検出される。検出されたカーボン濃度が1.2wt%未満であることを条件として、洗浄が完了する。洗浄液中のカーボン濃度が1.2wt%未満であると、洗浄工程において、セパレータの表面へのカーボンの再付着量(μg/cm)が所定レベル以下に抑えられる。表面へのカーボンの再付着量が所定レベル以下に抑えられたセパレータが、次工程の乾燥工程に送られる。セパレータの表面へのカーボンの再付着量が所定レベル以下に抑えられることによって、接着性能の低下によるシール性の低下が抑制される。
本発明によれば、洗浄工程におけるセパレータへのカーボンの再付着量を所定レベル以下に抑え、接着性能の低下によるシール性の低下を抑制することができる燃料電池用セパレータの製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法で製造されるアノード側セパレータおよびカソード側セパレータにより構成される燃料電池セルの部分断面図。 本発明の実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法で製造されるアノード側セパレータおよびカソード側セパレータにより構成される燃料電池セルのセル化工程を示す工程図。 本発明の実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法で製造されるアノード側セパレータおよびカソード側セパレータの製造工程を示すフローチャート。 本発明の実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法で製造されるアノード側セパレータおよびカソード側セパレータの温水剥離強度の試験方法を説明する説明図。 本発明の実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法における洗浄液のカーボン濃度と温水剥離強度との関係を示すグラフ。 本発明の実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法における洗浄液のカーボン再付着量と温水剥離強度との関係を示すグラフ。
本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法を適用した実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法について図面を参照して説明する。
まず、実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法で製造されるアノード側セパレータ16およびカソード側セパレータ17を備えた燃料電池セル10について説明する。なお、本実施形態のアノード側セパレータ16およびカソード側セパレータ17は、本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法のセパレータに対応する。
燃料電池セル10は、図1に示すように、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly、以下MEAという。)11と、カソード側ガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer、以下GDLという。)12と、アノード側GDL13と、シール部材14と、接着層15と、カソード側セパレータ16と、アノード側セパレータ17とにより構成されている。
MEA11は、電解質膜21と、カソード側触媒層22と、アノード側触媒層23との接合体で構成されている。
カソード側GDL12およびアノード側GDL13は、ガス透過性および導電性を有する材料、例えば、カーボンペーパーなどの炭素繊維や黒鉛繊維などの多孔質の繊維基材で形成されている。カソード側GDL12は、カソード側触媒層22の外側に接合されており、アノード側GDL13は、アノード側触媒層23の外側に接合されている。
シール部材14は、合成樹脂で枠状に形成されたコア材14aと、コア材14aの表面および裏面に形成された各接着層14bを有する3層構造の接着シートで構成されている。シール部材14は、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17を接着するとともに、接着層15を介してMEGA11を構成する電解質膜21と接着されている。
シール部材14は、燃料極の水素ガス(H)や空気極の酸素ガス(O)が、微量ながら電解質膜を通過してしまうという、いわゆるクロスリークや触媒電極同士の電気的短絡を防ぐための機能を有している。
接着層15は、電解質膜21よりも高い剛性や高い弾性を有する液状接着部材からなる。液状接着部材としては、例えばエポキシ樹脂からなる接着剤が挙げられる。接着層15は、カソード側GDL12の端部とシール部材14の端部との間、積層方向におけるカソード側GDL12とカソード側触媒層22との間、積層方向におけるシール部材14と電解質膜21との間に形成されている。
カソード側セパレータ16は、チタン(Ti)基材で形成されている。カソード側セパレータ16は、カソード側GDL12およびシール部材14に接合されており、カソード側GDL12の表面に沿って酸化剤ガスとしての空気を流す酸化剤ガス流路16aが形成されている。カソード側セパレータ16の表面は、後述するNC処理工程で、カーボンブラック(CB:Carbon Black)と酸化チタン(TiO)の混合層が形成されている。
