JP2020094111A - プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置 - Google Patents

プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置 Download PDF

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康二 佐藤
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Abstract

【課題】層間絶縁信頼性に優れたプリプレグを提供する。【解決手段】プリプレグは、回路基板形成に用いられ、以下の条件1を満たす。条件1:当該プリプレグの両面に35μmの銅箔をそれぞれ重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、回路基板1を作成する。回路基板1の上下面から2kVの電圧をかけたとき、当該回路基板1が破壊されるまでの時間が、250時間以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置に関する。
近年、高密度に実装できる技術が進歩したことに伴い、電子部品の小型化および軽量化が進んでいる。それ故、電子部品内に実装されているプリント配線基板は、高密度化され、高電圧下にさらされる場合もある。かかるプリント配線基板は、回路接続のための配線層と、配線層間の絶縁の役割をする絶縁層とが交互に積層されており、絶縁層は、エポキシなどの熱硬化性樹脂で形成されている(たとえば、特許文献1)。
特開2017−105898号公報
しかしながら、従来のプリント配線基板においてはせいぜい百〔V〕程度の電圧を想定したものであったが、近年の省エネルギー化などに伴い、プリント配線基板においても数百〜数千〔V〕程度の高電圧下に置かれる場合が生じるようになっている。そのため、プリント配線基板においては、絶縁層が絶縁破壊を起こし、ショートしてしまう等の問題が発生し、絶縁信頼性が損なわれる場合があった。
そこで、本発明者らは、回路基板形成用のプリプレグにおいて、高電圧下においても絶縁破壊の発生を抑制し、より高水準での絶縁信頼性を得るべく鋭意検討を行った結果、かかるプリプレグが特定の条件を満たすことが、課題解決の指針として有効であることを見出した。すなわち、本発明者らは、回路基板形成に用いられるプリプレグにおいて、高電圧下における高い絶縁信頼性という新たな課題を見出し、これを検討した結果、実際に課題を解決できたことを確認できたプリプレグに共通する組成を一般化して規定することが困難であったところ、特定の条件を満たすように、プリプレグの処方や製造方法を工夫することで、より高水準の絶縁信頼性が得られることが分かった。いいかえると、本願発明は、より高水準の絶縁信頼性を得る観点において、特定の条件を従来とは異なる水準で満たすものである。
本発明は、回路基板形成に用いられるプリプレグであって、以下の条件1を満たす、プリプレグを提供する。
条件1:当該プリプレグの両面に35μmの銅箔をそれぞれ重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、回路基板1を作成する。回路基板1の上下面から2kVの電圧をかけたとき、当該回路基板1が破壊されるまでの時間が、250時間以上である。
本発明は、回路基板形成に用いられるプリプレグであって、以下の条件2を満たす、プリプレグを提供する。
条件2:当該プリプレグを2枚重ね、その両面に35μmの銅箔をそれぞれ重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、回路基板2を作成する。回路基板2の上下面から2kVの電圧をかけたとき、回路基板2が破壊されるまでの時間が、150時間以上である。
本発明は、上記のプリプレグを用いた樹脂基板を提供する。
本発明は、上記の樹脂基板の少なくとも一方の面に金属箔を有する、金属張積層板を提供する。
本発明は、上記の樹脂基板に回路を有する、プリント配線基板を提供する。
本発明は、上記のプリント配線基板上に半導体素子を有する、半導体装置を提供する。
本発明によれば、層間絶縁信頼性に優れたプリプレグ、樹脂基板、プリント配線基板、金属張積層板、および半導体装置が提供される。
本実施形態における樹脂基板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。
(樹脂基板)
はじめに、本実施形態における樹脂基板の構成について説明する。図1は、本実施形態における樹脂基板100の構成を示す断面図である。樹脂基板100は、繊維基材101に樹脂材料(熱硬化性樹脂組成物)を含浸してなり、繊維基材101上に、当該樹脂材料の硬化物を含む絶縁樹脂層103を備える。繊維基材101は織布基材である。
(樹脂基板100の製造方法)
以下、本実施形態における樹脂基板100の製造方法について具体的に説明する。樹脂基板100は、プリプレグを加熱硬化することによって得られる。ここで用いるプリプレグはシート状材料であり、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性などの各種特性に優れ、プリント配線基板用の樹脂基板100の製造に適しており好ましい。
本実施形態におけるプリプレグは、例えば、繊維基材に1または2以上の熱硬化性樹脂および充填材を含む樹脂材料を含浸させ、その後、半硬化させて得られる。
本実施形態において、樹脂材料を繊維基材に含浸させる方法としては、とくに限定されないが、例えば、(1)樹脂材料を溶剤に溶かして樹脂ワニスを調製し、樹脂ワニスを繊維基材に塗布する方法、(2)支持基材付き樹脂層を繊維基材にラミネートする方法、などが挙げられる。
