JP2020090295A - 劣化防止部材 - Google Patents

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JP2020090295A JP2018227136A JP2018227136A JP2020090295A JP 2020090295 A JP2020090295 A JP 2020090295A JP 2018227136 A JP2018227136 A JP 2018227136A JP 2018227136 A JP2018227136 A JP 2018227136A JP 2020090295 A JP2020090295 A JP 2020090295A
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伸一 大久保
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Abstract

【課題】内容物が入った容器を開封した後に、容器の径や形状に影響されずに、しっかりと内容物の酸化などを防止あるいは抑制可能で、また、容器への出し入れがし易く、安価で簡便な劣化防止部材を提供する。【解決手段】少なくとも、浮き蓋と、浮き蓋に付された回収機構と、を備え、浮き蓋は、外から内に向かって、少なくとも、ガスバリア層、基材、酸素吸収層が順に積層される積層体、または、外から内に向かって、少なくとも、酸素吸収層、基材、ガスバリア層が順に積層される積層体を含む、ことを特徴とする劣化防止部材。【選択図】図1

Description

容器に入った液体などの内容物の劣化を防止する劣化防止部材に関する。
酒類や清涼飲料水などの飲料、醤油、酢、みりんなどの液体調味料、食用油、感光材料を現像処理する自動現像機に付設する補充液、化粧水、香水などの液状の化粧品などは、一般的に容器に密封されて販売されている。これらを購入して、これらの容器が一旦開封されると、蓋やコルクで容器の口を封じた場合でも、時間の経過と共に、これら内容物を構成する成分の酸化などにより、これらの内容物の味、香り、風味などが変化する。
そこで、このような内容物の劣化を防ぐために、近年様々な手段が提案されている。
例えば、特許文献1は、ガスバリア性を有する樹脂やシリコンを素材とし、内容物より比重を小さくすることで内容物である液体の液面に配置させて、内容物の劣化を防ぐ部材がある。しかし、この部材では、十分に酸化を防ぐことができず、また、回収機構がないために劣化防止部材を容器から取り出すことが困難である。
特許文献2は、傘の開閉のような構造で器具の一部を上下動して径を拡大収縮させることで、容器の出し入れを容易にし、内容物である液体の液面付近を密封する部材がある。しかし、この部材は、構成が複雑であり、安価での開発は難しい。
さらに、特許文献3は、空気で膨張させた袋を液面とボトル内周面に密着して液体を気密状態にさせるとともに、ボトル内の空気を、膨張させた袋によって外部に押し出させる道具がある。しかし、この道具は、使用の都度、袋の中に空気を封入する手間がかかり、使用が煩雑である、という問題がある。
また、上記先行技術文献に係る発明の場合、容器に入る劣化防止部材の形状がある程度決まっているため、容器の形状と合わずに劣化防止部材と容器の間に間隙がある場合に、内容物の酸化を十分に抑えられない。つまり、上記各先行技術文献に係る発明は、容器の径や形状による影響が大きいと言える。
特許第6344589号公報 特許第4267060号公報 特開2006−36277号公報
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、内容物が入った容器を開封した後に、容器の径や形状に影響されずに、長期間にわたり内容物の酸化などを防止あるいは抑制することを可能とし、また、容器から取り出し易く、安価で簡便な劣化防止部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決する劣化防止部材は、容器に入った内容物の劣化を防止するために、少なくとも、浮き蓋と、前記浮き蓋に付された回収機構と、を備え、前記浮き蓋は、外から
内に向かって、少なくとも、ガスバリア層、基材、酸素吸収層が順に積層される積層体、または、外から内に向かって、少なくとも、酸素吸収層、基材、ガスバリア層が順に積層される積層体を含む、ことを特徴とする。
