JP2020090441A - 安定剤化合物、液晶組成物および表示素子 - Google Patents

安定剤化合物、液晶組成物および表示素子 Download PDF

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清香 野瀬
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Abstract

【課題】液晶組成物の劣化を防止し、液晶組成物との相溶性が高く、液晶組成物の保存安定性を損なうことなく、かつ簡便に製造可能な安定剤化合物の提供。【解決手段】一般式(i)で表される化合物、該化合物を含有する液晶組成物及び表示素子。(式中、Zi1はで表される基を表し、Yi1はシクロヘキサン、ベンゼン、ビフェニル又はナフタレンから誘導される多価基を表し、ti1は1、2、3又は4を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は安定剤化合物に関する。
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ、時計、広告表示板等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(ツイステッド・ネマチック)型、STN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型、TFT(薄膜トランジスタ)を用いたVA(垂直配向)型やIPS(イン・プレーン・スイッチング)型またはFFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)型等がある。液晶組成物に求められる主な特性としては、(1)水分、空気、熱、光などの外的刺激に対して安定であること、(2)室温を中心としてできるだけ広い温度範囲で液晶相を示していること、(3)低粘性であること、および(4)駆動電圧が低いことの4つが挙げられ、個々の表示素子にとって誘電率異方性(Δε)や屈折率異方性(Δn)等を最適な値とするために、液晶組成物は数種類から数十種類の化合物から構成されていることが一般的である。
上記の液晶組成物の特性のうち、Δεについては、正の値である組成物と負の値である組成物が各々使い分けられている。これらのうち、Δεが正の値を示す液晶材料を用いる表示方式としては、TN型、STN型、IPS型、更にFFS型などが挙げられる。Δεが負の値を示す液晶材料を用いる表示方式としては、ECB型、VA型、更にFFS型などが挙げられる。一方、全ての駆動方式において低電圧駆動、高速応答、広い動作温度範囲が求められている。すなわち、Δεの絶対値が大きく、粘度(η)が小さく、高いネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)が要求されている。また、Δnとセルギャップ(d)との積であるΔn×dの設定から、液晶組成物のΔnをセルギャップに合わせて適当な範囲に調節する必要がある。加えて液晶表示素子をテレビ等へ応用する場合においては高速応答性が重視されるため、γの小さい液晶組成物が要求される。
これら液晶組成物の物性における要求に加え、(1)の外的刺激に対する安定性についても更なる改善が求められている(特許文献1及び2参照)。そこで、外的刺激に対する安定性を改善するために、液晶組成物に安定剤化合物を用いることが知られている(特許文献3参照)。液晶組成物に用いられる安定剤化合物は、安定性を改善する特性に加えて、液晶材料との相溶性に優れ、保存安定性が高い特性が求められることから、これらの特性を両立する安定剤化合物の開発が求められている。
特開2006−37054号 特開2008−144135号 国際公開第2017/018153号
本願発明が解決しようとする課題は、液晶組成物に添加することにより液晶組成物の劣化を防止し、液晶組成物との相溶性が高く、液晶組成物の保存安定性を損なうことなく、かつ簡便に製造可能な安定剤化合物を提供することである。
本願発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本願発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、一般式(i)
Figure 2020090441
(式中、Zi1
Figure 2020090441
(式中、Ri1は水素原子、水酸基、炭素原子数1〜6のアルキル基、又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基を表し、
i2は水素原子、又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、mi1は0又は1を表し、
Spi1及びSpi2はそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1から12のアルキレン基を表し、アルキレン基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−又は−C≡C−により置き換えられても良く、
i1は、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立して置換基を有してもよく、
i1は0、1、2、3又は4を表す。)
で表される基を表し、
i1は式(Y−1)〜(Y−4)
Figure 2020090441
(式中、Wi1〜Wi4はZi1で表される基、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素原子数1から12のアルキル基を表し、アルキル基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−OCF−、−CFO−、又は−C≡C−により置き換えられても良く、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子により置き換えられても良いが、ただし、Wi1〜Wi4中の1つ以上はZi1を表す。)
から選択される基を表し、
i1は1、2、3又は4を表すが、
i1、Ri1、Ri2、Spi1、Spi2、mi1又はqi1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物を提供し、併せて当該化合物を含有する液晶組成物及び表示素子を提供する。
本発明に係る安定剤化合物は、液晶組成物の光による劣化を防止し、液晶組成物との相溶性が高く、液晶組成物の保存安定性を損なうことなく、かつ簡便に製造可能である。本発明に係る安定剤化合物を用いた液晶組成物を用いると高速応答液晶表示素子の提供が可能となる。
一般式(i)において、Zi1
Figure 2020090441
を表す。
i1は光劣化防止能を高めるには水素原子又は水酸基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。また、液晶組成物との相溶性を高めるためには炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数3〜12のアルケニル基であることが好ましい。
i2は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表すことが好ましく、水素原子、炭素原子数1又は2のアルキル基を表すことがより好ましい。
Spi1は1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が−O−、−COO−、−OCO−により置き換えられた炭素原子数1から12のアルキレン基又は単結合を表すことが好ましく、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が−O−、−COO−、−OCO−により置き換えられた炭素原子数1から6のアルキレン基又は単結合を表すことが好ましく、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が−O−、−COO−、−OCO−により置き換えられた炭素原子数1から3のアルキレン基又は単結合を表すことがより好ましい。
Spi2は1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が−O−、−COO−、−OCO−により置き換えられた炭素原子数1から12のアルキレン基又は単結合を表すことが好ましく、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が−O−、−COO−、−OCO−により置き換えられた炭素原子数1から6のアルキレン基又は単結合を表すことが好ましく、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が−O−、−COO−、−OCO−により置き換えられた炭素原子数1から3のアルキレン基又は単結合を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
i1
Figure 2020090441
から選ばれる基を表すことが好ましく、1,4−フェニレン基又はナフタレン−2,6−ジイル基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
i1は1であることが好ましい。
i1は液晶組成物の保存安定性を高めるためには0または1であることが好ましく、0であることが特に好ましい。
i1は以下の式(Z−a1)〜(Z−a8)、(Z−b1)〜(Z−b8)の構造が好ましい。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(式中、Ri1、Ri2、Ai1、Spi2及びRi1及びRi4、は前記一般式(i)中のZi1におけるRi1、Ri2、Ai1、Spi2及びRi1及びRi4とそれぞれ同じ意味を表し、式中の黒点はYi1への結合手を表す。)
i1は2、3又は4であることが好ましい。また、光劣化防止能を高めるためには、単位重量あたりのヒンダードアミン構造の数が多くなることから3または4であることが好ましい。
