JP2020095229A - ヘテロダインデジタルホログラフィ装置 - Google Patents

ヘテロダインデジタルホログラフィ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ヘテロダイン計測を行うデジタルホログラフィ装置において、第一の波長の光による像と第二の波長の光による像とのずれに起因した問題を解決する。【解決手段】 第一のコヒーレント光源11からの第一の波長の光は第一の分割素子13で第一の物体光と第一の参照光に分割され、第二のコヒーレント光源12からの第二の波長の光は第二の分割素子14で第二の物体光と第二の参照光に分割される。第一の物体光と第二の物体光は、合軸手段2としてのファイバカプラ21で合波され、物体光ファイバ51で導かれて対象物Sを経由して撮像素子44に達する。第一第二の参照光は、第一第二の参照光ファイバ52,53で導かれ、対象物Sを経ることなく撮像素子44に達し、物体光と干渉して各干渉光が撮像素子44に捉えられ、ホログラムデータが取得される。ホログラムデータを演算処理ユニット3が処理し、対象物Sの表面内の点の位置が計測される。【選択図】 図1

Description

この出願の発明は、ヘテロダイン計測を行うデジタルホログラフィの技術に関するものである。
ホログラフィは、物体形状を反映した情報を三次元的に記録し、三次元的に再生する技術であり、二次元的な記録・再生では不可能な多くの視覚情報が得られる。このため、多岐に亘る応用が期待されている。中でも、ホログラムの再生をコンピュータにより行うデジタルホログラフィは、ハードウェアの高速化、記憶装置の大容量化、撮像素子の高解像度化といった要素技術の飛躍的進歩を背景として、実用化に向けた研究が盛んに行われており、ホログラフィ技術をさらに発展させると予想されている。
デジタルホログラフィの応用分野の一つに、物体の表面の微細な凹凸形状の計測がある。例えば、物体の表面に微細な突起が形成されている場合、その突起の高さをデジタルホログラフィにより計測することができる。以下、このような計測を三次元計測という。
三次元計測を行う場合、ホログラム(デジタルホログラフィの場合にはある種のデータなので、以下、ホログラムデータという。)の再生計算によって得られた複素振幅分布のうちの位相情報を使用し、これをz方向(奥行き方向)の位置に変換する演算を行って奥行き方向の像の位置を特定する。具体的には、以下の式1により、位相情報φ(x,y)を、奥行き方向の位置情報z(x,y)に変換する。尚、x,yは、対象物のxy面(光軸に垂直な面)内の座標である。
Figure 2020095229
式1から解るように、三次元計測では、計測できる奥行き方向の距離は、ホログラムの撮影の際に使用した光の波長λの1/2以下に限定される。このため、非常に低い高さ又は深さの凹凸しか計測できない。このようなことから、特許文献1や非特許文献1に開示されたように、ヘテロダイン計測を適用し、計測レンジ(計測できる奥行き方向の最大距離)を広げる技術が提案されている。
ヘテロダイン計測を行う場合、異なる二つの波長のコヒーレント光を空間的に合波し(時間的には分かれていても良い)、合波したコヒーレント光を対象物に照射してホログラムデータを取得する。異なる二つの波長をλ、λとすると、合波した光の波長λは、以下の式2で求められ、計測レンジは、λ/2まで広げられる。
Figure 2020095229
特開2017−53832号公報
"Real-time dual-wavelength digital holographic microscopy with single hologram acquisition", 11 June 2007 / Vol.15, No.12 / OPTICS EXPRESS pp. 7231-7242
上記のように、三次元計測を行うデジタルホログラフィにおいてヘテロダイン計測を適用すると、計測レンジの拡張が可能であり、より高い又は深い凹凸の計測が可能となる。しかしながら、発明者の研究によると、ヘテロダイン計測をデジタルホログラフィによる三次元計測に応用する場合、異なる二つの波長の光の光軸を十分に一致させないと、計測の精度が低下する問題が生じることが判明した。以下、この点について説明する。
図7は、ヘテロダイン計測を行うデジタルホログラフィ装置において軸ずれが生じた状態を模式的に示した図である。図7に示すように、ヘテロダイン計測をデジタルホログラフィ装置で行う場合、第一の波長λの物体光(以下、第一の物体光という。)Laと第二の波長λの物体光(以下、第二の物体光という。)Lbを、ビームスプリッタ901で重ね合わせて対象物Sに照射し、対象物Sからの物体光(ここでは反射回折光)を撮像素子901で捉える構成が考えられる。尚、図7では、各参照光は図示が省略されている。
この場合、軸が合っていないと、第一の物体光Laと第二の物体光Lbとは僅かに角度が付いた状態で対象物Sに達するため、対象物Sに反射して撮像素子902に入射する際にも第一の物体光Laと第二の物体光Lbとは僅かに入射角度が異なることになる。この結果、像を再生した際、同じ対象物Sの像ではあっても、第一の物体光Laによる像と第二の物体光Lbによる像とでは位置が僅かにずれることになる。このように軸ずれの結果、再生像の位置がずれると、三次元計測の精度が低下し得る。
図8は、再生位置のずれによる計測精度の低下を示した概略図である。図8では、断面略方形の突起の高さを求める場合を例にしている。
ヘテロダイン計測をデジタルホログラフィに行う場合、第一の波長λによるホログラムデータの取得と、第二の波長λによるホログラムデータの取得は、別々のタイミングで行っても良く、同じタイミングで行っても良いが、理解が容易なため、別々のタイミングで行う場合を例にする。また、突起の高さhは、未知ではあるが、第一の波長λの1/2よりも高く、第二の波長λの1/2よりも高いとする。
この場合、第一の波長λで取得したホログラムデータに基づいて再生した像をIとし(図8(1))、第一の波長λで取得したホログラムデータに基づいて再生した像をIとする(図8(2))。このままでは、図8(1)(2)に示すように、Iは、実際の突起よりも低い高さh’の像として計測されてしまい、Iも、実際の突起よりも低い高さh”の像として計測されてしまう。
