JP2020092666A - 洋梨果汁精製物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カテキン類の渋味を抑制する作用を有し、かつ食品に雑味を生じさせにくい洋梨果汁精製物を製造する方法の提供。【解決手段】洋梨果汁及びエタノールを含有する混合液を低温下に置き、沈殿を生成させること、及び、得られた沈殿を回収することを含み、該混合液のエタノール濃度が50v/v%超〜70v/v%である、洋梨果汁精製物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、洋梨果汁精製物の製造方法に関する。
ナシ属植物から生理活性物質を分離する方法が開示されている。特許文献1には、洋梨の徒長枝の粉砕物に水を加えて加熱抽出し、ろ液を濃縮後、エタノールを加えて遠心分離し、得られた上清をカラムに通してアルブチン画分を得たことが記載されている。特許文献2には、洋梨の凍結乾燥葉に70%含水エタノール溶液を加えてホモジナイズし、ろ過して不溶物を取り除いた後、減圧濃縮して抽出液を得たこと、該抽出液がグルタチオン産生促進作用を有していたことが記載されている。特許文献3には、ナシ属植物の乾燥樹皮又は根の粉末をエタノール抽出、減圧濃縮、次いでセルロースカラムクロマトグラフィーで分離したこと、得られた画分が免疫不全症候群の治療に有用であったことが記載されている。特許文献4には、洋梨果汁を乳酸桿菌で発酵させ、不溶物をろ過除去した後、1,3−ブチレングリコールを加えて得られた液が、レチノール関連遺伝子発現促進作用を有していたことが記載されている。
一方、植物や菌類から多糖類成分を抽出するために汎用される方法の1つが、エタノール沈殿である。非特許文献1には、酵素処理した和梨及び中国梨由来の果汁にエタノールを加えて、沈殿した多糖類を析出させ、該多糖類水溶液のα−amylase等の酵素の抑制活性を調べたことが記載されている。非特許文献2には、洋梨等の果実にエタノールを加えて加熱した後ホモジナイズしてろ過し、残渣にエタノール水溶液を加えて加熱及びろ過して再度残渣を得ることを繰り返し、ペクチン及びヘミセルロースを含む多糖類を抽出したことが記載されている。非特許文献3には、洋梨細胞の培養ろ液から高分子物質をエタノール沈殿させ、得られた沈殿からアラビノガラクタンタンパク質を分離したことが記載されている。
カテキン類は、ポリフェノールの一種であり、抗酸化作用を始め様々な生理作用を有する。しかしながら、高濃度のカテキン類を含有する飲料は、カテキン類由来の渋味が強過ぎて不快感ないし嫌悪感を伴うことがある。従来、カテキン類の渋味を抑制する手段が種々検討されている。例えば、特許文献5には、梨等のバラ科植物果実果汁を添加することで、ガレート型非重合体カテキン類を含む飲料の渋味を抑制することが記載されている。
特開2006−111581号公報 特開2010−105937号公報 特表2017−510288号公報 特許第6377879号公報 特開2018−000192号公報
Food Research International, 2017, 102:156-162 Postharvest Biology and Technology, 2006, 40:141-148 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1994, 91:10305-10309
より渋味抑制作用の高い渋味抑制剤が求められている。また、従来使用される梨果汁等を含む渋味抑制剤(例えば特許文献5に記載されるもの)は、多量に使用すると、カテキン類含有食品に雑味を生じさせることで、食品の風味に悪影響を及ぼす場合がある。食品の風味に対する影響の少ない渋味抑制剤が求められている。本発明は、カテキン類の渋味を抑制する作用を有し、かつ食品に雑味を生じさせにくい洋梨果汁精製物を製造する方法を提供する。
本発明者は、特定条件下での洋梨果汁のエタノール沈殿により得られた洋梨果汁精製物が、カテキン類の渋味を抑制する作用が高いことを見出した。また本発明者は、該洋梨果汁精製物が、食品に添加したときに雑味を生じさせにくいため、カテキン類含有食品におけるカテキン類による渋味の抑制に好適であることを見出した。