ここで、(1)樹脂ワニスを繊維基材に塗布するとき、または(2)支持基材付き樹脂層を繊維基材にラミネートするときに繊維基材にかける張力はとくに限定はされないが、90N/m以上500N/m以下の範囲内であることが好ましく、150N/m以上400N/m以下の範囲内であることがより好ましい。
樹脂ワニスに用いられる溶剤は、樹脂材料中の樹脂成分に対して良好な溶解性を示すことが好ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、およびカルビトール系などが挙げられる。
樹脂ワニスの固形分は、とくに限定されないが、40質量%以上85質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。これにより、樹脂ワニスの繊維基材への含浸性をさらに向上させることができる。繊維基材に樹脂材料を含浸させ、所定温度、例えば80℃以上200℃以下などで乾燥させることによりプリプレグを得ることができる。
つづいて、上記で得られたプリプレグを用いた樹脂基板100の製造方法について説明する。プリプレグを用いた樹脂基板100の製造方法は、とくに限定されないが、例えば以下の通りである。
はじめに、上記で得られたプリプレグの少なくとも片面に金属箔が積層された金属張積層板を作製する。金属張積層板は、例えば、上記プリプレグまたは上記プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を張り付けることで製造できる。
プリプレグが1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次いで、プリプレグと金属箔あるいはフィルムとを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板を得ることができる。
上記の加熱加圧成形するときの加熱温度は、とくに限定されないが、120℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上240℃以下がより好ましい。
また、上記の加熱加圧成形するときの圧力は、とくに限定されないが、0.5MPa以上5MPa以下が好ましく、2.5MPa以上5MPa以下の高圧がより好ましい。
また、加熱加圧成形後に、必要に応じて、恒温槽などで後硬化をおこなってもよい。後硬化の温度は、好ましくは150℃以上300℃以下であり、より好ましくは180℃以上250℃以下である。
金属箔を構成する金属としては、例えば、銅および銅系合金、アルミおよびアルミ系合金、銀および銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金、鉄および鉄系合金、コバール(商標名)、42アロイ、インバーまたはスーパーインバーなどの鉄−ニッケル(Fe−Ni)系の合金、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)などが挙げられる。また、キャリア付電解銅箔なども使用することができる。
(樹脂基板の構成材料)
樹脂基板100の製造には、熱硬化性樹脂組成物が用いられる。以下、樹脂基板100を製造する際に使用する各材料について詳細に説明する。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは120℃以上350℃以下であり、さらに好ましくは150℃以上300℃以下である。このようなガラス転移温度を有する熱硬化性樹脂を用いることにより、数百〜数千〔V〕程度の高電圧下においても絶縁破壊の発生を抑制でき、絶縁信頼性を向上できる。
樹脂材料中に含まれる熱硬化性樹脂の含有量は、その目的に応じて適宜調整されればよく、樹脂材料全体に基づいて5質量%以上90質量%以下が好ましく、さらに10質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上75質量%以下がより好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が上記下限値以上であると、ハンドリング性が向上し、絶縁樹脂層103を形成するのが容易となる。熱硬化性樹脂の含有量が上記上限値以下であると、絶縁樹脂層103の強度や難燃性が向上し、絶縁樹脂層103の崩壊を抑制できる。
具体的な熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂などのトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、およびベンゾシクロブテン樹脂などが挙げられる。
これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用してもよい。
上記のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂:フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂:ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアリールアルキレン型エポキシ樹脂:ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン型エポキシ樹脂:アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、テトラフェノールエタン型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂およびこれらの変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用して用いてもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用して用いてもよい。
エポキシ樹脂の中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂を少なくとも含むことが好ましく、これらを併用することがより好ましい。これにより、絶縁崩壊の発生をより安定的に抑制できる。