このため、ヘテロダイン計測を適用し、ビート周波数の光(式2の波長λの光)で高さを計測し直す(図8(3))。この場合、複素振幅についてもλで得たものをλで得たものと重ね合わせる必要があり、それについてビート周波数を適用する必要がある。この際、上述したように、軸ずれがあると、λによる像とλによる像が再生面内でずれる(図8(3))。
像のずれ幅が、撮像素子902のピクセルサイズの範囲内であれば大きな問題にはならないが、ピクセルサイズよりも大きくなると、合成した複素振幅によって計算した高さの分布Hは図8(3)のようなものになってしまう。通常、高さの計測結果は、幅方向での平均を取るので、図8(3)に示すような再生像のずれが生じると、誤った計測結果が出てしまうことになる。
この出願の発明は、発明者が研究の過程で知得した上記課題を解決するために為されたものであり、ヘテロダイン計測を行うデジタルホログラフィ装置において、第一の波長の光による像と第二の波長の光による像とのずれに起因した問題を解決することを目的としている。
上記課題を解決するため、本願発明のデジタルホログラフィ装置は、第一の波長の光を出射する第一のコヒーレント光源と、
第一のコヒーレント光源から出射された第一の波長の光を第一の物体光と第一の参照光に分割する第一の分割素子と、
第一の波長とは異なる第二の波長の光を出射する第二のコヒーレント光源と、
第二のコヒーレント光源から出射された第二の波長の光を第二の物体光と第二の参照光に分割する第二の分割素子と、
第一の物体光が照射された対象物からの光と第一の参照光との干渉光が入射して当該干渉光によるホログラムデータが取得されるとともに、第二の物体光が照射された対象物からの光と第二の参照光との干渉光が入射して当該干渉光によりホログラムデータが取得される撮像素子と、
対象物の表面内の点の位置を、撮像素子で得られたホログラムデータを再生した結果に基づいて求める演算処理ユニットと、
演算処理ユニットが行うホログラムデータの再生において第一の物体光による像と第二の物体光による像とが同じ位置で再生されるようにする合軸手段とを備えており、
合軸手段は、第一の分割素子からの第一の物体光が一方の分岐端に入射し、第二の分割素子からの第二の物体光が他方の分岐端に入射するファイバカプラである。
また、上記課題を解決するため、本願発明のヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、ファイバカプラがシングモードファイバを融着して形成されているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、本願発明のヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、ファイバカプラが偏波保持ファイバを融着して形成されているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、本願発明のヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、第一の波長の光を出射する第一のコヒーレント光源と、
第一のコヒーレント光源から出射された第一の波長の光を第一の物体光と第一の参照光に分割する第一の分割素子と、
第一の波長とは異なる第二の波長の光を出射する第二のコヒーレント光源と、
第二のコヒーレント光源から出射された第二の波長の光を第二の物体光と第二の参照光に分割する第二の分割素子と、
第一の物体光が照射された対象物からの光と第一の参照光との干渉光が入射して当該干渉光によるホログラムデータが取得されるとともに、第二の物体光が照射された対象物からの光と第二の参照光との干渉光が入射して当該干渉光によりホログラムデータが取得される撮像素子と、
対象物の表面内の点の位置を、撮像素子で得られたホログラムデータを再生した結果に基づいて求める演算処理ユニットと、
演算処理ユニットが行うホログラムデータの再生において第一の物体光による像と第二の物体光による像とが同じ位置で再生されるようにする合軸手段とを備えており、
合軸手段は、第一の分割素子からの第一の物体光と第二の分割素子からの第二の物体光とを重ね合わせる合波素子と、合波素子が重ね合わせた第一の物体光及び第二の物体光が入射するシングルモードファイバとを備える。
また、上記課題を解決するため、本願発明のヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、合軸手段が備えるシングルモードファイバが偏波保持ファイバであるという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、本願発明のヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、合軸手段が備える合波素子が、第一の波長と第二の波長との間に境界波長を有するダイクロイックミラーであるという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、本願発明のヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、第一の分割素子のうちの第一の参照光が出力される分岐端が第一の参照光ファイバに接続されており、
第二の分割素子のうちの第二の参照光が出力される分岐端が第二の参照光ファイバに接続されており、
第一の参照光ファイバの出射端は、第一の参照光が第一のオフアクシス角で撮像素子に入射する姿勢で保持されており、
第二の参照光ファイバの出射端は、第二の参照光が第二のオフアクシス角で撮像素子に入射する姿勢で保持されており、
第一のオフアクシス角と第二のオフアクシス角は、光軸を基準にして絶対値が同じで正負の異なる角度であるという構成を持ち得る。
以下に説明する通り、この出願のデジタルホログラフィ装置によれば、合軸手段が設けられているので、像の再生位置のずれは発生せず、再生位置のずれによる計測精度の低下も発生しない。このため、高精度のヘテロダイン計測が容易に行える。この際、合軸手段がファイバカプラであるので、軸合わせの作業が不要で、構造がシンプルになる。