劣化防止部材は、その一部を構成する浮き蓋が、外から内に向かって、少なくとも、ガスバリア層、基材、酸素吸収層が順に積層される積層体、または、外から内に向かって、少なくとも、酸素吸収層、基材、ガスバリア層が順に積層される積層体を含むため、容器の径や形状に影響されずに、長期間にわたって内容物の酸化などを防止あるいは抑制することが可能である。また、この浮き蓋には回収機構が付されているため、容器から取り出し易い。上記のとおり、本発明の劣化防止部材は、浮き蓋と回収機構のみの簡単な構成であるため、安価で簡便である。
劣化防止部材100の一実施形態を説明するための正面図である。 劣化防止部材100の一実施形態の一部を構成する浮き蓋1のA−A’正面断面図である。 劣化防止部材100の一実施形態を説明するための平面図である。 劣化防止部材100の使用の一例を示す正面図である。 図4(A)は、ワイン9の入ったワインボトル8の中に、劣化防止部材100の一部を構成する浮き蓋1を入れている状態を示す正面図である。 図4(B)は、ワイン9の入ったワインボトル8の中に、劣化防止部材100の一部を構成する浮き蓋1が入っている状態を示す正面図である。 図4(C)は、ワイン9の入ったワインボトル8の中から、劣化防止部材100の一部を構成する浮き蓋1を取り出している状態を示す正面図である。 劣化防止部材100の一実施形態の一部である浮き蓋1の一部を構成する積層体200の積層構造を模式的に表す断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照して、劣化防止部材の実施形態の例について説明する。
図1は、劣化防止部材100の一実施形態を説明するための正面図である。
劣化防止部材100の一実施形態では、内容物である液体の液面上に浮かせる浮き蓋1と、容器に入った浮き蓋1を引っ張り上げて回収するための、前記浮き蓋1に付された回収機構2と、前記回収機構2に付された栓3とから構成される。
本発明の目的を達成するためには、浮き蓋1と回収機構2のみでもよいが、栓3も設けることで、容器に入った内容物の酸化などをより防止あるいは抑制することが可能となる。
容器に入った内容物である液体の液面に、前記浮き蓋1を浮かせて、液体上部空間にある空気を遮断することにより、内容物である液体の酸化などを防止あるいは抑制することが出来る。
上記の通り、劣化防止部材100は、構成が単純で簡単に使用できるものであり、安価での開発が可能である。
前記浮き蓋1に付された回収機構2は、一旦容器の中に入った浮き蓋1を取り出しやすくする役目を果たす。この回収機構2としては、例えば、吊り紐などを使用することが出
来る。
前記浮き蓋1の形状は、中心部4が最も厚く、中心部4から周縁部5に向かってその厚さが徐々に薄くなるように形成されている。浮き蓋1の上下両面が共に山型形状を呈することにより、内容物である液体が一時その浮き蓋1の上面に被った場合も自然と流れ落ちるし、また、内容物である液体が無くなりかけた時、浮き蓋1の下面が容器の底面に貼り付くおそれもない。
このように構成することで、浮き蓋1の重心は、浮き蓋1の上下の中心部4を通る軸線上に位置される。
前記浮き蓋1、栓3、およびこれらをつなぐ回収機構2は、部品ごとに付け外しが可能である。よって、劣化防止部材100は、使用の都度、前記部品ごとに取外して個別に洗って何度でも使用することや、前記部品を個別に交換することも可能である。
また、劣化防止部材100を廃棄する際は、原料が異なる前記各部品を分別して廃棄することが可能となる。
以下に、上記の浮き蓋1と回収機構2の各部材について詳しく説明する。
<浮き蓋1について>
前記浮き蓋1の素材は、例えば、下記の特徴を有する。
(1)ガスバリア性を有する。
浮き蓋1がガスバリア性を有することにより、内容物の酸化防止などの効果を高めることができる。
詳細は、後の図5の、劣化防止部材100の一実施形態の一部である浮き蓋1の一部を構成する積層体200の積層構造を模式的に表す断面図の説明で述べる。
(2)紫外線吸収剤が含有されている。
蛍光灯による光や太陽光に含まれる紫外線により、内容物が劣化するため、それを防止するための紫外線吸収剤が浮き蓋1に含有されていることが好ましい。