i1は式(Y−1)〜(Y−4)から選ばれる基を表す。式(Y−1)〜(Y−4)中のWi1〜Wi4は、少なくとも1つ以上はZi1を表す。Yi1が式(Y−1)又は式(Y−2)を表す場合、液晶組成物の保存安定性を高めるためには、Wi1〜Wi3のうち1つ又は2つがZi1を表すことが好ましい。Wi1〜Wi4がZi1以外の基を表す場合、Wi1〜Wi4はフッ素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表すことが好ましく、該アルキル基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−により置き換えられていてもよく、フッ素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基を表すことが好ましく、該アルキル基又はアルコキシ基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、フッ素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又はアルコキシ基を表すことがより好ましく、該アルキル基又はアルコキシ基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。また、光劣化防止能を高めるためには、Wi1〜Wi4の全てがZi1を表すことが好ましい。
(液晶組成物)
一般式(i)で表される化合物を1種又は2種以上含有する組成物は、室温において液晶相を有することが好ましい。一般式(i)で表される化合物は、組成物中に下限値として、0.01%以上含有することが好ましく、0.02%以上含有することが好ましく、0.03%以上含有することが好ましく、0.05%以上含有することが好ましく、0.07%以上含有することが好ましく、0.1%以上含有することが好ましく、0.15%以上含有することが好ましく、0.2%以上含有することが好ましく、0.25%以上含有することが好ましく、0.3%以上含有することが好ましく、0.5%以上含有することが好ましく、1%以上含有することが好ましい。また、上限値として5%以下含有することが好ましく、3%以下含有することが好ましく、1%以下含有することが好ましく、0.5%以下含有することが好ましく、0.45%以下含有することが好ましく、0.4%以下含有することが好ましく、0.35%以下含有することが好ましく、0.3%以下含有することが好ましく、0.25%以下含有することが好ましく、0.2%以下含有することが好ましく、0.15%以下含有することが好ましく、0.1%以下含有することが好ましく、0.07%以下含有することが好ましく、0.05%以下含有することが好ましく、0.03%以下含有することが好ましい。
より具体的には、0.01から5質量%含有することが好ましく、0.01から0.3質量%であることが好ましく、0.02から0.3質量%であることが更に好ましく、0.05から0.25質量%であることが特に好ましい。更に詳述すると、低温における析出の抑制を重視する場合にはその含有量は0.01から0.1質量%が好ましい。
一般式(i)で表される化合物を含有する組成物は、一般式(i)で表される化合物以外に、液晶相を有する化合物を含有してもよいし、液晶相を有さない化合物を含有してもよい。また、一般式(i)で表される化合物を含有する組成物は、液晶組成物に用いられる公知の重合性化合物、酸化防止剤等を更に含有していてもよい。
本願発明の液晶組成物として使用する液晶分子は、単独で液晶相を示す化合物であっても、2種以上を勘合した際に液晶相を示す化合物であっても良い。2種以上の液晶分子を混合して使用する場合には、種々の組み合わせが可能であるが、少なくとも1種類は以下の一般式(II)を含み、液晶組成物の誘電率異方性が正の場合は、更に以下の一般式(IIIa)、(IIIb)又は(IIIc)を含み、液晶組成物の誘電率異方性が負の場合は、以下の一般式(IVa)、(IVb)又は(IVc)で表される化合物を含有しても良い。
一般式(II)で表される化合物を以下に示す。
Figure 2020090441
(式中、R21及びR22はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
21、M22及びM23はお互い独立して
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基及び
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、
oは0、1又は2を表し、
21及びL22はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=N−N=CH−又は−C≡C−を表し、L22が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、M23が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良い。)
一般式(II)で表される化合物において、R21及びR22はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されたもの、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されたものも含む。)が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシ基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数3から6のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から5のアルコキシ基が特に好ましい。
21、M22及びM23はお互い独立してトランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個のCH基が酸素原子に置換されているものを含む)、1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されているものを含む)、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又は1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基が特に好ましい。oは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましい。L21及びL22はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=N−N=CH−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−又は−CHO−がより好ましく、単結合又は−CHCH−が更に好ましい。
上記の選択肢の組み合わせにより形成される構造のうち、−CH=CH−CH=CH−、−C≡C−C≡C−及び−CH=CH−C≡C−は化学的な安定性から好ましくない。またこれら構造中の水素原子がフッ素原子に置き換わったものも同様に好ましくない。また酸素同士が結合する構造、硫黄原子同士が結合する構造及び硫黄原子と酸素原子が結合する構造となることも同様に好ましくない。また窒素原子同士が結合する構造、窒素原子と酸素原子が結合する構造及び窒素原子と硫黄原子が結合する構造も同様に好ましくない。
更に詳述すると、一般式(II)は具体的な構造として以下の一般式(II−A)から一般式(II−P)からなる群で表される化合物が好ましい。
Figure 2020090441
(式中、R23及びR24はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数2から10のアルケニル基又は炭素数3から10のアルケニルオキシ基を表す。)
23及びR24はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシ基又は炭素数2から10のアルケニル基がより好ましく、炭素数1から5のアルキル基又は炭素数1から10のアルコキシ基が更に好ましい。
一般式(II−A)から一般式(II−P)で表される化合物中、一般式(II−A)、一般式(II−B)、一般式(II−C)、一般式(II−E)、一般式(II−H)、 一般式(II−I)、一般式(II−I)又は一般式(II−K)で表される化合物が好ましく、一般式(II−A)、一般式(II−C)、一般式(II−E)、一般式(II−H)又は一般式(II−I)で表される化合物が更に好ましい。
本願発明では一般式(II)で表される化合物を少なくとも1種を含有するが、1種〜10種含有することが好ましく、2種〜8種含有することが特に好ましく、一般式(II)で表される化合物の含有率の下限値は5質量%であることが好ましく、10質量%であることがより好ましく、20質量%であることが更に好ましく、30質量%であることが特に好ましく、上限値としては80質量%が好ましく、70質量%が更に好ましく、60質量%が更に好ましい。
液晶組成物の誘電率異方性が正の場合は、更に一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)
Figure 2020090441
(式中R31、R32及びR33はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
31、M32、M33、M34、M35、M36、M37及びM38はお互い独立して、
(d) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(e) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい)、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基及び、
(f) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(d)、基(e)又は基(f)に含まれる水素原子はそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されていても良く、
31、L32、L33、L34、L35、L36、L37及びL38はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M32、M34、M35、M37、M38、L31、L33、L35、L36及び/又はL38が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
31、X32、X33、X34、X35、X36及びX37はお互い独立して水素原子又はフッ素原子を表し、
