JP2020092005A - イオントラップ質量分析装置およびイオントラップ質量分析方法 - Google Patents

イオントラップ質量分析装置およびイオントラップ質量分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン検出器の寿命の向上が可能なイオントラップ質量分析装置およびイオントラップ質量分析方法を提供する。【解決手段】イオントラップ質量分析装置のイオン源30は、試料中の成分のイオンを生成する。イオントラップ10は、イオン源30により生成されたイオンを捕捉する。イオン検出器50は、イオントラップから排出されるイオンを検出する。印加電圧制御部は、イオン源30によるイオンの生成開始後にイオントラップ10から分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンが排出される期間におけるイオン検出器50のイオン検出能力がイオントラップ10から分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンが排出される期間におけるイオン検出器50のイオン検出能力に比べて低くなるように、イオン検出器50に印加される電圧を変化させる。【選択図】図1

Description

本発明は、イオントラップ質量分析装置およびイオントラップ質量分析方法に関する。
電場によりイオンを捕捉するイオントラップを用いたイオントラップ質量分析装置が知られている。例えば、特許文献1には、マトリックス支援レーザ脱離イオン化デジタルイオントラップ質量分析装置(MALDI−DIT−MS)が記載されている。イオントラップ質量分析装置では、レーザ光が試料に照射されることにより試料からイオンが生成される。生成されたイオンは、イオントラップ内に導入および捕捉された後、分析対象範囲の質量電荷比(m/z)を有するイオンがイオントラップから排出され、イオン検出器により検出される。
国際公開第2008/129850号
イオントラップ質量分析装置では、イオントラップへのイオンの導入および捕捉時に分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオントラップに捕捉されずにイオントラップから排出され、イオン検出器により検出される。イオン検出器の寿命は、検出されたイオンの数が多いほど短くなる。そのため、分析対象範囲外のイオンの検出によるイオン検出器の寿命の低下を抑制することが望まれる。
本発明の目的は、イオン検出器の寿命の向上が可能なイオントラップ質量分析装置およびイオントラップ質量分析方法を提供することである。
(1)本発明に係るイオントラップ質量分析装置は、試料中の成分のイオンを生成するイオン源と、イオン源により生成されたイオンを捕捉するイオントラップと、イオントラップから排出されるイオンを検出するイオン検出器と、イオン検出器に電圧を印加する電圧印加制御部とを備え、電圧印加制御部は、イオン源によるイオンの生成開始後にイオントラップから分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンが排出される期間におけるイオン検出器のイオン検出能力がイオントラップから分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンが排出される期間におけるイオン検出器のイオン検出能力に比べて低くなるように、イオン検出器に印加される電圧を変化させる。
そのイオントラップ質量分析装置によれば、分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンが排出される期間において、イオン検出器のイオン検出能力が低くなる。それにより、イオン検出器により検出される分析対象範囲外のイオンの数が少なくなる。一方、イオントラップから分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンが排出される期間においては、イオン検出器のイオン検出能力が高くなる。それにより、分析対象範囲内のイオンが確実に検出される。したがって、分析対象範囲外のイオンによるイオン検出器の劣化が抑制される。その結果、イオン検出器の寿命の向上が可能となる。
(2)イオントラップ質量分析装置は、イオン源によるイオンの生成開始後の第1のクーリング期間においてイオントラップ内のイオンのクーリングを行うクーリング部をさらに備え、電圧印加制御部は、第1のクーリング期間内でかつ分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオントラップから排出される期間後にイオン検出器のイオン検出能力が上昇するように、イオン検出器に印加される電圧を変化させてもよい。
この場合、第1のクーリング期間においてイオン検出器に印加される電圧を変化させることにより、分析対象範囲外のイオンの検出によるイオン検出器の劣化を抑制することができる。
(3)イオントラップ質量分析装置は、第1のクーリング期間後の解離期間においてイオントラップ内に捕捉されたプリカーサイオンを解離させるイオン解離部をさらに備え、クーリング部は、解離期間後の第2のクーリング期間においてイオントラップ内のイオンのクーリングを行い、電圧印加制御部は、分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオントラップから排出される期間後でかつ第2のクーリング期間の終了までにおいて、イオン検出器のイオン検出能力が上昇するように、イオン検出器に印加される電圧を変化させてもよい。