詳細は、後の図5の、劣化防止部材100の一実施形態の一部である浮き蓋1の一部を構成する積層体200の積層構造を模式的に表す断面図の説明で述べる。
(3)弾性変形可能である。
内容物が入った容器の口部の径が浮き蓋1の径よりも小さい場合でも、浮き蓋1を簡単に折り曲げて前記容器の口部に入れ、口部から首部を通って胴部に入った際は元の形状に戻ることが出来るようにするため、浮き蓋1は弾性変形可能である。
(4)内容物である液体よりも比重が小さい。
浮き蓋1は、内容物である液体に浮かせるため、液体よりも比重を小さくする必要がある。
例えば、内容物がワインの場合、その比重が通常0.95以上0.995以下程度であるので、浮き蓋1をワインの液面に確実に配置するための浮力を確保するには、浮き蓋1は上記ワインの比重より小さいものが好ましい。
または、浮き蓋1の内部に閉鎖空間部7を形成し、その中に空気などの気体を入れることで、浮き蓋1全体の比重を小さくして浮力を確保してもよい。
(5)無味無臭である。
内容物の味や香りを変化させないように、内容物に接触する浮き蓋1は、無味無臭であることが好ましい。
(6)不活性度が高い。
内容物が酸素などの他の物質と簡単に反応してしまうことは、内容物の劣化の一原因と
なり得るため、浮き蓋1は不活性度が高いことが好ましい。
(7)抗菌性がある。
浮き蓋1を容器に入れる際に、素手で浮き蓋1に接触することが通常であるため、また、浮き蓋1は内容物にも接触するため、浮き蓋1は抗菌性があることが好ましい。
<回収機構2について>
この回収機構2としては、例えば、吊り紐などを使用することが出来る。
図1の、劣化防止部材100の一実施形態を説明するための正面図では、回収機構2は、浮き蓋1だけでなく栓3にも付されている。上述したとおり、本発明の目的を達成するためには、浮き蓋1と回収機構2のみでもよいが、栓3も設けることで、容器に入った内容物の酸化などをより防止あるいは抑制することが可能となる。
劣化防止部材100の販売時に、栓3が回収機構2に既に付されている場合は、他の栓に付け替えることも出来るし、栓3が回収機構2に付されていない場合は、容器を封じるために当初使用されていた栓や別途用意した栓を回収機構2に付すことも出来る。
前記回収機構2を前記浮き蓋1に付す位置は、浮き蓋1が左右どちらかに傾かずに、より水平を保った状態で内容物である液体の液面に配置されるようにするため、前記浮き蓋1の重心の位置に付けるようにする。浮き蓋1に、内容物である液体に浮く原料を用いている場合でも、回収機構2を浮き蓋1の重心の位置に付すことが好ましい。
上記のとおり、回収機構2は、浮き蓋1と共に内容物に接触する可能性があるため、浮き蓋1と同様、抗菌性があることが好ましい。また、回収機構2は、少なくとも一つ設ければよい。
図2は、図1の劣化防止部材100の一実施形態の一部を構成する浮き蓋1のA−A’正面断面図である。
図2に示すとおり、浮き蓋1は、コア基材6、積層体200より構成され、内部に閉鎖空間部7が形成されている。コア基材6は、浮き蓋1の中心部に設けられ、浮き蓋1を形作る役割を果たす。
積層体200は、前記コア基材6を覆う形で設けられている。この積層体200は、後の図5の、劣化防止部材100の一実施形態の一部である浮き蓋1の一部を構成する積層体200の積層構造を模式的に表す断面図の説明で述べるとおり、外から内に向かって、少なくとも、ガスバリア層、基材、酸素吸収層が順に積層されるか、または、外から内に向かって、少なくとも、酸素吸収層、基材、ガスバリア層が順に積層される。
積層体200を上記構成とすることで、容器の径や形状に影響されずに、内容物の酸化などを防止あるいは抑制することが可能となる。
なお、上記のコア基材6もしくは積層体200、またはその両方に紫外線吸収剤が含有されることで、蛍光灯による光や太陽光に含まれる紫外線による内容物の劣化も防止することができる。
上記図1の、劣化防止部材100の一実施形態の説明に述べたように、浮き蓋1は、内容物である液体に浮かせるため、内容物である液体よりも比重を小さくする必要がある。しかし、図2のように、この浮き蓋1の内部に閉鎖空間部7を形成すれば、浮き蓋1が内容物である液体の比重より大きい場合でも浮き蓋1を内容物である液体に浮かせることが
可能である。
また、図2では、閉鎖空間部7の正面視断面形状を略凹レンズ形状で表しているが、これに限定されるわけではない。