アノード側セパレータ17は、カソード側セパレータ16と同様、チタン(Ti)基材で形成されている。アノード側セパレータ17は、アノード側GDL13およびシール部材14に接合されており、アノード側GDL13の表面に沿って燃料ガスとしての水素を流す燃料ガス流路17aが形成されている。アノード側セパレータ17の表面は、カソード側セパレータ16の表面と同様、後述するNC処理工程で、カーボンブラック(CB:Carbon Black)と酸化チタン(TiO)の混合層が形成されている。
次いで、燃料電池セル10のカソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17をシールする工程、即ち、燃料電池セル10のセル化工程について、図面を参照して簡単に説明する。
燃料電池セル10のセル化工程は、図2に示すように、積層工程と、加熱プレス工程と、冷却プレス工程とを含んでいる。積層工程においては、MEGA11と、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17と、シール部材14とが積層され、積層体100が形成される。
加熱プレス工程は、プレス型101により行われる。プレス型101は、上型102と積層体100を保持する下型103とを有しており、上型102および下型103により積層体100がプレス加工される。加熱プレス工程においては、まず、積層体100が下型103にセットされる。積層体100のセット後に、プレス型101が所定の温度(℃)になるまで加熱され、上型102と、下型103とにより積層体100に対してそれぞれ圧力(MPa)が加えられ、いわゆる積層体100のホットプレスが行われる。
加熱プレス工程においては、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17が、シール部材14により接着され、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17がシール部材14によりシールされるとともに各構成要素が一体化される。
冷却プレス工程においては、所定の温度(℃)に冷却されたプレス型101により、ホットプレス後の積層体100が冷却され、シール部材14および接着層15が硬化する。即ち、積層体100がセル化され燃料電池セル10が形成される。なお、加熱時および冷却時の所定の温度(℃)は、積層体100の設定諸元や実験値などのデータに基づいて適宜選択される。
次いで、本実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法におけるカソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17の製造工程について、図面を参照して説明する。なお、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17は同様の工程で製造されるので、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17を総称してセパレータとし、以下、セパレータの製造工程について説明する。
セパレータの製造工程は、図3に示すように、NC処理工程と、プレス加工工程と、洗浄工程と、乾燥工程とを含んで構成されている。洗浄工程は、カーボン濃度検出工程を含んでおり、これらの各工程は順に行われる。
NC処理工程においては、チタン(Ti)基材の表面にカーボンブラック(CB:Carbon Black)と酸化チタン(TiO)の混合層が形成される(ステップS1)。チタン基材は、純チタンまたはチタン合金からなり、所定の厚み(mm)を有する板材からなる。なお、本実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法におけるカーボンブラックは、本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法におけるカーボンに対応する。
チタン基材は、コイル状に巻かれた長尺帯状のものであってもよく、所定の寸法に切断された枚葉状のものであってもよい。カーボンブラックは、直径3〜500nm程度の炭素の微粒子で、いわゆるナノカーボンからなる。
混合層の形成は、まず、チタン基材の表面にカーボンブラックが塗布され、その後、大気よりも酸素濃度が低い低酸化性雰囲気下で、かつ850℃以下の比較的に低い温度で行う処理、いわゆる低酸化処理を行い、チタン基材のチタン成分をカーボンブラック塗膜側へと外方拡散させることにより行われる。
混合層の形成により、混合層に含まれるカーボンブラックと酸化チタンは、燃料電池内の高温酸性雰囲気(例えば、80℃、pH2)でも酸化が進まず安定している。この混合層中でカーボンブラック部分が導電パスとなり、酸化チタン部分が耐食性を発揮することで、導電性を有するとともに、耐食性を有するセパレータが形成される。
プレス加工工程では、セパレータの流路成形が行われる。プレス加工工程においては、コイル状に巻かれた長尺帯状または所定の寸法に切断された枚葉状のチタン基材が図示しない下型にセットされる。チタン基材が下型にセットされると、上型と、下型とによりチタン基材に対してそれぞれ圧力(MPa)が加えられ、プレス加工が行われる。プレス加工により、流路を有する凹凸形状のセパレータが形成される(ステップS2)。
洗浄工程においては、プレス加工により成形されたセパレータを公知の洗浄液が満たされた洗浄槽に所定時間浸漬し、引き上げることにより行われる(ステップS3)。また、洗浄工程においては、カーボン濃度検出工程により、洗浄槽内の洗浄液中のカーボン濃度が検出され図示しないコントローラによりカーボン濃度の管理が行われる。