エポキシ樹脂の含有量の下限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体において1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。含有量が上記下限値以上であると、耐熱性が向上し、また、絶縁崩壊の発生を抑制しやすくなる。エポキシ樹脂の含有量の上限は、とくに限定されないが、55質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。含有量が上記上限値以下であると、取扱い性が良好になる。
エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、とくに限定されないが、Mw500以上が好ましく、Mw800以上がより好ましい。Mwが上記下限値以上であると、樹脂層にタック性が生じるのを抑制することができる。Mwの上限は、とくに限定されないが、Mw20,000以下が好ましく、Mw15,000以下がより好ましい。Mwが上記上限値以下であると、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な製品を得ることができる。
熱硬化性樹脂のMwは、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
上記のフェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂:未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油などで変性した油変性レゾールフェノール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。なかでも、絶縁信頼性を高める観点から、ノボラック型フェノール樹脂であることが好ましい。
フェノール樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用して用いてもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用して用いてもよい。
フェノール樹脂の含有量の下限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体において1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。フェノール樹脂の含有量が上記下限値以上であると、耐熱性を向上させることができる。また、フェノール樹脂の含有量の上限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体において55質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。フェノール樹脂の含有量が上記上限値以下であると、絶縁崩壊の発生を抑制しやすくなる。
フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、とくに限定されないが、Mw400以上が好ましく、Mw500以上がより好ましい。Mwが上記下限値以上であると、樹脂層にタック性が生じるのを抑制することができる。また、フェノール樹脂のMwの上限は、とくに限定されないが、Mw18,000以下が好ましく、Mw15,000以下がより好ましい。Mwが上記上限値以下であると樹脂層の作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な製品を得ることができる。
上記のシアネート樹脂は、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させたものや、必要に応じて加熱などの方法でプレポリマー化したものなどを用いることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂:ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、およびテトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂などのビスフェノール型シアネート樹脂:ナフトールアラルキル型の多価ナフトール類と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂:ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂、およびビフェニルアルキル型シアネート樹脂などを挙げることができる。
これらの中でもノボラック型シアネート樹脂が好ましい。ノボラック型シアネート樹脂を用いることにより、架橋密度が増加し、耐熱性が向上する。
シアネート樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、とくに限定されないが、Mw500以上が好ましく、Mw600以上がより好ましい。Mwが上記下限値以上であると、絶縁樹脂層103を作製した場合にタック性の発生を抑制でき、樹脂の転写が生じたりするのを抑制することができる。また、Mwの上限は、とくに限定されないが、Mw4,500以下が好ましく、Mw3,000以下がより好ましい。また、Mwが上記上限値以下であると、反応が速くなるのを抑制でき、プリント配線基板とした場合に、成形不良が生じたり、層間ピール強度が低下したりするのを抑制できる。
(充填材)
本実施形態の樹脂材料は充填材をさらに含んでもよい。これにより、樹脂基板100を薄型化しても、より一層優れた機械的強度を付与することができる。また、絶縁崩壊の発生をより安定的に抑制できる。