この場合、MS/MS分析において、イオントラップから排出される分析対象範囲外のイオンの検出によるイオン検出器の劣化を抑制することができる。
(4)電圧印加制御部は、解離期間においてプリカーサイオンの選別および解離に伴って発生するイオンがイオントラップから排出される期間後または第2のクーリング期間において、イオン検出器のイオン検出能力が上昇するように、イオン検出器に印加される電圧を変化させてもよい。
この場合、プリカーサイオンの選別および解離に伴って排出されるイオンの検出によるイオン検出器の劣化を抑制することができる。
(5)イオン検出器は、イオンを電荷に変換するダイノードと、ダイノードにより変換された電荷の量を検出する二次電子増倍管とを含み、ダイノードおよび二次電子増倍管は、イオントラップから排出されるイオンの排出されるイオンは、電圧印加制御部は、分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオントラップから排出される期間においてダイノードおよび二次電子増倍管に等しい電圧を印加し、イオントラップから分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンが排出される期間においてダイノードから二次電子増倍管に電荷が移動するようにダイノードおよび二次電子増倍管に異なる電圧を印加してもよい。
この場合、ダイノードに入射するイオンの数が減少するので、二次電子増倍管に入射する電荷の数が減少する。それにより、二次電子増倍管の劣化が抑制される。
(6)電圧印加制御部は、二次電子増倍管に一定の電圧を印加し、イオン検出器のイオン検出能力を上昇させるためにダイノードに印加される電圧を変化させてもよい。
この場合、ダイノードに印加される電圧を変化させることによりイオン検出器のイオン検出能力が瞬時に上昇するので、二次電子増倍管の特性が安定するための時間を考慮する必要がなくなる。
(7)本発明の他の局面に従うイオントラップ質量分析方法は、試料中の成分のイオンを生成するステップと、生成されたイオンをイオントラップにより捕捉するステップと、イオントラップから排出されるイオンをイオン検出器により検出するステップと、イオン源によるイオンの生成開始後にイオントラップから分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンが排出される期間におけるイオン検出器のイオン検出能力がイオントラップから分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンが排出される期間におけるイオン検出器のイオン検出能力に比べて低くなるように、イオン検出器に印加される電圧を変化させるステップとを含む。
このイオントラップ質量分析方法によれば、分析対象範囲外のイオンによるイオン検出器の劣化が抑制される。したがって、イオン検出器の寿命の向上が可能となる。
本発明によれば、イオントラップ質量分析装置におけるイオン検出器の寿命の向上が可能となる。
本発明の一実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置の構成を示す模式図である。 検出器電圧の第1の状態の一例を示す模式図である。 検出器電圧の第2の状態の一例を示す模式図である。 検出器電圧の第1の状態の他の例を示す模式図である。 第1の比較例を示すタイミング図である。 本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置の第1の動作例を示すタイミング図である。 第2の比較例を示すタイミング図である。 本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置の第2の動作例を示すタイミング図である。
以下、本発明の実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置およびイオントラップ質量分析方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
(1)イオントラップ質量分析装置の構成
図1は本発明の一実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置の構成を示す模式図である。図1のイオントラップ質量分析装置1は、マトリックス支援レーザ脱離イオン化デジタルイオントラップ質量分析装置(MALDI−DIT−MS)である。
イオントラップ質量分析装置1は、イオントラップ10、イオン源30、イオン検出器50、制御部60、データ処理部70および入力部80を備える。本実施の形態では、イオントラップ10は、三次元四重極型イオントラップである。イオントラップ10は、リング電極11、一対のエンドキャップ電極12,13、入口側電場補正用電極14および引き出し電極15を含む。一対のエンドキャップ電極12,13は、リング電極11を挟むように互いに対向して設けられている。エンドキャップ電極12の略中央にイオン導入口16が設けられている。入口側電場補正用電極14は、イオン導入口16付近の電場の乱れを防止するためにエンドキャップ電極12の外側に設けられている。エンドキャップ電極13の略中央にイオン排出口17が設けられている。引き出し電極15は、イオン排出口17を通してイオン検出器50にイオンを引き出すためにエンドキャップ電極13の外側に設けられている。