31、Y32及びY33はお互い独立してフッ素原子、塩素原子、シアノ基、チオシアナト基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基又はジフルオロメトキシ基を表し、
p、q、r、s及びtはお互い独立して、0、1又は2を表すが、q+r及びs+tは2以下である。)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を含有することが好ましい。
一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)で表される化合物において、R31、R32及びR33はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基、炭素数1〜15の直鎖状アルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されているもの、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されているものも含む。)が好ましく、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状アルコキシ基又は炭素数2〜10アルケニル基がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基が特に好ましい。
31、M32、M33、M34、M35、M36、M37及びM38はお互い独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられているものも含む。)、1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられているものも含む)、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基で表す基(各々の基はそれぞれ水素原子がシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されているものも含む。)が好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が更に好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基が特に好ましい。
31、L32、L33、L34、L35、L36、L37及びL38はお互い独立して単結合、−OCO−、−COO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CHCH−、−(CH−又は−C≡C−がより好ましく、単結合又は−CHCH−が特に好ましい。X31、X32、X33、X34、X35、X36及びX37はお互い独立して水素原子又はフッ素原子をし、Y31、Y32及びY33はお互い独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、チオシアナト基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ジフルオロメトキシ基又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表すことが好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表すことが好ましく、フッ素原子を表すことが特に好ましい。p、q、r、s及びtはお互い独立して、0、1又は2を表すが、q+r及びs+tは2以下を表す。
上記の選択肢の組み合わせにより形成される構造のうち、−CH=CH−CH=CH−、−C≡C−C≡C−及び−CH=CH−C≡C−は化学的な安定性から好ましくない。またこれら構造中の水素原子がフッ素原子に置き換わったものも同様に好ましくない。また酸素同士が結合する構造、硫黄原子同士が結合する構造及び硫黄原子と酸素原子が結合する構造となることも同様に好ましくない。また窒素原子同士が結合する構造、窒素原子と酸素原子が結合する構造及び窒素原子と硫黄原子が結合する構造も同様に好ましくない。
具体的には以下の一般式(IIIa−1)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2020090441
(式中、R34は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L39及びL40はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M38は1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、X32は水素原子又はフッ素原子を表し、pは0又は1を表し、Y34はシアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)
更に具体的には以下の一般式(IIIa−2a)〜一般式(IIIa−4d)
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(式中、R34は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、X31及びX32はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y31はシアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)で表される構造が好ましく、
Figure 2020090441
(式中、R34は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、Y31はシアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)で表される構造も好ましい。
一般式(IIIb)は具体的な構造として以下の一般式
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(式中、R35は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、Y35はシアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)で表される構造が好ましく、
一般式(IIIc)は具体的な構造として以下の一般式
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(式中、R36は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、Y36はシアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)で表される構造が好ましい。
一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を少なくとも1種を含有するが、1種〜10種含有することが好ましく、2種〜8種含有することが特に好ましく、一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)で表される化合物からなる群の含有率の下限値は5質量%であることが好ましく、10質量%であることがより好ましく、20質量%であることが好ましく、上限値は80質量%が好ましく、70質量%が好ましく、60質量%が好ましく、50質量%が更に好ましい。
液晶組成物の誘電率異方性が負の場合は、更に一般式(IVa)、一般式(IVb)及び一般式(IVc)
Figure 2020090441
(式中R41、R42、R43、R44、R45及び、R46はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
41、M42、M43、M44、M45、M46、M47、M48及びM49はお互い独立して、
(g) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(h) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)及び、
(i) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(g)、基(h)又は基(i)に含まれる水素原子はそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されていても良く、
41、L42、L43、L44、L45、L46、L47、L48及びL49はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M42、M43、M45、M46、M48、M49、L41、L43、L44、L46、L47及び/又はL49が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
41、X42、X43、X44、X45、X46、X47及びX48はお互い独立して水素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表すが、X41及びX42の何れか一つはフッ素原子を表し、X43、X44及びX45の何れか一つはフッ素原子を表し、X46、X47及びX48の何れか一つはフッ素原子を表すが、X46及びX47は同時にフッ素原子を表すことはなく、X46及びX48は同時にフッ素原子を表すことはなく、Gはメチレン基又は−O−を表し、
u、v、w、x、y及びzはお互い独立して、0、1又は2を表すが、u+v、w+x及びy+zは2以下である。)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を含有することが好ましい。