閉鎖空間部7には、例えば、空気、窒素、またはアルゴンなどの不活性ガスからなる気体が封入されている。この閉鎖空間部7は、少なくとも一つ形成すればよい。
図3は、劣化防止部材の一実施形態を説明するための平面図である。
図1の劣化防止部材100の一実施形態の説明で述べたとおり、浮き蓋1は、中心部4が最も厚く、中心部4から周縁部5に向かってその厚さが徐々に薄くなるように形成されており、図3は、その浮き蓋1の平面図である。
ここでは、例として、平面視円形の浮き蓋1を示しているが、内容物が入った容器の胴部の形状に合わせて、楕円形、四角形、三角形など、様々な形状が考えられる。
また、浮き蓋1を内容物である液体の液面に配置した時に、浮き蓋1が左右どちらかに傾かずに、より水平を保った状態で液面に配置されるようにするため、回収機構2は、前記浮き蓋1の重心の位置に付すようにすることが好ましい。上記の形状である図3の浮き蓋1の場合は、その重心は、浮き蓋1の上下の中心部4を通る軸線上に位置する。
浮き蓋1に、内容物である液体に浮く原料を用いている場合でも、回収機構2を浮き蓋1の重心の位置に付すことが好ましい。
図4は、劣化防止部材100の使用の一例を示す正面図であり、以下の通り、(A)、(B)、(C)の順に、使用手順を示している。
ここでは、例として、口部の径より胴部の径の方が大きく、かつその口部の径が劣化防止部材100の一部を構成する浮き蓋1の径よりも小さいワインボトル8に、飲み残しのワイン9が入った状態で、劣化防止部材100を使用した状態を示す。
回収機構2に付す栓3は、使用せずとも、積層体200の構成に特徴を有する浮き蓋1により、容器に入った内容物の酸化などを防止あるいは抑制することが可能であるが、使用した方が、容器の外側からの空気を長期間にわたって遮断し、内容物の酸化などをより防止あるいは抑制することが可能である。
栓3は、市販のワイン9に既に付いていたコルク栓でもよいし、個別に購入した市販の栓などでもよい。さらに、栓3は、浮き蓋1と回収機構2と一体となった形で販売されている、その一部品であってもよい。市販のワイン9に既に付いていたコルク栓や、個別に購入した市販の栓を使用した場合は、劣化防止部材100を使用する前に、回収機構2を栓3に付す作業が必要となる。
回収機構2が栓3に付された後の使用方法を、図4(A)、(B)、(C)の図面を参照しながら以下に説明する。
図4(A)は、ワイン9の入ったワインボトル8の中に、劣化防止部材100の一部を構成する浮き蓋1を入れている状態を示す正面図である。
上記の図1の劣化防止部材100の一実施形態の説明でも述べたとおり、浮き蓋1は、
弾力性があるため、ワインボトル8の口部の径が浮き蓋1の径よりも小さい場合でも、浮き蓋1を簡単に折り曲げてワインボトル8の口部に入れることが出来る。浮き蓋1を入れる際は、特に家庭では、通常は素手で浮き蓋1に接触することが通常であるため、ワイン9の中への菌の混入を防ぐため、浮き蓋1の少なくとも外側に使用する素材は、抗菌性があることが好ましい。
なお、ワインボトル8内のワイン9の酸化は、消費者が商品を購入する前の製造者による商品製造段階で、ワイン9がワインボトル8に詰められる時にも、空気が存在する限り起こり得る。よって、製造者がワインボトル8にワイン6を詰める時に、劣化防止部材100を使用してもよい。
図4(B)は、ワイン9の入ったワインボトル8の中に、劣化防止部材100の一部を構成する浮き蓋1が入っている状態を示す正面図である。
図4に示す浮き蓋1は、図1の劣化防止部材100の一実施形態の説明で述べたとおり、中心部4が最も厚く、中心部4から周縁部5に向かってその厚さが徐々に薄くなり、上下両面共に山型形状を呈している。
浮き蓋1を上記形状とすることで、ワイン9が、一時、浮き蓋1の上面に被った場合もワイン9が自然と浮き蓋1から流れ落ちる。またワイン9が無くなりかけた場合でも、浮き蓋1の下面がワインボトル8の底面に貼り付くおそれもない。
また、ワイン9の液面にこの浮き蓋1を浮かした時に、浮き蓋1が左右どちらかに傾かずに、より水平を保った状態で液面に配置されるようにするため、回収機構2は、前記浮き蓋1の重心の位置に付されている。よって、前記浮き蓋1が、飲み残しのワイン9が入ったワインボトル8の中に入ると、水平を保った状態で、ワイン9の液面に配置される。