また、イオントラップ質量分析装置1は、クーリングガス供給部19、解離ガス供給部20、捕捉電圧発生部21および補助電圧発生部22を含む。クーリングガス供給部19は、イオントラップ10内のイオンを冷却するためのクーリングガスをイオントラップ10内に供給する。クーリングガスは、ヘリウム等の不活性ガスである。本実施の形態では、クーリングガス供給部19がクーリング部の例である。解離ガス供給部20は、MS/MSにおいて、衝突誘起解離(CID:Collision Induced Dissociation)のための解離ガスをイオントラップ10内に供給する。解離ガスは、ヘリウム等の不活性ガスである。本実施の形態では、解離ガス供給部20が解離部の例である。捕捉電圧発生部21は、リング電極11に矩形波電圧を印加する。補助電圧発生部22は、エンドキャップ電極12,13に所定の直流電圧または交流電圧を印加する。
本実施の形態では、イオン源30はMALDIイオン源である。イオン源30は、レーザ光照射部31、反射鏡32,33、アインツェルレンズ34およびアパーチャ35を含む。サンプルプレート40上にはマトリックスと混合された試料41が用意される。レーザ光照射部31はレーザ光を出射する。反射鏡32は、レーザ光照射部31により出射されたレーザ光を反射するとともに収束させ、試料41に照射する。それにより、試料41の成分がイオン化される。アインツェルレンズ34は、試料41から発生したイオンをイオントラップ10まで輸送する。なお、イオン輸送光学系として、アインツェルレンズ34の代わりに、静電レンズ光学系等の他のイオン輸送光学系が用いられてもよい。アパーチャ35は、イオントラップ10から拡散するイオンを遮蔽する。
本実施の形態では、イオン源30は、CCD(電荷結合素子)カメラ36およびモニタ37を含む。試料41は、CCDカメラ36により反射鏡33を介して撮像され、CCDカメラ36により得られる試料41の観察像がモニタ37に表示される。
イオン検出器50は、イオン排出口17の外側に配置されている。イオン検出器50には、イオン排出口17から排出されたイオンが導入される。イオン検出器50は、コンバージョンダイノード(以下、ダイノードと略記する。)51および二次電子増倍管52を含む。イオン検出器50には、検出器電圧発生部53により検出器電圧が印加される。
検出器電圧発生部53は、ダイノード電圧発生部54および二次電子増倍管電圧発生部(以下、増倍管電圧発生部と略記する。)55を含む。ダイノード電圧発生部54は、ダイノード51にダイノード電圧を印加する。増倍管電圧発生部55は、二次電子増倍管52に増倍管電圧を印加する。本実施の形態では、検出器電圧は、ダイノード電圧および増倍管電圧を含む。ダイノード51は、イオンを電荷(電子または正電荷)に変換する。二次電子増倍管52は、ダイノード51により変換された電荷を増倍することによりイオン量を検出する。検出器電圧発生部53は、制御部60の制御に基づいて検出器電圧を後述する第1の状態と第2の状態とに切り替える。本実施の形態では、検出器電圧発生部53および制御部60が電圧印加制御部の例である。
イオン検出器50から出力される検出信号は、データ処理部70に与えられる。データ処理部70は、イオン検出器50から与えられる検出信号に基づいてマススペクトルを生成する。
制御部60は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)および記憶装置により構成される。制御部60は、レーザ光照射部31、クーリングガス供給部19、解離ガス供給部20、捕捉電圧発生部21、補助電圧発生部22、ダイノード電圧発生部54および増倍管電圧発生部55を制御する。
(2)イオン検出器50に印加される検出器電圧
図2は検出器電圧の第1の状態の一例を示す模式図である。図3は検出器電圧の第2の状態の一例を示す模式図である。図2、図3および後述する図4の例では、正のイオンを検出する場合について説明する。
図2に示すように、検出器電圧の第1の状態では、ダイノード51に印加されるダイノード電圧と二次電子増倍管52に印加される増倍管電圧とが等しい。図2の例では、ダイノード電圧および増倍管電圧は等しい負の電圧(例えば−2kV)である。第1の状態では、イオントラップ10のイオン排出口17から排出される正のイオンがイオン検出器50のダイノード51と二次電子増倍管52との間を通過し、ダイノード51に入射しない。そのため、二次電子増倍管52に電子がほとんど入射しない。したがって、イオントラップ10から排出されるイオンがイオン検出器50によりほとんど検出されない。すなわち、イオン検出器50のイオン検出能力は低い。ここで、イオン検出器50のイオン検出能力は、一定の数のイオンがイオン検出器50に入射した場合にイオン検出器50により検出される電荷量の程度を意味する。具体的には、イオン検出能力は、イオン検出器50に入射したイオンの数に対する二次電子増倍管52に入射する電荷の数の割合に相当する。