また、一般式(IVa)、一般式(IVb)及び一般式(IVc)で表される化合物において、R41、R42、R43、R44、R45及びR46はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基、炭素数1〜15の直鎖状アルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されているもの、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されているものも含む。)が好ましく、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状アルコキシ基又は炭素数2〜10アルケニル基がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基が特に好ましい。M41、M42、M43、M44、M45、M46、M47、M48及びM49はお互い独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられているものも含む。)、1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられているものも含む)、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基で表す基(各々の基に含まれる水素原子がそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されているものも含む。)が好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が更に好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基が特に好ましい。L41、L42、L43、L44、L45、L46、L47、L48及びL49はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCO−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CHCH−、−OCH−又は−CHO−がより好ましい。X41、X42、X43、X44、X45、X46及びX47はお互い独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Gはメチレン基又は−O−を表し、u、v、w、x、y及びzはお互い独立して、0、1又は2を表すが、u+v、w+x及びy+zは2以下で表す。
上記の選択肢の組み合わせにより形成される構造のうち、−CH=CH−CH=CH−、−C≡C−C≡C−及び−CH=CH−C≡C−は化学的な安定性から好ましくない。またこれら構造中の水素原子がフッ素原子に置き換わったものも同様に好ましくない。また酸素同士が結合する構造、硫黄原子同士が結合する構造及び硫黄原子と酸素原子が結合する構造となることも同様に好ましくない。また窒素原子同士が結合する構造、窒素原子と酸素原子が結合する構造及び窒素原子と硫黄原子が結合する構造も同様に好ましくない。
一般式(IVa)で表される化合物において、具体的には以下の一般式(IVa−1)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2020090441
(式中、R47及びR48はお互い独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L50、L51及びL52はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M50は1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、u及びvはそれぞれ独立して0又は1を表す。)
更に具体的には以下の一般式(IVa−2a)〜一般式(IVa−3i)
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(式中、R47及びR48はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)で表される構造が好ましく、R47及びR48がそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシル基が更に好ましい。
一般式(IVb)で表される化合物において、具体的には以下の一般式(IVb−1)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2020090441
(式中、R49及びR50はお互い独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L52、L53及びL54はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M51、M52及びM53は1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、w1及びx1は独立して0、1又は2を表すが、w1+x1は2以下を表す。)
更に具体的には以下の一般式(IVb−2a)〜(IVb−3l)
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(式中、R49及びR50はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)で表される構造が好ましい。
一般式(IVc)で表される化合物において、具体的には以下の一般式(IVc−1a)及び一般式(IVc−1b)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2020090441
(式中、R51及びR52はお互い独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L56、L57及びL58はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M54、M55及びM56は1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、y1及びz1は独立して0、1又は2を表すが、y1+z1は2以下を表す。)
更に具体的には以下の一般式(IVc−2a)〜(IVc−2g)
Figure 2020090441
(式中、R51及びR52はお互い独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)
第三成分として使用する一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物又は一般式(IVa)、一般式(IVb)及び一般式(IVc)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を少なくとも1種を含有するが、2種〜10種含有することが好ましく、2種〜8種含有することが特に好ましく、含有率の下限値が5質量%であることが好ましく、10質量%であることがより好ましく、20質量%であることがより好ましく、上限値が80質量%であることが好ましく、70質量%であることが好ましく、60質量%であることが好ましく、50質量%であることが好ましい。
本願発明の液晶組成物において、Δnは0.08〜0.25の範囲であることが好ましい。
本願発明の液晶組成物において、Δεは液晶表示素子の表示モードによって、正又は負のΔεを有するものを用いることができる。VAモードの液晶表示素子においては、負のΔεを有する液晶組成物を使用する。その場合のΔεは、−1以下が好ましく、−2以下がより好ましい。
本願発明の液晶組成物は、広い液晶相温度範囲(液晶相下限温度と液晶相上限温度の差の絶対値)を有するが、液晶相温度範囲が100℃以上であることが好ましく、120℃以上がより好ましい。また、液晶相上限温度は70℃以上であることが好ましく、80℃以上がより好ましい。更に、液晶相下限温度は−20℃以下であることが好ましく、−30℃以下がより好ましい。本願発明の液晶組成物は、上記の化合物以外に、STN液晶用のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶などを含有していてもよい。
本発明の液晶組成物は、メソゲン構造を有する重合性液晶化合物を含有してもよい。重合性化合物は、液晶組成物に用いられる公知の重合性化合物であってよい。重合性化合物の例としては、一般式(P)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
Figure 2020090441
(式中、
p1は、フッ素原子、シアノ基、水素原子、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルコキシ基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニルオキシ基又は−Spp2−Rp2を表し、
p1及びRp2は、以下の式(R−I)〜式(R−VIII):
Figure 2020090441
(式中、
*でSpp1と結合し、
〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5個のアルキル基又は炭素原子数1〜5個のハロゲン化アルキル基を表し、
Wは、単結合、−O−又はメチレン基を表し、
Tは、単結合又は−COO−を表し、
p、t及びqは、それぞれ独立して、0、1又は2を表す。)
のいずれかを表し、
Spp1及びSpp2はスペーサー基を表し、
p1及びLp2は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−C−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−OCHCHO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CR−COO−、−CH=CR−OCO−、−COO−CR=CH−、−OCO−CR=CH−、−COO−CR=CH−COO−、−COO−CR=CH−OCO−、−OCO−CR=CH−COO−、−OCO−CR=CH−OCO−、−(CH−C(=O)−O−、−(CH−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH−、−(C=O)−O−(CH−、−CH(CH3)C−C(=O)−O−、−CH(CH3)C−O−(C=O)−、−O−(C=O)−C(CH3)CH、−(C=O)−O−C(CH3)−CH、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−又は−C≡C−(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、zは1〜4の整数を表す。)を表し