なお、洗浄液としては、例えば、常温または加熱されたイオン交換水などの洗浄水やアルカリ溶液が挙げられる。ここで、イオン交換水は、原水に含まれる鉄、ニッケル、カルシウムなどの金属イオンからなる陽イオンを水素イオンに置き換える陽イオン交換樹脂と、塩素イオン、炭酸イオン、ホウ酸イオンなどのアルカリ成分からなる陰イオンを水酸イオンに置き換える陰イオン交換樹脂により脱イオン化が行われて不純物が取り除かれた精製水を意味する。
洗浄工程は、具体的には、図3に示すように、カーボン濃度検出工程において、まず、セパレータが洗浄槽に所定時間浸漬されて洗浄される(ステップS11)。続いて、カウンタなどの計測器により洗浄回数が計測され、計測信号がコントローラに送られる(ステップS12)。
コントローラは、送られた計測信号に基づいて、洗浄槽内におけるセパレータの洗浄回数を算出し、算出した洗浄回数が所定回数以上であるか否かを判定する(ステップS13)。洗浄回数が所定回数以上でないと判定された場合は、セパレータの洗浄を完了し、次工程の乾燥工程に移行する。
ステップS13において、洗浄槽内におけるセパレータの洗浄回数が所定回数以上である判定された場合は、洗浄槽内の洗浄液のカーボン濃度が濃度検出器により検出され、検出信号がコントローラに送られる(ステップS14)。
コントローラは、送られた検出信号に基づいて、洗浄槽内の洗浄液のカーボン濃度を算出し、算出したカーボン濃度が1.2wt%未満であるか否かを判定する(ステップS15)。カーボン濃度が1.2wt%未満であると判定された場合は、洗浄を完了し、次工程の乾燥工程に移行する。
ステップS15において、カーボン濃度が1.2wt%未満でないと判定された場合は、洗浄槽内の洗浄液が交換される(ステップS16)。洗浄槽内の洗浄液の交換により、洗浄液が新たになったのでコントローラは、洗浄回数を0回にリセットし(ステップS17)、カウンタなどの計測器により、新たに洗浄回数の計測が開始される。そして、カーボン濃度が1.2wt%以上となったカーボン濃度の高い洗浄液で洗浄されたセパレータが再洗浄され(ステップS18)、ステップS12に戻る。
乾燥工程においては、洗浄工程において表面に付着しているカーボンブラックや異物が洗浄により除去されたセパレータが、比較的に高温の乾燥炉、例えば、100℃〜300℃程度の真空乾燥炉内にセットされる。真空乾燥炉内でセパレータに付着した洗浄液が除去され、セパレータが乾燥する。乾燥したセパレータは次工程に送られる(ステップS4)。
以上のように構成された実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法によりチタン基材にNC処理を行い、NC処理済のチタン基材およびシール部材14の接着性能について検証を行った。以下、検証内容および実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法の効果について図面を参照して説明する。
実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法によりNC処理を行った複数のチタン基材を種々のカーボン濃度を有するカーボンブラック洗浄液にそれぞれ浸漬した後、乾燥し、チタン基材とシール部材14との接着強度の測定を行った。
具体的には、NC処理済みのチタン基材は、以下の方法で作製した。まず、表面に幾何学模様の凹部が形成され、凹部の空間に塗工液を供給して塗工することができるグラビアロールに、カーボンブラックを供給してグラビアロールによりチタン基材の表面にカーボンブラックを塗布した。
その後、カーボンブラックを塗布したチタン基材に対して、温度550℃〜700℃および酸素分圧1Pa〜100Paの雰囲気中で、5秒間〜60秒間、低酸化処理を行い、基材のチタン成分をカーボンブラック塗膜側へと外方拡散させて、カーボンブラックと酸化チタンとの混合層を形成した。
その後、混合層が形成されたチタン基材に対して、ブラシ洗浄、超音波洗浄を行い、前述の低酸化処理において、酸化チタンと混合化されずセパレータの表面に残ったカーボンブラックを除去した。
その後、チタン基材の表面に残ったカーボンブラックを除去したチタン基材に対して、温度580℃〜650℃および酸素分圧3Pa〜30Paの雰囲気中で、10秒間〜30秒間、安定化処理を行い、NC処理済みのチタン基材を作製した。
次いで、作製したNC処理済みのチタン基材を所定量のカーボンブラックを添加したカーボンブラック洗浄液に浸漬し、引き上げた後に100℃で乾燥した。カーボンブラック洗浄液は、種々のカーボン濃度を有するものを用意し、カーボン濃度別にチタン基材を分けて浸漬した。NC処理済みのチタン基材をカーボンブラック洗浄液に浸漬する前に、NC処理済みのチタン基材の重量(g)を測定し、さらに、NC処理済みのチタン基材の乾燥後に、NC処理済みのチタン基材の重量(g)を測定した。浸漬前と乾燥後のNC処理済みのチタン基材の重量に基づいてNC処理済みのチタン基材へのカーボンブラックの再付着量(μg/cm)を算出した。
カーボンブラック洗浄液は、イオン交換水からなり、以下のように作製した。即ち、このイオン交換液中のカーボン濃度を調整するために、イオン交換液中にカーボンブラックを微粒子状に散在させる分散を行い、カーボンブラック分散水からなるカーボンブラック洗浄液を作製した。カーボンブラックの原料として、東海カーボン株式会社製のAqua-Black(登録商標)を使用した。
次いで、温水剥離強度(N/mm)の試験方法にしたがって、NC処理済みのチタン基材とシール部材14との接着強度、即ち、温水剥離強度(N/mm)を測定した。