図3に示すように、検出器電圧の第2の状態では、ダイノード51に印加されるダイノード電圧と二次電子増倍管52に印加される増倍管電圧とが異なる。図3の例では、ダイノード電圧は、増倍管電圧よりも低い負の電圧(例えば−10kV)である。第2の状態では、イオントラップ10のイオン排出口17から排出される正のイオンはイオン検出器50のダイノード51に入射する。それにより、ダイノード51により正のイオンが電子に変換される。ダイノード51により生成された電子は二次電子増倍管52に入射する。したがって、イオントラップ10から排出されるイオンがイオン検出器50により検出される。すなわち、イオン検出器50のイオン検出能力は高い。
上記のように、検出器電圧が第2の状態である場合のイオン検出器50のイオン検出能力は、検出器電圧が第1の状態である場合のイオン検出器50のイオン検出能力よりも高い。
図4は検出器電圧の第1の状態の他の例を示す模式図である。図4の例では、検出器電圧の第1の状態において、ダイノード51に印加されるダイノード電圧は0である。すなわち、ダイノード51には電圧は印加されない。二次電子増倍管52に印加される増倍管電圧は負の電圧(例えば−2kV)である。この場合、イオントラップ10のイオン排出口17から排出される正のイオンの大部分は二次電子増倍管52に入射し、ダイノード51には、正のイオンはほとんど入射しない。そのため、二次電子増倍管52には電子がほとんど入射しない。したがって、イオントラップ10から排出されるイオンがイオン検出器50によりほとんど検出されない。検出器電圧が図4の第1の状態にある場合のイオン検出器50のイオン検出能力は、検出器電圧が図2の第2の状態にある場合のイオン検出器50のイオン検出能力よりも低い。ただし、一部のイオンは、ダイノード51に入射し、ダイノード51により電子に変換される。したがって、イオン検出器50により一部のイオンが検出される可能性がある。
図2〜図4の例では、第1の状態と第2の状態とで、二次電子増倍管52に印加される増倍管電圧は一定に保たれ、ダイノード51に印加される電圧が切り替えられる。この場合、ダイノード電圧の変化によりイオン検出器50のイオン検出能力が瞬時に上昇するので、二次電子増倍管52の特性が安定するための時間を考慮する必要がない。
なお、負のイオンを検出する場合には、第2の状態でダイノード51には正のダイノード電圧が印加される。この場合、ダイノード51は負のイオンを正の電荷に変換し、二次電子増倍管52は正の電荷の量を検出する。
(3)イオントラップ質量分析装置1の第1の動作例
次に、本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1の第1の動作例を第1の比較例と比較しながら説明する。図5は第1の比較例を示すタイミング図である。図6は本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1の第1の動作例を示すタイミング図である。図5および図6においては、捕捉電圧発生部21によりリング電極11に印加される捕捉電圧、クーリングガス供給部19によるクーリングガスの供給および未供給、制御部60によりレーザ光照射部31に与えられるレーザ駆動パルス、検出器電圧発生部53によりイオン検出器50に印加される検出器電圧の状態、イオン検出器50に入射するイオン数、およびイオン検出器50からの検出信号が示される。クーリングガスの波形のハイレベルはクーリングガスの供給を示し、ローレベルはクーリングガスの未供給を示す。また、検出器電圧の波形のローレベルは第1の状態を示し、ハイレベルは第2の状態を示す。本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1の第1の動作例が第1の比較例と異なるのは、検出器電圧の変化である。
まず、第1の比較例について説明する。図5に示すように、動作開始時には、捕捉電圧発生部21により発生される捕捉電圧は0であり、検出器電圧発生部53によりイオン検出器50に印加される検出器電圧は第2の状態である。すなわち、動作開始時にイオン検出器50がイオンを検出可能な状態となる。第1の比較例では、検出器電圧は、イオントラップ質量分析装置1の動作開始時(電源オン時)から動作終了時(電源オフ時)まで第2の状態にある。それにより、イオン検出器50のイオン検出能力は常時高い。
時点t1〜t2がイオン導入期間である。イオン導入期間(t1〜t2)においては、捕捉電圧発生部21によりリング電極11に印加される捕捉電圧は0である。クーリングガス供給部19からイオントラップ10内にクーリングガスが供給される。なお、クーリングガスの供給の開始は、時点t2の0.1〜1ms前である。その後、制御部60によりレーザ光照射部31にレーザ駆動パルスが与えられる。レーザ駆動パルスに応答して、レーザ光照射部31が試料41に短時間レーザ光を照射する。それにより、試料41からイオンが生成される。MALDIイオン源では、マトリックスに由来する多数のイオンが生成される。生成されたイオンは、アパーチャ35を通過し、アインツェルレンズ34により形成される電場により収束されつつイオン導入口16を通してイオントラップ10内に導入される。