充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、およびガラスなどのケイ酸塩:酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、および溶融シリカなどの酸化物:炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、およびハイドロタルサイトなどの炭酸塩:水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および水酸化カルシウムなどの水酸化物:硫酸バリウム、硫酸カルシウム、および亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩:ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、およびホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩:窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、および窒化炭素などの窒化物:チタン酸ストロンチウム、およびチタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。
充填材として、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、ケイ酸塩、酸化物、および水酸化物であることが好ましい。
また、充填材は、必要に応じて表面処理を施したものであってもよい。これにより、絶縁崩壊を延期し、絶縁寿命を長くすることができる。
充填材の平均粒子径の下限は、とくに限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。充填材の平均粒子径が上記下限値以上であると、ワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、プリプレグ作製時の作業性を向上させることができるだけでなく、絶縁信頼性を高めることができる。
また、充填材の平均粒子径の上限は、とくに限定されないが、10μm以下が好ましく、9μm以下がより好ましい。充填材の平均粒子径が上記上限値以下であると、ワニス中で充填材の沈降などの現象を抑制でき、より均一な樹脂層を得ることができるだけでなく、高い絶縁信頼性を保持することができる。
充填材の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とする。
また、充填材としては、平均粒子径が単分散の充填材を用いてもよいし、平均粒子径が多分散の充填材を用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散の充填材を1種類または2種類以上併用してもよい。
充填材の比表面積の下限は、0.1m/g以上であることが好ましく、0.5m/g以上であることがより好ましい。充填材の比表面積が上記下限値以上であると、より絶縁信頼性を高めることができる。
充填材の比表面積の上限は、20m/g以下であることが好ましく、15m/g以下であることがより好ましい。充填材の比表面積が上記上限値以下であると、作業性が良好に保持できる。
充填材の比表面積は、JIS K6217−1に準拠して測定される。
充填材の含有量は、とくに限定されないが、樹脂材料100質量%に対して、10質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。充填材の含有量が上記範囲内であると、とくに低熱膨張、低吸水とすることができる。
(その他)
また、本実施の形態に用いる樹脂材料は、ゴム成分も配合することができ、例えば、ゴム粒子を用いることができる。ゴム粒子の好ましい例としては、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子、シリコーン粒子などが挙げられる。
コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造のもの、または外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メタクリル酸メチルの重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構成される。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N(商品名、ガンツ化成社製)、メタブレンKW−4426(商品名、三菱レイヨン社製)が挙げられる。架橋アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(平均粒子径0.5μm、JSR社製)などが挙げられる。
架橋スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(平均粒子径0.5μm、JSR社製)などが挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A(平均粒子径0.1μm)、W450A(平均粒子径0.2μm)(三菱レイヨン社製)などが挙げられる。
シリコーン粒子は、オルガノポリシロキサンで形成されたゴム弾性微粒子であればとくに限定されず、例えば、シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン架橋エラストマー)そのものからなる微粒子、および二次元架橋主体のシリコーンからなるコア部を三次元架橋型主体のシリコーンで被覆したコアシェル構造粒子などが挙げられる。シリコーンゴム微粒子としては、KMP−605、KMP−600、KMP−597、KMP−594(信越化学社製)、トレフィルE−500、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング社製)などの市販品を用いることができる。