ワインボトル8が立った状態であっても、あるいは、傾いた状態であっても、浮き蓋1は、ワイン9の液面とともにワインボトル8本体に対する相対的位置を変えながら、ワインボトル8の内部をワイン9の液面とともに揺動する。
ワイン9の残量が少ないと、その分、ワインボトル8内の空気が多くなるため、ワイン9の酸化が進みやすいが、浮き蓋1を用いることで、ワイン6が密封状態となるため、ワイン6の残量が少ない状態でも空気にほとんど触れず、ワイン9の酸化を抑えることが可能となる。
浮き蓋1をワインボトル8に入れた後は、ワインボトル8の外からの空気を遮断させるため、回収機構2に付された栓3でワインボトル8の口部を封じる。
図4(C)は、ワイン9の入ったワインボトル8の中から、劣化防止部材100の一部を構成する浮き蓋1を取り出している状態を示す正面図である。
劣化防止部材100が、浮き蓋1のみで構成されている場合、ワインボトル8の口部が浮き蓋1の径よりも小さいワインボトル8の中に、折り曲げた浮き蓋1を押し込んで入れた後、その浮き蓋1をそのワインボトル8の中から取り出すことは容易ではない。そこで、浮き蓋1に回収機構2を付すことで、その回収機構2を引っ張り上げるだけで、容易に浮き蓋1をワインボトル8から取り出すことが可能となる。
具体的には、回収機構2に付された栓3を引っ張って浮き蓋1を取り出す時、浮き蓋1は、ワインボトル8の胴部から首部に差し掛かった箇所で折り曲げられ、その折り曲がっ
た状態のまま、ワインボトル8の口部から取り出される。
浮き蓋1の硬さは、浮き蓋1をワインボトル8に入れる時も、またワインボトル8から取り出す時も、簡単に折り曲がる程度の柔らかさが好ましい。特に、ワインボトル8の口部の径が浮き蓋1の径よりも小さいワインボトル8の場合、浮き蓋1をそのワインボトル8の中に入れることが出来ないと本発明の目的は全く発揮されないので、浮き蓋1は、少なくとも手で折り曲げられる程度の柔らかさとすることが好ましい。
また、浮き蓋1を手で折り曲げてワインボトル8の中に入れることは出来るが、ワインボトル8の胴部から首部に差し掛かる部分で引っかかって、浮き蓋1を上手く取り出せない場合でも、浮き蓋1をワインボトル8に入れたまま、ワイン9をグラスなどに注ぐことは可能ではある。しかし、その場合、そのワイン9を飲みきるまで浮き蓋1を洗うことは出来ないし、浮き蓋1をワインボトル8から取り出すことが不可能である場合は、そのままワインボトル8と共に廃棄するしかなく、再利用が出来ない。よって、浮き蓋1は、上記の柔らかさであることが好ましい。
なお、ここでは、例としてワイン9が入ったワインボトル8を例として示しているが、この内容物は、ワイン以外の酒類や清涼飲料水などの飲料、醤油、酢、みりんなどの液体調味料、食用油、感光材料を現像処理する自動現像機に付設する補充液、化粧水、香水などの液状の化粧品であってもよい。
図5は、劣化防止部材100の一実施形態の一部である浮き蓋1の一部を構成する積層体200の積層構造を模式的に表す断面図である。
図2の、図1の劣化防止部材100の一実施形態の一部を構成する浮き蓋1のA−A’正面断面図説明の説明で述べたとおり、積層体200は、浮き蓋1の中心部のコア基材6を覆うようにして設けられている。
図5(A)は、前記積層体200が、外から内に向かって、ガスバリア層、基材、酸素吸収層が順に積層されている。図5(B)は、前記積層体200が、外から内に向かって、酸素吸収層、基材、ガスバリア層が順に積層されている。
液体などの内容物や容器内外の空気に接する積層体の外側に、ガスバリア層20または酸素吸収層21を設けることで、内容物の入った容器の中に存在する酸素や容器の外から侵入する酸素を吸収し、その透過・侵入を防止あるいは抑制することができる。なお、ガスバリア層20は、上記の効果の他、多様なバリア機能を付加する効果をも有する。
浮き蓋1を構成する積層体200に、ガスバリア層20のみならず、酸素吸収層21も設けることで、酸素吸収効率や酸素吸収量をより高める効果が発揮される。
浮き蓋1を構成する積層体200の積層体は、ガスバリア層20、基材21、酸素吸収層22を少なくとも1層ずつ設ければよく、これらの各層を複数組み合せてもよいし、またはこれら以外の層を設けてもよい。
また、上記の層の少なくとも一層に紫外線吸収剤が含有されることで、蛍光灯による光や太陽光に含まれる紫外線による内容物の劣化を防止することができる。