p2は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基又は単結合を表すが、Mp2は無置換であるか又は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基若しくは−Rp1で置換されていてもよく、
p1は、以下の式(i−11)〜(ix−11):
Figure 2020090441
(式中、*でSpp1と結合し、**でLp1、Lp2又はZp1と結合する。)
のいずれかを表し、Mp1上の任意の水素原子は、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は−Rp1で置換されていてもよく、
p3は、以下の式(i−13)〜(ix−13):
Figure 2020090441
(式中、*でZp1と結合し、**でLp2と結合する。)
のいずれかを表し、Mp3上の任意の水素原子は、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は−Rp1で置換されていてもよく、
p2〜mp4は、それぞれ独立して0、1、2又は3を表し、
p1及びmp5は、それぞれ独立して1、2又は3を表し、
p1が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、Rp1が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、Rp2が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、Spp1が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、Spp2が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、Lp1が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよく、Mp2が複数存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(P)で表される重合性液晶化合物の具体的な例として(P−2−1)〜(P−2−25)に表す。ここでa、bは、2〜10の整数を表す。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
本願発明の液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、一般式(i)とは異なる他の安定剤を添加することもできる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン類、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等や下記(AD−1)〜(AD−11)等のヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類が挙げられる。安定剤の具体的構造を下記の(AD−1)〜(AD−11)に示す。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(液晶表示素子)
本実施形態の液晶組成物は、液晶表示素子に適用される。液晶表示素子は特に限定されないが、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子であってよい。液晶表示素子は、PSA型、PSVA型、VA型、IPS型、FFS型又はECB型の液晶表示素子であってよく、好ましくはIPS(FFS)型の液晶表示素子である。
本発明において、一般式(i)で表される化合物は、以下のようにして製造することができる。勿論本発明の趣旨及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。
(製法1)Zi1が式(Z−a1)又は式(Z−b1)を表す化合物の製造方法
Figure 2020090441
(式中、Ri1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1は前記一般式(i)におけるRi1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1とそれぞれ同じ意味を表す。)
一般式(S−1)で表される化合物を一般式(S−2)で表される化合物と反応させることにより、一般式(i)においてZi1が式(Z−a1)又は式(Z−b1)を表す化合物を得ることができる。反応例として例えば、一般式(S−1)で表される化合物及び一般式(S−2)で表される化合物を酸触媒の存在下加熱し脱水反応させる方法が挙げられる。酸触媒としては例えば塩酸、硫酸、重硫酸カリウムなどの無機酸や、三フッ化ホウ素などのルイス酸、フマル酸、フタル酸、オギザリル酸、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、アンバーリスト−15などの固体酸等が挙げられる。この際、一般式(S−1)で表される化合物が塩基性化合物である場合、必要に応じて酸触媒は1当量を超える量を加えることができる。
(製法2)Zi1が式(Z−a2)又は式(Z−b2)を表す化合物の製造方法
Figure 2020090441
(式中、Ri1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1は前記一般式(i)におけるRi1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1とそれぞれ同じ意味を表す。)
一般式(S−1)で表される化合物を一般式(S−3)で表される化合物と反応させることにより一般式(S−4)で表される化合物を得ることができる。反応例として例えば、製法1と同様にして、一般式(S−1)で表される化合物及び一般式(S−3)で表される化合物を酸触媒の存在下加熱し脱水反応させる方法が挙げられる。
一般式(S−4)で表される化合物を一般式(S−5)で表される化合物と反応させることにより、一般式(i)においてZi1が式(Z−a2)又は式(Z−b2)を表す化合物を得ることができる。反応例として例えば、一般式(S−4)の水酸基に対して塩化p−トルエンスルホニル、塩化メチルスルホニルなどを反応させて脱離基とした後、塩基の存在下で(S−5)と反応させるウィリアムソン反応が挙げられる。塩基としては例えば炭酸カリウム、炭酸セシウムなどが挙げられる。また、水酸基をアゾカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンで活性化し、アルコールと反応させる光延反応が挙げられる。アゾカルボン酸エステルとしては例えばアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルなどが挙げられる。
(製法3)Zi1が式(Z−a3)又は式(Z−b3)を表す化合物の製造方法
Figure 2020090441
(式中、Ri1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1は前記一般式(i)におけるRi1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1とそれぞれ同じ意味を表す。)
一般式(S−1)で表される化合物を一般式(S−6)で表される化合物と反応させることにより一般式(S−7)で表される化合物を得ることができる。反応例として例えば、製法1と同様にして、一般式(S−1)で表される化合物及び一般式(S−6)で表される化合物を酸触媒の存在下加熱し脱水反応させる方法が挙げられる。
一般式(S−5)で表される化合物を一般式(S−7)で表される化合物と反応させることにより、一般式(i)においてZi1が式(Z−a3)又は式(Z−b3)化合物を得ることができる。反応例として例えば、一般式(S−7)のカルボキシル基に対してハロゲン化剤を作用させて酸ハロゲン化物とした後、一般式(S−5)で表される化合物と反応させる方法が挙げられる。ハロゲン化剤としては例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化ホスホリル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、三臭化リンなどが挙げられる。また、一般式(S−7)の水酸基をアゾカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンで活性化し、一般式(S−7)のカルボキシル基と反応させる光延反応が挙げられる。アゾカルボン酸エステルとしては例えばアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルなどが挙げられる。
(製法4)Zi1が式(Z−a4)又は式(Z−b4)を表す化合物の製造方法
Figure 2020090441
(式中、Ri1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1は前記一般式(i)におけるRi1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1とそれぞれ同じ意味を表す。)
一般式(S−1)で表される化合物を一般式(S−8)で表される化合物と反応させることにより一般式(S−9)で表される化合物を得ることができる。反応例として例えば、製法1と同様にして、一般式(S−1)で表される化合物及び一般式(S−8)で表される化合物を酸触媒の存在下加熱し脱水反応させる方法が挙げられる。
一般式(S−9)で表される化合物を一般式(S−10)で表される化合物と反応させることにより、一般式(i)においてZi1が式(Z−a4)又は式(Z−b4)を表す化合物を得ることができる。反応例として例えば、一般式(S−10)の水酸基に対して塩化p−トルエンスルホニル、塩化メチルスルホニルなどを反応させて脱離基とした後、塩基の存在下で(S−9)と反応させるウィリアムソン反応が挙げられる。塩基としては例えば水素化ナトリウムなどが挙げられる。また、水酸基をアゾカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンで活性化し、アルコールと反応させる光延反応が挙げられる。アゾカルボン酸エステルとしては例えばアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルなどが挙げられる。