ゴム粒子の含有量は、とくに限定されないが、上記の充填材を合わせて、樹脂材料全体に基づいて20質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上75質量%以下がより好ましい。含有量が範囲内であると、とくに低吸水とすることができる。
このほか、必要に応じて、樹脂材料にはカップリング剤、触媒、硬化促進剤、硬化剤、熱可塑性樹脂、有機充填材などの添加剤を適宜配合することができる。本実施形態で用いられる樹脂材料は、上記成分を有機溶剤などにより溶解および/または分散させた液状形態で好適に用いることができる。
カップリング剤の使用により、熱硬化性樹脂と充填材との界面の濡れ性が向上し、繊維基材に対して樹脂材料を均一に定着させることができ、高電圧下での絶縁劣化を抑制できる。
カップリング剤としては、カップリング剤として通常用いられるものであれば使用できるが、具体的にはエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることができる。
カップリング剤の添加量の下限は、充填材の比表面積に依存するのでとくに限定されないが、充填材100質量部に対して0.05質量部以上、とくに0.1質量部以上が好ましい。カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、充填材を十分に被覆することができ、耐熱性を向上し、高電圧下での絶縁劣化を抑制しやすくなる。また、カップリング剤の含有量の上限は、とくに限定されないが、3質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましい。
硬化促進剤としては公知のものを用いることができる。例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、オニウム塩化合物など、またはこの混合物が挙げられる。硬化促進剤として、これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いてもよいし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用してもよい。
硬化促進剤の含有量の下限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体の0.005質量%以上が好ましく、0.008質量%以上がより好ましい。含有量が上記下限値以上であると、硬化を促進する効果を十分に発揮することができる。硬化促進剤の含有量の上限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体の5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。含有量が上記上限値以下であるとプリプレグの保存性をより向上させることができる。
樹脂材料では、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などのポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン、エポキシ変性ポリブタジエン、アクリル変性ポリブタジエン、メタクリル変性ポリブタジエンなどのジエン系エラストマーを併用してもよい。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂などが挙げられる。また、これらの骨格を複数種有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。
さらに、樹脂材料には、必要に応じて、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤などの上記成分以外の添加物を添加してもよい。
顔料としては、カオリン、合成酸化鉄赤、カドミウム黄、ニッケルチタン黄、ストロンチウム黄、含水酸化クロム、酸化クロム、アルミ酸コバルト、合成ウルトラマリン青などの無機顔料、フタロシアニンなどの多環顔料、アゾ顔料などが挙げられる。
染料としては、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、キサンテン、ジケトピロロピロール、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、インジゴイド、オキサジン、キナクリドン、ベンツイミダゾロン、ビオランスロン、フタロシアニン、アゾメチンなどが挙げられる。
本実施形態において、プリプレグは、以下の条件1を満たす。
条件1:当該プリプレグの両面に35μmの銅箔をそれぞれ重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、回路基板1を作成する。回路基板1の上下面から2kVの電圧をかけたとき、当該回路基板1が破壊されるまでの時間が、250時間以上である。
なお、破壊されるまでの時間の上限値は、特に限定されないが、半導体装置の耐久性を保持する等の観点から、例えば、5000時間である。
また、より安定的に絶縁信頼性を得る観点から、回路基板1の厚みを0.2mmとすることが好ましい。なお、厚み0.2mmの回路基板1を得るために、プリプレグに含まれる繊維基材の厚みを調整したり、繊維基材を2枚以上積層してもよい。
また、本実施形態において、プリプレグは、以下の条件2を満たす。
条件2:当該プリプレグを2枚重ね、その両面に35μmの銅箔をそれぞれ重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、回路基板2を作成する。回路基板2の上下面から2kVの電圧をかけたとき、回路基板2が破壊されるまでの時間が、150時間以上である。
なお、破壊されるまでの時間の上限値は、特に限定されないが、半導体装置の耐久性を保持する等の観点から、例えば、5000時間である。