したがって、本発明は、
洋梨果汁及びエタノールを含有する混合液を低温下に置き、沈殿を生成させること、及び、
得られた沈殿を回収すること、
を含み、該混合液のエタノール濃度が50v/v%超〜70v/v%である、洋梨果汁精製物の製造方法を提供する。
本発明の方法によれば、従来カテキン類の渋味抑制剤として知られていた洋梨果汁の渋味抑制成分を抽出することができる。本発明で得られる洋梨果汁精製物は、カテキン類の渋味を抑制する作用に優れており、かつ食品に添加したときに雑味を生じさせにくい。したがって、該洋梨果汁精製物は、カテキン類含有食品の風味を低下させることなく、該食品におけるカテキン類による不快な風味を抑制することができる。
本発明は、洋梨果汁精製物の製造方法を提供する。本発明により製造される洋梨果汁精製物は、洋梨果汁を特定の条件下でエタノール沈殿することにより得られる。
本明細書において、洋梨とは、Pyrus communisに属する種又は品種の梨をいい、例えばバートレット(bartlett pear)、ルレクチェ(Le Lectier)、ラフランス(Claude Blanchet)、シードルペアなどが挙げられる。洋梨は、和梨及び中国梨(Pyrus pyrifolia、Pyrus bretshneideriなど)とは別種である。本発明の洋梨果汁精製物の製造方法において、原料となる洋梨果汁は、Pyrus communisに属する種又は品種の果汁であればよく、いずれか1種の種又は品種の果汁であっても、いずれか2種以上の種又は品種の果汁の組み合わせでもよい。
当該原料となる洋梨果汁は、洋梨の果実より常法により製造されたものであれば、特に限定されない。例えば、該洋梨果汁は、洋梨の果実を、例えば、磨砕器、ミキサー、搾汁器、おろし器、2軸式エクストルダー等の装置を用いて破砕又は圧搾することにより搾汁された果汁であってもよく、これら搾汁からさらに裏ごし等により皮、種子等を除去した果汁であってもよく、又は遠心分離、濾過等の手段により清澄果汁を調製してもよい。あるいは、市販の洋梨果汁を用いてもよい。これらの洋梨果汁は、上記の常法により製造されたもの又は市販品を、そのまま使用してもよく、又は濃縮もしくは水希釈して使用してもよい。該濃縮には、煮沸濃縮、真空濃縮、凍結濃縮、膜濃縮などの水分を除去して他の成分を維持する濃縮処理が用いられることが好ましい。本発明においては、目的とする洋梨果汁精製物の収量向上の観点から、原料の洋梨果汁には、濃縮した洋梨果汁を用いることが好ましい。例えば、原料の洋梨果汁は、Brix値が60〜70°Bx程度になるように濃縮された洋梨果汁であると好ましい。
当該洋梨果汁のエタノール沈殿では、上述した原料の洋梨果汁及びエタノールを含有する混合液を低温下に置いて沈殿を生成させ、次いで得られた沈殿を回収する。当該エタノール沈殿に用いられる混合液はまた、水を含有する。該混合液に含まれる水は、原料の洋梨果汁に含まれる水もしくはエタノール水溶液の水を含んでいてもよく、又はそれらと別に添加される水であってもよい。一例において、該混合液は、原料の洋梨果汁に、エタノールと水を混合して調製することができる。別の例において、該混合液は、原料の洋梨果汁に、エタノール又はエタノール水溶液、及び必要に応じて水を混合して調製されてもよい。いずれの場合でも、該混合液の調製においては、かき混ぜ、振盪、撹拌等の処理により、含まれる成分(原料の洋梨果汁、エタノール、及び必要に応じて水)を充分に混和させることが好ましい。該混合の際の液体の温度は特に限定されず、液体の加温や冷却は必要ではない。例えば室温下で混合液を調製すればよい。
当該混合液中のエタノール濃度は、目的とする洋梨果汁精製物の収量を確保するためには、50v/v%より高く、好ましくは60v/v%以上である。一方、該洋梨果汁精製物の渋味抑制作用を保持し、かつ該精製物を添加した食品の雑味を抑えるためには、該混合液中のエタノール濃度は、70v/v%以下であることが好ましい。したがって、該混合液中のエタノール濃度は、50v/v%超〜70v/v%が好ましく、60v/v%〜70v/v%がより好ましい。
また当該混合液中の洋梨果汁濃度は、目的とする洋梨果汁精製物の収量を確保するためには、5v/v%〜30v/v%が好ましく、10v/v%〜20v/v%がより好ましい。