時点t2〜t3はイオン捕捉・クーリング期間(以下、クーリング期間と略記する。)である。クーリング期間(t2〜t3)は、例えば、数100msである。クーリング期間(t2〜t3)において、捕捉電圧発生部21は、所定の周波数を有する矩形波電圧を捕捉電圧としてリング電極11に印加する。それにより、イオンを振動させながらイオントラップ10内に捕捉する捕捉電場が形成される。捕捉電圧の印加開始時点t2は、例えば、レーザ光の照射の0.01ms後である。イオントラップ10内に導入されたイオンは比較的大きな運動エネルギーを有する。イオントラップ10内のイオンがクーリングガスと衝突することによりイオンの運動エネルギーが低減される。その結果、イオンはイオントラップ10内の捕捉領域18に捕捉されやすくなる。
しかしながら、低い質量電荷比(m/z)の範囲(例えばm/z=500以下)のイオンはイオントラップ10に捕捉されずにイオン排出口17から排出され、イオン検出器50に入射する。検出器電圧が第2の状態にある場合、イオン検出器50に入射したイオンはダイノード51に導かれ、電子が生成される。ダイノード51により生成された電子は二次電子増倍管52に入射し、二次電子増倍管52からの検出信号において低い質量電荷比(m/z)の範囲のイオンに対応するピークpeが現れる。低い質量電荷比(m/z)の範囲は、分析対象範囲外にある。なお、クーリングガスが排出されることによりイオントラップ10内の真空度が所定の値に回復する。期間T10は、クーリング期間(t2〜t3)において、分析対象範囲外の低い質量電荷比を有するイオンがイオントラップ10から排出される期間である。
時点t3〜t4は、イオン排出・質量分離期間である。イオン排出・質量分離期間(t3〜t4)においては、上記の矩形波電圧がリング電極11に印加された状態で、補助電圧発生部22により所定周波数の高周波信号がエンドキャップ電極12,13に印加される。それにより、特定の質量を有するイオンが共鳴励起(励振)される。共鳴励起されたイオンは、イオン排出口17から排出され、イオン検出器50により検出される。
制御部60は、捕捉電圧発生部21によりリング電極11に印加される捕捉電圧の周波数および補助電圧発生部22によりエンドキャップ電極12,13に印加される補助電圧の周波数を変化させる。それにより、イオン排出口17から排出されるイオンの質量電荷比が順次変化する。このようにして、イオンの質量分離が行われる。イオン排出・質量分離期間(t3〜t4)において、イオン検出器50からの検出信号には、分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンに対応するピークpkが現れる。
第1の比較例によれば、図5に示すように、クーリング期間(t2〜t3)の最初の期間T10においてイオントラップ10から排出される分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオン検出器50により検出される。期間T10においてイオントラップ10から排出される分析対象範囲外のイオンの数は、分析対象範囲内のイオンの数に比べて多い。そのため、分析対象範囲外のイオンによりイオン検出器50が劣化する。
一方、第1の動作例では、図6に示すように、動作開始時には、検出器電圧発生部53によりイオン検出器50に印加される検出器電圧は第1の状態である。それにより、動作開始時には、イオン検出器50はイオンをほとんど検出しない状態にある。すなわち、イオン検出器50のイオン検出能力は低い。
クーリング期間(t2〜t3)の最初の期間T10において、低い質量電荷比の範囲(例えばm/z=500以下)のイオンはイオントラップ10に捕捉されずにイオン排出口17から排出され、イオン検出器50に入射する。この場合、第1の動作例では、検出器電圧が第1の状態になっているので、イオン検出器50に入射するイオンのほとんどがダイノード51に導かれない。そのため、イオン検出器50はほとんどイオンを検出しない。期間T10の終了時点t10において検出器電圧が第2の状態になる。それにより、イオン検出器50は、イオンを検出可能となる。すなわち、イオン検出器50のイオン検出能力が上昇する。
イオン排出・質量分離期間(t3〜t4)では、分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンがイオン検出器50により検出される。イオン検出器50からの検出信号には、分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンに対応するピークpkが現れる。
本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1の第1の動作例によれば、クーリング期間(t2〜t3)の最初の期間T10において、イオントラップ10から排出される分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオン検出器50によりほとんど検出されない。そのため、分析対象範囲外のイオンによるイオン検出器50の劣化が抑制される。
(4)イオントラップ質量分析装置1の第2の動作例
次に、本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1の第2の動作例を第2の比較例と比較しながら説明する。図7は第2の比較例を示すタイミング図である。図8は本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1の第2の動作例を示すタイミング図である。