また、より安定的に絶縁信頼性を得る観点から、回路基板2の厚みを0.4mmとすることが好ましい。なお、厚み0.4mmの回路基板2を得るために、プリプレグに含まれる繊維基材の厚みを調整したり、繊維基材を2枚以上積層してもよい。
従来の回路基板形成に用いられるプリプレグは、回路基板の小型化、薄型化、狭ピッチにおける弱電流に着目し、開発されていたため、高電圧に対する評価は行われていなかった。これに対し、本発明者らは、回路基板形成に用いられるプリプレグにおいて、新たに高電圧に対する絶縁信頼性に初めて着目し、従来技術では充足できなかった条件1,2を新たに考案し、本発明を完成させた。言い換えると、高電圧下における絶縁信頼性が得られるプリプレグを構成する熱硬化性樹脂組成物の組成を一般化することが困難であったため、プリプレグに共通する条件を検討した結果、条件1,2を満たすときとそうでないときとにおいて、高電圧下における絶縁信頼性が得られるものとそうでないものがあることが明らかになった。そして、かかる条件1,2を満たすプリプレグは、以下のような条件を適切に調整することで実現することができる。
(1)熱硬化性樹脂組成物を構成する各材料の組み合わせと、それらの割合
(2)充填材の粒径、表面処理の有無
(3)プリプレグを構成する基材と熱硬化性樹脂組成物との組み合わせ
条件1,2を満たすプリプレグのより具体的な条件としては、例えば、以下のような条件が挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)熱硬化性樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂を選択することが好ましい。さらに、充填材を含むことが好ましく、その含有量は10質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
(2)充填材の平均粒径は、0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。
(3)プリプレグを構成する材料としてはガラス繊維基材であることが好ましい。
また、条件2を満たすプリプレグとは、プリプレグを2枚重ねることによって得られる層間厚みが、1枚のプリプレグで得られる層間厚みと同等であったとしても、前者においてより絶縁信頼性が得られることを意図するものである。かかる理由の詳細は不明であるが、プリプレグの枚数が増加すると、プリプレグによる吸湿抑制作用が得られやすくなり、回路基板の厚さ方向の中央部における吸湿が抑制されることとなる。その結果、絶縁信頼性がえら得やすくなるものと推測される。
(繊維基材)
繊維基材としては、とくに限定されないが、ガラスクロスなどのガラス繊維基材、ポリベンゾオキサゾール樹脂繊維、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維などのポリアミド系樹脂繊維基材、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維などのポリエステル系樹脂繊維基材、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維などを主成分として構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙などを主成分とする紙基材などの有機繊維基材などが挙げられる。これらの中でも、強度、吸水率の点からガラス繊維基材が好ましい。また、ガラス繊維基材を用いることにより、樹脂基板100の熱膨張係数をさらに小さくすることができる。
本実施形態で用いるガラス繊維基材としては、坪量(1mあたりの繊維基材の重量)が4g/m以上300g/m以下であることが好ましく、8g/m以上250g/m以下であることがより好ましく、12g/m以上230g/m以下であることがさらに好ましく、12g/m以上220g/m以下であることがとくに好ましく、12g/m以上210g/m以下であることが最も好ましい。
坪量が上記上限値以下であると、ガラス繊維基材中の樹脂材料の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマなどのレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、坪量が上記下限値以上であると、ガラス繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上したり、プリプレグの作製が容易となったり、基板の反りの低減効果の低下を抑制したりすることができる。
上記繊維基材の中でも、とくに、50℃以上150℃以下の範囲における線膨張係数α2が10ppm/℃以下の繊維基材であることが好ましく、6ppm/℃以下の繊維基材であることがより好ましく、3.5ppm/℃以下の繊維基材であることがとくに好ましい。このような線膨張係数を有する繊維基材を用いることにより、本実施形態の樹脂基板100の反りをさらに抑制することができる。ここで、繊維基材の線膨張係数α2は、例えば、熱機械分析装置TMAを用いて、10℃/分の引っ張り条件で30℃から260℃まで昇温させることにより測定することができる。例えば、JIS R3102に準拠して測定される経糸方向の熱膨張係数である。
さらに、本実施形態で用いるガラス繊維基材を構成する材料の引張弾性率が60GPa以上100GPa以下であることが好ましく、65GPa以上95GPa以下であることがより好ましく、85GPa以上95GPa以下であることがとくに好ましい。このような引張弾性率を有するガラス繊維基材を用いることにより、例えば、半導体実装時のリフロー熱による配線板の変形を効果的に抑制することができるので、電子部品の接続信頼性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態で用いるガラス繊維基材は、1GHzでの誘電率が3.8以上7.0以下であることが好ましく、3.8以上6.8以下であることがより好ましく、3.8以上5.5以下であることがとくに好ましい。このような誘電率を有するガラス繊維基材を用いることにより、樹脂基板100の誘電率をさらに低減させることができる。そのため、高速信号を用いた半導体装置に好適に用いることができる。