本明細書において、体積%(v/v%)は、25℃での体積に基づいて算出された値を表す。
当該洋梨果汁のエタノール沈殿は、低温下、好ましくは−20〜+5℃で実施される。例えば、該低温下でのエタノール沈殿は、該混合液を冷蔵庫内などの低温(好ましくは−20〜+5℃)の雰囲気下に置くか、又は該混合液を恒温器などで低温(好ましくは−20〜+5℃)に維持することによって、実施することができる。該エタノール沈殿の際の温度が低すぎると、混合液が凍結することがある。一方、該温度が高すぎると、沈殿の生成速度が低下し、充分な収量が確保できないことがある。
一方、当該エタノール沈殿の時間は、目的とする洋梨果汁精製物の収量を確保するためには、好ましくは1時間以上、より好ましくは24時間以上である。ただし、該時間が長過ぎると得られた洋梨果汁精製物を添加した食品の雑味が増加することがあるため、該エタノール沈殿の時間は、好ましくは7日間以下、より好ましくは5日間以下である。したがって、該エタノール沈殿の時間は、1時間〜7日間が好ましく、24時間〜7日間がより好ましく、24時間〜5日間がさらに好ましい。あるいは、該エタノール沈殿の時間は、温度条件に合わせて調整することができる。例えば、沈殿の生成速度(目的物の収量)を考慮して、温度がより高い場合はより長時間、温度がより低い場合はより短時間に調整することができる。
本発明によるエタノール沈殿の条件の好ましい例を以下に記載するが、これらの条件は例示であり、本発明によるエタノール沈殿の条件を限定するものではない。
混合液中エタノール濃度:50v/v%超〜70v/v%、混合液中洋梨果汁濃度:5v/v%〜30v/v%、反応温度及び時間:−20〜+5℃で1時間〜7日間、
混合液中エタノール濃度:60v/v%〜70v/v%、混合液中洋梨果汁濃度:5v/v%〜30v/v%、反応温度及び時間:−20〜+5℃で24時間〜7日間、
混合液中エタノール濃度:60v/v%〜70v/v%、混合液中洋梨果汁濃度:5v/v%〜30v/v%、反応温度及び時間:−20〜+5℃で24時間〜5日間、
混合液中エタノール濃度:60v/v%〜70v/v%、混合液中洋梨果汁濃度:10v/v%〜20v/v%、反応温度及び時間:−20〜+5℃で24時間〜5日間。
好ましくは、該混合液中の洋梨果汁は濃縮洋梨果汁である。より好ましくは、該混合液中の洋梨果汁は、60〜70°Bxの濃縮洋梨果汁である。
当該エタノール沈殿により、該混合液中に沈殿が生成する。本発明においては、この沈殿を該混合液から回収する。例えば、ろ過、デカンテーション、遠心分離などにより該混合液から沈殿を分離し、回収すればよい。得られた沈殿は、必要に応じてエタノール水溶液などで洗浄してもよい。回収した沈殿は、そのまま保存、又は後述する渋味抑制剤などとして使用することができるが、必要に応じて、液体、乾燥物等の形態に調製して保存又は使用してもよい。例えば、回収した沈殿をエタノールなどに溶解又は懸濁させた液体を調製してもよく、又は凍結乾燥等の手段により乾燥物に調製してもよい。
以上の手順で、目的の洋梨果汁精製物を製造することができる。該洋梨果汁精製物は、カテキン類の渋味の抑制作用を有しており、渋味抑制剤として使用することができる。また、該洋梨果汁精製物は、原料である洋梨果汁と比べて、これを添加した食品(飲料を含む)に雑味を生じさせにくく、該食品の本来の風味(例えば、カテキン含有茶飲料の茶様の風味)を低下させない。したがって、本発明で得られた洋梨果汁精製物は、カテキン類含有食品におけるカテキン類の渋味の抑制剤として好適である。
本明細書における「渋味」とは、味蕾や味細胞以外の、口腔内全体の粘膜の収縮によって知覚される口中がしびれるような感覚をいう。渋味は、味覚受容体で知覚される苦味とは異なり、「味覚」には含まれない感覚である。実際、渋味は、渋味物質を連続的に経口摂取すると、口腔中の渋味の感覚が蓄積して強くなっていく。一方、苦味は、苦味物質を連続的に経口摂取しても、このような蓄積は起こらない。このように、渋味が苦味とは全く異なる感覚であることは、当業者にとっては通常知られていることである。