また、ファイバカプラがシングルモードファイバを融着して形成されたものであると、合軸の際に偏光特性が変化しにくくなり、干渉性の低下が抑えられる。
また、ファイバカプラが偏波保持ファイバを融着して形成されたものであると、合軸の際に偏光特性がさらに変化しにくくなり、干渉性の低下がさらに抑えられる。
また、合軸手段が合波素子とシングルモードファイバを備えていると、軸合わせが容易で、コスト面のメリットもある。
また、合軸手段が備えるシングルモードファイバが偏波保持ファイバであると、干渉性低下防止の効果も得られる。
合軸手段が備える合波素子が、第一の波長と第二の波長との間に境界波長を有するダイクロイックミラーであるであると、波長の面での自由度が高いという効果が得られる。
また、第一の参照光が第一のオフアクシス角で撮像素子に入射し、第二の参照光が第二のオフアクシス角で撮像素子に入射するとともに、第一のオフアクシス角と第二のオフアクシス角が光軸を基準にして絶対値が同じで正負の異なる角度であると、各再生像が鮮明になり、ヘテロダイン計測の精度がさらに高められる。
第一の実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置の概略図である。 オフアクシス角について示した概略図である。 偏波保持ファイバにおける偏波保持と干渉ヘッドユニット内の偏光ビームスプリッタとの関係について示した斜視概略図である。 第二の実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置の主要部の概略図である。 第三の実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置の主要部の概略図である。 光路長調整器の概略図である。 ヘテロダイン計測を行うデジタルホログラフィ装置において軸ずれが生じた状態を模式的に示した図である。 再生位置のずれによる計測精度の低下を示した概略図である。
次に、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、第一の実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置の概略図である。ヘテロダインデジタルホログラフィ装置とは、ヘテロダイン計測を行うデジタルホログラフィ装置の意味である。
図1に示すヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、第一第二の二つのコヒーレント光源11,12と、第一第二の二つの分割素子13,14と、合軸手段2と、撮像素子44と、演算処理ユニット3とを備えている。このヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、光源ユニット1と干渉ヘッドユニット4という二つの主要なユニットに分かれており、両者がシングルモードファイバ51〜53で接続されている。
光源ユニット1は第一の筐体10を備えており、内部に二つのコヒーレント光源11,12が設けられている。第一のコヒーレント光源11は、第一の波長の光を出射し、第二のコヒーレント光源12は、第一の波長とは異なる第二の波長の光を出射する。この実施形態では、いずれのコヒーレント光源11,12も半導体レーザ光源となっている。例えば、第一のコヒーレント光源11としては、AlGaInPベースの赤色半導体レーザが使用され、第二のコヒーレント光源12としては、発振波長の異なるAlGaInPベースの赤色半導体レーザが使用される。
第一の分割素子13は、第一のコヒーレント光源11から光を第一の物体光と参照光(以下、第一の参照光)に分割するものである。第二の分割素子14は、第二のコヒーレント光源12から光を第二の物体光と参照光(以下、第二の参照光)に分割するものである。この実施形態では、各分割素子13,14として、溶融型のファイバカプラが使用されており、偏波機能保持機能を有するファイバカプラ(偏波保持ファイバを融着して結合させたカプラ)が使用されている。
そして、第一の筐体10内に合軸手段2が配置されている。合軸手段2は、後述するホログラムデータの再生の際に第一の物体光と第一の参照光の干渉光による像と第二の物体光と第二の参照光の干渉光による像とが同じ位置で再生されるようにするための手段であり、実施形態の装置の大きな特徴点を成している。この実施形態では、合軸手段2として、溶融型のファイバカプラ21が使用されている。ファイバカプラ21は、同様に偏波保持機能を有するものとなっている。
図1に示すように、第一の筐体10には、物体光出力ポート101と、第一の参照光出力ポート102と、第二の参照光出力ポート103とが取り付けられている。合軸手段2であるファイバカプラ21の出力端は、第一の中継ファイバ15により物体光出力ポート101に接続されている。第一の分割素子13の参照光用の分岐端132は、第二の中継ファイバ16で第一の参照光出力ポート102に接続され、第二の分割素子14の参照光用の分岐端142は、第三の中継ファイバ17で第二の参照光出力ポート103に接続されている。これら中継ファイバ15〜17も、シングルモードファイバが使用されており、特に偏波保持ファイバが使用されている。
次に、干渉ヘッドユニット4について説明する。
図1に示すように、干渉ヘッドユニット4は、物体光入力ポート41と、第一の参照光入力ポート42と、第二の参照光入力ポート43とを有している。干渉ヘッドユニット4は、各部を収容した筐体(以下、第二の筐体という。)40を備えており、物体光入力ポート41と、第一第二の参照光入力ポート42,43は、第二の筐体40に取り付けられている。
第二の筐体40内には、偏光ビームスプリッタ45と、無偏光ビームスプリッタ46とが設けられている。偏光ビームスプリッタ45は、各参照光L2,L3と物体光L1とを合波して干渉させるためのものである。無偏光ビームスプリッタ46は、各参照光L2,l3を偏光ビームスプリッタ45に向かわせるためのものである。