上記のような線膨張係数、引張弾性率および誘電率を有するガラス繊維基材として、例えば、Tガラス、Sガラス、Eガラス、NEガラス、および石英ガラスからなる群から選ばれる少なくとも一種を含むガラス繊維基材が好適に用いられる。
繊維基材の厚みは、とくに限定されないが、好ましくは5μm以上200μm以下であり、より好ましくは10μm以上190μm以下であり、さらに好ましくは30μm以上180μm以下である。このような厚みを有する繊維基材を用いることにより、プリプレグ製造時のハンドリング性がさらに向上し、とくに反り低減効果を向上させることができる。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の樹脂材料の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマなどのレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度が向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上したり、プリプレグの作製が容易となったり、基板の反りの低減効果の低下を抑制したりすることができる。
また、繊維基材の使用枚数は、一枚に限らず、薄い繊維基材を複数枚重ねて使用することも可能である。なお、繊維基材を複数枚重ねて使用する場合は、その合計の厚みが上記の範囲を満たせばよい。
また、本実施形態における樹脂基板100に含まれる繊維基材と充填材との合計が、55質量%以上90質量%以下であることが好ましく、60質量%以上85質量%以下であることがより好ましい。繊維基材と充填材との合計が上記範囲を満たすことにより、繊維基材への樹脂材料の含浸性、成形性のバランスをとりながら、樹脂基板100の剛性を高めることができ、その結果、実装時の半導体装置の反りをより一層低減することができる。
本実施形態の樹脂基板100を得るためには、上述した各材料を適切に選択し、各材料の配合量を適切に調整することが重要である。
ただし、本実施形態の樹脂基板は、上述した各材料に限定されず、種々の条件を適切に調整することにより、本実施形態の樹脂基板を得ることができる。
(半導体パッケージ)
つづいて、本実施形態における半導体パッケージ200について説明する。
樹脂基板100は、図2に示すような半導体パッケージ200に用いることができる。半導体パッケージ200の製造方法としては、とくに限定されないが、例えば以下のような方法がある。
金属箔付き樹脂基板213(金属張積層板)に層間接続用のスルーホール215を形成し、サブトラクティブ工法、セミアディティブ工法などにより配線層を作製する。その後、必要に応じてビルドアップ層(図2では図示しない)を積層して、アディティブ工法により層間接続および回路形成する工程を繰り返す。そして、必要に応じてソルダーレジスト層201を積層して、上記に準じた方法で回路形成し、プリント配線基板が得られる。ここで、一部あるいは全てのビルドアップ層およびソルダーレジスト層は繊維基材を含んでも構わないし、含まなくても構わない。
つぎにソルダーレジスト層201全面にフォトレジストを塗布した後に、フォトレジストの一部を除去してソルダーレジスト層201の一部を露出する。なお、ソルダーレジスト層201には、フォトレジストの機能を持ったレジストを使用することもできる。この場合は、フォトレジストの塗布の工程を省略できる。つぎに、露出したソルダーレジスト層の除去をおこなって、開口部209を形成する。
つづいて、リフロー処理を行なうことによって、半導体素子203を配線パターンの一部である接続端子205上に半田バンプ207を介して固着させる。その後、半導体素子203、半田バンプ207等を封止材211で封止することによって、図2に示す様な半導体パッケージ200が得られる。
(半導体装置)
つづいて、本実施形態における半導体装置300について説明する。
半導体パッケージ200は、図3に示すような半導体装置300に用いることができる。半導体装置300の製造方法としては、とくに限定されないが、例えば以下のような方法がある。
はじめに、得られた半導体パッケージ200のソルダーレジスト層201の開口部209に半田ペーストを供給し、リフロー処理を行なうことによって半田バンプ301を形成する。また、半田バンプ301は、あらかじめ作製した半田ボールを開口部209に取り付けることによっても形成できる。
つぎに、実装基板303の接続端子305と半田バンプ301とを接合することによって半導体パッケージ200を実装基板303に実装し、図3に示した半導体装置300が得られる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、実装時の反りが低減された半導体装置を得ることができる樹脂基板100が提供される。とくに、厚みが薄い樹脂基板100とした場合でも、反りの発生を効果的に抑制することができる。そして、本実施形態における樹脂基板100を用いたプリント配線基板は、反り、寸法安定性などの機械的特性、成形性に優れたものである。したがって、本実施形態における樹脂基板100は、高密度化、高多層化が要求されるプリント配線基板など、信頼性が要求される用途に好適に用いることができる。
本実施形態における樹脂基板100は、上述の回路加工およびそれ以後の各プロセスにおいても反りの発生が低減される。また、本実施形態における半導体パッケージ200は、反りおよびクラックが発生しにくく、薄型化が可能である。したがって半導体パッケージ200を含む半導体装置300は、接続信頼性が優れている。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば、本実施形態では、プリプレグが1層の場合を示したが、プリプレグを2層以上積層したものを用いて樹脂基板100を作製してもよい。