また、本明細書における食品の「雑味」とは、該食品に本来求められる風味を損なう風味、又は該食品に本来求められる風味と異なる風味をいう。例えば、食品に望まず付加された甘味、塩味、酸味、苦味、旨味、辛味、渋味等の味や香りは、該食品の本来の風味を打ち消したり、予期せぬ風味を付与したりすることで、該食品に雑味を生じさせることがある。より具体的な例において、洋梨果汁精製物をカテキン含有茶飲料に加えることによって、該飲料の茶様の風味が損なわれるか、該飲料に茶様の風味と異なる風味が付与された場合、該茶飲料は「雑味」を有している。
本発明で得られた洋梨果汁精製物により渋味が抑制されるカテキン類の種類としては、非重合体カテキン類が挙げられ、ガレート型非重合体カテキン類が好ましい。本明細書における「非重合体カテキン類」は、カテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びエピガロカテキン、ならびにそれらのガレート体を含む。また本明細書における「ガレート型非重合体カテキン類」は、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートを含む。これらのカテキン類は、Camellia属の茶葉から抽出することができ、又は市販されている。
本発明で得られた洋梨果汁精製物をカテキン類の渋味の抑制剤として適用するカテキン類含有食品としては、カテキン類含有飲料が好ましい。該飲料は、茶飲料であっても、非茶系飲料であってもよい。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料が挙げられる。また、非茶系飲料としては、例えば、炭酸飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料や、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料が挙げられる。なお、該飲料の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。
当該カテキン類含有食品における該洋梨果汁精製物の含有量は、カテキン類の渋味を抑制するための有効量であればよく、好ましくは、カテキン類の渋味を抑制する効果が得られ、かつ該果汁精製物の味が知覚されないかもしくは不快な雑味を与えない量である。該カテキン類含有食品における該洋梨果汁精製物の含有量は、該食品の種類や渋味強度に応じて適宜設定することができる。好ましい例において、該カテキン類含有食品における該洋梨果汁精製物(乾燥物換算)の含有量は、該食品全量中2.5〜50質量ppmであるか、あるいは、該食品全量中のカテキン類100質量%あたり0.25〜5質量%である。食品中の洋梨果汁精製物の乾燥物換算での含有量とは、好ましくは、該洋梨果汁精製物が凍結乾燥物である場合の質量をいう。ただし上述したように、該カテキン類含有食品に添加される洋梨果汁精製物の形態は、凍結乾燥物に限られず、エタノール沈殿の後に回収した沈殿そのままであっても、又は該沈殿から調製した液体であってもよい。
本発明の例示的実施形態として、さらに以下の組成物、製造方法、用途あるいは方法を本明細書に開示する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
〔1〕洋梨果汁及びエタノールを含有する混合液を低温下に置き、沈殿を生成させること、及び、
得られた沈殿を回収すること、
を含む、洋梨果汁精製物の製造方法。
〔2〕前記混合液のエタノール濃度が、
好ましくは50v/v%超〜70v/v%、
より好ましくは60v/v%〜70v/v%、
である、〔1〕記載の方法。
〔3〕好ましくは、前記低温が−20〜+5℃である、〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕前記低温下に置く時間が、
好ましくは1時間〜7日間、
より好ましくは24時間〜7日間、
さらに好ましくは24時間〜5日間、
である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5〕前記混合液における洋梨果汁濃度が、
好ましくは5v/v%〜30v/v%、
より好ましくは10v/v%〜20v/v%、
である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の方法。