図1に示すように、第二の筐体40は、上板部に段差が形成されており、左側の部分の高さが低くなっている。第一の参照光入力ポート42は、この低くなった部分の上板部に設けられている。また、第二の参照光入力ポート43は、第二の筐体40の左側板部に設けられている。無偏光ビームスプリッタ46は、第一の参照光入力ポート42の下方に位置しており、ビーム分割面は水平に対して45度である。
図1に示すように、第一の参照光入力ポート42は、垂直方向に対して僅かに角度が付いた状態で第一の参照光L2が入力する角度で取り付けられている。また、第一の参照光入力ポート43は、水平に対して僅かに角度が付いた状態で第二の参照光L3が入力する角度で取り付けられている。これらの角度は、いわゆるオフアクシス角である。オフアクシス角について、図2を参照して説明する。図2は、オフアクシス角について示した概略図である。
図2に示すように、第一の参照光L2についてのオフアクシス角α1と、第二の参照光L3についてのオフアクシス角α2は、絶対値が同じで光軸Aに対して正負の異なる角度となっている。各オフアクシス角α1,α2は、実際には±5度程度の小さい角度である。これらオフアクシス角により、0次光による(参照光による像)と共役像との重なりが防止され計測精度が高められる。
物体光入力ポート41は、第二の筐体40の右側板部に設けられている。偏光ビームスプリッタ45の上方には、撮像素子44が配置されている。撮像素子44としては、例えばCCDイメージセンサが使用される。尚、撮像素子44の入射面は下に向いており、筐体44の上板部及び底板部と平行(従って水平)である。
図1に示すように、偏光ビームスプリッタ45の下方には、対物レンズ49が設けられている。第二の筐体40の底板部には、対象物Sの観察用の開口が設けられている。対物レンズ49は、この開口に取り付けられている。また、対物レンズ49の下方には、λ/4波長板47が設けられている。したがって、対物レンズ49は、λ/4波長板47を通して対象物Sを見込む状態となっている。λ/4波長板47としては、この実施形態では、λ、λという二つの波長の物体光が使用されるので、両者の中間の波長を適用波長とするものが使用される。または、λ、λとを含む波長帯域について使用できる波長板(アクロマティック波長板等)を使用しても良い。
また、偏光ビームスプリッタ45と撮像素子44との間には、偏光板48が配置されている。この偏光板48は、各参照光と物体光の偏光方向を合わせて干渉性を高めるためのものである。
このような光源ユニット1及び干渉ヘッドユニット4において、物体光出力ポート101と物体光入力ポート41とがシングルモードファイバ(以下、物体光ファイバという。)51で接続され、第一の参照光出力ポート102と第一の参照光入力ポート42とが、別のシングルモードファイバ(以下、第一の参照光ファイバという。)52で接続されており、第二の参照光出力ポート17と第二の参照光入力ポート43とが、さらに別のシングルモードファイバ(以下、第二の参照光ファイバという。)53で接続されている。この実施形態では、物体光ファイバ51及び各参照光ファイバ52,53は、特に偏波保持ファイバが使用されている。偏波保持ファイバとしては、PANDA(Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)ファイバ、bow−tieファイバ等が使用できる。
物体光ファイバ51と各参照光ファイバ52,53は、偏光ビームスプリッタ45に対して最適な姿勢で各ポート41〜43に装着されている。以下、この点について説明する。一例として、偏光ビームスプリッタ45は、p偏光を透過し、s偏光を反射させる特性のものであるとする。
図3は、偏波保持ファイバにおける偏波保持と干渉ヘッドユニット内の偏光ビームスプリッタとの関係について示した斜視概略図である。
前述したように、この実施形態では、各コヒーレント光源11,12としては、半導体レーザが使用されている。周知のように、半導体レーザには偏光特性があり、特定の方向(通常はへき開面の方向)に直線偏光した光が出射される。この実施形態で用いた二つの半導体レーザ光源11,12も、特定の方向に直線偏光した光を出射する。以下、この直線偏光の方向をX方向とする。図3に示すように、この例では各レーザ光は水平方向に出射され、X方向は出射方向に垂直な水平方向である。この実施形態は、各分割素子13,14は、偏波保持機能を有するファイバカプラであるため、分割後も各偏光状態が保持される。
この場合、各偏波保持ファイバ(各中継ファイバ15〜17,物体光ファイバ51,各参照光ファイバ52,53)も、偏波保持する方向を合わせた状態で各コヒーレント光源11,12に対して配置される。例えば、PANDAファイバが各偏波保持ファイバとして使用されている場合、そのX方向(応力付与部が並ぶ方向)を半導体レーザのX方向に一致させた状態とする。この状態となるよう、各偏波保持ファイバ15〜17,51〜53の入射端の姿勢が保持される。
そして、干渉ヘッドユニット4内の偏光ビームスプリッタ45はs偏光反射であるため、各偏波保持ファイバ51〜53の出射端はこの方向に適合する姿勢とする。即ち、入射端と同様に、PANDAファイバである各偏波保持ファイバ51〜53のX方向が水平方向になるようにする。この結果、各偏波保持ファイバ51〜53からは水平方向に向いた直線偏光光が出射される。この光は、偏光ビームスプリッタ45にとってはs偏光になるので、ビーム分割面で反射することになる。
尚、コヒーレント光源11,12が直線偏光光を出射しないものである場合、光源11,12と分割素子13,14との間にそれぞれ偏光板を設けて直線偏光光を取り出すようにする。
各ポート101〜103,41〜43は、上記関係が達成されるよう、各偏波保持ファイバ15〜17,51〜53の端部を所定の姿勢で保持する構造を有する。この種の構造を有するポートは、偏波保持ファイバアダプタとして市販されているものを転用することができる。例えば、ソーラボジャパン株式会社から販売されている偏波保持ファイバアダプタADAFCPM2等が使用可能である。この種の偏波保持ファイバアダプタは、各ポート101〜103,41〜43の他、偏波保持ファイバ同士の接続にも勿論使用することができる。