図7および図8には、捕捉電圧、クーリングガスの供給および未供給、レーザ駆動パルス、検出器電圧の状態、イオン検出器50に入射するイオン数、およびイオン検出器50からの検出信号に加えて、解離ガスの供給および未供給が示される。解離ガスの波形のハイレベルは解離ガスの供給を示し、ローレベルは解離ガスの未供給を示す。第2の動作例および第2の比較例は、MS/MS動作である。本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1の第2の動作例が第2の比較例と異なるのは、検出器電圧の変化である。
第2の動作例および第2の比較例におけるイオン導入期間(t11〜t12)および第1のクーリング期間(t12〜t13)の動作は、それぞれ第1の動作例および第1の比較例におけるイオン導入期間(t1〜t2)およびクーリング期間(t2〜t3)の動作と同様である。
まず、第2の比較例について説明する。図7に示すように、検出器電圧発生部53によりイオン検出器50に印加される検出器電圧は第2の状態である。すなわち、動作開始時にイオン検出器50がイオンを検出可能な状態となる。第2の比較例では、検出器電圧は、イオントラップ質量分析装置1の動作開始時(電源オン時)から動作終了時(電源オフ時)まで第2の状態にある。それにより、イオン検出器50のイオン検出能力は常時高い。
時点t13〜t14は、選別・解離期間である。選別・解離期間(t13〜t14)においては、捕捉電圧発生部21によりリング電極11に所定の電圧が印加される。それにより、特定の質量電荷比を有する目的イオン以外のイオンが共鳴励起される。共鳴励起されたイオンはイオントラップ10から排出され、イオン検出器50により検出される。これにより、イオントラップ10内には、目的イオンがプリカーサイオンとして選別されて捕捉される。時点t31で、解離ガス供給部20によりイオントラップ10内に解離ガスが供給される。イオントラップ10内のプリカーサイオンが解離ガスに衝突することにより複数のプロダクトイオンが生成する。選別・解離期間(t13〜t14)においては、プリカーサイオンの選別および解離に伴って発生するイオンがイオントラップ10から排出される。イオン検出器50からの検出信号には、イオントラップ10から排出されるイオンに対応するピークpcが現れる。
時点t14〜t15までの期間は第2のクーリング期間である。第2のクーリング期間(t14〜t15)において、捕捉電圧発生部21は、所定の周波数を有する矩形波電圧を捕捉電圧としてリング電極11に印加する。それにより、複数のプロダクトイオンがイオントラップ10内に捕捉される。また、クーリングガス供給部19からイオントラップ10内にクーリングガスが供給される。それにより、複数のプロダクトイオンのクーリングが行われる。
時点t15〜t16は、イオン排出・質量分離期間である。イオン排出・分離期間(t15〜t16)において、制御部60は、捕捉電圧発生部21によりリング電極11に印加される捕捉電圧の周波数および補助電圧発生部22によりエンドキャップ電極12,13に印加される高周波信号の周波数を変化させる。それにより、イオン排出口17から排出されるイオンの質量電荷比が順次変化する。このようにして、プロダクトイオンの質量分離が行われる。イオン排出・分離期間(t15〜t16)において、イオン検出器50からの検出信号には、分析対象範囲内の質量電荷比を有するプロダクトイオンに対応するピークpkが現れる。
一方、第2の動作例では、図8に示すように、動作開始時には、検出器電圧発生部53によりイオン検出器50に印加される検出器電圧は第1の状態である。すなわち、動作開始時には、イオン検出器50がイオンをほとんど検出しない状態である。この場合、イオン検出器50のイオン検出能力は低い。
第1のクーリング期間(t12〜t13)の最初の期間T10において、低い質量電荷比の範囲(例えばm/z=500以下)のイオンはイオントラップ10に捕捉されずにイオン排出口17から排出され、イオン検出器50に入射する。この場合、検出器電圧が第1の状態になっているので、イオン検出器50に入射するイオンのほとんどがダイノード51に導かれない。そのため、イオン検出器50はほとんどイオンを検出しない。また、第2の動作例では、選別・解離期間(t13〜t14)においても、イオン検出器50に印加される検出器電圧は第1の状態である。この場合、イオン検出器50のイオン検出能力は低い。そのため、イオン検出器50は、プリカーサイオンの選別および解離に伴って発生するイオンをほとんど検出しない。したがって、イオン検出器50からの検出信号には、プリカーサイオンの選別および解離に伴って発生するイオンに対応するピークは現れない。
第2の動作例では、第2のクーリング期間(t14〜t15)内の最初の時点t20において検出器電圧が第2の状態になる。それにより、イオン検出器50は、イオンを検出可能となる。すなわち、イオン検出器50のイオン検出能力が上昇する。
イオン排出・質量分離期間(t15〜t16)では、分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンがイオン検出器50により検出される。イオン検出器50からの検出信号には、分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンに対応するピークpkが現れる。