〔6〕好ましくは、前記沈殿の生成が以下の条件で行われる、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の方法:
混合液中エタノール濃度:50v/v%超〜70v/v%、混合液中洋梨果汁濃度:5v/v%〜30v/v%、反応温度及び時間:−20〜+5℃で1時間〜7日間、
混合液中エタノール濃度:60v/v%〜70v/v%、混合液中洋梨果汁濃度:5v/v%〜30v/v%、反応温度及び時間:−20〜+5℃で24時間〜7日間、
混合液中エタノール濃度:60v/v%〜70v/v%、混合液中洋梨果汁濃度:5v/v%〜30v/v%、反応温度及び時間:−20〜+5℃で24時間〜5日間、又は、
混合液中エタノール濃度:60v/v%〜70v/v%、混合液中洋梨果汁濃度:10v/v%〜20v/v%、反応温度及び時間:−20〜+5℃で24時間〜5日間。
〔7〕前記洋梨果汁が、好ましくは濃縮洋梨果汁であり、より好ましくは60〜70°Bxの濃縮洋梨果汁である、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の方法。
〔8〕好ましくは、前記洋梨果汁精製物がカテキン類の渋味の抑制作用を有する、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の方法。
〔9〕前記カテキン類が、
好ましくは非重合体カテキン類であり、
より好ましくはガレート型非重合体カテキン類、
である、〔8〕記載の方法。
〔10〕好ましくは、前記洋梨果汁精製物が、前記洋梨果汁と比べて食品に雑味を生じさせにくい、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の方法。
参考例1 渋味強度の測定
カテキン製剤(テアビゴ、DSMニュートリション社製、エピガロカテキンガレート94質量%以上含有)の添加濃度を表1のとおりに段階的に調整することで、異なる渋味強度を有する10種の標準水溶液を作製した。4人の専門パネラーが官能評価により10種の標準水溶液の中から被験飲料と同等の渋味強度と認識された標準水溶液を選択した。選ばれた標準水溶液の渋味強度についてパネラー間での平均値を求め、被験飲料の渋味強度の値とした。
Figure 2020092666
実施例1 洋梨果汁精製物の調製
(洋梨果汁)
洋梨果汁としては、6倍濃縮洋梨果汁(株式会社 果香より入手、Brix67.0、果実の搾汁をペクチナーゼで処理して濾過した後、減圧濃縮した製品)を使用した。
(製造例1 洋梨果汁60%エタノール沈殿物の製造)
6倍濃縮洋梨果汁30mLにイオン交換水90mLと99.5v/v%エタノール180mLを加えて振り混ぜた。得られた混合液を、−20℃の冷凍庫で4日間静置した後、遠心分離によって沈殿物を分離した。得られた沈殿物は70v/v%エタノールを用いて洗浄した後、イオン交換水に溶解して凍結乾燥した。沈殿物の収量は26.5mg、収率は0.066質量%であった。
(製造例2 洋梨果汁65%エタノール沈殿物の製造)
6倍濃縮洋梨果汁30mLにイオン交換水75mLと99.5v/v%エタノール195mLを加えて振り混ぜた。得られた混合液を、−20℃の冷凍庫で4日間静置した後、遠心分離によって沈殿物を分離した。得られた沈殿物は70v/v%エタノールを用いて洗浄した後、イオン交換水に溶解して凍結乾燥した。沈殿物の収量は74.8mg、収率は0.19質量%であった。
(製造例3 洋梨果汁70%エタノール沈殿物の製造−1)
6倍濃縮洋梨果汁30mLにイオン交換水30mLと99.5v/v%エタノール140mLを加えて振り混ぜた。得られた混合液を、4℃の冷蔵庫で4日間静置した後、デカンテーションにより上清を除去して沈殿物を得た。得られた沈殿物は70v/v%エタノールを用いて洗浄した後、イオン交換水に溶解して凍結乾燥した。沈殿物の収量は0.959g、収率は2.4質量%であった。
(製造例4 洋梨果汁70%エタノール沈殿物の製造−2)
6倍濃縮洋梨果汁30mLにイオン交換水30mLと99.5v/v%エタノール140mLを加えて振り混ぜた。得られた混合液を、−20℃の冷凍庫で4日間静置した後、デカンテーションにより上清を除去して沈殿物を得た。得られた沈殿物は70v/v%エタノールを用いて洗浄した後、イオン交換水に溶解して凍結乾燥した。沈殿物の収量は2.75g、収率は6.9質量%であった。