図1に示すように、実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、演算処理ユニット3を備えている。この実施形態では、演算処理ユニット3として汎用PCを用いている。汎用PCの記憶部(ハードディスク)31には、撮像素子44から出力されるホログラムデータを処理して計測値を得るヘテロダイン計測プログラム32が記憶されている。ヘテロダイン計測プログラム32は、プロセッサ33によって実行される。
具体的には、ビート周波数における波長をλ、複素振幅における位相情報をφ(x,y)とすると、対象物の表面の各点の高さ情報z(x,y)は、前述した式1により求められる。ヘテロダイン計測のさらなる詳細については、特許文献1や非特許文献1に開示されているので、割愛する。
次に、実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置の動作について説明する。
実施形態の装置を用いてヘテロダイン計測を行う場合、所定の位置に対象物Sを配置し、二つのコヒーレント光源11,12を動作させる。
第一のコヒーレント光源11からの光は、第一の分割素子13で第一の物体光と第一の参照光L2に分割され、第二のコヒーレント光源12からの光は、第二の分割素子14で第二の物体光と第二の参照光L3に分割される。
第一の参照光L2は、第二の中継ファイバ16、第一の参照光出力ポート102、第一の参照光ファイバ52を通って干渉ヘッドユニット4内に入り、無偏光ビームスプリッタ46に反射して偏光ビームスプリッタ45に達する。また、第二の参照光L3は、第三の中継ファイバ17、第二の参照光出力ポート103、第二の参照光ファイバ53を通って干渉ヘッドユニット4内に入り、無偏光ビームスプリッタ46を透過して偏光ビームスプリッタ45に達する。これらの光は、s偏光光であるので、偏光ビームスプリッタ45のビーム分割面に反射し、撮像素子44に向かう。この際、第一の参照光L2は光軸Aに対して+αのオフアクシス角が与えられており、第二の参照光L3は−αのオフアクシス角が与えられている。
一方、第一の物体光と第二の物体光は、光源ユニット1内の合軸手段2において重ね合わされる。以下、この光を合波物体光という。合波物体光L1は、第一中継ファイバ15、物体光出力ポート101、物体光ファイバ51を経て物体光入力ポート41から干渉ヘッドユニット4内に入力され、偏光ビームスプリッタ45に達する。
上述したように、物体光ファイバ61の出射端は、出射する直線偏光光(合波物体光L1)の偏光方向が偏光ビームスプリッタ45におけるs偏光となる姿勢で保持されているので、入力された合波物体光L1は、図1に示すように偏光ビームスプリッタ45の分割面で反射し、下方に向かう。そして、λ/4波長板47を透過することにより円偏光となり、この状態で対象物Sに照射される。
対象物Sで反射した合波物体光L1は、再びλ/4波長板47を透過するが、この際に直線偏光光となる。この直線偏光の方向は、最初にλ/4波長板47を透過する前とは90度異なったものになる。このため、対象物Sに反射した合波物体光L1が偏光ビームスプリッタ45に達すると、この光はp偏光であり、偏光ビームスプリッタ45を透過して撮像素子44に向かう。
そして、合波物体光L1と各参照光L2,L3とは、偏光板48を透過する際に偏光方向が揃えられる。上記説明から解る通り、合波物体光L1と各参照光L2,L3とは、90度異なる方向の直線偏光光であるが、偏光板48は、両者の中間(45度ずつ異なる)の角度の直線偏光光を透過させる姿勢で配置されている。したがって、合波物体光L1に含まれるこの角度の直線偏光光と、各参照光L2,L3に含まれるこの角度の直線偏光光とが偏光板48を透過する。
偏光板48を透過した合波物体光L1及び各参照光L2,L3は、撮像素子44に達する。この際、両者は重ね合わされて干渉しており、撮像素子44の各画素で光電変換がされて得られたデータは、ホログラムデータとなる。より正確に言うと、合波物体光L1のうちの第一の波長の光(第一の物体光)と第一の参照光との干渉光が撮像素子44に捉えられ、合波物体光に含まれる第二の波長の光(第二の物体光)との干渉光が捉えられる。
これら干渉光の強度データを含むホログラムデータは、撮像素子44から出力されて演算処理ユニット3に送られ、ヘテロダイン計測プログラム32により所定の演算がされて対象物の表面の凹凸形状の計測が行われる。
即ち、第一の物体光と第一の参照光との干渉光による像の複素振幅と、第二の物体光による複素振幅とがそれぞれ取得され、それぞれの複素振幅における位相情報を統合し、ビート周波数を適用することで対象物の表面の各点のz方向の位置が計測される。
この際、第一の参照光は第一の物体光に対して+αのホログラム角が付与されて撮像素子44に入射しており、第二の参照光は第二の物体光に対して−αのホログラム角が付与されて撮像素子44に入射している。このため、それぞれ0次光の像から分離して再生され、空間周波数により互いに分離可能である。即ち、第一の波長の空間周波数をホログラムデータに適用して再生計算を行えば、第一の物体光と第一の参照光との干渉光による複素振幅が取得され、第一の波長の空間周波数をホログラムデータに適用して再生計算を行えば、第一の物体光と第一の参照光との干渉光による複素振幅が取得される。
尚、ヘテロダイン計測の結果は、上記の通り対象物Sの表面の各点のz方向の位置(高さ分布)であるが、これは、3D画像のような画像に可視化されてディスプレイ34に表示されたり、高さの最大値と最小値の差異(表面粗さ)の計算がさらにされたりする。また、突起の高さの計測の場合、再生像のうち突起を表している領域(xy平面内での領域)を特定し、その中でのzの最大値を求めて突起の高さとする計算が行われる。