例えば、浮き蓋1の平面視形状が円形で、内容物が入った容器の胴部断面が四角形である場合、浮き蓋1と容器の間に間隙ができる。従来の発明に係る劣化防止部材では、この間隙により、内容物の酸化などが十分に抑えられない。しかし、劣化防止部材100の一
部である浮き蓋1の一部を構成する積層体200を上記の構成とすることにより、内容物の酸化などを最小限に抑えられるため、従来技術と異なり、容器の径や形状による影響が少ない。
以下に、上記の各層と紫外線吸収剤について詳しく説明する。
<ガスバリア層について>
ガスバリア層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリ塩化ビニリデンのガスバリア性樹脂に加え蒸着バリア層が挙げられる。ガスバリア性樹脂を使用する場合には、好ましくはエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いるとよい。
蒸着バリア層を使用する場合には、蒸着させる金属はアルミ、スズ、ニッケル、コバルト、クロムなどが挙げられ、無機酸化物としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化スズなど、あるいはそれらの混合物が用いられる。蒸着層の厚さは用いられる材料種によって異なるが、一般的には5〜300nmで好ましくは10〜150nmの範囲である。蒸着層は1層だけでもよいが、必要に応じて2層以上設けてもよい。例えば、蒸着層を設けた後、後述するオーバーコート層を設け、さらにこのオーバーコート層の上に第2の蒸着層を設ける構成としてもよい。この場合、さらに第2の蒸着層上にオーバーコート層を設けてもよい。
オーバーコート層は、金属箔並の高度なガスバリア性を付与するために、また蒸着薄膜層を物理的に保護するために、金属、無機酸化物単体、あるいは無機酸化物の混合物の蒸着層上に設けられるものである。
それを達成するために前記オーバーコート層は、水酸基含有高分子のみ、またはそれと、1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物を主剤とするガスバリア性コーティング剤を用いて形成される。
前記のオーバーコート層に用いられる水酸基含有高分子とは、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)またはエチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース、デンプンなどを指す。とりわけPVAが本用途での取り扱い性、ガスバリア性向上に優れるが、限定するものではない。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものである。PVAとして例えば、酢酸基が十数%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAなどを含み、特に限定されない。
更に、金属アルコキシドには種々あるが、取り扱い性、コストなどを考えれば珪素のアルコキシドが好ましい。また、被膜の柔軟性向上、密着性改善などの要求があれば、テトラアルコキシドに限ることなく、いわゆるシランカップリング剤を適宜選定添加することが好ましい。
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られず十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また乾燥後の厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題がある。よって、乾燥後の厚さは、0.01μmより厚く、50μm以下の範囲にあることが好ましく、0.1μm以上10μm以下の範囲にあることがより好ましい。特に電子線硬化の場合は、ガスバリア性被膜層の膜厚と電子線エネルギー条件、加工速度および除電とのバランスが重要となる。過度のエネルギー供給
は帯電を引き起こし、その結果として起こる放電によりバリア性が損なわれる場合があるため注意を要する。
<基材について>
基材は、例えば、蓋材として一般的に使用される、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの樹脂、あるいはこれらのブレンド物、またはシリコンゴムなどがある。