本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1の第2の動作例によれば、第2のクーリング期間(t12〜t13)の最初の期間T10において、イオントラップ10から排出される分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオン検出器50によりほとんど検出されない。そのため、分析対象範囲外のイオンによるイオン検出器50の劣化が抑制される。
また、選別・解離期間(13〜t14)において、選別および解離に伴って発生するイオンがイオン検出器50によりほとんど検出されない。そのため、分析対象範囲外のイオンによるイオン検出器50の劣化が抑制される。
(5)実施の形態の効果
本実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1によれば、分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオントラップ10から排出される期間において、イオン検出器50の検出器電圧が第1の状態となるので、イオン検出器50のイオン検出能力が低くなる。それにより、イオン検出器50により分析対象範囲外のイオンがほとんど検出されない。一方、イオントラップ10から分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンが排出される期間においては、イオン検出器50の検出器電圧が第2の状態となるので、イオン検出器50のイオン検出能力が高くなる。それにより、分析対象範囲内のイオンが確実に検出される。
第1の動作例では、クーリング期間(t2〜t3)において分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオントラップ10から排出される期間T10の終了後に検出器電圧が第2の状態に変化する。また、第2の動作例では、第2のクーリング期間(t14〜t15)において検出器電圧が第2の状態に変化する。したがって、分析対象範囲外のイオンの検出によるイオン検出器50の劣化が抑制される。その結果、イオン検出器50の寿命の向上が可能となる。
また、第2の動作例では、MS/MSにおいてプリカーサイオンの選別および解離に伴って発生するイオンがイオン検出器50により検出されることが防止される。したがって、イオン検出器50の寿命の向上が可能となる。
さらに、イオン検出器50の検出器電圧の第1の状態として図2の例が適用された場合には、図4の例が適用された場合に比べて、分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがより二次電子増倍管52に入射しにくい。それにより、イオン検出器50の劣化がさらに抑制される。
(6)他の実施の形態
上記実施の形態では、イオン源30がMALDIイオン源であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、イオン源30がエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を用いたイオン源であってもよく、大気圧化学イオン化法(APCI)を用いたイオン源であってもよい。
上記実施の形態に係るイオントラップ質量分析装置1はMALDI−DIT−MSであるが、本発明はこれに限定されない。本発明は、例えば、イオントラップ飛行時間(IT−TOF;Time of Flight)質量分析装置等の他のイオントラップ質量分析装置にも適用可能である。
上記実施の形態では、二次電子増倍管52を用いたイオン検出器50が用いられるが、本発明におけるイオン検出器はこれに限定されない。本発明におけるイオン検出器は、マルチチャンネルプレートを用いたイオン検出器等の他のイオン検出器であってもよい。
例えば、所定の動作電圧が印加されたときにイオンを検出可能となるイオン検出器が用いられる場合には、分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオントラップ10から排出される期間に動作電圧が印加されずに、分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンがイオントラップ10から排出される期間の終了後にイオン検出器50に動作電圧が印加されてもよい。この場合、イオン検出器50に動作電圧が印加されない状態(動作電圧が0である状態)が第1の状態に相当し、イオン検出器50に動作電圧が印加された状態が第2の状態に相当する。本例では、検出器電圧が第1の状態であるときには、イオン検出器50はイオンを検出せず、検出器電圧が第2の状態にあるときには、イオン検出器50はイオンを検出する。
上記実施の形態では、検出器電圧が予め設定された時点で第1の状態から第2の状態に切り替えられるが、試料41の種類、捕捉電圧または補助電圧等に応じて使用者が入力部80を用いて第1の状態から第2の状態への検出器電圧の切り替わり時点を変更可能であってもよい。
検出器電圧の第1の状態から第2の状態への切り替え時点は、上記実施の形態の第1または第2の動作例に限定されない。例えば、第2の動作例の第2の選別・解離期間(t13〜t14)においてプリカーサイオンの選別および解離に伴って発生するイオンがイオントラップ10から排出された後に検出器電圧が第1の状態から第2の状態に切り替えられてもよい。
また、試料41の種類、捕捉電圧または補助電圧等に応じて制御部60が第1の状態から第2の状態への検出器電圧の切り替わり時点を変更してもよい。