いずれにしても、実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置によれば、第一の物体光と第二の物体光とが合軸手段3としてのファイバカプラ31により合波されて導かれ、対象物Sに照射されるので、軸ずれは本質的に生じない。即ち、第一の物体光も第二の物体光も、同じファイバ51のコアで導かれて対象物Sに照射されるのであり、二つの物体光について、ファイバ51の出射端面は同一であって、同じ向きで対象物Sに向けて出射される。したがって、像の再生位置のずれは発生せず、再生位置のずれによる計測精度の低下も発生しない。このため、高精度のヘテロダイン計測が容易に行える。特許文献1や非特許文献2のように、ビームスプリッタで第一の物体光と第二の物体光とを重ね合わせるだけの構成であると、ビームスプリッタに対して二つの物体光の光軸を精度良く合わせる(互いに垂直でビーム分割面に対して45度にする)必要があり、僅かでもずれると再生像のずれが発生する。このため、非常に面倒な調整が必要となる。
尚、第一の参照光が第一のオフアクシス角α1で撮像素子44に入射し、第二の参照光が第二のオフアクシス角α2で撮像素子44に入射する構成は、前述したように0次光による像と共役像との重なりを防止して計測精度を高める効果があるが、第一のオフアクシス角α1と第二のオフアクシス角α2が光軸Aを基準にして絶対値が同じで正負の異なる角度である構成は、第一の物体光と第一の参照光の干渉光による像と第二の物体光と第二参照光の干渉光による像とが同じ位置に再生されるようにする効果があり、やはりヘテロダイン計測の精度を高める意義を有する。
また、合軸手段2としてファイバカプラ21を使用している点は、一つの素子で合軸が可能になるので、構造的にシンプルになるという効果がある。この際、ファイバカプラ21がシングルモードファイバを融着させたものであると、偏光状態の変化が生じにくく、干渉性の低下が防止される。偏波保持ファイバを融着させたものであると、この効果がさらに高められる。
次に、第二の実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置について説明する。図4は、第二の実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置の主要部の概略図である。
この実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置では、合軸手段2の構成として、ファイバカプラ21の代わりに合波素子で第一の物体光と第二の物体光を合波し、中継ファイバ15及び物体光ファイバ51で導く構成が採用されている。合波素子としては、この例ではダイクロイックミラー22が使用されている。
ダイクロイックミラー22は、第一の波長λと第二の波長λとの間に境界波長を有する特性のものが使用される。この例では、λ<λとなっており、λ<λ<λであって、λより短波長は透過、λより長波長は反射のミラーである。尚、ここでも中継ファイバ15及び物体光ファイバ51はシングルモードファイバであり、特に偏波保持ファイバである。
合軸手段2としては、第一の波長λと第二の波長λとの差が大きい場合には、前述した溶融型のファイバカプラ21が使用される。第一の波長λと第二の波長λとの差が小さくなってくると(例えば50nm以下)、双方の波長についてファイバ中の透過率を高くすることが困難になるため、ダイクロイックミラー22を使用する。ダイクロイックミラーは、任意の境界波長のものを入手するのが容易であり、波長によって制約されにくいという長所がある。但し、ファイバカプラ21の方が、ファイバ同士の接続で済み、実質的に調整不要なので、その点で好ましい。
この他、合軸手段2が備える合波素子としては、ビームスプリッタも使用できる。但し、ダイクロイックミラーの方がシンプルな構造で損失を少なくできる長所がある。偏光制御をして偏光ビームスプリッタで合波しても良いが、構造が多少複雑になる。
尚、合波素子で合波した第一第二の物体光をファイバに入射させる構成では、合波素子から出射する光がファイバに入射するようにするという調整は必要であるが、前述した軸合わせのような厳密な調整は不要である。したがって、調整作業は遙かに容易である。
この実施形態の場合、ダイクロイックミラー22で合波しているので、合波の際には軸ずれが生じ得るが、中継ファイバ15中の伝搬によりこのずれはキャンセルされて合波物体光が対象物Sに照射される。このため、高精度のヘテロダイン計測が同様に容易に行える。
ファイバカプラ21に比べるとダイクロイックミラー22やビームスプリッタの方が安価な場合が多いので、この例の合軸手段2はコスト面でのメリットがある。尚、ここでも、シングルモードファイバ51の採用は、干渉性低下を防止する効果があり、偏波保持ファイバはさらにこの効果を高める。
尚、各シングルモードファイバ15〜17,51〜53は、スペイシャルフィルタとの同様の効果があり、波面歪みをキャンセルして計測精度を高める効果を有している。例えば、上記ダイクロイックミラー22において、表面に僅かな歪み、傷などがあって波面歪みが発生したとしても、第一の中継ファイバ15の狭いコアに集光されて伝搬する際にこの波面歪みはキャンセルされる。このため、精度の高い計測が行える。このような効果は、特許文献1や非特許文献1では得られない。
次に、第三の実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置について説明する。図5は、第三の実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置の主要部の概略図である。
第三の実施形態のヘテロダインデジタルホログラフィ装置は、光源ユニット1内に光路長調整器61,62と、光量調整器71,72とを設けている。その他の構成は、基本的に第一の実施形態と同様である。
前述したように、各実施形態では、各コヒーレント光源11,12として半導体レーザを使用している。半導体レーザは、コヒーレント光源ではあるものの、可干渉距離が短いことで知られている。光学系の各要素の配置位置の調整等を考慮すると、He−Neレーザのような可干渉距離の長い光源を使用する方が好ましい。しかしながら、発明者の研究によると、可干渉距離の長いコヒーレント光源を使用した場合、光学素子の表面での多重反射による干渉光が生じ易い。即ち、レンズやカバーガラスのような透過系の光学素子の場合、出射側の面で一部の光が反射して戻り、入射側の面でさらに反射して出射し得る。この内部での多重反射光は、そのまま光学素子を透過する光に対して光路差があるものの、可干渉距離の長い光源を使用していると干渉する場合があり、この干渉光が撮像素子44に捉えられてノイズとなる。このノイズ(多重反射ノイズ)のため、ヘテロダイン計測の精度が低下し易い。この点を考慮し、各実施形態では、可干渉距離の半導体レーザ光源をコヒーレント光源11,12として敢えて使用している。