本実施形態における樹脂基板100にビルドアップ層をさらに積層した構成を取ることもできる。
次に、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<実施例1>
1.樹脂ワニスの調製
表1に示す組成の熱硬化性樹脂組成物を用意した。次に、熱硬化性樹脂組成物をメチルエチルケトンに溶解、分散させ、樹脂ワニスを調製した。このとき、最終的に得られる樹脂ワニス全量に対する固形分の配合比率が70%の割合となるように、原材料および溶剤の量を調整した。
2.金属張積層板の作製
ガラス繊維織布(日東紡社製「#7628」、厚み180μm、坪量208.0g/m、線膨張係数5.5ppm/℃)に、得られた樹脂ワニスを塗布装置で含浸させ、180℃の加熱炉で2分間乾燥して、樹脂含有量が48質量%であるプリプレグを得た。
次に、プリプレグ1枚に対し、両面に電解銅箔(厚み35μm)を重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、厚さ0.2mmの金属張積層板の作製を得た。
3.プリント配線板の作製
上述した方法で得られた金属張積層板に、両面にエッチングにより回路形成しプリント配線板を作製した。
<実施例2〜5、比較例1,2
表1に示す組成の熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂ワニスを作製した以外は、実施例1と同様にして、金属張積層板およびプリント配線基板を作製した。
<実施例6>
表1に示す組成の熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂ワニスを作製し、ガラス繊維織布(日東紡社製「#2116」、厚み90μm、坪量104.0g/m、線膨張係数5.5ppm/℃)を用いてプリプレグを作製し、当該プリプレグを2枚重ねた後に、両面に電解銅箔を重ね合わせた以外は、実施例1と同様にして、金属張積層板およびプリント配線基板を作製した。
<実施例7>
得られたプリプレグを2枚重ねた後に、両面に電解銅箔を重ね合わせた以外は、実施例1と同様にして、金属張積層板およびプリント配線基板を作製した。
実施例および比較例の各プリプレグおよびプリント配線基板を用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<評価>
1.破壊時間の測定1:
各プリプレグ1枚の両面に35μmの銅箔をそれぞれ重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、厚さ0.2mmの回路基板1を作成した。回路基板1の上下面から2kVの電圧をかけたとき、回路基板1が破壊されるまでの時間を測定した。
2.破壊時間の測定2:
各プリプレグを2枚重ね、その両面に35μmの銅箔をそれぞれ重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、厚さ0.4mmの回路基板2を作成した。回路基板2の上下面から2kVの電圧をかけたとき、回路基板2が破壊されるまでの時間を測定した。
3.層間厚み(mm)
プリント配線基板の両面の銅箔をエッチングで除去したサンプルを用意し、層間厚み(mm)をマイクロメーターで測定した。
4.絶縁信頼性(吸湿体積抵抗率)
「JIS C 6481-1996 プリント配線板銅張積層板試験方法」5.9項の記載に従い体積抵抗率を測定した。
Figure 2020094111
100 樹脂基板
101 繊維基材
103 絶縁樹脂層
200 半導体パッケージ
201 ソルダーレジスト層
203 半導体素子
205 接続端子
207 半田バンプ
209 開口部
211 封止材
213 樹脂基板
215 スルーホール
300 半導体装置
301 半田バンプ
303 実装基板
305 接続端子

Claims (10)

  1. 回路基板形成に用いられるプリプレグであって、以下の条件1を満たす、プリプレグ。
    条件1:当該プリプレグの両面に35μmの銅箔をそれぞれ重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、回路基板1を作成する。回路基板1の上下面から2kVの電圧をかけたとき、当該回路基板1が破壊されるまでの時間が、250時間以上である。
  2. 回路基板形成に用いられるプリプレグであって、以下の条件2を満たす、プリプレグ。
    条件2:当該プリプレグを2枚重ね、その両面に35μmの銅箔をそれぞれ重ね合わせ、圧力4MPa、温度200℃で120分間加熱加圧成形することにより、回路基板2を作成する。回路基板2の上下面から2kVの電圧をかけたとき、回路基板2が破壊されるまでの時間が、150時間以上である。
  3. 前記プリプレグが充填材を含み、当該充填材の平均粒子径が1〜10μmである、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  4. 前記充填材の比表面積が0.1〜20m/gである、請求項3に記載のプリプレグ。
  5. 前記プリプレグが、エポキシ樹脂を含む、請求項1乃至4いずれか一項に記載のプリプレグ。
  6. 前記プリプレグは、ガラス繊維基材に熱硬化性樹脂組成物が含浸されてなる、請求項1乃至5いずれか一項に記載のプリプレグ。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載のプリプレグを用いた樹脂基板。
  8. 請求項7に記載の樹脂基板の少なくとも一方の面に金属箔を有する、金属張積層板。
  9. 請求項7に記載の樹脂基板に回路を有する、プリント配線基板。
  10. 請求項9に記載のプリント配線基板上に半導体素子を有する、半導体装置。
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