まず、図4に示すように、NC処理済みのチタン基材をL字形に加工し、図示しない貫通孔を形成したものをカーボンブラック洗浄液のカーボン濃度別に2個ずつ作製した。そして、所定の大きさおよび厚みのシール部材14を1個作製し、所定の長さおよび太さのワイヤーを2個作製した。シール部材14は、マレイン酸ポリプロピレン(PP)で作製した。
作製した一対のL字形のチタン基材でシール部材14を挟み込んで、T字形に組み付け、加熱およびプレスにより一対のL字形のチタン基材をシール部材14で接着し、T字形の剥離試験片を作製した。作製したT字形の剥離試験片の一方の貫通孔にワイヤーを挿入するとともに、T字形の剥離試験片の他方の貫通孔にワイヤーを挿入しワイヤーを介しておもりをT字形の剥離試験片の他方に装着した。
そして、ワイヤーおよびおもりを装着したT字形の剥離試験片を温水が満たされている温水槽に浸漬し、T字形の剥離試験片の一方の貫通孔に挿入したワイヤーの端部を図示しない支持部材に装着して、T字形の剥離試験片を温水槽中にセットした。温水槽中の温水は、95℃に設定されている。
T字形の剥離試験片に装着したおもりを異なる重さのおもりに交換することで、一対のL字形のチタン基材とシール部材14とが剥離するおもりの重さ(g)を特定し、温水剥離強度(N/mm)を測定した。
温水剥離強度(N/mm)を測定した結果、図5に示すように、洗浄液のカーボン濃度(wt%)が、0.00001wt%〜1.2wt%までは、温水剥離強度(N/mm)が、ほぼ一定の値となっているが、カーボン濃度(wt%)が1.2wt%を超えると急激に温水剥離強度(N/mm)が低下することが分かった。
また、図6に示すように、カーボン再付着量(μg/cm)が0.00001μg/cm〜4μg/cmまでは、温水剥離強度(N/mm)が、ほぼ一定の値となっているが、カーボン再付着量(μg/cm)が、4μg/cmを超えると急激に温水剥離強度(N/mm)が低下することが分かった。
図5に示すように、カーボンブラック洗浄液中のカーボン濃度が1.2wt%未満であると、温水剥離強度(N/mm)が適性値で維持されており、図6に示すように、カーボン再付着量(μg/cm)が4μg/cm未満であると、温水剥離強度(N/mm)が適性値で維持されることが検証された。
したがって、カーボンブラック洗浄液中のカーボン濃度が1.2wt%未満であれば、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17の表面へのカーボン再付着量が4μg/cm未満になり、カーボン再付着量を低減させることができることが分かった。
本実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法は、洗浄工程(ステップS3)において所定回数の洗浄が行われた後、洗浄工程(ステップS3)に含まれるカーボン濃度検出工程において、洗浄液のカーボン濃度が検出(ステップS14)されるように構成されている。そして、本実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法は、検出されたカーボン濃度が1.2wt%未満であることを条件として、洗浄が完了するようにしている。その結果、洗浄工程(ステップS3)において、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17の表面へのカーボンの再付着量が低減されるという効果が得られる。
本実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法においては、カーボン濃度が1.2wt%未満であることの条件を規定しているので、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17の表面へのカーボンの再付着量を問題のない適性値の範囲内の量に抑えることができる。カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17の表面へのカーボンの再付着量が問題のない適性値の範囲内の量まで低減されると、カソード側セパレータ16およびアノード側セパレータ17とシール部材14との接触面積(cm)が適性値で確保されるため、接着性能の低下によるシール性の低下が抑制されるという効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
10・・・燃料電池セル、11・・・MEA、12・・・カソード側GDL、13・・・アノード側GDL、14・・・シール部材、14a・・・コア材、14b,15・・・接着層、16・・・カソード側セパレータ(セパレータ)、16a・・・酸化剤ガス流路、17・・・アノード側セパレータ(セパレータ)、17a・・・燃料ガス流路、21・・・電解質膜、22・・・カソード側触媒層、23・・・アノード側触媒層

Claims (1)

  1. ナノカーボン処理を行ったセパレータの流路成形を行うプレス加工工程と、前記セパレータの表面に付着したカーボンを除去する洗浄工程と、前記セパレータに付着した洗浄液を乾燥させる乾燥工程と、を行う燃料電池用セパレータの製造方法であって、
    前記洗浄工程は、所定回数の洗浄を行った後、洗浄液のカーボン濃度を検出し、検出した前記カーボン濃度が1.2wt%未満であることを条件として、洗浄を完了し、前記乾燥工程に進むカーボン濃度検出工程を含むことを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。

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