(製法5)Zi1が式(Z−a5)又は式(Z−b5)を表す化合物の製造方法
Figure 2020090441
(式中、Ri1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1は前記一般式(i)におけるRi1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1とそれぞれ同じ意味を表す。)
一般式(S−9)で表される化合物を一般式(S−11)で表される化合物と反応させることにより、一般式(i)においてZi1が式(Z−a5)又は式(Z−b5)を表す化合物を得ることができる。反応例として例えば、一般式(S−11)のカルボキシル基に対してハロゲン化剤を作用させて酸ハロゲン化物とした後、一般式(S−9)で表される化合物と反応させる方法が挙げられる。ハロゲン化剤としては例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化ホスホリル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、三臭化リンなどが挙げられる。また、一般式(S−9)の水酸基をアゾカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンで活性化し、一般式(S−11)のカルボキシル基と反応させる光延反応が挙げられる。アゾカルボン酸エステルとしては例えばアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルなどが挙げられる。
(製法6)Zi1が式(Z−a7)又は式(Z−b7)を表す化合物、及びそれらを還元して得られる式(Z−a8)又は式(Z−b8)を表す化合物の製造方法
Figure 2020090441
(式中、Ri1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1は前記一般式(i)におけるRi1、Ri2、Ai1、Yi1、Spi2、mi1、qi1及びti1とそれぞれ同じ意味を表し、Rs3は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
一般式(S−1)で表される化合物を一般式(S−15)で表される化合物と反応させることにより一般式(S−12)で表される化合物を得ることができる。反応例として例えば、製法1と同様にして、一般式(S−1)で表される化合物及び一般式(S−15)で表される化合物を酸触媒の存在下加熱し脱水反応させる方法が挙げられる。
一般式(S−12)で表される化合物を還元することにより、一般式(S−13)で表される化合物を得ることができる。還元剤としては、例えば水素化ジイソブチルアルミニウムなどが挙げられる。あるいは、一般式(S−12)で表される化合物を還元してアルコールとし、続いて酸化してアルデヒドとすることにより、一般式(S−13)で表される化合物を得ることも出来る。この場合、還元剤としては、例えば水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。また、酸化剤としてはクロロクロム酸ピリジニウム、塩化オキサリルなどが挙げられる。
一般式(S−13)で表される化合物を一般式(S−14)で表される化合物と反応させることにより、一般式(i)においてZi1が式(Z−a7)又は式(Z−b7)を表す化合物を得ることができる。反応例として例えば、一般式(S−14)で表される化合物に対して塩基を反応させてリンイリドとした後、一般式(S−13)で表される化合物と反応させるヴィティヒ反応が挙げられる。この際、塩基としては、例えばt−ブトキシカリウムなどが挙げられる。
一般式(i)においてZi1が式(Z−a7)又は式(Z−b7)を表す化合物を還元することにより、一般式(i)においてZi1が式(Z−a8)又は式(Z−b8)を表す化合物を得ることができる。反応例として例えば、一般式(I−1g)、(I−1o)、(I−1za)、(I−1zk)、(I−1zu)又は(I−1zze)で表される化合物と触媒を水素雰囲気下で共存させる方法が挙げられる。この際、触媒としては例えばパラジウム炭素などが挙げられる。
前記各工程において記載した以外の反応条件として、例えば実験化学講座(日本化学会編、丸善株式会社発行)、Organic Syntheses(A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)、Beilstein Handbook of Organic Chemistry(Beilstein−Institut fuer Literatur der Organischen Chemie、Springer−Verlag Berlin and Heidelberg GmbH & Co.K)、Fiesers’ Reagents for Organic Synthesis(John Wiley & Sons,Inc.)等の文献に記載のもの又はSciFinder(Chemical Abstracts Service,American Chemical Society)、Reaxys(Elsevier Ltd.)等のデータベースに収載のものが挙げられる。
また、各工程において適宜反応溶媒を用いることができる。溶媒の具体例としてはエタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン、水等が挙げられる。有機溶媒及び水の二相系で反応を行う場合、相間移動触媒を添加することも可能である。相間移動触媒の具体例としてはベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
また、各工程において必要に応じて精製を行うことができる。精製方法としてはクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華、再沈殿、吸着、分液処理等が挙げられる。精製剤の具体例としてはシリカゲル、NHシリカゲル、アルミナ、活性炭等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に記述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。化合物の純度はGC又はUPLCによって分析した。化合物および反応溶媒の略称は以下の通りである:テトラヒドロフラン(THF)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン(TMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)
(実施例1)化合物(I−a1−1)の製造
Figure 2020090441
窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、冷却管、ディーンスターク管を備えた反応容器に、p−トルエンスルホン酸一水和物(6.79g)及びトルエン100mlを加え、30分間加熱還流し、生じた水を除去した。この混合物を室温まで冷却した後、TMP(5.11g)及び2−(m−トリル)プロパンー1,3−ジオール(5.47g)を加え、3時間加熱還流し、生じた水を除去した。この反応混合物を室温まで冷却した後、1.0M水酸化ナトリウム水溶液150mlを加えて攪拌し、有機層を分けとり、1.0M水酸化ナトリウム水溶液150ml、水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄した。得られた有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、トルエン)を通過させた。得られた溶液を濃縮し、化合物(I−1a−1)(9.49g)を得た。
GC−MS:m/z 288.20 [M−15]
相転移温度:Oil(凝固点は−20℃以下)
1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ: 1.22(s,12H), 1.64(s,4H), 2.31(s,3H), 2.96(quint,1H), 3.96(dd,2H), 4.21(dd,2H), 6.98(d,2H), 7.18-7.26(m,2H),7.48(t,1H)
実施例1と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例2(化合物(I−a1−2))〜実施例20(化合物(I−a1−20))を製造した。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(実施例21)化合物(I−a2−1)の製造
Figure 2020090441
(化合物(E−2)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、冷却管、ディーンスターク管を備えた反応容器に、p−トルエンスルホン酸一水和物(37.50g)及びトルエン150mlを加え、1時間加熱還流し、生じた水を除去した。この混合物を室温まで冷却した後、TMP(25.02g)、及び化合物(E−1)(29.98g)を加え、5時間加熱還流し、生じた水を除去した。この反応混合物を室温まで冷却した後、1.0M水酸化ナトリウム水溶液150mlを加えて攪拌し、有機層を分けとり、水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄した。得られた有機層を濃縮し、化合物(E−2)(33.04g)を得た。
(化合物(I−1b−1)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計を備えた反応容器に、化合物(E−2)(16.52g)、化合物(E−4)(6.22g)、トリフェニルホスフィン(16.58g)及びTHF60mlを加え、5℃以下に冷却し攪拌した後、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(12.20g)を5℃以下を保ちながら滴下し、室温で1時間撹拌した。この反応混合物に対し、水0.1mlを加えて攪拌した後、溶媒を留去し、メタノール60ml及び水30mlを加えて室温で1時間攪拌した。この反応混合物をろ過して得られた固体をヘキサン/トルエン混合溶媒に溶解させ、カラムクロマトグラフィー(NHシリカ20g)を通した。得られた溶液を濃縮し、ヘキサン15mlを加えて−20℃で再結晶を行った。析出した固体をろ過し、真空乾燥させ、化合物(I−1c−B3)(15.19g)を得た。