1…イオントラップ質量分析装置,10…イオントラップ,11…リング電極,12,13…エンドキャップ電極,14…入口側電場補正用電極,15…電極,16…イオン導入口,17…イオン排出口,18…捕捉領域,19…クーリングガス供給部,20…解離ガス供給部,21…捕捉電圧発生部,22…補助電圧発生部,30…イオン源,31…レーザ光照射部,32,33…反射鏡,34…アインツェルレンズ,35…アパーチャ,36…CCDカメラ,37…モニタ,40…サンプルプレート,41…試料,50…イオン検出器,50…イオン検出部,51…ダイノード,52…二次電子増倍管,53…検出器電圧発生部,54…ダイノード電圧発生部,55…増倍管電圧発生部,60…制御部,70…データ処理部,80…入力部

Claims (7)

  1. 試料中の成分のイオンを生成するイオン源と、
    前記イオン源により生成されたイオンを捕捉するイオントラップと、
    前記イオントラップから排出されるイオンを検出するイオン検出器と、
    前記イオン検出器に電圧を印加する電圧印加制御部とを備え、
    前記電圧印加制御部は、前記イオン源によるイオンの生成開始後に前記イオントラップから分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンが排出される期間における前記イオン検出器のイオン検出能力が前記イオントラップから分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンが排出される期間における前記イオン検出器のイオン検出能力に比べて低くなるように、前記イオン検出器に印加される電圧を変化させる、イオントラップ質量分析装置。
  2. 前記イオン源によるイオンの生成開始後の第1のクーリング期間において前記イオントラップ内のイオンのクーリングを行うクーリング部をさらに備え、
    前記電圧印加制御部は、前記第1のクーリング期間内でかつ前記分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンが前記イオントラップから排出される期間後に前記イオン検出器のイオン検出能力が上昇するように、前記イオン検出器に印加される電圧を変化させる、請求項1記載のイオントラップ質量分析装置。
  3. 前記第1のクーリング期間後の解離期間において前記イオントラップ内に捕捉されたプリカーサイオンを解離させるイオン解離部をさらに備え、
    前記クーリング部は、前記解離期間後の第2のクーリング期間において前記イオントラップ内のイオンのクーリングを行い、
    前記電圧印加制御部は、前記分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンが前記イオントラップから排出される期間後でかつ前記第2のクーリング期間の終了までにおいて、前記イオン検出器のイオン検出能力が上昇するように、前記イオン検出器に印加される電圧を変化させる、請求項1記載のイオントラップ質量分析装置。
  4. 前記電圧印加制御部は、前記解離期間においてプリカーサイオンの選別および解離に伴って発生するイオンが前記イオントラップから排出される期間後または前記第2のクーリング期間において、前記イオン検出器のイオン検出能力が上昇するように、前記イオン検出器に印加される電圧を変化させる、請求項3記載のイオントラップ質量分析装置。
  5. 前記イオン検出器は、
    イオンを電荷に変換するダイノードと、
    前記ダイノードにより変換された電荷の量を検出する二次電子増倍管とを含み、
    前記電圧印加制御部は、前記分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンが前記イオントラップから排出される期間において前記ダイノードおよび前記二次電子増倍管に等しい電圧を印加し、前記イオントラップから分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンが排出される期間において前記ダイノードから前記二次電子増倍管に電子が移動するように前記ダイノードおよび前記二次電子増倍管に異なる電圧を印加する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイオントラップ質量分析装置。
  6. 前記電圧印加制御部は、前記二次電子増倍管に一定の電圧を印加し、前記イオン検出器のイオン検出能力を上昇させるためにダイノードに印加させる電圧を変化させる、請求項5記載のイオントラップ質量分析装置。
  7. 試料中の成分のイオンを生成するステップと、
    前記生成されたイオンをイオントラップにより捕捉するステップと、
    前記イオントラップから排出されるイオンをイオン検出器により検出するステップと、
    前記イオン源によるイオンの生成開始後に前記イオントラップから分析対象範囲外の質量電荷比を有するイオンが排出される期間における前記イオン検出器のイオン検出能力が前記イオントラップから分析対象範囲内の質量電荷比を有するイオンが排出される期間における前記イオン検出器のイオン検出能力に比べて低くなるように、前記イオン検出器に印加される電圧を変化させるステップとを含む、イオントラップ質量分析方法。
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