可干渉距離の短い光源を使用した場合、そのままでは、物体光の光路長と参照光との光路長との差が可干渉距離の範囲内に入っていない場合が多い。このため、調整を容易にする観点から、この実施形態では光路長調整器61,62を設けている。物体光、参照光のいずれかについて光路長調整器61,62を設ければ足りるが、この実施形態では、参照光について設けている。即ち、図5に示すように、第一の参照光の光路長を調整する第一の光路長調整器61と、第二の参照光の光路長を調整する第二の光路長調整器62とが第一の筐体10内に設けられている。
図6は、光路長調整器の構成を示した概略図である。図6では、第一の光路長調整器61の構成が示されているが、第二の光路長調整器62も同様の構成である。光路長調整器61としては、迂回光路の長さを調整する構成のものが採用されている。第一の分割素子13の参照光用の分岐端132は、第一の光路長調整器61に対して精度良く保持される。この分岐端からの光軸が延びる方向を基準方向という。また、以下の説明では、角度は時計回りを正とする。
第一の光路長調整器61は、分岐端132からの光軸を+90度曲げる第一の固定ミラー611と、第一の固定ミラー611で曲げられた光軸を−90度曲げて基準方向に沿った方向とする第一の可動ミラー612と、第一の可動ミラー612が曲げた光軸をさらに−90度曲げる第二の可動ミラー613と、第二の可動ミラー613が曲げた光軸をさらに+90度曲げて基準方向に沿った方向とする第二の固定ミラー614とを含んでいる。
また、第一の光路長調整器61は、第一の可動ミラー612及び第二の可動ミラー613を一体に保持したフレーム615と、基準方向に対して直角の方向にフレーム615を移動させる移動機構616とを有している。移動機構616は、不図示のモータやリニアガイドを含んでいる。第一の光路長調整器61は、第一第二の固定ミラー611,614に対する第一第二の可動ミラー612,613の離間距離を移動機構616により調整することで光路長を調整する。
次に、光量調整器71,72について説明する。光量調整器71,72は、物体光の光量と参照光との光量のバランスを調整するために設けられている。光量調整器についても、物体光、参照光のいずれかに設けられれば足りるが、この実施形態では、参照光について設けられている。即ち、第一の参照光の光量を調整する第一の光量調整器71と、第二の参照光の光量を調整する第二の光量調整器72とが第一の筐体10内に設けられている。
図5に示すように、第一の光量調整器71は、第一の光路長調整器61と第一の参照光出力ポート102との間に設けられており、第二の光量調整器72は第二の光路長調整器62と第二の参照光出力ポート103との間に設けられている。各光路長調整器61,62及び各光量調整器71,72が設けられているため、この実施形態では、第二第三の中継ファイバは設けられていない。各光量調整器71,72の出射光軸を各参照光出力ポート102,103の軸に合わせることで、両者は空間的に接続している。また、この例では、第一の光路長調整器61と第一の光量調整器71とは偏波保持ファイバ(符号省略)で接続されており、第二の光路長調整器62と第二の光量調整器72とも偏波保持ファイバ(符号省略)で接続されている。
各光量調整器71,72としては、この実施形態では、可変減衰器が使用されている。図5に示すように、各光量調整器71,72は、参照光のビーム径を拡大させる第一のビームエキスパンダー711,721と、拡大させたビーム径を縮小させる第二のビームエキスパンダー712,722と、第一のビームエキスパンダー711,721と第二のビームエキスパンダー712,722の間に配置された遮蔽板713,723と、遮蔽板713,723を駆動する駆動機構714,724とを含んでいる。
遮蔽板713,723は、第一のビームエキスパンダー711,721により拡大した各参照光のビームの一部を遮蔽し、光量を減少させる位置に配置される。遮蔽板713,723は、駆動機構714,724により光軸に対して垂直な方向に変位可能とされているものである。遮蔽板713,723により一部の光量が遮蔽される結果、第二のビームエキスパンダー712,722から出射する各参照光の光量は減少する。遮蔽板713,723の位置を調整することで、各参照光の光量が任意の量に調整される。例えば、光透過性の高い対象物や、光吸収の多い対象物の場合、物体からの合波物体光が弱く、各参照光に比べて撮像素子44に弱い物体光しか入射しない場合があり得る。この場合は、各光量調整器71,72を調整して参照光の光量を減らし、撮像素子44に入射する合波物体光とのバランスを取るようにする。尚、対象物の表面が反射率の高い表面である場合、逆に合波物体光の方が強くなり過ぎる場合があるが、このような場合には、合波物体光の光路上に光量調整器71,72を設けておき、合波物体光の光量を減らすようにする。
いずれにしても、この実施形態では、光路長調整器61,62や光量調整器71,72が光源ユニット1内に設けられているので、この点で精度の高い計測が可能となる。即ち、光路長調整器61,62や光量調整器71,72は、モータのような可動部分を含むので、振動や熱が発生し易い。この場合、それら可動部分が干渉ヘッドユニット4内にあると、振動により光学素子の姿勢や位置がずれて干渉性が低下したり、像の再生位置がずれたりすることがあり得る。また、熱が発生すると、空気揺らぎにより屈折率が変化し、干渉性が低下し得る。光源ユニット1内に光路長調整器61,62や光量調整器71,72を配置しておくと、発生する振動や熱が干渉に直接的に影響を与えることはないので、精度の高いヘテロダイン計測を安定して行うことができる。