<酸素吸収層について>
酸素吸収能を有する樹脂組成物として以下のものが挙げられる。アリル位については共役系、非共役系を含めると、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、シクロヘキセン、環化ゴム系などの脂環式不飽和炭化水素などが挙げられる。
ベンジル位の炭素を有する化合物としては、キシリレンジアミンの重合物であるMXD6ポリアミドや、キシリレンジアミンのイソシアネート誘導体から合成されたポリウレタン樹脂などが挙げられる。
三級炭素を有する化合物としては、プロピレンなどのα−オレフィンの重合体あるいは他のモノマーとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはその部分(完全)けん化物、ポリスチレン、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体あるいはそのエステル化物あるいはイオン化共物、ポリアクリロニトリルなど挙げられる。
α位の炭素としては、脂肪族ポリエステルあるいは脂肪族ポリアミドあるいはこれらの誘導体のような、カルボニル結合に隣接するような炭素原子を有する熱可塑性樹脂などが挙げられ、酸化反応を起こしやすい熱可塑性樹脂ならば、その骨格的なタイプは問わない。より好ましくは、結晶化度が低いガラス転移点温度が低いなどの熱可塑性樹脂を選定した方が良い。
<紫外線吸収剤について>
紫外線吸収剤としては、例えば、2,2−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2,2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのヒドロキシベンゾエート系紫外線吸収剤、さらには、酸化チタンなどの無機微粒子が例示できる。
なお、これらの紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせてもよい。中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。これらの紫外線吸収剤の添加量としては、0.01重量%以上0.2重量以下%の範囲で好適に使用でき、0.1重量%程度が好ましいものである。
上記の範囲とすることにより、劣化防止部材100の一部を構成する浮き蓋1は変色(褐色透明色)することなく、またその機械的強度を低下させることなく、波長220nm以上400nm以下の紫外線領域における光線の吸収性を向上させることができる。
浮き蓋1の紫外線透過率は、浮き蓋1の厚みや樹脂の種類などの配合量を変えることによって調整することができる。
1・・・浮き蓋
2・・・回収機構
3・・・栓
4・・・中心部
5・・・周縁部
6・・・コア基材
7・・・閉鎖空間部
8・・・ワインボトル
9・・・ワイン
20・・・ガスバリア層
21・・・基材
22・・・酸素吸収層
100・・・劣化防止部材
200・・・積層体

Claims (4)

  1. 容器に入った内容物の劣化を防止するための劣化防止部材であって、
    少なくとも、浮き蓋と、前記浮き蓋に付された回収機構と、を備え、
    前記浮き蓋は、外から内に向かって、少なくとも、ガスバリア層、基材、酸素吸収層が順に積層される積層体、または、外から内に向かって、少なくとも、酸素吸収層、基材、ガスバリア層が順に積層される積層体を含む、
    ことを特徴とする劣化防止部材。
  2. 前記浮き蓋に紫外線吸収剤が含有されている、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の劣化防止部材。
  3. 前記浮き蓋の内部に閉鎖空間部が形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1から請求項2のいずれかに記載の劣化防止部材。
  4. 前記浮き蓋が、中心部が最も厚く、中心部から周縁部に向かってその厚さが徐々に薄くなり、上下両面共に山型形状を呈するように形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の劣化防止部材。
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