GC−MS:m/z 362.26 [M−15]
実施例21と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例22(化合物(I−a2−2))〜実施例44(化合物(I−a2−24))を製造した。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(実施例45)化合物(I−a3−1)の製造
Figure 2020090441
(化合物(E−6)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、冷却管、ディーンスターク管を備えた反応容器に、p−トルエンスルホン酸一水和物(5.02g)及びトルエン100mlを加え、30分間加熱還流し、生じた水を除去した。この混合物を室温まで冷却した後、TMP(3.82g)、DMF30ml及び化合物(E−5)(3.33g)を加え、4時間加熱還流し、生じた水を除去した。この反応混合物を室温まで冷却した後、1.0M水酸化ナトリウム水溶液および水を加えてpH=7〜8程度に調整して攪拌し、有機層を分けとり、水100mlで2回及び飽和食塩水100mlで洗浄した。得られた有機層を濃縮し、化合物(E−6)(5.35g)を得た。
(化合物(I−1d−B3)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計を備えた反応容器に、化合物(E−6)(5.35g)、化合物(E−7)(2.11g)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.12g、ジクロロメタン25mlを加え、5〜10℃で10分間攪拌した。攪拌下、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)6.2gを5〜10℃を保ちながら滴下し、続いて25度まで昇温し7時間攪拌した。この反応混合物に対して水25mlを加えた後、有機層を分離し、さらに水層をジクロロメタン25mlで抽出した。得られた有機層を混合して一つにした後、NHシリカ10gを充填したカラム上に加え、さらにヘキサン100mlを流して通過させた。得られた溶液の溶媒をおおむね留去した後、ヘキサン/トルエンを用いて−20℃で再結晶を行った。析出した固体をろ過、乾燥することで化合物(I−1d−B3)を4.53g得た。
GC−MS:m/z 332.19 [M−15
実施例45と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例46(化合物(I−a3−2))〜実施例62(化合物(I−a3−18))を製造した。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(実施例63)化合物(I−a4−1)の製造
Figure 2020090441
(化合物(E−9)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、冷却管、ディーンスターク管を備えた反応容器に、p−トルエンスルホン酸一水和物(50.2g)及びトルエン1000mlを加え、30分間加熱還流し、生じた水を除去した。この混合物を室温まで冷却した後、TMP(38.2g)、DMF300ml及び化合物(E−8)(22.5g)を加え、4時間加熱還流し、生じた水を除去した。この反応混合物を室温まで冷却した後、1.0M水酸化ナトリウム水溶液1500mlを加えて攪拌し、有機層を分けとり、水1000mlで2回及び飽和食塩水1000mlで洗浄した。得られた有機層を濃縮し、化合物(E−9)(22.4g)を得た。
(化合物(I−1d−1)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計を備えた反応容器に、化合物(E−9)(11.2g)、水素化ナトリウム1.2gおよびDMF100mlを加え、室温で20分撹拌した後、化合物(E−10)(9.8g)、を加えて90℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、トルエン100ml、水100mlを加え有機層を分離し、さらに水層をトルエン100mlで抽出した。得られた有機層を合わせ、水150ml、飽和食塩水150mlで洗浄し、得られた有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。得られた溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(NHシリカ20g)に対し、あらかじめヘキサン50mlに溶解しておいた粗体を通し、さらにヘキサン50mlで溶出させた。得られた溶液を濃縮し、ヘキサン10mlを加えて−20℃で再結晶を行った。析出した固体をろ過し、真空乾燥させ、化合物(I−1d−1)(8.98g)を得た。
実施例63と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例64(化合物(I−a4−2))〜実施例73(化合物(I−a4−11))を製造した。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(実施例74)化合物(I−a5−1)の製造
Figure 2020090441
(化合物(I−1e−1)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計を備えた反応容器に、化合物(E−9)(11.2g)、化合物(E−11)(6.65g)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.30g、ジクロロメタン80mlを加え、5〜10℃で10分間攪拌した。攪拌下、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)8.0gを5〜10℃を保ちながら滴下し、続いて25度まで昇温し7時間攪拌した。この反応混合物に対して水2mlを加えて攪拌した後、析出した固体を除去し、得られた溶液を濃縮した。得られた固体をヘキサン20mlに溶かし、NHシリカ20gを充填したカラム上に加え、さらにヘキサン100mlを流して通過させた。得られた溶液の溶媒をおおむね留去した後、ヘキサン/トルエンを用いて−20℃で再結晶を行った。析出した固体をろ過、乾燥することで化合物(I−1e−1)を10.2g得た。
実施例74と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例75(化合物(I−a5−2))〜実施例84(化合物(I−a5−11))を製造した。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(実施例85)化合物(I−a6−1)の製造
Figure 2020090441
(化合物(E−2)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、冷却管、ディーンスターク管を備えた反応容器に、p−トルエンスルホン酸一水和物(37.50g)及びトルエン150mlを加え、1時間加熱還流し、生じた水を除去した。この混合物を室温まで冷却した後、TMP(25.02g)、及び化合物(E−1)(29.98g)を加え、5時間加熱還流し、生じた水を除去した。この反応混合物を室温まで冷却した後、1.0M水酸化ナトリウム水溶液150mlを加えて攪拌し、有機層を分けとり、水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄した。得られた有機層を濃縮し、化合物(E−2)(33.04g)を得た。
窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計を備えた反応容器に、化合物(E−2)(13.5g)、化合物(E−12)(7.47g)、ジブチルスズオキサイド(1.24g)及びキシレン60mlを加え、5時間加熱還流し、生じたメタノールを除去した。この反応混合物を50℃まで冷却し、カラムクロマトグラフィー(NHシリカ30g)に通した。得られた溶液を濃縮し、−20℃で再結晶を行った。析出した固体をろ過し、真空乾燥させ、化合物(I−1f−1)(11.11g)を得た。
実施例85と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例86(化合物(I−a6−2))〜実施例106(化合物(I−a6−23))を製造した。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(実施例107)化合物(I−a7−1)の製造
Figure 2020090441
(化合物(E−14)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、冷却管、ディーンスターク管を備えた反応容器に、p−トルエンスルホン酸一水和物(5.02g)及びトルエン100mlを加え、30分間加熱還流し、生じた水を除去した。この混合物を室温まで冷却した後、TMP(3.82g)及び化合物(E−13)(3.28g)を加え、4時間加熱還流し、生じた水を除去した。この反応混合物を室温まで冷却した後、1.0M水酸化ナトリウム水溶液150ml攪拌し、有機層を分けとり、水100mlで2回及び飽和食塩水100mlで洗浄した。得られた有機層を濃縮し、化合物(E−14)(6.31g)を得た。
(化合物(E−15)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、化合物(E−14)(6.31g)および乾燥トルエン50mlを加え、−73℃に冷却した。この混合物中にDIBAL(1.5Mトルエン溶液)27mlを−65℃以下を保ちながら滴下し、更にー73℃で2時間攪拌した。この反応混合物に対し、−65℃以下を保ちながら水/THF混合溶媒10mlを滴下した。この反応混合物を室温まで昇温させた後、15%水酸化ナトリウム水溶液5ml、水15mlを加えて3時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過して固体を除去し、得られた有機層から溶媒を留去し、化合物(E−15)(5.32g)を得た。