(製造例5 洋梨果汁75%エタノール沈殿物の製造)
6倍濃縮洋梨果汁30mLにイオン交換水20mLと99.5v/v%エタノール150mLを加えて振り混ぜた。得られた混合液を、4℃の冷蔵庫で4日間静置した後、デカンテーションにより上清を除去して沈殿物を得た。得られた沈殿物は80v/v%エタノールを用いて洗浄した後、イオン交換水に溶解して凍結乾燥した。沈殿物の収量は3.65g、収率は9.1質量%であった。
(比較例1 洋梨果汁50%エタノール沈殿物の製造)
6倍濃縮洋梨果汁30mLにイオン交換水120mLと99.5v/v%エタノール150mLを加えて振り混ぜた。得られた混合液を、−20℃の冷凍庫で5日間静置した。しかし、沈殿は生成されなかった。
製造例1〜5及び比較例1で得られた沈殿物の製造条件を表2に示す。
Figure 2020092666
実施例2 洋梨果汁精製物の渋味抑制作用
(被験飲料の調製)
カテキン製剤(テアビゴ、DSMニュートリション社製、エピガロカテキンガレート94質量%以上含有)を0.10質量%、製造例1〜5で得られた沈殿物を2.5質量ppmとなるようにイオン交換水に溶解して、表3のとおり被験飲料1〜5を調製した。
(渋味強度の測定)
参考例1の手順に従って、被験飲料1〜5の渋味強度を測定した。結果を表3に示す。製造例1〜4の70%以下のエタノールによる沈殿物を添加した飲料(被験飲料1〜4)は、優れた渋味抑制作用を有していた。
Figure 2020092666
実施例3 洋梨果汁精製物含有飲料の風味評価
(被験飲料の調製)
緑茶飲料(ヘルシア緑茶a:花王株式会社、350mL中にカテキン類540mg含有)に製造例1〜5で得られた沈殿物を25質量ppmとなるように溶解して被験飲料1〜5を調製した。同じ緑茶飲料(ヘルシア緑茶a)に、実施例1で用いた6倍濃縮洋梨果汁を800質量ppmとなるように溶解して比較飲料1を調製した。
(風味評価)
被験飲料1〜5及び比較飲料1について、4人の専門パネラーにより、下記評価基準に従って各飲料の渋味と雑味を官能評価した。
(渋味)
各パネラーは、ヘルシア緑茶aと比較して渋味が抑制されたか、抑制されなかったかを評価した。渋味が抑制されたと評価したパネラーの人数が4〜3人の場合はA、2人の場合はB、1〜0人の場合はCと判定した。
A:渋味が抑制された B:渋味がやや抑制された C:渋味が抑制されなかった
(雑味)
各パネラーは、ヘルシア緑茶aと比較して雑味(茶様の風味の低減)を感じたか、感じなかったかを評価した。雑味を感じなかったと評価したパネラーの人数が4〜3人の場合はA、2人の場合はB、1〜0人の場合はCと判定した。
A:雑味がない B:やや雑味がある C:雑味がある
結果を表4に示す。製造例1〜4の70%以下のエタノールによる沈殿物を添加した茶飲料(被験飲料1〜4)は、原料の洋梨果汁を添加した茶飲料(比較飲料1)や、製造例5の75%エタノールによる沈殿物を添加した茶飲料(被験飲料5)と比べて、渋味が抑えられており、かつ雑味が少なく茶様の風味がよく保たれていた。
Figure 2020092666

Claims (5)

  1. 洋梨果汁及びエタノールを含有する混合液を低温下に置き、沈殿を生成させること、及び、
    得られた沈殿を回収すること、
    を含み、該混合液のエタノール濃度が50v/v%超〜70v/v%である、洋梨果汁精製物の製造方法。
  2. 前記混合液のエタノール濃度が60v/v%〜70v/v%である、請求項1記載の方法。
  3. 前記低温が−20〜+5℃である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記低温下に置く時間が1時間〜7日間である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記混合液における洋梨果汁濃度が5v/v%〜30v/v%である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
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