尚、合軸手段としてファイバカプラを使用して第一の物体光と第二の物体光とを合軸する構成として、各コヒーレント光源からの光を最初にファイバカプラで合軸し、その後に、合波物体光から各参照光を分離する構成が考えられる。合波物体光からの各参照光の分離には、同様にファイバカプラが使用できるが、この構成には欠点がある。第一の参照光と第二の参照光とは、±αのオフアクシス角を与える必要があるため、互いに分離する必要がある。即ち、合波物体光から分離した後、さらに第一第二の参照光を互いに分離する必要がある。この場合、波長の違いを利用し、ダイクロイックミラーで分離することになるが、波長差がより小さい場合、分離ができない。一般的には、数nm程度まで波長差が小さくなってくると、ダイクロイックミラーでは分離できない。式2から解る通り、ヘテロダイン計測の場合、波長差がより小さい方がビート周波数における波長がより長くなるので、ダイナミックレンジをより大きくできるが、第一第二の参照光をダイクロイックミラーで分離しなければならない構成では、ダイナミックレンジの拡大に限界が生じる。各コヒーレント光源からの光をまずそれぞれ物体光と参照光とに分離し、その後に物体光のみを合軸する構成では、第一の参照光と第二の参照光とを分離する必要はないので、このような欠点はない。
1 光源ユニット
10 第一の筐体
11 第一のコヒーレント光源
12 第二のコヒーレント光源
13 第一の分割素子
14 第二の分割素子
101 物体光出力ポート
102 第一の参照光出力ポート
103 第二の参照光出力ポート
2 合軸手段
21 ファイバカプラ
3 演算処理ユニット
4 干渉ヘッドユニット
40 第二の筐体
41 物体光入力ポート
42 第一の参照光入力ポート
43 第二の参照光入力ポート
44 撮像素子
45 偏光ビームスプリッタ
46 無偏光ビームスプリッタ
47 λ/4波長板
48 偏光板
49 対物レンズ
51 物体光ファイバ
52 第一の参照光ファイバ
53 第二の参照光ファイバ
61 第一の光路長調整器
62 第二の光路長調整器
71 第一の光量調整器
72 第二の光量調整器

Claims (7)

  1. 第一の波長の光を出射する第一のコヒーレント光源と、
    第一のコヒーレント光源から出射された第一の波長の光を第一の物体光と第一の参照光に分割する第一の分割素子と、
    第一の波長とは異なる第二の波長の光を出射する第二のコヒーレント光源と、
    第二のコヒーレント光源から出射された第二の波長の光を第二の物体光と第二の参照光に分割する第二の分割素子と、
    第一の物体光が照射された対象物からの光と第一の参照光との干渉光が入射して当該干渉光によるホログラムデータが取得されるとともに、第二の物体光が照射された対象物からの光と第二の参照光との干渉光が入射して当該干渉光によりホログラムデータが取得される撮像素子と、
    対象物の表面内の点の位置を、撮像素子で得られたホログラムデータを再生した結果に基づいて求める演算処理ユニットと、
    演算処理ユニットが行うホログラムデータの再生において第一の物体光による像と第二の物体光による像とが同じ位置で再生されるようにする合軸手段と、
    を備えており、
    合軸手段は、第一の分割素子からの第一の物体光が一方の分岐端に入射し、第二の分割素子からの第二の物体光が他方の分岐端に入射するファイバカプラであることを特徴とするヘテロダインデジタルホログラフィ装置。
  2. 前記ファイバカプラは、シングモードファイバを融着して形成されていることを特徴とする請求項1記載のヘテロダインデジタルホログラフィ装置。
  3. 前記ファイバカプラは、偏波保持ファイバを融着して形成されていることを特徴とする請求項2記載のヘテロダインデジタルホログラフィ装置。
  4. 第一の波長の光を出射する第一のコヒーレント光源と、
    第一のコヒーレント光源から出射された第一の波長の光を第一の物体光と第一の参照光に分割する第一の分割素子と、
    第一の波長とは異なる第二の波長の光を出射する第二のコヒーレント光源と、
    第二のコヒーレント光源から出射された第二の波長の光を第二の物体光と第二の参照光に分割する第二の分割素子と、
    第一の物体光が照射された対象物からの光と第一の参照光との干渉光が入射して当該干渉光によるホログラムデータが取得されるとともに、第二の物体光が照射された対象物からの光と第二の参照光との干渉光が入射して当該干渉光によりホログラムデータが取得される撮像素子と、
    対象物の表面内の点の位置を、撮像素子で得られたホログラムデータを再生した結果に基づいて求める演算処理ユニットと、
    演算処理ユニットが行うホログラムデータの再生において第一の物体光による像と第二の物体光による像とが同じ位置で再生されるようにする合軸手段と、
    を備えており、
    合軸手段は、第一の分割素子からの第一の物体光と第二の分割素子からの第二の物体光とを重ね合わせる合波素子と、合波素子が重ね合わせた第一の物体光及び第二の物体光が入射するシングルモードファイバとを備えていることを特徴とするヘテロダインデジタルホログラフィ装置。
  5. 前記シングルモードファイバは、偏波保持ファイバであることを特徴とする請求項4記載のヘテロダインデジタルホログラフィ装置。
  6. 前記合波素子は、第一の波長と第二の波長との間に境界波長を有するダイクロイックミラーであることを特徴とする請求項4又は5記載のヘテロダインデジタルホログラフィ装置。
  7. 前記第一の分割素子のうちの前記第一の参照光が出力される分岐端は、第一の参照光ファイバに接続されており、
    前記第二の分割素子のうちの前記第二の参照光が出力される分岐端は、第二の参照光ファイバに接続されており、
    第一の参照光ファイバの出射端は、第一の参照光が第一のオフアクシス角で前記撮像素子に入射する姿勢で保持されており、
    第二の参照光ファイバの出射端は、第二の参照光が第二のオフアクシス角で前記撮像素子に入射する姿勢で保持されており、
    第一のオフアクシス角と第二のオフアクシス角は、光軸を基準にして絶対値が同じで正負の異なる角度であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のヘテロダインデジタルホログラフィ装置。

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