(化合物(E−17)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、化合物(E−16)(12.22g)及びTHF25mlを加え、ここへt−ブトキシカリウム(2.85g)を10℃以下で加えて攪拌した。この反応混合物中に、THF15mlに溶解させた化合物(E−15)(5.32g)を10℃以下を保ちながら滴下し、5℃で2時間攪拌した。この反応混合物へ水0.5ml、ヘキサン40mlを加えて室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過して固体を除去し、得られた有機層に5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液5mlを加えて室温で1時間攪拌した。この反応混合物の有機層を分けとり、水/メタノール混合溶媒20ml、飽和食塩水20mlで洗浄し、濃縮した。得られた混合物をカラム(NHシリカ、ヘキサン)を通過させ、得られた溶液を濃縮し、化合物(E−17)(6.95g)を得た。
(化合物(I−1g−C3)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計を備えた反応容器に、化合物(E−17)(3.61g)、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム・2水和物(0.5g)及びトルエン20mlを加えて攪拌した。この混合物中に10%塩酸1.1gを加え、3時間加熱還流した。この反応混合物を室温まで冷却し、水5mlを加えた。有機層を分けとり、10%炭酸水素ナトリウム水溶液5ml、10%食塩水5mlで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層を濃縮した。得られた混合物をカラム(NHシリカ、ヘキサン)を通過させた。得られた溶液を濃縮し、ヘキサン10mlを 加えて−20℃で再結晶を行い、化合物(I−1g−C3)(2.32g)を得た。
実施例107と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例108(化合物(I−a7−2))〜実施例117(化合物(I−a7−11))を製造した。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(実施例118)化合物(I−a8−1)の製造
Figure 2020090441
(化合物(I−1h−C3)の製造)窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計を備えた耐圧反応容器に、化合物(E−17)(4.51g)、5%パラジウム炭素(50%含水品)(0.18g)及びTHF15mlを加え、容器内に水素(0.5MPa)を加圧充填して室温で5時間攪拌した。この反応混合物をろ過し、さらに除去された固体をTHF100mlで洗浄した。得られた溶液を濃縮し、カラム(NHシリカ、ヘキサン)を通過させた後に濃縮し、ヘキサン10mlを 加えて−20℃で再結晶を行い、化合物(I−1h−C3)(3.24g)を得た。
実施例118と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例119(化合物(I−a8−2))〜実施例130(化合物(I−a8−13))を製造した。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
上記、実施例1〜130で得られた化合物のいずれかを含有する液晶組成物について、測定した特性は以下の通りである。
VHR:周波数60Hz,印加電圧1Vの条件下で333Kにおける電圧保持率(%)を3段階評価した。
A:98〜100%
B:95〜98%
C:95%以下
耐光VHR:液晶組成物に対して、厚さ0.5mmのガラスを介して超高圧水銀ランプを用いて紫外線を180J/m照射する。紫外線照射後の液晶の電圧保持率を上述のVHR測定と同様の方法で測定する。但し、照射強度は366nmで0.1W/mとした。評価は以下の3段階で行った。
A:90〜100%
B:75〜90%
C:75%以下
相溶性:液晶組成物に、実施例1〜229で得られた化合物のいずれかを500ppm添加した際の溶解の様子を目視で3段階評価した。
A:すべて溶解する
B:わずかに溶解せず分離している
C:一部溶解せず分離している
保存安定性:液晶組成物を−20℃で1週間保存し、析出物の有無を目視で3段階評価した。
A:析出物なし
B:わずかに白濁が見られる
C:析出物が明らかに確認できる
(実施例131)液晶組成物の調製−1
以下の組成からなるホスト液晶組成物(H)を調製した。
Figure 2020090441
この母体液晶(H)に対し、実施例1で得られた化合物(I−a1−1)を500ppm添加して、VHR、耐光VHR、相溶性及び保存安定性を測定した。
(実施例131〜260)
実施例130と同様にして、実施例2〜実施例130で製造した化合物を用いて、実施例131〜実施例260の測定を行った。
結果を以下に示す。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
Figure 2020090441
(比較例1)
比較例として、母体液晶(H)に対し、特にさらなる化合物を添加することなく特性を測定した結果は以下の通りである。
VHR:A
耐光VHR:C
保存安定性:A
この結果から、本願発明の化合物は、液晶組成物の保存安定性を損なうことなく、液晶組成物の光による劣化を防止する効果があることが分かる。
(比較例2)
母体液晶(H)に対し、化合物(R−1)を500ppm添加し、測定を測定した結果は以下の通りである。
Figure 2020090441
VHR:A
耐光VHR:A
相溶性:B
保存安定性:C
(比較例3,4)
以下、比較例2と同様にして、比較例3,4の測定を行った結果を以下に示す。
Figure 2020090441
Figure 2020090441
この結果から、本願発明の化合物は、液晶組成物の保存安定性を損なうことなく、液晶組成物との相溶性が高く、液晶組成物の光による劣化を防止する効果があることが分かる。

Claims (7)

  1. 一般式(i)
    Figure 2020090441
    (式中、Zi1
    Figure 2020090441
    (式中、Ri1は水素原子、水酸基、炭素原子数1〜6のアルキル基、又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基を表し、
    i2は水素原子、又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、mi1は0又は1を表し、
    Spi1及びSpi2はそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1から12のアルキレン基を表し、アルキレン基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−又は−C≡C−により置き換えられても良く、
    i1は、
    (a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)及び
    (c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
    からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立して置換基を有してもよく、
    i1は0、1、2、3又は4を表す。)
    で表される基を表し、
    i1は式(Y−1)〜(Y−4)
    Figure 2020090441
    (式中、Wi1〜Wi4はZi1で表される基、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素原子数1から12のアルキル基を表し、アルキル基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−OCF−、−CFO−、又は−C≡C−により置き換えられても良く、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子により置き換えられても良いが、ただし、Wi1〜Wi4中の1つ以上はZi1を表す。)
    から選択される基を表し、
    i1は1、2、3又は4を表すが、
    i1、Ri1、Ri2、Spi1、Spi2、mi1又はqi1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
    で表される化合物。
  2. 一般式(i)において、Ri1が水素原子を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. 一般式(i)において、Spi1が、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が−O−、−COO−、−OCO−により置き換えられた炭素原子数1から12のアルキレン基又は単結合を表す、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 一般式(i)において、qi1が0を表す、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物を一種又は二種以上含有する組成物。
  6. 室温において液晶相を有する請求項5記載の組成物。
  7. 請求項5又は6記載の組成物を使用した表示素子。
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WO2017002702A1 (ja) * 2015-07-01 2017-01-05 Dic株式会社 安定剤化合物、液晶組成物および表示素子
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JP2018162439A (ja) * 2017-01-30 2018-10-18 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung 化合物および液晶媒体

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